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JP2020529403A - アクリル酸類似体 - Google Patents

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JP2020529403A
JP2020529403A JP2020504340A JP2020504340A JP2020529403A JP 2020529403 A JP2020529403 A JP 2020529403A JP 2020504340 A JP2020504340 A JP 2020504340A JP 2020504340 A JP2020504340 A JP 2020504340A JP 2020529403 A JP2020529403 A JP 2020529403A
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リキュリウム アイピー ホールディングス リミテッド ライアビリティー カンパニー
リキュリウム アイピー ホールディングス リミテッド ライアビリティー カンパニー
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Abstract

本明細書では、式(I)の化合物が提供される。そのような化合物並びにその薬学的に許容される塩及び組成物は、乳癌などの過剰な細胞増殖を特徴とする病態を含む、疾病又は病態を治療するのに有用である。

Description

(任意の優先権出願を参照することによる組み込み)
例えば、本出願と共に提出される出願データシート又は請求において、2017年7月28日に出願された米国仮出願第62/538,486号を含む、外国又は国内優先権の主張が確認される全ての出願が、37 CFR 1.57並びに規則4.18及び20.6に基づき、参照により本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
本出願は、エストロゲン受容体調節薬及び/又は分解剤である化合物、並びに、癌などの過剰な細胞増殖を特徴とする病態を治療するためのそれらを使用する方法に関する。
多くの癌細胞、例えば乳癌細胞は、エストロゲン受容体(ER)を発現し、エストロゲンによって調節される成長特性を有する。ERは、核内ホルモン受容体スーパーファミリーに属し、遺伝子の転写を活性化することができる。女性及び男性の両方において、エストロゲンは、数多くの生理学的プロセスの調節において重要な役割を果たしている。ヒトは、ERα及びERβの、2つの異なるERサブタイプを保有することが知られている。各サブタイプは、異なる組織分布を有し、異なる生物学的役割を有する。例えば、ERαは、子宮内膜、乳癌細胞、卵巣間質細胞、及び視床下部内に多く存在している。ERβの発現は、腎臓、脳、骨、心臓、肺、腸粘膜、前立腺、膀胱、卵巣、精巣、及び内皮細胞において立証されている。
いくつかの実施形態は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、有効量の1つ以上の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、又はこれらの組み合わせとを含むことができる、薬学的組成物に関する。
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、ERα依存性及び/又はERα媒介性である疾病又は病態の治療を必要としている対象を同定することと、前述の対象に、有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含み得る薬学的組成物を投与することと、を含むことができる、治療方法に関する。本明細書に開示される別の実施形態は、ERα依存性及び/又はERα媒介性である疾病又は病態の治療のための薬剤の調製における、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含み得る薬学的組成物の使用に関する。本明細書に開示される更に別の実施形態は、ERα依存性及び/又はERα媒介性である疾病又は病態の治療に使用するための、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含み得る薬学的組成物に関する。
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、細胞の増殖特性を媒介するERαを有する細胞を同定することと、その細胞と、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させることと、を含み得る、細胞の増殖を阻害する方法に関する。本明細書に開示される別の実施形態は、細胞の増殖特性を媒介するERαを有する細胞の増殖を阻害するための薬剤の調製における、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される
塩、又は、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含み得る薬学的組成物の使用に関する。本明細書に開示される更に別の実施形態は、細胞の増殖特性を媒介するERαを有する細胞の増殖の阻害に使用するための、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含み得る薬学的組成物に関する。
ERを標的にする多くの乳癌薬物療法が開発されてきた。多くの場合、薬物は、ERに対して作動作用及び/又は拮抗作用を有する選択的ER調節薬(SERM)である。例えば、フルベストラントは、転移性乳癌の治療のために使用される薬物である。それは、ERαに対して拮抗作用を有し、選択的ERα分解剤(SERD)と見なされる。フルベストラントは、以下の化学構造を有する。
Figure 2020529403
他のSERDとしては、例えば、elacestrant(RAD1901)、brilanestrant(GDC−0810)、及びAZD9496が挙げられる。それぞれ、Garner,et al.,Anti−Cancer Drugs 26(9),948−956(2015),De Savi,et al.,J.Med.Chem.58,8128−8140(2015)及びLai,et al.,J.Med.Chem.58,4888−4904(2015)参照。
Figure 2020529403
全ての核内受容体に構造的類似性として、ERαは、6つの機能ドメインを含み、リガンド依存性転写因子として分類される。17βエストラジオール(E2)と会合後、複合体は、標的遺伝子の転写を調節するための、エストロゲン受容体エレメント(ERE)と称するゲノム配列に結合する。多数の構造的に異なる化合物が、ERに結合することが示されている。これらの化合物は、その機能的効果に応じて2つの種類に分けることができる。タモキシフェンなどの選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)は、受容体のアゴニスト及びアンタゴニストの両方として作用する。第2のグループは、フルベストラントが例であり、完全アンタゴニストである。フルベストラントは、現在、臨床用途に承認された唯一のSERDであるが、その機構的特性にもかかわらず、薬物の薬理学的特性は、吸収性の悪さと、現在月間投与量が500mgに制限されていることから、その有効性が制限されており、in vitroの乳癌細胞株での実験で見られる受容体の完全下方
制御に比べて、患者サンプル中の受容体の代謝回転は50%未満である。例えば、Wardell,et al.,Biochem.Pharm.,Vol.82,pp.122−130(2011)参照。
フルベストラントの臨床的有効性も限られており、筋肉内注射によって投与しなければならない。多くの経口投与されるSERD、例えば、brilanestrant、elacestrant、AZD9496、LSZ102、H3B−6545、SAR439859、G1T48、及びSRN−927が現在臨床開発中であるが、現時点で、米国において乳癌の治療に承認されている経口SERDはないと思われる。De Savi,C.et al.J.Med.Chem.58,8128−8140(2015)参照。したがって、エストロゲンによって調節される成長特性を有する、乳癌などの増殖性疾患の研究及び治療において有用である、耐容性良好な経口投与SERD及び/又はSERMの長年にわたる必要性が依然としてある。
定義
別段の定めがない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で参照される全ての特許、出願、公開出願、及び他の出版物は、特に明記しない限り、参照によりそれらの全体が組み込まれる。本明細書のある用語に対して複数の定義が存在する場合、特に明記しない限り、この節にある定義が優先される。
本明細書で使用するとき、「成長特性」は、細胞増殖能、細胞分裂速度、細胞接着、接触阻害、細胞移動性、増殖因子の有無における細胞応答、細胞周期調節、細胞表面受容体の発現及び機能、並びにプログラム細胞死が挙げられるが、これらに限定されない、細胞増殖及び発達の態様を指す。
ある基が「任意に置換」されていると記載されるときはいつでも、その基は、非置換であってもよく、又は示された置換基のうちの1つ以上で置換されていてもよい。同様に、ある基が「非置換又は置換」であると記載されるとき、置換の場合は、置換基(複数可)が指示された置換基のうちの1つ以上から選択されてもよい。置換基が指示されていない場合、指示された「任意に置換された」又は「置換された」基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、シクロアルキル(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、ヘテロシクリル(アルキル)、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、シアノ、ハロゲン、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、ニトロ、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、モノ置換アミン基、及びジ置換アミン基から個々に、かつ独立して選択された1つ以上の基(複数可)で置換されてもよいことを意味する。
本明細書で使用される場合、「a」及び「b」が整数である「C〜C」は、基における炭素原子の数を指す。示された基は、「a」〜「b」個(a及びbを含む)の炭素原子を含有することができる。したがって、例えば、「C〜Cアルキル」基は、1〜4個の炭素を有する全てのアルキル基、つまり、CH−、CHCH−、CHCHCH−、(CHCH−、CHCHCHCH−、CHCHCH(CH)−、及び(CHC−を指す。「a」及び「b」が指定されない場合、これらの定義に記載される最も広い範囲が想定されるものとする。
2つの「R」基が「一緒になって」いると記載される場合、R基とR基が結合する原子
とは、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、又は複素環を形成することができる。例えば、限定することなく、NR基のRとRが「一緒になって」いると示される場合、それらが互いに共有結合して環を形成することを意味する。
Figure 2020529403
