以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
[情報管理システム10]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る情報管理システム10は、サーバー1、クライアント端末2、及びプリンター3などを備える。前記サーバー1、前記クライアント端末2、及びプリンター3は、通信網4を介して無線又は有線で通信可能に接続される。前記通信網4は、LAN、WAN、インターネット、又はイントラネットなどである。また、前記サーバー1には、前記通信網4を介して上位システム5が接続される。なお、前記情報管理システム10のユーザーは、例えば病院、介護老人保険施設、又は薬局などの医療機関における医師、薬剤師、テクニシャン、医療事務員、又は施設管理者などである。
前記情報管理システム10では、前記サーバー1が、ユーザーによる前記クライアント端末2の操作に応じて、患者各々についての薬歴、療法歴、有害事象などの各種の情報を前記クライアント端末2に表示させることが可能である。なお、前記クライアント端末2は、前記サーバー1から送信される表示データに基づいて表示画面を制御し、又は前記サーバー1に記憶されている各種のデータを参照して表示画面を制御する。また、前記サーバー1は、ユーザーによる前記クライアント端末2に対する操作入力を受け付け可能である。具体的に、本実施形態では、前記サーバー1及び前記クライアント端末2によりサーバクライアントシステムが構成されており、前記サーバー1が前記クライアント端末2のユーザー操作に応じて表示及び印刷などの各種の処理を実行する場合について説明する。そのため、本実施形態において、以下に説明する「表示」、「操作」、「選択」、及び「入力」等は、前記クライアント端末2を用いて行われるものとして説明する。なお、同様の表示及び操作などが前記サーバー1で行われてもよい。
前記上位システム5は、例えば電子カルテシステム、オーダーリングシステム、又はレセプトシステムなどである。そして、前記上位システム5は、患者に対する薬品の処方又は投薬に関する処方データ、患者について行われた各種の検査の検査結果に関する検査結果情報、及び患者の身体情報に関する患者データなどを前記サーバー1に入力する。なお、前記サーバー1が前記上位システム5から前記処方データ、前記検査結果情報、及び前記患者データなどを能動的に読み出す構成であってもよい。なお、前記処方データには、予め設定された療法(レジメン)に従って抗がん剤などの薬品を投与するための調製データも含まれる。また、前記患者データには、患者各々の身長、体重、体表面積などの身体情報と当該身体情報各々の計測日を示す計測日情報とが含まれる。なお、前記患者データは、前記処方データ又は前記検査結果情報に含まれていてもよい。
前記処方データには、患者識別情報(患者ID、患者氏名)、処方日、調製日、投薬日、薬品情報(薬品コード、薬品名など)、用量・用法、療法識別情報などが含まれる。前記療法識別情報は、例えば当該療法識別情報に対応する療法を識別可能な療法名(レジメン名)又は療法IDなどである。なお、前記処方データに、前記療法識別情報に対応する療法の内容を示す療法情報が含まれていてもよい。また、前記処方データには、医師情報、薬品容器の種類(薬液入りアンプル、薬液入りバイアル瓶、粉薬入りバイアル瓶、又は輸液バッグなど)、調製内容情報(混注作業に使用する薬品容器、注射器、注射針の種類及び本数等)、及び調製手順情報(作業内容、溶解薬、溶媒、溶解薬量、溶媒量、抜取量)、投薬日、処方箋区分、診療科、病棟などの情報が含まれていてもよい。
[プリンター3]
前記プリンター3は、前記サーバー1又は前記クライアント端末2から前記通信網4を介して入力される印刷データに含まれる情報を紙などのシートに記録する印刷処理を実行可能なカラープリンター又はモノクロプリンターなどの画像形成装置である。例えば、病院又は薬局等の医療機関では、前記プリンター3によって前記処方データに基づく処方箋が印刷されることがある。また、前記プリンター3は、前記情報管理システム10において後述の確認シートP11(図13参照)の印刷にも用いられる。
[クライアント端末2]
前記クライアント端末2は、制御部21、記憶部22、通信I/F23、表示装置24、操作装置25、及びドライブ装置26などを備えるパーソナルコンピュータである。前記クライアント端末2各々は、前記情報管理システム10が使用される医療機関に配置され、ユーザーによって操作される操作端末である。例えば、前記クライアント端末2は、前記医療機関において患者に投与される薬品を調製する薬剤師などによって使用される。なお、前記クライアント端末2は、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップコンピュータなどの情報処理装置であってもよい。
前記制御部21は、CPU、ROM、RAM、及びEEPROMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、前記制御部21は、前記CPUを用いて、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
前記記憶部22は、前記制御部21によって実行される各種の制御プログラム及び各種のデータが記憶されるハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶部である。具体的に、前記記憶部22には、オペレーティングシステム(OS)及びブラウザソフトなどのアプリケーションプログラムが記憶されるプログラム記憶部221が含まれる。前記ブラウザソフトは、前記通信網4を介して前記サーバー1にアクセスすることにより前記表示装置24に各種の操作画面などを表示させると共に、前記操作装置25を用いた前記操作画面に対する入力操作を前記サーバー1に伝達するためのアプリケーションソフトウェアである。例えば、前記制御部21は、前記ブラウザソフトにより表示される操作画面の所定位置に、前記サーバー1に対応するURL(Universal Resource Locator)などのアドレス情報が入力された場合に、該アドレス情報に基づいて前記サーバー1にアクセスする。
前記通信I/F23は、前記通信網4を介して前記サーバー1、及び前記プリンター3などの外部機器との間で、予め定められた通信プロトコルに従って無線又は有線でデータ通信を実行するネットワークカード等を有する通信インターフェースである。
前記表示装置24は、前記制御部21からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示部である。前記操作装置25は、前記クライアント端末2に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される操作部である。具体的に、前記操作装置25は、前記表示装置24に表示される各種の操作画面における入力操作を受け付けるキーボード及びマウス(ポインティングデバイス)を含む。また、前記操作装置25は、前記表示装置24に表示される各種の操作画面に対するタッチ操作を受け付けるタッチパネル、又は音声認識により各種情報の入力を受け付ける音声入力装置を含むものであってもよい。そして、前記制御部21は、前記操作装置25に対するユーザー操作を受け付け、当該ユーザー操作の内容を前記サーバー1に入力する。
前記ドライブ装置26は、前記OS又は前記ブラウザソフトなどが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体261から前記OS又は前記ブラウザソフトなどを読み取ることが可能である。前記記録媒体261は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリなどであり、前記ドライブ装置16は、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブ、又はUSBポートなどである。前記クライアント端末2では、前記制御部21により、前記ドライブ装置26を用いて前記記録媒体261から読み取られた前記OS又は前記ブラウザソフトなどが前記記憶部22の前記プログラム記憶部221にインストールされる。
[サーバー1]
前記サーバー1は、制御部11、記憶部12、通信I/F13、表示装置14、操作装置15、及びドライブ装置16などを備えるコンピュータである。なお、前記サーバー1は、前記情報管理システム10が使用される病院又は薬局等の医療機関の外部に設けられてもよい。また、前記サーバー1は、スマートフォン、タブレット端末、又はラップトップコンピュータなどの情報処理装置であってもよい。
前記制御部11は、CPU、ROM、RAM、及びEEPROM(登録商標)などの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、前記制御部11は、前記CPUを用いて、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
前記記憶部12は、前記制御部11によって実行される各種の制御プログラム及び各種のデータが記憶されるハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶部である。また、前記記憶部12には、プログラム記憶部121、マスター記憶部122、及び情報記憶部123が含まれる。
前記プログラム記憶部121は、後述の情報管理処理(図7参照)を前記制御部11に実行させるための情報管理プログラムなどが記憶される記憶領域である。なお、前記プログラム記憶部121には、オペレーティングシステム(OS)などのプログラムも記憶される。
