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JP2020102413A - 蓄電装置 - Google Patents

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JP2020102413A
JP2020102413A JP2018241202A JP2018241202A JP2020102413A JP 2020102413 A JP2020102413 A JP 2020102413A JP 2018241202 A JP2018241202 A JP 2018241202A JP 2018241202 A JP2018241202 A JP 2018241202A JP 2020102413 A JP2020102413 A JP 2020102413A
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雄志 祐成
Yuji Sukenari
雄志 祐成
木下 恭一
Kyoichi Kinoshita
恭一 木下
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Toyota Industries Corp
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Abstract

【課題】貫通孔が壁部の中央からずれた位置に形成された構成であっても、弁体による貫通孔の開閉性を良好にできる蓄電装置を提供する。【解決手段】二次電池は、蓋14の内面14xに対し、貫通孔14hを開閉可能に取り付けられた弁体16を備える。蓋14は長方形状であり、貫通孔14hは蓋14の短手方向の中央Cからずれた位置に配置される。弁体16は、貫通孔14hを開閉する薄板状の弁部16aと、蓋14の内面14xに固定された固定部16bと、弁部16aと固定部16bとを接続する薄板状の接続部16cとを有する。固定部16bは、蓋14の短手方向の中央Cよりも弁部16a側に位置する。接続部16cの一部は、蓋14の短手方向の中央Cに対して弁部16aとは反対側に位置する。接続部16cは、弁部16aを一端L1とし、固定部16bを他端L2として弁部16aと固定部16bとを最短距離で繋いだ仮想線L上に存在しない。【選択図】図2

Description

本発明は、ケースの壁部に形成された貫通孔を開閉可能な弁体を備える蓄電装置に関する。
電装品や走行用モータで使用される電力を蓄えるための蓄電装置として、リチウムイオン二次電池などの二次電池が、EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両に搭載されている。例えば、二次電池は、集電体の両面又は片面に活物質層を有する電極が積層された電極組立体と、電解液と、電極組立体及び電解液を収容するケースとを備える。ケースは、直方体状のケース本体と、ケース本体の開口部を閉塞するとともに貫通孔が形成された長方形状の蓋とを有する。蓋の貫通孔は、封止部材によって封止される。ケースは、二次電池の使用時にケースの内部で発生するガスによって膨張し、変形することがある。このとき、蓋の変形量は、蓋の短手方向の端部よりも中央で多くなる。このため、二次電池の使用時に蓋が変形しても封止部材による貫通孔の封止が確保されるように、蓋の短手方向の中央からずれた変形量の少ない位置に貫通孔を配置することがある。
このような二次電池の製造工程は、ケースの内部に電極組立体を収容し、貫通孔からケースの内部に電解液に注入する注液工程と、注液工程後に貫通孔を仮封止部材によって仮封止する仮封止工程とを備える。また、二次電池の製造工程は、蓄電装置の活性化、安定化等を図るため、初期充放電を行う初期充放電工程を備える。初期充放電工程では、1回の充電又は複数回の充放電を行うコンディショニング、及び必要に応じて恒温状態で所定期間の保管を行うエージングといった処理を行う。二次電池の製造工程は、貫通孔から仮封止部材を除去して仮封止を解除することで、初期充放電工程で発生したケースの内部のガスを貫通孔からケースの外部に放出するガス抜き工程を備える。また、二次電池の製造工程は、貫通孔からケースの内部にヘリウムを充填する充填工程と、貫通孔を本封止部材で本封止する本封止工程とを備える。さらに、二次電池の製造工程は、ケースの内部からのヘリウムの漏れを検知することで、ケースの気密性を検査する気密検査工程を備える。
ところで、ヘリウムは、一般に知られているように軽い気体であるため、充填工程後から本封止工程までの間に貫通孔からケースの外部に漏れ出しやすい。このため、蓋の内面に対し、特許文献1に開示の弁体を設けることにより、ヘリウムの漏れを抑制することが考えられる。特許文献1の二次電池が備える弁体は、矩形状であり、中央部が蓋の内側から貫通孔を閉塞するように配置される。また、弁体は、4辺が一部分を除いて蓋の内面に接合されることで蓋に取り付けられている。ケースの外部から貫通孔を介して弁体に外力を加えると、弁体の中央部がケースの内部に向けて押し下げられ、弁体と蓋の内面との間に隙間が形成される。この隙間と貫通孔とによって、ケースの内外が連通されるようになっている。
特開2003−142060号公報
しかしながら、蓋の内面に特許文献1に開示の弁体を配置した場合、弁体の存在によって注液工程や充填工程の作業性が低下する虞がある。そこで、例えば、弁体の4辺のうち1辺のみを蓋の内面に接合することで弁体の開閉性を良好にすることも考えられるが、この場合、弁体が押し下げられる量が大きくなるため、押し下げられた弁体とケースに収容された電極組立体とが干渉しないように、蓋の内面と電極組立体との間にスペースを確保する必要がある。このスペースは、電池容量に寄与しないデッドスペースとなる。また、弁体は蓋の内面に収まるように配置されなければならず、例えば、蓋の短手方向の中央からずらして貫通孔を配置する場合には弁体の形状や配置が制限されることがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、貫通孔が壁部の中央からずれた位置に形成された構成であっても、弁体による貫通孔の開閉性を良好にできる蓄電装置を提供することにある。
