JP2021083694A - パンツ型吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】ごわつき感が少なく、体液の透過性や拡散性、液戻り防止性に優れたパンツ型吸収性物品の提供。【解決手段】外装体30と、ウエスト開口部11と、2つの脚開口部12と、外装体30の股下領域14の内面に配置された吸収性本体20とを備え、吸収性本体20は、液透過性のトップシート24と、液不透過性のバックシート25と、これらの間に配置される吸収体29と、トップシート24と吸収体29との間に配置される開孔フィルム27とを備え、開孔フィルム27は、厚み方向でトップシート側表面の開孔径が相対的に小さく、吸収体側表面の開孔径が相対的に大きく、吸収体29は、吸収成分として、セルロースアセテートトウと、セルロースアセテートトウに担持された高吸収性ポリマーと、を含む、パンツ型吸収性物品1。【選択図】図2
Description
本発明は、パンツ型吸収性物品に関する。
一般的に、軽失禁パッド、パンツ型紙おむつ、テープ止め紙おむつ等の吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、両シートの間に配置された吸収体と、で構成されている。これにより、尿等の体液は、トップシートを通って吸収体に吸収及び保持され、バックシートにより外部へ漏れないようになっている。このような吸収性物品には、体液の吸収性の向上、着用者の装着感の向上、漏れ防止等を図るために、様々な改良がなされている。
例えば、開孔フィルムを吸収性物品の所定の位置に設けることによって、ウェットバックや吸収速度などの吸収性能を向上させる技術がある。該開孔フィルムの開口面積は肌側面と非肌側面で、肌側>非肌側とすることで、ウェットバックや吸収速度を向上するというものである。このような開孔フィルムの特性に鑑み、開孔フィルムを用いた吸収性物品について種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、肌当接面層と非肌当接面層とを積層一体化した、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これらの間に配置されて、体液を吸収及び保持する吸収体と、を備え、肌当接面層が、熱可塑性樹脂からなる開孔フィルム又は合成繊維からなる不織布である吸収性物品が開示されている。
特許文献2には、高吸収性ポリマー(super absorbent polymer、以下「SAP」ともいう)及び/又はフラッフパルプを吸収成分として含む吸収体と、吸収体に接して配置され、かつ、耐水性、高通気性合成樹脂製開孔フィルムからなる被覆層と、を備え、被覆層は、吸収成分の吸収体からの離脱を防止するとともに、吸収体の形態安定性を保持し、開孔フィルムは頭頂部の開孔が小さく、底部の開孔が大きい漏斗状構造の多数の突起部を有し、該頭頂部が吸収体に接する吸収体が開示されている。
また、特許文献3には、セルロースアセテートトウ等のトウの複数本の繊維を気体により開繊させ、得られたトウ開繊物に、高吸収性ポリマーをバインダーにより固着させた吸収体成分が開示されている。
しかしながら、上記開孔フィルムを設けた特許文献1では、ウェットバック等の液戻り防止性や吸収速度に優れるものの、吸収性物品における体液の拡散性には効果があるものとはいえず、吸収体の吸収性能を十分に発揮できていない。また、特許文献2は、従来の非肌側面よりも肌側面の開口面積が小さい開孔フィルムを用い、開口面積の小さい面が吸収体に接するような構成となっている。しかし、この場合であっても体液の拡散性を良化させるという技術思想はない。
更に、従来のパンツ型吸収性物品では、吸収体としては、解繊されたフラッフパルプが用いられていた。フラッフパルプの吸収体は、尿の拡散に優れる反面、解繊されたフラッフパルプが集積されているために硬く、股間部分に当たることで肌に擦れ、尿でふやけた肌を傷つけてしまう懸念がある。また、吸収体に集積されているフラッフパルプが硬いことから、吸収体が撚れてしまい、股間部分のごわつき感や股下の違和感が強くなる。特許文献3では、セルロースアセテートトウの開繊物がフラッフパルプに比べて柔らかであることから、比較的柔らかい吸収体を実現している。しかしながら、該吸収体は、水分の保持力が弱く、液戻り防止効果が不十分であり、液透過速度の遅いものであり、吸水性物品に使用する吸収体に要求される性能を充足するものではない。
本発明の目的は、股間部分でのごわつき感が少なく、体液の透過性や拡散性、液戻り防止性に優れたパンツ型吸収性物品を提供することである。
本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った結果、開孔フィルムをトップシートと吸収体との間に設け、且つ、SAPが担持されたトウの繊維集合体を吸収成分としてを含む吸収体を設けることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、好ましい実施形態として、下記(1)〜(4)のパンツ型吸収性物品を提供する。
(1)パンツ型吸収性物品の外形形状を構成し、着用者の肌側に位置する内装不織布シートと、前記着用者の非肌側に位置する外装不織布シートと、前記内装不織布シートと前記外装不織布シートとの間に配置された複数の弾性伸縮部材とを含み、主に前記着用者の腹部に相対する前側領域と、主に前記着用者の背部に相対する後側領域と、前記前側領域と前記後側領域との間に配置され、主に前記着用者の股間部に相対する股下領域と、をその内面に有する外装体と、前記外装体の前記前側領域、及び前記後側領域における前記股下領域とは反対側の端部に設けられたウエスト開口部と、前記外装体の前記股下領域の両側に設けられた2つの脚開口部と、前記外装体の前記股下領域の内面に沿って配置された吸収性本体と、を備えるパンツ型吸収性物品であって、前記吸収性本体は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシート及び前記バックシートの間に配置される吸収体と、前記トップシートと前記吸収体との間に配置され、複数の漏斗状の開孔を有する開孔フィルムと、を備え、前記開孔フィルムは、厚み方向で、前記トップシート側表面の開孔径が相対的に小さく、前記吸収体側表面の開孔径が相対的に大きく、前記吸収体は、吸収成分として、セルロースアセテートトウと、前記セルロースアセテートトウに担持された高吸収性ポリマーと、を含む、パンツ型吸収性物品。
