JP2021060263A - 二重冗長系レゾルバ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、1個のみの輪状ステータを用いて、高精度で冗長系の回転角度検出信号を得ることである。【解決手段】本発明による二重冗長系レゾルバは、多数の突出磁極(13)を有する1個のみの輪状ステータ(10)を用いて、二系統の第1、第2出力信号を出力するように構成した二重冗長系レゾルバにおいて、前記各突出磁極(13)のうち、一対の突出磁極(13)を1個の部品として1個の分割コア(21)とし、前記各分割コア(21)間は非磁性体(20)が設けられて絶縁され、前記各分割コア(21)には前記二系統のうちの第1系統(1)又は第2系統(2)のみの励磁巻線が設けられている構成である。【選択図】図1
Description
本発明は、二重冗長系レゾルバに関し、特に、1個のみの輪状ステータを非磁性体を介して多数の独立した分割コアとし、各分割コアの一対の突出磁極には、第1系統のみ又は第2系統のみの励磁巻線が巻回され、各系統間の信号干渉を低減させ、冗長レゾルバの角度検出精度の向上を得るための新規な改良に関する。
従来、一般に用いられていたこの種の二重冗長系レゾルバとしては、図2に示される構成(開示文献名はなし)を挙げることができる。
図2において、符号10で示されるものは、輪状ステータであり、この輪状ステータ10は、各突出磁極13、13間の一部が断面で示されているように、その全体が一体で構成されていることが明らかである。
前記輪状ステータ10の内面12には、所定角度間隔毎に内方に向けて突出する多数の前記突出磁極13が設けられている。
図2において、符号10で示されるものは、輪状ステータであり、この輪状ステータ10は、各突出磁極13、13間の一部が断面で示されているように、その全体が一体で構成されていることが明らかである。
前記輪状ステータ10の内面12には、所定角度間隔毎に内方に向けて突出する多数の前記突出磁極13が設けられている。
前記各突出磁極13の内側に付されている記号の+、−は、励磁巻線14を巻く時の巻線方向を示しており、+は正巻き、−は逆向きを示している。
すなわち、各突出磁極13に巻回される励磁巻線(図示せず)の巻線方向は、一対の突出磁極13、13毎に正巻き(+)と逆巻き(−)が交互に繰り返されていると共に、前記各突出磁極13は、1個毎に、輪状ステータ10の外側に示されているように、第1系統(1)及び第2系統(2)が交互に設定されている。
尚、出力巻線は、周知のように、各突出磁極13に各々巻回されているが、ここでは図示を省略し、各励磁巻線に励磁信号を印加し、各出力巻線から第1、第2系統の出力信号を出力することができるように構成されている。
すなわち、各突出磁極13に巻回される励磁巻線(図示せず)の巻線方向は、一対の突出磁極13、13毎に正巻き(+)と逆巻き(−)が交互に繰り返されていると共に、前記各突出磁極13は、1個毎に、輪状ステータ10の外側に示されているように、第1系統(1)及び第2系統(2)が交互に設定されている。
尚、出力巻線は、周知のように、各突出磁極13に各々巻回されているが、ここでは図示を省略し、各励磁巻線に励磁信号を印加し、各出力巻線から第1、第2系統の出力信号を出力することができるように構成されている。
また、特許文献1に開示された高精度分割型回転角度検出装置においては、複数個の突出磁極を一体に有する一対の弧状ステータをロータの外側に互いに非接触状態で配設し、分割型回転角度検出装置を構成していた。
従来のレゾルバは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、図2に示す第1従来構成の場合、輪状ステータ10は、全体が全て一体の構成であるため、各系統の磁気回路は、多くの部分を共用することになり、相互に干渉することになっていた。
そのため、理想とする出力波形が歪み、角度検出精度が悪化する要因となっていた。
また、第1従来構成の課題の回避方法として、レゾルバを二段重ねとした構造もあるが、軸方向の厚さが大きくなり、他の部材に取付ける時の制約が増加すると共に、コストの増加等のデメリットも多く存在した。
さらに、特許文献1に開示された分割型の弧状コアを用いた構成は、冗長型とするために二分化したものであり、各突出磁極は、バックヨークを介しての磁気的干渉が発生し、回転角度の検出精度に関しては、前述の図2の構成と同様の課題が存在していた。
すなわち、図2に示す第1従来構成の場合、輪状ステータ10は、全体が全て一体の構成であるため、各系統の磁気回路は、多くの部分を共用することになり、相互に干渉することになっていた。
そのため、理想とする出力波形が歪み、角度検出精度が悪化する要因となっていた。
また、第1従来構成の課題の回避方法として、レゾルバを二段重ねとした構造もあるが、軸方向の厚さが大きくなり、他の部材に取付ける時の制約が増加すると共に、コストの増加等のデメリットも多く存在した。