上記問題点を解決するための蓄電装置は、電極組立体と、前記電極組立体を収容するとともに、壁部に貫通孔が形成され、内部にヘリウムが充填されたケースと、前記壁部の内面に対し、前記貫通孔を開閉可能に取り付けられた弁体と、を備え、前記貫通孔が形成された前記壁部は長方形状であり、前記貫通孔は、前記壁部の短手方向の中央からずれた位置に配置され、前記弁体は、前記貫通孔を開閉する薄板状の弁部と、前記壁部の内面に固定された固定部と、前記弁部と前記固定部とを接続する薄板状の接続部とを有し、前記固定部は、前記壁部の短手方向の中央よりも前記弁部側に位置し、前記接続部は、少なくとも一部が前記壁部の短手方向の中央に対して前記弁部とは反対側に位置するとともに、前記弁部を一端とし、前記固定部を他端として前記弁部と前記固定部とを最短距離で繋いだ仮想線上に存在しないことを要旨とする。
これによれば、壁部の短手方向の中央よりも弁部側に固定部を配置することで、壁部には壁部の短手方向の中央に対して弁部とは反対側に接続部が位置する部分が確保され、この確保された部分に接続部を配置できる。また、接続部は、弁部と固定部との隙間を迂回して弁部と固定部とを接続する。このため、接続部が仮想線に沿って存在する場合、すなわち接続部が弁部と固定部とを最短距離で接続する場合と比較して、弁部から固定部までの接続部の長さが長くなり、弁体を押し下げるのに必要な力を低減できる。その結果、貫通孔が壁部の中央からずれた位置に形成された構成であっても、弁体による貫通孔の開閉性を良好にできる。
また、上記蓄電装置について、前記弁部と前記固定部とは、前記壁部の長手方向に間隔を空けて並び、前記接続部は、前記弁部から前記壁部の長手方向に延びる第1直線部と、前記第1直線部における前記弁部とは反対側の端部から前記壁部の短手方向に延びる第2直線部と、前記第2直線部における前記第1直線部とは反対側の端部から前記壁部の長手方向に延びるとともに、前記第1直線部と前記壁部の短手方向に並ぶ第3直線部と、前記第3直線部における前記第2直線部とは反対側の端部から前記固定部に向けて前記壁部の短手方向に延びる第4直線部と、から構成されているのが好ましい。
これによれば、弁体は、4つの直線部から構成されるとともに、弁部と固定部との隙間により一部が不連続となった略長方形状である。このため、接続部が例えば3つの直線部から構成されるU字状の場合や、接続部が弁部と固定部とを半月状に接続する場合と比較して、接続部の長さは長くなる。よって、貫通孔の開放性をより良好にできる。
また、上記蓄電装置について、前記弁体は1枚の板ばねであり、前記弁部における前記壁部側の面には、ゴム系樹脂製のシール部材が取り付けられているのが好ましい。
これによれば、弁体の弁部が押し下げられていない状態では、弁体の弁部は貫通孔を閉塞するとともにシール部材は蓋の内面に密接する。よって、ケースの気密性を向上できる。その結果、貫通孔からヘリウムがケースの外部に漏れ出すことをより抑制できる。
また、上記蓄電装置について、前記弁部における前記貫通孔と重なる部分は、前記ケースの外部に向けた凸部であるのが好ましい。
これによれば、弁体の弁部が押し下げられていない状態では、弁体の弁部は貫通孔を閉塞するとともに凸部は貫通孔の内側に入り込む。よって、ケースの気密性を向上できる。その結果、貫通孔からヘリウムがケースの外部に漏れ出すことをより抑制できる。
また、上記蓄電装置について、前記弁体は、紫外線硬化性樹脂製であり、前記弁部における前記貫通孔を取り囲む部分に前記壁部の内面に密接した状態で硬化された硬化部を備えるのが好ましい。
これによれば、弁体を樹脂製にすることで、ばね性により弁体による貫通孔の開閉性を良好にできるとともに、貫通孔を繰り返し開閉させた際の弁体の摩耗を抑制できる。また、硬化部は、貫通孔からケースの内部にヘリウムを充填した後で、弁部に紫外線を照射することで形成される。硬化部は、壁部の内面に密接した状態で硬化しているため、ケースの気密性を向上できる。その結果、貫通孔からヘリウムがケースの外部に漏れ出すことをより抑制できる。
本発明によれば、貫通孔が壁部の中央からずれた位置に形成された構成であっても、弁体による貫通孔の開閉性を良好にできる。
二次電池の分解斜視図。 蓋の底面図。 (a),(b)は図2における3−3線断面図。 弁体の別例を示す底面図。 弁体の別例を示す底面図。 弁体の別例を示す底面図。 弁体の別例を示す底面図。 弁体の別例を示す断面図。 弁体の別例を示す断面図。 弁体の別例を示す断面図。
以下、蓄電装置を二次電池に具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
図1に示すように、蓄電装置としての二次電池10は、直方体状のケース11と、ケース11に収容された電極組立体12と、ケース11に収容された図示しない電解液とを備える。ケース11は、有底四角筒状のケース本体13と、ケース本体13の開口部13aを閉塞する板状の蓋14とを有する。ケース本体13及び蓋14は、ケース11の壁部を構成する。本実施形態の二次電池10は、その外観が角型をなす角型電池である。また、本実施形態の二次電池10は、リチウムイオン二次電池である。
図示しないが、電極組立体12は、複数の正極電極と、複数の負極電極と、複数のセパレータとを備える。電極組立体12は、正極電極と負極電極との間にセパレータを介在させ、かつ相互に絶縁させた状態で積層した層状構造を有する。正極電極及び負極電極はそれぞれ、矩形シート状の集電体と、集電体の両面に存在する活物質層と、集電体の一辺の一部から突出したタブ15とを有する。タブ15は、活物質層が存在せず、集電体そのもので構成されている。電極組立体12は、複数のタブ15が同じ極性同士で積層されたタブ群12aを有する。
