JP2020120322A - 距離画像符号化装置およびそのプログラム、ならびに、距離画像復号装置およびそのプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
従来、距離画像の符号化は、基本的に、動き補償をベースとした撮影画像の符号化方式をそのまま適用している。また、撮影画像の符号化方式を適用しつつ、撮影画像と距離画像との統計的性質の違い、例えば、撮影画像の方が距離画像より高周波成分が多い等に着目して、撮影画像と距離画像とで量子化のパラメータを変えて符号化する手法(非特許文献3参照)や、画質に影響する領域境界の距離画像の圧縮を抑える手法(非特許文献4参照)が開示されている。
また、撮影画像の符号化方式には、伝送路や受信装置(復号装置)の仕様により、階層的に圧縮効率を変えて符号化を行う手法が存在する(特許文献1,2、非特許文献5参照)。
しかし、従来の階層化手法をそのまま距離画像に適用すると、奥行きに関係なく距離画像を単に空間的に階層化することになる。
また、人の奥行感度は、視点からの距離が近い領域については感度が高く、視点からの距離が遠い領域については感度が低いことが知られている(以下の参考文献)。
(参考文献)長田、「視覚の奥行距離情報とその奥行感度」、一般社団法人映像情報メディア学会、テレビジョン、Vol.31、No.8、pp.649-655(1977)
そのため、距離画像を単に空間的に階層化しただけでは、伝送路の帯域が狭い場合、受信装置の性能が低い場合等、すべての階層が復号されない再生画像において、視点からの距離が近い領域で画質の劣化が目立ってしまうという問題がある。
そして、距離画像符号化装置は、ローカル復号手段によって、量子化係数を逆量子化し、周波数成分を逆変換することで、復号側で復号される距離画像の復号画像を再現する。
また、距離画像符号化装置は、領域区分手段によって、予め設定された奥行範囲ごとに、距離画像の領域を区分する。
そして、距離画像符号化装置は、奥行別差分画像生成手段によって、復号差分画像から、領域区分手段で区分された領域ごとの画像を奥行別差分画像として生成する。
これによって、距離画像を荒く符号化した基本レイヤ符号化ストリームと、荒く符号化した距離画像と元の距離画像との差分を細かく符号化した奥行範囲ごとの複数の拡張レイヤ符号化ストリームとによって、奥行範囲ごとに階層的に符号化したストリームが生成されることになる。
なお、距離画像符号化装置は、コンピュータを、前記した各手段として機能させるためのプログラムで動作させることができる。
また、距離画像復号装置は、拡張レイヤ復号手段によって、複数の拡張レイヤ符号化ストリームを、符号化側と同じ小さい第2量子化ステップを用いて復号し、複数の拡張レイヤ復号画像を生成する。これによって、基本レイヤ符号化ストリームとして符号化された距離画像と元の距離画像との差分が細かい諧調のレベルまで精度よく再現されることになる。
これによって、距離画像復号装置は、階層的に符号化ストリームを復号することができる。
なお、距離画像復号装置は、コンピュータを、前記した各手段として機能させるためのプログラムで動作させることができる。
本発明によれば、距離画像を奥行範囲ごとに階層的に符号化/復号することができる。これによって、本発明は、伝送路の帯域に応じて階層数を限定したり、距離画像復号装置のCPUパワー等の性能に応じて奥行範囲に優先順位を付けて復号することが可能な符号化ストリームを生成することができる。
〔距離画像符号化装置の構成〕
図1を参照して、本発明の実施形態に係る距離画像符号化装置1の構成について説明する。
距離画像は、被写体を撮影した被写体空間における視点位置から被写体までの距離を、画素ごとに予め定めた奥行最小値から奥行最大値までの範囲に割り当てた画素値で表した画像である。なお、被写体を撮影した撮影画像が静止画像であれば、距離画像は1枚の画像である。また、撮影画像が動画像であれば、距離画像も撮影画像のフレームに対応した画像となる。