(2)前記セルロースアセテートトウと前記高吸収性ポリマーとの重量比率(前記高吸収性ポリマーの重量/前記セルロースアセテートトウの重量)が10%以上500%以下である、上記(1)のパンツ型吸収性物品。
(3)前記開孔フィルムは、開孔径が2mm以下、開孔数が50個/cm2以上、坪量が20g/m2以上60g/m2以下である、上記(1)又は(2)の吸収性物品
(4)前記吸収体側表面の開孔径と、前記トップシート側表面の開孔径と、の差が、0.03mm以上0.15mm以下である、上記(1)〜(3)のいずれかの吸収性物品。
(2)前記セルロースアセテートトウと前記高吸収性ポリマーとの重量比率(前記高吸収性ポリマーの重量/前記セルロースアセテートトウの重量)が10%以上500%以下である、上記(1)のパンツ型吸収性物品。
(3)前記開孔フィルムは、開孔径が2mm以下、開孔数が50個/cm2以上、坪量が20g/m2以上60g/m2以下である、上記(1)又は(2)の吸収性物品
(4)前記吸収体側表面の開孔径と、前記トップシート側表面の開孔径と、の差が、0.03mm以上0.15mm以下である、上記(1)〜(3)のいずれかの吸収性物品。
本発明によれば、体液の透過性や拡散性、液戻り防止性に優れ、股間部分でのごわつき感が少ないパンツ型吸収性物品を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態のパンツ型吸収性物品1について説明する。図1は、第一実施形態であるパンツ型吸収性物品1の模式斜視図である。図2は、パンツ型吸収性物品1の展開平面図である。図2では、パンツ型吸収性物品1の内面を示している。図3は、第二実施形態である吸収性本体20のX1−X1切断線(図2)における模式断面図である。図4は、本実施形態で使用する開孔フィルム27の厚み方向の模式断面図である。図5は、別形態の開孔フィルム27Aの厚み方向の模式断面図である。なお、各図は、パンツ型吸収性物品1の吸収性本体20や外装体30等の構成部材の寸法の大小関係を規定するものではなく、各構成部材の寸法は、パンツ型吸収性物品1の用途、使用対象とする着用者の年齢等に応じてそれぞれ広い範囲から適宜選択できる。
本明細書において、パンツ型吸収性物品1を着用したときに着用者の腹側となる位置を「前側」ともいい、着用者の背側となる位置を「後側」ともいう。パンツ型吸収性物品1を着用するときとは、体液の吸収前、吸収時、及び吸収後を問わず、パンツ型吸収性物品1を身体に装着した状態をいう。パンツ型吸収性物品1は、通常衣類の内部で身体に装着するものであるが、少なくとも一部が外部に露出するように身体に装着してもよい。吸収性本体20及びこれに備わる各構成部材の長手方向とは、パンツ吸収性物品1を身体に着用したときに着用者の股間部を介して身体の前後に亘る方向である。吸収性本体20及びこれに備わる各構成部材の幅方向とは、長手方向に対して直交する方向である。吸収性本体20及びこれに備わる各構成部材の厚み方向とは、各構成部材を積層する方向である。また、吸収性本体20及びこれに備わる各構成部材の肌側面(肌側表面)とは、パンツ型吸収性物品1を身体に着用したときに着用者の肌に当接する表面及び肌を臨む表面であり、非肌側面(非肌側表面)とは、パンツ型吸収性物品1を身体に着用したときに着用者の衣類に接触する表面又は衣類を臨む表面である。体液とは、尿や血液、軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。
<パンツ型吸収性物品>
図1及び図2に示す本実施形態のパンツ型吸収性物品1は、着用者の股間部を前後から覆う前後方向に略帯状の形態を有する吸収性本体20と、吸収性本体20の外側に重なりつつ吸収性本体20の周囲に延びてパンツ型吸収性物品1のパンツ状の外形形状を構成する外装体30と、を備える。外装体30の内面は、主に着用者の腹部に相対する前側領域13、主に着用者の背部(背中)に相対する後側領域15、及び前側領域13と後側領域15との間において、主に着用者の股間部に相対する股下領域14と、に区分される。吸収性本体20は、主として股下領域14の内面に配置されているが、その一部は前側領域13及び/又は後側領域15にも延在する。
図1及び図2に示す本実施形態のパンツ型吸収性物品1は、着用者の股間部を前後から覆う前後方向に略帯状の形態を有する吸収性本体20と、吸収性本体20の外側に重なりつつ吸収性本体20の周囲に延びてパンツ型吸収性物品1のパンツ状の外形形状を構成する外装体30と、を備える。外装体30の内面は、主に着用者の腹部に相対する前側領域13、主に着用者の背部(背中)に相対する後側領域15、及び前側領域13と後側領域15との間において、主に着用者の股間部に相対する股下領域14と、に区分される。吸収性本体20は、主として股下領域14の内面に配置されているが、その一部は前側領域13及び/又は後側領域15にも延在する。
本実施形態のパンツ型吸収性物品1において、吸収性本体20は、液透過性のトップシート24と、液不透過性のバックシート25と、トップシート24及びバックシート25の間に配置される吸収体29と、トップシート24と吸収体29との間に配置され、複数の漏斗状の開孔を有する開孔フィルム27と、一対の立体ギャザー26と、を備える。開孔フィルム27は、厚み方向で、トップシート側表面27aの開孔径が相対的に小さく、吸収体側表面27bの開孔径が相対的に大きい。吸収体26は、吸収成分として、トウからなる繊維集合体(不図示)と、トウからなる繊維集合体に担持された高吸収性ポリマー(不図示)と、を含む。
本実施形態によれば、開孔フィルム27をトップシート24と吸収体29との間に所定方向に設けることにより、吸収体29(厚み方向)への体液の浸透に加え、長手方向及び幅方向(前後左右)への体液の拡散にも優れた吸収性物品1を提供できる。結果として、排尿等により受液したときに、吸収体29が体液により素早く濡れ広がることで、拡散性や液透過性が改善され、液戻り防止性が向上した吸収性物品1となる。更に、吸収成分としてのトウからなる繊維集合体(特にセルロースアセテートトウ)とSAPとを併用することにより、吸収体29が体液吸収の前後を問わず柔軟性を保つことから、吸収性物品1自体が柔らかくなり、体液を吸収してもごわつき感や違和感を生じることがない。