前記マスター記憶部122は、薬品マスター、患者マスター、診療科マスター、薬剤師マスター、療法マスター、有害事象マスターD1などの各種のマスター情報が記憶される記憶領域である。例えば、前記薬品マスターには、各種の薬品について、薬品コード(YJコード等)、薬品名、JANコード、RSSコード、薬瓶コード、剤形、単位、比重、薬品種、配合変化、賦形薬品、注意事項などの情報が含まれる。前記患者マスターには、各患者について、例えば患者名、患者ID、性別、年齢、飲酒有無、喫煙有無、及び病名などの情報が含まれる。前記診療科マスターには、前記情報管理システム10が使用される医療機関の各種の診療科の情報が含まれる。
ここに、図2は、前記有害事象マスターD1の一例を示す図である。なお、前記有害事象マスターD1のデータ構造はここで説明するものに限らない。例えば、前記有害事象マスターD1が複数のマスターに分割して関連付けられた状態で前記マスター記憶部122に記憶されていてもよい。
前記有害事象マスターD1では、検査種別及び自覚症状種別の一方又は両方を含む有害事象の種別を示す有害事象種別と、当該有害事象の内容などの情報とが対応付けられている。具体的に、図2に示されるように、前記有害事象マスターD1では、事象ID、事象名称、検査ID、グレード条件、数値フラグ、変更可否フラグ、関連事象、症状種別などの情報が対応付けて記憶されている。前記事象IDは、予め設定された有害事象の種別を示す有害事象種別を識別するための有害事象識別情報であり、前記事象名称は、前記有害事象種別各々の名称を示す情報である。前記検査IDは、対応する前記有害事象のグレードを判定するために用いられる検査項目を識別するための検査識別情報である。前記症状種別は、前記有害事象が他覚症状であるか自覚症状であるかを示す情報である。ここで、前記自覚症状は、患者が自ら発見することのできる症状であり、前記他覚症状は、患者について行われた検査の結果に応じて発見することのできる客観的な症状である。
前記グレード条件は、予め定められている特定の規準に従って前記有害事象のグレードを分類するための分類指標である。具体的に、本実施形態において、前記特定の規準は、前記有害事象のグレードの分類指標が定められた有害事象共通用語規準(CTCAE:Common Terminology Criteria for Adverse Events)である。なお、前記有害事象マスターD1に登録される規準は前記有害事象共通用語規準で定められた原文に限らず、例えば前記制御部11が前記有害事象共通用語規準に基づいてグレードを判定可能な態様に編集された後の規準であってもよい。
本実施形態において、前記有害事象のグレードの種別は「0」〜「4」の5段階で定められており、数値が高いほど症状が重いことを示す情報である。なお、前記CTCAEではグレード「5」についても規定されているが、グレード「5」については必要性が低いため、本実施形態に係る前記情報管理システム10では、グレード「5」は使用しないこととする。
そして、前記グレード条件では、前記グレード各々を数値で判定する場合の指標として用いられる数値の範囲が登録可能である。例えば、前記制御部11は、前記CTCAEに示された規準から前記グレード各々に対応する範囲を自動的に抽出して登録することが考えられる。さらに、前記制御部11は、不図示のマスター登録画面におけるユーザー操作に応じて、前記有害事象マスターD1に前記グレード各々に対応する範囲を登録可能であってもよい。前記変更可否フラグは、前記制御部11によって自動的に前記グレードが設定された場合に当該グレードをユーザー操作に応じて任意に変更可能であるか否かを示す情報である。なお、前記制御部11は、前記数値フラグが「0」である場合には、各グレードに対応する前記変更可否フラグを全て「1(可)」に設定する。
また、前記数値フラグは、前記有害事象のグレードの少なくとも一部が検査値又は任意に入力される状態値のような数値に応じて判定可能であるか否かを示す情報である。例えば、前記制御部11は、前記グレード条件における範囲の情報として数値が入力された場合に前記数値フラグを「1(可)」に設定する。また、前記制御部11は、ユーザー操作に応じて前記数値フラグを設定可能である。前記関連事象は、前記有害事象が表示される際に当該有害事象に並べて又は当該有害事象の近くに表示されるべき情報として予め登録された一又は複数の有害事象を識別するための一又は複数の事象IDを含む情報である。
例えば、前記有害事象マスターD1において、前記有害事象のうち他覚症状である「血小板数減少」については、前記検査IDが「0123455」である検査の検査値に応じて患者の当該有害事象についてのグレードを分類することが可能であり、前記グレード条件では、各グレードに対応する前記検査値の範囲が分類指標として定められている。具体的に、グレード「0」は、「検査値≧158,000」、グレード「1」は、「158,000>検査値≧75,000」、グレード「2」は、「75,000>検査値≧50,000」、グレード「3」は、「50,000>検査値≧25,000」、グレード「4」は、「25,000>検査値」である。なお、前記制御部11は、前記有害事象マスターD1において各グレードのグレード条件として設定される検査値の範囲をユーザー操作に応じて任意に変更することも可能である。また、各グレードに対応する前記検査値の範囲は、例えば患者の性別ごとに予め設定されており、前記制御部11は、患者の性別に応じて前記グレードの判定に用いる前記検査値の範囲を変更することも可能である。
また、前記有害事象マスターD1において、前記有害事象のうち自覚症状である「発熱」については、患者の発熱についての状態を示す状態値(例えば体温)に応じて患者の当該有害事象についてのグレードを分類することが可能であり、前記グレード条件では、各グレードに対応する体温が分類指標として定められている。一方、前記有害事象マスターD1において、前記有害事象のうち同様の自覚症状である「手足のしびれ」については、数値に応じて患者の当該有害事象についてのグレードを分類することができず、前記グレード条件では、各グレードに対応する手足のしびれについての症状の軽重が分類指標として定められている。
前記療法マスターには、療法識別情報ごとに予め定められている各種の療法の内容を示す療法情報が含まれる。これにより、前記制御部11は、前記療法マスターに基づいて、任意の療法に従った患者への投薬が適正に行われているか否かを判断することが可能である。具体的に、前記療法情報には、療法に基づいて投与される薬品名、基準投与量(体重又は体表面積当りの投与量)、投与時間、投与回数、各投与日(投与間隔)、及び1クールの長さなどの投与計画に関する情報が含まれる。また、前記上位システム5における前記処方データの生成時には、前記療法に対応する薬品などの情報と共に、前記療法情報を識別するための療法ID又は療法名などの療法識別情報が前記処方データに付与される。
なお、前記制御部11は、前記マスター記憶部に記憶されている各種のマスター情報を、前記上位システム5から取得する情報に基づいて随時更新可能である。また、前記制御部11は、前記サーバー1又は前記クライアント端末2を用いたユーザー操作に応じて各種のマスター情報を編集することも可能である。
前記情報記憶部123は、前記処方データ、薬歴データD11、療法歴データD12、検査データD13、有害事象データD14などの各種の情報が記憶される記憶領域である。なお、前記制御部11は、前記処方データを前記上位システム5から取得して前記情報記憶部123に蓄積して記憶させる。
ここに、図3、図4、図5、図6は、それぞれ前記薬歴データD11、前記療法歴データD12、前記検査データD13、前記有害事象データD14の一例を示す図である。
前記薬歴データD11は、患者各々の薬品の処方履歴を示す情報である。例えば、図3に示すように、前記薬歴データD11は、患者ID(患者識別情報)、患者氏名(患者識別情報)、処方日、薬品名(薬品識別情報)、病棟、用法・用量、診療科、担当医などの情報を含む。
前記療法歴データD12は、患者各々の療法に従った薬品の投薬履歴を示す情報である。例えば、図4に示すように、前記療法歴データD12は、患者ID(患者識別情報)、患者氏名(患者識別情報)、投与日、療法名(療法識別情報)、病棟、クール情報、計画診療科、計画医などの情報を含む。また、前記療法歴データD12には、前記療法に従って投薬された薬品の投与量、及び前記投与日における患者の身体情報などが含まれる。
なお、前記制御部11は、前記処方データに基づいて前記薬歴データD11及び前記療法歴データD12を更新する。また、前記制御部11は、前記サーバー1又は前記クライアント端末2を用いたユーザー操作に応じて前記薬歴データD11又は前記療法歴データD12を編集することが可能である。即ち、前記制御部11は、ユーザー操作に応じて、前記薬歴データD11又は前記療法歴データD12を編集することにより、患者各々の薬歴又は療法歴を記録することが可能である。そのため、前記薬歴データD11は、未来の服薬予定及び過去の薬歴の情報を含み、前記療法歴データD12は、未来の療法予定及び過去の療法歴の情報を含むことがある。
前記検査データD13は、患者各々について実施された各検査項目についての検査値などの検査結果を含む情報である。例えば、図5に示すように、前記検査データD13は、患者ID(患者識別情報)、患者氏名(患者識別情報)、検査日、検査ID(検査識別情報)、検査項目(検査識別情報)、検査結果などの情報を含む。前記制御部11は、前記上位システム5から取得する患者の前記検査結果情報、或いは、前記サーバー1又は前記クライアント端末2に挿入されるUSBメモリ又はCDなどの記録媒体から読み取られる患者の前記検査結果情報に基づいて前記検査データD13を更新する。なお、患者各々に対応する前記検査結果情報が前記検査データD13として前記情報記憶部123に記憶されていてもよい。