蓋14は、長方形状である。蓋14の一対の長側縁部のうち、一方の長側縁部を第1長側縁部14aとし、他方の長側縁部を第2長側縁部14bとする。また、蓋14の一対の短側縁部のうち、一方の短側縁部を第1短側縁部14cとし、他方の短側縁部を第2短側縁部14dとする。さらに、蓋14において、ケース11の内側に臨む面を内面14xとし、ケース11の外側に臨むとともに内面14xとは反対側の面を外面14yとする。
蓋14は、蓋14を板厚方向に貫通する丸孔状の貫通孔14hを有する。貫通孔14hは、蓋14の長手方向の中央付近に位置するとともに、蓋14の短手方向の中央Cよりも第1長側縁部14a寄りの一端側に位置する。つまり、貫通孔14hは、蓋14の短手方向の中央Cからずれた位置に配置されている。また、蓋14は、蓋14の内面14xに対し、貫通孔14hを開閉可能に配置された薄板状の弁体16を備える。本実施形態の弁体16は、金属製の1枚の板ばねである。
図2に示すように、本実施形態の弁体16は、長方形状の第1〜第4部位21〜24によって構成されている。第1部位21は、蓋14の短手方向の中央Cよりも第1長側縁部14a寄りに位置する。第1部位21の長手は蓋14の長手方向に延び、第1部位21の短手は蓋14の短手方向に延びる。第2部位22は、第1部位21の一対の長縁部のうち、蓋14の第2長側縁部14bに近い方の長縁部の第2短側縁部14d寄りの部分から第2長側縁部14bに向けて、蓋14の短手方向に延びる。第2部位22の長手は蓋14の短手方向に延び、第2部位22の短手は蓋14の長手方向に延びる。第3部位23は、第2部位22の一対の長縁部のうち、蓋14の第1短側縁部14cに近い方の長縁部の第2長側縁部14b寄りの部分から第1短側縁部14cに向けて、蓋14の長手方向に延びる。第3部位23の長手は蓋14の長手方向に延び、第3部位23の短手は蓋14の短手方向に延びる。第3部位23は、蓋14の短手方向の中央Cよりも第2長側縁部14b側に位置する。蓋14の長手方向において、第3部位23の寸法は、第1部位21の寸法よりも長い。第4部位24は、第3部位23の一対の長縁部のうち、蓋14の第1長側縁部14aに近い方の長縁部の第1短側縁部14c寄りの部分から第1長側縁部14aに向けて、蓋14の短手方向に延びる。第4部位24の長手は蓋14の長手方向に延び、第4部位24の短手は蓋14の短手方向に延びる。第4部位24の長手は、蓋14の短手方向の中央Cを跨ぐように延びる。第4部位24の一部は、蓋14の短手方向の中央Cよりも第1長側縁部14a側に位置する。
弁体16は、第1部位21の一部が蓋14の貫通孔14hの全体を閉塞するように配置される。よって、第1部位21の一部は、蓋14の貫通孔14hの全体を閉塞する弁部16aである。貫通孔14hを構成する内周面のうち、蓋14の長手方向の第2短側縁部14dに最も近い内面141から第2短側縁部14dに向けて、所定の距離だけ離れた位置を閉塞縁部161とする。また、閉塞縁部161を通過し、かつ蓋14の短手方向に沿って延びる仮想的な直線を第1境界部B1とする。弁部16aは、第1部位21において、第1境界部B1よりも蓋14の長手方向の第1短側縁部14c側に位置する部分である。弁部16aは、貫通孔14hの開口面積よりも大きく、貫通孔14hの全体を閉塞可能である。また、上述したように、弁部16aの閉塞縁部161は、貫通孔14hの内面141よりも所定の距離だけ外側に位置する。よって、貫通孔14hは、弁部16aによって完全に閉塞される。
弁体16は、第4部位24の一部が蓋14の内面14xにインダイレクトスポット溶接により接合された固定部としての接合部25を有する。弁体16は、接合部25により蓋14に固定される。よって、第4部位24の一部は、蓋14に対して固定される固定部16bである。接合部25の周縁部のうち、蓋14の短手方向の第2長側縁部14bに最も近い縁部25aを通過し、かつ蓋14の長手方向に沿って延びる仮想的な直線を第2境界部B2とする。固定部16bは、第4部位24において、第2境界部B2よりも蓋14の短手方向の第1長側縁部14a側に位置する部分である。固定部16bは、蓋14の短手方向の中央Cよりも弁部16a側(第1長側縁部14a側)に位置する。弁部16aと固定部16bとは、蓋14の長手方向において間隔を空けて並ぶ。弁体16は、弁部16aと固定部16bとの隙間Sにより一部が不連続となった略長方形状である。
弁部16aと固定部16bとを最短距離で仮想的に繋ぐ直線を仮想線Lとする。仮想線Lは、蓋14の長手方向に沿って延びる。仮想線Lの一端L1は、第1部位21の一対の短縁部のうち、蓋14の長手方向の第1短側縁部14cに近い方の短縁部に位置し、仮想線Lの他端L2は、固定部16bを構成する第4部位24の一対の長縁部のうち、蓋14の長手方向の第2短側縁部14dに近い方の短縁部に位置する。
弁体16は、弁部16aと固定部16bとを接続する接続部16cを備える。本実施形態の弁体16は、第1〜第4直線部によって構成されている。第1直線部は、弁部16aから蓋14の長手方向に延びる部分であり、第1部位21における第1境界部B1よりも蓋14の長手方向の第2短側縁部14d側に位置する部分に対応する。第2直線部は、第1部位21における弁部16aとは反対側の端部から蓋14の短手方向に延びる部分であり、第2部位22の全体に対応する。第3直線部は、第2部位22における第1部位21とは反対側の端部から蓋14の長手方向に延びるとともに、第1部位21と蓋14の短手方向に並ぶ部分であり、第3部位23の全体に対応する。第4直線部は、第3部位23における第2部位22とは反対側の端部から固定部16bに向けて蓋14の短手方向に延びる部分であり、第4部位24における第2境界部B2よりも蓋14の短手方向の第2長側縁部14b側に位置する部分に対応する。接続部16cの一部は、蓋14の短手方向の中央Cに対して弁部16aとは反対側(第2長側縁部14b側)に位置する。また、接続部16cは、仮想線L上に存在しない。つまり、接続部16cは、蓋14の長手方向における弁部16aと固定部16bとの隙間Sを迂回して弁部16aと固定部16bとを接続する。
