JP2020139821A - 検査装置、検査システム及び検査方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、線状の偏光光源に代えて、面状の偏光光源によって検査対象を照射する検査技術が提案されている(特許文献2参照)。提案された技術では、面状光源の鏡面反射をカメラで撮影した画像を解析(非特許文献1、非特許文献2参照)することで、表面粗さパラメタを算出する。しかしながら、検査対象が立体形状を有する場合、鏡面反射をカメラが受光できない場合があり、このような場合、表面粗さパラメタの精度が悪い場合があった。
検査システム1は、照射部10、偏光フィルタ20、撮像装置40、検査装置50及び検査システム制御部60を備える。
照射部10が備えるディスプレイ機能は、複数の光源部101の一部又は全部による光の放射によって実現される。
照射部10による表示画像の表示とは、照射部10が備える複数の光源部101のうち、表示画像と同様の形状に位置する一部又は全ての光源部101が光を放射する動作である。
照射部10が線状画像表示動作を実行する場合には、照射部10が単一点表示動作を実行する場合よりも、検査対象9の広い範囲が一度に照射される。
単一点表示動作は、例えば、照射部10が備える複数の光源部101のうち、所定の円周内に位置する一部又は全ての光源部101が光を放射する動作である。
例えば、偏光フィルタ20は、検査対象9に入射した光1Lの反射光又は散乱光である二次光が入射すると、偏光方向がフィルタ方向と一致する偏光を出射する。偏光フィルタ20が回転することで、フィルタ方向が変更される。検査システム1においては、フィルタ方向の変更によって偏光フィルタ20に入射する光の偏光方向依存性が測定される。なお、偏光フィルタ20は、フィルタ方向を変更可能であればどのような仕組みでフィルタ方向を変更してもよく、必ずしも回転することでフィルタ方向を変更する必要は無い。
参考文献1:特開2017−017563号公報
参考文献2:特開2014−57231号公報
参考文献3:特開2012−80065号公報
CPU501は、メモリ502又は補助記憶装置503に記憶されたプログラムを実行することによって検知部51として機能する。検知部51は、画像集合情報に基づいて、検査対象9の外観の不良箇所を検知する。検査対象9の外観の不良箇所を検知するとは、検査対象9の外観に不良箇所があるか否かを判定する処理と、不良箇所があると判定された場合に不良箇所の位置を特定する処理とを検知部51が実行することである。
なお、撮像装置40は、被照射面の全てを撮影できる距離に位置することが、より望ましい。このような場合、1度の撮影で検査できる面積が最大になり、検査に要する時間が短くなる。以下、第1理想位置関係のうち、撮像装置40が被照射面の全てを撮影できる距離に位置する位置関係を、第2理想位置関係という。
図2は、実施形態の検査システム1に係る原理の概要を説明する説明図である。図2において、照射部10aは、液晶ディスプレイである。図2において、検査対象9は透明又は半透明の物体である。
検査システム1においては、まず複数のフィルタ方向ごとの画像集合情報が取得される。以下、複数のフィルタ方向ごとの画像集合情報を、フィルタ透過結果という。
参考文献4: Lawrence B Wolff and Terrance E. Boult 「Constraining object features using a polarization reflectance model」, IEEE Trans. PAMI, 1991年
表面粗さパラメタσは、例えば、所定の反射モデルにおける表面粗さを表す値である。所定の反射モデルとは、たとえば簡略化したトランス・スパロウモデルや、検査対象面の表面粗さパラメタの異方性を考慮したウォードモデル、フォンモデル、ラフォーチュンモデル等である。所定の反射モデルにおける表面粗さを表す値は、例えば、簡略化したトランス・スパロウモデルにおける表面粗さを表すパラメタであってもよい。
以下、説明の簡単のため、表面粗さパラメタσは、値が大きいほど表面が粗いことを表すと仮定する。
参考文献5: K. E. Torrance and E. M. Sparrow, “Theory for off-specular reflection from roughened surfaces”, Journal of the Optical Society of America, Vol.57, No.9, pp.1105-1114, 1967年
