JP2021068088A - 画像処理装置、コンピュータプログラム、および画像処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】撮像装置により取得された画像に写り込んだ人物の動作の判別精度を高めることができる画像処理装置、コンピュータプログラム及び画像処理システムを提供する。【解決手段】画像処理システム10において、画像処理装置は、受付部と処理部を備えている。受付部は、被写体としての人物30が写り込んだ画像に対応する画像データを受け付ける。処理部は、画像データに基づいて、人物30の胸骨特徴点と仙骨特徴点を検出し、両特徴点を結ぶ直線に沿う方向に延びる軸を設定し、軸を基準として被写体としての人物30の動作を判別する。【選択図】図1
Description
本発明は、画像処理装置、および当該画像処理装置の処理部により実行されるコンピュータプログラムに関連する。本発明は、当該画像処理装置を用いた画像処理システムにも関連する。
例えば特許文献1に開示されているように、撮像装置により取得された画像に写り込んだ人物の動作を判別し、当該動作に関連付けられた所望の処理を実行する技術が知られている。
本発明の目的は、撮像装置により取得された画像に写り込んだ人物の動作の判別精度を高めることである。
上記の目的を達成するための一態様は、画像処理装置であって、
人物が写り込んだ画像に対応する画像データを受け付ける受付部と、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体における二つの特徴的な部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出し、当該第一特徴点と当該第二特徴点を結ぶ直線に沿う方向に延びる第一座標軸を設定し、当該第一座標軸を基準として前記人物の動作を判別する処理部と、
を備えている。
人物が写り込んだ画像に対応する画像データを受け付ける受付部と、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体における二つの特徴的な部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出し、当該第一特徴点と当該第二特徴点を結ぶ直線に沿う方向に延びる第一座標軸を設定し、当該第一座標軸を基準として前記人物の動作を判別する処理部と、
を備えている。
上記の目的を達成するための一態様は、画像処理装置の処理部によって実行されるコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記画像処理装置に、
人物が写り込んだ画像に対応する画像データを受け付けさせ、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体における二つの特徴的な部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出させ、
前記第一特徴点と前記第二特徴点を結ぶ直線に沿う方向に延びる第一座標軸を設定させ、
前記第一座標軸を基準として前記人物の動作を判別させる。
実行されることにより、前記画像処理装置に、
人物が写り込んだ画像に対応する画像データを受け付けさせ、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体における二つの特徴的な部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出させ、
前記第一特徴点と前記第二特徴点を結ぶ直線に沿う方向に延びる第一座標軸を設定させ、
前記第一座標軸を基準として前記人物の動作を判別させる。
上記の目的を達成するための一態様は、画像処理システムであって、
人物が写り込んだ画像に対応する画像データを出力する撮像装置と、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体における二つの特徴的な部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出し、当該第一特徴点と当該第二特徴点を結ぶ直線に沿う方向に延びる第一座標軸を設定し、当該第一座標軸を基準として前記人物の動作を判別する画像処理装置とを備えている。
人物が写り込んだ画像に対応する画像データを出力する撮像装置と、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体における二つの特徴的な部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出し、当該第一特徴点と当該第二特徴点を結ぶ直線に沿う方向に延びる第一座標軸を設定し、当該第一座標軸を基準として前記人物の動作を判別する画像処理装置とを備えている。
