JP2021090418A - 軟骨細胞シートのマーカー遺伝子探索方法及び軟骨細胞シートのマーカー遺伝子探索装置、並びに軟骨細胞シートの評価方法及び軟骨細胞シートの評価装置、並びに軟骨細胞シート、軟骨細胞シートの製造方法及び軟骨細胞シートを用いた軟骨再生方法 - Google Patents
軟骨細胞シートのマーカー遺伝子探索方法及び軟骨細胞シートのマーカー遺伝子探索装置、並びに軟骨細胞シートの評価方法及び軟骨細胞シートの評価装置、並びに軟骨細胞シート、軟骨細胞シートの製造方法及び軟骨細胞シートを用いた軟骨再生方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
したがって、軟骨シート移植は、関節軟骨病変の治療に有望なアプローチである。関節機能に重要な硝子軟骨(ヒアリン軟骨)による関節軟骨の再生は、ラット、ウサギ、ブタの部分厚や骨軟骨欠損モデルを用いて実証されている(非特許文献4〜7)。
本発明は、軟骨再生に使用される軟骨細胞シートの移植後の有効性に関連するマーカー遺伝子を移植前の軟骨細胞シートから探索するための軟骨細胞シートのマーカー遺伝子探索方法である。本発明の軟骨細胞シートのマーカー遺伝子探索方法は、移植前の軟骨細胞シートを複数ロット準備するシート準備工程と、この複数ロットの移植前の軟骨細胞シートのそれぞれについて複数のタンパク質の分泌量を測定するタンパク質測定工程と、複数ロットの軟骨細胞シートのそれぞれを骨軟骨欠損モデル生物に移植して各軟骨細胞シートについて軟骨再生に関する有効性のスコアを算出するスコア算出工程と、タンパク質測定工程で測定されたタンパク質の分泌量と、前記スコア算出工程で算出された前記スコアとの相関関係から、スコアと正の相関を示す正の相関遺伝子及び/又は負の相関を示す負の相関遺伝子を同定する遺伝子同定工程と、を備える。
シート準備工程では、移植前の軟骨細胞シートを複数ロット準備する。軟骨細胞シートの一例であるPFシートは、多指症患者から得られた軟骨組織を培養してシート状にすることで得ることができる。本実施形態では、複数の多指症患者由来のPDシートで複数ロットの軟骨細胞シートを得ている。
タンパク質測定工程では、移植前の軟骨細胞シートにおけるタンパク質の分泌量を測定する。本実施形態では、軟骨細胞シートを培養して分泌され培養液の上清に含まれるタンパク質を多重アダプタマーアッセイによって定量している。多重アダプタマーアッセイとしては、SOMAscanアッセイプラットフォームを用いたアッセイを例示することができる。
遺伝子測定工程では、移植前の軟骨細胞シートにおける遺伝子の発現量を測定する。具体的には、軟骨細胞シートの全RNAを精製し、これを増幅して定量する。RNAをシアニン3などで標識したのち、二本鎖cDNAに逆転写し、蛍光cRNAを生成させ、マイクロアレイを用いてハイブリダイズさせることで、軟骨細胞シートで発現している遺伝子を同定・定量することができる。
スコア算出工程では、複数ロットの軟骨細胞シートのそれぞれを骨軟骨欠損モデル生物に移植する。骨軟骨欠損モデル生物としてはウサギなどを使用することができる。軟骨細胞シート移植後の2〜6週間後に骨軟骨欠損モデル生物から移植部位を採取し、再生軟骨の組織学的スコアリングを行う。ここで「有効性」とは、軟骨細胞シートによって軟骨が再生し軟骨欠損が修復することを意味し、「有効性のスコア」とは、軟骨がどの程度再生したかの具体的な数値を意味する。有効性のスコアとしては、国際軟骨修復協会(International Cartilage Repair Society:ICRS)スコア、O’Driscollスコア、Wakitaniスコアなどを挙げることができる。例えば、後述する実施例では、未治療群の4週間後のICRSスコアは約19〜25であり、ICRSスコアがこれよりも所定の基準値(例えば10)高ければ有効性ありと判断することができる。
遺伝子同定工程では、タンパク質測定工程で測定されたタンパク質の分泌量(発現レベル)と、スコア算出工程で算出されたスコアとの相関関係を解析する。具体的には、タンパク質の分泌量とスコアとの間でピアソン相関係数を算出し、所定の値(例えば0.4)以上の遺伝子を正の相関を示す遺伝子、所定の値(たとえば0.4)未満の遺伝子を負の相関を示す遺伝子として同定する。
本発明の軟骨細胞シートの評価方法は、軟骨再生に使用される軟骨細胞シートの移植後の有効性を移植前の軟骨細胞シートから予測するための軟骨細胞シートの評価方法であって、(1)正の相関遺伝子の発現量及び/又は負の相関遺伝子の発現量を測定する測定工程と、(2)測定工程で測定した正の相関遺伝子の発現量及び/又は負の相関遺伝子の発現量に基づいて軟骨細胞シートの移植後の有効性を推定する推定工程とを備える。
