本開示は、無線アクセスネットワーク(RAN)により示される輻輳または省電力状況に基づいてユーザ機器(UE)の動作モードをアクティブ化させる無線リソース制御装置(RRC)を備えるUE、およびUEにそのような状況を示すRANエンティティに関する。特に、本開示はRANにおける輻輳緩和、またマシンタイプ通信(MTC)デバイス、特にC-V2X(cellular assisted vehicle‐to‐anything)の省電力のための技術に関する。
現在の無線通信ネットワークでは、基地局(BS)によってサポートされ得る接続ユーザの数は、以下で説明される通り、様々な要素によってかなり限定される。静的無線ベアラ(SRB)および動的無線ベアラ(DRB)を管理するための上位層セッション管理は、Quality of Service(QoS)基準に基づいてサポートされるベアラの最大の数を含む。低位層については、帯域幅、制御チャネル容量およびデータチャネル容量が限定される。CPUリソースについては、TTI(transmission time interval)毎の最大UE処理時間が限定される。C-V2x(cellular assisted vehicle‐to‐anything)ネットワークにおいては、物理層におけるデータおよび制御チャネルについてUuリンクに輻輳があり得る。省電力モードの間に、周期的なデータ送信が周期的なデータ送信を行うMTCデバイスに適用される。BSがD2D(device‐to‐device)のユーザにリソース割り当てを提供するセルラー支援型V2V(vehicle‐to‐vehicle)接続においては、制御チャネル容量によってUuリンクに輻輳が起こり得て、次にモード2(ad-hoc mode with pre-defined allocation from resource pools)において接続が確立される。モード2は、PC5帯域において非常に高い干渉および/または輻輳をもたらす可能性もある。時間領域でユーザをスケジューリングすることは、データチャネルについての問題の解決につながるが、レイテンシの増加につながるであろう。したがって、時間領域でのスケジューリングは、レイテンシの影響を受けにくいトラフィックには良いと思われるが、V2xトラフィックのほとんどはレイテンシの影響を受けやすい。
ビークルツ―エニシング(V2x)シナリオにおいて、多くの車線を有する高速道路の渋滞などの状況が発生し、当該状況では、低移動度または中移動度のシナリオにおいてはあまり移動しない、またはゆっくり移動する多くのV‐UE(vehicular user equipments)があり、当該シナリオは、当該V‐UEのほとんどが同一のセルに接続される必要があり、RANの輻輳につながることを意味する。これらのV2xシナリオの場合、車両用UEには基本的な安全メッセージの周期的な送信、およびクラウド等から情報のアップデートをダウンロードすることが必要であり、ネットワークとの接続を必要とする。
MTCデバイスの場合、電力および処理電力は限定されており、したがってMTCデバイスのバッテリ寿命をより長い時間、例えばおよそ20年に延長することが要求される。
したがって、C-V2xの場合には基地局における輻輳問題を解決することが必要であり、さらに、MTCシナリオにおいて周期的なデータ送信のための処理電力を節約してバッテリ寿命を延ばすも必要である。
本発明の目的は、モバイル通信システムにおける、特にセルラー支援型V2x通信のための無線アクセスネットワークにおける上述の輻輳問題を解決する技術を提供することである。本発明の更なる目的は、MTCデバイスの処理電力を限定することによりこれらのMTCデバイスのバッテリ寿命を延長する概念を提供することである。
この目的は、独立請求項に記載の特徴によって実現される。更なる実装形態は、従属請求項、発明を実施するための形態、および図から明らかである。
本発明の中心となる考えは、周期的なデータ送信に半永続または永続的な無線リソース制御(RRC)モードを提供すること、およびRANにUEを再アタッチすることに係るレイテンシを低減することである。本発明を用いることによって、例えば、ページング、ランダムアクセス(RA)メッセージング、RANコンテキストフェッチング、およびRRC(radio resource control)メッセージをやり取りする1.5RTT(round trip time)を含む、レイテンシから、RANコンテキストフェッチングおよびRRCメッセージをやり取りする1.0RTTを含むレイテンシへの、レイテンシの低減が実現され得る。そのようなレイテンシの低減は、例えば以下に示されるように、ページング、およびRAメッセージを省略することにより実現され得る。しかしながら、トラフィックの量が非常に少なく、データ送信の周期的な性質を有し、フォローアップパケットを待たないMTCデバイス特有の特性を考慮すると、RRC接続状態で次のパケットを待つことは不必要なエネルギーの消費につながると予想される。
本開示は、この輻輳問題を解決する解決手段を提示する。次の4つの解決手段の態様は、以下に提示される。後述するように、第1解決手段の態様は、UE RRCプロトコルに提供される半永続または永続的なタイマの助けによってネットワークにより速く再アタッチして、接続モードから接続非アクティブモードへのUEの周期的な遷移を行うための、基地局とUEとの間の無線リソース制御における新しいシグナリングおよびUE挙動に関連する。後述するように、第2解決手段の態様は、格納されたUEコンテキスト情報からネットワークへの速いアクセスによって、RANで制御されるRRC SPSモードおよびUEで制御されるRRC SPSモードを構成する新しい無線層メッセージに関連する。後述するように、第3解決手段の態様は、無線リソース制御における半永続的な遷移のアクティブ化、およびトラフィックパターンに基づくBSとUEとの間の遷移の周期性に関連する。後述するように、第4解決手段の態様は、UEが接続モードにある場合、格納されたRANコンテキストを、測定報告から更新された情報で更新することに関連する。
以下で説明するように、開示されているSPS RRCモードは重い負荷を経験しているRANにおける輻輳問題を解決でき、ネットワークに接続しクラウドからデータおよびアップデートを送信/受信したがる全てのUEに公平性を提供することができる。また、MTCデバイスはもはや、接続非アクティブモードにおいてページングメッセージがないかモニタリングする必要がないため、エネルギーの消費は低減される。以下に説明されるように、開示されている周期的RRC SPSモードは、過渡期間の間にSRB、DRB、帯域幅、制御チャネル/データチャネルなどのリソースを利用しながら、輻輳したUEがネットワークにアクセスすることに役立つ。以下に説明されるように、開示されているRRCモード用の半永続タイマは、軽量であり、UEがRANメモリおよびトラフィックパターンで接続非アクティブモードから接続モードへより速く再アタッチすることをサポートする。トラフィックパターンは、トラフィックを待つこととページングを開始することの代わりに、SPS RRC遷移を構成することで基地局により活用される。
ここで説明されるデバイスおよびシステムは、無線通信ネットワーク、特にLTE、特にLTE‐Aおよび/またはOFDMおよび第5世代などのモバイル通信規格に基づく通信ネットワークにおいて実装されてよい。ここで説明されるデバイスおよびシステムは、例えばロングタームエボリューション(LTE)規格、またはその高度なバージョンであるLTE‐Aなどのモバイル通信規格に従って設計されてよい。4Gおよび5GのLTE、ならびにそれ以降として販売されるLTE(Long Term Evolution)は、携帯電話およびデータ端末用の高速データの無線通信の規格である。ここで説明されるデバイスは、OFDMシステムに適用されてよく、OFDMシステムでは、複数のキャリア周波数においてデジタルデータがエンコードされている。
ここで説明されるデバイスはさらに、基地局(またはNodeBまたはeNodeBまたは無線セル)において、およびモバイルデバイスなどの通信デバイス(または移動局またはユーザ機器(UE))において、例えばネットワーク接続したデバイスが情報のやり取りを行うことと、人間の手動支援なしに動作を実行することを可能にするマシンツーマシン(M2M)通信のシナリオにおいて、またはマシンタイプ通信(MTC)または1つのモバイルデバイスは(基地局を横断する通信パス、または基地局を横断しない通信パスのどちらかを用いることによって)別のモバイルデバイスとの通信を行うデバイスツーデバイス(D2D)通信、もしくはビークルツーエニシング(V2X)通信のシナリオにおいて実装されてよい。ビークルツーエブリシング(VV2X)通信は、車両から、車両に影響し得る任意のエンティティへおよび、エンティティから車両へ情報を流すことである。
ここで説明されるデバイスおよびシステムは、例えば「https://metis−ii.5g−ppp.eu/wp−content/uploads/publications/2016/2016−05−ICC−A−novel−state−model−for−5G−radio−access−networks.pdf」、「3GPP TR 23.799 − Study on architecture for next generation system, in particular Section 6.3.5 ‐ context cookie creation」、「3GPP TS 26.213 ‐進化型ユニバーサル地上無線アクセス (E−UTRA); Physical layer procedures」、および「3GPP LTE−V2X Technical Report: 3GPP 36.885: http://www.tech−invite.com/3m36/tinv−3GPP−36−885.html」による次世代(NG)無線ネットワークに従って設計されてよい。
説明されているデバイスおよびシステムは、集積回路および/またはパッシブを含んでよく、様々な技術によって製造されてよい。例えば、回路は論理集積回路、アナログ集積回路、混合信号集積回路、光回路、メモリ回路、および/または統合パッシブとして設計されてよい。
ここで説明されるデバイスは、無線信号を送信および/または受信するように構成されてよい。無線信号は、無線送信デバイス(または無線送信機または発信機)により、およそ3kHzから300GHzまでの範囲にある無線周波数で放射される無線周波数信号であってよく、または当該信号を含んでよい。周波数範囲は、電波を生成および検出するために用いられる交流電気信号の周波数に対応し得る。
本発明を詳細に説明すべく、以下の用語、略語および表記が用いられる。
RAN:無線アクセスネットワーク
RRC:無線リソース制御または無線リソース制御装置
MTC:マシンタイプ通信(デバイス)
M2M:マシンツーマシン(通信)
D2D:デバイスツーデバイス
V2X:ビークルツーエブリシング
V2V:ビークルツービークル
OFDM:直交周波数分割多重
BS:基地局、eNodeB、eNB、無線セル
UE:ユーザ機器、例えばモバイル通信デバイスまたはマシンタイプ通信デバイス
4G:3GPP規格化による第4世代
5G:3GPP規格化による第5世代
LTE:ロングタームエボリューション
RF:無線周波数
DRX:不連続的な受信
RLF:無線リンク障害
SPS:半永続的な
RA:ランダムアクセス
CN:Core Network
SRB:静的無線ベアラ
DRB:動的無線ベアラ
RTT:ラウンドトリップタイム
第1態様によると、本発明は、ユーザ機器(UE)であって、UEと無線アクセスネットワーク(RAN)との間で無線リソース制御(RRC)メッセージを送受信するように構成されている送受信機と、非輻輳状況がRANにより示される場合、RRCメッセージの第1シーケンスの処理に応じるUEの動作モードをアクティブ化するように構成されている無線リソース制御装置とを備え、無線リソース制御装置は、RANにより特殊状況、特に輻輳状況または省電力状況が示される場合、RRCメッセージの第2シーケンスの処理に応じるUEの動作モードをアクティブ化するように構成され、RRCメッセージの第2シーケンスの処理に対するレイテンシは、RRCメッセージの第1シーケンスを処理するためのレイテンシより少ない、ユーザ機器(UE)に関する。
第2シーケンスが、RRCメッセージの第1シーケンスより処理レイテンシの低い第2シーケンスを輻輳または省電力状況においてRRCメッセージの処理することにより、このレイテンシ低減はより速い処理につながり、従って輻輳の解決につながる。輻輳状態または低電力状況が終了すると、それがRANにより判定されUEに示され得て、UEは、より高いレイテンシ要求を有するRRCメッセージの第1シーケンス(RRCメッセージの第1シーケンスは、常に接続モードにあることを意味する)を処理するための通常状態に変化し得る。しかしながら、これらのより高いレイテンシ要求は通常状況において満され得る。通常状況では、輻輳が検出されることはなく、またはUEが低電力モードにあることもない。
第1態様によるUEの第1の可能な実装形態において、RRCメッセージの第1シーケンスを処理することは、ページングメッセージング、ランダムアクセス(RA)メッセージング、RRCメッセージングおよびRANコンテキストフェッチングを含み、RRCメッセージの第2シーケンスを処理することは、RRCメッセージングおよびRANコンテキストフェッチングを含む。
これは、輻輳または低電力状況において、輻輳を軽減すべく、RRCメッセージングおよびRANコンテキストフェッチングである必要なメッセージのみが処理され、一方で、通常状況、即ち、輻輳でも低電力でもない状態では、UEの変化性を改善するために更なるメッセージが処理されるという利点を提供する。
そのような第1態様による、またはUEの第1の実装形態によるUEの第2の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、UEの動作モードをアクティブ化するレイテンシを低減すべく、RRCメッセージの第2シーケンスを処理する場合、ページングメッセージングおよびRAメッセージングを省略するように構成されている。
これは、ページングメッセージングおよびRAメッセージングを省略することが、輻輳を軽減すべく、輻輳または低電力状況にある場合、レイテンシを低減するという利点を提供する。これは、UEがトラフィックを待つ時間、およびページングを開始する時間を省く。
そのような第1態様による、またはUEの上述の実装形態のいずれかによるUEの第3の可能な実装形態においては、RANにUEをアタッチすることにより、特にRRC接続非アクティブモードからRRC接続モードへのUEの状態変化によりUEの動作モードがアクティブ化される。
これは、UEがRAN(接続モード)にアタッチされ、輻輳につながり得る多くのメッセージを受信している場合に輻輳の軽減が実行され得るという利点を提供する。もう一方の状況にある間は、UEがRANにアタッチされていない場合(接続非アクティブモード)であり、メッセージが受信されず、輻輳が起こることもないと考えられるので、輻輳の軽減は必要ではない。
UEの第3の実装形態によるUEの第4の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、RANにより輻輳状況または省電力状況が示される場合、RRC接続モードとRRC接続非アクティブモードとの間の周期的な遷移をアクティブ化するように構成されている。