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、完全に飽和した脂肪族炭化水素基を指す。アルキル部分は、分枝鎖又は直鎖であってもよい。分枝鎖アルキル基の例としては、イソ−プロピル、sec−ブチル、t−ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。直鎖アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−へキシル、n−ヘプチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は、1〜30個の炭素原子を有してもよい(本明細書中では常に、「1〜30」などの数値範囲は、所与の範囲内の各整数を指し、例えば、1〜30個の炭素原子」とは、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、最大30個の炭素原子からなってもよいことを意味するが、この定義は、数値範囲が指定されていない用語「アルキル」の存在も含む)。アルキル基はまた、1〜12個の炭素原子を有する中間サイズのアルキルであってもよい。アルキル基はまた、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキルであってもよい。アルキル基は、置換されていても非置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニルなどが挙げられるが、これらに限定されない、炭素二重結合(複数可)を含有する2〜20個の炭素原子の一価直鎖又は分子鎖ラジカルを指す。アルケニル基は、非置換又は置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、1−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニルなどが挙げられるが、これらに限定されない、炭素三重結合(複数可)を含有する2〜20個の炭素原子の一価直鎖又は分子鎖ラジカルを指す。アルキニル基は、非置換又は置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、完全に飽和した(二重結合又は三重結合なし)単環式又は多環式炭化水素環系を指す。2つ以上の環からなる場合、環は、縮合、架橋、又はスピロ様式で一緒に結合されてもよい。本明細書で使用される場合、「縮合」という用語は、2個の原子と1つの結合を共有する2つの環を指す。本明細書で使用される場合、「架橋シクロアルキル」という用語は、シクロアルキルが非隣接原子を接続する1個以上の原子の連結を含有する、化合物を指す。本明細書で使用される場合、「スピロ」という用語は、1個の原子を共有する2つの環を指し、2つの環は、架橋によって結合されていない。シクロアルキル基は、環(複数可)中に3〜30個の原子、環(複数可)中に3〜20個の原子、環(複数可)中に3〜10個の原子、環(複数可)中に3〜8個の原子、又は環(複数可)中に3〜6個の原子を含有することができる。シクロアルキル基は、非置換又は置換であってもよい。一環式シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられるが、決してこれらに限定されない。縮合シクロアルキル基の例は、デカヒドロナフタレニル、ドデカヒドロ−1H−フェナレニル、及びテトラデカヒドロアントラセニルであり、架橋シクロアルキル基の例は、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、アダマンタニル、及びノルボルナニルであり、スピロシクロアルキル基の例としては、スピロ[3.3]ヘプタン及びスピロ[4.5]デカンが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「シクロアルケニル」は、少なくとも1つの環中に1つ以上の二重結合を含有する、単環式又は多環式炭化水素環系を指すが、2つ以上が存在する場合、二重結合は、全ての環全体にわたって完全に非局在化したπ電子系を形成することができない(そうでなければ、その基は、本明細書に定義される「アリール」である)。シクロアルケニル基は、環(複数可)中に3〜10個の原子、環(複数可)中に3〜8個の原子、又は環(複数可)中に3〜6個の原子を含有することができる。2つ以上の環からなる場合、環は、縮合、架橋、又はスピロ様式で一緒に接続されてもよい。シクロアルケニル基は、非置換又は置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、「アリール」は、全ての環全体にわたって完全に非局在化したπ電子系を有する、炭素環式(全てが炭素の)単環式又は多環式芳香環系(2つの炭素環が化学結合を共有する縮合環系を含む)を指す。アリール基中の炭素原子の数は異なり得る。例えば、アリール基は、C〜C14アリール基、C〜C10アリール基、又はCアリール基であってもよい。アリール基の例としては、ベンゼン、ナフタレン、及びアズレンが挙げられるが、これらに限定されない。アリール基は、置換されていても非置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、1個以上のヘテロ原子(例えば、1個、2個、又は3個のヘテロ原子)、つまり、窒素、酸素、及び硫黄が挙げられるが、これらに限定されない、炭素以外の元素を含有する、単環式又は多環式芳香環系(完全に非局在化したπ電子系を有する環系)を指す。ヘテロアリール基の環(複数可)中の原子の数は異なり得る。例えば、ヘテロアリール基は、環中に4〜14個の原子、環中に5〜10個の原子、又は環中に5〜6個の原子を含有することができ、例えば、9個の炭素原子と1個のヘテロ原子、8個の炭素原子と2個のヘテロ原子、7個の炭素原子と3個のヘテロ原子、8個の炭素原子と1個のヘテロ原子、7個の炭素原子と2個のヘテロ原子、6個の炭素原子と3個のヘテロ原子、5個の炭素原子と4個のヘテロ原子、5個の炭素原子と1個のヘテロ原子、4個の炭素原子と2個のヘテロ原子、3個の炭素原子と3個のヘテロ原子、4個の炭素原子と1個のヘテロ原子、3個の炭素原子と2個のヘテロ原子、又は2個の炭素原子と3個のヘテロ原子を含むことができる。更に、「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つのアリール環及び少なくとも1つのヘテロアリール環、又は少なくとも2つのヘテロアリール環など、2つの環が少なくとも1つの化学結合を共有する、縮合環系を含む。ヘテロアリール環の例としては、フラン、フラザン、チオフェン、ベンゾチオフェン、フタラジン、ピロール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、チアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、インドール、インダゾール、ピラゾール、ベンゾピラゾール、イソオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、プリン、プテリジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、シンノリン、及びトリアジンが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリール基は、置換されていても非置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロアリシクリル」は、炭素原子と1〜5個のヘテロ原子が一緒に前述の環系を構成する、3員、4員、5員、6員、7員、8員、9員、10員、最大18員の単環式、二環式、及び三環式環系を指す。複素環は、そのように位置している1つ以上の不飽和結合を任意に含有してもよいが、完全に非局在化したπ電子系は、全ての環全体にわたって発生しない。ヘテロ原子(複数可)は、酸素、硫黄、及び窒素が挙げられるが、これらに限定されない、炭素以外の元素である。複素環は、ラクタム、ラクトン、環状イミド、環状チオイミド、及び環状カルバメート
などのオキソ系及びチオ系を含むように定義するために、1つ以上のカルボニル又はチオカルボニル官能基を更に含有してもよい。2つ以上の環からなる場合、環は、縮合、架橋、又はスピロ様式で一緒に結合されてもよい。本明細書で使用される場合、「縮合」という用語は、2個の原子と1つの結合を共有する2つの環を指す。本明細書で使用される場合、「架橋ヘテロシクリル」又は「架橋ヘテロアリシクリル」という用語は、ヘテロシクリル又はヘテロアリシクリルが非隣接原子を接続する1個以上の原子の連結を含有する、化合物を指す。本明細書で使用される場合、「スピロ」という用語は、1個の原子を共有する2つの環を指し、2つの環は、架橋によって結合されていない。ヘテロシクリル及びヘテロアリシクリル基は、環(複数可)中に3〜30個の原子、環(複数可)中に3〜20個の原子、環(複数可)中に3〜10個の原子、環(複数可)中に3〜8個の原子、又は環(複数可)中に3〜6個の原子を含有することができる。例えば、5個の炭素原子と1個のヘテロ原子、4個の炭素原子と2個のヘテロ原子、3個の炭素原子と3個のヘテロ原子、4個の炭素原子と1個のヘテロ原子、3個の炭素原子と2個のヘテロ原子、2個の炭素原子と3個のヘテロ原子、1個の炭素原子と4個のヘテロ原子、3個の炭素原子と1個のヘテロ原子、又は2個の炭素原子と1個のヘテロ原子。加えて、ヘテロ脂環式環中の任意の窒素は、四級化されてもよい。ヘテロシクリル又はヘテロ脂環式基は、置換されていても非置換であってもよい。そのような「ヘテロシクリル」又は「ヘテロアリシクリル」基の例としては、1,3−ジオキシン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジオキソラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン、1,3−オキサチアン、1,4−オキサチイン、1,3−オキサチオラン、1,3−ジチオール、1,3−ジチオラン、1,4−オキサチアン、テトラヒドロ−1,4−チアジン、2H−1,2−オキサジン、マレイミド、スクシンイミド、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ジオキソピペラジン、ヒダントイン、ジヒドロウラシル、トリオキサン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、オキシラン、ピペリジンN−オキシド、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、アゼパン、ピロリドン、ピロリジオン、4−ピペリドン、ピラゾリン、ピラゾリジン、2−オキソピロリジン、テトラヒドロピラン、4H−ピラン、テトラヒドロチオピラン、チアモルホリン、チアモルホリンスルホキシド、チアモルホリンスルホン、及びそれらのベンゾ縮合類似体(例えば、ベンズイミダゾリジノン、テトラヒドロキノリン、及び/又は3,4−メチレンジオキシフェニル)が挙げられるが、これらに限定されない。スピロヘテロシクリル基の例としては、2−アザスピロ[3.3]ヘプタン、2−オキサスピロ[3.3]ヘプタン、2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン、2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン、2−オキサスピロ[3.4]オクタン、及び2−アザスピロ[3.4]オクタンが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「アラルキル」及び「アリール(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として接続されるアリール基を指す。アラルキルの低級アルキレン及びアリール基は、置換されていても非置換であってもよい。例としては、ベンジル、2−フェニルアルキル、3−フェニルアルキル、及びナフチルアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアラルキル」及び「ヘテロアリール(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として接続されるヘテロアリール基を指す。ヘテロアラルキルの低級アルキレン及びヘテロアリール基は、置換されていても非置換であってもよい。例としては、2−チエニルアルキル、3−チエニルアルキル、フリルアルキル、チエニルアルキル、ピロリルアルキル、ピリジルアルキル、イソオキサゾリルアルキル、及びイミダゾリルアルキル、並びにそれらのベンゾ縮合類似体が挙げられるが、これらに限定されない。
「ヘテロアリシクリル(アルキル)」及び「ヘテロシクリル(アルキル)」は、低級アルキレン基を介して置換基として接続される複素環式又はヘテロ脂環式基を指す。(ヘテロアリシクリル)アルキルの低級アルキレン及びヘテロシクリルは、置換されていても非置換であってもよい。例としては、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル(メチル)、ピペリジン−4−イル(エチル)、ピペリジン−4−イル(プロピル)、テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル(メチル)、及び1,3−チアジナン−4−イル(メチル)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「低級アルキレン基」は、直鎖−CH−連結基であり、それらの末端炭素原子を介して分子断片を接続するように結合を形成する。例としては、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン(−CHCHCH−)、及びブチレン(−CHCHCHCH−)が挙げられるが、これらに限定されない。低級アルキレン基は、シクロアルキル基(例えば、
Figure 2020529403