図2(a)に示すように、距離画像は、被写体空間上の被写体(ここでは、O1〜O3)をカメラ(3眼カメラ)Cで撮影した画像のうち2枚の画像(ステレオ画像)の視差に応じて画素ごとに画素値を割り当てることで生成することができる。
カメラCは、左眼カメラCLと中央カメラCCと右眼カメラCRとを備え、それぞれを水平方向に等間隔に配置して構成している。
中央カメラCCは、撮影画像として被写体を撮影するカメラである。
左眼カメラCLおよび右眼カメラCRは、視差を求めるための画像を撮影するカメラである。
例えば、図2(b)の撮影画像Pに対応する奥行情報は、図2(c)のグレー画像で表される距離画像Dとなる。
ここでは、距離画像Dは、視点位置に近いほど白く、視点位置から遠いほど黒く表示している。例えば、距離画像の諧調を256階調としたとき、距離画像は、奥行最小値を“0”、奥行最大値を“255”とする。
なお、ここでは、距離画像をカメラCで撮影したステレオ画像から生成したものとしたが、投射したレーザの往復時間から距離を測定する距離画像センサ等、一般的な手法によって取得したものでもよい。
図1に示すように、距離画像符号化装置1は、閾値設定手段10と、領域区分手段11と、基本レイヤ符号化手段12と、ローカル復号手段13と、復号差分画像生成手段14と、奥行別差分画像生成手段15と、拡張レイヤ符号化手段16と、ストリーム結合手段17と、を備える。
この閾値設定手段10は、距離画像において、最も小さい奥行値を探索し、その奥行値に予め定めた値を加算した奥行値を、第1の閾値T1と設定する。
これによって、視点位置(奥行最小値)からの距離が最も近い被写体を含んだ奥行範囲を特定することができる。
すなわち、閾値設定手段10は、閾値T1を設定後、以下の式(1)により、閾値Ti(iは2以上奥行階層数未満の整数)を設定する。なお、Dmaxは奥行最大値を示し、nは奥行階層数を示す。
閾値設定手段10は、設定した閾値(T1〜T3)を領域区分手段11に出力する。
なお、入力される距離画像が動画像に対応した連続したフレームで構成されている場合、閾値設定手段10は、フレームごとに閾値を設定することとしてもよいし、最初のフレームだけで閾値を設定することとしてもよい。
また、最も直近に配置される被写体までの距離が既知であれば、閾値設定手段10は、外部から、閾値T1を入力することとしてもよい。
この領域区分手段11は、奥行範囲ごとに、距離画像の対応する奥行値を有する画素の集合を、奥行範囲に対応する領域を示す領域情報とする。
ここでは、領域区分手段11は、奥行範囲ごとの領域情報をマスクデータとして生成する。具体的には、領域区分手段11は、奥行範囲ごとに、距離画像の画素値が奥行範囲に含まれる画素の画素値を“1”、それ以外の画素値を“0”としてマスクデータを生成する。なお、2つの奥行範囲を区分する閾値はいずれか一方の奥行範囲に含ませることとする。
この場合、領域区分手段11は、第1階層L1については、距離画像Dにおいて、奥行最小値以上、閾値T1未満の奥行範囲の画素の画素値を“1”、それ以外の画素値を“0”として、図4(a)に示すマスクデータM1を生成する。
また、領域区分手段11は、第2階層L2については、距離画像Dにおいて、閾値T1以上、閾値T2未満の奥行範囲の画素の画素値を“1”、それ以外の画素値を“0”として、図4(b)に示すマスクデータM2を生成する。
また、領域区分手段11は、第3階層L3については、距離画像Dにおいて、閾値T2以上、閾値T3未満の奥行範囲の画素の画素値を“1”、それ以外の画素値を“0”として、図4(c)に示すマスクデータM3を生成する。
なお、領域区分手段11は、第4階層L4については、距離画像Dにおいて、閾値T3以上、奥行最大値以下の奥行範囲の画素の画素値を“1”、それ以外の画素値を“0”としてマスクデータ(不図示)を生成する。
これによって、領域区分手段11は、閾値で特定される奥行範囲ごとに、距離画像の領域を区分することができる。
ここで、基本レイヤは、距離画像全体を符号化対象とする階層を示す。また、後記する拡張レイヤは、距離画像を奥行範囲ごとに符号化対象とする階層(奥行階層)を示す。
