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JP2020192598A - フラックス - Google Patents

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JP2020192598A
JP2020192598A JP2019196436A JP2019196436A JP2020192598A JP 2020192598 A JP2020192598 A JP 2020192598A JP 2019196436 A JP2019196436 A JP 2019196436A JP 2019196436 A JP2019196436 A JP 2019196436A JP 2020192598 A JP2020192598 A JP 2020192598A
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浩由 川▲崎▼
Hiroyoshi Kawasaki
浩由 川▲崎▼
正人 白鳥
Masato Shiratori
正人 白鳥
勇司 川又
Yuji Kawamata
勇司 川又
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Abstract

【課題】はんだ濡れ性を十分に向上させ、且つ、長期保存における安定性にも優れた、はんだ合金をはんだ付けするためのフラックスを提供すること。【解決手段】はんだ合金をはんだ付けするための、クロレンド酸アミドを含むフラックスで、クロレンド酸アミドとして、クロレンド酸とシクロヘキシルアミンの脱水縮合物、該脱水縮合物のシクロヘキシルアミン塩、又、クロレンド酸アミド2量体、クロレンド酸アミド他量体等のクロレンド酸アミドが2種以上縮合しもしくはアミン等を介して結合した化合物が含まれる。【選択図】なし

Description

本発明は、はんだ合金をはんだ付けするためのフラックスに関する。
プリント基板への電子部品の実装といった、電子機器における電子部品の固定と電気的接続は、コスト面及び信頼性の面で最も有利なはんだ付けにより一般に行われている。
この種のはんだ付けに一般に採用されている方法は、溶融はんだにプリント基板及び電子部品を接触させてはんだ付けを行うフローソルダリング法、並びにソルダペースト、ソルダプリフォーム又はソルダボールの形態のはんだをリフロー炉で再溶融してはんだ付けを行うリフローソルダリング法である。
このはんだ付けにおいては、プリント基板及び電子部品にはんだが付着し易くなるようにする補助剤であるフラックスが使用される。フラックスは、(1)金属表面清浄作用(プリント基板及び電子部品の金属表面の酸化膜を化学的に除去して、はんだ付けが可能となるように表面を清浄化する作用)、(2)再酸化防止作用(清浄になった金属表面をはんだ付け中に覆って酸素との接触を遮断し、加熱により金属表面が再酸化されるのを防止する作用)、(3)界面張力低下作用(溶融したはんだの表面張力を小さくして、金属表面のはんだによる濡れ性を高める作用)、などの多くの有用な作用を果たしている。
フローソルダリング法によるプリント基板のはんだ付けでは、電子部品搭載の前又は後にはんだ付け部にフラックス(ポストフラックス)が塗布される。その後、ポストフラックスが塗布された後のプリント基板を、フローはんだ付け装置において噴流させたはんだの上を通過させ、フローはんだ付けを行う。
従来のフローソルダリング法によるはんだ付けに用いるフラックスとして、特許文献1には、主剤樹脂、活性剤、酸性りん酸エステル及びその誘導体から選ばれた少なくとも1種の化合物を0.2〜4質量%の量で含有する鉛フリーはんだ用の無洗浄型樹脂系フラックスが提案されている。
特許文献2には、塩素原子を含む活性剤と有機リン化合物との両方を特定の割合で含むフラックスにより、はんだ付け時のブリッジ及びボールの発生が抑制できることが記載されている。
特許文献3には、ロジン系樹脂と、特定の活性剤を含むフラックスにより、鉛フリーはんだを用いた場合でも、はんだ付けの際のディウェッテイングやはんだブリッジを十分に抑制できることが記載されている。
国際公開第2008/072654号 特許第6322881号公報 特開2013−126671号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載されたフラックスは、はんだ合金に使用した際のはんだ濡れ性の向上が未だ十分であるとはいえず、また、長期保存における安定性に関しても課題がある。
上記事情に鑑み、本発明は、はんだ濡れ性を十分に向上させ、且つ、長期保存における安定性にも優れた、はんだ合金をはんだ付けするためのフラックスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究した結果、クロレンド酸アミドを含むフラックスを用いることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
はんだ合金をはんだ付けするための、クロレンド酸アミドを含むフラックス。
[2]