図3(a)に示すように、弁体16に外力Fが加えられていない状態では、弁体16の弁部16a及び接続部16cは蓋14の内面14xに沿う状態であり、貫通孔14hは弁部16aの一部によって閉塞されている。よって、貫通孔14hを介したケース11の内外の連通が遮断されている。図3(b)に示すように、ケース11の外部から貫通孔14hを介して弁体16に外力Fを加えると、弁体16の弁部16aは、ケース11の内部に向けて押し下げられ、弁体16の弁部16a及び接続部16cは、蓋14の内面14xから離れた状態となる。このため、弁部16aと蓋14の内面14xとの間に隙間が形成され、貫通孔14hは開放される。よって、ケース11の内外は、隙間及び貫通孔14hを介して連通する。なお、弁部16aは、押し下げられた状態において電極組立体12と干渉しない。そして、弁体16に外力Fが加えられなくなると、弁部16aは、押し下げられた状態から蓋14の内面14xに沿う状態に戻り、貫通孔14hは弁部16aの一部によって閉塞される。
図1に示すように、二次電池10は、貫通孔14hを封止するための封止部材としてのブラインドリベット17を備える。なお、図1では、ブラインドリベット17によって貫通孔14hを封止する前の状態を図示している。
二次電池10は、電極組立体12から電気を取り出すための正極及び負極の端子構造18を備える。各端子構造18は、タブ群12aと接合された板状の導電部材18aと、導電部材18aから突出する棒状の電極端子18bとを有する。各電極端子18bは、蓋14を貫通してケース11の外部に突出し、ケース11の内外を繋ぐ。正極の電極端子18bは、蓋14の長手方向の第2短側縁部14d寄りの部分を貫通し、負極の電極端子18bは、蓋14の長手方向の第1短側縁部14c寄りの部分を貫通する。各電極端子18bには、二次電池10同士を電気的に接続する図示しない外部装置としてのバスバーが固定可能である。各端子構造18は、電極組立体12とバスバーとを電気的に接続している。二次電池10は、蓋14と各端子構造18の電極端子18bとを絶縁するための絶縁リング19を備える。
二次電池10は、蓋14に圧力開放弁20を備える。圧力開放弁20は、蓋14の長手方向において正極の電極端子18bと貫通孔14hとの間に位置し、蓋14の外面14yから見て弁体16と重ならないようになっている。圧力開放弁20は、蓋14の外面14yよりも凹んだ凹部の底に設けられている。圧力開放弁20は、ケース11内でガスが発生した際、ケース11内の圧力が上昇し過ぎないように、ケース11内の圧力が所定の圧力である開放圧に達した場合に開裂する。これにより、ケース11の内外が連通された状態になるため、ケース11内の圧力がケース11外に開放される。
次に、二次電池10の製造方法について説明する。
二次電池10の製造方法は、電極組立体12をケース11に収容する収容工程を備える。収容工程では、開口部13aからケース本体13内に電極組立体12を収容する。次に、内面14xに弁体16が取り付けられた蓋14により、ケース本体13の開口部13aを閉塞し、ケース本体13と蓋14とを接合する。二次電池10の製造方法は、電極組立体12が収容されたケース11に対し、貫通孔14hからケース11の内部に電解液を注入する注液工程を備える。注液工程では、例えば、図示しない注液装置のノズルによってケース11の外側から弁体16の弁部16aを押し下げることで貫通孔14hを開放し、ケース11の内部に電解液を注入する。注液工程後、貫通孔14hは、弁体16の弁部16aによって閉塞される。
二次電池10の製造方法は、図示しない仮封止部材によって貫通孔14hを仮封止する仮封止工程と、図示しない拘束治具によってケース11を拘束し、初期充放電を行う初期充放電工程とを備える。本実施形態の初期充放電工程は、コンディショニング工程及びエージング工程からなる。コンディショニング工程では初期充電を行う。なお、二次電池10の仕様によっては、複数回の充放電を繰り返す場合もある。コンディショニング工程後、エージング工程では、図示しない恒温槽にて二次電池10を所定のエージング温度にまで昇温させた状態で所定時間放置する。初期充放電工程は、仮封止部材によって貫通孔14hが仮封止された状態で行われる。初期充放電工程後、拘束治具によるケース11の拘束を解除する。
二次電池10の製造方法は、貫通孔14hから仮封止部材を除去することによって貫通孔14hの仮封止を解除し、エージング工程においてケース11の内部で発生したガスを貫通孔14hからケース11の外部へ放出するガス抜き工程を備える。ガス抜き工程では、図示しない押圧部材によってケース11の外側から弁体16の弁部16aを押し下げることで貫通孔14hを開放し、貫通孔14hからケース11の内部で発生したガスをケース11の外部へ放出する。ガス抜き工程後、貫通孔14hは、弁体16の弁部16aによって閉塞される。
二次電池10の製造方法は、貫通孔14hからケース11の内部にヘリウムを充填する充填工程を備える。充填工程では、例えば、図示しない充填装置のノズルによってケース11の外側から弁体16の弁部16aを押し下げることで貫通孔14hを開放し、貫通孔14hからケース11の内部にヘリウムを充填する。充填工程後、貫通孔14hは、弁体16の弁部16aによって閉塞される。よって、ケース11の内部に充填されたヘリウムが貫通孔14hからケース11の外部に漏れ出すことが抑制される。二次電池10の製造方法は、貫通孔14hをブラインドリベット17によって本封止する本封止工程と、ケース11の内部からのヘリウムの漏れを検知することで、貫通孔14hが本封止されたケース11の気密性を検査する気密検査工程とを備える。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)弁体16は、蓋14の貫通孔14hを開閉する弁部16aと、蓋14の内面14xに固定された固定部16bと、弁部16aと固定部16bとを接続する接続部16cとを有する。