測定工程は、移植前の軟骨細胞シートで発現している遺伝子の発現レベルを測定する工程である。遺伝子の発現レベルは、上記「1.2.タンパク質測定工程」で説明したように、移植前の軟骨細胞シートにおいて、遺伝子がコードするタンパク質の分泌量から定量することができる。また、遺伝子の発現レベルは、「1.3.遺伝子測定工程」で説明したように、移植前の軟骨細胞シートにおいて遺伝子(DNA)から転写されたRNA量から定量することができる。
推定工程では、上記の測定工程で測定した遺伝子の発現レベルに基づいて軟骨細胞シートの移植後の有効性を推定する。ここで、有効であると判断される遺伝子の発現量は、遺伝子の種類によって発現量が異なるため、有効性を示す軟骨細胞シートと、有効性がないかあるいは有効性の低い軟骨細胞シートとの対比で相対的に決定される。有効性がないかあるいは有効性の低い軟骨細胞シートは、上述した「1.軟骨細胞シートのマーカー遺伝子探索方法」で説明した未治療群の4週間後のICRSスコアが約19〜25(平均22)であることから、これよりもICRSスコアが10高いICRSスコア32を下回る軟骨細胞シートを有効性がないかあるいは有効性の低い軟骨細胞シートとすることができる。
本発明のマーカー遺伝子探索装置及び軟骨細胞シートの評価装置は、上記のマーカー遺伝子探索方法及び軟骨細胞シートの評価方法をそれぞれ実施するための装置である。図1は、マーカー遺伝子探索装置及び軟骨細胞シートの評価装置の概要を示す模式図である。まず、上記の軟骨細胞シートを用意する(シート準備手段)。また、軟骨細胞シートをPCR Panelなどで分析して遺伝子の発現量を測定する(遺伝子測定手段:測定手段)。また、軟骨細胞シートをタンパク質発現解析によってタンパク質の分泌量を測定する(タンパク質測定手段:測定手段)。解析されたデータは解析・数値化実行データベースに格納される。なお、解析・数値化実行データベースには、公共データベースを使用して解析したデータを格納してもよい。
次に、本発明の軟骨細胞シート及びその製造方法について説明する。本発明の軟骨細胞シートは、移植前の軟骨細胞シートにおける正の相関遺伝子の発現量が所定の発現レベル以上であること、及び/又は負の相関遺伝子の発現量が所定の発現レベル以下である。ここで、正の相関遺伝子及び負の相関遺伝子は、上記の「2.軟骨細胞シートの評価方法」で挙げた遺伝子である。
本発明は、移植前の軟骨細胞シートにおける正の相関遺伝子の発現量が所定の発現レベル以上である、及び/又は負の相関遺伝子の発現量が所定の発現レベル以下である、軟骨細胞シートを準備する工程と、軟骨細胞シートを患者に移植する工程と、を有する方法である。ここで、正の相関遺伝子及び負の相関遺伝子は、上述した「2.軟骨細胞シートの評価方法」で挙げた遺伝子である。
1.1.倫理声明
実験は東海大学医学部臨床研究審査委員会の承認と指導のもとに実施した。インフォームドコンセントはすべての場合において、提供者の保護者から取得した。一部の手術標本は不可逆的に身元が特定できないようにした。ヒトの細胞や組織を扱うすべての実験は、ヘルシンキ宣言の信条に沿って行われた。
動物実験は、東海大学の施設動物実験委員会の承認を得て、動物の取り扱いや飼育については、文部科学省所管の「動物実験に関する施設規則」及び「学術研究機関における動物実験等の適正な実施のための基本指針」に準拠して実施した。
1.2.1.軟骨細胞の調製
軟骨細胞は、上記に記載された調製手順に従って単離した(非特許文献10)。簡潔に説明すると、若年性多指症患者(11人の患者、年齢8〜23ヶ月、5人の女児、4人の男児及び2人の非同定ドナー)から得られた軟骨組織を、20%ウシ胎児血清及び1%抗生物質−抗真菌溶液(Gibco, Waltham, MA, USA)を補充した調製培地(DMEM/F12(Dulbecco’s modified Eagle’s medium-Nutrient Mixture F−12), Gibco, Waltham, USA)中で、5mg/mlのCLS1(コラゲナーゼI型)(Worthington Biochemical Corp.Lakewood, NJ ,USA)により、5%CO2及び95%空気の加湿雰囲気中で、37℃で2〜3時間撹拌して消化した。単離した軟骨細胞を調製培地で洗浄し、培養皿に播種した。培養皿に細胞が付着して増殖を開始した後、100μg/mLアスコルビン酸(日清製薬、山形県、日本)を含む調製培地に培地を交換した。2つのケースでは、組織を1mm3以下の大きさにミンチ状にし、調製培地中の培養皿に載せ、細胞が不完全になるまで培養した。軟骨細胞は、TrypLE Express(サーモフィッシャーサイエンティフィック社、東京、日本)を用いて採取し、STEM−CELLBANKERTM(ゼノアック社、福島県、日本)又はTC−Protector細胞凍結培地(KAC社、京都府、日本)で凍結保存した。いくつかのドナーは、凍結保存前に最大5回まで継代された。