前記クロレンド酸アミドの含有量が、フラックス全体に対して0質量%超5質量%以下である、上記[1]記載のフラックス。
[3]
前記クロレンド酸アミドが、下記式(1)〜(6)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上である、上記[1]又は[2]に記載のフラックス。
[4]
溶剤をさらに含む、上記[1]〜[3]のいずれか記載のフラックス。
[5]
前記溶剤は2−プロパノールである、上記[4]に記載のフラックス。
[6]
前記はんだ付けが、フローはんだ付けである、上記[1]〜[5]のいずれか記載のフラックス。
[7]
上記[1]〜[6]のいずれか記載のフラックスで処理された基板の表面に、はんだ合金をはんだ付けして接合体を形成する工程を含む、接合体の製造方法。
[8]
前記はんだ付けが、フローはんだ付けである、上記[7]記載の製造方法。
[9]
上記[8]又は[9]に記載の製造方法で得られる接合体。
[10]
クロレンド酸アミドを含むフラックス活性剤。
本発明によれば、はんだ濡れ性を十分に向上させ、且つ、長期保存における安定性にも優れた、はんだ合金をはんだ付けするためのフラックスを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
[フラックス]
本実施形態のはんだ合金をはんだ付けするためのフラックスは、クロレンド酸アミドを含む。クロレンド酸アミドはフラックス活性剤として機能する。本実施形態のフラックスを使用することにより、はんだ合金の濡れ性を十分に向上させることができる。はんだ付けは、フローはんだ付け及びリフローはんだ付けのいずれにも用いることができるが、本発明の効果がより顕著となるため、フローはんだ付けにより行うことが好ましい。
クロレンド酸アミドの含有量は、フラックス全体に対して、好ましくは0質量%超5質量%以下であり、より好ましくは0質量%超1質量%以下であり、更に好ましくは0.2質量%以上0.7質量%以下であり、特に好ましくは0.3質量%以上0.6質量%以下である。クロレンド酸アミドの含有量が0質量%超である場合、はんだ濡れ性と保存安定性が向上する傾向にある。一方で、クロレンド酸アミドの含有量の上限としては特に限定されないが、5質量%超である場合、残渣中の活性成分が多くなるため吸湿を招きやすくなる傾向にある。その結果、絶縁抵抗値が下がり信頼性が下がるほか、吸湿性により残渣のべとつきなども発生しうるため、5質量%以下であることが好ましい。
クロレンド酸アミドとしては、特に限定されず、クロレンド酸とシクロヘキシルアミンの脱水縮合物や、クロレンド酸とシクロヘキシルアミンの脱水縮合物のシクロヘキシルアミン塩等が挙げられる。具体的には、例えば、上記式(1)〜(6)で表される化合物が挙げられる。これらの中でも、フラックス活性や相溶性の観点から、シクロへキシルアミンの脱水縮合物や、これのシクロへキシルアミン塩が好ましい。
また、クロレンド酸アミドとしては、以下の式(7)で示されるクロレンド酸アミド2量体やクロレンド酸アミド多量体等の、クロレンド酸アミドが2種以上縮合もしくはアミン等を介して結合した化合物も含まれる。
(式中、Rは置換されていてもよい、直鎖若しくは分岐のアルキレン基、アルキレングリコール基、オキシアルキレン基を示す。)
Rで示されるアルキレン基、アルキレングリコール基、オキシアルキレン基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは1〜54であり、より好ましくは2〜36である。
さらに、クロレンド酸アミドとしては、以下の式(8)で示されるクロレンド酸アミドとクロレンド酸エステルが直接もしくはアミンやアルコール等を介して結合した化合物も含まれる。
(式中、Rは上記と同義である。)
また、クロレンド酸アミドとしては、上述した化合物の各種異性体(構造異性体、光学異性体等)や、上述した化合物の塩(アミン塩等)も含まれる。
クロレンド酸アミドは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、上述した各種クロレンド酸アミドは、公知の方法を用いて製造することができる。
本実施形態におけるフラックスは、クロレンド酸アミドに加えて、クロレンド酸及び/又は無水クロレンド酸が含まれていてもよい。クロレンド酸及び無水クロレンド酸の合計含有量は、フラックス全体に対して、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0質量%である。クロレンド酸及び無水クロレンド酸の含有量が多すぎると、長期保存におけるフラックスの安定性が低下する傾向にある。
