JP2021042816A - Power transmission device - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、動力伝達装置に関する。 The present invention relates to a power transmission device.
特許文献1には、チェーン周回路に近接してチェーンの回転により飛散した作動油を捕集して下方へ落下させるかき落とし手段を有するチェーン伝動機構を備えた自動変速機が開示されている。 Patent Document 1 discloses an automatic transmission provided with a chain transmission mechanism having a scraping means for collecting hydraulic oil scattered by the rotation of the chain in the vicinity of the chain peripheral circuit and dropping it downward.
このチェーン伝達機構のかき落とし手段は、チェーンの駆動により飛散した作動油を捕集して帰還室へ落下させることで、飛散した作動油をトランスミッション側に戻すことができる。 The scraping means of this chain transmission mechanism collects the hydraulic oil scattered by the drive of the chain and drops it into the return chamber, so that the scattered hydraulic oil can be returned to the transmission side.
しかしながら、特許文献1のかき落とし手段では飛散した作動油を捕集する構成のため、かき落とし手段が捕集しきれなかった作動油はケース内に飛散する。捕集しきれなかった作動油がケース内に飛散すると、オイルバスの油面の高さが変化するおそれがあった。 However, since the scraping means of Patent Document 1 collects the scattered hydraulic oil, the hydraulic oil that the scraping means cannot collect is scattered in the case. If the hydraulic oil that could not be collected was scattered in the case, the height of the oil level in the oil bath might change.
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、動力伝達装置におけるオイルバスの油面の高さの変化を抑制することを目的とする。 The present invention has been made in view of such technical problems, and an object of the present invention is to suppress a change in the oil level of an oil bath in a power transmission device.
本発明のある態様によれば、動力伝達装置であって、潤滑油が溜められるオイルバスを形成するケースと、前記オイルバス内の潤滑油に少なくとも一部が浸される第1スプロケットと、前記第1スプロケットとの間に巻き掛けられるチェーンによって前記第1スプロケットとの間で動力が伝達される第2スプロケットと、を有する動力伝達機構と、前記第1スプロケットと前記ケースとの間の隙間に設けられ前記チェーンの回転による前記オイルバスからの潤滑油の飛散を抑制する隙間埋め部と、を備えることを特徴とする動力伝達装置が提供される。 According to an aspect of the present invention, the power transmission device includes a case for forming an oil bath in which lubricating oil is stored, a first sprocket in which at least a part is immersed in the lubricating oil in the oil bath, and the above. In a gap between a power transmission mechanism having a second sprocket in which power is transmitted to and from the first sprocket by a chain wound between the first sprocket and the first sprocket and the case. Provided is a power transmission device provided, which comprises a gap filling portion provided and which suppresses scattering of lubricating oil from the oil bath due to rotation of the chain.
上記態様では、第1スプロケットとケースとの間の隙間、すなわちオイルバスの油面から潤滑油の飛散が発生する空間に隙間埋め部を設けることで当該空間が埋まるので、チェーンの回転による潤滑油の飛散が抑制される。これにより、ケース内での潤滑油の飛散が抑制され、オイルバスの油面の変化を抑制することができる。 In the above aspect, since the space is filled by providing the gap filling portion in the gap between the first sprocket and the case, that is, the space where the lubricating oil is scattered from the oil surface of the oil bath, the lubricating oil due to the rotation of the chain Scattering is suppressed. As a result, the scattering of the lubricating oil in the case is suppressed, and the change in the oil level of the oil bath can be suppressed.