凍結保存した12ロットの軟骨細胞を解凍し、培地中で1回継代し、温度応答性培養インサート(株式会社セルシード、東京都、日本)に1×104細胞/cm2で播種し、2週間培養した。得られたPDシートを4つのグループに分けて、有効性評価、特性評価、遺伝子発現解析、タンパク質分泌解析に使用した。
細胞数を決定するために、PDシートをTrypLE Express(Thermo Fisher Scientific)で、37℃で30分間消化し、次いで0.25mg/mL Collagenase−P(Roche, Basel, Switzerland)で、37℃で30分間インキュベートした。分散した細胞を培養液で洗浄し、細胞数及び生存率をトリパンブルー色素排除アッセイによって決定した。PDシートの厚さを決定するために、各PDシートをTissue−Tek O.C.T.コンパウンド(サクラファインテック、東京、日本)に埋め込み、−80℃で凍結した。厚さ10μmのPDシートの断面を切断し、スライドグラスに載せて空気乾燥し、0.01Mリン酸緩衝液中の4%パラホルムアルデヒドで、室温で30分間固定した。切片は、標準的なプロトコルに従ってヘマトキシリンとエオジン(H&E)で染色した。顕微鏡画像を撮影し、点のペア間の距離を、BZ−8000顕微鏡(キーエンス、大阪、日本)を使用して測定した。
1.3.1.免疫抑制ウサギ骨軟骨欠損モデル
ウサギにおけるPDシートの有効性評価は、非特許文献11に記載されているように行った。雌の日本産白ウサギ(平均体重=3.0kg:東京実験動物科学株式会社)合計69羽を使用した。手術前に、ウサギを体重により無作為に欠陥のみの群とPDシート移植群のいずれかに割り付けた。免疫抑制のために、タクロリムス(1.6mg/kg/日)を移植の2日前から10日間、毎日筋肉内に投与し、その後、手術後4週間まで隔日投与した。ウサギは、手術及び移植前に亜酸化窒素2L/min、酸素1L/min、イソフルラン2.5〜3.0%(Pfizer, New York, NY, USA)で麻酔をかけた。5mm生検パンチ(甲斐工業、岐阜県、日本)をマーキングガイドとし、5mmドリルを用いて、大腿骨の膝蓋溝に骨軟骨欠損(直径=5mm、深さ=3mm)を作成した。軟骨下骨からのわずかな出血を確認し、生理食塩水(ニプロ、大阪府、日本)を用いて欠損部を洗浄し、熱損傷を防止した。
PDシートの移植のため、PDシートを入れた培養プレートを25℃で30分間保持して剥離させた。ポリビニリデンジフルオライド膜を用いて、骨軟骨欠損部に膝につき1枚のPDシートを移植した。膝蓋骨の修復後、大腿四頭筋と腱を縫合し、脱臼を防止した。
PDシート移植から4週間後、50mg/mlのペントバルビタール(東京化成工業製、東京都)を静脈内投与してウサギを安楽死させた。手術した大腿骨を採取し、20%ホルマリン(和光純薬工業)で3〜5日間固定した。標本を10%EDTA(エチレンジアミン四酢酸)(和光純薬工業)中で3〜4週間脱灰し、パラフィンを埋め込んだ。直列切片(3μm)は、大腿骨の長軸と平行に、欠損部の中心付近で切断した。組織学的検査のために、切片は、標準的なプロトコルに従ってヘマトキシリンとエオジン(H&E)、サフラニンO、及びファストグリーンで染色した。ステンドされた切片は、ランダム化され、O’Driscollスコアと国際軟骨修復協会(ICRS)スコア[44,45]の修正版を使用して、訓練を受けた2人の整形外科医によって別々に採点された。
I型コラーゲン(COL1)及びII型コラーゲン(COL2)の免疫染色のために、脱パラフィン化した3−μm切片を0.4%ペプシン(Agilent Technologies, Santa Clara, CA, USA)で、37℃で30分間処理して抗原を回収した。次に、切片を0.4%ペプシン(DAKO, Glostrup, Denmark)により37℃で30分間インキュベートし、蒸留水で洗浄した後、0.3%過酸化水素/メタノール溶液にて室温(RT)で30分間インキュベートし、内因性ペルオキシダーゼ活性をブロックした。次に、切片をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄し、2.5%正常ヤギ血清(NGS)により10分間室温(RT)でブロッキングし、ヒトCOL1又はヒトCOL2のいずれかのマウスモノクローナル抗体(協和薬品工業株式会社、富山県、日本)をPBS中の1%ウシ血清アルブミン(Sigma−Aldrich)で1:100に希釈したものを用いて3時間室温(RT)でインキュベートした。最後に、染色切片をPBSで洗浄し、次いで、ImmPRESS試薬抗マウスIg(Vector Laboratories, Burlingame, CA, USA)を用いてRTでインキュベートし、0.02%ジアミノベンジジン及び0.005%過酸化水素を含むトリス−HCl緩衝液(pH7.6)に2〜8分間浸漬し、H&Eでカウンター染色した。