固定部16bは、蓋14の短手方向の中央Cよりも弁部16a側に位置する。このため、蓋14の内面14xには、蓋14の短手方向の中央Cに対して弁部16aとは反対側に、接続部16cが位置するための部分が確保され、この確保された部分に接続部16cを配置できる。また、接続部16cは、弁部16aと固定部16bとを繋ぐ仮想線L上に存在しない。言い換えると、接続部16cは、弁部16aと固定部16bとの隙間を迂回して弁部16aと固定部16bとを接続する。このため、接続部16cが仮想線Lに沿って存在する場合、すなわち接続部16cが弁部16aと固定部16bとを最短距離で接続する場合と比較して、弁部16aから固定部16bまでの接続部16cの長さが長くなり、弁体16を押し下げるのに必要な力を低減できる。その結果、貫通孔14hが蓋14の短手方向の中央Cからずれた位置に形成された構成であっても、弁体16による貫通孔14hの開閉性を良好にできる。
(2)弁体16は、4つの直線部から構成されるとともに、弁部16aと固定部16bとの隙間Sにより一部が不連続となった略長方形状である。このため、接続部16cが例えば3つの直線部から構成されるU字状の場合(図4参照)や、接続部16cが弁部16aと固定部16bとを半月状に接続する場合(図6参照)と比較して、接続部16cの長さが長くなる。よって、貫通孔14hの開放性をより良好にできる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 貫通孔14hは、ケース本体13に形成されていてもよい。
○ 電極組立体12と蓋14の内面14xとの間に、電極組立体12と蓋14とを絶縁するための絶縁部材を介在させてもよい。
○ 弁体16の厚みは、弁部16a、固定部16b、及び接続部16cで異なっていてもよい。ただし、弁部16a及び接続部16cは、弁部16aによって貫通孔14hを開閉可能な程度の薄板とする。
○ 弁体16の形状は、上記実施形態の形状に限定されず、下記の構成を満たしていればよい。弁体16は、貫通孔14hを開閉する弁部16aと、蓋14の内面14xに固定された固定部16bと、弁部16aと固定部16bとを接続する接続部16cとを有する。固定部16bは、蓋14の短手方向の中央Cよりも弁部16a側に位置する。接続部16cは、少なくとも一部が蓋14の短手方向の中央Cに対して弁部16aとは反対側に位置するとともに、弁部16aと固定部16bとを最短距離で繋ぐ仮想線L上に存在しない。
弁体16の形状は、例えば、図4〜図7に示す形状であってもよい。
図4に示す弁体16は、長方形状の第1〜第3部位31〜33によって構成されている。第1部位31の長手は蓋14の短手方向に延び、第1部位31の短手は蓋14の長手方向に延びる。第1部位31の長手は、蓋14の短手方向の中央Cを跨ぐように延びる。第1部位31の一部は、蓋14の短手方向の中央Cよりも第1長側縁部14a側に位置する。第2部位32は、第1部位31の一対の長縁部のうち、蓋14の第2短側縁部14dに近い方の長縁部の第2長側縁部14b寄りの部分から第2短側縁部14dに向けて、蓋14の長手方向に延びる。第2部位32の長手は蓋14の長手方向に延び、第2部位32の短手は蓋14の短手方向に延びる。第2部位32は、蓋14の短手方向の中央Cよりも第2長側縁部14b側に位置する。第3部位33は、第2部位32の一対の長縁部のうち、蓋14の第1長側縁部14aに近い方の長縁部の第2短側縁部14d寄りの部分から第1長側縁部14aに向けて、蓋14の短手方向に延びる。第3部位33の長手は蓋14の短手方向に延び、第3部位33の短手は蓋14の長手に延びる。第3部位33の長手は、蓋14の短手方向の中央Cを跨ぐように延びる。第3部位33の一部は、蓋14の短手方向の中央Cよりも第1長側縁部14a側に位置する。
弁体16は、第1部位31の一部が蓋14の貫通孔14hの全体を閉塞するように配置される。よって、第1部位31の一部は、蓋14の貫通孔14hの全体を閉塞する弁部16aである。貫通孔14hを構成する内周面のうち、蓋14の短手方向の第2長側縁部14bに最も近い内面141から第2長側縁部14bに向けて、所定の距離だけ離れた位置を閉塞縁部161とする。また、閉塞縁部161を通過し、かつ蓋14の短手方向に沿って延びる仮想的な直線を第1境界部B1とする。弁部16aは、第1部位31において第1境界部B1よりも蓋14の短手方向の第1長側縁部14a側に位置する部分である。弁部16aは、貫通孔14hの開口面積よりも大きく、貫通孔14hの全体を閉塞可能である。また、上述したように、弁部16aの閉塞縁部161は、貫通孔14hの内面141よりも所定の距離だけ外側に位置する。よって、貫通孔14hは、弁部16aによって完全に閉塞される。
弁体16は、第3部位33の一部が蓋14の内面14xにインダイレクトスポット溶接により接合された固定部としての接合部25を有する。弁体16は、接合部25により蓋14に固定される。よって、第3部位33の一部は、蓋14に対して固定される固定部16bである。接合部25の周縁部のうち、蓋14の短手方向の第2長側縁部14bに最も近い縁部25aを通過し、かつ蓋14の長手方向に沿って延びる仮想的な直線を第2境界部B2とする。固定部16bは、第3部位33において第2境界部B2よりも蓋14の短手方向の第1長側縁部14a側に位置する部分である。固定部16bは、蓋14の短手方向の中央Cよりも弁部16a側(第1長側縁部14a側)に位置する。弁部16aと固定部16bとは、蓋14の長手方向において間隔を空けて並ぶ。弁体16は、蓋14の第1長側縁部14aに向けて開口するU字状である。
弁部16aと固定部16bとを最短距離で仮想的に繋ぐ直線を仮想線Lとする。仮想線Lは、蓋14の長手方向に沿って延びる。仮想線Lの一端L1は、第1部位31の一対の長縁部のうち、蓋14の長手方向の第2短側縁部14dに近い方の長縁部に位置し、仮想線Lの他端L2は、第3部位33の一対の長縁部のうち、蓋14の長手方向の第1短側縁部14cに近い方の短縁部に位置する。