本実施形態のフラックスは、クロレンド酸アミドに加えて、任意成分を更に含んでいてもよい。任意成分としては、例えば、溶剤、ロジン、活性剤、及びつや消し剤等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、水、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、及びテルピネオール類が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、2−プロパノール、エタノール、1,2−ブタンジオール、イソボルニルシクロヘキサノール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,2’−オキシビス(メチレン)ビス(2−エチル−1,3−プロパンジオール)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、ビス[2,2,2−トリス(ヒドロキシメチル)エチル]エーテル、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エリトリトール、トレイトール、グアヤコールグリセロールエーテル、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールが挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤としては、例えば、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ヘキシルジグリコール、及びテトラエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
上記の中でも、揮発性の観点から、アルコール系溶剤が好ましい。また、ロジン、活性剤としての有機酸等と溶剤とのエステル化を抑制する観点から、2−プロパノールが好ましい。
溶剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
フローはんだ付け用のフラックスの場合、溶剤の含有量は、フラックス全体に対して、好ましくは75〜94質量%であり、より好ましくは80〜92質量%であり、更に好ましくは85〜90質量%である。リフローはんだ付け用のフラックスの場合、溶剤の含有量は、フラックス全体に対して、好ましくは20〜75質量%であり、より好ましくは25〜55質量%であり、更に好ましくは30〜50質量%である。
ロジンとしては、例えば、酸変性ロジン、精製ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、ロジンエステル、及び重合ロジンが挙げられる。ロジンは、マツ科植物の松やに等に含まれる不揮発性成分である。ロジンとしては、例えば、トールロジン、ガムロジン、及びウッドロジンが挙げられる。酸変性ロジンは、ロジンを酸処理したものである。酸変性ロジンは、水素化されていてもよい。酸変性ロジンとしては、例えば、アクリル酸変性ロジン、アクリル酸変性水添ロジン、マレイン酸変性ロジン、及びマレイン酸変性水添ロジンが挙げられる。ロジンは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。フラックスがロジンを含むことにより、はんだ合金の濡れ性を向上させることができる傾向にある。
フローはんだ付け用のフラックスの場合、ロジンの含有量は、フラックス全体に対して、好ましくは3〜18質量%であり、より好ましくは6〜15質量%であり、更に好ましくは9〜12質量%である。リフローはんだ付け用のフラックスの場合、ロジンの含有量は、フラックス全体に対して、好ましくは0〜65質量%であり、より好ましくは5〜60質量%であり、更に好ましくは20〜50質量%である。
ロジンの含有量を上記の範囲内とすることにより、はんだ合金の濡れ性を更に向上させることができる傾向にある。
活性剤としては、例えば、有機酸、ハロゲン系活性剤(例えば、有機ハロゲン化合物、及びアミンハロゲン化水素酸塩)、アミン、及び有機リン系化合物(例えば、ホスホン酸エステル、及びフェニル置換ホスフィン酸)が挙げられる。活性剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。フラックスが活性剤を含むことにより、はんだ合金の濡れ性を更に向上させることができる。
有機酸としては、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、エイコサン二酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、サリチル酸、ジグリコール酸、ジピコリン酸、ジブチルアニリンジグリコール酸、スベリン酸、セバシン酸、チオグリコール酸、テレフタル酸、ドデカン二酸、パラヒドロキシフェニル酢酸、ピコリン酸、フェニルコハク酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、ラウリン酸、安息香酸、酒石酸、グルタル酸、パルミチン酸、イソシアヌル酸トリス(2−カルボキシエチル)、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジエチルグルタル酸、2−キノリンカルボン酸、3−ヒドロキシ安息香酸、リンゴ酸、p−アニス酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、トリマー酸、及び水添トリマー酸が挙げられる。