なお、基本レイヤ符号化手段12は、拡張レイヤ符号化手段16よりも大きい量子化ステップ(第1量子化ステップ)で、諧調のレベルを荒くして距離画像の量子化を行う。
基本レイヤ符号化手段12は、直交変換手段120と、量子化手段121と、可変長符号化手段122と、を備える。
量子化手段121は、変換係数を量子化ステップのサイズで除算し、整数値に丸めることで、量子化係数を生成する。
量子化手段121は、量子化した変換係数(量子化係数)を、可変長符号化手段122およびローカル復号手段13に出力する。
可変長符号化手段122は、生成した基本レイヤ符号化ストリームをストリーム結合手段17に出力する。
ローカル復号手段13は、逆量子化手段130と、逆直交変換手段131と、を備える。
逆量子化手段130は、逆量子化後の変換係数を、逆直交変換手段131に出力する。
逆直交変換手段131は、生成した復号画像を復号差分画像生成手段14に出力する。
この復号差分画像生成手段14は、距離画像から復号画像を減算することで、符号化対象である元の距離画像と、基本レイヤで符号化される距離画像との差分を生成する。
復号差分画像生成手段14は、生成した復号差分画像を奥行別差分画像生成手段15(15A,15B,15C,15D)に出力する。
ここでは、奥行別差分画像生成手段15を、奥行範囲ごとに、拡張レイヤ数(奥行階層数)に応じた複数の奥行別差分画像生成手段15A,15B,15C,15Dで構成している。
奥行別差分画像生成手段15Aは、復号差分画像のうちで、領域区分手段11で区分された視点位置からの距離が最も近い奥行範囲の領域を、奥行別差分画像として生成するものである。
奥行別差分画像生成手段15Bは、復号差分画像のうちで、領域区分手段11で区分された視点位置からの距離が2番目に近い奥行範囲の領域を、奥行別差分画像として生成するものである。
同様に、奥行別差分画像生成手段15C,15Dは、それぞれ復号差分画像のうちで、領域区分手段11で区分された視点位置からの距離が3番目,4番目に近い奥行範囲の領域を、奥行別差分画像として生成するものである。
具体的には、奥行別差分画像生成手段15A〜15Dは、それぞれ、復号差分画像生成手段14で生成された復号差分画像に、領域区分手段11から出力される領域情報であるマスクデータを乗算することで、奥行範囲ごとの奥行別差分画像を生成する。
奥行別差分画像生成手段15は、生成した奥行範囲ごとの奥行別差分画像を拡張レイヤ符号化手段16に出力する。
ここでは、拡張レイヤ符号化手段16を、奥行範囲ごとに、拡張レイヤ数に応じた複数の拡張レイヤ符号化手段16A,16B,16C,16Dで構成している。
拡張レイヤ符号化手段16Bは、奥行別差分画像生成手段15(15B)で生成される視点位置からの距離が2番目に近い奥行範囲の奥行別差分画像を符号化するものである。
同様に、拡張レイヤ符号化手段16C,16Dは、それぞれ奥行別差分画像生成手段15(15C,15D)で生成される視点位置からの距離が3番目,4番目に近い奥行範囲の奥行別差分画像を符号化するものである。
拡張レイヤ符号化手段16A〜16Dは、同じ構成であるため、ここでは、拡張レイヤ符号化手段16Aの構成を例に説明する。
拡張レイヤ符号化手段16Aは、直交変換手段160と、量子化手段161と、可変長符号化手段162と、を備える。
量子化手段161は、量子化した変換係数(量子化係数)を、可変長符号化手段162に出力する。
可変長符号化手段162は、生成した拡張レイヤ符号化ストリームをストリーム結合手段17に出力する。
このように、拡張レイヤ符号化手段16A〜16Dは、それぞれ奥行範囲ごとに奥行別差分画像を符号化し、符号化した拡張レイヤ符号化ストリームをストリーム結合手段17に出力する。
このストリーム結合手段17は、基本レイヤ符号化ストリームと奥行範囲ごとの拡張レイヤ符号化ストリームとを連結する。このとき、ストリーム結合手段17は、基本レイヤ符号化ストリームの次に拡張レイヤ符号化ストリームを連結する。また、ストリーム結合手段17は、複数の拡張レイヤ符号化ストリームについては、視点位置に近い奥行範囲の拡張レイヤ符号化ストリームほど前にして連結を行う。ここでは、ストリーム結合手段17は、拡張レイヤ符号化手段16A,16B,16C,16Dの順に、生成した拡張レイヤ符号化ストリームを基本レイヤ符号化ストリームに連結する。これによって、復号側では、基本レイヤ符号化ストリームの次に、優先度の高い拡張レイヤ符号化ストリームを復号することができる。