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
以下、図1から図4を参照して、本発明の実施形態に係る動力伝達装置30、及び動力伝達装置30が適用されるハイブリッド車両(以下、単に「車両」と称する。)100について説明する。
Hereinafter, with reference to FIGS. 1 to 4, the
まず、図1を参照して、車両100の全体構成について説明する。図1は、動力伝達装置30が適用される車両100の概略構成図である。
First, the overall configuration of the
車両100は、低電圧バッテリ1と、高電圧バッテリ2と、エンジン3と、モータジェネレータ4(以下、「MG4」という。)と、エンジン3の始動に用いられるスタータモータ5(以下、「SM5」という。)と、発電とエンジン3のアシスト及び始動とに用いられるスタータジェネレータ6(以下、「SG6」という。)と、DC−DCコンバータ7と、インバータ8と、油圧発生源としてのメカオイルポンプ9及び電動オイルポンプ10と、変速機を構成するトルクコンバータ11、前後進切替機構12、及び無段変速機構13(以下、「CVT13」という。)と、ディファレンシャル機構14と、駆動輪18と、コントローラ20と、を備える。
The
低電圧バッテリ1は、出力電圧がDC12Vの鉛酸バッテリである。低電圧バッテリ1は、SM5、12Vで動作する電装品15(自動運転用カメラ15a及びセンサ15b、ナビゲーションシステム15c、オーディオ15d、エアコン用ブロワ15e等)とともに低電圧回路16に接続される。低電圧バッテリ1は出力電圧が12Vのリチウムイオンバッテリであってもよい。
The low voltage battery 1 is a lead acid battery having an output voltage of DC12V. The low-voltage battery 1 is connected to the low-
高電圧バッテリ2は、低電圧バッテリ1よりも出力電圧が高いDC48Vのリチウムイオンバッテリである。高電圧バッテリ2の出力電圧はこれよりも低くても高くてもよく、例えば30Vや100Vであってもよい。高電圧バッテリ2は、MG4、SG6、インバータ8、電動オイルポンプ10等とともに高電圧回路17に接続される。
The high-voltage battery 2 is a DC48V lithium-ion battery having a higher output voltage than the low-voltage battery 1. The output voltage of the high voltage battery 2 may be lower or higher than this, and may be, for example, 30V or 100V. The high-voltage battery 2 is connected to the high-
低電圧回路16と高電圧回路17とは、DC−DCコンバータ7を介して接続される。DC−DCコンバータ7は、低電圧回路16の12Vを48Vに昇圧して高電圧回路17に48Vを出力する昇圧機能と、高電圧回路17の48Vを12Vに降圧して低電圧回路16に12Vを出力する降圧機能と、を有している。これにより、DC−DCコンバータ7は、エンジン3が運転中か停止中かに関わらず、低電圧回路16に12Vの電圧を出力することができる。また、高電圧バッテリ2の残容量が少なくなった場合は、低電圧回路16の12Vを48Vに昇圧して高電圧回路17に出力し、高電圧バッテリ2を充電することができる。
The low-
エンジン3は、ガソリン、軽油等を燃料とする内燃機関であり、コントローラ20からの指令に基づいて回転速度、トルク等が制御される。
The
トルクコンバータ11は、エンジン3と前後進切替機構12との間の動力伝達経路上に設けられ、流体を介して動力を伝達する。また、トルクコンバータ11は、車両100が所定のロックアップ車速以上で走行している場合にロックアップクラッチ11aを締結することで、エンジン3からの駆動力の動力伝達効率を高めることができる。
The
前後進切替機構12は、トルクコンバータ11とCVT13との間の動力伝達経路上に設けられ、遊星歯車機構12aと、前進クラッチ12bと、後退ブレーキ12cと、によって構成される。前進クラッチ12bが締結され後退ブレーキ12cが解放されると、トルクコンバータ11を介して前後進切替機構12に入力されるエンジン3の回転が、回転方向を維持したまま前後進切替機構12からCVT13に出力される。逆に、前進クラッチ12bが解放され後退ブレーキ12cが締結されると、トルクコンバータ11を介して前後進切替機構12に入力されるエンジン3の回転が、減速かつ回転方向を反転されて前後進切替機構12からCVT13に出力される。前後進切替機構12で必要とされる油圧は、メカオイルポンプ9又は電動オイルポンプ10が発生した油圧を元圧として図示しない油圧回路によって生成される。
The forward / backward