これは、RRC接続モードとRRC接続非アクティブモードとの間の周期的な遷移が、基地局(またはRAN)が全ての輻輳したUEにデータを送信する機会を提供し、従って輻輳を軽減または少なくとも低減することに役立つという利点を提供する。
UEの第3から第4の実装形態のいずれかによるUEの第5の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、RANにより輻輳状況または省電力状況が示される場合、無線ベアラ、特に少なくとも1つの静的無線ベアラ(SRB)および/または少なくとも1つの動的無線ベアラ(DRB)を周期的にアクティブ化および解放するように構成されている。
これは、無線ベアラの周期的なアクティブ化および解放は、基地局(またはRAN)が全ての輻輳したUEにデータを送信する機会を提供し、従って輻輳を軽減または少なくとも低減することに役立つという利点を提供する。これは、過渡期間の間にSRBおよびDRBなどのリソースを利用しながら、輻輳したUEがネットワークにアクセスすることに役立つ。
UEの第3から第5の実装形態のいずれかによるUEの第6の可能な実装形態において、送受信機は、特にバッファステータス報告(BSR)情報およびタイミングアドバンス情報を含む測定報告をRRC接続モードのRANに送信して、RANが測定報告に基づいてRANコンテキスト更新することを可能にするように構成されている。
これは、測定報告を用いることによって、RANがRANコンテキストを更新できるという利点を提供する。したがって、現在のRANコンテキストを省き、後の段階で再取得することができる。RANコンテキストを更新する場合、RANはスクラッチから開始する必要がなく、これはシグナリングメッセージを省き、従ってレイテンシを低減する。
そのような第1態様による、またはUEの上述の実装形態のいずれかによるUEの第7の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、ステートマシンに基づいてUEの動作モードを変更するように構成され、ステートマシンは、RRCメッセージの第2シーケンスの処理と関連付けられる半永続(SPS)RRCモード、およびRRCメッセージの第1シーケンスの処理と関連付けられる通常RRCモードを含む。
これは、UEの動作モードのアクティブ化が、ステートマシンの実装により、例えばソフトウェアとしてアルゴリズムによって、またはハードウェアによって簡単に実行できるという利点を提供する。そのようなステートマシンは、UEとRANとの間の通信を簡単にモデル化できる。
UEの第7の実装形態によるUEの第8の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、RANにより輻輳状況または省電力状況が示される場合、SPS RRCモードを周期的にアクティブ化するように構成されている。
SPS RRCモードのこの周期的なアクティブ化は、輻輳を軽減すべく、輻輳したUEがネットワークにアクセスすることに役立つ。
UEの第8の実装形態によるUEの第9の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、第1タイマの第1タイマ終了イベントに応答してUEの動作モードを、SPS RRCモードから通常RRCモードに変更するように構成されている。
これは、SPS RRCモードと通常RRCモードとの間の遷移の周期が第1タイマを調整することにより設定され得るという利点を提供する。
UEの第9の実装形態によるUEの第10の可能な実装形態において、第1タイマはRANにより設定可能である。
これは、SPS RRCモードと通常RRCモードとの間の遷移の周期が、例えばトラフィック状況および事業者により決定される要求に応じて、RANにより設定され得るという利点を提供する。
UEの第7から第10の実装形態のいずれかによるUEの第11の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、UEがSPS RRCモードにある場合、UEの動作モードをRRC接続モードからRRC接続非アクティブモードに変更することを周期的にアクティブ化するように構成されている。
これは、RRC通常モードと同一の状態の「RRC接続モード」および「RRC接続非アクティブモード」がSPS RRCモードにおいても利用可能になり、これら2つの状態の間の遷移のみがRRC通常モードと異なるという利点を提供する。
UEの第11の実装形態によるUEの第12の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、第2タイマの第2タイマ終了イベントに応答して、UEの動作モードを、RRC接続非アクティブモードからRRC接続モードに変更するように構成されている。
これは、SPS RRCモードにおけるRRC接続非アクティブモードとRRC接続モードとの間の遷移の周期が第2タイマを調整することにより設定され得るという利点を提供する。
UEの第12の実装形態によるUEの第13の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、無線ベアラ、特に少なくとも1つの静的無線ベアラ(SRB)および/または少なくとも1つの動的無線ベアラ(DRB)を、他のUEによる使用のために、第2タイマの作動中に解放するように構成されている。
これは、無線ベアラを解放することにより他の輻輳したUEがこれらの無線ベアラを取得して、RANにアタッチし、輻輳を解決できるという利点を提供する。
UEの第12から第13の実装形態のいずれかによるUEの第14の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、第2タイマ終了イベントに応答して、RANとのRRC接続を再開するためにRANにRRC接続再開リクエストメッセージを送信するように構成されている。
これは、RANにRRC接続再開リクエストメッセージを送信することにより、UEがRRC SPSモードを制御し得る、即ち、UEで制御されるRRC SPSモードがRANで制御されるRRC SPSモードのそばに提供され得るという利点を提供する。
UEの第14の実装形態によるUEの第15の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、予め定義された無線リソースブロックおよび/またはグラントフリーサブキャリア多元接続(SCMA)に基づいてRRC接続再開リクエストメッセージを送信するように構成されている。
これは、他のUEに割り当てられている時間/周波数リソースと、物理層においてRRC接続再開リクエストメッセージが衝突する可能性が回避され得るという利点を提供する。したがって、緊急状況の間に必要になり得るネットワークへの速いアクセスが実現され得る。
第2態様によると、本発明は、ユーザ機器(UE)、特に請求項1から16のいずれか一項に記載のUEとRANエンティティとの間の無線リソース制御(RRC)メッセージを送受信するように構成されている送受信機と、RANエンティティの特殊状況、特に輻輳状況または省電力状況を判定するように構成されている無線リソース制御装置とを含む無線アクセスネットワーク(RAN)エンティティ、特に基地局(BS)であって、無線リソース制御装置は、非特殊状況、特に非輻輳状況または非省電力状況をUEに示して、UEが、RRCメッセージの第1シーケンスの処理に応じるUEの動作モードをアクティブ化させることを可能にするように構成され、無線リソース制御装置は、特殊状況、特に輻輳状況または省電力状況をUEに示され得て、UEが、RRCメッセージの第2シーケンスの処理に応じるUEの動作モードをアクティブ化させることを可能にするように構成され、RRCメッセージの第2シーケンスの処理のためのレイテンシは、RRCメッセージの第1シーケンスの処理のためのレイテンシより少ないRANエンティティに関する。
第2シーケンスが、RRCメッセージの第1シーケンスより処理レイテンシの低い第2シーケンスを輻輳または省電力状況においてRRCメッセージの処理することにより、このレイテンシ低減はより速い処理につながり、従って輻輳の解決につながる。輻輳状態または低電力状況が終了すると、それがRANにより判定されUEに示され得て、UEは、より高いレイテンシ要求を有するRRCメッセージの第1シーケンス(RRCメッセージの第1シーケンスは、常に接続モードにあることを意味する)を処理するための通常状態に変化し得る。しかしながら、これらのより高いレイテンシ要求は通常状況において満され得る。通常状況では、輻輳が検出されることはなく、またはUEが低電力モードにあることもない。
第2態様によるRANエンティティの第1の可能な実装形態によると、無線リソース制御装置は、通信が行われる無線リソースにおけるエネルギーレベルを決定することに基づいて、特にチャネルビジー率(CBR)に基づいてUEのサイドリンク接続に対する輻輳を判定するように構成されている。これは、輻輳状況を検出する簡単且つ効果的な手段という利点を提供する。
そのような第2態様による、または第2態様の第1の実装形態によるRANエンティティの第2の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、UEからRANコンテキストをフェッチして、UEに対するRRC接続を再開するためにフェッチされたRANコンテキストの情報を用いるように構成されている。
これは、RANエンティティが、UEに対するRRC接続を再開するために、格納されたRANコンテキストを用いることができるという利点を提供する。格納されたRANコンテキストを用いることによって、RANはスクラッチから開始する必要がなく、これはシグナリングメッセージを省き、従ってレイテンシを低減させる。
そのような第2の態様による、または第2態様の第1の実装形態によるRANエンティティの第3の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、UEからRANコンテキストをフェッチして、他のUEにRANコンテキストにより示されるリソースを提供するためにフェッチされたRANコンテキストの情報を用いるように構成されている。
これは、RANエンティティが、フェッチされたRANコンテキストから情報を、他のUEにリソースを提供するために利用し得るという利点を提供する。したがって、他のUEと接続している場合、RANエンティティはスクラッチから開始する必要がなく、これはシグナリングメッセージを省き、従ってレイテンシを低減させる。
第2態様の第2から第3の実装形態のいずれかによるRANエンティティの第4の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、UEからフェッチされたRANコンテキストの情報に基づいてRANにより格納されるRANコンテキストを更新するように構成されている。
これは、UEからフェッチされるRANコンテキストの情報に基づいてRANにより格納されたRANコンテキストを更新することにより、RANにより格納されたRANコンテキストは、RRC接続の実際状況を示すという利点を提供する。RANエンティティは、通信システムにおける変化にすぐに反応できる。
本発明の更なる実施形態が、以下の図に関連して説明される。
5G RAN設計によるUEの状態遷移を示す状態図100である。
LTE RAN設計によるUEの状態遷移を示す状態図200である。
5G RAN設計による、UE310と5G RAN320と5Gコアネットワーク(CN)330との間のメッセージングを示すメッセージシーケンス図300である。
本開示によるUEの状態遷移を示す状態図400である。
RRC SPSモード440がRAN320により制御される場合の、本開示による、UE310と5G RAN320と5Gコアネットワーク(CN)330との間のメッセージングを示すメッセージシーケンス図500である。
RRC SPSモード440がUE310により制御される場合の、本開示による、UE310と5G RAN320と5Gコアネットワーク(CN)330との間のメッセージングを示すメッセージシーケンス図600である。
本開示によるユーザ機器700を示す概略図である。
本開示によるRANエンティティ800、例えば基地局を示す概略図である。
以下の詳細な説明において、その一部分を形成する添付図面を参照し、本開示が実施され得る具体的態様を実例として示す。他の態様が利用されてよく、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的または論理的変更がなされてよいこととが理解される。以下の詳細な説明は、従って、限定的な意味にとらえられるべきものではなく、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
記載される方法に関してなされた解説はまた、当該方法を実行するように構成された対応するデバイスまたはシステムに関して当てはまる可能性があり、逆も同様であることと理解される。例えば、特定の方法の段階が説明される場合、対応するデバイスは、説明される方法の段階を実行するユニットを、そのようなユニットが明確に説明されていないまたは図面に示されていない場合であっても、含んでよい。さらに、ここで説明される様々な例示的態様の特徴は、具体的にそうでないことが示されない限り、互いに組み合わせられてよいことと理解される。
図1は、5G RAN設計によるUEの状態遷移を示す状態図100である。
ステートモデル100は、効率的なUEスリープ、スリープ状態からアクティブ状態への高速且つ軽量な遷移、および共同アクセス最適化を可能にする5Gアクセスのために導入される。ステートモデル100は、アイドルモード(RRC_IDLE)110、接続モード(RRC_CONNECTED)120、および接続非アクティブモード(RRC_CONNECTED_INACTIVE)130の3つの状態で構成される。ステートモデル100において、主に第1の初期アクセス(例えば、UEがネットワークにアタッチする場合)の間に、またはフォールバックの場合(例えば、デバイスおよび/またはネットワークが、前もって格納されたRANコンテキストを用いることができない場合)として、接続セットアップ111およびデタッチ/RLF121から、アイドルモード110から接続モード120に、そしてアイドルモード110に戻る状態遷移が発生すると予想される。その結果、この遷移はLTEの場合ほど多く発生しないは予想される。
一方で、接続非アクティブモード130から接続モード120に遷移し、接続非アクティブモード130に戻るトラフィック到達、ページング131およびRRC非アクティブタイマ122という遷移はかなり多く発生すると予想され、軽量且つ高速の遷移として最適化されるべきである。この最適化の手順の詳細は、以下に説明される。
更なる遷移RLF(Radio Link Failure)113は、接続非アクティブモード130とアイドルモード110との間の遷移である。この遷移はほとんど発生しないと予想される。RLF113が起こる場合、UEはRRC接続再確立手順を開始し、RRC接続の解放について上位層に通知するものとする。
図2は、LTE RAN設計によるUEの状態遷移を示す状態図200である。現在、LTEは「アイドルモード」210、「接続モード」220、および「DRX状態」230、これらの3つの異なる状態をサポートする。アイドルモード210では、UE位置は、RANでは知られていなく、接続モード220では、UEは進行中のRAN接続を有する。アイドルモード210から接続モード220への移行はページングによるもので、接続セットアップ211およびアイドルモード210に戻る移行はデタッチング、RLFまたはRRC非アクティブタイマ221によるものである。