上記の各態様に係る構成によれば、撮像装置の視野(撮像領域)内を移動しながら動作を行なっている人物について、当該動作のみを抽出することが可能になる。撮像領域内の人物の移動は、画像に写り込んだ当該人物の当該画像の背景との相対位置の変化として捉えられる。画像の背景は、画像について設定された固定座標軸に対応づけられうる。他方、撮像領域内の人物の動作は、画像に写り込んだ人物の身体部分同士の相対位置の変化として捉えられる。これら身体部分のうち特徴的な部分として選ばれた第一特徴点と第二特徴点に基づいて設定された第一座標軸の延びる方向は、画像に写り込んだ人物の姿勢に応じて変化する。また、第一座標軸の位置は、画像に写り込んだ人物の位置に応じて変化する。この第一次座標軸を基準にすることにより、人物の身体部分同士の相対位置の変化を画像の背景との相対位置の変化から分離できる。したがって、撮像装置により取得された画像に写り込んだ人物の動作の判別精度を高めることができる。
上記の目的を達成するための一態様は、画像処理装置であって、
人物が写り込んだ画像に対応する画像データを受け付ける受付部と、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体において第一方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出し、当該人物の身体において当該第一方向と交差する第二方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第三特徴点と第四特徴点を検出し、当該第一特徴点および当該第二特徴点の間の距離と、当該第三特徴点および当該第四特徴点の間の距離との比の値を、前記人物の特徴量として取得する処理部と、
を備えている。
人物が写り込んだ画像に対応する画像データを受け付ける受付部と、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体において第一方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出し、当該人物の身体において当該第一方向と交差する第二方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第三特徴点と第四特徴点を検出し、当該第一特徴点および当該第二特徴点の間の距離と、当該第三特徴点および当該第四特徴点の間の距離との比の値を、前記人物の特徴量として取得する処理部と、
を備えている。
上記の目的を達成するための一態様は、画像処理装置の処理部によって実行されるコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記画像処理装置に、
人物が写り込んだ画像に対応する画像データを受け付けさせ、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体において第一方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出させ、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体において前記第一方向と交差する第二方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第三特徴点と第四特徴点を検出させ、
前記第一特徴点および前記第二特徴点の間の距離と、前記第三特徴点および前記第四特徴点の間の距離との比の値を、前記人物の特徴量として取得させる。
実行されることにより、前記画像処理装置に、
人物が写り込んだ画像に対応する画像データを受け付けさせ、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体において第一方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出させ、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体において前記第一方向と交差する第二方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第三特徴点と第四特徴点を検出させ、
前記第一特徴点および前記第二特徴点の間の距離と、前記第三特徴点および前記第四特徴点の間の距離との比の値を、前記人物の特徴量として取得させる。
上記の目的を達成するための一態様は、画像処理システムであって、
人物が写り込んだ画像に対応する画像データを出力する撮像装置と、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体において第一方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出し、当該人物の身体において当該第一方向と交差する第二方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第三特徴点と第四特徴点を検出し、当該第一特徴点および当該第二特徴点の間の距離と、当該第三特徴点および当該第四特徴点の間の距離との比の値を、前記人物の特徴量として取得する画像処理装置と、