有機ハロゲン化合物としては、例えば、1,2,4,5−テトラブロモベンゼン、トランス−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ジブロモ−1,4−ブタンジオール、2,3−ジブロモ−1−プロパノール、2,3−ジクロロ−1−プロパノール、1,1,2,2−テトラブロモエタン、2,2,2−トリブロモエタノール、ペンタブロモエタン、四臭化炭素、2,2−ビス(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオール、meso−2,3−ジブロモコハク酸、クロロアルカン、塩素化脂肪酸エステル、臭化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、トリアリルイソシアヌレート6臭化物、2,2−ビス[3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル]プロパン、ビス[3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル]スルホン、エチレンビスペンタブロモベンゼン、2−クロロメチルオキシラン、及び臭化ビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。
アミンハロゲン化水素酸塩としては、例えば、三フッ化ホウ素ピぺリジン、ステアリルアミン塩酸塩、ジエチルアニリン塩酸塩、ジエタノールアミン塩酸塩、2−エチルヘキシルアミン臭化水素酸塩、ピリジン臭化水素酸塩、イソプロピルアミン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン臭化水素酸塩、モノエチルアミン臭化水素酸塩、1,3−ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、ジメチルアミン臭化水素酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、ロジンアミン臭化水素酸塩、2−エチルヘキシルアミン塩酸塩、イソプロピルアミン塩酸塩、シクロヘキシルアミン塩酸塩、2−ピペコリン臭化水素酸塩、1,3−ジフェニルグアニジン塩酸塩、ジメチルベンジルアミン塩酸塩、ヒドラジンヒドラート臭化水素酸塩、ジメチルシクロヘキシルアミン塩酸塩、トリノニルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアニリン臭化水素酸塩、2−ジエチルアミノエタノール臭化水素酸塩、2−ジエチルアミノエタノール塩酸塩、塩化アンモニウム、ジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン臭化水素酸塩、モノエチルアミン塩酸塩、モノエチルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン臭化水素酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、ヒドラジン一塩酸塩、ヒドラジン二塩酸塩、ヒドラジン一臭化水素酸塩、ヒドラジン二臭化水素酸塩、ピリジン塩酸塩、アニリン臭化水素酸塩、ブチルアミン塩酸塩、へキシルアミン塩酸塩、n−オクチルアミン塩酸塩、ドデシルアミン塩酸塩、ジメチルシクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、エチレンジアミン二臭化水素酸塩、ロジンアミン臭化水素酸塩、2−フェニルイミダゾール臭化水素酸塩、4−ベンジルピリジン臭化水素酸塩、L−グルタミン酸塩酸塩、N−メチルモルホリン塩酸塩、ベタイン塩酸塩、2−ピペコリンヨウ化水素酸塩、シクロヘキシルアミンヨウ化水素酸塩、1,3−ジフェニルグアニジンフッ化水素酸塩、ジエチルアミンフッ化水素酸塩、2−エチルヘキシルアミンフッ化水素酸塩、シクロヘキシルアミンフッ化水素酸塩、エチルアミンフッ化水素酸塩、ロジンアミンフッ化水素酸塩、シクロヘキシルアミンテトラフルオロホウ酸塩、及びジシクロヘキシルアミンテトラフルオロホウ酸塩が挙げられる。
アミンとしては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、アミノアルコール、アゾール類、アミノ酸、グアニジン、及びヒドラジドが挙げられる。
脂肪族アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、エチルアミン、1−アミノプロパン、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、アリルアミン、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、イソブチルアミン、及びシクロヘキシルアミンが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、N−メチルアニリン、ジフェニルアミン、N−イソプロピルアニリン、及びp−イソプロピルアニリンが挙げられる。
アミノアルコールとしては、例えば、2−アミノエタノール、2−(エチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−シクロヘキシルアミン、N,N,N',N'−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、及びN,N,N',N'',N''−ペンタキス(2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミンが挙げられる。