1.4.1.RNAの単離
SHAKE Master Neo(Bio Medical Science、日本)を用いてPDシートをTRIzol Reagent(Life Technologies)中で破壊し、製造者の指示に従ってQiagen RNeasy Mini Kit(QIAGEN、Valencia、CA、USA)を用いて全RNAをさらに精製した。RNAの量及び質は、推奨通りに、ナノドロップワン分光光度計(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)及びアジレント・バイオアナライザ(アジレント・テクノロジーズ)を用いて決定した。
メーカーの指示に従って、Agilent Low Input Quick Amp Labeling Kit, one−color(Agilent Technologies)を使用して全RNAを増幅し、シアニン3(Cy3)で標識した。簡潔にいうと、ポリdT−T7プロモータープライマーを用いて、全RNAを二本鎖cDNAに逆転写した。プライマー、テンプレート RNA、及び既知の濃度及び品質の品質管理転写物を、まず65℃で10分間変性し、5X First−Strand Buffer、0.1M dithiothreitol、10mM deoxyribonucleotide triphosphate mix、及びAffinityScript RNase Block Mixを用いて、40℃で2時間インキュベートした。AffinityScript酵素を70℃で15分間失活させた後、cDNA産物をインビトロ転写のテンプレートとして使用して蛍光cRNAを生成させた。cDNA産物を、T7 RNAポリメラーゼ及びCy3標識CTPの存在下で転写マスターミックスと混合し、40℃で2時間インキュベートした。標識したcRNAを、QIAGENのRNeasyミニスピンカラムを用いて精製し、30μLのヌクレオースフリー水で溶出した。増幅及び標識後、ナノドロップND−1000分光光度計及びAgilent Bioanalyzerを使用して、cRNAの量及びシアニンの取り込みの程度を決定した。
各ハイブリダイゼーションについて、Agilent SurePrint G3 Human GE v3 8x60K マイクロアレイ (デザインID:072363)を使用して、0.60μgのCy3標識cRNAを断片化し、65℃で17時間ハイブリダイズした。洗浄後、Agilent DNAマイクロアレイスキャナーを使用してマイクロアレイをスキャンした。
各スキャンされた特徴の強度は、Agilentの特徴抽出ソフトウェア・バージョン11.5.1.1.1を使用して定量化した。エラーがないとフラグが立てられた特徴(「検出された」フラグ)のみを使用し、陽性ではない、有意ではない、一様ではない、背景より上ではない、飽和している、又は集団の外れ値であるとフラグが立てられた特徴(「検出されなかった」フラグと「妥協した」フラグ)は除外した。分位正規化は、Agilent GeneSpringソフトウェア・バージョン14.9.1を使用して行った。生のシグナルデータの四分位正規化後、遺伝子記号の既存のアノテーションと全サンプル(coveted log2強度が5以上)の平均シグナル強度に基づいて、プローブをフィルタリングした。マーカー遺伝子の抽出は、各プローブの発現レベルとICRSスコアとの間のピアソン相関係数を算出し、0.4以上又は0.4未満のプローブを選択した。最終的に、これらの基準で443個の遺伝子を同定し、すべてのサンプルにおいて、分散が大きく、log2強度が0.5以上であった。階層的クラスタリング分析は、Agilent GeneSpringソフトウェア・バージョン14.9.1を使用して行った(類似度測定:ユークリッド、リンケージルール:平均)。
有効性に関連する遺伝子は、Metascape(http://metascape.or./)[12]のオンラインツールを用いて解析した。デフォルトセッティングに対して機能的エンリッチメントを行った。また、正の相関を持つ遺伝子と負の相関を持つ遺伝子を含む複数の入力遺伝子リストを解析した。