なお、伸縮性部材を配設する前のパンツ型吸収性物品1の展開時の長手方向(図2にて矢印Yが示す方向)の寸法は600mm以上1000mm以下、幅方向(図2において矢印Xが示す方向)の寸法は450mm以上900mm以下であることが好ましい。伸縮性部材を配設する前のパンツ型吸収性物品1の展開時の寸法を上記の範囲とすることにより、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ等の各種サイズの成人用のパンツ型吸収性物品を提供することができる。
以下、吸収性物品1の各構成部材について詳細に説明する。
以下、吸収性物品1の各構成部材について詳細に説明する。
<吸収性本体>
図2及び図3に示すように、吸収性本体20は、液透過性のトップシート24と、液不透過性のバックシート25と、トップシート24及びバックシート25の間に配置される吸収体29と、トップシート24と吸収体29との間に配置される開孔フィルム27と、幅方向一端がバックシート25の肌側表面に、幅方向途中部がトップシート24の肌側表面にそれぞれ固定され、幅方向他端が自由端となってトップシート24の肌側表面に延在する一対の立体ギャザー26と、を備える。本実施形態の吸収性本体20において、例えば、吸収性本体20の長手方向の寸法を300mm以上500mm以下、幅方向の寸法を100mm以上300mm以下とすることにより、各種サイズの成人用のパンツ型吸収性物品に利用可能な吸収性本体20とすることができる。
以下、吸収性本体20の各構成部材について、トップシート24、吸収体29、開孔フィルム27、バックシート25の順にさらに詳しく説明する。
図2及び図3に示すように、吸収性本体20は、液透過性のトップシート24と、液不透過性のバックシート25と、トップシート24及びバックシート25の間に配置される吸収体29と、トップシート24と吸収体29との間に配置される開孔フィルム27と、幅方向一端がバックシート25の肌側表面に、幅方向途中部がトップシート24の肌側表面にそれぞれ固定され、幅方向他端が自由端となってトップシート24の肌側表面に延在する一対の立体ギャザー26と、を備える。本実施形態の吸収性本体20において、例えば、吸収性本体20の長手方向の寸法を300mm以上500mm以下、幅方向の寸法を100mm以上300mm以下とすることにより、各種サイズの成人用のパンツ型吸収性物品に利用可能な吸収性本体20とすることができる。
以下、吸収性本体20の各構成部材について、トップシート24、吸収体29、開孔フィルム27、バックシート25の順にさらに詳しく説明する。
(トップシート)
トップシート24は、体液が吸収体29へと移動するような液透過性を備えた基材を用いればよく、例えば、サーマルボンド不織布等の不織布、サーマルボンド不織布/スパンボンド不織布を積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料から形成される。また、トップシート24は、液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施すことが好ましく、エンボス加工や穿孔加工は、従来公知の方法により実施することができる。さらに、トップシート24の肌への刺激を低減させるために、トップシート24にローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させることも好ましい。
トップシート24は、体液が吸収体29へと移動するような液透過性を備えた基材を用いればよく、例えば、サーマルボンド不織布等の不織布、サーマルボンド不織布/スパンボンド不織布を積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料から形成される。また、トップシート24は、液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施すことが好ましく、エンボス加工や穿孔加工は、従来公知の方法により実施することができる。さらに、トップシート24の肌への刺激を低減させるために、トップシート24にローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させることも好ましい。
トップシート24の坪量は、強度及び加工性の観点から、14g/m2以上40g/m2以下であることが好ましい。14g/m2より小さい場合、吸収性本体20の製造時にトップシート24が破損し易くなる傾向があり、40g/m2より大きい場合、肌に当たる際にトップシート24の硬さを感じる傾向があり、いずれの場合も好ましくない。トップシート24の形状は、特に制限されるものではないが、体液を漏れがないように吸収体29へと誘導するため、吸収体29を覆う形状であればよい。
<吸収体>
吸収体29は、前述のように、吸収成分として、セルロースアセテートトウと、セルロースアセテートトウに担持された高吸収性ポリマーと、を含む。吸収体29の寸法は特に限定されないが、長手方向の最長幅の寸法は、好ましくは100mm以上800mm以下、より好ましくは150mm以上500mm以下である。また、吸収体29の幅方向の最長幅の寸法は、好ましくは50mm以上500mm以下、より好ましくは70mm以上105mm以下である。
吸収体29は、前述のように、吸収成分として、セルロースアセテートトウと、セルロースアセテートトウに担持された高吸収性ポリマーと、を含む。吸収体29の寸法は特に限定されないが、長手方向の最長幅の寸法は、好ましくは100mm以上800mm以下、より好ましくは150mm以上500mm以下である。また、吸収体29の幅方向の最長幅の寸法は、好ましくは50mm以上500mm以下、より好ましくは70mm以上105mm以下である。
(高吸収性ポリマーが担持されたセルロースアセテートトウ)