前記有害事象データD14は、患者各々についての自覚症状及び他覚症状などの有害事象のデータを示す情報である。例えば、図6に示すように、前記有害事象データD14は、患者ID(患者識別情報)、患者氏名(患者識別情報)、日付、有害事象ID(有害事象識別情報)、事象名称(有害事象識別情報)、グレードなどの情報を含む。前記制御部11は、前記上位システム5から取得する前記検査結果情報(又は前記検査データD13)、或いは、前記サーバー1又は前記クライアント端末2に対して任意に入力される患者の自覚症状の情報などに基づいて前記有害事象データD14を更新する。また、前記制御部11は、後述の管理画面P1におけるユーザー操作に応じて前記有害事象データD14を更新することも可能である。
具体的に、前記制御部11は、前記有害事象のうち予め設定された検査項目の検査結果に応じて前記グレードが分類可能な他覚症状については、前記患者の検査データに基づいて前記グレードを前記有害事象データD14に登録する。即ち、前記制御部11は、患者各々の有害事象のうち他覚症状のグレードを前記検査データD13と前記有害事象マスターD1とに基づいて自動的に判定することが可能である。前記制御部11による前記有害事象データD14の更新タイミングは、前記検査データD13が更新されたとき、後述の管理画面P1の表示要求があったとき、予め設定された時刻が到来したとき、予め設定された時間間隔が経過したとき、又はユーザーによる更新操作が行われたとき等である。
また、前記制御部11は、前記有害事象の自覚症状のうち患者の状態を示す状態値のような数値入力に応じて前記グレードが分類可能な第1自覚症状については、薬剤師のようなユーザーによる数値入力に応じて前記グレードを前記有害事象データD14に登録する。即ち、前記制御部11は、前記第1自覚症状の数値と前記有害事象マスターD1とに基づいて前記グレードを判定することが可能である。また、前記制御部11は、前記自覚症状のうち前記第1自覚症状を除く第2自覚症状については、後述の管理画面P1(図8参照)又は自覚症状の登録画面(不図示)等におけるユーザー操作に応じて前記第2自覚症状各々のグレードを前記有害事象データD14に登録することが可能である。例えば、前記第1自覚症状は、「発熱」、「下痢」などであり、前記第2自覚症状は、「嘔吐」、「手足のしびれ」などである。
前記通信I/F13は、前記通信網4を介して前記クライアント端末2、及び前記プリンター3などの外部機器との間で、予め定められた通信プロトコルに従って無線又は有線でデータ通信を実行するネットワークカード等を有する通信インターフェースである。
前記表示装置14は、前記制御部11からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示部である。前記操作装置15は、前記サーバー1に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される操作部である。具体的に、前記操作装置15は、前記表示装置14に表示される各種の操作画面における入力操作を受け付けるキーボード及びマウス(ポインティングデバイス)を含む。また、前記操作装置15は、前記表示装置14に表示される各種の操作画面に対するタッチ操作を受け付けるタッチパネル、又は音声認識により各種情報の入力を受け付ける音声入力装置を含むものであってもよい。
前記ドライブ装置16は、前記情報管理プログラムが非一時的に記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体161から前記情報管理プログラムを読み取ることが可能である。前記記録媒体161は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリなどであり、前記ドライブ装置16は、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブ、又はUSBポートなどである。そして、前記サーバー1では、前記制御部11により、前記ドライブ装置16を用いて前記記録媒体161から読み取られた前記情報管理プログラムが前記記憶部12の前記プログラム記憶部121にインストールされる。
そして、前記サーバー1の前記制御部11は、取得処理部111、表示処理部112、選択処理部113、印刷処理部114を含む。具体的に、前記制御部11は、前記情報管理プログラムに従って後述の情報管理処理(図7参照)などの各種の処理を実行することにより、取得処理部111、表示処理部112、選択処理部113、印刷処理部114などの各種の処理部として機能する。即ち、本実施形態では、前記サーバー1単体が本発明に係る情報管理システムである。なお、前記制御部11は、複数のプロセッサーを備え、当該複数のプロセッサーのいずれかが前記各種の処理部として機能してもよい。また、前記各種の処理部の一部又は全部が電子回路で構成されていてもよい。
また、前記サーバー1の機能の一部又は全部が前記クライアント端末2に設けられることも他の実施形態として考えられる。例えば、前記クライアント端末2に、前記情報管理プログラムの一部又は全部がインストールされており、前記クライアント端末2の前記制御部21が、前記サーバー1から必要な情報を適宜取得して、後述の情報管理処理(図7参照)を実行することも考えられる。この場合、前記クライアント端末2が本発明に係る情報管理システムの一例である。さらに、前記情報管理システム10において、前記サーバー1及び前記クライアント端末2が協働して後述の情報管理処理(図7参照)を実行することも考えられる。
前記取得処理部111は、有害事象のグレードの分類指標が定められた前記CTCAEのような特定の規準に従った患者の日付ごとの有害事象のグレードを取得することが可能である。具体的に、前記取得処理部111は、前記有害事象データD14から、当該有害事象データD14に記録されている患者各々の有害事象のグレードを取得することが可能である。
前記表示処理部112は、前記薬歴データD11、前記療法歴データD12、前記検査データD13、前記有害事象データD14などに基づいて、時系列順に並べられた日付ごとに、薬品種別、療法種別、又は有害事象種別を示す種別情報を表示するための処理を実行する。具体的に、前記表示処理部112は、前記種別情報が縦方向又は横方向である第1方向D21に並べて表示され、日付を示す日付情報が前記第1方向D21に垂直な横方向又は縦方向である第2方向D22に時系列順に並べて表示され、当該種別情報及び当該日付情報の組み合わせに対応する第1領域に当該種別情報に関する関連情報が表示される管理表を表示可能である。なお、本実施形態では、前記種別情報が第1情報、前記日付情報が第2情報、前記関連情報が第3情報に相当する。特に、前記表示処理部は、前記種別情報及び前記日付情報の組み合わせのうち対応する前記関連情報が存在する前記日付情報と前記関連情報が存在しない前記日付情報とを共に表示させる。これにより、ユーザーは、前記関連情報の遷移を容易に把握することが可能である。また、前記表示処理部112は、一又は複数の前記管理表を含む管理画面P1(図8参照)を表示することが可能である。なお、前記管理画面P1については後段で詳述する。
前記選択処理部113は、ユーザーが注目したい日付である対象日付の選択操作に応じて当該対象日付を選択する。具体的に、前記選択処理部113は、前記管理画面P1に表示される前記管理表において特定の日付を選択するためのユーザー操作により前記対象日付の選択を受け付ける。また、前記選択処理部113は、前記対象日付をテキストで入力する操作又は前記対象日付をカレンダーから指定する操作により前記対象日付の選択を受け付けてもよい。そして、前記表示処理部112は、前記選択処理部113により選択された前記対象日付に対応する前記関連情報を、前記第2方向D22において前記種別情報に隣接する第2領域に前記第1領域とは別に表示させる。
前記印刷処理部114は、前記管理表に対応する印刷データを出力可能である。具体的に、前記印刷処理部114は、前記印刷データを前記プリンター3に送信することにより、当該印刷データに基づく前記管理表を前記プリンター3で印刷することが可能である。例えば、前記印刷処理部114は、ユーザーによる前記管理画面P1の印刷要求操作に応じて、当該管理画面P1に表示される前記管理表に対応する印刷データを生成し、当該印刷データを出力する。ところで、前記印刷データは、前記管理画面P1をそのまま印刷するためのデータであってもよいが、前記管理画面P1とは表示内容又は表示態様が異なるデータであってもよい。例えば、前記印刷データは、前記種別情報及び前記日付情報の組み合わせのうち対応する前記関連情報が存在する前記日付情報を含み、前記関連情報が存在しない前記日付情報を含まない態様の前記管理表を含む確認シートP11(図9参照)を印刷するためのデータである。なお、前記確認シートP11については後段で詳述する。
ところで、前記表示処理部112によって前記管理画面P1に表示される前記管理表において、薬品種別、療法種別、又は有害事象種別などの項目に関する情報のうち、ユーザーが参照したい対象日付に対応する情報が、項目が表示されている領域から遠い領域に表示されている場合には、その情報と項目との関係を把握しづらくなる。これに対し、本実施形態に係る情報管理システム10では、ユーザーが参照したい対象日付に対応する薬品種別、療法種別、又は有害事象種別などの項目に関する情報を当該項目との関係を容易に把握しつつ確認することが可能なである。
[情報管理処理]