QuantiTect Reverse Transcription Kit(Qiagen)を用いてPDシートの全RNAをcDNAに変換した。cDNAのプリアンプ化には、TaqMan PreAmp Master Mix Kit(Applied Biosystems)を用いた。蛍光プローブ及びフォワード/リバースプライマーを含むTaqMan Gene Expression Assays(Applied Biosystems)(下記表参照)を、製造元の指示に従って、最終濃度が0.2×にプールされたアッセイミックスが得られるように、トリス及びEDTA(TE)緩衝液(1×)で希釈した。25μLのTaqMan PreAmp Master Mix(2×)、12.5μLのプールされたアッセイミックス(0.2×)、1μLのcDNAサンプル、及び50μLの合計に調整するためのヌクレオターゼフリーの水を調製し、この50μLで反応を行った。サーマルサイクラーGeneAmp PCR System 9700(Applied Biosystems)を95℃で10分間、95℃で15−sサイクルを14回、60℃で4分間、プリアンプ化PCRを行った。プリアンプ化されたcDNA産物は、リアルタイムRT−PCR解析用のテンプレートとして使用するために、TE緩衝液(1×)で1:20に希釈した。TaqMan リアルタイム PCRは 7500 Real−Time PCR System(Applied Biosystems)を使用して実施した。PCR反応混合物は、10μLのTaqMan Gene Expression Master Mix(2×)、1μLのTaqMan Gene Expression Assay(20×)、5μLのプリアンプ化されたcDNA、及び20μの合計に調整するためのヌクレオターゼフリーの水で構成される。サーマルサイクラー7500リアルタイムPCRシステムを、50℃で2分間、95℃で10分間、95℃で15−sサイクルを40回、60℃で1分間、増幅のために実行した。サイクル閾値(Ct)値は、7500リアルタイムPCRシステムソフトウェアv.2.0.6(Thermo Fisher Scientific)により決定した。各遺伝子の相対発現値(ΔCt値)は、内部コントロールACTBのCtに対して導出した。
1.5.1.PDシートの上澄みの調製
1%ウシ胎児血清と1×抗生物質−抗真菌溶液(Gibco)を補充したDMEM/F12(Gibco)3mLで各PDシートを72時間培養した。上清を回収し、13,000gで10分間遠心分離することにより破片を除去し、一定分量に分割し、使用するまで−80℃で保存した。
スローオフレート修飾アプタマー(SOMAmers)による1,129個のタンパク質を検出する多重アプタマーベースのアッセイであるSOMAscanアッセイプラットフォーム(SomaLogic社)を用いて上清を分析した[13]。このアッセイでは、化学的に修飾されたヌクレオチドを使用して、タンパク質シグナルをマイクロアレイ上の相対蛍光を使用して定量できるヌクレオチドシグナルに変換する。生のシグナルデータにランクベースの分位正規化を適用した。次に、プローブをシグナル強度(coveted log2強度が6以上)に基づいてフィルタリングし、全サンプルの平均強度を得た。マーカータンパク質の抽出については、それらの各プローブのタンパク質発現レベルと個々のICRSスコアとの間でピアソン相関係数を算出し、0.4以上又は0.4未満のものを選択した。最後に、これらの基準を用いて112個の遺伝子を同定し、分散が大きいものはすべてのサンプルについてlog2強度が0.5以上であることを確認した。
上清を解凍し、MIA(メラノーマ阻害活性)(ロシュ)及びDKK1(ディックコプフWNTシグナル伝達経路阻害剤1)(R&Dシステムズ、ミネアポリス、ミネソタ州)のELISA(enzyme−linked immunosorbent assay)キットを用いてタンパク質の濃度を決定した。
数値結果の要約は平均と標準偏差で表した。ICRSスコアの分析には分散分析を用い、ポストホック分析にはDunnettの多重比較を用いた。
2.1.PDシートの硝子軟骨再生に対する効果
今回の全体的な実験デザインを図2(a)に示す。PDシートの多様性が有効性及びトランスクリプトーム及びプロテオームプロファイルに与える影響を評価するために、11人のドナーから得られた12ロットのPD軟骨細胞についてPDシートを作成した。これらのロットには、異なる通過数、異なる条件での培養拡大、及び異なる凍結保存培地が含まれる(下記表参照)。図2(b)には、組織学的修復が良好な場合と不良な場合の欠損群と移植群の欠損部の代表的なマクロ画像が示されている。図2(c)及び(d)は、使用したウサギの同所性異種移植モデルにおける骨軟骨欠損に対するPDシートの評価結果を示す。