さらに、特許文献1に開示された分割型の弧状コアを用いた構成は、冗長型とするために二分化したものであり、各突出磁極は、バックヨークを介しての磁気的干渉が発生し、回転角度の検出精度に関しては、前述の図2の構成と同様の課題が存在していた。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、1個のみの輪状ステータを非磁性体を介して多数の独立した分割コアとし、各分割コアの一対の突出磁極には、第1系統のみ又は第2系統のみの励磁巻線が巻回され、各系統間の信号干渉を低減させ、冗長レゾルバの角度検出精度の向上を得ることを目的とする。
本発明による二重冗長系レゾルバは、多数の突出磁極を有する1個のみの輪状ステータを用いて、二系統の第1、第2出力信号を出力するように構成した二重冗長系レゾルバにおいて、前記各突出磁極のうち、一対の突出磁極を1個の部品として1個の分割コアとし、前記各分割コア間は非磁性体が設けられて絶縁され、前記各分割コアには前記二系統のうちの第1系統のみ又は第2系統のみの励磁巻線が設けられている構成であり、また、前記非磁性体は、樹脂よりなり、前記各分割コアの各突出磁極に巻回される励磁巻線は、互いに異なる巻線方向とした構成からなり、また、前記非磁性体は、前記輪状ステータに一体成形される輪状絶縁カバーの一部からなる構成であり、また、前記非磁性体は、アルミニウムからなる構成であり、また、前記非磁性体の周方向の厚さは、数ミリである構成である。
本発明による二重冗長系レゾルバは、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、多数の突出磁極を有する1個のみの輪状ステータを用いて、二系統の第1、第2出力信号を入力するように構成した二重冗長系レゾルバにおいて、前記各突出磁極のうち、一対の突出磁極を1個の部品として1個の分割コアとし、前記各分割コア間は非磁性体が設けられて絶縁され、前記各分割コアには前記二系統のうちの第1系統のみ又は第2系統のみの励磁巻線が設けられている構成からなることにより、各分割コア毎に磁気的に独立しているため、各系統間の信号干渉を低減させ、冗長レゾルバの角度検出精度の向上を得ることができる。
また、前記非磁性体は、樹脂よりなり、前記各分割コアの各突出磁極に巻回される励磁巻線は、互いに異なる巻線方向とした構成からなることにより、各突出磁極への励磁巻線の自動巻きが容易となる。
また、前記非磁性体は、前記輪状ステータに一体成形される輪状絶縁カバーの一部からなることにより、輪状絶縁カバーをインサート成形する時に、同時に非磁性体を形成することができる。
また、前記非磁性体は、アルミニウムからなることにより、各分割コア毎の完全な絶縁を簡単に得ることができる。
また、前記非磁性体の周方向の厚さは、数ミリであることにより、各分割コア間の絶縁を確実とすることができる。
すなわち、多数の突出磁極を有する1個のみの輪状ステータを用いて、二系統の第1、第2出力信号を入力するように構成した二重冗長系レゾルバにおいて、前記各突出磁極のうち、一対の突出磁極を1個の部品として1個の分割コアとし、前記各分割コア間は非磁性体が設けられて絶縁され、前記各分割コアには前記二系統のうちの第1系統のみ又は第2系統のみの励磁巻線が設けられている構成からなることにより、各分割コア毎に磁気的に独立しているため、各系統間の信号干渉を低減させ、冗長レゾルバの角度検出精度の向上を得ることができる。
また、前記非磁性体は、樹脂よりなり、前記各分割コアの各突出磁極に巻回される励磁巻線は、互いに異なる巻線方向とした構成からなることにより、各突出磁極への励磁巻線の自動巻きが容易となる。
また、前記非磁性体は、前記輪状ステータに一体成形される輪状絶縁カバーの一部からなることにより、輪状絶縁カバーをインサート成形する時に、同時に非磁性体を形成することができる。
また、前記非磁性体は、アルミニウムからなることにより、各分割コア毎の完全な絶縁を簡単に得ることができる。
また、前記非磁性体の周方向の厚さは、数ミリであることにより、各分割コア間の絶縁を確実とすることができる。
本発明による二重冗長系レゾルバは、1個のみの輪状ステータを非磁性体を介して多数の独立した分割コアとし、各分割コアの一対の突出磁極には、第1系統のみ又は第2系統のみの励磁巻線が巻回され、各系統間の信号干渉を低減させ、冗長レゾルバの角度検出精度の向上を得る構成である。
以下、図面と共に本発明による二重冗長系レゾルバの好適な実施の形態について説明する。
尚、従来構成である図2の構成と同一部分には同一符号を付して説明する。
図1において、符号10で示されるものは、1個のみの輪状ステータであり、この輪状ステータ10は、図2とは異なり、一対の突出磁極13毎に非磁性体20が、バックヨーク13Aに設けられている。
尚、従来構成である図2の構成と同一部分には同一符号を付して説明する。
図1において、符号10で示されるものは、1個のみの輪状ステータであり、この輪状ステータ10は、図2とは異なり、一対の突出磁極13毎に非磁性体20が、バックヨーク13Aに設けられている。