以下、図7のフローチャートを参照しつつ、前記サーバー1の前記制御部11によって実行される情報管理処理の一例について説明する。前記制御部11は、任意の患者を処理対象として選択し、前記情報管理プログラムを実行させるための予め設定された特定の開始操作が前記クライアント端末2に対して行われた場合に、前記情報管理処理を実行する。なお、前記制御部11は、複数の前記クライアント端末2において前記特定の開始操作が行われた場合には、当該クライアント端末2各々に対応して前記情報管理処理を略並行して実行することが可能である。また、前記情報管理処理は、当該情報管理処理の実行中であっても前記クライアント端末2に対する所定の終了操作に応じて終了することがある。なお、本発明は、前記サーバー1のようなコンピュータによって前記情報管理処理の一部又は全部のステップを実行する情報管理方法の発明として捉えてもよい。
<ステップS1>
ステップS1において、前記制御部11は、前記処理対象として選択された患者の薬歴、療法歴、又は有害事象などの各種の情報を示す一又は複数の管理表を含む管理画面P1を前記クライアント端末2に表示させる。本実施形態では、前記療法歴及び前記有害事象に対応する二つの前記管理表が前記管理画面P1に表示される場合を例に挙げて説明する。なお、前記管理表を表示するための前記ステップS1が本発明に係る表示ステップの一例であり、当該表示ステップは前記制御部11の表示処理部112によって実行される。
具体的に、前記制御部11は、前記クライアント端末2に前記管理画面P1を表示させるための表示データを生成し、当該表示データを前記クライアント端末2に送信することにより、前記クライアント端末2の表示装置24に前記管理画面P1を表示させる。なお、前記制御部11が、前記クライアント端末2に前記管理画面P1の表示に必要なデータを送信し、前記制御部21が前記表示データを生成して前記管理画面P1を前記表示装置24に表示してもよい。即ち、前記管理画面P1の表示データの生成及び更新などの処理は、前記サーバー1又は前記クライアント端末2のいずれで行われてもよい。
ここに、図8は、前記管理画面P1の一例を示す図である。図8に示されるように、前記管理画面P1には、患者情報表示部A11、療法歴表示部A12、有害事象表示部A13などが表示される。なお、本実施形態では、図8に示す前記管理画面P1の全体が前記クライアント端末2の表示装置24に表示されている場合を例に挙げて説明するが、前記表示装置24に図8に示す前記管理画面P1の一部が表示されており、前記クライアント端末2における所定のスクロール操作などに応じて縦又は横のスクロール表示が可能であってもよい。
前記患者情報表示部A11において、前記制御部11は、前記管理画面P1に薬歴、療法歴、又は有害事象などが表示される前記対象患者の情報を、前記患者マスター等に基づいて表示する。例えば、前記対象患者の情報としては、当該対象患者の患者ID、患者氏名、年齢、性別、病棟などの情報が表示される。
前記療法歴表示部A12において、前記制御部11は、前記対象患者の療法歴を示す管理表を前記療法歴データD12等に基づいて表示する。具体的に、前記管理表では、前記療法種別及び前記薬品種別が前記第1方向D21に並べて表示され、前記日付が前記第2方向D22に時系列順に並べて表示され、当該療法種別又は当該薬品種別と当該日付との組み合わせ各々に対応する個別領域A121がマトリクス状に表示される。より具体的に、前記制御部11は、前記療法歴表示部A12の管理表において、前記日付各々に対応して前記第1方向D21に沿って複数の領域を表示する。ここで、前記領域各々は、前記第1方向D21において前記療法種別又は前記薬品種別各々に対応する位置にそれぞれ表示される。そして、前記制御部11は、前記第1方向D21における前記療法種別又は前記薬品種別各々に対応する位置に表示される前記領域各々を前記個別領域A121として、当該療法種別又は当該薬品種別各々に関する前記関連情報を表示させる。即ち、前記管理表では、特定の療法種別又は薬品種別が表示された位置を通過する前記第2方向D22に平行な仮想線分と、特定の日付が表示された位置を通過する前記第1方向D21に平行な仮想線分とが交差する位置に表示される前記領域が、当該特定の療法種別又は当該特定の薬品種別と当該特定の日付との組み合わせに対応する前記個別領域A121である。なお、前記個別領域A121は、本発明における第1領域に相当する。
例えば、図8の前記療法歴表示部A12では、前記療法種別の一例である「ABC療法」、「DEF療法」と、前記薬品種別の一例である「E薬品」、「F薬品」、「G薬品」とが前記第1方向D21に沿って表示されている。また、図8の前記療法歴表示部A12では、前記日付の一例である「5/28」〜「6/12」が前記第2方向D22に沿って時系列順で表示されている。なお、前記制御部11は、前記療法歴表示部A12において、後述の特定領域A14を除き前記第2方向D22の最初に表示される日付(図8では「5/28」)、及び月が切り替わった直後の日付(図8では「6/1」)については、「月」及び「日」を表示するが、その他の日付については「月」の表示を省略して「日」のみを表示する。
また、前記制御部11は、前記管理画面P1の初期表示時には、前記本日に対応する日付が最も右側に表示されるように前記日付情報が表示されている。そして、前記制御部11は、前記管理画面P1に表示される操作部K12の操作に応じて、前記管理画面P1における表示対象の日付を変更することが可能である。なお、前記制御部11は、前記操作部K12が操作された場合には、前記管理画面P1に表示される複数の前記管理表における表示対象の日付を連動して変更する。一方、前記管理表ごとに対応して前記操作部K12が表示されており、当該操作部K12の操作に応じて前記管理表における表示対象の日付を個別に変更してもよい。
そして、前記制御部11は、前記個別領域A121各々に、前記療法種別又は前記薬品種別と前記日付との組み合わせに対応する前記療法種別又は前記薬品種別に関する前記関連情報を、前記薬歴データD11又は前記療法歴データD12等に基づいて表示させる。
具体的に、前記療法種別に対応する前記関連情報は、投薬実施済の情報、投薬予定の情報、及び投薬が前記療法種別に対応する療法に従って適正に行われたか否かを示す投薬適否の情報などである。そして、前記療法種別に対応する前記個別領域A121では、投薬実施済の情報が、塗りつぶし有りの星マーク等の図柄で表示され、投薬予定の情報が、塗りつぶし無しの星マーク等の図柄で表示される。また、前記療法種別に対応する前記個別領域A121では、投薬適否の情報が当該個別領域A121の背景柄、背景色、又は文字色で表示される。例えば、投薬が適正である場合には、前記個別領域A121の背景色が、前記管理画面P1の背景色と同じ白色などの色で表示され、投薬が適正でない場合には、前記個別領域A121の背景色が、前記管理画面P1の背景色とは異なる赤色などの色(図8における斜線部)で表示される。
なお、前記制御部11は、前記療法マスター及び前記療法歴データD12に基づいて、患者への投薬が前記療法種別に対応する療法に従って適正に行われたか否かを判定することが可能である。例えば、前記制御部11は、前記療法歴データD12に療法歴として記録される各投与日の間隔が、前記療法マスターで定められている前記療法における各投与日(投与間隔)の間隔と異なる場合に、患者への投薬が適正でないと判定する。具体的に、前記療法マスターにおいて前記療法の投与日が1日目及び8日目と定められている場合、前記療法歴データD12における患者への投薬日が1日目及び9日目である場合に投薬が適正でないと判定される。また、前記制御部11は、前記療法歴データD12に療法歴を記録する際に、患者への投薬が前記療法種別に対応する療法に従って適正に行われたか否かを判定し、当該判定結果を前記療法歴データD12に記録し、前記関連情報の表示の際にその記録内容を参照してもよい。
また、前記薬品種別に対応する前記関連情報は、当該薬品種別に対応する薬品の投与量、及び当該薬品の投与量が予め設定された適正量(判定基準の一例)の範囲内であるか否かを示す投与量適否の情報などである。例えば、前記薬品種別に対応する前記個別領域A121では、前記薬品の投与量が数値で表示されている。また、前記薬品種別に対応する前記個別領域A121では、前記投与量適否の情報が当該個別領域A121の背景柄、背景色、又は文字色で表示される。例えば、前記投与量が適正である場合には、前記個別領域A121の背景色が、前記管理画面P1の背景色と同じ白色などの色で表示され、前記投与量が適正でない場合には、前記個別領域A121の背景色が、前記管理画面P1の背景色とは異なる赤色などの色(図8における斜線部)で表示される。
なお、前記制御部11は、前記療法マスター及び前記療法歴データD12に基づいて、患者への薬品の投与量が前記療法種別に対応する療法で定められた適正量であるか否かを判定することが可能である。例えば、前記制御部11は、前記療法歴データD12に療法歴として記録される薬品の投与量が、前記療法マスターで定められている前記療法における基準投与量と前記薬品の投与日における患者の身体情報とに基づいて算出される適正量を超える場合に、投与量が適正でないと判定する。即ち、前記投与量の適否の判定基準となる前記適正量は、前記薬品の投与日における前記患者の身体情報に応じて変化する。