を備えている。
人物が写り込んだ画像に対応する画像データを出力する撮像装置と、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体において第一方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出し、当該人物の身体において当該第一方向と交差する第二方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第三特徴点と第四特徴点を検出し、当該第一特徴点および当該第二特徴点の間の距離と、当該第三特徴点および当該第四特徴点の間の距離との比の値を、前記人物の特徴量として取得する画像処理装置と、
を備えている。
撮像装置により取得される画像に写り込む人物は、常に撮像装置に対して正面を向いて直立しているとは限らない。処理部は、画像に写り込んだ人物について取得された上記の比の値を、当該人物の姿勢を判別するために使用しうる。例えば、画像に写り込んだ人物が前に屈んでいる場合、撮像装置から見た第一特徴点と第二特徴点の間の距離が直立時よりも短くなる。あるいは、画像に写り込んだ人物が身体の正面を撮像装置に対して斜めに向けて立っている場合、身体の正面が撮像装置と正対しているときよりも撮像装置から見た第三特徴点と第四特徴点の間の距離が短くなる。結果として上記の比の値が増減するので、当該変化に基づいて画像に写り込んだ人物の姿勢を正確に判別できる。より正確に判別された人物の姿勢に基づいて当該人物の動作が判別されるので、動作の判別精度を高めることも容易になる。
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例について以下詳細に説明する。図1は、一実施形態に係る画像処理システム10の機能構成を例示している。画像処理システム10は、撮像装置11と画像処理装置12を含んでいる。
撮像装置11は、予め定められた撮像領域の画像を取得する装置である。撮像装置11としては、カメラやイメージセンサが例示されうる。撮像装置11は、取得した画像に対応する画像データDIを出力するように構成されている。画像データDIは、アナログデータでもよいし、デジタルデータでもよい。
画像処理装置12は、受付部121、処理部122、及び出力部123を備えている。
受付部121は、画像データDIを受け付けるインターフェースとして構成されている。画像データDIがアナログデータである場合、受付部121は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を含みうる。
処理部122は、デジタルデータの形態である画像データDIを処理の対象とする。処理部122によって行なわれる処理の詳細については後述する。処理部122は、当該処理の結果に基づいて、出力部123からの制御データDCの出力を許容する。制御データDCは、各種の被制御装置の動作を制御するデータである。制御データDCは、デジタルデータでもよいし、アナログデータでもよい。制御データDCがアナログデータである場合、出力部123は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を含みうる。
画像処理システム10は、例えば図2に示されるように、車両20に搭載されうる。この場合、上記の制御データDCにより動作を制御される被制御装置の例としては、車両20におけるドアの開閉装置、ドアの施錠装置、空調装置、照明装置、映像音響設備などが挙げられる。
撮像装置11は、所望の撮像領域に応じて車両20における適宜の位置に配置される。画像処理装置12は、車両20内の適宜の位置に配置される。本例においては、撮像装置11は、車両20の右側部に配置されており、車両20の右側方に撮像領域Aを規定している。換言すると、撮像装置11は、撮像領域Aの画像を取得している。
撮像領域A内には様々な被写体30が進入しうる。撮像領域Aに被写体30が進入すると、撮像装置11により取得される画像に被写体30が写り込む。画像に写り込んだ被写体30は、画像データDIに反映される。
画像処理システム10は、被写体30が人物である場合において、当該人物の骨格を推定する機能を有している。
上記の機能を実現するために処理部122は、撮像装置11により取得された画像に写り込んだ被写体30に骨格モデルを適用する処理を、画像データDIに対して行なうように構成されている。
図3と図4を参照しつつ、撮像装置11により取得された画像Iに写り込んだ被写体30に骨格モデルが適用される処理の一例を説明する。本例では、画像Iにおける左右方向および上下方向は、それぞれX方向およびY方向と規定されている。画像Iにおける任意の点の位置は、X方向に延びるX軸とY方向に延びるY軸により形成されるX−Y座標平面上の位置として特定されうる。
画像処理装置12の処理部122は、受付部121が受け付けた画像データDIに基づいて、画像I中に含まれる人物である尤度が高い物体を検出する処理を実行する。当該処理は、周知の手法を用いて適宜に行なわれうるので、詳細な説明は省略する。