同所性異種移植モデルを介してその有効性を検討した12ロットのPDシートの遺伝子発現を、マイクロアレイを用いて解析した。アレイシグナルとICRSスコアとの相関関係から遺伝子を抽出し、ICRSスコアと正の相関を示す遺伝子205個、負の相関を示す遺伝子238個を得た。正の相関が最も高かった20個の遺伝子を下記の表(正の相関がある遺伝子トップ20)に、負の相関が最も高かった20個の遺伝子を下記の表(負の相関のある遺伝子トップ20)にそれぞれ示す。図3は、抽出された443個の遺伝子について、遺伝子発現のヒートマップを用いてクラスター分析を行った結果を示している。これらを効能関連遺伝子と考えることができる。ICRSスコアが最も低い5ロットのPDシートについては、4ロットが同一クラスターに分類されており、これらの遺伝子セットの発現レベルが有効なPDシートの同定に有用である可能性を示唆している。
このような有効性関連遺伝子の生物学的機能を明らかにするために、Metascape[12]を用いてこれらの遺伝子の濃縮解析を行った。その結果、正の相関を持つ遺伝子は、骨格系の発生経路、軟骨の発生、間葉系幹細胞の分化に関与していることが示唆された(図4)。また、一部の遺伝子は血管新生や細胞外マトリックスの組織化に関与していた。
PDシートから継続的に供給される体液性因子が硝子軟骨の再生促進に寄与していると考えられる。そこで、SOMAscanプラットフォームを用いて、PDシートから分泌されるタンパク質の相対量とICRSスコアとの相関を解析した[13,14]。SOMAscanで解析可能なタンパク質因子のうち、有効性スコアと正の相関を持つタンパク質が49個、負の相関を持つタンパク質が63個抽出された(下記表(正の相関のある分泌タンパク質トップ20)、表(負の相関のある分泌タンパク質トップ20)参照)。図6(a)に有効性相関因子の濃縮解析結果を示す。負の相関を示す因子は、GO:アポトーシスシグナル伝達経路に集中していた。正の相関を示した因子は、骨格発達の親項(parent term)である結合組織発達と、血管新生の親項である血管発達に集中していた。これらの経路は、遺伝子発現解析における集中と同様の結果が得られた。有効性に関連する遺伝子の発現を示したタンパク質のうち、有効性と相関する8つのタンパク質が上清中に同定された。ESM1(内皮細胞特異的分子1)、GREM1(グレムリン1)、SERPINA3(セルピンファミリーAメンバー3)、DKK1、MIA、NTN4(ネトリン4)、FABP3(脂肪酸結合タンパク質3)、PDGFA(血小板由来成長因子Aサブユニット)の8種類のタンパク質が上清中に確認された(図6(b)、(c))。3つのタンパク質は負の相関を示した。RARRES2(レチノイン酸受容体レスポンダー2)、APOE(アポリポタンパク質E)、PGF(胎盤成長因子)である。
本研究では、PDシートを用いた同所性異種移植モデルにおいても、成体膝軟骨シートを用いた場合と同様に、PDシートを用いることが有効であることを確認した。ヒト成体軟骨細胞シートの作製では、2D培養環境下で軟骨細胞が増殖するため、Col2A1の発現が低下し、軟骨細胞シートは脱分化していると考えられる。しかし、動物モデル[11]やヒト臨床研究[8]では、移植された関節で硝子軟骨に再分化することがわかっている。我々は、PDシートを用いることで、ヒト細胞由来の欠損部に硝子軟骨様組織を見出しており、PDシートも生体内で硝子軟骨に再分化することが示唆されている。
ラットの軟骨細胞シート同所性移植を追跡するためにin vivoイメージングシステムを使用した結果は、関節内の同種軟骨細胞のルシフェラーゼシグナルの大部分が数ヶ月以内に消失することを示しており[19]、長期的には同種移植片由来の組織がレシピエント由来の組織に置き換わることを示唆している。我々の結果は、少なくとも短期的には、PDシートが軟骨前駆細胞として作用する可能性があることを示唆している。
本研究では、PDシート移植による硝子軟骨再生に寄与すると考えられる有効性関連遺伝子を同定した。このように同定された特徴は、PDシートを使用した場合のin vivoでの有効性を予測するマーカーとして機能する可能性がある。さらに、これらの因子が軟骨再生を促進するメカニズムがさらに解明されれば、OA治療への新たなアプローチを提供することになる。
12. Zhou, Y.; Zhou, B.; Pache, L.; Chang, M.; Khodabakhshi, A.H.; Tanaseichuk, O.; Benner, C.; Chanda, S.K. Metascape provides a biologist-oriented resource for the analysis of systems-level datasets. Nat Commun 2019, 10.