そして、ストリーム結合手段17は、基本レイヤ符号化ストリームと奥行範囲ごとの拡張レイヤ符号化ストリームとを連結したストリームに、ヘッダ情報を付加して、符号化ストリームを生成する。
なお、入力される距離画像が動画像に対応した連続したフレームで構成される場合、ストリーム結合手段17は、フレーム数だけ符号化ストリームを連続させて出力する。
また、符号化ストリームは階層的に符号化されているため、伝送路上の帯域に応じて、優先度の低いレイヤの伝送を行わないようにすることができる。この場合でも、視点位置に近い奥行範囲のレイヤは、伝送対象となるため、復号装置において、精度よく奥行きを再現することができる。
なお、距離画像符号化装置1は、コンピュータを、前記した各手段として機能させるためのプログラム(距離画像符号化プログラム)で動作させることができる。
次に、図5を参照(構成については、適宜図1参照)して、本発明の実施形態に係る距離画像符号化装置1の動作について説明する。なお、ここでは、距離画像は、動画像に対応した連続したフレームで構成されているものとする。
ステップS1において、閾値設定手段10は、距離画像の奥行きを階層的に区分するための閾値を設定する。この閾値によって、距離画像を、奥行最小値から奥行最大値までの範囲で、閾値を境界とする奥行範囲ごとに階層化することができる。
ステップS2において、領域区分手段11は、ステップS1で設定された閾値で特定される奥行範囲ごとに、距離画像の領域を区分する。ここでは、領域区分手段11は、奥行範囲ごとの領域情報をマスクデータとして生成する。
ステップS5において、復号差分画像生成手段14は、符号化対象である元の距離画像と、ステップS4で生成された復号画像との差分を復号差分画像として生成する。
ここで、次フレームがさらに入力される場合(ステップS9でYes)、距離画像符号化装置1は、ステップS2に戻って動作を続ける。
一方、入力が終了した場合(ステップS9でNo)、距離画像符号化装置1は、動作を終了する。なお、距離画像が、静止画像の撮影画像に対応した画像の場合、ステップS9の動作は省略することができる。
次に、図6を参照して、本発明の実施形態に係る距離画像復号装置2の構成について説明する。
図6に示すように、距離画像復号装置2は、ストリーム分離手段20と、基本レイヤ復号手段21と、拡張レイヤ復号手段22と、画像合成手段23と、を備える。
このストリーム分離手段20は、符号化ストリームのヘッダ情報を参照して、符号化ストリームから、基本レイヤ符号化ストリームと、複数の拡張レイヤ符号化ストリームとを分離して抽出する。
ストリーム分離手段20は、分離した基本レイヤ符号化ストリームを基本レイヤ復号手段21に出力する。また、ストリーム分離手段20は、分離した拡張レイヤ符号化ストリームを拡張レイヤ復号手段22に出力する。ここでは、ストリーム分離手段20は、複数の拡張レイヤ符号化ストリームを、入力した順、すなわち、優先度の高い(視点位置からの距離が近い)順に、拡張レイヤ復号手段22A,22B,22C,22Dに出力する。
基本レイヤ復号手段21は、可変長復号手段210と、逆量子化手段211と、逆直交変換手段212と、を備える。
可変長復号手段210は、復号した量子化係数を逆量子化手段211に出力する。
逆量子化手段211は、逆量子化後の変換係数を、逆直交変換手段212に出力する。
逆直交変換手段212は、生成した基本レイヤ復号画像を画像合成手段23に出力する。
また、逆直交変換手段212は、基本レイヤ復号画像を生成した後、拡張レイヤ復号手段22(22A)に拡張レイヤ符号化ストリームの復号開始を指示する。