続いて、処理部122は、被写体30が人物であるとの仮定に基づき、複数の特徴点を検出する。画像Iに写り込んだ被写体30から特徴的な複数の身体部位に対応する複数の特徴点を検出する処理は、周知の手法を用いて適宜に行なわれうるので、詳細な説明は省略する。画像Iにおける各特徴点の位置は、X−Y座標平面上の座標として特定される。
本例においては、左肩特徴点LU1、左肘特徴点LU2、左手首特徴点LU3、右肩特徴点RU1、右肘特徴点RU2、右手首特徴点RU3、左腰特徴点LL1、左膝特徴点LL2、左足首特徴点LL3、右腰特徴点RL1、右膝特徴点RL2、右足首特徴点RL3に加えて、左目特徴点LY、右目特徴点RY、鼻特徴点NS、口特徴点MS、左耳特徴点LA、および右耳特徴点RAが検出されている。
左肩特徴点LU1は、人体の左肩に対応する点である。左肘特徴点LU2は、人体の左肘に対応する点である。左手首特徴点LU3は、人体の左手首に対応する点である。右肩特徴点RU1は、人体の右肩に対応する点である。右肘特徴点RU2は、人体の右肘に対応する点である。右手首特徴点RU3は、人体の右手首に対応する点である。
左腰特徴点LL1は、人体の腰の左部に対応する点である。左膝特徴点LL2は、人体の左膝に対応する点である。左足首特徴点LL3は、人体の左足首に対応する点である。右腰特徴点RL1は、人体の腰の右部に対応する点である。右膝特徴点RL2は、人体の右膝に対応する点である。右足首特徴点RL3は、人体の右足首に対応する点である。
左目特徴点LYは、人体の左目に対応する特徴点である。右目特徴点RYは、人体の右目に対応する特徴点である。鼻特徴点NSは、人体の鼻に対応する特徴点である。口特徴点MSは、人体の口に対応する特徴点である。左耳特徴点LAは、人体の左耳に対応する特徴点である。右耳特徴点RAは、人体の右耳に対応する特徴点である。
続いて、図4に例示されるように、処理部122は、複数の特徴点同士を所定の規則に基づいて接続する処理を行なう。具体的には、下記に列挙される特徴点同士が、骨格線により接続される。
・左肩特徴点LU1と左肘特徴点LU2
・左肘特徴点LU2と左手首特徴点LU3
・右肩特徴点RU1と右肘特徴点RU2
・右肘特徴点RU2と右手首特徴点RU3
・左腰特徴点LL1と左膝特徴点LL2
・左膝特徴点LL2と左足首特徴点LL3
・右腰特徴点RL1と右膝特徴点RL2
・右膝特徴点RL2と右足首特徴点RL3
・左肩特徴点LU1と右肩特徴点RU1
・左腰特徴点LL1と右腰特徴点RL1
・左肩特徴点LU1と左肘特徴点LU2
・左肘特徴点LU2と左手首特徴点LU3
・右肩特徴点RU1と右肘特徴点RU2
・右肘特徴点RU2と右手首特徴点RU3
・左腰特徴点LL1と左膝特徴点LL2
・左膝特徴点LL2と左足首特徴点LL3
・右腰特徴点RL1と右膝特徴点RL2
・右膝特徴点RL2と右足首特徴点RL3
・左肩特徴点LU1と右肩特徴点RU1
・左腰特徴点LL1と右腰特徴点RL1
加えて、左目特徴点LY、右目特徴点RY、鼻特徴点NS、口特徴点MS、左耳特徴点LA、および右耳特徴点RAに基づいて、顔特徴点Fが定められる。これに加えてあるいは代えて、頭特徴点Hが定められてもよい。顔特徴点Fは、顔の位置や向きに係る情報を提供しうる。頭特徴点Hは、頭の中心部の推定位置を表しうる。人体の左目特徴点LY、右目特徴点RY、鼻特徴点NS、口特徴点MS、左耳特徴点LA、および右耳特徴点RAに基づいて顔特徴点Fや頭特徴点Hを定める処理は、周知の手法を用いて適宜に行なわれうるので、詳細な説明は省略する。
続いて、処理部122は、胸骨特徴点S1と仙骨特徴点S2を定める処理を行なう。本例においては、胸骨特徴点S1は、左肩特徴点LU1と右肩特徴点RU1を結ぶ骨格線の中点に対応する位置として定められる。仙骨特徴点S2は、左腰特徴点LL1と右腰特徴点RL1を結ぶ骨格線の中点に対応する位置として定められる。
続いて、処理部122は、胸骨特徴点S1と仙骨特徴点S2を骨格線で接続し、顔特徴点Fと胸骨特徴点S1を骨格線で接続する。これにより、被写体30としての人物への骨格モデルの適用が完了する。
処理部122は、各特徴点の位置や各骨格線の位置、長さ、傾きなどに基づいて、被写体30としての人物の姿勢を判別できる。また、処理部122は、各特徴点の位置や各骨格線の位置、長さ、傾きなどの経時変化に基づいて、被写体30としての人物の動作を判別できる。
次に、図4と図5を参照しつつ、人物の動作の判別精度を高めるために処理部122が行ないうる処理の一例を説明する。
図4に例示されるように、処理部122は、胸骨特徴点S1と仙骨特徴点S2を結ぶ骨格線に沿う方向に延びるBY軸を設定するように構成されている。胸骨特徴点S1は、第一特徴点の一例である。仙骨特徴点S2は、第二特徴点の一例である。胸骨特徴点S1と仙骨特徴点S2を結ぶ骨格線は、第一特徴点と第二特徴点を結ぶ直線の一例である。BY軸は、第一座標軸の一例である。BY軸の原点Oは、胸骨特徴点S1と仙骨特徴点S2を結ぶ骨格線上の適宜の位置に設定される。