高吸収性ポリマーが担持されたセルロースアセテートトウに用いられる高吸収性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸塩系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸塩系が好ましく、ポリアクリル酸ナトリウム系がより好ましい。高吸収性ポリマーは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
高吸収性ポリマーが担持されたセルロースアセテートトウに用いられる高吸収性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸塩系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸塩系が好ましく、ポリアクリル酸ナトリウム系がより好ましい。高吸収性ポリマーは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
セルロースアセテートトウに担持される高吸収性ポリマーの坪量は、240g/m2以上450g/m2以下であることが好ましく、245g/m2以上445g/m2以下であることがより好ましい。上記の数値範囲内とすることで、吸収体29におけるゲルブロッキングを防止し、かつ、吸収体29に多量の体液を吸収させることができる。
セルロースアセテートトウとしては特に限定はないが、セルロースアセテートトウを開繊した開繊体であることが好ましい。セルロースアセテートトウの開繊体の坪量は、好ましくは40g/m2以上90g/m2以下、より好ましくは45g/m2以上85g/m2以下である。上記数値範囲内とすることで、高吸収性ポリマーの体液保持性能を高水準に維持しつつ、形状保持性の良好な吸収体29を容易に量産できる。
吸収体29において、セルロースアセテートトウ及びSAPの形態は、セルロースアセテートトウ中にSAP粒子を混合して形成したものでもよく、セルロースアセテートトウ間にSAP粒子を固着したSAPシートでもよい。また、SAP粒子の漏洩防止や吸収体29の形状の安定化の目的から、吸収体29をキャリアシート28に包んでもよい。キャリアシート28の基材としては親水性を有するものであればよく、ティシュ、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布等が挙げられる。キャリアシート28を複数備える場合は、複数のキャリアシート28の基材は同一のものでも異なるものでもよい。なお、本実施形態では、吸収体29をキャリアシート28で包んでいるが、これに限定されず、キャリアシート28を設けない形態も本実施形態に包含される。
また、吸収体29において、セルロースアセテートトウに対する、高吸収性ポリマーの重量比率〔(高吸収性ポリマーの重量/セルロースアセテートトウの重量)×100(%)〕は特に限定されず、吸収体29の用途等に応じて広い範囲から適宜選択されるが、10%以上500%以下であることが好ましく、20%以上300%以下であることがより好ましい。該重量比率が10%より小さい場合、吸収体29による排出された尿等の体液の吸収が不十分になる傾向があり、500%より大きい場合、SAPがセルロースアセテートトウに十分に担持されずに脱落及び落下する傾向がある。更に尿等の体液を吸収した高吸収性ポリマーが膨潤することによって生じるゲルブロッキングが起こる傾向がある。また、セルロースアセテートトウに対する高吸収性ポリマーの重量の比率は、排出された尿等の体液を十分に吸収でき、且つ、よりゲルブロッキングが生じにくい20%以上300%以下がより好ましい。
吸収体29の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、矩形状、砂時計状、I字状、長方形の4角が丸まった角丸四角形状、長円状、一方向に長い楕円形状等が挙げられる。吸収体29は、2層以上を重ねて用いてもよい。
(開孔フィルム)
本実施形態では、複数の漏斗状の開孔27aを有する開孔フィルム27が、トップシート24と吸収体29との間に配されている。開孔フィルム27は、体液が吸収体29へと移動するような液透過性、液拡散性を備えていることが好ましい。開孔フィルム27の坪量は、強度、加工性等の点から、20g/m2以上60g/m2以下であることが好ましく、23g/m2以上30g/m2以下であることがより好ましい。20g/m2より小さい場合、フィルムが破断しやすい傾向があり、また、60g/m2よりも大きい場合、肌触りが硬くなる傾向がある。
本実施形態では、複数の漏斗状の開孔27aを有する開孔フィルム27が、トップシート24と吸収体29との間に配されている。開孔フィルム27は、体液が吸収体29へと移動するような液透過性、液拡散性を備えていることが好ましい。開孔フィルム27の坪量は、強度、加工性等の点から、20g/m2以上60g/m2以下であることが好ましく、23g/m2以上30g/m2以下であることがより好ましい。20g/m2より小さい場合、フィルムが破断しやすい傾向があり、また、60g/m2よりも大きい場合、肌触りが硬くなる傾向がある。
液透過性の観点から、開孔フィルム27における開孔27aの数(以下「開孔数」ともいう)は50個/cm2以上が好ましい。開孔数が50個/cm2より少ない場合、開孔フィルム27が硬くなる傾向があり、また、液透過性が低下する傾向がある。さらに、液拡散性の点で、開孔径は2mm以下であることが好ましく、0.50mm以上0.65mm以下がより好ましい。開孔径が0.50mmより小さい場合、液透過性が悪くなる傾向があり、0.65mmより大きい場合、開孔フィルム27の強度、加工性等が低下する傾向がある。「開孔径」は、開孔フィルム27を3D顕微鏡(商品名:VR−3100、(株)キーエンス製)で撮影し、任意に選んだ3つの開孔の直径を測定した平均値である。
開孔フィルム27の開孔数、開孔径及び坪量を上記の範囲とすることにより、強度及び加工性の点で優れ、液透過性や液拡散性に優れた開孔フィルム27が得られる。
開孔フィルム27の開孔数、開孔径及び坪量を上記の範囲とすることにより、強度及び加工性の点で優れ、液透過性や液拡散性に優れた開孔フィルム27が得られる。
開孔フィルム27の材質は、フィルム化可能な合成樹脂であれば特に制限はないが、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンがより好ましく、特に、ポリエチレンが更に好ましい。