弁体16は、弁部16aと固定部16bとを接続する接続部16cを備える。本実施形態の接続部16cは、第1部位31における第1境界部B1よりも蓋14の短手方向の第2長側縁部14b側に位置する部分と、第2部位32の全体と、第3部位33における第2境界部B2よりも蓋14の短手方向の第2長側縁部14b側に位置する部分とによって構成されている。接続部16cの一部は、蓋14の短手方向の中央Cに対して弁部16aとは反対側(第2長側縁部14b側)に位置する。また、接続部16cは、仮想線L上に存在しない。つまり、接続部16cは、蓋14の長手方向における弁部16aと固定部16bとの隙間Sを迂回して弁部16aと固定部16bとを接続する。
図5に示す弁体16は、長方形状の第1〜第5部位41〜45によって構成されている。第1部位41は、蓋14の短手方向において第1長側縁部14aと貫通孔14hとの間に位置する。よって、第1部位41は、蓋14の短手方向の中央Cよりも第1長側縁部14a側に位置する。第1部位41の長手は蓋14の長手方向に延び、第1部位41の短手は蓋14の短手方向に延びる。第2部位42は、第1部位41の一対の長縁部のうち、蓋14の第2長側縁部14bに近い方の長縁部の第2短側縁部14d寄りの部分から第2長側縁部14bに向けて、蓋14の短手方向に延びる。第2部位42の長手は蓋14の短手方向に延び、第2部位42の短手は蓋14の長手方向に延びる。第3部位43は、第2部位42の一対の長縁部のうち、蓋14の第1短側縁部14cに近い方の長縁部の第2長側縁部14b寄りの部分から第1短側縁部14cに向けて、蓋14の長手方向に延びる。第3部位43の長手は蓋14の長手方向に延び、第3部位43の短手は蓋14の短手方向に延びる。第3部位43は、蓋14の短手方向の中央Cよりも第2長側縁部14b側に位置する。第4部位44は、第3部位43の一対の長縁部のうち、蓋14の第1長側縁部14aに近い方の長縁部の第1短側縁部14c寄りの部分から第1長側縁部14aに向けて、蓋14の短手方向に延びる。第4部位44の長手は蓋14の短手方向に延び、第4部位44の短手は蓋14の長手方向に延びる。蓋14の短手方向において、第4部位44の寸法は、第2部位42の寸法よりも短い。第5部位45は、第4部位44の一対の長縁部のうち、蓋14の第2短側縁部14dに近い方の長縁部の第1長側縁部14a寄りの部分から第2短側縁部14dに向けて、蓋14の長手方向に延びる。第5部位45の長手は蓋14の長手方向に延び、第5部位45の短手は蓋14の短手方向に延びる。蓋14の短手方向において、第5部位45は、第1部位41と第3部位43との間に位置する。
弁体16は、第5部位45の一部が蓋14の貫通孔14hの全体を閉塞するように配置される。よって、第5部位45の一部は、蓋14の貫通孔14hの全体を閉塞する弁部16aである。貫通孔14hを構成する内周面のうち、蓋14の長手方向の第1短側縁部14cに最も近い内面141から第1短側縁部14cに向けて、所定の距離だけ離れた位置を閉塞縁部161とする。また、閉塞縁部161を通過し、かつ蓋14の短手方向に沿って延びる仮想的な直線を第1境界部B1とする。弁部16aは、第5部位45において第1境界部B1よりも蓋14の長手方向の第2短側縁部14d側に位置する部分である。弁部16aは、貫通孔14hの開口面積よりも大きく、貫通孔14hの全体を閉塞可能である。また、上述したように、弁部16aの閉塞縁部161は、貫通孔14hの内面141よりも所定の距離だけ外側に位置する。よって、貫通孔14hは、弁部16aによって完全に閉塞される。
弁体16は、第1部位41の一部が蓋14の内面14xにインダイレクトスポット溶接により接合された固定部としての接合部25を有する。弁体16は、接合部25により蓋14に固定される。よって、第1部位41は、蓋14に対して固定される固定部16bである。固定部16bは、蓋14の短手方向の中央Cよりも弁部16a側(第1長側縁部14a側)に位置する。弁部16aと固定部16bとは、蓋14の短手方向において間隔を空けて並ぶ。弁体16は、渦巻き状である。
弁部16aと固定部16bとを最短距離で仮想的に繋ぐ直線を仮想線Lとする。仮想線Lは、蓋14の短手方向に沿って延びる。仮想線Lの一端L1は、弁部16aを構成する第5部位45の一対の長縁部のうち、蓋14の短手方向の第1長側縁部14aに近い方の長縁部に位置し、仮想線Lの他端L2は、第1部位41の一対の長縁部のうち、蓋14の短手方向の第2長側縁部14bに近い方の短縁部に位置する。
弁体16は、弁部16aと固定部16bとを接続する接続部16cを備える。本実施形態の接続部16cは、第2〜第4部位42〜44と、第5部位45における第1境界部B1よりも蓋14の長手方向の第1短側縁部14c側に位置する部分とによって構成されている。接続部16cの一部は、蓋14の短手方向の中央Cに対して弁部16aとは反対側(第2長側縁部14b側)に位置する。また、接続部16cは、仮想線L上に存在しない。つまり、接続部16cは、蓋14の短手方向における弁部16aと固定部16bとの隙間Sを迂回するように弁部16aと固定部16bとを接続する。
図6に示す弁体16は、直線状に延びる第1部位51と、弧状に延びる第2部位52とによって構成されている。第1部位51は、蓋14の短手方向の中央Cよりも第1長側縁部14a側に位置する。第1部位51は、長手が蓋14の長手方向に延び、短手が蓋14の短手方向に延びる長方形状である。第2部位52は、蓋14の短手方向の第2長側縁部14bに向けて凹となる弧状である。第2部位52の両端部のうち、蓋14の長手方向の第1短側縁部14cに近い一端部は、第1部位51の一対の長縁部のうち、蓋14の短手方向の第2長側縁部14bに近い方の長縁部の第1短側縁部14c寄りの部分に繋がる。蓋14の長手方向の第2短側縁部14dに近い第2部位52の他端部は、蓋14の短手方向の中央Cよりも第1長側縁部14a側に位置する。