上記のように設定されたBY軸の延びる方向は、画像Iに写り込んだ人物の姿勢に応じて変化する。また、上記のように設定されたBY軸の位置は、画像Iに写り込んだ人物の位置に応じて変化する。処理部122は、BY軸を基準として画像Iに写り込んだ人物の動作を判別するように構成されている。
例えば、図4に例示される画像Iに写り込んだ人物は直立しているので、当該人物について設定されたBY軸の延びる方向は、画像Iの上下方向に対応するY軸の延びる方向と一致している。他方、図5に例示される画像Iに写り込んだ人物の胸骨特徴点S1と仙骨特徴点S2を結ぶ骨格線は、鉛直方向に対して傾いているので、当該人物について設定されたBY軸の延びる方向は、Y軸の延びる方向と一致していない。また、BY軸の位置は、画像Iに写り込んだ人物とともに移動している。
このような構成によれば、撮像装置11の視野(撮像領域A)内を移動しながら動作を行なっている人物について、当該動作のみを抽出することが可能になる。撮像領域A内の人物の移動は、画像Iに写り込んだ当該人物の画像Iの背景との相対位置の変化として捉えられる。画像Iの背景は、画像Iについて固定されたY軸に対応づけられうる。他方、撮像領域A内の人物の動作は、画像Iに写り込んだ人物の身体部分同士の相対位置の変化として捉えられる。これら身体部分のうち特徴的な部分として選ばれた胸骨特徴点S1と仙骨特徴点S2に基づいて設定されたBY軸を基準にすることにより、人物の身体部分同士の相対位置の変化を画像Iの背景との相対位置の変化から分離できる。
例えば、右手を掲げながら撮像領域A内を右方に移動している人物の右手首特徴点RU3と、撮像領域A内で立ち止まりつつ右手を右方に振っている人物の右手首特徴点RU3とは、ともに画像I内を左方に移動するように写り込む。画像Iについて設定されたY軸を基準とすると、当該人物の右手の動きを判別することが難しい。しかしながら、上記の構成によれば、当該人物の胴体に対する右手の相対移動の有無を判別できる。したがって、撮像装置11により取得された画像Iに写り込んだ人物の動作の判別精度を高めることができる。
処理部122は、胸骨特徴点S1と仙骨特徴点S2の間の距離L1に基づいて、BY軸に沿う距離を正規化するように構成されうる。胸骨特徴点S1と仙骨特徴点S2の間の距離L1は、X−Y座標平面における両特徴点の座標間の距離として特定されうる。胸骨特徴点S1と仙骨特徴点S2の間の距離L1と、BY軸に沿う距離の正規化された値との関係は、適宜に定められうる。
画像Iに写り込む人物ごとに異なる胸骨特徴点S1と仙骨特徴点S2の間の距離L1が、設定されるBY軸においては同じ値をもつ。したがって、処理部122によってその後行なわれるBY軸に基づく動作の判別に係る処理負荷の増大を抑制できる。また、正規化された胸骨特徴点S1と仙骨特徴点S2の間の距離L1に基づいて、人物の動作の定性的な評価が可能になる。
本例では、BY軸を設定するために胸骨特徴点S1と仙骨特徴点S2が用いられている。胸骨と仙骨の各々は、人物の身体の正中線上に位置する部分である。
人物の身体の正中線上に位置する二つの部分の位置関係は、四肢の状態によって変化しにくい。したがって、両部分を結ぶ直線は、BY軸の基準として適している。このように設定されたBY軸を撮像装置11から見た人物の動作を判別する基準として用いることにより、判別精度を高めることが容易になる。
よって、人物の身体の正中線上に位置する部分に対応する特徴点であれば、BY軸を設定するための基準となりうる。そのような特徴点の例としては、首、臍、体中心、体重心などが挙げられる。
図4に例示されるように、処理部122は、BY軸に直交する向きに延びるBX軸を設定しうる。BX軸は、第二座標軸の一例である。この場合、処理部122は、BX軸に沿って並ぶように位置している左肩特徴点LU1と右肩特徴点RU1の間の距離L2を取得しうる。左肩特徴点LU1は、第三特徴点の一例である。右肩特徴点RU1は、第四特徴点の一例である。
処理部122は、胸骨特徴点S1と仙骨特徴点S2の間の距離L1に対する左肩特徴点LU1と右肩特徴点RU1の間の距離L2の比の値(L1/L2)を、画像Iに写り込んだ人物の特徴量として取得するように構成されうる。
撮像装置11により取得される画像Iに写り込む被写体30としての人物は、常に撮像装置11に対して正面を向いて直立しているとは限らない。処理部122は、画像Iに写り込んだ人物について取得された上記の比の値(L1/L2)を、当該人物の姿勢を判別するために使用する。
図6は、前に屈んでいる人物が画像Iに写り込んでいる例を示している。この場合、撮像装置11から見た胸骨特徴点S1と仙骨特徴点S2の間の距離L1が直立時よりも短くなるので、図4に例示されるほぼ直立の姿勢と比較すると、比の値(L1/L2)は小さくなる傾向にある。
図7は、撮像装置11に対して身体の正面を斜めに向けて立っている人物が画像Iに写り込んでいる例を示している。この場合、身体の正面が撮像装置11と正対しているときよりも撮像装置11から見た左肩特徴点LU1と右肩特徴点RU1の間の距離L2が短くなるので、図4に例示される身体の正面が撮像装置11と正対している姿勢と比較すると、比の値(L1/L2)は大きくなる傾向にある。