)で、低級アルキレン基の1つ以上の水素を置き換えることによって、かつ/又は同じ炭素上の両方の水素を置換することによって置換され得る。
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシ」という用語は、−OH基を指す。
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」は、式−ORを指し、式中、Rは、本明細書に定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)である。アルコキシの非限定的なリストは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、1−メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシ、及びベンゾキシである。アルコキシは、置換されていても非置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、「アシル」は、カルボニル基を介して置換基として接続される水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、及びヘテロシクリル(アルキル)を指す。例としては、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル、及びアクリルが含まれる。アシルは、置換されていても非置換であってもよい。
「シアノ」基は、「−CN」基を指す。
本明細書で使用される場合、「ハロゲン原子」又は「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素などの元素周期律表の第7列の放射安定性原子のうちのいずれか1つを意味する。
「チオカルボニル」基は、「−C(=S)R」基を指し、式中、Rは、O−カルボキシに関して定義されるものと同じであってもよい。チオカルボニルは、置換されていても非置換であってもよい。
「O−カルバミル」基は、「−OC(=O)N(R)」基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル
)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。O−カルバミルは、置換されていても非置換であってもよい。
「N−カルバミル」基は、「ROC(=O)N(R)−」基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N−カルバミルは、置換されていても非置換であってもよい。
「O−チオカルバミル」基は、「−OC(=S)−N(R)」基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。O−チオカルバミルは、置換されていても非置換であってもよい。
「N−チオカルバミル」基は、「ROC(=S)N(R)−」基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N−チオカルバミルは、置換されていても非置換であってもよい。
「−C(=O)N(R)」基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。C−アミドは、置換されていても非置換であってもよい。
「N−アミド」基は、「RC(=O)N(R)−」基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N−アミドは、置換されていても非置換であってもよい。
「S−スルホンアミド」基は、「−SON(R)」基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。S−スルホンアミドは、置換されていても非置換であってもよい。
「N−スルホンアミド」基は、「RSON(R)−」基を指し、式中、R及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。N−スルホンアミドは、置換されていても非置換であってもよい。
「O−カルボキシ」基は、「RC(=O)O−」基を指し、式中、Rは、本明細書に定義される水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であって
もよい。O−カルボキシは、置換されていても非置換であってもよい。
「エステル」及び「C−カルボキシ」という用語は、「−C(=O)OR」基を指し、式中、Rは、O−カルボキシに関して定義されるものと同じであってもよい。エステル及びC−カルボキシは、置換されていても非置換であってもよい。
「ニトロ」基は、「−NO」基を指す。
「スルフェニル」基は、「−SR」基を指し、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。スルフェニルは、置換されていても非置換であってもよい。
「スルフィニル」基は、「−S(=O)−R」基を指し、式中、Rは、スルフェニルに関して定義されるものと同じであってもよい。スルフィニルは、置換されていても非置換であってもよい。
「スルホニル」基は、「SOR」基を指し、式中、Rは、スルフェニルに関して定義されるものと同じであってもよい。スルホニルは、置換されていても非置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」は、水素原子のうちの1つ以上がハロゲンによって置き変えられたアルキル基を指す(例えば、モノ−ハロアルキル、ジ−ハロアルキル、トリ−ハロアルキル、及びポリハロアルキル)。そのような基としては、クロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−クロロ−2−フルオロメチル、2−フルオロイソブチル、及びペンタフルオロエチルが挙げられるが、これらに限定されない。ハロアルキルは、置換されていても非置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシ」は、水素原子のうちの1つ以上がハロゲンによって置き換えられたアルコキシ基を指す(例えば、モノ−ハロアルコキシ、ジ−ハロアルコキシ、及びトリ−ハロアルコキシ)。そのような基としては、クロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1−クロロ−2−フルオロメトキシ、及び2−フルオロイソブトキシが挙げられるが、これらに限定されない。ハロアルコキシは、置換されていても非置換であってもよい。
本明細書で使用される場合、「アミノ」という用語は、−NH基を指す。
「モノ置換アミン」基は、「−NHR」基を指し、式中、Rは、本明細書に定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。Rは、置換又は非置換であってもよい。一置換アミノ基の例としては、−NH(メチル)、−NH(フェニル)などが挙げられるが、これらに限定されない。
「ジ置換アミン」基は、「−NR」基を指し、式中、R及びRは独立して、本明細書に定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル(アルキル)、アリール(アルキル)、ヘテロアリール(アルキル)、又はヘテロシクリル(アルキル)であってもよい。R及びRは、独立して、置換又は非置換であってよい。二置換アミノ
基の例としては、−N(メチル)、−N(フェニル)(メチル)、−N(エチル)(メチル)などが挙げられるが、これらに限定されない。
置換基の数が指定されない場合(例えば、ハロアルキル)、1つ以上の置換基が存在してもよい。例えば、「ハロアルキル」は、同じ又は異なるハロゲンのうちの1つ以上を含んでもよい。別の例として、「C〜Cアルコキシフェニル」は、1個、2個、又は3個の原子を含有する同じ又は異なるアルコキシ基のうちの1つ以上を含んでもよい。
本明細書で使用される場合、ラジカルは、ラジカルを含有する種が別の種に共有結合され得るような、単一の不対電子を有する種を示す。したがって、これに関して、ラジカルは必ずしもフリーラジカルではない。むしろ、ラジカルは、より大きい分子の特定の部分を示す。「ラジカル」という用語は、「基」という用語と互換的に使用され得る。
「薬学的に許容される塩」という用語は、それが投与される生物に著しい刺激をもたらさず、かつ化合物の生物活性及び特性を無効にしない化合物の塩を指す。いくつかの実施形態では、塩は、化合物の酸付加塩である。薬学的塩は、化合物を無機酸、例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸又は臭化水素酸)、硫酸、硝酸、及びリン酸(2,3−ジヒドロキシプロピルニ水素リン酸塩など)と反応させることによって得られ得る。薬学的塩はまた、化合物を有機酸、例えば、脂肪族若しくは芳香族カルボン酸若しくはスルホン酸、例えば、ギ酸、酢酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、サリチル酸、2−オキソペンタン二酸、又はナフタレンスルホン酸と反応させることによって得られ得る。薬学的塩はまた、化合物を塩基と反応させて、塩、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、又はリチウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム又はマグネシウム塩、炭酸塩の塩、重炭酸塩の塩、有機塩基の塩、例えば、ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、C〜Cアルキルアミン、シクロへキシルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、並びにアルギニン及びリシンなどのアミノ酸を有する塩を形成することによって得ることができる。式(I)の化合物に関して、当業者は、塩が窒素ベースの基(例えば、NH)のプロトン化によって形成される場合、窒素ベースの基が正電荷と会合し得(例えば、NHがNH になり得)、正電荷が負の電荷を持つ対イオン(Clなど)によってバランスがとられ得ることを理解している。
1つ以上のキラル中心を有する本明細書に記載の任意の化合物において、絶対立体化学が明示的に示されない場合、各中心が独立して、R配置若しくはS配置、又はこれらの混合物であってもよいことが理解される。したがって、本明細書に提供される化合物は、鏡像異性的に純粋な、鏡像異性的に豊富な、ラセミ混合物、ジアステレオマー的に純粋な化合物、ジアステレオマー的に豊富な化合物、又は立体異性混合物であってもよい。加えて、E又はZと定義され得る幾何異性体を生成する1つ以上の二重結合(複数可)を有する、本明細書に記載の任意の化合物において、各二重結合が独立して、E又はZ、これらの混合物であってもよいことが理解される。同様に、記載の任意の化合物において、全ての互変異性型もまた含まれるよう意図されることが理解される。
本明細書に開示の化合物が満たされていない原子価を有する場合、その原子価が、水素又はその同位体、例えば、水素−1(プロチウム)及び水素−2(重水素)で満たされることを理解されたい。
本明細書に記載の化合物が同位体で標識され得ることが理解される。重水素などの同位体での置換は、例えば、インビボ半減期の増加又は必要投与量の低減など、より大きい代
謝安定性に起因するある特定の治療上の利点をもたらし得る。化合物構造中に表される各化学元素は、前述の元素の任意の同位体を含んでもよい。例えば、化合物構造において、水素原子は、化合物中に存在すると明確に開示され得るか、又は理解され得る。水素原子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は、水素−1(プロチウム)及び水素−2(重水素)が挙げられるが、これらに限定されない、水素の任意の同位体であってもよい。したがって、本明細書における化合物に対する言及は、文脈が明確にそうでないと示さない限り、全ての可能な同位体形態を包含する。
本明細書に記載の方法及び組み合わせが、結晶形態(多形体としても既知であり、化合物の同じ元素組成の異なる結晶充填配置を含む)、非晶相、塩、溶媒和物、及び水和物を含むことが理解される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、水、エタノールなどの製薬的に許容される溶媒を有する溶媒和形態で存在する。他の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、非溶媒和形態で存在する。溶媒和物は、化学量論量又は非化学量論量のいずれかの溶媒を含有し、水、エタノールなどの製薬的に許容される溶媒での結晶化プロセス中に形成されてもよい。溶媒が水である場合に水和物が形成されるか、又は溶媒がアルコールである場合にアルコラートが形成される。加えて、本明細書に提供される化合物は、非溶媒和並びに溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は、本明細書に提供される化合物及び方法の目的で、非溶媒和形態と同等であると見なされる。
値の範囲が提供される場合、上限及び下限、並びにその範囲の上限と下限との間に介在する各値が、実施形態内に包含されることが理解される。
本願で使用される用語及び語句並びにこれらの変化形、特に添付の特許請求の範囲にあるものは、特に明記しない限り、限定的ではなく非限定的であると解釈されるべきである。上記の例として、「含むこと」という用語は、「限定することなく含むこと」、「含むが、これらに限定されないこと」などを意味するよう解釈されるべきである。本明細書で使用される場合、「備えること」という用語は、「含むこと」、「含有すること」、又は「特徴とする」と同義語であり、包括的又は非限定的であり、追加の列挙されていない要素又は方法の工程を除外しない。「有すること」という用語は、「少なくとも有すること」と解釈されるべきである。「含む」という用語は、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。「例」という用語は、考察中の項目の徹底的又は限定的なリストではなく例示的な実例を提供するために使用される。「好ましくは」、「好ましい」、「所望の」、又は「望ましい」のような用語、並びに同様の意味の単語の使用は、ある特定の特徴がその構造又は機能にとって重大、本質的、又は重要でさえあるということを暗示するものとして理解されるべきではなく、むしろ単に特定の実施形態で利用されてもされなくてもよい代替又は追加の特徴を強調することを目的とする。加えて、「備えること」という用語は、「少なくとも有すること」又は「少なくとも含むこと」という語句の同意語として解釈されるものとする。化合物、組成物、又はデバイスの文脈で使用される場合、「備えること」という用語は、化合物、組成物、又はデバイスが少なくとも列挙された特徴又は構成要素を含むが、追加の特徴又は構成要素も含んでもよいことを意味する。同様に、接続詞「及び」で連結された項目の群は、それらの項目の1つ1つが群に存在することを要求するものと解釈されるべきではなく、むしろ、文脈が明確にそうでないと示さない限り、「及び/又は」と解釈されるべきである。同様に、接続詞「又は」で連結された項目の群は、その群中の相互排他性を要求するものと解釈されるべきではなく、むしろ、文脈が明確にそうでないと示さない限り、「及び/又は」と解釈されるべきである。
本明細書の実質的にいかなる複数形及び/又は単数形の用語の使用に関しても、当業者は、文脈及び/又は用途に応じて適切に、複数形から単数形、及び/又は単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の入れ替えは、明確にするために本明
細書で明示的に記載され得る。不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外しない。ある特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されるという単なる事実は、利益を得るためにこれらの手段の組み合わせを使用することができないということを示すものではない。請求項中のいかなる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
化合物
本明細書に開示のいくつかの実施形態は、以下の構造を有する式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩に関し、
Figure 2020529403