前記一対の突出磁極13、13の両側に前記非磁性体20が設けられていることにより、一対の突出磁極13、13によって、1個の独立した分割コア21が形成されている。各非磁性体20によって互いに隣接する各分割コア21同志は、絶縁されて磁気的に独立していることにより、1個の独立したステータ10Bを構成している。尚、前記非磁性体20の輪状ステータ10の周方向(A)に沿う厚さTは約3ミリである。
前記非磁性体20の形成方法としては種々あるが、第1の方法としては、前記各分割コア21を非磁性体20に相当する間隔をあけて、射出成形機の図示しない中子に配置し、この状態で絶縁用樹脂をキャビティ内に射出することにより、図示しない周知の輪状絶縁カバーと共に非磁性体20が形成され、各分割コア21が一体化される。
また、第2の方法としては、非磁性体20の材料として、例えば、アルミニウム、ステンレス、セラミック等の何れかからなる材料にて非磁性体20の大きさに加工し、輪状ステータ10に装着し、その後、インサート成形によって輪状絶縁カバー(図示せず)を成形することもでき、各分割コア21からなる輪状ステータ10を得ることができる。
前記各突出磁極13の内側に付されている記号の+、−は、励磁巻線を巻く時の巻線方向を示しており、+は正巻き、−は逆巻きを示している。
すなわち、各突出磁極13に巻回される励磁巻線(図示せず)の巻線方向は、分割コア21毎に全て同じ方向で巻回され、一対の突出磁極13のうち、一方が正巻き、他方が逆巻きで構成されている。
尚、出力巻線は示していないが、各突出磁極13に対して、励磁巻線と共に周知のように巻回されている。また、ロータは図示していないが、周知のVR形のロータを採用している。
すなわち、各突出磁極13に巻回される励磁巻線(図示せず)の巻線方向は、分割コア21毎に全て同じ方向で巻回され、一対の突出磁極13のうち、一方が正巻き、他方が逆巻きで構成されている。
尚、出力巻線は示していないが、各突出磁極13に対して、励磁巻線と共に周知のように巻回されている。また、ロータは図示していないが、周知のVR形のロータを採用している。
前記各分割コア21のバックヨーク13A、すなわち、バックヨーク13Aの外側に記載してある(1)、(2)は、冗長系を示すもので、(1)が第1系統、(2)が第2系統を示している。
従って、一方の分割コア21の各突出磁極13が第1系統のみ、これに隣接する他方の分割コア21の各突出磁極13の各突出磁極13が第2系統のみとなり、各分割コア21毎に第1系統のみ、又は、第2系統のみで各々形成されている。
従って、一方の分割コア21の各突出磁極13が第1系統のみ、これに隣接する他方の分割コア21の各突出磁極13の各突出磁極13が第2系統のみとなり、各分割コア21毎に第1系統のみ、又は、第2系統のみで各々形成されている。
本発明による二重冗長系レゾルバは、一対の突出磁極によって分割コアを形成すると共に、各分割コア間を非磁性体で分割していることにより、各分割コア間の信号干渉(クロストーク)をなくし、冗長系の高精度の回転角度検出信号を得ることができる。
10B ステータ
13 突出磁極
13A バックヨーク
20 非磁性体
21 分割コア
(1) 第1系統
(2) 第2系統
13 突出磁極
13A バックヨーク
20 非磁性体
21 分割コア
(1) 第1系統
(2) 第2系統
Claims (5)
- 多数の突出磁極(13)を有する1個のみの輪状ステータ(10)を用いて、二系統の第1、第2出力信号を出力するように構成した二重冗長系レゾルバにおいて、
前記各突出磁極(13)のうち、一対の突出磁極(13)を1個の部品として1個の分割コア(21)とし、前記各分割コア(21)間は非磁性体(20)が設けられて絶縁され、前記各分割コア(21)には前記二系統のうちの第1系統(1)又は第2系統(2)のみの励磁巻線が設けられている構成からなる二重冗長系レゾルバ。 - 前記非磁性体(20)は、樹脂よりなり、前記各分割コア(21)の各突出磁極(13)に巻回される励磁巻線は、互いに異なる巻線方向(+、−)とした構成からなる請求項1記載の二重冗長系レゾルバ。
- 前記非磁性体(20)は、前記輪状ステータ(10)に一体成形される輪状絶縁カバーの一部からなる請求項1又は2記載の二重冗長系レゾルバ。
- 前記非磁性体(20)は、アルミニウムからなる請求項1記載の二重冗長系レゾルバ。
- 前記非磁性体(20)の周方向の厚さ(T)は、数ミリである請求項1ないし3の何れか1項に記載の二重冗長系レゾルバ。
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2019
- 2019-10-07 JP JP2019184294A patent/JP2021060263A/ja active Pending
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