本実施形態の開孔フィルム27の開孔27aは、該フィルムを厚み方向に貫通する孔であり、図4に示すように、厚み方向で一方の表面の開孔径L1は相対的に小さく、他方の表面の開孔径L2が相対的に大きい、漏斗状の内部空間を有するものである。本実施形態では、開孔径がL2である側の表面が吸収体29に面し、かつ開口径がL1である側の表面がトップシート24に面するように、トップシート24と吸収体29との間に配置されている。すなわち、従来の吸収性物品では、開孔フィルムは、漏斗の開孔径の小さい方、すなわち開孔径L1の側の開孔が吸収体側を向くように配置されているのに対し、本実施形態では開孔フィルム27は裏表が逆となり、開孔径L2の側の開孔が吸収体29側を向くように配置されている。
本実施形態によれば、体液がトップシート24を介して開孔フィルム27に達し、開孔径の小さい側(径L1の開孔)から開孔径の大きい側(径L2の開孔)に流過することから、体液の流れが開孔径の拡大により付勢され、吸収体29の厚み方向に浸透するだけでなく、吸収体29の表面方向において、長手方向及び幅方向(前後左右方向)の四方にも勢いよく拡がる。これにより、体液の拡散性や吸収性(吸収速度)に優れた吸収性物品1が得られる。また、吸収体29に向いた開孔(L2)よりも、トップシート24に向いた開孔(L1)の方が開孔径が小さくなっていることから、体液のトップシート24側への液戻りが顕著に抑制されるという効果も得られる。
本実施形態では、液拡散性の観点から、開孔径が大きい一方の面の開孔径L2と、開孔径が小さい他方の面の開孔径L1の差が、0.03mm以上0.15mm以下であることが好ましい。開孔径L2と開孔径L1の差が、0.03mmより小さい場合、幅方向への体液の拡散性が低下する傾向があり、0.15mmより大きい場合、開孔フィルム27の強度や加工性が低下する傾向がある。
図5に示す開孔フィルム27Aは、外方に突出する複数のリブ(又は凸部)を一方の表面に有し、開孔径がL1である開孔を該リブの頂部付近に有し、複数のリブが設けられた表面とは反対側の表面には、開孔径がL1である開孔に連通し、開孔径がL2である開孔を有する。したがって、開孔径L1の開孔と、開孔径L2の開孔とは、漏斗状の内部空間でつながっている。このような開孔フィルム27Aでも、開孔フィルム27と同様の効果を得ることができる。
(バックシート)
バックシート25は、吸収体29が保持している体液が衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材を用いて形成されればよく、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布とを積層した複合シートといった材料から形成される。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布等の複数の同種及び/又は異種の不織布を積層した複合不織布及びこれらの複合材料が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
バックシート25は、吸収体29が保持している体液が衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材を用いて形成されればよく、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布とを積層した複合シートといった材料から形成される。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布等の複数の同種及び/又は異種の不織布を積層した複合不織布及びこれらの複合材料が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
強度及び加工性の観点から、バックシート25の坪量は、15g/m2以上60g/m2以下であることが好ましい。また、着用時の蒸れを防止するため、バックシート25には、通気性を持たせることが好ましい。バックシート25に通気性を備えさせるためには、例えば、基材の樹脂フィルムにフィラーを配合したり、バックシート25にエンボス加工を施したりすればよい。なお、フィラーとしては炭酸カルシウムを挙げることができ、その配合方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。例えば、樹脂とフィラーとを混練し、得られた混練物をフィルム状に成形し、得られたフィルムからフィラーを除去することにより、多孔性(通気性)樹脂フィルムを得ることができる。
(立体ギャザー)
立体ギャザー26は、例えば、パンツ型吸収性物品1の着用者が排泄した体液の横漏れを防止するために設けられる。立体ギャザー26は、本実施形態では幅方向一端(長手方向に延びる一の縁辺)がバックシート25の肌側表面に長手方向に沿って固定され、幅方向途中部がトップシート24の幅方向両端部近傍に長手方向に沿って固定され、幅方向他端(長手方向に延びる他の縁辺)が自由端26aとなって、トップシート24の幅方向両端部周辺を覆い、かつ固定された幅方向途中部を起点にして折り曲げ自在に設けられた構成部材である。立体ギャザー26をこのように構成することで、立体ギャザー26の自由端13a付近に起立性が付与され、着用者の体型に合わせて変形可能なものとなる。本実施形態では、立体ギャザー26の幅方向一端をバックシート25の肌側表面に固定しているが、これに限定されず、例えば、該幅方向一端をバックシート25の非肌側表面に固定してもよく、トップシート24とバックシート25とで構成される袋体に固定してもよく、さらに、トップシート24の肌側表面に固定してもよい。
立体ギャザー26は、例えば、パンツ型吸収性物品1の着用者が排泄した体液の横漏れを防止するために設けられる。立体ギャザー26は、本実施形態では幅方向一端(長手方向に延びる一の縁辺)がバックシート25の肌側表面に長手方向に沿って固定され、幅方向途中部がトップシート24の幅方向両端部近傍に長手方向に沿って固定され、幅方向他端(長手方向に延びる他の縁辺)が自由端26aとなって、トップシート24の幅方向両端部周辺を覆い、かつ固定された幅方向途中部を起点にして折り曲げ自在に設けられた構成部材である。立体ギャザー26をこのように構成することで、立体ギャザー26の自由端13a付近に起立性が付与され、着用者の体型に合わせて変形可能なものとなる。本実施形態では、立体ギャザー26の幅方向一端をバックシート25の肌側表面に固定しているが、これに限定されず、例えば、該幅方向一端をバックシート25の非肌側表面に固定してもよく、トップシート24とバックシート25とで構成される袋体に固定してもよく、さらに、トップシート24の肌側表面に固定してもよい。