式中、Rの1つ以上は、ハロゲン、−CN、任意に置換されたC〜Cアルキル、非置換のC〜Cハロアルキル、及び任意に置換されたC〜Cシクロアルキルから独立して選択されてよく、Rの1つ以上は、ハロゲン、−CN、任意に置換されたC〜Cアルキル、非置換のC〜Cハロアルキル、及び任意に置換されたC〜Cシクロアルキルから独立して選択されてよく、Rは、任意に置換されたC〜Cアルキル、非置換のC〜Cハロアルキル、及び任意に置換されたC〜Cシクロアルキルからなる群から選択され、mは、0、1、2、3、4又は5であってもよく、nは、0、1、2、3又は4であってもよく、mが0のとき、nは1、2、3又は4である。
いくつかの実施形態では、Rのうち1つ以上は、独立してハロゲンであってよい。いくつかの実施形態では、Rのうち1つ以上は、フルオロであってよい。別の実施形態では、Rのうち1つ以上は、クロロであってよい。いくつかの実施形態では、各Rは、フルオロであってよい。別の実施形態では、各Rは、クロロであってよい。
いくつかの実施形態では、Rのうち1つ以上は、−CNであってよい。別の実施形態では、Rのうち1つ以上は、独立して、任意に置換されたC〜Cアルキルであってよい。いくつかの実施形態では、Rのうち1つ以上は、独立して、置換されたC〜Cアルキルであってよい。いくつかの実施形態では、Rのうち1つ以上は、独立して、非置換のC〜Cアルキルであってよい。C〜Cアルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル(直鎖又は分枝鎖)及びヘキシル(直鎖又は分枝鎖)が挙げられる。いくつかの実施形態では、Rのうち1つ以上は、メチルであってよい。更に別の実施形態では、Rのうち1つ以上は、独立して、非置換のC〜Cハロアルキル、例えば、−CF、−CCl、−CHF、−CHCl、−CHF、−CHCl、−CHCF、−CFCHF、−CFCF及び−CFClであってよい。いくつかの実施形態では、Rのうち1つ以上は、独立して、任意に置換されたC〜Cシクロアルキルであってよい。いくつかの実施形態では、Rのうち1つ以上は、独立して、置換されたC〜Cシクロアルキルであってよい。いくつかの実施形態では、Rのうち1つ以上は、独立して、非置換のC〜Cシクロアルキルであってよい。Rが任意に置換されたC〜Cシクロアルキルであるとき、C〜Cシクロアルキルは、一環式又は架橋二環式であってよい。C〜Cシクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びビシクロ[1.1.1]ペンチルが挙げられ、前述の基のそれぞれは任意に置換されてよい。
いくつかの実施形態では、mは0であってよい。別の実施形態では、mは1であってよい。更に別の実施形態では、mは2であってよい。なお更なる実施形態では、mは3であってよい。いくつかの実施形態では、mは4であってよい。いくつかの実施形態では、mは5であってよい。mが2以上であるとき、R基のうち1つ以上は同じであってよく、及び/又は、R基のうち1つ以上は異なっていてよい。例えば、mが2であるとき、1つのRはフルオロであってよく、1つのRはクロロであってよい。別の例として、mが2であるとき、1つのRはフルオロであってよく、1つのRは、任意に置換されたC〜Cアルキル、例えば非置換のメチルであってよい。
いくつかの実施形態では、Rのうち1つ以上は、独立してハロゲンであってよい。いくつかの実施形態では、Rのうち1つ以上は、フルオロであってよい。別の実施形態では、Rのうち1つ以上は、クロロであってよい。いくつかの実施形態では、各Rは、フルオロであってよい。別の実施形態では、各Rは、クロロであってよい。
いくつかの実施形態では、Rのうち1つ以上は、−CNであってよい。別の実施形態では、Rのうち1つ以上は、独立して、任意に置換されたC〜Cアルキルであってよい。いくつかの実施形態では、Rのうち1つ以上は、独立して、置換されたC〜Cアルキルであってよい。いくつかの実施形態では、Rのうち1つ以上は、独立して、非置換のC〜Cアルキルであってよい。C〜Cアルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル(直鎖又は分枝鎖)及びヘキシル(直鎖又は分枝鎖)が挙げられる。いくつかの実施形態では、Rのうち1つ以上は、メチルであってよい。更に別の実施形態では、Rのうち1つ以上は、独立して、非置換のC〜Cハロアルキルであってよい。例えば、Rは、−CF、−CCl、−CHF、−CHCl、−CHF、−CHCl、−CHCF、−CFCHF、−CFCF及び−CFClであってよい。いくつかの実施形態では、Rのうち1つ以上は、独立して、任意に置換されたC〜Cシクロアルキルであってよい。
いくつかの実施形態では、nは0であってよい。別の実施形態では、nは1であってよい。更に別の実施形態では、nは2であってよい。なお更なる別の実施形態では、nは3であってよい。いくつかの実施形態では、nは4であってよい。nが2以上であるとき、R基のうち1つ以上は同じであってよく、及び/又は、R基のうち1つ以上は異なっていてよい。例えば、nが2以上であるとき、各R基はフルオロであってよい。
いくつかの実施形態では、Rは、任意に置換されたC〜Cアルキルであってよい。いくつかの実施形態では、Rは、置換されたC〜Cアルキルであってよい。いくつかの実施形態では、Rは、非置換のC〜Cアルキルであってよい。C〜Cアルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル(直鎖又は分枝鎖)及びヘキシル(直鎖又は分枝鎖)が挙げられる。いくつかの実施形態では、Rはエチルであってよい。更に別の実施形態では、Rは、非置換のC〜Cハロアルキル、例えば、−CF、−CCl、−CHF、−CHCl、−CHF、−CHCl、−CHCF、−CFCHF、−CFCF及び−CFClであってよい。いくつかの実施形態では、Rは、任意に置換されたC〜Cシクロアルキルであってよい。いくつかの実施形態では、Rは、置換されたC〜Cシクロアルキルであってよい。いくつかの実施形態では、Rは、非置換のC〜Cシクロアルキルであってよい。Rが任意に置換されたC〜Cシクロアルキルであるとき、C〜Cシクロアルキルは、一環式又は架橋二環式であってよい。C〜Cシクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びビシクロ[1.1.1]ペンチルが挙げられ
、前述の基のそれぞれは任意に置換されてよい。
いくつかの実施形態では、mは、1、2又は3であってよく、Rのうち1つ以上は、ハロゲン(例えば、クロロ又はフルオロ)、非置換のC〜Cアルキル、及び非置換のC〜Cハロアルキルから独立して選択されてよい。別の実施形態では、mは1又は2であってよく、Rのうち1つ以上は、独立して、ハロゲン又は非置換のC〜Cアルキルであってよい。いくつかの実施形態では、mは1又は2であってよく、各Rは、フルオロであってよい。別の実施形態では、mは1又は2であってよく、各Rは、クロロであってよい。更に別の実施形態では、mは1又は2であってよく、各Rは、メチルであってよい。この段落のいくつかの実施形態では、Rは、非置換のC〜Cアルキル、例えばエチルであってよい。
いくつかの実施形態では、nは、0、1又は2であってよく、Rのうち1つ以上は、ハロゲン(例えば、フルオロ又はクロロ)、非置換のC〜Cアルキル、及び非置換のC〜Cハロアルキルから独立して選択されてよい。別の実施形態では、nは1又は2であってよく、Rのうち1つ以上は、ハロゲン又は非置換のC〜Cアルキルであってよい。いくつかの実施形態では、nは1又は2であってよく、各Rは、フルオロであってよい。別の実施形態では、nは1又は2であってよく、各Rは、クロロであってよい。更に別の実施形態では、nは1又は2であってよく、各Rは、メチルであってよい。
いくつかの実施形態では、mは2であってよく、nは0であってよく、1つのRはクロロであってよく、別のRはフルオロであってよい。いくつかの実施形態では、mは2であってよく、nは0であってよく、1つのRはフルオロであってよく、別のRは、非置換のC〜Cアルキル、例えばメチルであってよい。更に別の実施形態では、mは1であってよく、nは0であってよく、Rはクロロであってよい。なお更なる別の実施形態では、mは2であってよく、nは2であってよく、1つのRはクロロであってよく、別のRはフルオロであってよく、各Rはフルオロであってよい。いくつかの実施形態では、mは2であってよく、nは2であってよく、1つのRはフルオロであってよく、別のRは、非置換のC〜Cアルキル、例えばメチルであってよく、各Rはフルオロであってよい。いくつかの実施形態では、mは1であってよく、nは2であってよく、Rはクロロであってよく、各Rはフルオロであってよい。この段落のいくつかの実施形態では、Rは、非置換のC〜Cアルキル、例えばエチルであってよい。更なる実施形態を、以下の表1及び2に示す。表1及び2のいくつかの実施形態では、Rは、非置換のC〜Cアルキル、例えばエチルであってよい。
式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩のm及びnのいくつかの実施形態を、表1に示す。例えば、表1の第1の項目は「A」であり、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩であって、mは0であり、nは1である化合物に対応する。
Figure 2020529403
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表2の実施形態のいずれかにおいて、各ハロゲンは、独立して、フルオロ又はクロロであってもよい。表2の実施形態のいずれかにおいて、各任意に置換されたC〜Cアルキルは、独立して、置換されたC〜Cアルキルであってよい。表2の実施形態のいずれかにおいて、各任意に置換されたC〜Cアルキルは、独立して、非置換のC〜Cアルキルであってよい。C〜Cアルキル基の例は、本明細書に提供される。表2の実施形態のいずれかにおいて、各任意に置換されたC〜Cシクロアルキルは、独立して、置換されたC〜Cシクロアルキルであってよい。表2の実施形態のいずれかにおいて、各任意に置換されたC〜Cシクロアルキルは、独立して、非置換のC〜Cシクロアルキルであってよい。C〜Cシクロアルキル基の例は、本明細書に提供される。表2の実施形態のいずれかにおいて、非置換のC〜Cハロアルキルは、−CF、−CCl、−CHF、−CHCl、−CHF、−CHCl、−CHCF、−CFCHF、−CFCF及び−CFClから選択されてよい。表2の実施形態のいずれかにおいて、Rは、任意に置換されたC〜Cアルキルであってよい。表2の実施形態のいずれかにおいて、Rは、置換されたC〜Cアルキルであってよい。表2の実施形態のいずれかにおいて、Rは、非置換のC〜Cアルキルであってよい。C〜Cアルキル基の例は、本明細書に提供される。表2の実施形態のいずれかにおいて、Rはエチルであってよい。表2の実施形態のいずれかにおいて、Rは、非置換のC〜Cハロアルキル、例えば、−CF、−CCl、−CHF、−CHCl、−CHF、−CHCl、−CHCF、−CFCHF、−CFCF及び−CFClであってよい。表2の実施形態のいずれかにおいて、Rは、任意に置換されたC〜Cシクロアルキルであってよい。表2の実施形態のいずれかにおいて、Rは、置換されたC〜Cシクロアルキルであってよい。表2の実施形態のいずれかにおいて、Rは、非置換のC〜Cシクロアルキルであってよい。C〜Cシクロアルキル基の例は、本明細書に提供される。
いくつかの実施形態では、nが0である場合、mは1、2、3、4又は5である。いくつかの実施形態では、m及びnは両方とも0ではない。
いくつかの実施形態では、mが1又は2であるとき、少なくとも1つのR置換基は、フェニル環を分子の残りの部分に連結する結合に対して、オルト位にあってよい。別の実施形態では、mが1又は2であるとき、少なくとも1つのR置換基は、フェニル環を分子の残りの部分に連結する結合に対して、メタ位にあってよい。更に別の実施形態では、mが1又は2であるとき、少なくとも1つのR置換基は、フェニル環を分子の残りの部分に連結する結合に対して、パラ位にあってよい。いくつかの実施形態では、mが2であるとき、1つのR置換基は、式(I)の化合物の残りの部分へのフェニル環の結合点に対してオルト位にあってよく、他方のRはパラ位にあってよい。いくつかの実施形態では、mが2のとき、R置換基は、隣接する環炭素に結合してよい(R置換基は、互いにオルトの位置を占める)。別の実施形態では、mが2のとき、R置換基は、1つ離れた環炭素に結合してよい(R置換基は、互いにメタの位置を占める)。更に別の実施形態では、mが2のとき、Rは、2つ離れた環炭素に結合してよい(R置換基は、互いにパラの位置を占める)。
いくつかの実施形態では、nが2のとき、R置換基は、隣接する環炭素に結合してよい(R置換基は、互いにオルトの位置を占める)。別の実施形態では、nが2のとき、Rは、2つ離れた環炭素に結合してよい(R置換基は、互いにパラの位置を占める)。更に別の実施形態では、nが2のとき、R置換基は、1つ離れた環炭素に結合してよい(R置換基は、互いにメタの位置を占める)。
式(I)の化合物の例としては、
Figure 2020529403