弁体16は、第1部位51の一部が蓋14の貫通孔14hの全体を閉塞するように配置される。よって、第1部位51の一部は、蓋14の貫通孔14hの全体を閉塞する弁部16aである。また、貫通孔14hを構成する内周面のうち、蓋14の長手方向の第1短側縁部14cに最も近い内面141から第1短側縁部14cに向けて、所定の距離だけ離れた位置を閉塞縁部161とする。また、閉塞縁部161を通過し、かつ蓋14の短手方向に沿って延びる仮想的な直線を第1境界部B1とする。弁部16aは、第1部位51において第1境界部B1よりも蓋14の長手方向の第2短側縁部14d側に位置する部分である。弁部16aは、貫通孔14hの開口面積よりも大きく、貫通孔14hの全体を閉塞可能である。また、上述したように、弁部16aの閉塞縁部161は、貫通孔14hの内面141よりも所定の距離だけ外側に位置する。よって、貫通孔14hは、弁部16aによって完全に閉塞される。
弁体16は、第2部位52の一部が蓋14の内面14xにインダイレクトスポット溶接により接合された固定部としての接合部25を有する。弁体16は、接合部25により蓋14に固定される。よって、第2部位52の一部は、蓋14に対して固定される固定部16bである。接合部25の周縁部のうち、蓋14の短手方向の第2長側縁部14bに最も近い縁部25aを通過し、かつ蓋14の長手方向に沿って延びる仮想的な直線を第2境界部B2とする。固定部16bは、第2部位52において第2境界部B2よりも蓋14の短手方向の第1長側縁部14a側に位置する部分である。固定部16bは、蓋14の短手方向の中央Cよりも弁部16a側(第1長側縁部14a側)に位置する。弁部16aと固定部16bとは、蓋14の長手方向において間隔を空けて並ぶ。
弁部16aと固定部16bとを最短距離で仮想的に繋ぐ直線を仮想線Lとする。仮想線Lは、蓋14の長手方向に沿って延びる。仮想線Lの一端L1は、第1部位51の一対の短縁部のうち、蓋14の長手方向の第2短側縁部14dに近い方の短縁部に位置し、仮想線Lの他端L2は、第2部位32の内周縁に位置する。
弁体16は、弁部16aと固定部16bとを接続する接続部16cを備える。本実施形態の接続部16cは、第1部位51における第1境界部B1よりも蓋14の長手方向の第1短側縁部14c側に位置する部分と、第2部位52における第2境界部B2よりも蓋14の短手方向の第2長側縁部14b側に位置する部分とによって構成されている。接続部16cの一部は、蓋14の短手方向の中央Cに対して弁部16aとは反対側(第2長側縁部14b側)に位置する。また、接続部16cは、仮想線L上に存在しない。つまり、接続部16cは、蓋14の長手方向における弁部16aと固定部16bとの隙間Sを迂回して弁部16aと固定部16bとを接続する。
図7に示す弁体16は、周方向の一箇所が不連続な楕円状である。弁体16の一端部及び他端部は、蓋14の短手方向の中央Cよりも第1長側縁部14a側に位置する。弁体16は、一端部が蓋14の貫通孔14hを閉塞するように配置される。よって、弁体16の一端部は、蓋14の貫通孔14hを閉塞する弁部16aである。貫通孔14hを構成する内周面のうち、蓋14の長手方向の第1短側縁部14cに最も近い内面141から第1短側縁部14cに向けて、所定の距離だけ離れた位置を閉塞縁部161とする。また、閉塞縁部161を通過し、かつ蓋14の短手方向に沿って延びる仮想的な直線を第1境界部B1とする。弁部16aである弁体16の一端部は、弁体16における第1境界部B1から周方向の一端縁162までの部分である。弁部16aは、貫通孔14hの開口面積よりも大きく、貫通孔14hの全体を閉塞可能である。また、上述したように、弁部16aの閉塞縁部161は、貫通孔14hの内面141よりも所定の距離だけ外側に位置する。よって、貫通孔14hは、弁部16aによって完全に閉塞される。
弁体16は、他端部が蓋14の内面14xにインダイレクトスポット溶接により接合された固定部としての接合部25を有する。弁体16は、接合部25により蓋14に固定される。よって、弁体16の他端部は、蓋14に対して固定される固定部16bである。接合部25の周縁部のうち、蓋14の短手方向の第2長側縁部14bに最も近い縁部25aを通過し、かつ蓋14の長手方向に沿って延びる仮想的な直線を第2境界部B2とする。固定部16bを構成する弁体16の他端部は、弁体16における第2境界部B2から周方向の他端縁163までの部分である。固定部16bは、蓋14の短手方向の中央Cよりも弁部16a側に位置する。弁部16aと固定部16bとは、弁体16の周方向において間隔を空けて並ぶ。
弁部16aと固定部16bとを最短距離で仮想的に繋ぐ直線を仮想線Lとする。仮想線Lの一端L1は、弁体16の一端縁162に位置し、仮想線Lの他端L2は、弁体16の他端縁163に位置する。
弁体16は、弁部16aと固定部16bとを接続する接続部16cを備える。本実施形態の接続部16cは、弁体16において第1境界部B1から第2境界部B2までの部分によって構成されている。接続部16cの一部は、蓋14の短手方向の中央Cに対して弁部16aとは反対側(第2長側縁部14b側)に位置する。また、接続部16cは、仮想線L上に存在しない。つまり、接続部16cは、弁部16aと固定部16bとの隙間Sを迂回して弁部16aと固定部16bとを接続する。
○ 蓋14の短手方向の中央Cよりも第1長側縁部14a側での弁部16a及び固定部16bの配置によっては、接続部16cの全体が蓋14の短手方向の中央Cに対して弁部16aとは反対側に位置していてもよい。
○ 図8に示すように、弁体16の弁部16aにおける蓋14側の面には、ゴム系樹脂製のシール部材26が取り付けられていてもよい。シール部材26は、貫通孔14hの径よりも大径である。この場合、弁体16の弁部16aが押し下げられていない状態では、弁部16aは貫通孔14hを閉塞するとともに、シール部材26は蓋14の内面14xに密接する。よって、ケース11の気密性を向上できる。その結果、貫通孔14hからヘリウムがケース11の外部に漏れ出すことをより抑制できる。