なお、検査対象9の鏡面反射率Ksは、例えば、以下に記載の参考文献6又は参考文献7に記載の方法によって屈折率1.567の表面平滑なガラスの鏡面反射率に基づき算出される。
参考文献6:「日本工業規格 鏡面光沢度−測定方法」 JIS Z 8741:1997
参考文献7:「日本工業規格 塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第7節:鏡面光沢度」 JIS K 5600−4−7:1999
以下、不良画素判定部514が、不良画素では無いと判定した画素を正常画素という。すなわち、正常画素は、表面粗さパラメタσが粗さ基準値未満の画素である。
このような場合、画素と受光素子401とを対応付ける予め定められた情報(以下「対応情報」という。)が補助記憶装置503に記憶されていれば、検知部51は、必ずしも、画像生成部511を備える必要は無い。なお、対応情報は、必ずしも補助記憶装置503に記憶されている必要は無く、検査装置50の動作のたびに対応情報を記憶する外部装置(不図示)から入力部504を介して入力されてもよい。
検査システム制御部60の制御によって、照射部10が動作し、光を照射する(ステップS101)。
検査システム制御部60の制御によって、照射部10、偏光フィルタ20及び撮像装置40が動作し、撮像装置40が、偏光フィルタ20の複数のフィルタ方向の各々について画像集合情報を生成する(ステップS102)。
表面粗さ算出部513が、位置波長スペクトル情報に基づいて検査対象画像の画素ごとに、検査対象9の表面粗さパラメタσの値を算出する(ステップS104)。
具体的には、不良画素判定部514は、画素ごとに、表面粗さパラメタσが各画素の粗さ基準値以上であるか否かを判定する。不良画素判定部514は、表面粗さパラメタσが各画素の粗さ基準値以上である画素を、不良画素であると判定する。不良画素判定部514は、表面粗さパラメタσが各画素の粗さ基準値未満である画素を、正常画素であると判定する。
図5の実験結果を与える実験系において、照射部10は液晶ディスプレイであった。図5の実験結果を与える実験系において、検査対象9が摺りガラスであった。図5の実験結果を与える実験系において、撮像ユニット41は、LUCID社製のVP−PHX050S−Pであった。図5の実験結果を与える実験系において、照射部10、検査対象9及び撮像ユニット41の位置関係は、第2理想位置関係であった。
図6は、変形例における検査システム1aの機能構成の一例を示す図である。
検査システム1aは、撮像部駆動部70を備える点で、検査システム1と異なる。
以下、検査システム1と同様の機能を有するものについては、図1と同じ符号を付すことで説明を省略する。
図7は、変形例における復元部516の一例を示す図である。
復元部516は、多重化計測の方法によって、1つの光源部101のみが光を放射した場合における受光素子401ごとの波長スペクトルを取得する。多重化計測の方法とは、例えば、以下に記載の参考文献8に開示された方法であってもよい。
参考文献8:Yoav Y. Schechner, Shree K. Nayar and Peter N. Belhumeur 「A Theory of Multiplexed Illumination」, Proceedings of the Ninth IEEE International Conference on Computer Vision (ICCV’03), 0-7695-1950-4/03, 2003年
図8の横軸は、なす角βを表す。図8の縦軸は、光強度を表す。図8は、所定の画素におけるなす角βと鏡面反射成分の光強度との関係を示す。図8は、所定の画素におけるなす角βと複数の反射成分の光強度との関係を示す。図8は、なす角βの変化に応じて、鏡面反射成分の光強度が変化することを示す。
また、図8は、βが3.5度近傍で最大となるピークを有することを示す。以下、なす角β対する光強度を示す情報(例えば、図8に示すグラフ)をなす角スペクトルという。なす角スペクトルは、図8が示すように光強度を最大にするピークを有する。
このように、なす角スペクトルのピークの形状は、表面の粗さに応じた形状である。そのため、表面粗さパラメタσは、なす角スペクトルのピークの形状を表す値であってもよい。
なお、なす角スペクトルの形状を表す値は、例えば、なす角スペクトルのピークの半値幅であってもよいし、ピークの強度であってもよい。
ピークの半値幅を用いる場合は、鏡面反射率を別に求める必要はない。