Figure 2020529403

又は上記の任意のものの薬学的に許容される塩であって、R、R、R、m及びnが、本明細書に定義されるものが挙げられる。
式(I)の化合物の例としては、
Figure 2020529403

又は上記の任意のものの薬学的に許容される塩が挙げられる。
合成
式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、本明細書に提供の詳細な教示によって導かれる既知の技術を使用して、当業者によって様々な方法で作製され得る。例えば、実施形態では、式(I)の化合物は、本明細書に示される一般スキーム1に従って調製される。
式(I)の化合物を形成するための1つの方法は、以下の一般スキームに示され、式中、R、R、R、m及びnは本明細書に記載される。一般に、一般スキーム1に示される式(I)の化合物を形成するための一般式C、D、E、F及びGの化合物間のカップリング反応、脱保護反応、及びオレフィン化反応は、本明細書の実施例1に記載される反応と同様の方法で実施することができる。一般式Aの出発化合物又は他の前駆体を形成するために必要とされる任意の予備反応工程は、当業者によって実行することができる。同様に、一般式B、C、D、E、F及びGの化合物を提供する反応の結果として形成された任意の中間反応生成物は、例えば、(E)−3−(4−((E)−2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)ブタ−1−エン−1−イル)フェニル)アクリル酸の調製について実施例1に記載される試薬及び条件を適切に調節することによって、本明細書に提供される詳細な教示を考慮して、当業者によって容易に式(I)の化合物に変換され得る。いくつかの実施形態では、R及びR基は、R−又はR−官能化アリール基を用いる、連続的パラジウム触媒による鈴木カップリングによって導入され得る。残りの変換は、例えば、実施例1において、本明細書に記載されるように実行される。
一般スキーム1
Figure 2020529403
薬学的組成物
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、有効量の1つ以上の本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩)と、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、又はこれらの組み合わせとを含むことができる、薬学的組成物に関する。
「薬学的組成物」という用語は、本明細書に開示の1つ以上の化合物及び/又は塩と、希釈剤又は担体などの他の化学構成成分との混合物を指す。薬学的組成物は、生物への化合物の投与を促進する。薬学的組成物はまた、化合物を、無機又は有機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及びサリチル酸と反応させることによって得られ得る。薬学的組成物は、一般に、特定の意図した投与経路に合わせて調整される。
「生理学的に許容される」という用語は、化合物の生物活性及び特性を無効にすることも、組成物の送達が意図される動物に相当な損傷又は負傷を引き起こすこともしない、担体、希釈剤、又は賦形剤を定義する。
本明細書で使用される場合、「担体」は、細胞又は組織への化合物の組み込みを促進する化合物を指す。例えば、限定することなく、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、対象の細胞又は組織への多くの有機化合物の取り込みを促進する、一般的に利用される担体である。
本明細書で使用される場合、「希釈剤」は、明らかな薬理活性はないが、薬学的に必要又は望ましくあり得る、薬学的組成物中成分を指す。例えば、希釈剤は、製造及び/又は投与には質量が小さ過ぎる、効力のある薬物のかさを増加させるために使用されてもよい。それはまた、注射、摂取、又は吸入によって投与される薬物の溶解のための液体であってもよい。当該技術分野において一般的な希釈剤の形態は、ヒト血液のpH及び等張性を模倣するリン酸緩衝生理食塩水などであるが、これに限定されない緩衝水溶液である。
本明細書で使用される場合、「賦形剤」は、限定することなく、かさ、稠度、安定性、結合能力、潤滑、崩壊能力などを組成物に提供するために、薬学的組成物に添加される本質的に不活性の物質を指す。例えば、酸化防止剤及び金属キレート剤などの安定剤は、賦形剤である。一実施形態では、薬学的組成物は、酸化防止剤及び又は金属キレート剤を含む。「希釈剤」は、ある種の賦形剤である。
本明細書に記載の薬学的組成物は、ヒト患者自身に、あるいは薬学的組成物が併用療法としての他の活性成分、若しくは担体、希釈剤、賦形剤、又はこれらの組み合わせと混合される薬学的組成物中で投与され得る。適切な製剤化は、選択される投与経路によって決まる。本明細書に記載の化合物の製剤化及び投与のための技術は、当業者に既知である。
本明細書に開示の薬学的組成物は、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、ドラジェ作製、水簸、乳化、封入、捕捉、又は錠剤化プロセスによって、それ自体が既知である様式で製造され得る。加えて、活性成分が、その意図した目的を達成するために有効な量で含有される。本明細書に開示の薬剤の組み合わせで使用される化合物の多くは、薬学的に適合する対イオンを有する塩として提供されてもよい。
筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、くも膜下、直接心室内、腹腔内、鼻腔内、及び眼内注射を含む、経口、直腸、肺内、局所、エアロゾル、注射、注入、及び非経口送達が挙げられるが、これらに限定されない、化合物、塩、及び/又は組成物を投与する複数の技術が当該技術分野において存在する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、経口的に投与できる。
また、全身的よりも局所的に、例えば、多くの場合、デポー又は持続放出製剤中で化合物を患部に直接注射又は埋め込むことによって化合物、塩、及び/又は組成物を投与し得る。更に、標的薬物送達システムで、例えば、組織特異的抗体でコーティングされたリポ
ソームで化合物を投与し得る。リポソームは、臓器によって選択的に標的化され、かつ取り込まれる。例えば、呼吸器疾患又は病態を標的化するための鼻腔内又は肺内送達が望ましくあり得る。
組成物は、望ましい場合、活性成分を含有する1つ以上の単位剤形を含み得る、パック又はディスペンサデバイス中に提供されてもよい。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属又はプラスチック箔を含んでもよい。パック又はディスペンサデバイスは、投与に関する説明書が添付されていてもよい。パック又はディスペンサはまた、薬剤の製造、使用、又は販売を規制する行政機関によって規定された形式の、容器に関連する注意書きが添付されていてもよく、その注意書きは、ヒト又は動物投与のための薬物の形態の機関による承認を反映する。そのような注意書きは、例えば、処方薬に関し米国食品医薬品局によって承認されたラベル、又は承認された製品添付文書であってもよい。適合する薬学的担体中で製剤化される本明細書に記載の化合物及び/又は塩を含むことができる組成物はまた、示された病態の治療のために調製され、適切な容器内に配置され、かつラベル付けされてもよい。
使用及び治療方法
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、ERα依存性及び/又はERα媒介性である疾病又は病態の治療を必要としている対象を同定することと、前述の対象に、有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含み得る薬学的組成物を投与することと、を含むことができる、治療方法に関する。本明細書に開示される別の実施形態は、ERα依存性及び/又はERα媒介性である疾病又は病態の治療のための薬剤の調製における、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含み得る薬学的組成物の使用に関する。本明細書に開示される更に別の実施形態は、ERα依存性及び/又はERα媒介性である疾病又は病態の治療に使用するための、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含み得る薬学的組成物に関する。
様々な実施形態において、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、ER依存性及び/又はER媒介性である疾病又は病態を改善又は治療するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、疾病又は病態は、ERα依存性及び/又はERα媒介性である。いくつかの実施形態では、疾病は癌であり得る。いくつかの実施形態では、癌は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌及び小細胞肺癌)、乳癌及び/又は婦人科癌であり得る。いくつかの実施形態では、癌は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌及び小細胞肺癌)、乳癌、子宮内膜癌、卵巣癌、及び子宮頸癌から選択され得る。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌、子宮内膜癌、卵巣癌、及び子宮頸癌から選択され得る。いくつかの実施形態では、癌は乳癌であり得る。いくつかの実施形態では、癌は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌及び小細胞肺癌)であり得る。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、選択的ER調節薬(SERM)であってもよく、及び/又は選択的ER分解剤(SERD)であってもよい。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、SERMであり得る。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、SERDであり得る。様々な使用及び治療方法に関する更なる詳細は、本明細書の別の箇所に記載される。
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、細胞の増殖特性を媒介するERαを有する細胞を同定することと、その細胞と、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させることと、を含み得る、細胞の増殖を阻害する方法に関する。本明細書に開示される別の実施形態は、細胞の増殖特性を媒介するERαを有する細胞の増殖を阻害するための薬剤の調製における、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される
塩、又は、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含み得る薬学的組成物の使用に関する。本明細書に開示される更に別の実施形態は、細胞の増殖特性を媒介するERαを有する細胞の増殖の阻害に使用するための、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含み得る薬学的組成物に関する。
本明細書に記載されるように、1つ以上の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は本明細書に記載の薬学的組成物は、細胞の成長を阻害するために使用され得る。いくるかの実施形態では、細胞は、細胞の成長特性を媒介するERを有するものと同定され得る。細胞の成長は、細胞を、本明細書の別の箇所に記載の、有効量の本明細書に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は薬学的組成物のうちの少なくとも1つと接触させることによって阻害され得る。
1つ以上の化合物又はその薬学的に許容される塩のそのような接触は、生存対象から離れたもの(例えば、研究室、並びに/又は診断及び/若しくは分析施設内)、あるいは生存対象に近接したもの(例えば、動物、例えば、ヒトの内部又は外部部分上)が挙げられるが、これらに限定されない、様々な方法及び位置で行われ得る。例えば、実施形態は、ERα依存性及び/又はERα媒介性である疾病又は病態のための治療を必要としている対象を同定することと、前述の対象に、本明細書の別の箇所に記載の、有効量の1つ以上の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は薬学的組成物を投与することとを含み得る、対象を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、ERはERαである。いくつかの実施形態では、対象は野生型ERαを保有することが知られている。いくつかの実施形態では、対象はERαを過剰発現することが知られている。いくつかの実施形態では、対象は、変異体ERαを保有することが知られている。いくつかの実施形態では、対象は、E380Q、S463P、P535H、L536Q、L536R、L536H、L536P、Y537C、Y537N、Y537S、D538G及びV543Eから選択される1つ以上の突然変異を有する変異体ERαを保有することが知られている。追加的な実施形態は、本明細書の様々な場所に記載される1つ以上の有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は薬学的組成物を、ERα依存性及び/又はERα媒介性である疾病又は病態を有する対象に投与することを含み得る、治療方法を提供する。
本明細書に記載されるように、本明細書の別の箇所に記載の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は薬学的組成物は、様々な方法によってそのような対象に投与され得る。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、投与は、それを必要としている対象への経口、静脈内、筋肉内、局所、皮下、全身、及び/又は腹腔内投与が挙げられるが、これらに限定されない、当業者に既知の様々な経路によることができる。
本明細書で使用される場合、「対象」とは、治療、観察、又は実験の対象である動物を指す。「動物」には、冷血及び温血の脊椎動物及び無脊椎動物、例えば、魚、甲殻類、爬虫類、及び特に、哺乳類が含まれる。「哺乳類」には、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、霊長類、例えば、サル、チンパンジー、及び類人猿、並びに特に、ヒトが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、対象はヒトであり得る。いくつかの実施形態では、対象は、小児及び/又は乳児、例えば、発熱した小児又は乳児であり得る。他の実施形態では、対象は、成人であり得る。
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療すること」、「治療」、「治療的」、及び「療法」という用語は、必ずしもER依存性及び/又はER媒介性の疾病又は病態の完全な治癒又は消滅を意味するとは限らない。疾病又は病態の任意の望ましくない兆候
又は症状の任意の程度の任意の軽減が、治療及び/又は療法と見なされ得る。更に、治療は、対象の健康又は外観の全体的な感覚を悪化させ得る行為を含む可能性がある。
「治療有効量」及び「有効量」という用語は、指示された生物学的又は医学的応答を誘発する、活性化合物又は薬剤の量を示すために使用される。例えば、治療有効量の化合物、塩又は組成物は、ER依存性及び/若しくはER媒介性の疾病又は病態の症状を予防、緩和、若しくは改善するか、又は治療される対象の生存を延長するために必要な量であり得る。この応答は、組織、系、動物、又はヒトにおいて生じ得、治療されるER依存性及び/若しくはER媒介性疾病又は病態の徴候若しくは症状の緩和を含む。有効量の決定は、本明細書に提供される開示を考慮して、十分当業者の能力の範囲内である。用量として必要とされる本明細書に開示の化合物の治療有効量は、投与経路、ヒトなどの治療されている動物の種類、及び考慮中の特定の動物の身体特性によって決まる。用量は、所望の効果を達成するように合わせて調整され得るが、体重、食生活、併用投薬、及び医療分野の当業者が認識するであろう他の要因などの要因によって決まる。