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Claims (18)
- 軟骨再生に使用される軟骨細胞シートの移植後の有効性に関連するマーカー遺伝子を移植前の軟骨細胞シートから探索するための軟骨細胞シートのマーカー遺伝子探索方法であって、
移植前の軟骨細胞シートを複数ロット準備するシート準備工程と、
前記複数ロットの前記移植前の軟骨細胞シートのそれぞれについて複数のタンパク質の分泌量を測定するタンパク質測定工程と、
前記複数ロットの前記軟骨細胞シートのそれぞれを骨軟骨欠損モデル生物に移植して各軟骨細胞シートについて軟骨再生に関する有効性のスコアを算出するスコア算出工程と、
前記タンパク質測定工程で測定されたタンパク質の分泌量と、前記スコア算出工程で算出された前記スコアとの相関関係から、前記スコアと正の相関を示す正の相関遺伝子及び/又は負の相関を示す負の相関遺伝子を同定する遺伝子同定工程と、
を備えることを特徴とする軟骨細胞シートのマーカー遺伝子探索方法。 - 前記複数ロットの前記移植前の軟骨細胞シートのそれぞれについて複数の遺伝子の発現レベルを測定する遺伝子測定工程を更に備え、
前記遺伝子同定工程は、前記遺伝子測定工程で測定された複数の遺伝子の発現レベルと、前記スコア算出工程で算出された前記スコアとの相関関係から前記スコアと正の相関を示す正の相関遺伝子及び/又は負の相関を示す負の相関遺伝子を同定することを特徴とする請求項1に記載の軟骨細胞シートのマーカー遺伝子探索方法。 - 軟骨再生に使用される軟骨細胞シートの移植後の有効性に関連するマーカー遺伝子を移植前の軟骨細胞シートから探索するための軟骨細胞シートのマーカー遺伝子探索装置であって、
移植前の軟骨細胞シートを複数ロット準備するシート準備手段と、
前記複数ロットの前記移植前の軟骨細胞シートのそれぞれについて複数のタンパク質の分泌量を測定するタンパク質測定手段と、
前記複数ロットの前記軟骨細胞シートのそれぞれを骨軟骨欠損モデル生物に移植して各軟骨細胞シートについて軟骨再生に関する有効性のスコアを算出するスコア算出手段と、
前記タンパク質測定手段で測定されたタンパク質の分泌量と、前記スコア算出手段で算出された前記スコアとの相関関係から、前記スコアと正の相関を示す正の相関遺伝子及び/又は負の相関を示す負の相関遺伝子を同定する遺伝子同定手段と、
を備えることを特徴とする軟骨細胞シートのマーカー遺伝子探索装置。 - 前記複数ロットの前記移植前の軟骨細胞シートのそれぞれについて複数の遺伝子の発現レベルを測定する遺伝子測定手段を更に備え、
前記遺伝子同定手段は、前記遺伝子測定手段で測定された複数の遺伝子の発現レベルと、前記スコア算出手段で算出された前記スコアとの相関関係から前記スコアと正の相関を示す正の相関遺伝子及び/又は負の相関を示す負の相関遺伝子を同定することを特徴とする請求項3に記載の軟骨細胞シートのマーカー遺伝子探索装置。 - 軟骨再生に使用される軟骨細胞シートの移植後の有効性を移植前の軟骨細胞シートから予測するための軟骨細胞シートの評価方法であって、
前記移植前の軟骨細胞シートにおける、ESM1、GREM1、SERPINA3、DKK1、MIA、NTN4、FABP3、PDGFA、COLEC12、CTSS、FTL、FTH1、GRN、CYCS、IL6R、THBS2、PRKCD、SLPI、IL12B、IL23A、MRC2、DKK4、UFC1、SSTからなる群より選択される正の相関遺伝子の発現量、及び/又はRARRES2、APOE、PGF、NACA、CXCL6、SMPDL3A、DKKL1、PRL、TEC、CCL11、IL1B、IFNGR1、CXCL12、MAP3K7、TAB1、TNFRSF11B、TIMP1、EEF1B2、EPHB4、KDR、ANGPTL4、STK16、TNFSF12からなる群より選択される負の相関遺伝子の発現量を測定する測定工程と、
前記測定工程で測定した前記正の相関遺伝子の発現量及び/又は前記負の相関遺伝子の発現量に基づいて前記軟骨細胞シートの移植後の有効性を推定する推定工程と、を備えることを特徴とする軟骨細胞シートの評価方法。 - 前記正の相関遺伝子が、ESM1、GREM1、SERPINA3、DKK1、MIA、NTN4、FABP3、PDGFAからなる群より選択されることを特徴とする請求項5に記載の軟骨細胞シートの評価方法。
- 前記推定工程は、前記正の相関遺伝子の発現量が所定の発現レベル以上のときに、前記移植前の軟骨細胞シートの有効性が高いと推定することを特徴とする請求項5に記載の軟骨細胞シートの評価方法。
- 前記負の相関遺伝子が、RARRES2、APOE、PGFからなる群より選択されることを特徴とする請求項5に記載の軟骨細胞シートの評価方法。
- 前記推定工程は、前記負の相関遺伝子の発現量が所定の発現レベル以下のときに、前記移植前の軟骨細胞シートの有効性が高いと推定することを特徴とする請求項5に記載の軟骨細胞シートの評価方法。
- 前記測定工程は、前記相関遺伝子から転写されたRNAを定量すること、及び/又は前記相関遺伝子がコードするタンパク質を定量することで、前記相関遺伝子の発現量を測定することを特徴とする請求項5に記載の軟骨細胞シートの評価方法。
- 軟骨再生に使用される軟骨細胞シートの移植後の有効性を移植前の軟骨細胞シートから予測するための軟骨細胞シートの評価装置であって、