例えば、前記療法マスターにおいて、「1m2」の体表面積当たりの基準投与量が「95.89mg」と定められており、前記薬品の投与日における患者の体表面積が「1.46m2」である場合には、前記適正量が、「95.89mg」×「1.46m2」で「140mg」となる。この場合、前記療法歴データD12における患者への薬品の投与量が、例えば前記適正量を超える「150mg」などであれば、前記投与量が適正でないと判定される。同様に、前記療法マスターにおいて、「1kg」の体重当たりの基準投与量が「9.24mg」と定められており、前記薬品の投与日における患者の体重が「56.3kg」である場合には、前記適正量が、「9.24mg」×「56.3kg」で「120mg」となる。この場合、前記療法歴データD12における患者への薬品の投与量が、例えば前記適正量を超える「130mg」などであれば、前記投与量が適正でないと判定される。なお、前記制御部11は、前記療法歴データD12に療法歴を記録する際に、患者への薬品の投与量が前記療法種別に対応する療法で定められた適正量であるに行われたか否かを判定し、当該判定結果を前記療法歴データD12に記録し、前記関連情報の表示の際にその記録内容を参照してもよい。
また、前記有害事象表示部A13において、前記制御部11は、前記対象患者の有害事象を示す管理表を前記検査データD13及び前記有害事象データD14等に基づいて表示する。具体的に、前記管理表では、前記有害事象種別が前記第1方向D21に並べて表示され、前記日付が前記第2方向D22に時系列順に並べて表示され、当該有害事象種別と当該日付との組み合わせ各々に対応する個別領域A131がマトリクス状に表示される。より具体的に、前記制御部11は、前記有害事象表示部A13の管理表において、前記日付各々に対応して前記第1方向D21に沿って複数の領域を表示する。ここで、前記領域各々は、前記第1方向D21において前記有害事象種別各々に対応する位置にそれぞれ表示される。そして、前記制御部11は、前記第1方向D21における前記有害事象種別各々に対応する位置に表示される前記領域各々を前記個別領域A131として、当該有害事象種別各々に関する前記関連情報を表示させる。即ち、前記管理表では、特定の有害事象種別が表示された位置を通過する前記第2方向D22に平行な仮想線分と、特定の日付が表示された位置を通過する前記第1方向D21に平行な仮想線分とが交差する位置に表示される前記領域が、当該特定の有害事象種別と当該特定の日付との組み合わせに対応する前記個別領域A131である。なお、前記個別領域A131は、本発明における第1領域に相当する。
例えば、図8の前記有害事象表示部A13では、前記療法種別の一例である「白血球数」、「好中球数」、「嘔吐」が前記第1方向D21に沿って表示されている。また、図8の前記有害事象表示部A13では、前記日付の一例である「5/28」〜「6/12」が前記第2方向D22に沿って時系列順で表示されている。なお、前記制御部11は、前記有害事象表示部A13において、後述の特定領域A15を除き前記第2方向D22の最初に表示される日付(図8では「5/28」)、及び月が切り替わった直後の日付(図8では「6/1」)については、「月」及び「日」を表示するが、その他の日付については「月」の表示を省略して「日」のみを表示する。
そして、前記制御部11は、前記個別領域A131各々に、前記有害事象種別と前記日付との組み合わせに対応する前記有害事象種別に関する前記関連情報を、前記検査データD13及び前記有害事象データD14等に基づいて表示させる。
具体的に、前記有害事象種別に対応する前記関連情報は、前記有害事象種別に対応する検査結果の情報、前記グレードの情報、患者の状態を示す前記状態値、及び有害事象が発生しているか否かを示す有害事象有無の情報などである。そして、前記有害事象種別に対応する前記個別領域A131では、前記検査結果を示す数値、前記グレードを示す数値、又は前記状態値を示す数値などが表示される。また、前記有害事象種別に対応する前記個別領域A131では、有害事象有無の情報が当該個別領域A131の背景柄、背景色、又は文字色で表示される。例えば、有害事象が発生していない場合には、前記個別領域A131の背景色が、前記管理画面P1の背景色と同じ白色などの色で表示され、有害事象が発生している場合には、前記個別領域A131の背景色が、前記管理画面P1の背景色とは異なる赤色などの色(図8における斜線部)で表示される。例えば、前記制御部11は、前記有害事象データD14において前記グレードが「1」以上である前記有害事象種別について有害事象が発生していると判定する。
なお、前記有害事象表示部A13では、表示対象となる情報が異なるタブT11、T12、T13が含まれる。前記制御部11は、前記タブT11〜前記タブT13のいずれかのタブの選択操作に応じて、前記有害事象データD14に記憶された患者の有害事象の情報のうち当該タブに対応する表示対象の情報を抽出して前記有害事象表示部A13に表示させる。具体的に、前記タブT11では、有害事象のうち他覚症状の情報が表示され、前記タブT12では、有害事象のうち自覚症状の情報が表示される。また、前記タブT13では、有害事象について他覚症状及び自覚症状の情報が共に表示される。なお、図8は、前記タブT13が選択された状態である。また、前記タブT13は省略されてもよい。
また、前記制御部11は、前記有害事象表示部A13において、前記有害事象マスターD1で定められた各グレードに対応するグレード判定規準を表示させる。ところで、前記有害事象共通用語規準で定められているグレード判定規準は、一見するとその内容が把握しづらい場合がある。そのため、前記有害事象マスターD1において、前記グレード判定規準に対応するグレード条件の内容として、前記有害事象共通用語規準の原文文字列に対応付けて、医者、看護士、薬剤師などの医療従事者が前記グレード判定規準を把握可能な簡素な態様で当該グレード判定規準が示された表示文字列が記憶されていることが考えられる。そして、前記有害事象表示部A13では、前記有害事象のグレードの規準の情報は、前記表示文字列で表示されることが考えられる。
ところで、前記管理画面P1に表示される前記療法歴表示部A12又は前記有害事象表示部A13などに表示される前記管理表において、ユーザーが参照したい対象日付が、前記種別情報の表示位置から離れていると、当該対象日付における前記関連情報と前記種別情報との関係を把握しづらい。これに対し、前記制御部11は、前記管理画面P1において、ユーザー操作によって選択される対象日付に対応する前記関連情報を、当該対象日付に対応する前記個別領域A121だけでなく、前記種別情報に隣接する位置にも表示することが可能である。
具体的に、前記制御部11は、前記療法歴表示部A12において、前記対象日付に対応する前記関連情報を、当該対象日付に対応する前記個別領域A121とは別に、前記種別情報が表示される領域と最も古い日付が表示される領域との間の特定領域A14(第2領域の一例)にも表示する。また、前記制御部11は、前記有害事象表示部A13において、前記対象日付に対応する前記関連情報を、当該対象日付に対応する前記個別領域A131とは別に、前記種別情報が表示される領域と最も古い日付が表示される領域との間の特定領域A15(第2領域の一例)にも表示する。即ち、前記制御部11は、前記管理画面P1において、前記管理表における前記対象日付及び他の日付についての前記関連情報の表示位置を変更することなく、当該対象日付についての前記関連情報を複製して前記特定領域A14又は前記特定領域A15に表示する。これにより、ユーザーは、参照したい前記対象日付に対応する薬品種別、療法種別、又は有害事象種別などの種別情報に関する前記関連情報を当該種別情報との関係を容易に把握しつつ確認することが可能である。
また、前記制御部11は、前記管理画面P1の表示を開始する際、前記特定領域A14及び前記特定領域A15を表示させない、又は空白で表示してもよいが、本日の日付を前記対象日付として自動的に選択して前記特定領域A14及び前記特定領域A15を表示させてもよい。その後、前記制御部11は、後述のステップS9において、前記対象日付の選択に応じて、前記特定領域A14及び前記特定領域A15における表示内容を更新する。
なお、本実施形態では、前記特定領域A14及び前記特定領域A15が、前記第2方向D22における前記種別情報と最も古い日付との間であって当該種別情報の右側の領域である場合について説明するが、前記特定領域A14及び前記特定領域A15は、前記第2方向D22における前記種別情報に対して最も古い日付とは反対側である前記種別情報の左側の領域であってもよい。
より具体的に、前記特定領域A14には、各種の情報が表示される特定領域A141〜A145が含まれる。前記特定領域A141には、前記対象日付が表示される。ここで、前記制御部11は、前記特定領域A141に前記対象日付を表示する際には、当該対象日付の「月」及び「日」を共に表示させる。前記特定領域A142及び前記特定領域A143には、前記対象日付における患者の身体情報として体重及び体表面積が表示される。即ち、前記制御部11は、前記適正量の算出時に用いられる患者の体重及び体表面積を前記特定領域A142及び前記特定領域A143に表示する。また、前記制御部11は、前記管理画面P1において、前記日付各々についても同様に患者の体重及び体表面積を表示させる。
前記特定領域A144には、前記対象日付に対応する前記個別領域A121各々と同様の前記関連情報が表示される。即ち、前記療法種別に対応する前記特定領域A144には、前記関連情報として、投薬実施済の情報、投薬予定の情報、及び投薬が前記療法種別に対応する療法に従って適正に行われたか否かを示す投薬適否の情報などが表示される。また、前記薬品種別に対応する前記特定領域A144には、前記関連情報として、当該薬品種別に対応する薬品の投与量、及び当該薬品の投与量が予め設定された適正量の範囲内であるか否かを示す投与量適否の情報などが表示される。これにより、ユーザーは、参照したい前記対象日付に対応する前記療法種別及び前記薬品種別に関する前記関連情報を当該療法種別及び当該薬品種別との関係を容易に把握しつつ確認することが可能である。また、前記特定領域A145には、前述したように患者への薬品の投与量が前記療法種別に対応する療法で定められた適正量であるか否かを判定する際の前記適正量が判定基準として表示される。これにより、ユーザーは、前記関連情報と前記判定基準とを容易に比較することが可能である。