したがって、処理部122は、比の値(L1/L2)を参照することによって、画像Iに写り込んだ人物の姿勢を、より正確に判別できる。より正確に判別された人物の姿勢に基づいて当該人物の動作が判別されるので、動作の判別精度を高めることも容易になる。
なお、比の値(L1/L2)の大小に係る評価は、図4に例示されるように画像Iに写り込んだ人物がほぼ直立時にある時点で取得された値を基準としてもよいし、予め定められた値を基準としてもよい。画像Iに写り込む人物の体格は様々であるが、比の値(L1/L2)は概ね一定の範囲に収まることが知られている。基準値は、この範囲に基づいて定められうる。
本例においては、BX軸に沿う距離L2を取得するために左肩特徴点LU1と右肩特徴点RU1が用いられている。左肩特徴点LU1の位置と右肩特徴点RU1の位置は、四肢の状態や上半身の前傾角度によらず比較的安定しているので、距離L2の基準とする上では有利である。
しかしながら、BX軸に沿って並ぶように位置している二つの特徴点であれば、距離L2を取得するための基準となりうる。そのような二つの特徴点の例としては、左腰特徴点LL1と右腰特徴点RL1が挙げられる。
上記のように設定されたBY軸とBX軸により、BX−BY座標平面が形成されうる。この場合、図4と図5に例示されるように、当該座標平面の原点Oは、胸骨特徴点S1上に配置されることが好ましい。胸骨特徴点S1は、人物の四肢の状態によらずに比較的高い安定性で検出されうる。このような点を座標平面の原点として選ぶことにより、BY軸とBX軸の少なくとも一方に基づいてなされる人物の動作の判別精度を高めることが容易になる。
上記のような機能を有する処理部122は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、上述した処理を実行するコンピュータプログラムが記憶されうる。ROMは、コンピュータプログラムを記憶している記憶媒体の一例である。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。上記のコンピュータプログラムは、汎用メモリにプリインストールされてもよいし、通信ネットワークを介して外部サーバからダウンロードされて汎用メモリにインストールされてもよい。この場合、外部サーバは、コンピュータプログラムを記憶している記憶媒体の一例である。
処理部122は、マイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの上記のコンピュータプログラムを実行可能な専用集積回路によって実現されてもよい。この場合、当該専用集積回路に含まれる記憶素子に上記のコンピュータプログラムがプリインストールされる。当該記憶素子は、コンピュータプログラムを記憶している記憶媒体の一例である。処理部122は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによっても実現されうる。
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
図4、図6、および図7を参照して説明した比の値(L1/L2)を取得する処理を行なうにあたっては、BY軸およびBX軸の設定は必須ではない。すなわち、撮像装置11により取得された画像Iに写り込んだ胸骨特徴点S1と仙骨特徴点S2の間の距離L1、および左肩特徴点LU1と右肩特徴点RU1の間の距離L2は、画像Iについて設定されたX−Y座標平面上の距離として取得されうる。
画像処理システム10は、車両20以外の移動体にも搭載されうる。移動体の例としては、鉄道、航空機、船舶などが挙げられる。当該移動体は、運転者を必要としなくてもよい。撮像装置11の撮像領域Aは、移動体の内部に設定されてもよい。
画像処理システム10は、車両20などの移動体に搭載されることを要しない。画像処理システム10は、住宅や施設における監視装置、施錠装置、空調装置、照明装置、映像音響設備などの動作を制御するために使用されうる。
10:画像処理システム、11:撮像装置、12:画像処理装置、121:受付部、122:処理部、30:被写体としての人物、S1:胸骨特徴点、S2:仙骨特徴点、LU1:左肩特徴点、RU1:右肩特徴点、L1:胸骨特徴点と仙骨特徴点の間の距離、L2:左肩特徴点と右肩特徴点の間の距離
Claims (11)
- 人物が写り込んだ画像に対応する画像データを受け付ける受付部と、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体における二つの特徴的な部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出し、当該第一特徴点と当該第二特徴点を結ぶ直線に沿う方向に延びる第一座標軸を設定し、当該第一座標軸を基準として前記人物の動作を判別する処理部と、
を備えている、