アゾール類としては、例えば、イミダゾール、3,5−ジメチルピラゾール、ベンゾトリアゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル−(1')]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−ウンデシルイミダゾリル−(1')]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−エチル−4'−メチルイミダゾリル−(1')]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル−(1')]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、エポキシ−イミダゾールアダクト、2−メチルベンゾイミダゾール、2−オクチルベンゾイミダゾール、2−ペンチルベンゾイミダゾール、2−(1−エチルペンチル)ベンゾイミダゾール、2−ノニルベンゾイミダゾール、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール、及びベンゾイミダゾールが挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン塩酸塩、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン一塩酸塩、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、β-アラニン、γ-アミノ酪酸、δ-アミノ吉草酸、ε-アミノヘキサン酸、ε-カプロラクタム、及び7−アミノヘプタン酸が挙げられる。
ホスホン酸エステルとしては、例えば、2−エチルヘキシル(2−エチルヘキシル)ホスホネート、n−オクチル(n−オクチル)ホスホネート、n−デシル(n−デシル)ホスホネート、及びn−ブチル(n−ブチル)ホスホネートが挙げられる。
フェニル置換ホスフィン酸としては、例えば、フェニルホスフィン酸、及びジフェニルホスフィン酸が挙げられる。
活性剤の含有量は、フラックス全体に対して、好ましくは0.1〜12.0質量%であり、より好ましくは0.3〜8.0質量%であり、更に好ましくは0.5〜4.0質量%である。
活性剤の含有量を上記の範囲内とすることにより、はんだ合金の濡れ性を更に向上させることができる傾向にある。
つや消し剤としては、例えば、パルミチン酸が挙げられる。つや消し剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。フラックスがつや消し剤を含むことにより、接合体の継手部分のつやを消し、当該部分の外観検査を容易にすることができる。
つやけし剤は、フラックス全体に対して、好ましくは0.01〜4.0質量%であり、より好ましくは0.05〜3.0質量%であり、更に好ましくは0.1〜2.0質量%である。つやけし剤の含有量を上記の範囲内とすることにより、接合体の継手部分の外観検査を更に容易にすることができる傾向にある。
[はんだ合金]
本実施形態のフラックスは、フローはんだ付け、リフローはんだ付けのいずれにも用いることができるが、はんだ濡れ性の観点からはフローはんだ付けに用いることが好ましい。
フローはんだ付けに用いるはんだ合金としては、公知の組成のはんだ合金を使用することができる。具体的には、Sn−Ag合金、Sn−Cu合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−In合金、Sn−Pb合金,Sn−Bi合金,Sn−Ag−Cu−Bi合金や、上記合金組成にAg、Cu、In、Ni、Co、Sb、Ge、P、Fe、Zn、Ga等を更に添加した合金が挙げられる。
Asは、はんだ付け後のはんだ表面の酸化による黄色変化を抑制することができる元素である。Asはフラックスとの反応性が低く、またSnに対して貴な元素であるために増粘抑制効果を発揮することができると推察される。Asが25質量ppm未満であると、増粘抑制効果を十分に発揮することができない。As含有量の下限は25質量ppm以上であり、好ましくは50質量ppm以上であり、より好ましくは100質量ppm以上である。一方、Asが多すぎるとはんだ合金の濡れ性が劣化する。As含有量の上限は300質量ppm以下であり、このましくは250質量ppm以下であり、より好ましくは200質量ppm以下である。
Bi及びPbはフラックスとの反応性が低く、リフローはんだ付け用のはんだペーストに増粘抑制効果を付与することができる。また、これらの元素は、はんだ合金の液相線温度を下げるとともに溶融はんだの粘性を低減させるため、Asによる濡れ性の劣化を抑えることができる元素である。