「アイドルモード」210において、UEがスリープ中の場合は、CN(Core Network)コンテキストのみが格納される。UEおよびネットワークは、この状態に移動する場合、RANコンテキスト情報を破棄する。UEは、トラッキングエリアレベルでのみネットワークに知られており、ネットワークに通知することなくトラッキングエリアに属するセル内において移動してよい。というものの、UEは、ネットワークにより提供される構成に基づくセルの再選択手順により最善なセルにキャンプするのであろう。
接続モード220において、UEはセルレベルで知られており、移動度は完全に(ハンドオーバーによって)ネットワークで制御される。RANコンテキストは存在する。この状態220において、DRX状態230への遷移(例えば、DRX非アクティブタイマ222に応じて)は、より有効なリソースの利用に係る、データバースト間のマイクロスリープ期間240のために用いられる。例えば、ウェブセッションの間に、ダウンロードされたウェブページをユーザが読んでいる間に、リソースを浪費して継続的にダウンリンクチャネル(例えば、PDCCH)をモニタリングするのではなく、DRXサイクルを短くすることで、データ転送が再開(トラフィック到達、ページング231)された場合、より速い応答を可能にし得る。一方で、トラフィック需要の不明確さによって、DRX状態230は、ネットワークがUEに到達したい場合(例えば、受信しているトラフィックがある場合)に遅延につながり得る。DRXサイクルは、UEがダウンリンクチャネルおよび物理信号をモニタリング(他のアクションの中でもとりわけページングによってネットワークがUEに到達できるように)する「on期間」およびUEがその受信機をオフに切り替えることができる場合の「スリープ期間」で構成される。
図3は、5G RAN設計による、UE310と5G RAN320と5Gコアネットワーク(CN)330との間のメッセージングを示すメッセージシーケンス図である。
アクティブRRC接続311が、UE310と5G RAN320との間に確立した場合、この接続に関連するRANコンテキスト識別321は、図1に関連して上述した状態図100の接続モード120に従って、5G RAN320、および接続モード312にあるUE310に提供される。
UE310と5G RAN320との間のRRC接続が非アクティブ化される場合313、CN/RAN接続は5G RAN320とCN330との間で維持され、このRRC接続に関連するRANコンテキストは5G RAN320により格納323され、この接続に関連するRANコンテキスト識別314はUE310に提供される。
RRC接続の更なるアクティブ化のために、第1メッセージシーケンス328としてもここで称される、次のメッセージシーケンスが実行される。ページングメッセージ324が、5G RAN320からUE310に送出される。UE310は、RA(random access)プリアンブル315を、5G RAN320に送出し、5G RAN320はRA応答325で応答する。SRB0メッセージおよびRANコンテキスト314のコンテキストIDを有するRRC接続要求再開メッセージ315が、UE310から5G RAN320に送出されて、5G RAN320がRANコンテキストをフェッチすること326を可能にする。次に5G RAN320は、静的無線ベアラ(SRB)および動的無線ベアラ(DRB)の構成を有するRRC接続再開メッセージ327をUE310に送出し、UE310は、RRC接続再開完了メッセージ317で応答する。これは、新しいアクティブRRC接続318が確立されたことを示す。第1メッセージシーケンス328の、即ち、RRC接続の再アタッチに対するレイテンシは、ページング、RA遅延、RANコンテキストフェッチング遅延、およびRRCメッセージやり取りのための1.5RTT(round trip time)による期間(duration of)に相当する。
図1に関連して上述したRRC接続非アクティブモード130は、MTCのための拡張されたDRXモードの一部として、5G RAN2において議論中である。接続非アクティブモード130の間に、専用のSRBおよびDRB接続が解放されるが、RAN320とCN330との間の接続は、図3に示されるように保持322される。ページングメッセージ324がRAN320に到達した場合、接続要求再開316(再アクティブ化)が開始されて、SRBおよびDRBを再設定する。
接続非アクティブモード130から接続モード120への遷移は、トラフィック到着およびページング131に基づく。接続モード120から接続非アクティブモード130への遷移は、ユーザプレーントラフィックがないことをネットワークが偶然検出した場合のRRC非アクティブタイマ122に基づく。輻輳シナリオの間のページングおよびランダムアクセス(図3に示されるメッセージ324、315、325)によるレイテンシは、V2xの場合、非常に高い。
非アクティブタイマに依存し、ユーザデータが到達する場合にページングを開始する代わりに、輻輳シナリオの間に、より有効にRANメモリおよびトラフィックパターンを活用することにより、著しい改善が行われ得る。この改善は、図4から図6に関連して後述するように、「半永続モード」440と呼ばれる更なる状態を含む変更状態図400に関する。
図4は、本開示によるUEの状態遷移を示す状態図400である。
この状態図400は、図1に関連して上述した状態図100の状態および状態遷移を含み、さらに、図1に関連して上述した接続モード120および接続非アクティブモード130の2つの状態に対応する接続モード420および接続非アクティブモード430を含む「半永続(SPS)モード」440と呼ばれる追加の状態を含む。SPS RRCモード440は、第1タイマ(Timer1)に依存して輻輳の間に特定の間隔でアクティブ化441される。即ち、Timer1はSPS RRCモード440をアクティブ化する間隔を指定する。SPS RRCモード440において、接続モード420と接続非アクティブモード430との間の遷移は第2タイマ(Timer2)により制御される。タイマ2は、接続モード420から接続非アクティブモード430への遷移421の周期を指定する。タイマ2の満了431は、接続非アクティブモード430から接続モード420に戻る遷移につながる。
SPS RRCモード440の非アクティブ化443は、SPSモード440から通常状態図100の接続モード120に戻る遷移につながる一方、SPS RRCモード440における無線リンク障害(RLF)状況は、SPSモード440から通常状態図100のアイドルモード110に戻る遷移を引き起こす。
上述したSPS RRCモード440をアクティブ化させることにより、次の利点が実現され得る。重渋滞のシナリオにおいては、UEがほぼ静止しているかまたはゆっくり移動して、TA(timing advance)の非常に小さい変化につながり、BSが上記理由に起因する重い負荷を感知すると、半永続RRCモード440をトリガーし得る。別のシナリオでは、BSがSPS RRCモード440をトリガーして、省電力モードの間の周期的なダウンリンクおよびアップリンクの小データ送信をトリガーする。エネルギーの消費を最小化するために、SPS RRCモードはアクティブ化され得る。当該モードでは、MTCデバイスはネットワークからのページングメッセージをモニタリングすることを回避することで、周期的な状態遷移を行うことができる。図4に示されるように、半永続モード440は、RRC接続モード420と接続非アクティブモード430との間の周期的な遷移を管理する。半永続RRCモード440における専用のSRB&DRBの周期的なアクティブ化および解放は、BSが全ての輻輳したUEがデータを送信する機会を提供することを助けることができる。RANメモリおよび周期的なトラフィックパターンは、半永続RRCモード440をアクティブ化させることにより輻輳シナリオの間に活用される。周期的なSPSモード440は、過渡期間の間にSRB、DRB、制御チャネル/データチャネルなどのリソースを利用しながら、輻輳したUEがネットワークにアクセスするように助ける。
上述の状態図400を適用することにより、次の機能が実現され得る。半永続モード440は、接続モード420と接続非アクティブモード430との間の周期的な遷移を管理できる。SPSモード440は、過渡期間の間にSRB、DRB、制御チャネル/データチャネルなどのリソースを利用しながら輻輳したUEがネットワークにアクセスするように助ける。RAN、例えばRANの基地局は、UEからのバッファステータス報告で測定され得るパケットの到着に基づいてSPSタイマ周期を計算できる。
SPS RRCモード440は、アドミッション制御からの予め定義された閾値を有するRRC接続要求失敗の回数を計算することで、BSにより輻輳の間にトリガーされ得る。SPS RRCモードは、周期的なデータ送信のエネルギー節約目的のためにMTCデバイスに対してトリガーされることもできる。図5に関連して後述するようなRANに制御されるSPSモード、および図6に関連して後述するようなUEに制御されるSPSモードは、格納されたコンテキストで再アタッチするためにネットワークへの速いアクセスを提供し得る。即ち、図5および図6に関連して後述するように、ページングおよびRACH手順は必要ない。TA、BSRのような格納されたRANコンテキストは、SPSタイマ周期の適合を助け得る、UEからの測定報告で継続的に更新され得る。
図5は、RAN320によりRRC SPSモード440が制御される場合の本開示によるUE310、5G RAN320および5Gコアネットワーク(CN)330の間のメッセージングを示すメッセージシーケンス図500を示す。SPSモード440は、図4に関連して上述した状態図400の状態440に対応する。
アクティブRRC接続311がUE310と5G RAN320との間に確立される場合、この接続に関連するRANコンテキスト識別321は5G RAN320に提供される。(図4に関連して上述したSPSモード440に対応する)SPSモード510がRAN320により設定される場合、第1タイマ(タイマ1)541は、図4に関連して上述したように、UE310と5G RAN320との間のRRC SPSタイマモードをアクティブ化511させる。次にUE310は、図4に関連して上述された状態図400の接続モード420に係る接続モード512になる。CN330とRAN320との間のCN/RAN接続は、図3に関連して上述したように維持322される。図4に関連して上述したように、第2タイマ(タイマ2)542は、SRBおよびDRBの解放514、および接続モード420から接続非アクティブモード430への遷移を開始する。したがって、UEは接続非アクティブモード515にあって、このRRC接続に関連するRANコンテキストは5G RAN320により格納521される。接続モード420から接続非アクティブモード430に遷移するこの過渡時間524の間に、リソースは5G RAN320により他の輻輳したUEに提供され得る。
第2タイマ542が、満了516する場合、RRC接続の更なるアクティブ化のためにここに第2メッセージシーケンス525とも称される次のメッセージシーケンスが実行される。5G RAN320はこのRRC接続のRANコンテキスト522をフェッチし、SRBおよびDRBの構成を有するRRC接続再開メッセージ523は5G RAN320からUE310に送出され、UE310はRRC接続再開完了メッセージ517で応答する。これは、新しいアクティブRRC接続518が確立されたことを示す。UEはRRC接続モード420に戻る。第2メッセージシーケンス525の、即ち、RRC接続の再アタッチに対するレイテンシは、RANコンテキストフェッチング522の遅延による期間に、およびRRCメッセージやり取り523、517のための1.0RTT(round trip time)に対応する。
上述のメッセージシーケンス図500を適用することにより、ネットワークの次の機能が実現され得る。RAN320は、特定の周期(タイマ1)541を有するRRC SPSタイマモードでUE310を構成する。そのためUE310は、接続非アクティブモード430と接続モード420との間を周期的に遷移できる。RANコンテキストはRAN320、例えば基地局に格納521されてよく、SRBおよびDRBは、BSがそれらのリソースを他の輻輳したUEに提供524できる間に、解放514されてよい。RAN320はSPSタイマの持続時間を制御できるため、RAN320は、格納されているRAN521コンテキストの知識からUE320に(SRB、DRBの構成を有する)RRC接続再開327を送出して再アタッチすることができる。基地局は、例えば、UEからのバッファステータス報告(BSR)から測定され得る、例えばパケットの到着に基づいて、SPSタイマ周期(タイマ2)、542を計算してよい。BSRは、トラフィックの種類を提供し得る。UE310からのバッファステータス報告は、SPSタイマ542の周期を判定するために用いられ得る。RAN320は、UE310からの更新されたBSR報告に基づいてSPSタイマ542の周期を更新し得る。RAN320は、セキュリティキー、UE能力情報、および遷移期間中のタイミングアドバンス等のようなコンテキスト情報を格納し得る。非アクティブモード430から接続を再開することは、静止しているまたは低速で移動する車の状況が仮定されているので、ページングRACH手順(図3に関連して上述したように)を再始動する必要がない。BSは、格納されたRANコンテキスト521を、BSRなどのUE310からの測定報告、周期的な接続モード420の間に格納されたRANコンテキスト521のUE310からのタイミングアドバンス情報で更新し、タイマ1(541)およびタイマ2(542)を適合させ得る。
図6は、UE310によりRRC SPSモード440が制御される場合の本開示によるUE310、5G RAN320および5Gコアネットワーク(CN)330の間のメッセージングを示すメッセージシーケンス図600を示す。RRC SPSモード440は、図4に関連して上述した状態図400の状態440に対応する。
メッセージシーケンス図600のメッセージは、RRC SPSモード440がRAN320により制御される場合に、図5に関連して上述したメッセージシーケンス図500のメッセージに対応する。加えて、RRC接続再開リクエストメッセージ619が、RAN320をトリガーして第2メッセージシーケンス525の処理を実行するために、UEにより開始される。第2メッセージシーケンス525にUEからRANへのこの追加のメッセージを追加すると、拡張された第2メッセージシーケンス625になる。拡張された第2メッセージシーケンス625は、RRC接続再開リクエストメッセージ619、RANコンテキストフェッチング522、SRBおよびDRBの構成を有するRRC接続再開メッセージ523、およびRRC接続再開完了メッセージ517を含む。この拡張された第2メッセージシーケンス625のレイテンシ、即ち、RRC接続の再アタッチのレイテンシは、RANコンテキストフェッチング522の遅延、およびRRCメッセージやり取り619、523、517の1.5RTT(round trip time)による期間に相当する。即ち、拡張された第2メッセージシーケンス625による期間は、追加のRRC接続再開リクエストメッセージ619によって、図5に説明されているRANで制御されるRRC SPSモードの第2メッセージシーケンス525による期間より、ラウンドトリップタイムの半分だけ長い。