画像処理装置。 - 前記処理部は、前記第一特徴点と前記第二特徴点の間の距離に基づいて、前記第一座標軸に沿う距離を正規化する、
請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記処理部は、前記人物の身体の正中線上に位置する部分を、前記第一特徴点と前記第二特徴点の各々に対応づける、
請求項1または2に記載の画像処理装置。 - 前記処理部は、
前記人物の身体において前記第一座標軸と直交する第二座標軸に沿って並ぶように位置している二つの特徴点に対応する第三特徴点と第四特徴点を検出し、
前記第一特徴点および前記第二特徴点の間の距離と、前記第三特徴点および前記第四特徴点の間の距離との比の値を、前記人物の特徴量として取得する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 人物が写り込んだ画像に対応する画像データを受け付ける受付部と、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体において第一方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出し、当該人物の身体において当該第一方向と交差する第二方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第三特徴点と第四特徴点を検出し、当該第一特徴点および当該第二特徴点の間の距離と、当該第三特徴点および当該第四特徴点の間の距離との比の値を、前記人物の特徴量として取得する処理部と、
を備えている、
画像処理装置。 - 前記処理部は、前記人物の正中線上に位置する部分を、前記第一特徴点と前記第二特徴点の各々に対応づける、
請求項5に記載の画像処理装置。 - 前記第三特徴点は、前記人物の左肩に対応する特徴点であり、
前記第四特徴点は、前記人物の右肩に対応する特徴点である、
請求項5または6に記載の画像処理装置。 - 画像処理装置の処理部によって実行されるコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記画像処理装置に、
人物が写り込んだ画像に対応する画像データを受け付けさせ、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体における二つの特徴的な部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出させ、
前記第一特徴点と前記第二特徴点を結ぶ直線に沿う方向に延びる第一座標軸を設定させ、
前記第一座標軸を基準として前記人物の動作を判別させる、
コンピュータプログラム。 - 画像処理装置の処理部によって実行されるコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記画像処理装置に、
人物が写り込んだ画像に対応する画像データを受け付けさせ、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体において第一方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出させ、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体において前記第一方向と交差する第二方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第三特徴点と第四特徴点を検出させ、
前記第一特徴点および前記第二特徴点の間の距離と、前記第三特徴点および前記第四特徴点の間の距離との比の値を、前記人物の特徴量として取得させる、
コンピュータプログラム。 - 人物が写り込んだ画像に対応する画像データを出力する撮像装置と、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体における二つの特徴的な部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出し、当該第一特徴点と当該第二特徴点を結ぶ直線に沿う方向に延びる第一座標軸を設定し、当該第一座標軸を基準として前記人物の動作を判別する画像処理装置とを備えている、
画像処理システム。 - 人物が写り込んだ画像に対応する画像データを出力する撮像装置と、
前記画像データに基づいて、前記人物の身体において第一方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第一特徴点と第二特徴点を検出し、当該人物の身体において当該第一方向と交差する第二方向に沿って並ぶように位置している二つの特徴的部分に対応する第三特徴点と第四特徴点を検出し、当該第一特徴点および当該第二特徴点の間の距離と、当該第三特徴点および当該第四特徴点の間の距離との比の値を、前記人物の特徴量として取得する画像処理装置と、
を備えている、
画像処理システム。
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