Bi及びPbの少なくとも1元素が存在すれば、Asによる濡れ性の劣化を抑えることができる。本実施形態に係るはんだ合金がBiを含有する場合、Bi含有量の下限は0質量ppm超えであり、好ましくは25質量ppm以上であり、より好ましくは50質量ppm以上であり、さらに好ましくは75質量ppm以上であり、特に好ましくは100質量ppm以上であり、最も好ましくは250質量ppm以上である。本実施形態に係るはんだ合金がPbを含有する場合、Pb含有量の下限は0質量ppm超えであり、好ましくは25質量ppm以上であり、より好ましくは50質量ppm以上であり、さらに好ましくは75質量ppm以上であり、特に好ましくは100質量ppm以上であり、最も好ましくは250質量ppm以上である。
一方、これらの元素の含有量が多すぎると、固相線温度が著しく低下するため、液相線温度と固相線温度との温度差であるΔTが広くなりすぎる。ΔTが広すぎると、溶融はんだの凝固過程において、BiやPbの含有量が少ない高融点の結晶相が析出するために液相のBiやPbが濃縮される。その後、さらに溶融はんだの温度が低下すると、BiやPbの濃度が高い低融点の結晶相が偏析してしまう。このため、はんだ合金の機械的強度等が劣化することになる。特に、Bi濃度が高い結晶相は硬くて脆いため、はんだ合金中で偏析すると機械的強度等が著しく低下する。
このような観点から、本実施形態に係るはんだ合金がBiを含有する場合、Bi含有量の上限は25000質量ppm以下であり、好ましくは10000質量ppm以下であり、より好ましくは1000質量ppm以下であり、さらに好ましくは600質量ppm以下であり、特に好ましくは500質量ppm以下である。本実施形態に係るはんだ合金がPbを含有する場合、Pb含有量の下限値は8000質量ppm以下であり、好ましくは5100質量ppm以下であり、より好ましくは5000質量ppm以下であり、さらに好ましくは1000質量ppm以下であり、特に好ましくは850質量ppm以下であり、最も好ましくは500質量ppm以下である。
本実施形態に係るはんだ合金は、下記(1)式を満たすことが好ましい。
275≦2As+Bi+Pb (1)
上記(1)式中、As、Bi、及びPbは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
As、Bi及びPbは、いずれも増粘抑制効果を示す元素である。増粘抑制これらの合計が230質量ppm以上であることが好ましい。(1)式中、As含有量を2倍にしたのは、AsがBiやPbと比較して増粘抑制効果が高いためである。
(1)式が275未満であると、増粘抑制効果が十分に発揮されない傾向にある。(1)式の下限は275以上であり、好ましくは300以上であり、より好ましくは700以上であり、さらに好ましくは900以上である。一方、(1)の上限は、増粘抑制効果の観点では特に限定されることはないが、ΔTを適した範囲にする観点から、好ましくは25200以下であり、より好ましくは15200以下であり、さらに好ましくは10200以下であり、特に好ましくは8200以下であり、最も好ましくは5300以下である。
上記好ましい態様の中から上限及び下限を適宜選択したものが、下記(1a)式及び(1b)式である。
275≦2As+Bi+Pb≦25200 (1a)
275≦2As+Bi+Pb≦5300 (1b)
上記(1a)及び(1b)式中、As、Bi、及びPbは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
本実施形態に係るはんだ合金は、下記(2)式を満たすことが好ましい。
0<2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦7 (2)
上記(2)式中、Bi、及びPbは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
Bi及びPbは、Asを含有することによる濡れ性の劣化を抑制するが、含有量が多すぎるとΔTが上昇してしまうため、厳密な管理が必要である。特に、Bi及びPbを同時に含有する合金組成では、ΔTが上昇しやすい。本実施形態では、BiとPbの含有量に所定の係数を乗じた値の合計を規定することにより、ΔTの上昇を抑制することができる。(2)式ではPbの係数がBiの係数より大きい。PbはBiと比較してΔTへの寄与度が大きく、含有量が少し増加しただけでΔTが大幅に上昇してしまうためである。
(2)式が0であるはんだ合金は、Bi及びPbの両元素を含有しないことになり、Asを含有したことによる濡れ性の劣化を抑制することができない。(2)式の下限は0超えであり、好ましくは0.02以上であり、より好ましくは0.03以上であり、さらに好ましくは0.05以上であり、特に好ましくは0.06以上であり、最も好ましくは0.11以上である。一方、(2)式が7を超えるとΔTの温度域が広くなりすぎるため、溶融はんだの凝固時にBiやPbの濃度が高い結晶相が偏析して機械的強度等が劣化する。(2)の上限は7以下であり、好ましくは6.56以下であり、より好ましくは6.40以下であり、さらに好ましくは5.75以下であり、さらにより好ましくは4.18以下であり、特に好ましくは2.30以下であり、最も好ましくは0.90以下である。
上記好ましい態様の中から上限及び下限を適宜選択したものが、下記(2a)式である。
0.02≦2.3×10-4×Bi+8.2×10-4×Pb≦0.9 (2a)