ここでは、拡張レイヤ復号手段22を、奥行範囲ごとに、拡張レイヤ数に応じた複数の拡張レイヤ復号手段22A,22B,22C,22Dで構成している。なお、ここでは、拡張レイヤ復号手段22を、距離画像符号化装置1(図1)の拡張レイヤ符号化手段16と同じ数の手段で構成しているが、拡張レイヤ復号手段22の数は、“1”以上、拡張レイヤのレイヤ数以下であればよい。ただし、距離画像を精度よく復号するには、拡張レイヤ復号手段22を、距離画像符号化装置1(図1)の拡張レイヤ符号化手段16と同じ数の手段で構成することが好ましい。
拡張レイヤ復号手段22Bは、ストリーム分離手段20で分離された優先度が2番目に高い拡張レイヤ符号化ストリームを復号した拡張レイヤ復号画像(奥行別差分画像)を生成するものである。
同様に、拡張レイヤ復号手段22C,22Dは、それぞれ、ストリーム分離手段20で分離された優先度が3番目,4番目に高い拡張レイヤ符号化ストリームを復号した拡張レイヤ復号画像(奥行別差分画像)を生成するものである。
拡張レイヤ復号手段22A〜22Dは、同じ構成であるため、ここでは、拡張レイヤ復号手段22Aの構成を例に説明する。
拡張レイヤ復号手段22Aは、可変長復号手段220と、逆量子化手段221と、逆直交変換手段222と、を備える。
逆量子化手段221は、復号した拡張レイヤ復号画像(奥行別差分画像)を画像合成手段23に出力する。
なお、拡張レイヤ復号手段22Aは、基本レイヤ復号手段21(逆直交変換手段212)から、復号開始を指示された段階で、拡張レイヤ符号化ストリームの復号を開始する。
このように、拡張レイヤ復号手段22A〜22Dは、優先度の高い拡張レイヤ符号化ストリームから順番に復号し、復号した奥行別差分画像を画像合成手段23に出力する。
この画像合成手段23は、基本レイヤ復号画像に複数の拡張レイヤ復号画像を加算することで、奥行精度を高めた距離画像を生成する。
また、距離画像復号装置2は、CPUパワー等の性能に応じて、基本レイヤと視点位置からの距離が最も近い拡張レイヤのみを優先的に復号する等、階層的に距離画像を復号することができる。
次に、図7を参照(構成については、適宜図6参照)して、本発明の実施形態に係る距離画像復号装置2の動作について説明する。なお、ここでは、距離画像は、動画像に対応した連続したフレームで構成されているものとする。
ステップS10において、ストリーム分離手段20は、フレームごとに、符号化ストリームを基本レイヤ符号化ストリームと複数の拡張レイヤ符号化ストリームとに分離する。なお、ここでは、距離画像復号装置2は、図示を省略した計時手段によって1フレーム分の符号化ストリームが入力された時点からの時間を計測する
ここで、フレーム周期の残り時間が拡張フレームの復号時間未満の場合(ステップS12でNo)、距離画像復号装置2は、ステップS18に動作を進める。
一方、フレーム周期の残り時間が拡張フレームの復号時間以上の場合(ステップS12でYes)、ステップS13において、拡張レイヤ復号手段22は、拡張レイヤを識別するための変数iを初期化(ここでは、“1”に設定)する。
ここで、フレーム周期の残り時間が拡張フレームの復号時間未満の場合(ステップS15でNo)、距離画像復号装置2は、ステップS18に動作を進める。
一方、フレーム周期の残り時間が拡張フレームの復号時間以上の場合(ステップS15でYes)、ステップS16において、拡張レイヤ復号手段22は、変数iに“1”を加算する。
一方、変数iが拡張レイヤ数に達した場合(ステップS17でYes)、拡張レイヤ復号手段22における復号処理を終了し、距離画像復号装置2は、ステップS18に動作を進める。
ここで、次フレームの符号化ストリームがさらに入力される場合(ステップS19でYes)、距離画像復号装置2は、ステップS10に戻って動作を続ける。
一方、入力が終了した場合(ステップS19でNo)、距離画像復号装置2は、動作を終了する。
なお、復号対象の距離画像が、静止画像の撮影画像に対応した画像の場合、ステップS9の動作は省略することができる。また、ステップS12,S15の動作も省略することができる。
以上、本発明の実施形態に係る距離画像符号化装置1および距離画像復号装置2の構成および動作について説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