上述したメッセージシーケンス図600を適用することにより、ネットワークの次の機能が実現され得る。RAN320、例えばRAN320の基地局(BS)が、例えばC-V2xの予め定義された閾値に対するRRC接続要求失敗を計算することにより輻輳を感知すると、RRC SPSモード440、510はアクティブ化され得る。PC5の場合、D2D UEからのチャネルビジー率(CBR)測定報告が、例えば後述するように、例えば、輻輳を感知するために用いられ得る。接続ユーザの最大数が実現されると、BSのアドミッション制御アルゴリズムはUEの接続要求を拒絶する可能性がある。(レイテンシ、信頼性に関連する)特定のQoS(quality of service)の目標を維持することもV2xに非常に重要である。図6に示されるように、UEで制御されるRRC SPSモードでは、SPSタイマ542、即ち、タイマ2の満了後に、UE310は接続を再開するためにRRC接続再開リクエスト619をBSに送出できる。このRRCメッセージは、しかしながら、他のUEに割り当てられている時間/周波数リソースとの物理層における衝突をもたらす可能性がある。したがって、予め定義されたリソースブロック(RB)またはグラントフリーSCMAが、RRC接続再開リクエスト619を送信するために必要になる可能性がある。このメッセージ619は、例えば緊急状況の間に必要とされると、ネットワークに速くアクセスするために用いられ得る。
チャネル占有レベルは、通信が行われる無線リソースにおいてエネルギーレベルを測定することにより取得され得る。ベースラインとして、チャネルビジー率(CBR)と呼ばれる測定が、次の通りに定義および判定され得る。受信信号のNp個のプローブは、測定間隔Tm内で均等に分散されると見なされる。(長さがTpの)全てのチャネルプローブについて、平均信号レベルSが決定される。CBRは受信信号レベルの閾値Sthに対して測定され、次のように示される。
代表的な実装において、上記パラメータに対する限定値は次の通りであり得る。
図7は、本開示によるユーザ機器(UE)700を示す概略図である。UEは、図3から図6に関連して上述したUE310に対応してよい。UE700は、送受信機701および無線リソース制御装置(RRC)702を含む。
送受信機701は、UE700と無線アクセスネットワークRAN、例えば図3から6に関連して上述した5G RAN320の間で無線リソース制御(RRC)メッセージを送受信するように構成されている。
無線リソース制御装置702は、RANにより非輻輳状況が示される場合、RRCメッセージの第1シーケンス、例えば図3に関連して上述した第1シーケンス328の処理に応じるUE700の動作モードをアクティブ化するように構成されている。無線リソース制御装置702は、RANにより特殊状況、特に輻輳状況または省電力状況が示される場合、RRCメッセージの第2シーケンス、例えば図5に関連して上述した第2シーケンス525または図6に関連して上述した拡張された第2シーケンス625の処理に応じるUE700の動作モードをアクティブ化するように構成されている。RRCメッセージの第2シーケンス525、625の処理に対するレイテンシは、RRCメッセージの第1シーケンス328の処理に対するレイテンシより低い。
RRCメッセージの第1シーケンス328の処理は、例えば図3に関連して上述したように、ページングメッセージング324、ランダムアクセス(RA)メッセージング315、325、RRCメッセージング316、327、317、およびRANコンテキストフェッチング326を含んでよい。RRCメッセージの第2シーケンス525、625の処理は、例えば図5および図6に関連して上述したように、RRCメッセージング523、517、619およびRANコンテキストフェッチング522を含んでよい。
無線リソース制御装置702は、UE700の動作モードをアクティブ化するためのレイテンシを低減させるべく、RRCメッセージの第2シーケンス525、625を処理する場合、ページングメッセージング324およびRAメッセージング315、325を省略するように構成されてよい。
UE700の動作モードは、例えば図4に関連して上述したように、UE700をRANにアタッチすること、特にRRC接続非アクティブモード130、430からRRC接続モード120、420へのUE700の状態変化によりアクティブ化されてよい。
無線リソース制御装置702は、RANにより輻輳状況または省電力状況が示される場合、RRC接続モード420とRRC接続非アクティブモード430との間の周期的な遷移をアクティブ化するように構成されてよい。
無線リソース制御装置702は、RANにより輻輳状況または省電力状況が示される場合、無線ベアラ、特に少なくとも1つの静的無線ベアラ(SRB)および/または少なくとも1つの動的無線ベアラ(DRB)を周期的にアクティブ化および解放するように構成されてよい。
送受信機701は、特にバッファステータス報告(BSR)情報およびタイミングアドバンス情報を含む測定報告をRRC接続モード420においてRANに送信して、RANが測定報告に基づいてRANコンテキスト521を更新することを可能にするように構成されてよい。
無線リソース制御装置702は、ステートマシン、例えば図4に関連して上述したようにステートマシン400に基づいてUE700の動作モードを変更するように構成されてよく、このステートマシン400は、RRCメッセージの第2シーケンスの処理525、625と関連付けられる半永続(SPS)RRCモード440、およびRRCメッセージの第1シーケンス328の処理と関連付けられる通常RRCモード100を含む。
無線リソース制御装置702は、RANにより輻輳状況または省電力状況が示される場合、SPS RRCモード440を周期的にアクティブ化させるように構成されてよい。
無線リソース制御装置702は、例えば図4から図6に関連して上述したように、第1タイマ541の第1タイマ終了イベントに応答して、UE700の動作モードをSPS RRCモード440から通常RRCモード100に変更するように構成されてよい。第1タイマ541は、RANにより設定可能であってよい。
無線リソース制御装置702は、UE700がSPS RRCモード440にある場合、UE700の動作モードが、RRC接続モード420からRRC接続非アクティブモード430へ変化することを周期的にアクティブ化するように構成されてよい。
無線リソース制御装置702は、例えば図4から図6に関連して上述したように、第2タイマ542の第2タイマ終了イベントに応答して、UE700の動作モードをRRC接続非アクティブモード430からRRC接続モード420に変更するように構成されてよい。
無線リソース制御装置702は、例えば図5から図6に関連して上述したように、無線ベアラ514、特に少なくとも1つの静的無線ベアラ(SRB)および/または少なくとも1つの動的無線ベアラ(DRB)を、他のUEによる使用のために、第2タイマ542の作動中に解放するように構成されてよい。
無線リソース制御装置702は、例えば図6に関連して上述したように、第2タイマ終了イベントに応答して、RANとのRRC接続を再開するために、RANにRRC接続再開リクエストメッセージ619)を送信するように構成されてよい。
無線リソース制御装置702は、予め定義された無線リソースブロックおよび/またはグラントフリーサブキャリア多元接続(SCMA)に基づいてRRC接続再開リクエストメッセージ619を送信するように構成されてよい。
図8は、本開示によるRANエンティティ800、例えば基地局を示す概略図である。RANエンティティ800は、図3から図6に関連して上述した5G RAN320に対応してよい。RANエンティティ800は、送受信機801および無線リソース制御装置(RRC)802を含む。
送受信機801は、ユーザ機器UE、特に図7に関連して上述したような、UE700とRANエンティティ800と間で無線リソース制御(RRC)メッセージを送受信するように構成されている。
無線リソース制御装置802は、RANエンティティ800の特殊状況、特に輻輳状況または省電力状況を判定するように構成されている。無線リソース制御装置802は、例えば図3および図7に関連して上述したように、非特殊状況、特に非輻輳状況または非省電力状況をUE700に示すように構成され、UE700がRRCメッセージの第1シーケンス328の処理に応じるUE700の動作モードをアクティブ化することができるようにする。無線リソース制御装置802は、例えば図4、図5および図7に関連して上述したように、UE700に特殊状況、特に輻輳状況または省電力状況を示すように構成され、UE700がRRCメッセージの第2シーケンス525、625の処理に応じるUE700の動作モードをアクティブ化することができるようにする。RRCメッセージの第2シーケンス525、625の処理に対するレイテンシは、RRCメッセージの第1シーケンス328の処理に対するレイテンシより低い。
無線リソース制御装置802は、例えば、図6に関連して上述したように、通信が行われる無線リソースにおけるエネルギーレベルを決定することに基づいて、特にチャネルビジー率(CBR)に基づいてUE700のサイドリンク接続に対する輻輳を判定するように構成されてよい。
無線リソース制御装置802は、例えば図4から図7に関連して上述したように、UE700とのRRC接続を再開327するために、UE700からRANコンテキスト326をフェッチし、フェッチされたRANコンテキスト326の情報を用いるように構成されてよい。無線リソース制御装置802は、例えば図4から図7に関連して上述したように、RANコンテキスト326により示されるリソースを他のUEに提供するために、UE700からRANコンテキスト326をフェッチし、フェッチされたRANコンテキスト326の情報を用いるように構成されてよい。無線リソース制御装置802は、例えば図4から図7に関連して上述したように、UE700からフェッチされたRANコンテキスト326の情報に基づいて、RANにより格納されたRANコンテキスト323を更新するように構成されてよい。
本開示は、無線アクセスネットワーク(RAN)の輻輳を緩和する方法もサポートする。方法は、次の段階を含む。RANにより非輻輳状況が示される場合、例えば図3に関連して上述したようにRRCメッセージの第1シーケンス328の処理に応じるUEの動作モードをアクティブ化する段階、および、RANにより特殊状況、特に輻輳状況または省電力状況が示される場合、例えば図5および図6に関連して上述したようにRRCメッセージの第2シーケンス525、625の処理に応じるUEの動作モードをアクティブ化する段階であって、RRCメッセージの第2シーケンス525、625の処理に対するレイテンシはRRCメッセージの第1シーケンス328の処理に対するレイテンシより低いアクティブ化する段階。
本開示は、コンピュータ実行可能コードまたはコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品もサポートし、当該コードまたは命令は、実行されると、少なくとも1つのコンピュータに、ここで説明される実行段階および計算段階、特に上述した方法の段階を実行させる。そのようなコンピュータプログラム製品は、コンピュータによる使用のためにプログラムコードを格納する可読非一時的記憶媒体を含んでよい。プログラムコードは、ここで説明される処理段階および計算段階、特に上述した方法を実行してよい。
本開示の特定の特徴または態様がいくつかの実装のうち1つのみに関連して開示されたものであってよい一方、そのような特徴または態様は、任意の所与または特定の用途に所望され有利となり得るように、他の実装の1または複数の他の特徴または態様と組み合わされてよい。更に、用語「含む」、「有する」、「伴う」、またはそれらのその他の変形が、発明を実施するための形態または請求項のいずれかにおいて用いられる範囲内で、そのような用語は、用語「備える」と同様な態様で包括的であることが意図されている。また、用語「代表的な」、「例えば(for example)」、および「例えば(e.g.)」は、最善または最適であることを意味するのではなく、単に一例であることを意味するに過ぎない。用語「結合」および「接続」は、派生語と共に用いられていてよい。これらの用語は、2つの要素が、物理的または電気的に直接接触しているかまたは互いに直接接触していないかに関わらず、互いに協働または相互作用することを示すために用いられていてよいことを理解されたい。
ここに具体的態様が示されて説明されてきたが、当業者であれば、様々な代替的および/または等価的な実装が、本開示の範囲から逸脱することなく、示され説明された具体的態様の代わりとなり得ることを理解されよう。本出願は、ここに説明される具体的態様の任意の適用例または変形例を包含することを意図している。
以下の特許請求の範囲の要素は、対応する符号と共に特定の順序で記載されるが、特許請求の範囲の記載が、それらの要素の一部または全てを実装するための特定の順序を示唆しない限り、それらの要素は当該特定の順序で実装されるように限定することを必ずしも意図するわけではない。
上記の教示を考慮して、多くの代替例、変更例、および変形例は、当業者であれば明らかであろう。もちろん、当業者であれば、本発明の多数の用途はここに説明されたものを越えて存在することを容易に認識する。本発明は、1または複数の特定の実施形態に関連して説明されているが、当業者であれば、多くの変更が本発明の範囲から逸脱することなくなされ得ることを認識する。従って、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内で、本発明は、ここに具体的に説明された以外の態様で実施され得ることを理解されたい。
本開示は、無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)により示される輻輳または省電力状況に基づいてユーザ機器(User Equipment、UE)の動作モードをアクティブ化させる無線リソース制御装置(radio resource controller、RRC)を備えるUE、およびUEにそのような状況を示すRANエンティティに関する。 特に、本開示はRANにおける輻輳緩和、またマシンタイプ通信(MTC)デバイス、特にセルラー支援型ビークルツーエニシング(cellular assisted vehicle‐to‐anything、C‐V2X)の省電力のための技術に関する。