CVT13は、前後進切替機構12とディファレンシャル機構14との間の動力伝達経路上に配置され、車速やアクセルペダルの操作量であるアクセル開度等に応じて変速比を無段階に変更する。CVT13は、プライマリプーリ13aと、セカンダリプーリ13bと、両プーリに巻き掛けられたベルト13cと、を備える。CVT13は、プライマリプーリ13aとセカンダリプーリ13bの溝幅を油圧によって変更し、プーリ13a,13bとベルト13cとの接触半径を変化させることで、変速比を無段階に変更することができる。CVT13で必要とされる油圧は、メカオイルポンプ9又は電動オイルポンプ10が発生した油圧を元圧として図示しない油圧回路によって生成される。
The
MG4は、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型回転電機である。MG4は、プライマリプーリ13aの軸に設けられた第1スプロケットとしてのスプロケット31とMG4の軸に設けられた第2スプロケットとしてのスプロケット32との間に巻きつけられるチェーン21を介してプライマリプーリ13aの軸に接続される。
The MG4 is a synchronous rotary electric machine in which a permanent magnet is embedded in a rotor and a stator coil is wound around a stator. The MG4 is of the
MG4は、エンジン3と駆動輪18とを結ぶ動力伝達経路にセカンダリプーリ13bよりもエンジン3側で分岐接続される。また、MG4は、当該動力伝達経路のエンジン3及びプライマリプーリ13a間に設けられたクラッチを含む前後進切替機構12よりも駆動輪18側で当該動力伝達経路に分岐接続される。ベルト13cを間に挟んでエンジン3とは反対側からプライマリプーリ13aの軸に接続されることは、当該動力伝達経路に分岐接続されることに含まれる。
The MG 4 is branched and connected to the power transmission path connecting the
MG4は、コントローラ20からの指令に基づいてインバータ8により作り出された三相交流を印加することにより制御される。MG4は、高電圧バッテリ2からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作する。また、MG4は、ロータがエンジン3や駆動輪18から回転エネルギーを受ける場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、高電圧バッテリ2を充電することができる。
The MG 4 is controlled by applying a three-phase alternating current generated by the
MG4の軸に設けられたスプロケット32とプライマリプーリ13aの軸に設けられたスプロケット31とは、後者の歯数が多くなるように構成され(例えば、歯数=1:3)、MG3の出力回転が減速してプライマリプーリ13aに伝達されるようにする。これにより、MG4に要求されるトルクを下げてMG4を小型化し、MG4の配置自由度を向上させる。
The
SM5は、直流モータであり、エンジン3のフライホイール3aの外周ギヤ3bにピニオンギヤ5aを噛み合わせ可能に配置される。エンジン3を冷機状態から初めて始動(以下、「初回始動」という。)する場合は、低電圧バッテリ1からSM5に電力が供給され、ピニオンギヤ5aが外周ギヤ3bに噛み合わされ、フライホイール3a、更にはクランク軸が回転される。エンジン3を初回始動するときにSM5を用いるのは、低電圧バッテリ1が鉛酸バッテリであるので、極低温時であっても低電圧バッテリ1からSM5に電力を安定して供給することができ、エンジン3を初回始動するのに必要なトルク、出力をSM5によって発生できるからである。
The SM5 is a DC motor, and is arranged so that the
なお、エンジン3を始動するのに必要なトルク、出力は、初回始動時が一番大きく、暖機状態からの始動、すなわち、再始動時は初回始動時よりも小さくなる。これは、初回始動時はエンジンオイルの温度が低く、エンジンオイルの粘度が高いのに対し、初回起動後はエンジンオイルの温度が上昇し、エンジンオイルの粘度が低下するためである。
The torque and output required to start the
SG6は、同期型回転電機であり、Vベルト22を介してエンジン3のクランク軸に接続され、エンジン3から回転エネルギーを受ける場合には発電機として機能する。このようにして発電された電力は、インバータ8を通じて高電圧バッテリ2に充電される。また、SG6は、高電圧バッテリ2からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作し、エンジン3の駆動力をアシストする。更に、SG6は、アイドリングストップ状態からエンジン3を再始動するときに、エンジン3のクランク軸を回転駆動してエンジン3を再始動するために用いられる。
The SG6 is a synchronous rotary electric machine, which is connected to the crankshaft of the