ここでは、距離画像符号化装置1の閾値設定手段10は、視点位置から直近の閾値を設定し、それよりも遠方の奥行値を等分するように閾値を設定した。
しかし、閾値は、図8に示すように、奥行きが奥に行くほど、奥行範囲を広くするように設定してもよい。この場合、視点位置から直近の閾値T1は、少なくとも奥行最大値を奥行階層数で除算した値よりも小さい値とする。
具体的には、閾値設定手段10は、閾値T1を設定後、以下の式(2)により、閾値Ti(iは2以上奥行階層数未満の整数)を設定する。ここで、d1は視点位置から区分した1番目の奥行範囲の距離を示す。すなわち、d1=T1である。また、rは“1”より大きい整数を示す。
ここでは、距離画像符号化装置1の閾値設定手段10は、距離画像から、あるいは、外部から指定されることで閾値を設定した。
しかし、これらの閾値は、距離画像符号化装置1の内部メモリ等に予め設定されているものとしてもよい。この場合、距離画像符号化装置1は、構成から閾値設定手段10を省略してもよい。また、この場合、領域区分手段11は、予め設定されている閾値によって、距離画像の領域を区分すればよい。
ここでは、距離画像符号化装置1の奥行別差分画像生成手段15を、拡張レイヤ数に応じた複数の奥行別差分画像生成手段15A,15B,15C,15Dで、並列に動作させる構成とした。また、拡張レイヤ符号化手段16も、拡張レイヤ数に応じた複数の拡張レイヤ符号化手段16A,16B,16C,16Dで、並列に動作させる構成とした。
しかし、奥行別差分画像生成手段15および拡張レイヤ符号化手段16は、それぞれ、必ずしも並列に動作を行う構成とする必要はない。
すなわち、奥行別差分画像生成手段15および拡張レイヤ符号化手段16は、それぞれ、単一の構成とし、拡張レイヤごとに順番に動作することとしてもよい。
ここで、距離画像復号装置2の拡張レイヤ復号手段22を、拡張レイヤ数に応じた複数の拡張レイヤ復号手段22A,22B,22C,22Dで、優先度の高い拡張レイヤから順に動作させる構成とした。
しかし、距離画像復号装置2は、CPUパワー等の性能に余裕があれば、基本レイヤ復号手段21を含め、拡張レイヤ復号手段22A,22B,22C,22Dを、並列に動作させる構成としてもよい。
ここでは、距離画像符号化装置1は、奥行別差分画像生成手段15および拡張レイヤ符号化手段16において、視点位置からの距離が近い奥行範囲ほど、優先度の高い拡張レイヤに割り当てて符号化した。そして、距離画像符号化装置1は、ストリーム結合手段17で、基本レイヤ符号化ストリームの次にその優先度に応じて拡張レイヤ符号化ストリームを連結することとした。
しかし、拡張レイヤの優先度は、必ずしも視点位置からの距離が近いことで定める必要はない。例えば、光線再生型の立体ディスプレイで画像を表示する場合、スクリーン面近傍で表示される奥行範囲ほど優先度の高い拡張レイヤに割り当てることが好ましい。また、例えば、インテグラル立体方式で画像を表示する場合、レンズアレイ面近傍で表示される奥行範囲ほど優先度の高い拡張レイヤに割り当てることが好ましい。
これによって、高画質に表示したい奥行範囲を優先的に符号化/復号することができる。
10 閾値設定手段
11 領域区分手段
12 基本レイヤ符号化手段
120 直交変換手段
121 量子化手段
122 可変長符号化手段
13 ローカル復号手段
130 逆量子化手段
131 逆直交変換手段
14 復号差分画像生成手段
15,15A,15B,15C,15D 奥行別差分画像生成手段
16,16A,16B,16C,16D 拡張レイヤ符号化手段
160 直交変換手段
161 量子化手段
162 可変長符号化手段
17 ストリーム結合手段
2 距離画像復号手段
20 ストリーム分離手段
21 基本レイヤ復号手段
210 可変長復号手段
211 逆量子化手段
212 逆直交変換手段
22,22A,22B,22C,22D 拡張レイヤ復号手段
23 画像合成手段
Claims (8)
- 被写体の奥行情報を示す距離画像を符号化する距離画像符号化装置であって、