現在の無線通信ネットワークでは、基地局(base station、BS)によってサポートされ得る接続ユーザの数は、以下で説明される通り、様々な要素によってかなり限定される。静的無線ベアラ(static radio bearers、SRB)および動的無線ベアラ(dynamic radio bearers、DRB)を管理するための上位層セッション管理は、Quality of Service(Quality of Service、QoS)基準に基づいてサポートされるベアラの最大の数を含む。低位層については、帯域幅、制御チャネル容量およびデータチャネル容量が限定される。CPUリソースについては、送信時間間隔(transmission time interval、TTI)毎の最大UE処理時間が限定される。C-V2xネットワークにおいては、物理層におけるデータおよび制御チャネルについてUuリンクに輻輳があり得る。省電力モードの間に、周期的なデータ送信が周期的なデータ送信を行うMTCデバイスに適用される。BSがデバイスツーデバイス(device‐to‐device、D2D)のユーザにリソース割り当てを提供するセルラー支援型ビークルツービークル(vehicle‐to‐vehicle、V2V)接続においては、制御チャネル容量によってUuリンクに輻輳が起こり得て、次にリソースプールからの予め定義された割り当てを有するアドホックモード(ad-hoc mode with pre-defined allocation from resource pools、Mode‐2)において接続が確立される。モード2は、PC5帯域において非常に高い干渉および/または輻輳をもたらす可能性もある。時間領域でユーザをスケジューリングすることは、データチャネルについての問題の解決につながるが、レイテンシの増加につながるであろう。したがって、時間領域でのスケジューリングは、レイテンシの影響を受けにくいトラフィックには良いと思われるが、V2xトラフィックのほとんどはレイテンシの影響を受けやすい。
ビークルツ―エニシング(vehicle-to-anything、V2x)シナリオにおいて、多くの車線を有する高速道路の渋滞などの状況が発生し、当該状況では、低移動度または中移動度のシナリオにおいてはあまり移動しない、またはゆっくり移動する多くの車両用ユーザ機器(vehicular user equipments、V‐UE)があり、当該シナリオは、当該V‐UEのほとんどが同一のセルに接続される必要があり、RANの輻輳につながることを意味する。これらのV2xシナリオの場合、車両用UEには基本的な安全メッセージの周期的な送信、およびクラウド等から情報のアップデートをダウンロードすることが必要であり、ネットワークとの接続を必要とする。
MTCデバイスの場合、電力および処理電力は限定されており、したがってMTCデバイスのバッテリ寿命をより長い時間、例えばおよそ20年に延長することが要求される。
したがって、C-V2xの場合には基地局における輻輳問題を解決することが必要であり、さらに、MTCシナリオにおいて周期的なデータ送信のための処理電力を節約してバッテリ寿命を延ばすことも必要である。
本発明の目的は、モバイル通信システムにおける、特にセルラー支援型V2x通信のための無線アクセスネットワークにおける上述の輻輳問題を解決する技術を提供することである。本発明の更なる目的は、MTCデバイスの処理電力を限定することによりこれらのMTCデバイスのバッテリ寿命を延長する概念を提供することである。
この目的は、独立請求項に記載の特徴によって実現される。更なる実装形態は、従属請求項、発明を実施するための形態、および図から明らかである。
本発明の中心となる考えは、周期的なデータ送信に半永続または永続的な無線リソース制御(radio resource control、RRC)モードを提供すること、およびRANにUEを再アタッチすることに係るレイテンシを低減することである。本発明を用いることによって、例えば、ページング、ランダムアクセス(random access、RA)メッセージング、RANコンテキストフェッチング、および無線リソース制御(radio resource control、RRC)メッセージをやり取りする1.5ラウンドトリップタイム(round trip time、RTT)を含む、レイテンシから、RANコンテキストフェッチングおよびRRCメッセージをやり取りする1.0RTTを含むレイテンシへの、レイテンシの低減が実現され得る。そのようなレイテンシの低減は、例えば以下に示されるように、ページング、およびRAメッセージを省略することにより実現され得る。しかしながら、トラフィックの量が非常に少なく、データ送信の周期的な性質を有し、フォローアップパケットを待たないMTCデバイス特有の特性を考慮すると、RRC接続状態で次のパケットを待つことは不必要なエネルギーの消費につながると予想される。
本開示は、この輻輳問題を解決する解決手段を提示する。次の4つの解決手段の態様は、以下に提示される。後述するように、第1解決手段の態様は、UE RRCプロトコルに提供される半永続または永続的なタイマの助けによってネットワークにより速く再アタッチして、接続モードから接続非アクティブモードへのUEの周期的な遷移を行うための、基地局とUEとの間の無線リソース制御における新しいシグナリングおよびUE挙動に関連する。後述するように、第2解決手段の態様は、格納されたUEコンテキスト情報からネットワークへの速いアクセスによって、RANで制御されるRRC SPSモードおよびUEで制御されるRRC SPSモードを構成する新しい無線層メッセージに関連する。後述するように、第3解決手段の態様は、無線リソース制御における半永続的な遷移のアクティブ化、およびトラフィックパターンに基づくBSとUEとの間の遷移の周期性に関連する。後述するように、第4解決手段の態様は、UEが接続モードにある場合、格納されたRANコンテキストを、測定報告から更新された情報で更新することに関連する。
以下で説明するように、開示されているSPS RRCモードは重い負荷を経験しているRANにおける輻輳問題を解決でき、ネットワークに接続しクラウドからデータおよびアップデートを送信/受信したがる全てのUEに公平性を提供することができる。また、MTCデバイスはもはや、接続非アクティブモードにおいてページングメッセージがないかモニタリングする必要がないため、エネルギーの消費は低減される。以下に説明されるように、開示されている周期的RRC SPSモードは、過渡期間の間にSRB、DRB、帯域幅、制御チャネル/データチャネルなどのリソースを利用しながら、輻輳したUEがネットワークにアクセスすることに役立つ。以下に説明されるように、開示されているRRCモード用の半永続タイマは、軽量であり、UEがRANメモリおよびトラフィックパターンで接続非アクティブモードから接続モードへより速く再アタッチすることをサポートする。トラフィックパターンは、トラフィックを待つこととページングを開始することの代わりに、SPS RRC遷移を構成することで基地局により活用される。
ここで説明されるデバイスおよびシステムは、無線通信ネットワーク、特にLTE、特にLTE‐Aおよび/またはOFDMおよび第5世代などのモバイル通信規格に基づく通信ネットワークにおいて実装されてよい。ここで説明されるデバイスおよびシステムは、例えばロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)規格、またはその高度なバージョンであるLTE‐Aなどのモバイル通信規格に従って設計されてよい。4Gおよび5GのLTE、ならびにそれ以降として販売されるLTEは、携帯電話およびデータ端末用の高速データの無線通信の規格である。ここで説明されるデバイスは、OFDMシステムに適用されてよく、OFDMシステムでは、複数のキャリア周波数においてデジタルデータがエンコードされている。
ここで説明されるデバイスはさらに、基地局(またはNodeBまたはeNodeBまたは無線セル)において、およびモバイルデバイスなどの通信デバイス(または移動局またはユーザ機器(User Equipments、UE))において、例えばネットワーク接続したデバイスが情報のやり取りを行うことと、人間の手動支援なしに動作を実行することを可能にするマシンツーマシン(machine‐to‐machine、M2M)通信のシナリオにおいて、またはマシンタイプ通信(machine‐type communication、MTC)または1つのモバイルデバイスは(基地局を横断する通信パス、または基地局を横断しない通信パスのどちらかを用いることによって)別のモバイルデバイスとの通信を行うデバイスツーデバイス(device‐to‐device、D2D)通信、もしくはビークルツーエニシング(vehicle‐to‐anything、V2X)通信のシナリオにおいて実装されてよい。ビークルツーエブリシング(Vehicle-to-everything、V2X)通信は、車両から、車両に影響し得る任意のエンティティへおよび、エンティティから車両へ情報を流すことである。
ここで説明されるデバイスおよびシステムは、例えば「https://metis−ii.5g−ppp.eu/wp−content/uploads/publications/2016/2016−05−ICC−A−novel−state−model−for−5G−radio−access−networks.pdf」、「3GPP TR 23.799 − Study on architecture for next generation system, in particular Section 6.3.5 ‐ context cookie creation」、「3GPP TS 26.213 ‐進化型ユニバーサル地上無線アクセス (Evolved Universal Terrestrial Radio Access、 E−UTRA); Physical layer procedures」、および「3GPP LTE−V2X Technical Report: 3GPP 36.885: http://www.tech−invite.com/3m36/tinv−3GPP−36−885.html」による次世代(Next Generation、NG)無線ネットワークに従って設計されてよい。
説明されているデバイスおよびシステムは、集積回路および/またはパッシブを含んでよく、様々な技術によって製造されてよい。例えば、回路は論理集積回路、アナログ集積回路、混合信号集積回路、光回路、メモリ回路、および/または統合パッシブとして設計されてよい。
ここで説明されるデバイスは、無線信号を送信および/または受信するように構成されてよい。無線信号は、無線送信デバイス(または無線送信機または発信機)により、およそ3kHzから300GHzまでの範囲にある無線周波数で放射される無線周波数信号であってよく、または当該信号を含んでよい。周波数範囲は、電波を生成および検出するために用いられる交流電気信号の周波数に対応し得る。
本発明を詳細に説明すべく、以下の用語、略語および表記が用いられる。 RAN:無線アクセスネットワークRRC:無線リソース制御または無線リソース制御装置MTC:マシンタイプ通信(デバイス)M2M:マシンツーマシン(通信)D2D:デバイスツーデバイスV2X:ビークルツーエブリシングV2V:ビークルツービークルOFDM:直交周波数分割多重BS:基地局、eNodeB、eNB、無線セルUE:ユーザ機器、例えばモバイル通信デバイスまたはマシンタイプ通信デバイス4G:3GPP規格化による第4世代5G:3GPP規格化による第5世代LTE:ロングタームエボリューションRF:無線周波数DRX:不連続的な受信RLF:無線リンク障害SPS:半永続的なRA:ランダムアクセスCN:Core NetworkSRB:静的無線ベアラDRB:動的無線ベアラRTT:ラウンドトリップタイム
第1態様によると、本発明は、ユーザ機器(user equipment、UE)であって、UEと無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)との間で無線リソース制御(radio resource control、RRC)メッセージを送受信するように構成されている送受信機と、非輻輳状況がRANにより示される場合、RRCメッセージの第1シーケンスの処理に応じるUEの動作モードをアクティブ化するように構成されている無線リソース制御装置とを備え、無線リソース制御装置は、RANにより特殊状況、特に輻輳状況または省電力状況が示される場合、RRCメッセージの第2シーケンスの処理に応じるUEの動作モードをアクティブ化するように構成され、RRCメッセージの第2シーケンスの処理に対するレイテンシは、RRCメッセージの第1シーケンスを処理するためのレイテンシより少ない、ユーザ機器(UE)に関する。
第2シーケンスが、RRCメッセージの第1シーケンスより処理レイテンシの低い第2シーケンスを輻輳または省電力状況においてRRCメッセージの処理することにより、このレイテンシ低減はより速い処理につながり、従って輻輳の解決につながる。輻輳状態または低電力状況が終了すると、それがRANにより判定されUEに示され得て、UEは、より高いレイテンシ要求を有するRRCメッセージの第1シーケンス(RRCメッセージの第1シーケンスは、常に接続モードにあることを意味する)を処理するための通常状態に変化し得る。しかしながら、これらのより高いレイテンシ要求は通常状況において満され得る。通常状況では、輻輳が検出されることはなく、またはUEが低電力モードにあることもない。
第1態様によるUEの第1の可能な実装形態において、RRCメッセージの第1シーケンスを処理することは、ページングメッセージング、ランダムアクセス(random access、RA)メッセージング、RRCメッセージングおよびRANコンテキストフェッチングを含み、RRCメッセージの第2シーケンスを処理することは、RRCメッセージングおよびRANコンテキストフェッチングを含む。
これは、輻輳または低電力状況において、輻輳を軽減すべく、RRCメッセージングおよびRANコンテキストフェッチングである必要なメッセージのみが処理され、一方で、通常状況、即ち、輻輳でも低電力でもない状態では、UEの変化性を改善するために更なるメッセージが処理されるという利点を提供する。
そのような第1態様による、またはUEの第1の実装形態によるUEの第2の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、UEの動作モードをアクティブ化するレイテンシを低減すべく、RRCメッセージの第2シーケンスを処理する場合、ページングメッセージングおよびRAメッセージングを省略するように構成されている。
これは、ページングメッセージングおよびRAメッセージングを省略することが、輻輳を軽減すべく、輻輳または低電力状況にある場合、レイテンシを低減するという利点を提供する。これは、UEがトラフィックを待つ時間、およびページングを開始する時間を省く。
そのような第1態様による、またはUEの上述の実装形態のいずれかによるUEの第3の可能な実装形態においては、RANにUEをアタッチすることにより、特にRRC接続非アクティブモードからRRC接続モードへのUEの状態変化によりUEの動作モードがアクティブ化される。
これは、UEがRAN(接続モード)にアタッチされ、輻輳につながり得る多くのメッセージを受信している場合に輻輳の軽減が実行され得るという利点を提供する。もう一方の状況にある間は、UEがRANにアタッチされていない場合(接続非アクティブモード)であり、メッセージが受信されず、輻輳が起こることもないと考えられるので、輻輳の軽減は必要ではない。
UEの第3の実装形態によるUEの第4の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、RANにより輻輳状況または省電力状況が示される場合、RRC接続モードとRRC接続非アクティブモードとの間の周期的な遷移をアクティブ化するように構成されている。
これは、RRC接続モードとRRC接続非アクティブモードとの間の周期的な遷移が、基地局(またはRAN)が全ての輻輳したUEにデータを送信する機会を提供し、従って輻輳を軽減または少なくとも低減することに役立つという利点を提供する。