治療で使用するために必要とされる式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の量は、選択された特定の化合物又は塩だけはなく、投与経路、治療されているER依存性及び/又はER媒介性の疾病又は病態の性質及び/又は症状、並びに患者の年齢及び状態によっても変化し、最終的に、主治医又は臨床医の判断による。薬学的に許容される塩の投与の場合、投与量は、遊離塩基として計算され得る。当業者によって理解されるように、ある特定の状況において、特に侵攻性のER依存性及び/又はER媒介性の疾病又は病態を効果的かつ積極的に治療するために、本明細書に記載の投与量範囲を超えるか、又ははるかに超えさえする量で、本明細書に開示の化合物を投与することが必要である場合がある。
しかしながら、一般に、好適な用量は多くの場合、約0.05mg/kg〜約10mg/kgの範囲内である。例えば、好適な用量は、1日当たり体重の約0.10mg/kg〜約7.5mg/kg、例えば、1日当たりレシピエントの体重の約0.15mg/kg〜約5.0mg/kg、1日当たりレシピエントの体重の約0.2mg/kg〜4.0mg/kgの範囲内、又はこの間の任意の量であってもよい。化合物は、単位剤形で投与されてもよく、例えば、単位剤形当たり1〜500mg、10〜100mg、又は5〜50mg、又はこの間の任意の量の活性成分を含有する。
所望の用量は、単回用量で、又は例えば、1日当たり2回、3回、4回、若しくはそれ以上の部分用量として、適切な間隔で投与される分割用量として、便利に提供されてもよい。部分用量自体は、例えば、多くの別個の大まかに間隔が置かれた投与に更に分割されてもよい。
当業者には容易に明らかになるように、投与される有用なin vivo投与量及び特定の投与方法は、年齢、体重、苦痛の重症度、及び治療される哺乳動物種、用いられる特定の化合物、並びにこれらの化合物が用いられる特定の用途に応じて異なる。有効な投与量レベル、つまり所望の結果を達成するために必要な投与量レベルの決定は、日常的な方法、例えば、ヒト臨床試験、インビボ研究、及びインビトロ研究を使用して、当業者によって達成され得る。例えば、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の有用な投与量は、それらのインビトロ活性及び動物モデルにおけるインビボ活性を比較することによって決定され得る。そのような比較は、フルベストラントなどの確立された薬物との比較によって行われ得る。
投与量及び間隔は、調節作用又は最小有効濃度(minimal effective concentration、
MEC)を維持するのに十分である活性部分の血漿レベルを提供するように個々に調節さ
れてもよい。MECは、各化合物に対して異なるが、インビボ及び/又はインビトロデータから推定され得る。MECを達成するために必要な投与量は、個々の特徴及び投与経路によって決まる。しかしながら、HPLCアッセイ又はバイオアッセイが血漿濃度を決定するために使用され得る。投与間隔もまたMEC値を使用して決定され得る。組成物は、10〜90%の期間、好ましくは30〜90%、最も好ましくは50〜90%にわたって、MECを超える血漿レベルを維持するレジメンを使用して投与されるべきである。局所投与又は選択的取り込みの場合、薬物の有効局所濃度は、血漿濃度に関連しない場合がある。
主治医が、毒性又は臓器機能不全により、投与をどのように及びいつ終了、中断、又は調節するのかを知ることに留意されたい。反対に、主治医は、臨床応答が適切ではない(毒性を除外する)場合、治療をより高いレベルに調節することも知っている。対象となる疾患の管理において投与される用量の大きさは、治療されているER依存性及び/又はER媒介性の疾病又は病態の重症度並びに投与経路によって変化する。ER依存性及び/又はER媒介性の疾病又は病態の重症度は、例えば、部分的に標準的な予後評価方法によって評価されてもよい。更に、用量及び恐らく投薬回数はまた、個々の患者の年齢、体重、及び応答によっても変化する。上記で考察されるものに匹敵するプログラムが、獣医学で使用されてもよい。
本明細書に開示の化合物、塩、及び組成物は、既知の方法を使用して有効性及び毒性に関して評価され得る。例えば、ある特定の化学部分を共有する特定の化合物又は化合物のサブセットの毒物学は、哺乳動物、及び好ましくはヒト細胞株などの細胞株に対するインビトロ毒性を決定することによって確立され得る。そのような研究の結果は、多くの場合、哺乳動物、又は特にヒトなどの動物における毒性を予測する。あるいは、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、又はサルなどの動物モデルにおける特定の化合物の毒性は、既知の方法を使用して決定されてもよい。特定の化合物の有効性は、インビトロ方法、動物モデル、又はヒト臨床試験などのいくつかの認められている方法を使用して確立され得る。有効性を決定するためのモデルを選択する場合、当業者は、適切なモデル、用量、投与経路、及び/又は養生法を選択するための最先端の技術によって導かれ得る。
更なる実施形態が、以下の実施例において更に詳細に開示され、それらは、特許請求の範囲を決して限定しない。
実施例1
(E)−3−(4−((E)−2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)ブタ−1−エン−1−イル)フェニル)アクリル酸
Figure 2020529403
封管に、Pd(OAc)(2.54g、3.79mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスファニル)フェロセン(2.09g、3.78mmol)、CsCO(31.8g、97.7mmol)、KF(0.87g、15.2mmol)、及び1−ヨード−4−(メトキシメトキシ)ベンゼン(20g、75.8mmol)の脱気溶液を、N
,N−ジメチルアセトアミド(200mL)中、室温(rt)で加えた。混合物を10分間撹拌した後、アルゴンでバブリングし、続いてブタ−1−イニルトリメチルシラン(28.6g、227mmol)及びCuI(0.71g、3.79mmol)を添加した。100℃で16時間撹拌した後、混合物をrtに冷却し、水(50mL)で希釈して、エチルアセテート(EtOAc)(50mL)で抽出した。有機相を分離し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、10%EtOAc/ヘキサン)で精製し、淡褐色液体として1−(ブタ−1−イニル)−4−(メトキシメトキシ)ベンゼンを得た(10.0g、69%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.31(d,J=9.0Hz,2H)、6.93(d,J=9.0Hz,2H)、5.16(s,2H)、3.46(s,3H)、2.41(q,J=6.8Hz,2H)、1.27(t,J=6.9Hz,3H)。
1−(ブタ−1−イン−1−イル)−4−(メトキシメトキシ)ベンゼン(10g、52.6mmol)の2−メチルテトラヒドロフラン(100mL)中撹拌溶液に、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(14.7g、57.9mmol)を加えた。混合物中でアルゴンを10分間バブリングし、続いて、Pt(PPh(0.69g、0.52mmol)を加えた。60℃で12時間撹拌した後、混合物をrtに冷却し、水(50mL)で希釈して、エチルアセテート(50mL)で抽出した。有機層を分離し、水とブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、10%EtOAc/ヘキサン)で精製し、黄色液体として2,2’−(1−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)ブタ−1−エン−1,2−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)(8.0g、34%)を得た。
NMR(300MHz,CDCl)δ7.02(d,J=9Hz,2H)、6.92(d,J=9Hz,2H)、5.16(s,2H)、3.49(s,3H)、2.11(q,J=7.2Hz,2H)、1.33(s,12H)、1.27(s,12H)、0.95(t,J=6.2Hz,3H)。
2,2’−(1−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)ブタ−1−エン−1,2−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)(3.1g、6.98mmol)の2−メチルテトラヒドロフラン(30mL)中撹拌溶液に、4−ヨードベンズアルデヒド(1.93g、8.37mmol)及びCsCO(5.68g、17.5mmol)を加えた。混合物中でアルゴンを10分間バブリングし、続いて、PdCl(PPh(0.48g、0.698mmol)を加えた。40℃で12時間撹拌した後、反応物を室温に冷却し、水/EtOAc(1:1、計100mL)で急冷した。有機層を分離し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2、10%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、(Z)−4−(1−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブタ−1−エン−1−イル)ベンズアルデヒドを、黄色液体として得た(2.0g、69%、〜10〜15%の別の位置異性体を有する)。主異性体:H NMR(300MHz,CDCl)δ9.97(s,1H)、7.75(d,J=9.0Hz,2H)、7.36−7.34(m,2H)、7.05−6.96(m,4H)、5.16(s,2H)、3.48(s,3H)、2.31(q,J=6.7Hz,2H)、1.25(t,J=6.9Hz,3H)、1.10(s,12H);MS(ESI)m/z423.21[M+H]
(Z)−4−(1−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブタ−1−エン−1−イル)ベンズアルデヒド(12g、28.4mmol、〜10〜15%の別の位置異性体を有する)の、2−メチルテトラヒドロフラン(120mL)中撹拌溶液に、2−クロロ−4−
フルオロ−1−ヨードベンゼン(5.5mL、40.5mmol)及びKOH(45mL、3M水溶液、142.2mmol)を加えた。得られた混合物を、アルゴンで10分間脱ガスし、続いて、PdCl(PPh(0.7g、2.84mmol)を加えた。60℃で12時間撹拌した後、反応物を室温に冷却し、水:EtOAc(1:1、100mL)で急冷した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗化合物をクロマトグラフィー(SiO、10%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、(E)−4−(2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)ブタ−1−エン−1−イル)ベンズアルデヒドを淡黄色固体として得た(6.0g、67%、〜10〜15%の別の位置異性体を有する)。主異性体:H NMR(400MHz,CDCl)δ9.84(s,1H)、7.55(d,J=8.0Hz,2H)、7.20−7.17(m,2H)、7.10(d,J=8.0Hz,2H)、7.04−6.97(m,4H)、6.84−6.80(m,1H)、5.19(s,2H)、3.50(s,3H)、2.55−2.45(m,2H)、0.97−0.93(m,3H);MS(ESI)m/z425.19[M+H]
(E)−4−(2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)ブタ−1−エン−1−イル)ベンズアルデヒド(5.3g、12.3mmol、〜10〜15%の別の位置異性体を有する)のACN(60mL)中撹拌溶液に、エチル2−(ジエトキシホスホリル)アセテート(3.36g、15mmol)、LiCl(1.05g、25mmol)及びDBU(2mL、13.8mmol)を室温で加えた。室温で16時間撹拌した後、混合物を水/EtOAc(1:1、計100mL)で急冷した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO、10%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、エチル(E)−3−(4−((E)−2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)ブタ−1−エン−1−イル)フェニル)アクリレート(5g、82%、灰白色固体、〜10〜15%の別の位置異性体を有する)を得た。MS(ESI):m/z495.18[M+H]
エチル(E)−3−(4−((E)−2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)ブタ−1−エン−1−イル)フェニル)アクリレート(5g、10.1mmol、〜10〜15%の別の位置異性体を有する)のMeOH(50mL)中撹拌溶液に、PTSA(1.35g、7.08mmol)を室温で加えた。室温で16時間撹拌した後、混合物を濃縮し、残渣をクロマトグラフィー(SiO、25%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、エチル(E)−3−(4−((E)−2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)ブタ−1−エン−1−イル)フェニル)アクリレートを灰白色固体として得た(4.1g、91%(〜10〜15%の別の位置異性体を有する))。MS(ESI)m/z451.21[M+H]
エチル(E)−3−(4−((E)−2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)ブタ−1−エン−1−イル)フェニル)アクリレート(5.2g、9.45mmol、〜10〜15%の別の位置異性体を有する)のTHF:水(2:1、60mL)中撹拌溶液に、LiOH(1.3g、56.7mmol)を室温で加えた。室温で16時間撹拌した後、混合物を酢酸エチルで抽出し、水層をHCl水溶液(1N)で酸性化して沈殿物を形成させた。沈殿物を濾過し、クロマトグラフィー(SiO、30%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、〜10〜15%の別の位置異性体を有する、4.3gの(E)−3−(4−((E)−2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)ブタ−1−エン−1−イル)フェニル)アクリル酸を得た。rpHPLCで更に精製し、所望の画分の凍結乾燥後、(E)−3−(4−
((E)−2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)ブタ−1−エン−1−イル)フェニル)アクリル酸(1)を得た(1.4g、35%)。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ9.50(brs,2H)、7.35−7.27(m,5H)、7.12−7.07(m,1H)、7.04(d,J=8.4Hz,2H)、6.90(d,J=8.0Hz,2H)、6.80(d,J=8.0Hz,2H)、6.36(d,J=16.0Hz,1H)、2.40(q,J=8.0Hz,2H)、0.87(t,J=8Hz,3H);MS(ESI)m/z423.18[M+H]
表3に示される式(I)の化合物は、本明細書に提供の詳細な教示によって導かれる、当業者に既知の技術を使用して、様々な方法で調製され得る。例えば、表3に示される式(I)の化合物は、以下に記載される一般スキーム1に従って調製され得る。
Figure 2020529403