図10は、変形例における検知部51bの機能構成の一例を示す図である。検知部51bは、画像生成部511に代えて画像生成部511bを備える点と、分離部512に代えて分離部512bを備える点と、表面粗さ算出部513に代えて表面粗さ算出部513bを備える点とで、検知部51と異なる。以下、検知部51と同様の機能を有するものについては、図3と同じ符号を付すことで説明を省略する。
検査システム制御部60の制御によって、照射部10、偏光フィルタ20及び撮像装置40bが動作し、撮像装置40bが、大画像集合情報を生成する(ステップS202)。
表面粗さ算出部513bが、大位置波長スペクトル情報に基づいて検査対象画像の画素ごとに、検査対象9の表面粗さパラメタσの値を算出する(ステップS204)。
Claims (8)
- 所定の面内に位置し所定の偏光方向の直線偏光の光を放射する複数の光源部、を備える照射部と、
前記照射部が照射した前記光が検査対象によって鏡面反射、拡散反射又は表面下散乱した前記光を二次光として、偏光フィルタによって抽出された偏光であって前記二次光のうちの複数の偏光方向の偏光を受光し、受光した前記偏光の強度に基づいて予め定められた複数の光波長ごとの二次元画像の画像データの集合である画像集合情報を各前記偏光方向ごとに生成する撮像部と、
前記撮像部が生成した複数の前記画像集合情報に基づいて、鏡面反射光の波長スペクトルを取得する分離部と、
前記分離部が取得した前記波長スペクトルに基づいて、前記検査対象の表面粗さを表す表面粗さパラメタを算出する表面粗さ算出部と、
を備える検査装置。 - 前記表面粗さ算出部は、各前記偏光方向ごとの前記波長スペクトルに基づき、前記表面粗さパラメタを算出する、
請求項1に記載の検査装置。 - 前記表面粗さパラメタは、所定の反射モデルにおける表面粗さパラメタである、
請求項2に記載の検査装置。 - 前記所定の反射モデルは、簡略化したトランス・スパロウモデルである、
請求項3に記載の検査装置。 - 多重化計測の方法によって、複数の前記光源部の1つだけが光を放射した場合における、前記二次光の波長スペクトルを取得する復元部、
をさらに備える、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の検査装置。 - 簡略化したトランス・スパロウモデルにおける前記照射部の方向と前記撮像部の方向とのなす角の二等分方向と前記検査対象の物体法線の方向とのなす角をなす角βとして、前記表面粗さパラメタは、前記撮像部が受光する前記強度の前記なす角βに対する依存性を示す情報であるなす角スペクトルにおける前記強度のピークの形状を表す値である、
請求項2に記載の検査装置。 - 所定の面内に位置し所定の偏光方向の直線偏光の光を放射する複数の光源部、を備える照射部と、
所定の偏光方向の偏光を抽出する偏光フィルタと、
前記照射部が照射した前記光が検査対象によって鏡面反射、拡散反射又は表面下散乱した前記光を二次光として、前記偏光フィルタによって抽出された偏光であって前記二次光のうちの複数の偏光方向の偏光を受光し、受光した前記偏光の強度に基づいて予め定められた複数の光波長ごとの二次元画像の画像データの集合である画像集合情報を各前記偏光方向ごとに生成する撮像部と、
前記撮像部が生成した複数の前記画像集合情報に基づいて、鏡面反射光の波長スペクトルを取得する分離部と、
前記分離部が取得した前記波長スペクトルに基づいて、前記検査対象の表面粗さを表す表面粗さパラメタを算出する表面粗さ算出部と、
を備える検査システム。 - 所定の面内に位置し所定の偏光方向の直線偏光の光を放射する複数の光源部、を備える照射部が前記光を照射する照射ステップと、
前記照射部が照射した前記光が検査対象によって鏡面反射、拡散反射又は表面下散乱した前記光を二次光として、偏光フィルタによって抽出された偏光であって前記二次光のうちの複数の偏光方向の偏光を受光し、受光した前記偏光の強度に基づいて予め定められた複数の光波長ごとの二次元画像の画像データの集合である画像集合情報を各前記偏光方向ごとに生成する撮像ステップと、
前記撮像ステップにおいて生成された複数の前記画像集合情報に基づいて、鏡面反射光の波長スペクトルを取得する分離ステップと、
前記分離ステップにおいて取得された前記波長スペクトルに基づいて、前記検査対象の表面粗さを表す表面粗さパラメタを算出する表面粗さ算出ステップと、
を有する検査方法。
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