メカオイルポンプ9は、エンジン3の回転がチェーン23を介して伝達されることによって動作するオイルポンプである。メカオイルポンプ9は、図示しないオイルパンに貯留される作動油を吸い上げ、図示しない油圧回路を介してロックアップクラッチ11a、前後進切替機構12、及びCVT13に油を供給する。
The mechanical oil pump 9 is an oil pump that operates by transmitting the rotation of the
電動オイルポンプ10は、高電圧バッテリ2から供給される電力によって動作するオイルポンプである。電動オイルポンプ10は、EVモード、アイドリングストップ状態等、エンジン3が停止しておりエンジン3でメカオイルポンプ9を駆動できない場合に動作する。電動オイルポンプ10は、メカオイルポンプ9と同様に、オイルパンに貯留される作動油を吸い上げ、図示しない油圧回路を介してロックアップクラッチ11a、前後進切替機構12、及びCVT13に油を供給する。特に、CVT13で必要な油圧を確保することで、ベルト13cの滑りを抑制する。
The
コントローラ20は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えた単一又は複数のマイクロコンピュータで構成される。コントローラ20は、制御部に対応し、ROM又はRAMに格納されたプログラムをCPUによって実行することで、エンジン3、インバータ8(MG4、SG6、電動オイルポンプ10)、DC−DCコンバータ7、SM5、ロックアップクラッチ11a、前後進切替機構12、CVT13等を統合的に制御する。
The
コントローラ20は、車両100の運転モードとして、高電圧バッテリ2から供給される電力によってMG4を駆動し、MG4のみの駆動力によって走行するEVモードと、エンジン3のみの駆動力によって走行するエンジン走行モードと、エンジン3の駆動力とMG4の駆動力によって走行するHEVモードと、を切り換える。
As the operation mode of the
EVモードでは、車両100は、前進クラッチ12b及び後退ブレーキ12cを解放した状態で、高電圧バッテリ2からの電力によってMG4のみを駆動して走行する(以下、この状態を「EV走行」という。)。EVモードは、車両100の要求出力が低いときであって、高電圧バッテリ2の残容量が充分にあるときに選択される。
In the EV mode, the
エンジン走行モードでは、車両100は、前進クラッチ12b及び後退ブレーキ12cのいずれかを締結した状態で、エンジン3のみを駆動して走行する。エンジン走行モードは、車両100の要求出力が比較的高いときに選択される。
In the engine running mode, the
HEVモードでは、車両100は、前進クラッチ12b及び後退ブレーキ12cのいずれかを締結した状態で、エンジン3とMG4とを駆動して走行する。HEVモードは、車両100の要求出力が高いとき、具体的には、車両100の要求出力がエンジン3による出力のみでは補えないときに選択される。
In the HEV mode, the
コントローラ20は、アクセル開度とブレーキペダルの踏力と車速とに基づき、図示しない走行モード選択マップを参酌して走行モードを選択し、選択された走行モードが実現されるようエンジン3及びMG4の駆動を制御する。
The
以下、図2から図4を参照して、動力伝達装置30について説明する。
Hereinafter, the
まず、図2及び図3を参照して、動力伝達装置30の構成について説明する。
First, the configuration of the
図2は、動力伝達装置30の外観を示す図である。図2の上下方向は、鉛直方向に対応し、左右方向は、車両100の前後方向(左方向が前方向)に対応し、紙面垂直方向は、車両100の左右方向(紙面奥行き方向が右方向)に対応する。図3は、動力伝達装置30における隙間埋め部材50の斜視図である。
FIG. 2 is a diagram showing the appearance of the
図2に示すように、動力伝達装置30は、チェーン21と、スプロケット31と、スプロケット32と、ケース40と、隙間埋め部としての隙間埋め部材50と、を有する。チェーン21と、スプロケット31と、スプロケット32と、は、動力伝達機構30aを構成する。
As shown in FIG. 2, the
チェーン21は、スプロケット31及びスプロケット32に巻き掛けられる。チェーン21は、スプロケット31とスプロケット32との間で動力を伝達する。チェーン21は、正転方向及び逆転方向に駆動される。チェーン21は、車両100が前進する場合には、正転方向(図2では反時計回り方向)に駆動される。一方、チェーン21は、車両100が後退する場合には、逆転方向(図2では時計回り方向)に駆動される。
The
スプロケット31は、プライマリプーリ13a(図1参照)の軸に設けられ、スプロケット32は、MG4(図1参照)の軸に設けられる。MG4が電動機として動作する場合には、スプロケット32は駆動側スプロケットを構成し、スプロケット31は従動側スプロケットを構成する。MG4が発電機として機能する場合には、スプロケット31は駆動側スプロケットを構成し、スプロケット32は従動側スプロケットを構成する。つまり、スプロケット31及びスプロケット32の一方が駆動側スプロケットを構成する場合に、他方が従動側スプロケットを構成する。