上記(2a)式中、Bi及びPbは各々合金組成での含有量(質量ppm)を表す。
Agは、結晶界面にAg3Snを形成してはんだ合金の機械的強度等を向上させることができる任意元素である。また、Agはイオン化傾向がSnに対して貴な元素であり、As、Pb、及びBiと共存することによりこれらの増粘抑制効果を助長する。Ag含有量は好ましくは0〜4%であり、より好ましくは0.5〜3.5%であり、さらに好ましくは1.0〜3.0%である。
Cuは、はんだ継手の接合強度を向上させることができる任意元素である。また、Cuはイオン化傾向がSnに対して貴な元素であり、As、Pb、及びBiと共存することによりこれらの増粘抑制効果を助長する。Cu含有量は好ましくは0〜0.9%であり、より好ましくは0.1〜0.8%%であり、さらに好ましくは0.2〜0.7%である。
本実施形態に係るはんだ合金の残部はSnである。前述の元素の他に不可避的不純物を含有してもよい。不可避的不純物を含有する場合であっても、前述の効果に影響することはない。また、後述するように、本実施形態では含有しない元素が不可避的不純物として含有されても前述の効果に影響することはない。Inは、含有量が多すぎるとΔTが広がるため、1000質量ppm以下であれば前述の効果に影響することはない。
[はんだペースト]
はんだペースト中のはんだ合金及びフラックスの含有量に限定はなく、例えば、はんだ合金を5〜95質量%、フラックスを5〜95質量%とすることができる。
本実施形態に係るはんだペーストは、酸化ジルコニウム粉末を含有することが好ましい。酸化ジルコニウムは、経時変化に伴うペーストの粘度上昇を抑制することができる。これは、酸化ジルコニウムを含有することにより、はんだ粉末表面の酸化膜厚がフラックス中に投入する前の状態を維持するためと推測される。詳細は不明であるが、以下のように推察される。通常、フラックスの活性成分は常温でもわずかに活性を持っているため、はんだ粉末の表面酸化膜が還元により薄くなり、粉末同士が凝集する原因になっている。そこで、はんだペーストに酸化ジルコニウム粉末を添加することで、フラックスの活性成分が酸化ジルコニウム粉末と優先的に反応し、はんだ粉末表面の酸化膜が凝集しない程度に維持されると推察される。
このような作用効果を十分に発揮するためには、はんだペースト中の酸化ジルコニウム粉末の含有量ははんだペーストの全質量に対して0.05〜20.0%であることが好ましい。0.05%以上であると上記作用効果を発揮することができ、20.0%以下であると金属粉末の含有量を確保することができ、増粘防止効果を発揮することができる。酸化ジルコニウムの含有量は好ましくは0.05〜10.0%であり、より好ましい含有量は0.1〜3%である。
はんだペースト中の酸化ジルコニウム粉末の粒径は5μm以下であることが好ましい。粒径が5μm以下であるとペーストの印刷性を維持することができる。下限は特に限定されることはないが0.5μm以上であればよい。上記粒径は、酸化ジルコニウム粉末のSEM写真を撮影し、0.1μm以上の各粉末について画像解析により投影円相当径を求め、その平均値とした。
酸化ジルコニウムの形状は特に限定されないが、異形状であればフラックスとの接触面積が大きく増粘抑制効果がある。球形であると良好な流動性が得られるためにペーストとしての優れた印刷性が得られる。所望の特性に応じて適宜形状を選択すればよい。
本実施形態のはんだ付け用フラックス及びはんだペーストの製造方法に限定はなく、原料を同時に又は順次、任意の方法で混合することにより製造することができる。
[接合体及びその製造方法]
本実施形態の接合体の製造方法は、クロレンド酸アミドを含むフラックスで処理された基板の表面に、はんだ合金をはんだ付けして、接合体を形成する工程(以下、「接合工程」という。)を含む。
本実施形態における製造方法で使用されるフラックス及びはんだ合金の詳細は、上記の[フラックス]及び[はんだ合金]の項目において記載したとおりである。
本実施形態における製造方法は、接合工程に先立ち、クロレンド酸アミドを含むフラックスで、基板の表面を処理する工程(以下、「前処理工程」という。)を更に含んでいてもよい。
前処理工程における処理方法、及び接合工程における接合方法は、特に限定されず、本技術分野において一般的に実施されている方法を採用することができる。はんだ付けは、フローはんだ付けにより行うことが好ましい。
接合体は、基板と、前記基板の表面にはんだ付けされたはんだ合金と、フラックスの残渣とを含む。基板としては、例えば、プリント配線板が挙げられる。接合体としては、例えば、プリント配線板に電子部品が取り付けられたプリント回路板が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
(評価)
(1)はんだ濡れ性の評価
実施例及び比較例で調製したフラックスについて、メニスコ測定でのゼロクロスタイムに基づいて濡れ速度を評価した。メニスコ条件は以下のとおりである。
・固体試料:銅板(幅5mm×長さ25mm×厚み0.5mm;酸化処理等無し)
・はんだ槽温度:280℃(はんだ合金:Sn−3Ag−0.5Cu)
・浸漬速度:20mm/sec
・浸漬深さ:5mm