Figure 2020529403
実施例A
乳癌細胞増殖アッセイ(MCF−7)
MCF7細胞を、NEAA(Gibco11140−050)、ピルビン酸Na(Gibco11360−070)及び再除去炭除去FBS(Gemini100−119))を含むDMEM(Hyclone SH30272.01、フェノールレッド不含)中で増殖させ、維持した。細胞を、1mL当たり3,000個の細胞濃度に調整し、インキュベートした(37℃、5%CO)。翌日、化合物の10点連続希釈物を、試験化合物に対して10μM〜0.000005μMの範囲の最終濃度で細胞に添加した(17β−エストラジオールを対照として使用した)。1日目(処置前)の比較としての役割を果たすために、追加の細胞を30ウェルに播種した。5日間の化合物曝露後、Cell Titer−Glo試薬を細胞に添加し、各ウェルの相対発光単位(relative luminescence unit、RLU)を決定した。Cell Titer−Gloを細胞なしの32μL培地にも添加して、背景値を得た。プレートを室温で10分間インキュベートさせて、発光シグナルを安定させ、発光シグナルをEnSpireで記録した。各試料の細胞数の相対的増加を以下のとおり決定する:(RLU試料−RLU背景/RLUエストロゲンのみで処置された細胞−RLU背景)×100=%阻害。結果を表4に示す。
実施例B
ウエスタンブロットによるER分解決定
MCF−7細胞を実験培地中の6ウェルプレートに、30万個の細胞/mL(3mL/ウェル)で播種し、37℃、5%COで48時間インキュベートした。化合物の10×溶液をDMSO中で作製し、その溶液を細胞に添加して、10μMの最終濃度を達成した。DMSO対照を含めて、試験化合物の相対的有効性の決定を可能にした。フルベストラントをER−α分解に関する陽性対照として、4−OHタモキシフェンをエストロゲン受容体安定化に関する対照として使用した。示した化合物で18〜24時間細胞をインキュベートした後、細胞溶解物を調製し(2×細胞溶解緩衝液:100mMトリス、pH8、300mM NaCl、2%NP40、1%デオキシコール酸ナトリウム、0.04%SDS、2mM EDTA)、十分に混合し、氷上でインキュベートした。BCAキットを使用して、タンパク質濃度を定量化した。1×MES泳動用緩衝液を使用した4%〜20% NuPAGE Novex 4〜12%ビス−トリスタンパク質ゲル上で、タンパク質を分離した。次いで、ゲルをニトロセルロース膜上に移した。ESR1タンパク質(エストロゲン受容体α)に対する抗体(Santa Cruz、sc−8005)を用いて、ブロットをプローブした。GAPDHタンパク質を内部対照として使用した。結果を表4に示す。
実施例C
ERα EC50決定
MCF−7細胞を培地(実施例Aに記載)中の6ウェルプレートに、30万個の細胞/mL(3mL/ウェル)で播種し、37℃、5%COで48時間インキュベートする。翌日、化合物の10mM溶液をDMSO中で作製し、その溶液を細胞に添加して、10μMの最終濃度を達成した。EC50決定のために、MCF−7細胞を、10mM化合物の3×又は5×連続希釈物でインキュベートし、化合物の効力に基づき10μMから意図した濃度の化合物の最終濃度を得た(例えば、実施例1の化合物は0.0256nM)。DMSO対照を含めて、試験化合物の相対的有効性の決定を可能にした。フルベストラントをER−α分解に関する陽性対照として、4−OHタモキシフェンをエストロゲン受容体安定化に関する対照として使用した。化合物で18〜24時間細胞をインキュベートした後、細胞溶解物を調製し(2×細胞溶解緩衝液:100mMトリス、pH8、300mM
NaCl、2%NP40、1%デオキシコール酸ナトリウム、0.04%SDS、2mM EDTA)、十分に混合し、氷上でインキュベートした。BCAキットを使用して、タンパク質濃度を定量化した。1×MES泳動用緩衝液を使用した4%〜20% NuPAGE Novex 4〜12%ビス−トリスタンパク質ゲル上で、タンパク質を分離した。次いで、ゲルをニトロセルロース膜上に移し、内部対照としてのGAPDHタンパク質を用いて、ESR1タンパク質(Santa Cruz、sc−8005)に対する抗体でブロットをプローブした。ブロットをAzure C600 Imager上で撮像し、ブロットのバンド密度をAzurespotで定量化した。EC50をGraphpadPrismで計算した。結果を表4に示す。
Figure 2020529403