前記移植前の軟骨細胞シートにおける、ESM1、GREM1、SERPINA3、DKK1、MIA、NTN4、FABP3、PDGFA、COLEC12、CTSS、FTL、FTH1、GRN、CYCS、IL6R、THBS2、PRKCD、SLPI、IL12B、IL23A、MRC2、DKK4、UFC1、SSTからなる群より選択される正の相関遺伝子の発現量、及び/又はRARRES2、APOE、PGF、NACA、CXCL6、SMPDL3A、DKKL1、PRL、TEC、CCL11、IL1B、IFNGR1、CXCL12、MAP3K7、TAB1、TNFRSF11B、TIMP1、EEF1B2、EPHB4、KDR、ANGPTL4、STK16、TNFSF12からなる群より選択される負の相関遺伝子の発現量を測定する測定手段と、
前記測定手段で測定した前記正の相関遺伝子の発現量及び/又は負の相関遺伝子の発現量に基づいて前記軟骨細胞シートの移植後の有効性を推定する推定手段と、を備えることを特徴とする軟骨細胞シートの評価装置。 - 前記正の相関遺伝子が、ESM1、GREM1、SERPINA3、DKK1、MIA、NTN4、FABP3、PDGFAからなる群より選択されることを特徴とする請求項11に記載の軟骨細胞シートの評価装置。
- 前記推定手段は、前記正の相関遺伝子の発現量が所定の発現レベル以上のときに、前記移植前の軟骨細胞シートの有効性が高いと推定することを特徴とする請求項11に記載の軟骨細胞シートの評価装置。
- 前記負の相関遺伝子が、RARRES2、APOE、PGFからなる群より選択される、請求項11に記載の軟骨細胞シートの評価装置。
- 前記推定手段は、前記負の相関遺伝子の発現量が所定の発現レベル以下のときに、前記移植前の軟骨細胞シートの有効性が高いと推定することを特徴とする請求項11に記載の軟骨細胞シートの評価装置。
- 前記測定手段は、前記相関遺伝子から転写されたRNAを定量すること、及び/又は前記相関遺伝子がコードするタンパク質を定量することで、前記相関遺伝子の発現量を測定することを特徴とする請求項11に記載の軟骨細胞シートの評価装置。
- 軟骨再生に使用される軟骨細胞シートであって、
移植前の軟骨細胞シートにおけるESM1、GREM1、SERPINA3、DKK1、MIA、NTN4、FABP3、PDGFA、COLEC12、CTSS、FTL、FTH1、GRN、CYCS、IL6R、THBS2、PRKCD、SLPI、IL12B、IL23A、MRC2、DKK4、UFC1、SSTからなる群より選択される正の相関遺伝子の発現量が所定の発現レベル以上であること、及び/又はRARRES2、APOE、PGF、NACA、CXCL6、SMPDL3A、DKKL1、PRL、TEC、CCL11、IL1B、IFNGR1、CXCL12、MAP3K7、TAB1、TNFRSF11B、TIMP1、EEF1B2、EPHB4、KDR、ANGPTL4、STK16、TNFSF12からなる群より選択される負の相関遺伝子の発現量が所定の発現レベル以下であることを特徴とする軟骨細胞シート。 - 軟骨再生に使用される軟骨細胞シートの製造方法であって、
移植前の軟骨細胞シートにおけるESM1、GREM1、SERPINA3、DKK1、MIA、NTN4、FABP3、PDGFA、COLEC12、CTSS、FTL、FTH1、GRN、CYCS、IL6R、THBS2、PRKCD、SLPI、IL12B、IL23A、MRC2、DKK4、UFC1、SSTからなる群より選択される正の相関遺伝子の発現量が所定の発現レベル以上となるように、及び/又はRARRES2、APOE、PGF、NACA、CXCL6、SMPDL3A、DKKL1、PRL、TEC、CCL11、IL1B、IFNGR1、CXCL12、MAP3K7、TAB1、TNFRSF11B、TIMP1、EEF1B2、EPHB4、KDR、ANGPTL4、STK16、TNFSF12からなる群より選択される負の相関遺伝子の発現量が所定の発現レベル以下となるように、軟骨細胞シートを培養することを特徴とする軟骨細胞シートの製造方法。
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JP2020202431A Pending JP2021090418A (ja) | 2019-12-09 | 2020-12-07 | 軟骨細胞シートのマーカー遺伝子探索方法及び軟骨細胞シートのマーカー遺伝子探索装置、並びに軟骨細胞シートの評価方法及び軟骨細胞シートの評価装置、並びに軟骨細胞シート、軟骨細胞シートの製造方法及び軟骨細胞シートを用いた軟骨再生方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023084388A1 (en) * | 2021-11-10 | 2023-05-19 | Novartis Ag | Methods for determining the biological activity of angptl polypeptides |
-
2020
- 2020-12-07 JP JP2020202431A patent/JP2021090418A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023084388A1 (en) * | 2021-11-10 | 2023-05-19 | Novartis Ag | Methods for determining the biological activity of angptl polypeptides |
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