The
回転方向が正転方向の場合、チェーン21及びスプロケット32は、第1噛合い開始部P1で噛み合いを開始する。回転方向が逆転方向の場合、チェーン21及びスプロケット32は、第2噛合い開始部P2で噛み合いを開始する。正転時の第1噛合い開始部P1は、逆転時の第2噛合い開始部P2よりも上方に位置する。
When the rotation direction is the forward rotation direction, the
回転方向が正転方向の場合、チェーン21及びスプロケット31は、第3噛合い開始部P3で噛み合いを開始し、第4噛合い開始部P4で噛み合いを終了する。回転方向が逆転方向の場合、チェーン21及びスプロケット31は、第4噛合い開始部P4で噛み合いを開始し、第3噛合い開始部P3で噛み合いを終了する。
When the rotation direction is the forward rotation direction, the
ケース40は、動力伝達装置30のケース部材である。ケース40は、潤滑油が溜められるオイルバス41を形成する。ケース40は、供給孔としての油供給穴42と、排出孔としての油排出穴43と、を有する。
The
油供給穴42は、メカオイルポンプ9若しくは電動オイルポンプ10からの潤滑油を、チェーン21及びスプロケット32に供給する。油供給穴42は、第1噛合い開始部P1及び第2噛合い開始部P2のうち上方に形成される噛合い開始部である第1噛合い開始部P1に油を供給する。油供給穴42は、ケース40のうちチェーン21の内側の部分に開口するように設けられる。
The
油排出穴43は、ケース40の壁面40aに形成される。油排出穴43は、オイルバス41における潤滑油の油面高さが設定高さを超えると潤滑油を外部に排出する。具体的には、油面Oの高さが油排出穴43にかかると潤滑油が外部(例えば、オイルパン)に排出される。即ち、油面Oの高さは、油排出穴43の下端と同じ高さ(設定高さ)を維持するようになっている。以下、油面Oは、図2に示すように水平であるものとして説明する。
The
隙間埋め部材50は、ケース40内に取り付けられる部材である。本実施形態では、隙間埋め部材50は樹脂製である。隙間埋め部材50は、スプロケット31とケース40との間の隙間に設けられる。詳細には、隙間埋め部材50は、スプロケット31及びチェーン21が噛み合う第3噛合い開始部P3から第4噛合い開始部P4にかけての部分(これ以降、当該部分を噛合い部という。)とケース40との間であって設定高さより上の空間に設けられる。
The
図2及び図3に示すように隙間埋め部材50は、隙間埋め部51と、延出部52と、を有する。図2に示すように隙間埋め部51は、噛合い部のうち油面Oから第4噛合い開始部P4にかけての部分(これ以降、当該部分を第1噛合い部という。)とケース40との間の隙間を、スプロケット31及びチェーン21が回転可能なクリアランスを残して埋める。ここで、第1噛合い部は動力伝達機構30aの駆動時のチェーン21の振動やガタツキが少ない部分であるため、上記クリアランスを最小限にすることができる。隙間埋め部51の油面O側端部の底面51aは、設定高さの油面Oと接する。
As shown in FIGS. 2 and 3, the
図2に示すように、延出部52は、油排出穴43の下端と同じ高さ(設定高さ)で水平な油面Oに沿ってチェーン21の外周側からチェーン21の内周側に向かって延出する。延出部52は、チェーン21及びスプロケット31の正転回転につれて潤滑油が掻き上げられる油面Oの範囲に亘って延出する。延出部52の油面O側の底面52aは、設定高さの油面Oと接する。延出部52の一端は、隙間埋め部51の油面O側端部と接続する。すなわち、底面51a及び底面52aは連続する面であり、設定高さの油面Oと接する面である。
As shown in FIG. 2, the extending
次に、図4を参照して、隙間埋め部材50の作用効果について説明する。
Next, the action and effect of the
図4は、スプロケット31及びチェーン21が正転方向(図4では反時計回り方向)に回転しているときの動力伝達装置30の拡大斜視図である。
FIG. 4 is an enlarged perspective view of the
本実施形態では、噛合い部とケース40との間であって設定高さより上の空間、言い換えると、スプロケット31及びチェーン21の正転回転につれて油面Oから潤滑油の飛散が発生する空間が隙間埋め部材50の底面51a、52aによって埋まっている。そのため、潤滑油は、スプロケット31及びチェーン21につれて正転方向に掻き上げられても、油面Oから飛散せず、オイルバス41内に戻される。
In the present embodiment, there is a space between the meshing portion and the