また、前記特定領域A15には、各種の情報が表示される特定領域A151及びA152が含まれる。前記特定領域A151には、前記対象日付が表示される。ここで、前記制御部11は、前記特定領域A151に前記対象日付を表示する際には、当該対象日付の「月」及び「日」を共に表示させる。前記特定領域A152には、前記対象日付に対応する前記個別領域A131各々と同様の前記関連情報が表示される。即ち、前記特定領域A152には、前記関連情報として、前記有害事象種別に対応する検査結果の情報、前記グレードの情報、患者の状態を示す前記状態値、及び有害事象が発生しているか否かを示す有害事象有無の情報などが表示される。これにより、ユーザーは、参照したい前記対象日付に対応する前記有害事象種別に関する前記関連情報を当該有害事象種別との関係を容易に把握しつつ確認することが可能である。
なお、本実施形態では、前記制御部11が前記管理画面P1に前記療法歴表示部A12を表示する場合について説明するが、前記制御部11は、前記療法歴表示部A12に代えて、前記対象患者の薬歴を示す管理表が表示される薬歴表示部を前記薬歴データD11に基づいて前記管理画面P1に表示してもよい。この場合、前記制御部11は、前記薬品種別が前記第1方向D21に並べて表示され、前記日付が前記第2方向D22に時系列順に並べて表示され、当該薬品種別及び当該日付の組み合わせに対応する個別領域がマトリクス状に表示される管理表を前記薬歴表示部に表示する。前記薬歴表示部では、前記管理表において、前記個別領域各々に、前記薬品種別に対応する薬品の処方量、及び当該処方量の適否に関する情報などが前記関連情報として表示される。そして、前記薬歴表示部においても、前記管理表では、前記対象日付に対応する前記関連情報が、当該対象日付に対応する前記個別領域とは別に、前記種別情報が表示される領域と最も古い日付が表示される領域との間の特定領域(第2領域の一例)にも表示される。なお、前記制御部11は、前記薬歴表示部、前記療法歴表示部A12、及び前記有害事象表示部A13のうちいずれか一又は複数を前記管理画面P1に表示させることが可能であればよい。
<ステップS2>
ステップS2において、前記制御部11は、前記有害事象表示部A13において前記タブT11〜T13のいずれかのタブの切替操作が行われたか否かを判断する。ここで、前記切替操作が行われたと判断されると(S2:Yes)、処理がステップS3に移行し、前記切替操作が行われていなければ(S2:No)、処理がステップS4に移行する。
<ステップS3>
ステップS3において、前記制御部11は、前記ステップS2で操作されたと判断されたタブに応じて前記有害事象表示部A13における表示を更新する。具体的に、前記制御部11は、前記タブT11が操作された場合には、前記有害事象のうち他覚症状のみについての情報を前記有害事象表示部A13に表示させる。また、前記制御部11は、前記タブT12が操作された場合には、前記有害事象のうち自覚症状のみについての情報を前記有害事象表示部A13に表示させる。さらに、前記制御部11は、前記タブT13が操作された場合には、前記有害事象のうち他覚症状及び自覚症状の両方についての情報を前記有害事象表示部A13に表示させる。
<ステップS4>
ステップS4において、前記制御部11は、前記有害事象表示部A13に表示されている前記有害事象種別のいずれかについての展開切替操作が行われたか否かを判断する。具体的に、前記有害事象表示部A13には、前記有害事象種別各々に対応付けて操作キーK13が表示されている。そして、前記制御部11は、前記操作キーK13が操作された場合に、当該操作キーK13に対応する前記有害事象種別について展開切替操作が行われたと判断する。ここで、前記展開切替操作が行われたと判断されると(S4:Yes)、処理がステップS5に移行し、前記展開切替操作が行われていなければ(S4:No)、処理がステップS6に移行する。
<ステップS5>
ステップS5において、前記制御部11は、前記有害事象表示部A13に表示されている前記有害事象種別のうち前記展開切替操作が行われた有害事象について展開表示の有無を切り替える。具体的に、図8に示されるように、前記操作キーK13に「+」が表示されている場合には、当該操作キーK13に対応する前記有害事象種別について展開表示が行われていない非展開状態である。一方、前記操作キーK13に「−」が表示されている場合には、当該操作キーK13に対応する前記有害事象種別について展開表示が行われている展開状態である。そして、前記展開状態で前記操作キーK13が操作されると、当該操作キーK13に対応する有害事象の表示が前記非展開状態に切り替えられ、前記非展開状態で前記操作キーK13が操作されると、当該操作キーK13に対応する有害事象の表示が前記展開状態に切り替えられる。
より具体的に、前記有害事象種別が非展開状態である場合、前記制御部11は、前記有害事象表示部A13において、当該有害事象種別及び前記日付の組み合わせ各々に対応する事象領域A133を表示させる。前記事象領域A133では、前記個別領域A131が2段表示され、上段の前記個別領域A131には前記グレードの判定に用いられる検査値又は状態値が表示され、下段の前記個別領域A131には前記グレードが表示されている。なお、前記制御部11は、前記事象領域A133において下段の前記個別領域A131の背景柄、背景色、又は文字色を前記グレードに対応して予め設定された背景柄、背景色、又は文字色で表示させる。
また、前記有害事象種別が展開状態である場合、前記制御部11は、前記有害事象表示部A13において、当該有害事象種別及び前記日付の組み合わせ各々に対応する事象領域A134を表示させる。前記事象領域A134では、前記個別領域A131が複数表示されており、最上段の前記個別領域A131には、前記グレードの判定に用いられる検査値又は状態値が表示され、当該個別領域A131の下方の前記個別領域A131各々は、前記グレード各々に対応する領域である。そして、前記制御部11は、前記グレード各々に対応する前記個別領域A131のうち前記有害事象種別に対応する前記グレードに対応する前記個別領域A131の背景柄、背景色、又は文字色を、当該グレードに対応して予め設定された背景柄、背景色、又は文字色で表示させる。これにより、ユーザーは、前記有害事象種別の前記グレードの遷移を一見して把握することが可能である。
<ステップS6>
ステップS6において、前記制御部11は、前記管理画面P1に表示される複数の管理表において前記対象日付の選択の同期の有無を切り替える同期有無切替操作が行われたか否かを判断する。具体的に、前記管理画面P1には、前記対象日付の選択を同期させるか否かを切り替えるための操作を受け付ける操作部として操作キーK14が表示されている。そして、前記制御部11は、前記操作キーK14が操作された場合に、前記同期有無切替操作が行われたと判断する。ここで、前記同期有無切替操作が行われたと判断されると(S6:Yes)、処理がステップS7に移行し、前記同期有無切替操作が行われていなければ(S6:No)、処理がステップS8に移行する。
<ステップS7>
ステップS7において、前記制御部11は、前記療法歴表示部A12と前記有害事象表示部A13とにおける前記対象日付の選択の同期の有無を切り替える。具体的に、前記対象日付の選択の同期が有りに設定されている状態である場合には、前記対象日付の選択の同期が無しに変更され、前記対象日付の選択の同期が無しに設定されている状態である場合には、前記対象日付の選択の同期が有りに変更される。なお、前記管理画面P1の表示開始時には、前記対象日付の選択の同期が予め設定された有り又は無しの状態である。
<ステップS8>
ステップS8において、前記制御部11は、前記療法歴表示部A12又は前記有害事象表示部A13において前記対象日付を選択するための操作が行われたか否かを判断する。なお、前記対象日付の選択を受ける前記ステップS8が本発明に係る選択ステップの一例であり、当該選択ステップは前記制御部11の選択処理部113によって実行される。そして、前記対象日付が選択されたと判断されると(S8:Yes)、処理がステップS9に移行し、前記対象日付が選択されていないと判断されると(S8:No)、処理がステップS10に移行する。
具体的に、前記制御部11は、図8に示されるように、前記療法歴表示部A12又は前記有害事象表示部A13において各日付に対応する選択領域A122又は選択領域A132のいずれかの位置を選択する操作を、当該日付を前記対象日付として選択する操作として受け付け、選択された前記対象日付を識別可能な表示態様で表示する。例えば、前記表示態様は、前記選択領域A122の一部又は全部の領域の背景色又は文字色の反転表示、又は前記選択領域A122を囲む太枠の表示などである。なお、前記制御部11は、前記療法歴表示部A12又は前記有害事象表示部A13における日付及び当該日付の曜日のいずれかの位置を選択する操作のみを、当該日付を前記対象日付として選択する操作として受け付けてもよい。これにより、前記制御部11は、例えば前記日付に対応する前記個別領域A121又は前記個別領域A131の操作を、当該個別領域A131に対応する前記関連情報の詳細情報を表示するための操作として受け付けることが可能である。
<ステップS9>
前記ステップS8により前記対象日付の選択が受け付けられると(S8:Yes)、続くステップS9において、前記制御部11は、前記療法歴表示部A12及び前記有害事象表示部A13のいずれか一方又は両方における前記対象日付を変更するための処理を実行する。