前記距離画像を周波数成分に変換して第1量子化ステップで量子化し、量子化係数を可変長符号化することで基本レイヤ符号化ストリームを生成する基本レイヤ符号化手段と、
前記量子化係数を逆量子化し、周波数成分を逆変換することで前記距離画像を復号した復号画像を生成するローカル復号手段と、
前記距離画像と前記復号画像との差分を復号差分画像として生成する復号差分画像生成手段と、
予め設定された奥行範囲ごとに、前記距離画像の領域を区分する領域区分手段と、
前記復号差分画像から、前記領域区分手段で区分された領域ごとの画像を奥行別差分画像として生成する奥行別差分画像生成手段と、
前記奥行範囲ごとに、対応する前記奥行別差分画像を周波数成分に変換して前記第1量子化ステップよりも小さい第2量子化ステップで量子化し、量子化係数を可変長符号化することで拡張レイヤ符号化ストリームを生成する拡張レイヤ符号化手段と、
前記基本レイヤ符号化ストリームと、前記奥行範囲ごとの前記拡張レイヤ符号化ストリームとを結合して、前記距離画像の符号化ストリームを生成するストリーム結合手段と、
を備えることを特徴とする距離画像符号化装置。 - 前記奥行範囲を予め定めた基準で区分するための閾値を設定する閾値設定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の距離画像符号化装置。
- 前記領域区分手段は、前記奥行範囲ごとに、前記距離画像の領域を区分するマスクデータを生成し、
前記奥行別差分画像生成手段は、前記復号差分画像に前記マスクデータを乗算することで、前記奥行別差分画像を生成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の距離画像符号化装置。 - 前記拡張レイヤ符号化手段は、予め定めた奥行きに近い奥行範囲ほど優先度の高いレイヤとして前記奥行別差分画像から前記拡張レイヤ符号化ストリームを生成し、
前記ストリーム結合手段が、前記基本レイヤ符号化ストリームに、前記優先度の高い順で前記奥行範囲ごとの拡張レイヤ符号化ストリームを連結することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の距離画像符号化装置。 - コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の距離画像符号化装置として機能させるための距離画像符号化プログラム。
- 第1量子化ステップで被写体の奥行情報を示す距離画像を符号化した基本レイヤ符号化ストリームと、前記基本レイヤ符号化ストリームを復号した距離画像と元の距離画像との差分を前記第1量子化ステップよりも小さい第2量子化ステップで符号化した奥行範囲ごとの複数の拡張レイヤ符号化ストリームと、を連結した符号化ストリームを復号する距離画像復号装置であって、
前記符号化ストリームを、前記基本レイヤ符号化ストリームと前記複数の拡張レイヤ符号化ストリームとに分離するストリーム分離手段と、
前記基本レイヤ符号化ストリームを、前記第1量子化ステップを用いて復号し、基本レイヤ復号画像を生成する基本レイヤ復号手段と、
前記複数の拡張レイヤ符号化ストリームを、前記第2量子化ステップを用いて復号し、複数の拡張レイヤ復号画像を生成する拡張レイヤ復号手段と、
前記基本レイヤ復号画像と前記複数の拡張レイヤ復号画像とを合成し、前記符号化ストリームを復号した距離画像を生成する画像合成手段と、
を備えることを特徴とする距離画像復号装置。 - 前記符号化ストリームは、動画像の撮影画像に対応する距離画像を符号化したストリームであって、
前記拡張レイヤ復号手段は、前記符号化ストリームに連結されている拡張レイヤ符号化ストリームを連結順に復号し、
前記画像合成手段は、前記基本レイヤ復号画像と、フレーム周期内で復号された前記拡張レイヤ復号画像とを合成することを特徴とする請求項6に記載の距離画像復号装置。 - コンピュータを、請求項6または請求項7に記載の距離画像復号装置として機能させるための距離画像復号プログラム。
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