上記の潤滑油の流れを詳しく説明すると、オイルバス41内の潤滑油は、スプロケット31及びチェーン21の正転方向回転によって矢印Aの方向(油面Oを越えて飛散する方向)に掻き上げられていく。矢印A方向に掻き上げられた潤滑油は、やがて底面51a、52aと接触する。詳細には、矢印A方向に流れる潤滑油のうちチェーン21の外周側の潤滑油は、主に隙間埋め部材50の底面51aと接触する。また、矢印A方向に流れる潤滑油のうちチェーン21の内周側の潤滑油は、主に隙間埋め部材50の底面52aと接触する。その後、潤滑油は、矢印B方向へ流れていく。すなわち、潤滑油は油面Oから飛散せず、オイルバス41内に戻される。
Explaining the flow of the lubricating oil in detail, the lubricating oil in the
このように、本実施形態では、隙間埋め部材50を設けることで、潤滑油の油面Oからの飛散そのものが抑制される。詳細には、チェーン21の外周側における潤滑油の油面Oからの飛散が隙間埋め部51の底面51aによって抑制され、チェーン21の内周側における潤滑油の油面Oからの飛散が延出部52の底面52aによって抑制される。これにより、潤滑油のケース40内への潤滑油の飛散が抑制されるため、オイルバス41の油面Oの変化を抑制することができる。
As described above, in the present embodiment, by providing the
ここで、隙間埋め部材50がない場合には、動力伝達機構30aの高速回転時に、チェーン21によってオイルバス41の潤滑油が掻き上げられることで、潤滑油は壁面40aに付着してゆく。これにより、オイルバス41の油面Oの高さが低下する。油面Oの高さが低下すると、油面Oの高さは油排出穴43の設定高さ未満となり、オイルバス41の潤滑油が油排出穴43から排出されなくなる。
Here, when the
その後、動力伝達機構30aの回転速度が高速回転から低速回転に変化すると、チェーン21による潤滑油の掻き上げ量が減少する。ここで、壁面40aに付着していた潤滑油がオイルバス41に戻ると、オイルバス41の潤滑油の総量が増えて油面Oの高さが上昇する場合がある。オイルバス41の潤滑油の量が増えると、相対的にオイルバス41に含むことができる空気の量が増える。結果、回転するチェーン21によってオイルバス41の潤滑油が攪拌されると、潤滑油の空気含有量が増える。潤滑油の空気含有量が増えてしまうと、メカオイルポンプ9や電動オイルポンプ10でのポンプ圧の低下や、プーリ13a(13b)圧の低下などが生じるおそれがある。
After that, when the rotation speed of the
これに対し、本実施形態は、隙間埋め部材50を有することで、潤滑油の油面Oからの飛散を抑制することができる。これにより、オイルバス41の油面Oの高さの変化を抑制するとともに、飛散する潤滑油がケース内に付着することを抑制する。これにより、ケース40内の潤滑油の総量が増加することを抑制する。結果、油面Oの高さの上昇を抑制し、潤滑油の空気含有量の増加を抑制することができる。
On the other hand, in the present embodiment, by having the
ところで、スプロケット31及びチェーン21と隙間埋め部51との間には、スプロケット31及びチェーン21が回転可能な程度にクリアランスが設けられている。そのため、オイルバス41からクリアランス内に入り込んだ潤滑油やチェーン21の外周に付着した潤滑油が、油面Oを越えるおそれがある。
By the way, a clearance is provided between the
しかしながら、本実施形態では、隙間埋め部材50(隙間埋め部51)を動力伝達機構30aの駆動時のチェーン21の振動やガタツキが少ない第1噛合い部に配置しているため、当該クリアランスを最小限にすることができる。すなわち、クリアランス内への潤滑油の侵入を抑制することができる。
However, in the present embodiment, since the gap filling member 50 (gap filling portion 51) is arranged in the first meshing portion where the vibration and rattling of the
また、図2に示すように隙間埋め部51が油面Oから第4噛合い開始部P4に亘って広範に設けられているため、潤滑油はクリアランス内に入り込んだとしても第4噛合い開始部P4まで昇っていけずケース40内には飛散しない。また、チェーン21の外周面に付着していた潤滑油が遠心力によってチェーン21の外周面から飛散したとしても、潤滑油は隙間埋め部51の内壁面によって捕集されてオイルバス41へと戻されるため、ケース40内には飛散しない。このように、隙間埋め部材50は、クリアランス内に潤滑油が侵入したとしても、潤滑油がケース40内に飛散することを抑制することができる。
Further, as shown in FIG. 2, since the
以上の実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。 According to the above embodiment, the following effects are exhibited.