ここで、前記対象日付の選択の同期が有りに設定されている場合、前記制御部11は、前記対象日付の選択操作に応じて、前記療法歴表示部A12及び前記有害事象表示部A13に表示される複数の前記管理表について、前記対象日付を変更するための処理を実行する。例えば、図8に示されるように、前記療法歴表示部A12において前記対象日付として「6/10」が選択された場合に、前記有害事象表示部A13においても「6/10」が前記対象日付として選択される。具体的に、前記制御部11は、前記療法歴表示部A12の前記特定領域A14及び前記有害事象表示部A13の前記特定領域A15各々に、前記ステップS8で選択された前記対象日付に対応する前記関連情報を表示させる。即ち、前記制御部11の前記選択処理部113は、前記療法歴表示部A12及び前記有害事象表示部A13に表示されている複数の前記管理表のいずれかにおける前記対象日付の選択操作を、当該複数の管理表における前記対象日付の選択操作として受け付ける。
一方、前記対象日付の選択の同期が無しに設定されている場合、前記制御部11は、前記対象日付の選択操作に応じて、前記療法歴表示部A12及び前記有害事象表示部A13に表示される複数の前記管理表のうち当該対象日付の選択操作が行われた一方の前記管理表のみについて、前記対象日付を変更するための処理を実行する。具体的に、前記制御部11は、前記療法歴表示部A12の前記特定領域A14及び前記有害事象表示部A13の前記特定領域A15のうち、前記対象日付の選択操作が行われた一方のみに、前記ステップS8で選択された前記対象日付に対応する前記関連情報を表示させる。即ち、前記制御部11の前記選択処理部113は、前記療法歴表示部A12及び前記有害事象表示部A13に表示されている複数の前記管理表のいずれかにおける前記対象日付の選択操作を、当該選択操作が行われた前記管理表のみにおける前記対象日付の選択操作として受け付ける。
<ステップS10>
ステップS10において、前記制御部11は、前記有害事象表示部A13に表示されている前記有害事象種別について特定の日付に対応するグレードを登録するためのグレード登録操作が行われたか否かを判断する。具体的に、前記制御部11は、前記有害事象表示部A13において、前記有害事象種別のうち数値入力に応じて前記グレードが分類可能な第1自覚症状については、前記事象領域A133の上段の前記個別領域A131への数値入力を、当該数値に対応する前記グレードを登録するための前記グレード登録操作として受け付ける。また、前記有害事象表示部A13において、前記有害事象種別のうち前記第1自覚症状を除く第2自覚症状については前記事象領域A134における前記個別領域A131の選択操作を当該個別領域A131に対応する前記グレードを登録するための前記グレード登録操作として受け付ける。ここで、前記グレード登録操作が行われたと判断されると(S10:Yes)、処理がステップS11に移行し、前記グレード登録操作が行われていなければ(S10:No)、処理がステップS12に移行する。
<ステップS11>
ステップS11において、前記制御部11は、前記グレード登録操作に応じて前記有害事象種別について前記グレードを前記有害事象データD14に登録する。具体的に、前記制御部11は、前記有害事象種別のうち数値入力に応じて前記グレードが分類可能な第1自覚症状については数値入力に応じて、当該数値入力が属する前記グレードを判定し、当該グレードを前記事象領域A133の下段の前記個別領域A131に表示させると共に、前記有害事象データD14に登録する。また、前記制御部11は、前記自覚症状のうち前記第1自覚症状を除く第2自覚症状については前記事象領域A134における前記個別領域A131の選択操作に応じて当該個別領域A131に対応する前記グレードを当該日付に対応するグレードとして前記有害事象データD14に登録する。
<ステップS12>
ステップS12において、前記制御部11は、確認シートP11の印刷要求が行われたか否かを判断する。具体的に、前記制御部11は、前記管理画面P1に表示される操作部K11が操作された場合に、前記確認シートP11の印刷要求が行われたと判断する。ここで、前記確認シートP11の印刷要求が行われたと判断されると(S12:Yes)、処理がステップS13に移行し、前記確認シートP11の印刷要求が行われていないと判断されると(S12:No)、処理がステップS14に移行する。
<ステップS13>
ステップS13において、前記制御部11は、前記確認シートP11を印刷するための処理を実行する。具体的に、前記制御部11は、前記管理画面P1に表示されている一又は複数の管理表の内容を含む前記確認シートP11を印刷するための印刷データを生成し、当該印刷データを前記プリンター3に送信することによって当該プリンター3に前記確認シートP11の印刷処理を実行させる。ここで、前記制御部11は、前記管理画面P1の表示内容を、そのまま前記確認シートP11として印刷してもよいが、前記制御部11は、前記管理画面P1に表示される前記管理表と表示内容又は表示態様が異なる特定のフォーマットで前記確認シートP11を印刷してもよい。例えば、前記確認シートP11は、前記療法に基づいて患者に抗がん剤などの投薬を行う業務において、当該投薬についての事前の確認業務に用いられる。
具体的に、前記制御部11は、前記管理画面P1に表示されている一又は複数の管理表のうち前記個別領域A121に前記関連情報が入力されている日付の前記関連情報が含まれ、前記個別領域A121に前記関連情報が入力されていない日付の情報が省略された前記確認シートP11の印刷データを生成する。
ここに、図9は、前記ステップS13で印刷される前記確認シートP11の一例を示す図である。図9に示されるように、前記確認シートP11には、前記管理画面P1の前記療法歴表示部A12及び前記有害事象表示部A13に表示されている前記管理表各々について、前記個別領域A121に前記関連情報が入力されている日付に対応する前記関連情報が、前記対象日付から遡って予め設定された日数分だけ表示される領域A21及び領域A22が印刷されている。
具体的に、図8に示されている前記療法歴表示部A12では、前記個別領域A121に前記関連情報が入力されている日付は、「5/28」、「5/29」、「5/30」、「5/31」、「6/5」、「6/10」、「6/11」、「6/12」の6日間である。また、前記療法歴表示部A12では、「6/10」が前記対象日付として選択されている。この場合、前記確認シートP11では、図9に示されるように、前記領域A21及び前記領域A22各々において、前記対象日付である「6/10」から前記第2方向D22に向けて徐々に遡って6日間の日付が表示され、当該日付各々に対応する前記関連情報が表示される。
即ち、図9に示されている前記確認シートP11の前記領域A21では、前記療法種別及び前記薬品種別が前記第1方向D21に並べて印刷されており、「6/10」、「6/5」、「5/31」、「5/30」、「5/29」、「5/28」の日付が前記第2方向D22に並べて印刷されている。そして、前記療法種別又は前記薬品種別と前記日付とに対応する領域A221各々に当該日付に対応する前記関連情報が印刷されている。また、前記領域A221では、前記管理画面P1における前記個別領域A121と同様に、前記投薬が適正であるか否かが、当該領域A221における背景柄、背景色、又は文字色などによって示される。
同様に、図9に示されている前記確認シートP11の前記領域A22では、前記有害事象種別が前記第1方向D21に並べて印刷されており、「6/10」、「6/5」、「5/31」、「5/30」、「5/29」、「5/28」の日付が前記第2方向D22に並べて印刷されている。そして、前記有害事象種別と前記日付とに対応する領域A222各々に当該日付に対応する前記関連情報として当該有害事象種別に対応する検査項目の検査結果の情報が印刷されている。また、前記領域A222では、前記管理画面P1における前記個別領域A131と同様に、前記有害事象種別について有害事象が発生しているか否かが、当該領域A222における背景柄、背景色、又は文字色などによって示される。
また、前記制御部11は、前記管理画面P1では、日付を前記第2方向D22に沿って古い日付から新しい日付に向けて並べて表示するが、前記確認シートP11では、日付を前記第2方向D22に沿って新しい日付から古い日付に向けて遡るように並べて印刷する。これにより、ユーザーは、前記管理画面P1については、時系列に沿った薬歴、療法歴及び有害事象などの遷移を参照することが可能であり、前記確認シートP11については、限られた紙面スペースの中で前記対象日付に近い薬歴、療法歴及び有害事象などを優先して参照することが可能である。なお、前記確認シートP11においても、前記管理画面P1と同様に、日付が前記第2方向D22に沿って古い日付から順に時系列順で並べられてもよい。
なお、前記制御部11による前記確認シートP11への印刷対象となる日付は、前記対象日付から遡って所定日数分であってもよいが、本日から遡って所定日数分であってもよい。また、前記制御部11は、図9に示されるように、前記確認シートP11に薬歴を印刷してもよい。例えば、前記確認シートP11への前記印刷対象となる日付を服用期間に含まれる薬歴が存在するか否かを前記薬歴データD12に基づいて判断し、当該薬歴が存在する場合には、当該薬歴を前記確認シートP11に印刷することが考えられる。なお、前記確認画面P1において、前記療法歴表示部A12に代えて前記薬歴表示部が表示される場合には、例えば前記確認シートP11に、前記薬歴表示部に表示される管理表と同様の情報又は前記管理情報が存在する日付の薬歴が印刷される。
<ステップS14>