UEの第3または第4の実装形態によるUEの第5の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、RANにより輻輳状況または省電力状況が示される場合、無線ベアラ、特に少なくとも1つの静的無線ベアラ(static radio bearer、SRB)および/または少なくとも1つの動的無線ベアラ(dynamic radio bearer、DRB)を周期的にアクティブ化および解放するように構成されている。
これは、無線ベアラの周期的なアクティブ化および解放は、基地局(またはRAN)が全ての輻輳したUEにデータを送信する機会を提供し、従って輻輳を軽減または少なくとも低減することに役立つという利点を提供する。これは、過渡期間の間にSRBおよびDRBなどのリソースを利用しながら、輻輳したUEがネットワークにアクセスすることに役立つ。
UEの第3から第5の実装形態のいずれかによるUEの第6の可能な実装形態において、送受信機は、特にバッファステータス報告(buffer status report、BSR)情報およびタイミングアドバンス情報を含む測定報告をRRC接続モードのRANに送信して、RANが測定報告に基づいてRANコンテキスト更新することを可能にするように構成されている。
これは、測定報告を用いることによって、RANがRANコンテキストを更新できるという利点を提供する。したがって、現在のRANコンテキストを省き、後の段階で再取得することができる。RANコンテキストを更新する場合、RANはスクラッチから開始する必要がなく、これはシグナリングメッセージを省き、従ってレイテンシを低減する。
そのような第1態様による、またはUEの上述の実装形態のいずれかによるUEの第7の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、ステートマシンに基づいてUEの動作モードを変更するように構成され、ステートマシンは、RRCメッセージの第2シーケンスの処理と関連付けられる半永続(semi‐persistent、SPS)RRCモード、およびRRCメッセージの第1シーケンスの処理と関連付けられる通常RRCモードを含む。
これは、UEの動作モードのアクティブ化が、ステートマシンの実装により、例えばソフトウェアとしてアルゴリズムによって、またはハードウェアによって簡単に実行できるという利点を提供する。そのようなステートマシンは、UEとRANとの間の通信を簡単にモデル化できる。
UEの第7の実装形態によるUEの第8の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、RANにより輻輳状況または省電力状況が示される場合、SPS RRCモードを周期的にアクティブ化するように構成されている。
SPS RRCモードのこの周期的なアクティブ化は、輻輳を軽減すべく、輻輳したUEがネットワークにアクセスすることに役立つ。
UEの第8の実装形態によるUEの第9の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、第1タイマの第1タイマ終了イベントに応答してUEの動作モードを、SPS RRCモードから通常RRCモードに変更するように構成されている。
これは、SPS RRCモードと通常RRCモードとの間の遷移の周期が第1タイマを調整することにより設定され得るという利点を提供する。
UEの第9の実装形態によるUEの第10の可能な実装形態において、第1タイマはRANにより設定可能である。
これは、SPS RRCモードと通常RRCモードとの間の遷移の周期が、例えばトラフィック状況および事業者により決定される要求に応じて、RANにより設定され得るという利点を提供する。
UEの第7から第10の実装形態のいずれかによるUEの第11の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、UEがSPS RRCモードにある場合、UEの動作モードをRRC接続モードからRRC接続非アクティブモードに変更することを周期的にアクティブ化するように構成されている。
これは、RRC通常モードと同一の状態の「RRC接続モード」および「RRC接続非アクティブモード」がSPS RRCモードにおいても利用可能になり、これら2つの状態の間の遷移のみがRRC通常モードと異なるという利点を提供する。
UEの第11の実装形態によるUEの第12の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、第2タイマの第2タイマ終了イベントに応答して、UEの動作モードを、RRC接続非アクティブモードからRRC接続モードに変更するように構成されている。
これは、SPS RRCモードにおけるRRC接続非アクティブモードとRRC接続モードとの間の遷移の周期が第2タイマを調整することにより設定され得るという利点を提供する。
UEの第12の実装形態によるUEの第13の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、無線ベアラ、特に少なくとも1つの静的無線ベアラ(static radio bearer、SRB)および/または少なくとも1つの動的無線ベアラ(dynamic radio bearer、DRB)を、他のUEによる使用のために、第2タイマの作動中に解放するように構成されている。
これは、無線ベアラを解放することにより他の輻輳したUEがこれらの無線ベアラを取得して、RANにアタッチし、輻輳を解決できるという利点を提供する。
UEの第12または第13の実装形態によるUEの第14の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、第2タイマ終了イベントに応答して、RANとのRRC接続を再開するためにRANにRRC接続再開リクエストメッセージを送信するように構成されている。
これは、RANにRRC接続再開リクエストメッセージを送信することにより、UEがRRC SPSモードを制御し得る、即ち、UEで制御されるRRC SPSモードがRANで制御されるRRC SPSモードのそばに提供され得るという利点を提供する。
UEの第14の実装形態によるUEの第15の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、予め定義された無線リソースブロックおよび/またはグラントフリーサブキャリア多元接続(subcarrier multiple access、SCMA)に基づいてRRC接続再開リクエストメッセージを送信するように構成されている。
これは、他のUEに割り当てられている時間/周波数リソースと、物理層においてRRC接続再開リクエストメッセージが衝突する可能性が回避され得るという利点を提供する。したがって、緊急状況の間に必要になり得るネットワークへの速いアクセスが実現され得る。
第2態様によると、本発明は、ユーザ機器(user equipment、UE)、特に請求項1から16のいずれか一項に記載のUEとRANエンティティとの間の無線リソース制御(radio resource control、RRC)メッセージを送受信するように構成されている送受信機と、RANエンティティの特殊状況、特に輻輳状況または省電力状況を判定するように構成されている無線リソース制御装置とを含む無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)エンティティ、特に基地局(base station、BS)であって、無線リソース制御装置は、非特殊状況、特に非輻輳状況または非省電力状況をUEに示して、UEが、RRCメッセージの第1シーケンスの処理に応じるUEの動作モードをアクティブ化させることを可能にするように構成され、無線リソース制御装置は、特殊状況、特に輻輳状況または省電力状況をUEに示され得て、UEが、RRCメッセージの第2シーケンスの処理に応じるUEの動作モードをアクティブ化させることを可能にするように構成され、RRCメッセージの第2シーケンスの処理のためのレイテンシは、RRCメッセージの第1シーケンスの処理のためのレイテンシより少ないRANエンティティに関する。
第2シーケンスが、RRCメッセージの第1シーケンスより処理レイテンシの低い第2シーケンスを輻輳または省電力状況においてRRCメッセージの処理することにより、このレイテンシ低減はより速い処理につながり、従って輻輳の解決につながる。輻輳状態または低電力状況が終了すると、それがRANにより判定されUEに示され得て、UEは、より高いレイテンシ要求を有するRRCメッセージの第1シーケンス(RRCメッセージの第1シーケンスは、常に接続モードにあることを意味する)を処理するための通常状態に変化し得る。しかしながら、これらのより高いレイテンシ要求は通常状況において満され得る。通常状況では、輻輳が検出されることはなく、またはUEが低電力モードにあることもない。
第2態様によるRANエンティティの第1の可能な実装形態によると、無線リソース制御装置は、通信が行われる無線リソースにおけるエネルギーレベルを決定することに基づいて、特にチャネルビジー率(channel busy ratio、CBR)に基づいてUEのサイドリンク接続に対する輻輳を判定するように構成されている。これは、輻輳状況を検出する簡単且つ効果的な手段という利点を提供する。
そのような第2態様による、または第2態様の第1の実装形態によるRANエンティティの第2の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、UEからRANコンテキストをフェッチして、UEに対するRRC接続を再開するためにフェッチされたRANコンテキストの情報を用いるように構成されている。
これは、RANエンティティが、UEに対するRRC接続を再開するために、格納されたRANコンテキストを用いることができるという利点を提供する。格納されたRANコンテキストを用いることによって、RANはスクラッチから開始する必要がなく、これはシグナリングメッセージを省き、従ってレイテンシを低減させる。
そのような第2の態様による、または第2態様の第1の実装形態によるRANエンティティの第3の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、UEからRANコンテキストをフェッチして、他のUEにRANコンテキストにより示されるリソースを提供するためにフェッチされたRANコンテキストの情報を用いるように構成されている。
これは、RANエンティティが、フェッチされたRANコンテキストから情報を、他のUEにリソースを提供するために利用し得るという利点を提供する。したがって、他のUEと接続している場合、RANエンティティはスクラッチから開始する必要がなく、これはシグナリングメッセージを省き、従ってレイテンシを低減させる。
第2態様の第2または第3の実装形態によるRANエンティティの第4の可能な実装形態において、無線リソース制御装置は、UEからフェッチされたRANコンテキストの情報に基づいてRANにより格納されるRANコンテキストを更新するように構成されている。
これは、UEからフェッチされるRANコンテキストの情報に基づいてRANにより格納されたRANコンテキストを更新することにより、RANにより格納されたRANコンテキストは、RRC接続の実際状況を示すという利点を提供する。RANエンティティは、通信システムにおける変化にすぐに反応できる。
本発明の更なる実施形態が、以下の図に関連して説明される。
5G RAN設計によるUEの状態遷移を示す状態図100である。
LTE RAN設計によるUEの状態遷移を示す状態図200である。
5G RAN設計による、UE310と5G RAN320と5Gコアネットワーク(CN)330との間のメッセージングを示すメッセージシーケンス図300である。
本開示によるUEの状態遷移を示す状態図400である。
RRC SPSモード440がRAN320により制御される場合の、本開示による、UE310と5G RAN320と5Gコアネットワーク(CN)330との間のメッセージングを示すメッセージシーケンス図500である。
RRC SPSモード440がUE310により制御される場合の、本開示による、UE310と5G RAN320と5Gコアネットワーク(CN)330との間のメッセージングを示すメッセージシーケンス図600である。
本開示によるユーザ機器700を示す概略図である。
本開示によるRANエンティティ800、例えば基地局を示す概略図である。
以下の詳細な説明において、その一部分を形成する添付図面を参照し、本開示が実施され得る具体的態様を実例として示す。他の態様が利用されてよく、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的または論理的変更がなされてよいこととが理解される。以下の詳細な説明は、従って、限定的な意味にとらえられるべきものではなく、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
記載される方法に関してなされた解説はまた、当該方法を実行するように構成された対応するデバイスまたはシステムに関して当てはまる可能性があり、逆も同様であることと理解される。例えば、特定の方法の段階が説明される場合、対応するデバイスは、説明される方法の段階を実行するユニットを、そのようなユニットが明確に説明されていないまたは図面に示されていない場合であっても、含んでよい。さらに、ここで説明される様々な例示的態様の特徴は、具体的にそうでないことが示されない限り、互いに組み合わせられてよいことと理解される。
図1は、5G RAN設計によるUEの状態遷移を示す状態図100である。
ステートモデル100は、効率的なUEスリープ、スリープ状態からアクティブ状態への高速且つ軽量な遷移、および共同アクセス最適化を可能にする5Gアクセスのために導入される。ステートモデル100は、アイドルモード(RRC_IDLE)110、接続モード(RRC_CONNECTED)120、および接続非アクティブモード(RRC_CONNECTED_INACTIVE)130の3つの状態で構成される。ステートモデル100において、主に第1の初期アクセス(例えば、UEがネットワークにアタッチする場合)の間に、またはフォールバックの場合(例えば、デバイスおよび/またはネットワークが、前もって格納されたRANコンテキストを用いることができない場合)として、接続セットアップ111およびデタッチ/RLF121から、アイドルモード110から接続モード120に、そしてアイドルモード110に戻る状態遷移が発生すると予想される。その結果、この遷移はLTEの場合ほど多く発生しないは予想される。
一方で、接続非アクティブモード130から接続モード120に遷移し、接続非アクティブモード130に戻るトラフィック到達、ページング131およびRRC非アクティブタイマ122という遷移はかなり多く発生すると予想され、軽量且つ高速の遷移として最適化されるべきである。この最適化の手順の詳細は、以下に説明される。
無線リンク障害(Radio Link Failure、RLF)113という更なる遷移は、接続非アクティブモード130とアイドルモード110との間の遷移である。この遷移はほとんど発生しないと予想される。RLF113が起こる場合、UEはRRC接続再確立手順を開始し、RRC接続の解放について上位層に通知するものとする。