動力伝達装置30は、潤滑油が溜められるオイルバス41を形成するケース40と、オイルバス41内の潤滑油に少なくとも一部が浸されるスプロケット31と、スプロケット31との間に巻き掛けられるチェーン21によってスプロケット31との間で動力が伝達されるスプロケット32と、を有する動力伝達機構30aと、スプロケット31とケース40との間の隙間に設けられチェーン21の回転によるオイルバス41からの潤滑油の飛散を抑制する隙間埋め部材50と、を備える。
The
この構成によれば、チェーン21の外周側における潤滑油の油面Oからの飛散が隙間埋め部51(底面51a)によって抑制される。これにより、潤滑油の油面Oからの飛散を抑制することで潤滑油のケース40内への潤滑油の飛散が抑制されるため、オイルバス41の油面Oの変化を抑制することができる(請求項1、4に対応する効果)。
According to this configuration, the scattering of the lubricating oil from the oil surface O on the outer peripheral side of the
また、この構成によれば、潤滑油がケース40内に付着することを抑制することにより、ケース40内の潤滑油の総量が増加することを抑制する。結果、油面Oの高さの上昇を抑制し、潤滑油の空気含有量の増加を抑制することができる(請求項1、4に対応する効果)。
Further, according to this configuration, by suppressing the lubricating oil from adhering to the inside of the
また、ケース40は、当該ケース40の壁面40aに形成されオイルバス41における潤滑油の油面高さが設定高さを超えると潤滑油を外部に排出する油排出穴43を備え、隙間埋め部50は、スプロケット31及びチェーン21が噛み合う噛合い部とケース40との間であって設定高さより上の空間に設けられる。
Further, the
この構成によれば、スプロケット31及びチェーン21と隙間埋め部材50との間のクリアランスを最小限にすることができる。これにより、クリアランス内への潤滑油の侵入を抑制することができ、油面Oからの潤滑油の飛散を抑制することができる(請求項2に対応する効果)。
According to this configuration, the clearance between the
また、隙間埋め部50は、オイルバス41の潤滑油の油面高さが設定高さであるときの油面Oに沿ってチェーン21の外周側からチェーン21の内周側に向かって延出する延出部52を有する。
Further, the
この構成によれば、チェーン21の内周側における潤滑油の油面Oからの飛散が延出部52(底面52a)によって抑制される。これにより、潤滑油のケース40内への潤滑油の飛散が抑制されるため、オイルバス41の油面Oの変化を抑制することができる(請求項3に対応する効果)。
According to this configuration, the scattering of the lubricating oil from the oil surface O on the inner peripheral side of the
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。 Although the embodiments of the present invention have been described above, the above embodiments are only a part of the application examples of the present invention, and the technical scope of the present invention is limited to the specific configurations of the above embodiments. Absent.