より具体的には、立体ギャザー26は、例えば、立体ギャザーシート(不図示)と、立体ギャザーシートの幅方向一端に固定される立体ギャザー用弾性部材(不図示)と、から構成され、立体ギャザーシートの幅方向他端がバックシート25の肌側表面に固定され、また、立体ギャザー用弾性部材の立体ギャザーシートに固定されていない幅方向端部が自由端になる。立体ギャザーシートとしては、疎水性繊維にて形成された撥水性又は液不透過性の不織布、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布等が使用される。立体ギャザー用弾性部材としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリウレタン等からなる、糸状、紐状、帯状のものを適宜使用することができる。なお、本実施形態の吸収性物品1は、立体ギャザー26を含まない実施形態をも包含する。
<吸収性本体の製造方法>
吸収性本体20の製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えば、衣類側から、バックシート25、吸収体29、開孔フィルム27、トップシート24の順に積層し、トップシート24とバックシート25とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定し、さらに立体ギャザー26を所定の位置に取り付けることで製造することができる。
吸収性本体20の製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えば、衣類側から、バックシート25、吸収体29、開孔フィルム27、トップシート24の順に積層し、トップシート24とバックシート25とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定し、さらに立体ギャザー26を所定の位置に取り付けることで製造することができる。
<外装体>
外装体30は、パンツ型吸収性物品1の外形形状を構成し、例えば不織布及び伸縮性部材を積層して形成された部材である。本実施形態の外装体30は、外装不織布シート301と、外装不織布シート301の身体側の内装不織布シート302と、外装不織布シート301及び内装不織布シート302の間に介在する1又は複数の弾性伸縮部材311、312、313と、から構成される。なお、外装体30の内面は、主に着用者の腹側に相対する前側領域13、主に着用者の股間部に相対する股下領域14、主に着用者の背側(背中)に相対する後側領域15の3つの領域からなる。ここで、これらの領域の区分について、長手方向において、後述するサイドシール部303を設ける領域(すなわち脚開口部12を形成しない領域)を、前側領域13又は後側領域15とし、サイドシール部303を設けない領域(すなわち、脚開口部12を形成する領域)を股下領域14とする。
外装体30は、パンツ型吸収性物品1の外形形状を構成し、例えば不織布及び伸縮性部材を積層して形成された部材である。本実施形態の外装体30は、外装不織布シート301と、外装不織布シート301の身体側の内装不織布シート302と、外装不織布シート301及び内装不織布シート302の間に介在する1又は複数の弾性伸縮部材311、312、313と、から構成される。なお、外装体30の内面は、主に着用者の腹側に相対する前側領域13、主に着用者の股間部に相対する股下領域14、主に着用者の背側(背中)に相対する後側領域15の3つの領域からなる。ここで、これらの領域の区分について、長手方向において、後述するサイドシール部303を設ける領域(すなわち脚開口部12を形成しない領域)を、前側領域13又は後側領域15とし、サイドシール部303を設けない領域(すなわち、脚開口部12を形成する領域)を股下領域14とする。
外装不織布シート301は、股下領域14の中心線を中心として略対称な前側領域13と後側領域15とを有し、吸収性本体20も上記中心線を中心として略対称に配置されている。そして、吸収性本体20が内側となるように外装不織布シート301(及び吸収性本体20)が上記中心線で二つ折りにされ、前側領域13及び後側領域15の両側縁部がサイドシール部303を介して接合されている。これにより、外装不織布シート301ひいては外装体30は、長手方向(着用者の股間部を介して前部から後部にわたる方向)の一端に形成された、伸縮性を有するウエスト開口部11と、長手方向の他端に形成された、一対の脚開口部12とを形成し、パンツ型吸収性物品1を全体として着脱可能なパンツ状に構成する。
外装不織布シート301の内側には、内装不織布シート302が積層されており、外装体30の強度を高める。また、外装体30には、外装不織布シート301及び内装不織布シート302に加えて、吸収性本体20の周縁を覆う補助シートが設けられ、これが内装不織布シート302に積層されていてもよい。外装不織布シート301及び内装不織布シート302には、サーマルボンド不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布等の不織布、好ましくはエアスルー不織布又はスパンボンド不織布であって、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂からなる不織布を用いることができる。これらの不織布を用いる場合、その坪量は、10g/m2以上40g/m2以下とすればよい。
弾性伸縮性部材311、312、313は、外装不織布シート301及び内装不織布シート302に接合されている。なお、内装不織布シート302と各伸縮性部材311、312、313とは、各伸縮性部材にのみ介在するホットメルト接着剤を介して互いに接着されていることが好ましい。伸縮性部材としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリウレタン等の糸状、紐状、平型形状のものを適宜使用することができ、その太さは、300dtex以上1500dtex以下であることが好ましい。