図2は、LTE RAN設計によるUEの状態遷移を示す状態図200である。現在、LTEは「アイドルモード」210、「接続モード」220、および「DRX状態」230、これらの3つの異なる状態をサポートする。アイドルモード210では、UE位置は、RANでは知られていなく、接続モード220では、UEは進行中のRAN接続を有する。アイドルモード210から接続モード220への移行はページングによるもので、接続セットアップ211およびアイドルモード210に戻る移行はデタッチング、RLFまたはRRC非アクティブタイマ221によるものである。
「アイドルモード」210において、UEがスリープ中の場合は、コアネットワーク(Core Network、CN)コンテキストのみが格納される。UEおよびネットワークは、この状態に移動する場合、RANコンテキスト情報を破棄する。UEは、トラッキングエリアレベルでのみネットワークに知られており、ネットワークに通知することなくトラッキングエリアに属するセル内において移動してよい。というものの、UEは、ネットワークにより提供される構成に基づくセルの再選択手順により最善なセルにキャンプするのであろう。
接続モード220において、UEはセルレベルで知られており、移動度は完全に(ハンドオーバーによって)ネットワークで制御される。RANコンテキストは存在する。この状態220において、DRX状態230への遷移(例えば、DRX非アクティブタイマ222に応じて)は、より有効なリソースの利用に係る、データバースト間のマイクロスリープ期間240のために用いられる。例えば、ウェブセッションの間に、ダウンロードされたウェブページをユーザが読んでいる間に、リソースを浪費して継続的にダウンリンクチャネル(例えば、PDCCH)をモニタリングするのではなく、DRXサイクルを短くすることで、データ転送が再開(トラフィック到達、ページング231)された場合、より速い応答を可能にし得る。一方で、トラフィック需要の不明確さによって、DRX状態230は、ネットワークがUEに到達したい場合(例えば、受信しているトラフィックがある場合)に遅延につながり得る。DRXサイクルは、UEがダウンリンクチャネルおよび物理信号をモニタリング(他のアクションの中でもとりわけページングによってネットワークがUEに到達できるように)する「on期間」およびUEがその受信機をオフに切り替えることができる場合の「スリープ期間」で構成される。
図3は、5G RAN設計による、UE310と5G RAN320と5Gコアネットワーク(Core Network、CN)330との間のメッセージングを示すメッセージシーケンス図である。
アクティブRRC接続311が、UE310と5G RAN320との間に確立した場合、この接続に関連するRANコンテキスト識別321は、図1に関連して上述した状態図100の接続モード120に従って、5G RAN320、および接続モード312にあるUE310に提供される。
UE310と5G RAN320との間のRRC接続が非アクティブ化される場合313、CN/RAN接続は5G RAN320とCN330との間で維持され、このRRC接続に関連するRANコンテキストは5G RAN320により格納323され、この接続に関連するRANコンテキスト識別314はUE310に提供される。
RRC接続の更なるアクティブ化のために、第1メッセージシーケンス328としてもここで称される、次のメッセージシーケンスが実行される。ページングメッセージ324が、5G RAN320からUE310に送出される。UE310は、ランダムアクセス(random access、RA)プリアンブル315を、5G RAN320に送出し、5G RAN320はRA応答325で応答する。SRB0メッセージおよびRANコンテキスト314のコンテキストIDを有するRRC接続要求再開メッセージ316が、UE310から5G RAN320に送出されて、5G RAN320がRANコンテキストをフェッチすること326を可能にする。次に5G RAN320は、静的無線ベアラ(static radio bearers、SRB)および動的無線ベアラ(dynamic radio bearers,DRB)の構成を有するRRC接続再開メッセージ327をUE310に送出し、UE310は、RRC接続再開完了メッセージ317で応答する。これは、新しいアクティブRRC接続318が確立されたことを示す。第1メッセージシーケンス328の、即ち、RRC接続の再アタッチに対するレイテンシは、ページング、RA遅延、RANコンテキストフェッチング遅延、およびRRCメッセージやり取りのための1.5ラウンドトリップタイム(round trip time、RTT)による期間(duration of)に相当する。
図1に関連して上述したRRC接続非アクティブモード130は、MTCのための拡張されたDRXモードの一部として、5G RAN2において議論中である。接続非アクティブモード130の間に、専用のSRBおよびDRB接続が解放されるが、RAN320とCN330との間の接続は、図3に示されるように保持322される。ページングメッセージ324がRAN320に到達した場合、接続要求再開316(再アクティブ化)が開始されて、SRBおよびDRBを再設定する。
接続非アクティブモード130から接続モード120への遷移は、トラフィック到着およびページング131に基づく。接続モード120から接続非アクティブモード130への遷移は、ユーザプレーントラフィックがないことをネットワークが偶然検出した場合のRRC非アクティブタイマ122に基づく。輻輳シナリオの間のページングおよびランダムアクセス(図3に示されるメッセージ324、315、325)によるレイテンシは、V2xの場合、非常に高い。
非アクティブタイマに依存し、ユーザデータが到達する場合にページングを開始する代わりに、輻輳シナリオの間に、より有効にRANメモリおよびトラフィックパターンを活用することにより、著しい改善が行われ得る。この改善は、図4から図6に関連して後述するように、「半永続モード」440と呼ばれる更なる状態を含む変更状態図400に関する。
図4は、本開示によるUEの状態遷移を示す状態図400である。
この状態図400は、図1に関連して上述した状態図100の状態および状態遷移を含み、さらに、図1に関連して上述した接続モード120および接続非アクティブモード130の2つの状態に対応する接続モード420および接続非アクティブモード430を含む「半永続(semi‐persistent、SPS)モード」440と呼ばれる追加の状態を含む。SPS RRCモード440は、第1タイマ(Timer1)に依存して輻輳の間に特定の間隔でアクティブ化441される。即ち、Timer1はSPS RRCモード440をアクティブ化する間隔を指定する。SPS RRCモード440において、接続モード420と接続非アクティブモード430との間の遷移は第2タイマ(Timer2)により制御される。タイマ2は、接続モード420から接続非アクティブモード430への遷移421の周期を指定する。タイマ2の満了431は、接続非アクティブモード430から接続モード420に戻る遷移につながる。
SPS RRCモード440の非アクティブ化443は、SPSモード440から通常状態図100の接続モード120に戻る遷移につながる一方、SPS RRCモード440における無線リンク障害(radio link failure、RLF)状況は、SPSモード440から通常状態図100のアイドルモード110に戻る遷移を引き起こす。
上述したSPS RRCモード440をアクティブ化させることにより、次の利点が実現され得る。重渋滞のシナリオにおいては、UEがほぼ静止しているかまたはゆっくり移動して、タイミングアドバンス(timing advance、TA)の非常に小さい変化につながり、BSが上記理由に起因する重い負荷を感知すると、半永続RRCモード440をトリガーし得る。別のシナリオでは、BSがSPS RRCモード440をトリガーして、省電力モードの間の周期的なダウンリンクおよびアップリンクの小データ送信をトリガーする。エネルギーの消費を最小化するために、SPS RRCモードはアクティブ化され得る。当該モードでは、MTCデバイスはネットワークからのページングメッセージをモニタリングすることを回避することで、周期的な状態遷移を行うことができる。図4に示されるように、半永続モード440は、RRC接続モード420と接続非アクティブモード430との間の周期的な遷移を管理する。半永続RRCモード440における専用のSRB&DRBの周期的なアクティブ化および解放は、BSが全ての輻輳したUEがデータを送信する機会を提供することを助けることができる。RANメモリおよび周期的なトラフィックパターンは、半永続RRCモード440をアクティブ化させることにより輻輳シナリオの間に活用される。周期的なSPSモード440は、過渡期間の間にSRB、DRB、制御チャネル/データチャネルなどのリソースを利用しながら、輻輳したUEがネットワークにアクセスするように助ける。
上述の状態図400を適用することにより、次の機能が実現され得る。半永続モード440は、接続モード420と接続非アクティブモード430との間の周期的な遷移を管理できる。SPSモード440は、過渡期間の間にSRB、DRB、制御チャネル/データチャネルなどのリソースを利用しながら輻輳したUEがネットワークにアクセスするように助ける。RAN、例えばRANの基地局は、UEからのバッファステータス報告で測定され得るパケットの到着に基づいてSPSタイマ周期を計算できる。
SPS RRCモード440は、アドミッション制御からの予め定義された閾値を有するRRC接続要求失敗の回数を計算することで、BSにより輻輳の間にトリガーされ得る。SPS RRCモードは、周期的なデータ送信のエネルギー節約目的のためにMTCデバイスに対してトリガーされることもできる。図5に関連して後述するようなRANに制御されるSPSモード、および図6に関連して後述するようなUEに制御されるSPSモードは、格納されたコンテキストで再アタッチするためにネットワークへの速いアクセスを提供し得る。即ち、図5および図6に関連して後述するように、ページングおよびRACH手順は必要ない。TA、BSRのような格納されたRANコンテキストは、SPSタイマ周期の適合を助け得る、UEからの測定報告で継続的に更新され得る。
図5は、RAN320によりRRC SPSモード440が制御される場合の本開示によるUE310、5G RAN320および5Gコアネットワーク(core network、CN)330の間のメッセージングを示すメッセージシーケンス図500を示す。SPSモード440は、図4に関連して上述した状態図400の状態440に対応する。
アクティブRRC接続311がUE310と5G RAN320との間に確立される場合、この接続に関連するRANコンテキスト識別321は5G RAN320に提供される。(図4に関連して上述したSPSモード440に対応する)SPSモード510がRAN320により設定される場合、第1タイマ(タイマ1)541は、図4に関連して上述したように、UE310と5G RAN320との間のRRC SPSタイマモードをアクティブ化511させる。次にUE310は、図4に関連して上述された状態図400の接続モード420に係る接続モード512になる。CN330とRAN320との間のCN/RAN接続は、図3に関連して上述したように維持322される。図4に関連して上述したように、第2タイマ(タイマ2)542は、SRBおよびDRBの解放514、および接続モード420から接続非アクティブモード430への遷移を開始する。したがって、UEは接続非アクティブモード515にあって、このRRC接続に関連するRANコンテキストは5G RAN320により格納521される。接続モード420から接続非アクティブモード430に遷移するこの過渡時間524の間に、リソースは5G RAN320により他の輻輳したUEに提供され得る。
第2タイマ542が、満了516する場合、RRC接続の更なるアクティブ化のためにここに第2メッセージシーケンス525とも称される次のメッセージシーケンスが実行される。5G RAN320はこのRRC接続のRANコンテキスト522をフェッチし、SRBおよびDRBの構成を有するRRC接続再開メッセージ523は5G RAN320からUE310に送出され、UE310はRRC接続再開完了メッセージ517で応答する。これは、新しいアクティブRRC接続518が確立されたことを示す。UEはRRC接続モード420に戻る。第2メッセージシーケンス525の、即ち、RRC接続の再アタッチに対するレイテンシは、RANコンテキストフェッチング522の遅延による期間に、およびRRCメッセージやり取り523、517のための1.0ラウンドトリップタイム(round trip time、RTT)に対応する。
上述のメッセージシーケンス図500を適用することにより、ネットワークの次の機能が実現され得る。RAN320は、特定の周期(タイマ1)541を有するRRC SPSタイマモードでUE310を構成する。そのためUE310は、接続非アクティブモード430と接続モード420との間を周期的に遷移できる。RANコンテキストはRAN320、例えば基地局に格納521されてよく、SRBおよびDRBは、BSがそれらのリソースを他の輻輳したUEに提供524できる間に、解放514されてよい。RAN320はSPSタイマの持続時間を制御できるため、RAN320は、格納されているRAN521コンテキストの知識からUE320に(SRB、DRBの構成を有する)RRC接続再開327を送出して再アタッチすることができる。基地局は、例えば、UEからのバッファステータス報告(Buffer status report、BSR)から測定され得る、例えばパケットの到着に基づいて、SPSタイマ周期(タイマ2)、542を計算してよい。BSRは、トラフィックの種類を提供し得る。UE310からのバッファステータス報告は、SPSタイマ542の周期を判定するために用いられ得る。RAN320は、UE310からの更新されたBSR報告に基づいてSPSタイマ542の周期を更新し得る。RAN320は、セキュリティキー、UE能力情報、および遷移期間中のタイミングアドバンス等のようなコンテキスト情報を格納し得る。接続非アクティブモード430から接続を再開することは、静止しているまたは低速で移動する車の状況が仮定されているので、ページングおよびRACH手順(図3に関連して上述したように)を再始動する必要がない。BSは、格納されたRANコンテキスト521を、BSRなどのUE310からの測定報告、周期的な接続モード420の間に格納されたRANコンテキスト521のUE310からのタイミングアドバンス情報で更新し、タイマ1(541)およびタイマ2(542)を適合させ得る。
図6は、UE310によりRRC SPSモード440が制御される場合の本開示によるUE310、5G RAN320および5Gコアネットワーク(core network、CN)330の間のメッセージングを示すメッセージシーケンス図600を示す。RRC SPSモード440は、図4に関連して上述した状態図400の状態440に対応する。