ステップS14において、前記制御部11は、当該情報管理処理の実行終了操作が行われたか否かを判断し、前記実行終了操作が行われると(S14:Yes)、当該情報管理処理を終了させ、前記実行終了操作が行われていなければ(S14:No)、処理を前記ステップS2に戻す。
以上説明したように、本実施形態に係る前記情報管理システム10では、前記管理画面P1において、前記管理表における前記対象日付及び他の日付についての前記関連情報の表示位置を変更することなく、当該対象日付についての前記関連情報が複製されて前記特定領域A14又は前記特定領域A15に表示される。従って、ユーザーは、参照したい前記対象日付に対応する薬品種別、療法種別、又は有害事象種別などの種別情報に関する前記関連情報を当該種別情報との関係を容易に把握しつつ確認することが可能である。
[鑑査支援機能]
ところで、薬局又は病院などの医療機関では、前記処方データに基づいて薬品の調剤が行われた後、当該調剤の適否を鑑査する最終鑑査業務が薬剤師などによって行われる。前記情報管理システム10では、前記制御部11が、前記最終鑑査業務を支援するための鑑査支援画面P2を前記クライアント端末2に表示させる鑑査支援機能を備えることが考えられる。具体的に、前記制御部11は、対象となる患者及び処方データが選択され、最終鑑査を開始するためのユーザー操作を前記クライアント端末2から受け付けた場合に、当該処方データを鑑査するための前記鑑査支援画面P2を前記クライアント端末2に表示させる。
ここに、図10は、前記鑑査支援画面P2の一例を示す図である。図10に示されるように、前記鑑査支援画面P2では、前記処方データに基づいて、患者の情報、及び、処方薬品の薬品名、用法、用量などの情報が表示される。そして、前記制御部11は、前記鑑査支援画面P2が表示されている状態で、例えば前記処方薬品に対応するコード情報が不図示のバーコードリーダーを用いて読み取られた場合に、当該処方薬品が適切に調剤されたと判断し、当該処方薬品についての最終鑑査を完了させる。
ところで、前記情報管理システム10では、前記制御部11が、前記上位システム5から入力される前記処方データについて、予め設定された各種のチェック項目の適否を、当該チェック項目ごとに予め設定された判定条件を示す判定情報に基づいて判定する処方チェク処理が実行されることがある。そして、前記処方チェック処理では、前記チェック項目のいずれかが適正でないと判断された場合には、ユーザーにエラーを報知する報知処理が実行される。
例えば、前記チェック項目には、「相互作用」、「重複(同薬効、同薬品、同成分)」、「投与量」、「配合変化」、「服用区分」などの項目が含まれる。「相互作用」は、前記処方データに含まれる薬品の組み合わせに禁忌又は注意があるか否かに関するチェック項目である。「重複(同薬効、同薬品、同成分)」は、前記処方データに含まれる薬品の重複の有無に関するチェック項目である。「投与量」は、前記処方データに含まれる薬品の投与量が所定範囲内であるか否かに関するチェック項目である。「配合変化」は、注射薬品を混合する場合の異常の有無に関するチェック項目である。「服用区分」は、前記処方データに含まれる薬品の服用時期が当該薬品について予め設定された服用時期と一致するか否かに関するチェック項目である。
例えば、前記判定情報には、「相互作用」の前記チェック項目に対応する前記判定条件を示す情報として、相互作用に禁忌がある薬品の組み合わせを示す併用禁忌薬情報、及び、相互作用に注意がある薬品の組み合わせを示す併用注意薬情報が含まれる。そして、前記処方チェック処理では、前記処方データに対応する患者に処方される複数の薬品が前記併用禁忌薬情報に示された薬品の組み合わせを含む場合には、前記処方チェック処理の結果がエラーとなり、当該処方チェック処理のチェック結果に「併用禁忌」のエラー内容が含まれることになる。同様に、前記処方データに対応する患者に処方される複数の薬品が前記併用注意薬情報に示された薬品の組み合わせを含む場合は、前記処方チェック処理の結果がエラーとなり、当該処方チェック処理のチェック結果に「併用注意」のエラー内容が含まれることになる。なお、前記併用禁忌薬情報及び前記併用注意薬情報は、前記薬品マスターにおいて薬品ごとに記憶されていてもよい。その他、前記判定情報には、「投与量」の前記チェック項目に対応する前期判定条件として、薬品ごとの投与量の最大量及び最小量の情報が含まれる。そして、前記処方チェック処理では、前記処方データに対応する患者に処方される薬品の投与量が前記最大量を超えている場合には、前記処方チェック処理の結果がエラーとなり、当該処方チェック処理のチェック結果に「投与量最大超過」のエラー内容が含まれることになる。また、前記投与量が前記最小量を下回っている場合には、前記処方チェック処理の結果がエラーとなり、当該処方チェック処理のチェック結果に「投与量最小超過」のエラー内容が含まれることになる。
ここで、前記制御部11は、前記処方チェック処理で適否が判定される前記チェック項目のうち、特定の患者について頻繁にエラーが発生するチェック項目については、ユーザー操作に応じて、前記処方チェック処理でエラーとして報知される対象から除外するように設定することが可能である。これにより、特定の患者についての前記チェック項目についてのエラーの報知に起因するユーザーの確認作業が軽減される。
しかしながら、特定のチェック項目のエラーが前記処方チェク処理における報知対象から除外されるように設定が行われた後、当該設定を行った他のユーザーが、その設定が行われていることに気付かなければ、前記特定のチェック項目については前記報知対象から除外された状態がいつまでも継続するおそれがある。また、前記設定を行ったユーザーがその設定を行ったことを失念した場合も同様である。
そこで、前記制御部11は、前記処方チェック処理でエラーを報知する報知対象から除外された前記チェック項目が設定されている場合には、その情報を前記鑑査支援画面P2に表示させる。これにより、ユーザーは、前記最終鑑査業務を行う際に、前記報知対象から除外している前記チェック項目の存在を把握することが可能である。具体的に、前記鑑査支援画面P2では、前記報知対象から除外された前記チェック項目が存在する旨を示す除外情報として、「「次回処方チェックしない」データがあります」のメッセージが領域A31に表示されている。なお、前記制御部11は、前記処方チェック処理でエラーを報知する報知対象から除外された前記チェック項目が存在する場合であって、前記処方チェック処理において当該チェック項目についてエラーが生じている場合に、前記除外情報を前記領域A31に表示させる。一方、前記制御部11は、前記処方チェック処理でエラーを報知する報知対象から除外された前記チェック項目が存在する場合には、前記処方チェック処理において当該チェック項目についてエラーが生じているか否かにかかわらず、常に前記除外情報を前記領域A31に表示させてもよい。
ところで、前記鑑査支援画面P2を参照しつつ前記最終鑑査業務が行われる際、ユーザーは、当該鑑査支援画面P2における鑑査対象の前記処方データよりも前に発行された過去の処方データの履歴、又は、鑑査対象の前記処方データに対応する患者についての薬歴又は検査履歴などを参照したい場合がある。そこで、前記制御部11は、前記鑑査支援画面P2に、過去の処方データの履歴を表示するための操作部K31と、患者の薬歴又は検査履歴などを表示するための操作部K32とを表示する。
そして、前記制御部11は、前記操作部K31が操作された場合には、図11に示されるように、前記鑑査対象の処方データよりも前に発行された過去の処方データの内容が表示される前回処方画面P3をクライアント端末2に表示させる。具体的に、図11に示されるように、前記前回処方画面P3では、前記過去の処方データの内容が、新しい処方データから順に優先して表示される。また、前記制御部11は、前記前回処方画面P3に表示される操作部K41の操作に応じて、複数の前記過去の処方データの内容を順次表示させることが可能である。なお、前記制御部11は、前記前回処方画面P3に表示される操作部K42の操作に応じて、前記過去の処方データについて前記前回処方画面P3に同時に表示されない内容を順次表示させることも可能である。前記前回処方画面P3は、前記鑑査支援画面P2の一部に重ねてポップアップ表示されてもよいが、前記鑑査支援画面P2に代えて前記前回処方画面P3が画面全体に表示されてもよい。前記鑑査支援画面P2に代えて前記前回処方画面P3が画面全体に表示される場合、当該前回処方画面P3には、前記鑑査支援画面P2に表示を戻すための操作部が表示されており、前記制御部11は、当該操作部の操作に応じて前記前回処方画面P3から前記鑑査支援画面P2に表示を遷移させる。これにより、ユーザーは、前記最終鑑査業務を行う際に、必要に応じて過去の処方データの内容を前記前回処方画面P3で容易に確認することが可能である。
また、前記制御部11は、前記操作部K32が操作された場合には、前記鑑査支援画面P2に代えて、図8に示される前記管理画面P1を表示させ、当該管理画面P1において、患者の薬歴又は検査履歴などを表示させる。具体的に、前記制御部11は、前記管理画面P1に、前記薬歴表示部と前記有害事象表示部A13とを表示させることが考えられる。なお、前記管理画面P1に代えて、前記薬歴又は前記検査履歴などを別の表示態様で表示させるための履歴画面(不図示)が別途表示されてもよい。なお、前記管理画面P1又は前記履歴画面では、前記鑑査支援画面P2に表示を戻すための操作部が表示されており、前記制御部11は、当該操作部の操作に応じて前記管理画面P1又は前記履歴画面から前記鑑査支援画面P2に表示を遷移させる。これにより、ユーザーは、前記最終鑑査業務を行う際に、必要に応じて患者の薬歴又は検査履歴などを前記管理画面P1又は前記履歴画面で容易に確認することが可能である。