<パンツ型吸収性物品の製造方法>
パンツ型吸収性物品1の製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えば、前述のようにして吸収性本体20を作製する工程、前側領域13、後側領域14、及び脚開口部12周縁において、外装不織布シート301及び内装不織布シート302に、上記した各伸縮性部材311、312、313を配置し、外装不織布シート301及び内装不織布シート302に接合する工程、外装体30の身体側に吸収性本体20を配設する工程、前側領域13の両側縁部と後側領域15の両側縁部を、それぞれサイドシール部303を介して接合する工程、の順に各工程を経ることで、パンツ型吸収性物品1を得ることができる。
パンツ型吸収性物品1の製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えば、前述のようにして吸収性本体20を作製する工程、前側領域13、後側領域14、及び脚開口部12周縁において、外装不織布シート301及び内装不織布シート302に、上記した各伸縮性部材311、312、313を配置し、外装不織布シート301及び内装不織布シート302に接合する工程、外装体30の身体側に吸収性本体20を配設する工程、前側領域13の両側縁部と後側領域15の両側縁部を、それぞれサイドシール部303を介して接合する工程、の順に各工程を経ることで、パンツ型吸収性物品1を得ることができる。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
開繊されたセルロースアセテートトウ(坪量70g/m2)にSAP(8.0g)を分散させた表1に示す吸収成分を使用し、トップシートとしてエアスルー不織布(坪量25g/m2 、長さ42cm×幅15cm)、バックシートとして通気性ポリエチレンシート(坪量32g/m2、長さ42cm、幅15cm)をそれぞれ使用し、更に表1に示す開孔フィルムを用い、長さ42cm、幅15cmの吸収性本体(尿取りパッド)を作製した。
開繊されたセルロースアセテートトウ(坪量70g/m2)にSAP(8.0g)を分散させた表1に示す吸収成分を使用し、トップシートとしてエアスルー不織布(坪量25g/m2 、長さ42cm×幅15cm)、バックシートとして通気性ポリエチレンシート(坪量32g/m2、長さ42cm、幅15cm)をそれぞれ使用し、更に表1に示す開孔フィルムを用い、長さ42cm、幅15cmの吸収性本体(尿取りパッド)を作製した。
<実施例2〜6、比較例1〜6>
表1に示す吸収成分及び開孔フィルムを用いる以外は、実施例1と同様にして、吸収性本体(尿取りパッド)を作製した。比較例6では、表1に示すように、セルロースアセテートトウに代えてフラッフパルプ(坪量500g/m2)を使用した。
表1に示す吸収成分及び開孔フィルムを用いる以外は、実施例1と同様にして、吸収性本体(尿取りパッド)を作製した。比較例6では、表1に示すように、セルロースアセテートトウに代えてフラッフパルプ(坪量500g/m2)を使用した。
実施例1〜6、及び比較例1〜6の各吸収性本体、及び実施例1〜6、及び比較例1〜6の各吸収性本体を備えかつ外装体の構成が同じである各吸収性物品について、性能評価及び官能評価を実施した。各結果を表1に示す。なお、評価方法は次のとおりである。
(吸収速度3回法)
底面積16.8cm2の円柱の中央に内径19mmの穴が開いており、重さを755.6gとした測定冶具を、吸収性物品の長手方向、かつ幅方向の中央部の上に置き、上部の穴から生理食塩水それぞれ20mlを投下し、生理食塩水が吸収性物品に接触した時点から治具中央円内の円周に液体が完全に吸い込まれるところを終点として時間を計測した(1回目)。そして3分経過後に同様の時間を計測し(2回目)、同様に3回目を計測した。
底面積16.8cm2の円柱の中央に内径19mmの穴が開いており、重さを755.6gとした測定冶具を、吸収性物品の長手方向、かつ幅方向の中央部の上に置き、上部の穴から生理食塩水それぞれ20mlを投下し、生理食塩水が吸収性物品に接触した時点から治具中央円内の円周に液体が完全に吸い込まれるところを終点として時間を計測した(1回目)。そして3分経過後に同様の時間を計測し(2回目)、同様に3回目を計測した。
(液戻り量)
トップシートを上に向けた状態で、生理食塩水120mlを吸収体の中心部に向かって注水し、10分間放置した後、生理食塩水の吸収部位に、あらかじめ重量を測定したろ紙(ADVANTEC社製 No.2 ろ紙、直径55mm)を置き、その上に35kgf/cm2の錘を乗せ、30秒経過後、ろ紙の重量を測り、ろ紙の重量差を液戻り量とした。
トップシートを上に向けた状態で、生理食塩水120mlを吸収体の中心部に向かって注水し、10分間放置した後、生理食塩水の吸収部位に、あらかじめ重量を測定したろ紙(ADVANTEC社製 No.2 ろ紙、直径55mm)を置き、その上に35kgf/cm2の錘を乗せ、30秒経過後、ろ紙の重量を測り、ろ紙の重量差を液戻り量とした。
(濡れ広がり性)
トップシート24を上に向けた状態で、生理食塩水120mlを吸収体29の中心部に向かって注水し、吸収部位から製品長手方向に生理食塩水が10cm広がるまでの時間を計測し、濡れ広がり性を評価した。
トップシート24を上に向けた状態で、生理食塩水120mlを吸収体29の中心部に向かって注水し、吸収部位から製品長手方向に生理食塩水が10cm広がるまでの時間を計測し、濡れ広がり性を評価した。
(総吸収量)
1.5Lの生理食塩水を用意し、そこにトップシートを下に向けた状態でサンプルを浸漬した後、10分間放置し、浸漬前後のサンプルの重量差を総吸収量とした。
1.5Lの生理食塩水を用意し、そこにトップシートを下に向けた状態でサンプルを浸漬した後、10分間放置し、浸漬前後のサンプルの重量差を総吸収量とした。
(マネキンの股下長さ)
股下長さ70mmである下腹部のみの市販のマネキンを用意し、各吸収性本体を股間部分に取り付け、平面の実験台に乗せ、実験台から吸収性本体までの長さを評価した。