○ 図9に示すように、弁体16の弁部16aにおける貫通孔14hと重なる部分は、ケース11の外部に向けた凸部16dであってもよい。この場合、弁体16の弁部16aが押し下げられていない状態では、弁体16の弁部16aは貫通孔14hを閉塞するとともに、凸部16dは貫通孔14hの内側に入り込む。よって、ケース11の気密性を向上できる。その結果、貫通孔14hからヘリウムがケース11の外部に漏れ出すことをより抑制できる。
○ 図10に示すように、弁体16は、紫外線硬化性樹脂によって形成されていてもよい。また、弁体16は、紫外線の照射により硬化された硬化部16eを弁体16の厚み内に備えていてもよい。硬化部16eは、弁体16の厚み方向における蓋14側の約半分に形成される。硬化部16eは、蓋14側の一端面から電極組立体12側の他端面に向かうにつれて縮径する略円柱形状である。硬化部16eの一端面の面積は、貫通孔14hの開口面積よりも大きい。硬化部16eは、弁部16aにおける貫通孔14hからケース11の外部に露出する部分と、弁部16aにおける貫通孔14hを取り囲む部分とに形成される。
硬化部16eは、充填工程後に、弁部16aに対し、蓋14の外面14y側から紫外線を照射することで形成される。弁部16aにおけるケース11の外部に露出する部分は、貫通孔14hを通過した紫外線が直接照射されることにより硬化し、弁部16aにおけるケース11の外部に露出する部分が硬化するのに伴って、弁部16aにおける貫通孔14hを取り囲む部分も硬化する。このとき、弁部16aにおける貫通孔14hを取り囲む部分は、蓋14の内面14xに密接した状態で硬化する。
弁体16を樹脂製にすることで、ばね性により弁体16による貫通孔14hの開閉性を良好にできるとともに、貫通孔14hを繰り返し開閉させた際の弁体16の摩耗を抑制できる。また、弁部16aにおける貫通孔14hを取り囲む部分に形成された硬化部16eは、蓋14の内面14xに密接した状態で硬化されるため、ケース11の気密性が向上する。よって、貫通孔14hからヘリウムがケース11の外部に漏れ出すことをより抑制できる。
○ 蓋14に対する弁体16の固定方法は、インダイレクトスポット溶接に限定されず、適宜変更してよい。
○ 電極組立体12は、上記実施形態に記載した、いわゆる積層型の電極組立体に限定されず、帯状の正極電極、帯状のセパレータ、及び帯状の負極電極をこの順に積層して巻回した巻回型の電極組立体であってもよい。
○ 本封止部材は、貫通孔14hを本封止できるのであれば、ブラインドリベット17に限定されず、適宜変更してよい。
○ 蓄電装置は、例えばキャパシタなど、二次電池以外の蓄電装置にも適用可能である。
10…蓄電装置としての二次電池、11…ケース、12…電極組立体、14…壁部としての蓋、14h…貫通孔、14x…内面、16…弁体、16a…弁部、16b…固定部、16c…接続部、16d…凸部、16e…硬化部、21…第1直線部としての第1部位、22…第2直線部としての第2部位、23…第3直線部としての第3部位、24…第4直線部としての第4部位、26…シール部材、C…中央、L…仮想線、L1…一端、L2…他端。

Claims (5)

  1. 電極組立体と、
    前記電極組立体を収容するとともに、壁部に貫通孔が形成され、内部にヘリウムが充填されたケースと、
    前記壁部の内面に対し、前記貫通孔を開閉可能に取り付けられた弁体と、
    を備え、
    前記貫通孔が形成された前記壁部は長方形状であり、前記貫通孔は、前記壁部の短手方向の中央からずれた位置に配置され、
    前記弁体は、前記貫通孔を開閉する薄板状の弁部と、前記壁部の内面に固定された固定部と、前記弁部と前記固定部とを接続する薄板状の接続部とを有し、
    前記固定部は、前記壁部の短手方向の中央よりも前記弁部側に位置し、
    前記接続部は、少なくとも一部が前記壁部の短手方向の中央に対して前記弁部とは反対側に位置するとともに、前記弁部を一端とし、前記固定部を他端として前記弁部と前記固定部とを最短距離で繋いだ仮想線上に存在しないことを特徴とする蓄電装置。
  2. 前記弁部と前記固定部とは、前記壁部の長手方向に間隔を空けて並び、
    前記接続部は、
    前記弁部から前記壁部の長手方向に延びる第1直線部と、
    前記第1直線部における前記弁部とは反対側の端部から前記壁部の短手方向に延びる第2直線部と、
    前記第2直線部における前記第1直線部とは反対側の端部から前記壁部の長手方向に延びるとともに、前記第1直線部と前記壁部の短手方向に並ぶ第3直線部と、
    前記第3直線部における前記第2直線部とは反対側の端部から前記固定部に向けて前記壁部の短手方向に延びる第4直線部と、
    から構成されている請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記弁体は1枚の板ばねであり、
    前記弁部における前記壁部側の面には、ゴム系樹脂製のシール部材が取り付けられている請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置。
  4. 前記弁部における前記貫通孔と重なる部分は、前記ケースの外部に向けた凸部である請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置。
  5. 前記弁体は、紫外線硬化性樹脂製であり、前記弁部における前記貫通孔を取り囲む部分に前記壁部の内面に密接した状態で硬化された硬化部を備える請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置。
JP2018241202A 2018-12-25 2018-12-25 蓄電装置 Pending JP2020102413A (ja)

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