メッセージシーケンス図600のメッセージは、RRC SPSモード440がRAN320により制御される場合に、図5に関連して上述したメッセージシーケンス図500のメッセージに対応する。加えて、RRC接続再開リクエストメッセージ619が、RAN320をトリガーして第2メッセージシーケンス525の処理を実行するために、UEにより開始される。第2メッセージシーケンス525にUEからRANへのこの追加のメッセージを追加すると、拡張された第2メッセージシーケンス625になる。拡張された第2メッセージシーケンス625は、RRC接続再開リクエストメッセージ619、RANコンテキストフェッチング522、SRBおよびDRBの構成を有するRRC接続再開メッセージ523、およびRRC接続再開完了メッセージ517を含む。この拡張された第2メッセージシーケンス625のレイテンシ、即ち、RRC接続の再アタッチのレイテンシは、RANコンテキストフェッチング522の遅延、およびRRCメッセージやり取り619、523、517の1.5ラウンドトリップタイム(round trip time、RTT)による期間に相当する。即ち、拡張された第2メッセージシーケンス625による期間は、追加のRRC接続再開リクエストメッセージ619によって、図5に説明されているRANで制御されるRRC SPSモードの第2メッセージシーケンス525による期間より、ラウンドトリップタイムの半分だけ長い。
上述したメッセージシーケンス図600を適用することにより、ネットワークの次の機能が実現され得る。RAN320、例えばRAN320の基地局(base station、BS)が、例えばC-V2xの予め定義された閾値に対するRRC接続要求失敗を計算することにより輻輳を感知すると、RRC SPSモード440、510はアクティブ化され得る。PC5の場合、D2D UEからのチャネルビジー率(Channel busy ratio、CBR)測定報告が、例えば後述するように、例えば、輻輳を感知するために用いられ得る。接続ユーザの最大数が実現されると、BSのアドミッション制御アルゴリズム はUEの接続要求を拒絶する可能性がある。(レイテンシ、信頼性に関連する)特定のサービスの品質(quality of service、QoS)の目標を維持することもV2xに非常に重要である。図6に示されるように、UEで制御されるRRC SPSモードでは、SPSタイマ542、即ち、タイマ2の満了後に、UE310は接続を再開するためにRRC接続再開リクエスト619をBSに送出できる。このRRCメッセージは、しかしながら、他のUEに割り当てられている時間/周波数リソースとの物理層における衝突をもたらす可能性がある。したがって、予め定義されたリソースブロック(resource blocks、RB)またはグラントフリーSCMAが、RRC接続再開リクエスト619を送信するために必要になる可能性がある。このメッセージ619は、例えば緊急状況の間に必要とされると、ネットワークに速くアクセスするために用いられ得る。
チャネル占有レベルは、通信が行われる無線リソースにおいてエネルギーレベルを測定することにより取得され得る。ベースラインとして、チャネルビジー率(Channel Busy Ratio、CBR)と呼ばれる測定が、次の通りに定義および判定され得る。受信信号のNp個のプローブは、測定間隔Tm内で均等に分散されると見なされる。(長さがTpの)全てのチャネルプローブについて、平均信号レベルSが決定される。CBRは受信信号レベルの閾値Sthに対して測定され、次のように示される。
代表的な実装において、上記パラメータに対する限定値は次の通りであり得る。
図7は、本開示によるユーザ機器(User Equipment、UE)700を示す概略図である。UEは、図3から図6に関連して上述したUE310に対応してよい。UE700は、送受信機701および無線リソース制御装置(radio resource controller、RRC)702を含む。
送受信機701は、UE700と無線アクセスネットワークRAN、例えば図3から6に関連して上述した5G RAN320の間で無線リソース制御(radio resource control、RRC)メッセージを送受信するように構成されている。
無線リソース制御装置702は、RANにより非輻輳状況が示される場合、RRCメッセージの第1シーケンス、例えば図3に関連して上述した第1シーケンス328の処理に応じるUE700の動作モードをアクティブ化するように構成されている。無線リソース制御装置702は、RANにより特殊状況、特に輻輳状況または省電力状況が示される場合、RRCメッセージの第2シーケンス、例えば図5に関連して上述した第2シーケンス525または図6に関連して上述した拡張された第2シーケンス625の処理に応じるUE700の動作モードをアクティブ化するように構成されている。RRCメッセージの第2シーケンス525、625の処理に対するレイテンシは、RRCメッセージの第1シーケンス328の処理に対するレイテンシより低い。
RRCメッセージの第1シーケンス328の処理は、例えば図3に関連して上述したように、ページングメッセージング324、ランダムアクセス(random access、RA)メッセージング315、325、RRCメッセージング316、327、317、およびRANコンテキストフェッチング326を含んでよい。RRCメッセージの第2シーケンス525、625の処理は、例えば図5および図6に関連して上述したように、RRCメッセージング523、517、619およびRANコンテキストフェッチング522を含んでよい。
無線リソース制御装置702は、UE700の動作モードをアクティブ化するためのレイテンシを低減させるべく、RRCメッセージの第2シーケンス525、625を処理する場合、ページングメッセージング324およびRAメッセージング315、325を省略するように構成されてよい。
UE700の動作モードは、例えば図4に関連して上述したように、UE700をRANにアタッチすること、特にRRC接続非アクティブモード130、430からRRC接続モード120、420へのUE700の状態変化によりアクティブ化されてよい。
無線リソース制御装置702は、RANにより輻輳状況または省電力状況が示される場合、RRC接続モード420とRRC接続非アクティブモード430との間の周期的な遷移をアクティブ化するように構成されてよい。
無線リソース制御装置702は、RANにより輻輳状況または省電力状況が示される場合、無線ベアラ、特に少なくとも1つの静的無線ベアラ(static radio bearer、SRB)および/または少なくとも1つの動的無線ベアラ(dynamic radio bearer、DRB)を周期的にアクティブ化および解放するように構成されてよい。
送受信機701は、特にバッファステータス報告(buffer status report、BSR)情報およびタイミングアドバンス情報を含む測定報告をRRC接続モード420においてRANに送信して、RANが測定報告に基づいてRANコンテキスト521を更新することを可能にするように構成されてよい。
無線リソース制御装置702は、ステートマシン、例えば図4に関連して上述したようにステートマシン400に基づいてUE700の動作モードを変更するように構成されてよく、このステートマシン400は、RRCメッセージの第2シーケンスの処理525、625と関連付けられる半永続(semi-persistent、SPS)RRCモード440、およびRRCメッセージの第1シーケンス328の処理と関連付けられる通常RRCモード100を含む。
無線リソース制御装置702は、RANにより輻輳状況または省電力状況が示される場合、SPS RRCモード440を周期的にアクティブ化させるように構成されてよい。
無線リソース制御装置702は、例えば図4から図6に関連して上述したように、第1タイマ541の第1タイマ終了イベントに応答して、UE700の動作モードをSPS RRCモード440から通常RRCモード100に変更するように構成されてよい。第1タイマ541は、RANにより設定可能であってよい。
無線リソース制御装置702は、UE700がSPS RRCモード440にある場合、UE700の動作モードが、RRC接続モード420からRRC接続非アクティブモード430へ変化することを周期的にアクティブ化するように構成されてよい。
無線リソース制御装置702は、例えば図4から図6に関連して上述したように、第2タイマ542の第2タイマ終了イベントに応答して、UE700の動作モードをRRC接続非アクティブモード430からRRC接続モード420に変更するように構成されてよい。
無線リソース制御装置702は、例えば図5から図6に関連して上述したように、無線ベアラ514、特に少なくとも1つの静的無線ベアラ(static radio bearer、SRB)および/または少なくとも1つの動的無線ベアラ(dynamic radio bearer、DRB)を、他のUEによる使用のために、第2タイマ542の作動中に解放するように構成されてよい。
無線リソース制御装置702は、例えば図6に関連して上述したように、第2タイマ終了イベントに応答して、RANとのRRC接続を再開するために、RANにRRC接続再開リクエストメッセージ619)を送信するように構成されてよい。
無線リソース制御装置702は、予め定義された無線リソースブロックおよび/またはグラントフリーサブキャリア多元接続(subcarrier multiple access、SCMA)に基づいてRRC接続再開リクエストメッセージ619を送信するように構成されてよい。
図8は、本開示によるRANエンティティ800、例えば基地局を示す概略図である。RANエンティティ800は、図3から図6に関連して上述した5G RAN320に対応してよい。RANエンティティ800は、送受信機801および無線リソース制御装置(radio resource controller、RRC)802を含む。
送受信機801は、ユーザ機器UE、特に図7に関連して上述したような、UE700とRANエンティティ800と間で無線リソース制御(radio resource control、RRC)メッセージを送受信するように構成されている。
無線リソース制御装置802は、RANエンティティ800の特殊状況、特に輻輳状況または省電力状況を判定するように構成されている。無線リソース制御装置802は、例えば図3および図7に関連して上述したように、非特殊状況、特に非輻輳状況または非省電力状況をUE700に示すように構成され、UE700がRRCメッセージの第1シーケンス328の処理に応じるUE700の動作モードをアクティブ化することができるようにする。無線リソース制御装置802は、例えば図4、図5および図7に関連して上述したように、UE700に特殊状況、特に輻輳状況または省電力状況を示すように構成され、UE700がRRCメッセージの第2シーケンス525、625の処理に応じるUE700の動作モードをアクティブ化することができるようにする。RRCメッセージの第2シーケンス525、625の処理に対するレイテンシは、RRCメッセージの第1シーケンス328の処理に対するレイテンシより低い。
無線リソース制御装置802は、例えば、図6に関連して上述したように、通信が行われる無線リソースにおけるエネルギーレベルを決定することに基づいて、特にチャネルビジー率(channel busy ratio、CBR)に基づいてUE700のサイドリンク接続に対する輻輳を判定するように構成されてよい。
無線リソース制御装置802は、例えば図4から図7に関連して上述したように、UE700とのRRC接続を再開327するために、UE700からRANコンテキスト326をフェッチし、フェッチされたRANコンテキスト326の情報を用いるように構成されてよい。無線リソース制御装置802は、例えば図4から図7に関連して上述したように、RANコンテキスト326により示されるリソースを他のUEに提供するために、UE700からRANコンテキスト326をフェッチし、フェッチされたRANコンテキスト326の情報を用いるように構成されてよい。無線リソース制御装置802は、例えば図4から図7に関連して上述したように、UE700からフェッチされたRANコンテキスト326の情報に基づいて、RANにより格納されたRANコンテキスト323を更新するように構成されてよい。
本開示は、無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)の輻輳を緩和する方法もサポートする。方法は、次の段階を含む。RANにより非輻輳状況が示される場合、例えば図3に関連して上述したようにRRCメッセージの第1シーケンス328の処理に応じるUEの動作モードをアクティブ化する段階、および、RANにより特殊状況、特に輻輳状況または省電力状況が示される場合、例えば図5および図6に関連して上述したようにRRCメッセージの第2シーケンス525、625の処理に応じるUEの動作モードをアクティブ化する段階であって、RRCメッセージの第2シーケンス525、625の処理に対するレイテンシはRRCメッセージの第1シーケンス328の処理に対するレイテンシより低いアクティブ化する段階。
本開示は、コンピュータ実行可能コードまたはコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラム製品もサポートし、当該コードまたは命令は、実行されると、少なくとも1つのコンピュータに、ここで説明される実行段階および計算段階、特に上述した方法の段階を実行させる。そのようなコンピュータプログラム製品は、コンピュータによる使用のためにプログラムコードを格納する可読非一時的記憶媒体を含んでよい。プログラムコードは、ここで説明される処理段階および計算段階、特に上述した方法を実行してよい。
本開示の特定の特徴または態様がいくつかの実装のうち1つのみに関連して開示されたものであってよい一方、そのような特徴または態様は、任意の所与または特定の用途に所望され有利となり得るように、他の実装の1または複数の他の特徴または態様と組み合わされてよい。更に、用語「含む」、「有する」、「伴う」、またはそれらのその他の変形が、発明を実施するための形態または請求項のいずれかにおいて用いられる範囲内で、そのような用語は、用語「備える」と同様な態様で包括的であることが意図されている。また、用語「代表的な」、「例えば(for example)」、および「例えば(e.g.)」は、最善または最適であることを意味するのではなく、単に一例であることを意味するに過ぎない。用語「結合」および「接続」は、派生語と共に用いられていてよい。これらの用語は、2つの要素が、物理的または電気的に直接接触しているかまたは互いに直接接触していないかに関わらず、互いに協働または相互作用することを示すために用いられていてよいことを理解されたい。
ここに具体的態様が示されて説明されてきたが、当業者であれば、様々な代替的および/または等価的な実装が、本開示の範囲から逸脱することなく、示され説明された具体的態様の代わりとなり得ることを理解されよう。本出願は、ここに説明される具体的態様の任意の適用例または変形例を包含することを意図している。
以下の特許請求の範囲の要素は、対応する符号と共に特定の順序で記載されるが、特許請求の範囲の記載が、それらの要素の一部または全てを実装するための特定の順序を示唆しない限り、それらの要素は当該特定の順序で実装されるように限定することを必ずしも意図するわけではない。
上記の教示を考慮して、多くの代替例、変更例、および変形例は、当業者であれば明らかであろう。もちろん、当業者であれば、本発明の多数の用途はここに説明されたものを越えて存在することを容易に認識する。本発明は、1または複数の特定の実施形態に関連して説明されているが、当業者であれば、多くの変更が本発明の範囲から逸脱することなくなされ得ることを認識する。従って、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内で、本発明は、ここに具体的に説明された以外の態様で実施され得ることを理解されたい。