上記実施形態では、隙間埋め部材50は独立した部材として説明したが、ケース40と一体に設けられる構成としてもよい。
In the above embodiment, the
図5から図7は、本発明の実施形態の変形例に係る動力伝達装置30の要部拡大図及び要部概要図である。本実施形態では、図5に示すように、ケース40は当該ケース40を覆うケースカバー44を有する。
5 to 7 are an enlarged view of a main part and a schematic view of a main part of the
図6及び図7に示すように、ケース40は当該ケース40に一体に設けられる隙間埋め部61a、61bを有する。また、ケースカバー44は当該ケースカバー44に一体に設けられる隙間埋め部61c、61d及び延出部62を有する。隙間埋め部61a〜61d及び延出部62が設けられる位置は、上記した隙間埋め部51及び延出部52が設けられる位置と同様であるため、説明を割愛する。
As shown in FIGS. 6 and 7, the
本実施形態によれば、隙間埋め部61a〜61d及び延出部62がケース40に一体に設けられるため、部品点数を増やすことなく、潤滑油の飛散を抑制し、オイルバス41の油面Oの変化を抑制することができる(請求項5に対応する効果)。
According to the present embodiment, since the
100 車両
21 チェーン
30 動力伝達装置
30a 動力伝達機構
31 スプロケット(第1スプロケット)
32 スプロケット(第2スプロケット)
40 ケース
50 隙間埋め部材(隙間埋め部)
100
32 sprocket (second sprocket)
40
Claims (5)
潤滑油が溜められるオイルバスを形成するケースと、
前記オイルバス内の潤滑油に少なくとも一部が浸される第1スプロケットと、前記第1スプロケットとの間に巻き掛けられるチェーンによって前記第1スプロケットとの間で動力が伝達される第2スプロケットと、を有する動力伝達機構と、
前記第1スプロケットと前記ケースとの間の隙間に設けられ前記チェーンの回転による前記オイルバスからの潤滑油の飛散を抑制する隙間埋め部と、
を備える、
ことを特徴とする動力伝達装置。 It is a power transmission device
A case that forms an oil bath in which lubricating oil is stored, and
A first sprocket in which at least a part is immersed in the lubricating oil in the oil bath, and a second sprocket in which power is transmitted between the first sprocket by a chain wound between the first sprocket and the first sprocket. With a power transmission mechanism that has,
A gap filling portion provided in the gap between the first sprocket and the case to prevent the lubricating oil from scattering from the oil bath due to the rotation of the chain.
To prepare
A power transmission device characterized by that.
前記ケースは、当該ケースの壁面に形成され前記オイルバスにおける潤滑油の油面高さが設定高さを超えると潤滑油を外部に排出する排出孔を備え、
前記隙間埋め部は、前記第1スプロケット及び前記チェーンが噛み合う噛合い部と前記ケースとの間であって前記設定高さより上の空間に設けられる、
ことを特徴とする動力伝達装置。 The power transmission device according to claim 1.
The case is provided with a discharge hole formed on the wall surface of the case and discharging the lubricating oil to the outside when the oil level height of the lubricating oil in the oil bath exceeds the set height.
The gap filling portion is provided in a space above the set height between the meshing portion where the first sprocket and the chain mesh with each other and the case.
A power transmission device characterized by that.
前記ケースは、当該ケースの壁面に形成され前記オイルバスにおける潤滑油の油面高さが設定高さを超えると潤滑油を外部に排出する排出孔を備え、
前記隙間埋め部は、前記オイルバスの潤滑油の油面高さが前記設定高さであるときの油面に沿って前記チェーンの外周側から前記チェーンの内周側に向かって延出する延出部を有する、
ことを特徴とする動力伝達装置。 The power transmission device according to claim 1 or 2.
The case is provided with a discharge hole formed on the wall surface of the case and discharging the lubricating oil to the outside when the oil level height of the lubricating oil in the oil bath exceeds the set height.
The gap filling portion extends from the outer peripheral side of the chain toward the inner peripheral side of the chain along the oil level when the oil level of the lubricating oil of the oil bath is the set height. Has a protrusion,
A power transmission device characterized by that.
前記隙間埋め部は、前記ケース内に取り付けられる独立した部材である、
ことを特徴とする動力伝達装置。 The power transmission device according to any one of claims 1 to 3.
The gap filling portion is an independent member mounted in the case.
A power transmission device characterized by that.
前記隙間埋め部は、前記ケースと一体に設けられる、
ことを特徴とする動力伝達装置。 The power transmission device according to any one of claims 1 to 3.
The gap filling portion is provided integrally with the case.
A power transmission device characterized by that.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019165672A JP2021042816A (en) | 2019-09-11 | 2019-09-11 | Power transmission device |
Applications Claiming Priority (1)
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2019
- 2019-09-11 JP JP2019165672A patent/JP2021042816A/en active Pending
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