MCF7 IC50に対して、A=単一IC50≦25nM;B=単一IC50≧25nM及び≦250nM;C=単一IC50≧250nMである。ERα%分解に対して、A=ERα%分解≧80%;B=ERα%分解<80%。ERαに対して、EC50:A=単一EC50≦25nM;B=単一IC50≧25nM及び≦250nM;C=単一IC50≧250nMである。
(実施例D)
薬物動態学的決定
20〜30gの雌性CDマウス又は200〜300gの雌性SDラットを、無作為に2つに群別し、一方の群に、静脈内注射によって3.0mg/kgの用量の試験化合物を投与し、もう一方の群に、経口によって10.0mg/kgの用量の試験化合物を投与した。IV群に対する製剤は、DMSO/PEG400/150mMグリシン(pH9)(5/10/85)であり、PO群に対する製剤は、PEG400/PVP/Tween 80/水中0.5%CMC(9/0.5/0.5/90)であった。投与後、静脈内注射群の血液試料を、投与前、0.0833、0.25、0.5、1、2、4、8、12、及び24時間の時点で採取し、経口群の血液試料を、投与前、0.25、0.5、1、2、4、8、12、及び24時間の時点で採取した。好適な範囲内の試料の濃度に基づき、標準
曲線をプロットし、血漿試料中の試験化合物の濃度を、LC−MS/MSを使用することによって決定した。WinNonLin(Phoenix(商標)、バージョン6.1)又は他の同様のソフトウェアによる非コンパートメント方法を使用して、薬物濃度−時間曲線に従って、薬物動態学的パラメータを計算した。
Figure 2020529403
上文は、明確さと理解のために、図及び実施例としてある程度詳細に記述されているが、本開示の趣旨を逸脱することなく数多くの様々な修正がなされ得ることが、当業者によって理解される。したがって、本明細書に開示される形態は例示にすぎず、本開示の範囲を限定することは意図されていないが、それどころか本発明の真の範囲及び趣旨に沿った全ての修正及び代替案を包含することも明確に理解するべきである。

Claims (68)

  1. 式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩であって、以下の構造を有し、
    Figure 2020529403

    式中、
    の1つ以上は、独立して、ハロゲン、−CN、任意に置換されたC〜Cアルキル、非置換のC〜Cハロアルキル、及び任意に置換されたC〜Cシクロアルキルからなる群から選択され、
    の1つ以上は、独立して、ハロゲン、−CN、任意に置換されたC〜Cアルキル、非置換のC〜Cハロアルキル、及び任意に置換されたC〜Cシクロアルキルからなる群から選択され、
    は、任意に置換されたC〜Cアルキル、非置換のC〜Cハロアルキル、及び任意に置換されたC〜Cシクロアルキルからなる群から選択され、
    mは、0、1、2、3、4又は5であり、
    nは、0、1、2、3又は4であり、
    mが0である場合、nは1、2、3又は4である、化合物。
  2. mが1である、請求項1に記載の化合物。
  3. mが2である、請求項1に記載の化合物。
  4. mが3である、請求項1に記載の化合物。
  5. mが4である、請求項1に記載の化合物。
  6. mが5である、請求項1に記載の化合物。
  7. の1つ以上が、独立して、ハロゲンである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. の1つ以上がフルオロである、請求項7に記載の化合物。
  9. の1つ以上がクロロである、請求項7に記載の化合物。
  10. の1つ以上が−CNである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
  11. の1つ以上が、独立して、任意に置換されたC〜Cアルキルである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
  12. の1つ以上が、独立して、非置換のC〜Cアルキルである、請求項11に記載
    の化合物。
  13. の1つ以上がメチルである、請求項12に記載の化合物。
  14. の1つ以上が、独立して、非置換のC〜Cハロアルキルである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物。
  15. の1つ以上が、独立して、任意に置換されたC〜Cシクロアルキルである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物。
  16. nが0である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
  17. nが1である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
  18. nが2である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
  19. nが3である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
  20. nが4である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
  21. の1つ以上が、独立して、ハロゲンである、請求項1〜15及び17〜20のいずれか一項に記載の化合物。
  22. の1つ以上がフルオロである、請求項21に記載の化合物。
  23. の1つ以上がクロロである、請求項21に記載の化合物。
  24. の1つ以上が−CNである、請求項1〜15及び17〜23のいずれか一項に記載の化合物。
  25. の1つ以上が、独立して、任意に置換されたC〜Cアルキルである、請求項1〜15及び17〜24のいずれか一項に記載の化合物。
  26. の1つ以上が、独立して、非置換のC〜Cアルキルである、請求項25に記載の化合物。
  27. の1つ以上がメチルである、請求項26に記載の化合物。
  28. の1つ以上が、独立して、非置換のC〜Cハロアルキルである、請求項1〜15及び17〜27のいずれか一項に記載の化合物。
  29. の1つ以上が、独立して、任意に置換されたC〜Cシクロアルキルである、請求項1〜15及び17〜28のいずれか一項に記載の化合物。
  30. mが1、2又は3であり、Rの1つ以上が、独立して、ハロゲン、非置換のC〜Cアルキル及び非置換のC〜Cハロアルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  31. mが1又は2であり、Rの1つ以上が、独立して、ハロゲン又は非置換のC〜Cアルキルである、請求項30に記載の化合物。
  32. の1つ以上がフルオロである、請求項30又は31に記載の化合物。
  33. の1つ以上がクロロである、請求項30又は31に記載の化合物。
  34. の1つ以上がメチルである、請求項30又は31に記載の化合物。
  35. nが0、1又は2であり、Rの1つ以上が、独立して、ハロゲン、非置換のC〜Cアルキル及び非置換のC〜Cハロアルキルからなる群から選択される、請求項30〜34のいずれか一項に記載の化合物。
  36. nが0である、請求項35に記載の化合物。
  37. nが1又は2であり、Rの1つ以上が、独立して、ハロゲン又は非置換のC〜Cアルキルである、請求項35に記載の化合物。
  38. の1つ以上がフルオロである、請求項35又は37に記載の化合物。
  39. の1つ以上がクロロである、請求項35又は37に記載の化合物。
  40. の1つ以上がメチルである、請求項35又は37に記載の化合物。
  41. が、任意に置換されたC〜Cアルキルである、請求項1〜40のいずれか一項に記載の化合物。
  42. が、任意に置換されたC〜Cアルキルである、請求項1〜41のいずれか一項に記載の化合物。
  43. が、非置換のC〜Cアルキルである、請求項1〜42のいずれか一項に記載の化合物。
  44. が非置換のエチルである、請求項43に記載の化合物。
  45. が、非置換のC〜Cハロアルキルである、請求項1〜40のいずれか一項に記載の化合物。
  46. が、非置換のC〜Cハロアルキルである、請求項45に記載の化合物。
  47. が、任意に置換されたC〜Cシクロアルキルである、請求項1〜40のいずれか一項に記載の化合物。
  48. が、非置換のC〜Cシクロアルキルである、請求項47に記載の化合物。
  49. mが2であり、nが0であり、1つのRがクロロであり、別のRがフルオロである、請求項1に記載の化合物。
  50. mが2であり、nが0であり、1つのRがフルオロであり、別のRが非置換のメチルである、請求項1に記載の化合物。
  51. mが1であり、nが0であり、Rがクロロである、請求項1に記載の化合物。
  52. mが2であり、nが2であり、1つのRがクロロであり、別のRがフルオロであり、各Rがフルオロである、請求項1に記載の化合物。
  53. mが2であり、nが2であり、1つのRがフルオロであり、別のRが非置換のメチルであり、各Rがフルオロである、請求項1に記載の化合物。
  54. mが1であり、nが2であり、Rがクロロであり、各Rがフルオロである、請求項1に記載の化合物。
  55. が非置換のエチルであり、mが2であり、nが0であり、1つのRがクロロであり、別のRがフルオロである、請求項1に記載の化合物。
  56. が非置換のエチルであり、mが2であり、nが0であり、1つのRがフルオロであり、別のRが非置換のメチルである、請求項1に記載の化合物。
  57. が非置換のエチルであり、mが1であり、nが0であり、Rがクロロである、請求項1に記載の化合物。
  58. が非置換のエチルであり、mが2であり、nが2であり、1つのRがクロロであり、別のRがフルオロであり、各Rがフルオロである、請求項1に記載の化合物。
  59. が非置換のエチルであり、mが2であり、nが2であり、1つのRがフルオロであり、別のRが非置換のメチルであり、各Rがフルオロである、請求項1に記載の化合物。
  60. が非置換のエチルであり、mが1であり、nが2であり、Rがクロロであり、各Rがフルオロである、請求項1に記載の化合物。
  61. Figure 2020529403

    からなる群から選択される構造を有する請求項1に記載の化合物、又は上記のうちのいずれかの薬学的に許容される塩。
  62. 有効量の請求項1〜61のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容され
    る塩と、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、又はこれらの組み合わせとを含む、薬学的組成物。
  63. ERα依存性及び/又はERα媒介性である疾病又は病態の治療のための薬剤の調製における、請求項1〜61のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項62に記載の薬学的組成物の使用。
  64. 前記疾病又は病態が、肺癌、乳癌及び婦人科癌からなる群から選択される、請求項63に記載の使用。
  65. 前記疾患又は状態が、肺癌、乳癌、子宮内膜癌、卵巣癌、及び子宮頸癌からなる群から選択される、請求項63に記載の使用。
  66. 前記疾病又は病態が乳癌である、請求項63に記載の使用。
  67. 前記疾患又は状態が肺癌である、請求項63に記載の使用。
  68. 前記疾患又は状態が婦人科癌である、請求項63に記載の使用。
JP2020504340A 2017-07-28 2018-07-26 アクリル酸類似体 Pending JP2020529403A (ja)

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