股下長さ70mmである下腹部のみの市販のマネキンを用意し、各吸収性本体を股間部分に取り付け、平面の実験台に乗せ、実験台から吸収性本体までの長さを評価した。
(吸収性物品の肌触り)
8名のパネラーが、吸収性物品の肌触り感を評価した。吸収性物品を触り、以下の基準で評価した。
〇:柔らかく感じたとの評価者が6人以上8人以下である。
△:柔らかく感じたとの評価者が3人以上5人以下である。
×:柔らかく感じたとの評価者が1人もしくは2人であるか、又は柔らかく感じたとの評価者が1人もいない。
8名のパネラーが、吸収性物品の肌触り感を評価した。吸収性物品を触り、以下の基準で評価した。
〇:柔らかく感じたとの評価者が6人以上8人以下である。
△:柔らかく感じたとの評価者が3人以上5人以下である。
×:柔らかく感じたとの評価者が1人もしくは2人であるか、又は柔らかく感じたとの評価者が1人もいない。
(全体評価)
吸収速度の合計が60秒以下、濡れ広がり性が13秒以下、液戻り性が0.3g以下、総吸収量が150g以上、マネキンの股下長さの評価が63mm以上、吸収性物品の肌触りの評価が○の時、判定を「○」とし、上記を満たさない場合、判定を「×」とした。
吸収速度の合計が60秒以下、濡れ広がり性が13秒以下、液戻り性が0.3g以下、総吸収量が150g以上、マネキンの股下長さの評価が63mm以上、吸収性物品の肌触りの評価が○の時、判定を「○」とし、上記を満たさない場合、判定を「×」とした。
実施例1〜6では、液拡散性に優れ、その影響で吸収速度が高く、且つ、セルロースアセテートトウの影響で柔らかく、股下の違和感も少ない結果となった。一方で、比較例1では高吸収性ポリマー量が少ないために尿の吸収力を想定した総吸収量が低く、比較例2では高吸収性ポリマー量が多いために総吸収量は高いが吸収速度が遅い結果だった。また、比較例3では開孔フィルムの開孔径大側がトップシート側を向いている影響で液の拡散性が悪く吸収速度が低かった。比較例4では開孔フィルムがない影響で吸収速度が遅く、液戻り量も多かった。比較例5では開孔フィルムの開孔径が大きい影響で尿が素早く吸収体に異動する反面、ゲルブロッキングも生じてしまい、2回目、3回目の吸収速度が遅くなっていた。比較例6はフラッフパルプを吸収体に用いており、吸収体が硬く、マネキンに履かせた際に股間部分のごわつき感が強く、結果として股下の長さが短くなっていた。
1 パンツ型吸収性物品
11 ウエスト開口部
12 脚開口部
13 前側領域
14 股下領域
15 後側領域
20 吸収性本体
24 トップシート
25 バックシート
26 立体ギャザー
27、27A 開孔フィルム
28 キャリアシート
29 吸収体
30 外装体
301 外装不織布シート
302 内装不織布シート
303 サイドシール部
311 ウエスト領域伸縮性部材
312 前側腰回り領域伸縮性部材
313 後側腰回り領域伸縮性部材
314 脚回り伸縮性部材
11 ウエスト開口部
12 脚開口部
13 前側領域
14 股下領域
15 後側領域
20 吸収性本体
24 トップシート
25 バックシート
26 立体ギャザー
27、27A 開孔フィルム
28 キャリアシート
29 吸収体
30 外装体
301 外装不織布シート
302 内装不織布シート
303 サイドシール部
311 ウエスト領域伸縮性部材
312 前側腰回り領域伸縮性部材
313 後側腰回り領域伸縮性部材
314 脚回り伸縮性部材
Claims (4)
- パンツ型吸収性物品の外形形状を構成し、着用者の肌側に位置する内装不織布シートと、前記着用者の非肌側に位置する外装不織布シートと、前記内装不織布シートと前記外装不織布シートとの間に配置された複数の弾性伸縮部材とを含み、主に前記着用者の腹部に相対する前側領域と、主に前記着用者の背部に相対する後側領域と、前記前側領域と前記後側領域との間に配置され、主に前記着用者の股間部に相対する股下領域と、をその内面に有する外装体と、前記外装体の前記前側領域、及び前記後側領域における前記股下領域とは反対側の端部に設けられたウエスト開口部と、前記外装体の前記股下領域の両側に設けられた2つの脚開口部と、前記外装体の前記股下領域の内面に沿って配置された吸収性本体と、を備えるパンツ型吸収性物品であって、
前記吸収性本体は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシート及び前記バックシートの間に配置される吸収体と、前記トップシートと前記吸収体との間に配置され、複数の漏斗状の開孔を有する開孔フィルムと、を備え、前記開孔フィルムは、厚み方向で、前記トップシート側表面の開孔径が相対的に小さく、前記吸収体側表面の開孔径が相対的に大きく、
前記吸収体は、吸収成分として、セルロースアセテートトウと、前記セルロースアセテートトウに担持された高吸収性ポリマーと、を含む、パンツ型吸収性物品。 - 前記トウからなる繊維集合体と前記高吸収性ポリマーとの重量比率(前記高吸収性ポリマーの重量/前記トウからなる繊維集合体の重量)が10%以上500%以下である、請求項1に記載のパンツ型吸収性物品。
- 前記開孔フィルムは、開孔径が2mm以下、開孔数が50個/cm2以上、坪量が20g/m2以上60g/m2以下である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
- 前記吸収体側表面の開孔径と、前記トップシート側表面の開孔径と、の差が、0.03mm以上0.15mm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023276530A1 (ja) * | 2021-06-29 | 2023-01-05 | ユニ・チャーム株式会社 | パンツ型吸収性物品 |
-
2019
- 2019-11-27 JP JP2019214715A patent/JP2021083694A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023276530A1 (ja) * | 2021-06-29 | 2023-01-05 | ユニ・チャーム株式会社 | パンツ型吸収性物品 |
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