・測定時間:10sec
・フラックス処理:銅板をフラックス中に浸漬(浸漬深さ約10mm)
濡れ速度の評価基準は以下のとおりである。
〇〇:ゼロクロスタイム3秒以下
〇 :ゼロクロスタイム6秒以下
× :ゼロクロスタイム6秒超
(2)保存安定性
実施例及び比較例で調製したフラックスについて、保存安定性を評価した。保存安定性は、加湿保管後の酸価の減少率により評価した。加湿条件は以下のとおりである。
・初期酸価:各材料の酸価×配合比率の総和により初期酸価値を算出
・加湿条件:50℃、5時間
保存安定性の評価基準は以下のとおりである。
〇:酸価値が初期酸価よりも30%以内
×:酸価値が初期酸価よりも30%超減少
以下の表に示す組成で実施例A1〜57及び比較例A1〜3のフラックスを調合した。
なお、以下の表中の各成分の数値は、フラックス全体の質量に対する各成分の質量%を表し、「溶剤」の欄の「残部」は、溶剤以外の成分の合計に対して溶剤を加えることによりフラックス全体として100質量%となることを表す。
また、表中のクロレンド酸アミド(1)〜(6)は、それぞれ上述した式(1)〜(6)で表される構造を有するクロレンド酸アミドである。各化合物は、いずれもその異性体(構造異性体・立体異性体)を含む。
[はんだ合金の検討]
実施例A40で調整したフラックスと、表8及び表9に示す合金組成からなりJIS Z 3284−1:2004における粉末サイズの分類(表2)において記号4を満たすサイズ(粒度分布)のはんだ合金とを混合してはんだペーストを作製した。フラックスとはんだ合金との質量比は、フラックス:はんだ合金=11:89である。はんだ合金の液相線温度及び固相線温度を測定した。さらに、作製直後のはんだペーストを用いて濡れ性の評価を行った。詳細は以下のとおりである。
(3)濡れ性の評価(ペースト)
作製直後の各はんだペーストをCu板上に印刷し、リフロー炉でN2雰囲気中、1℃/sの昇温速度で25℃から260℃まで加熱した後、室温まで冷却した。冷却後のはんだバンプの外観を光学顕微鏡で観察することで濡れ性を評価した。溶融しきれていないはんだ粉末が観察されない場合に「○」と評価し、溶融しきれていないはんだ粉末が観察された場合に「×」と評価した。
(4)ΔT
フラックスと混合する前のはんだ合金について、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、型番:EXSTAR DSC7020を用い、サンプル量:約30mg、昇温速度:15℃/minにてDSC測定を行い、固相線温度及び液相線温度を得た。得られた液相線温度から固相線温度を引いてΔTを求めた。ΔTが10℃以下の場合に「○」と評価し、10℃を超える場合に「×」と評価した。
表8及び9中、Ag、Cuは質量%、Ni、Ge、As、Bi、Pbは質量ppmを示す。
表8及び9に示すように、全ての実施例Bでは、ΔTの狭窄化を示した。また、全ての実施例Bにおいて、優れた濡れ性を示すことがわかった。
[フラックスとはんだ合金の組み合わせ]
実施例A40のフラックスと、実施例B1のはんだ合金とを含むはんだペーストについて評価した結果、ΔT、及び濡れ性において良好な結果が得られた。
実施例A40のフラックスに代えて、実施例A41〜A57の各種フラックスをそれぞれ使用した場合も、ΔT、及び濡れ性においても良好な結果が得られた。
同様に、実施例A40〜A57の各種フラックスに対して、その他の実施例Bの各種はんだ合金をそれぞれ組み合わせた場合も、ΔT、及び濡れ性においても良好な結果が得られた。
また、特に、Asを25ppm以上含む合金を用いたはんだ接合体は、大気雰囲気で100〜200℃のAging処理をした際、Asを含有しないものと比較して黄色変化が抑制されていた。

Claims (10)

  1. はんだ合金をはんだ付けするための、クロレンド酸アミドを含むフラックス。
  2. 前記クロレンド酸アミドの含有量が、フラックス全体に対して0質量%超5質量%以下である、請求項1記載のフラックス。
  3. 前記クロレンド酸アミドが、下記式(1)〜(6)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載のフラックス。
  4. 溶剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項記載のフラックス。
  5. 前記溶剤は2−プロパノールである、請求項4に記載のフラックス。
  6. 前記はんだ付けがフローはんだ付けである、請求項1〜5のいずれか1項記載のフラックス。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載のフラックスで処理された基板の表面に、はんだ合金をはんだ付けして接合体を形成する工程を含む、接合体の製造方法。
  8. 前記はんだ付けがフローはんだ付けである、請求項7記載の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載の製造方法で得られる接合体。
  10. クロレンド酸アミドを含むフラックス活性剤。
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