JP2020181849A - 半導体装置の製造方法、及び、イオン注入装置 - Google Patents
半導体装置の製造方法、及び、イオン注入装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】炭化珪素基板を加熱しながら拡散領域を形成する技術において、半導体装置の製造に要する時間を短縮する技術が必要とされている。【解決手段】半導体装置の製造方法は、炭化珪素基板40のイオン注入領域42にレーザ光を照射して前記炭化珪素基板40の前記イオン注入領域42を加熱しながら、前記イオン注入領域42にイオンをイオン注入するイオン注入工程、を備えている。【選択図】図2
Description
本明細書が開示する技術は、半導体装置の製造方法に関する。本明細書が開示する技術はさらに、半導体装置の製造方法に用いられるイオン注入装置にも関する。
特許文献1は、炭化珪素基板のイオン注入領域にイオンをイオン注入する技術を開示する。この技術では、炭化珪素基板を高温にした状態でイオン注入が実施される。これにより、イオン注入時の結晶欠陥の発生を抑制し、半導体装置の電気特性の低下を抑制することができるとされている。
特許文献1の技術では、炭化珪素基板を保持するステージに搭載されたヒーターを用いて炭化珪素基板の温度を制御している。この技術では、炭化珪素基板の全体の温度を制御することから、イオン注入前の加熱時間及びイオン注入後の冷却時間が長く、半導体装置の製造に要する時間が長くなるという問題がある。このように、炭化珪素基板を高温にした状態で拡散領域を形成する技術において、半導体装置の製造に要する時間を短縮する技術が必要とされている。
本明細書が開示する半導体装置の製造方法は、炭化珪素基板のイオン注入領域にレーザ光を照射して前記炭化珪素基板の前記イオン注入領域を加熱しながら、前記イオン注入領域にイオンをイオン注入するイオン注入工程、を備えることができる。この製造方法では、記レーザ光を照射して前記炭化珪素基板の一部、即ち、前記炭化珪素基板の前記イオン注入領域を含む範囲を選択的に加熱するので、前記イオン注入領域の加熱に要する時間及びイオン注入後の冷却に要する時間が短い。このため、この製造方法では、半導体装置の製造に要する時間を短縮することができる。さらに、この製造方法では、前記レーザ光で前記イオン注入領域を加熱しながらイオン注入が実施されるので、イオン注入されたイオンの拡散及び活性化を同時に行うことができる。このため、必要に応じて、イオン注入後の後工程としてイオン注入されたイオンを拡散及び活性化するためのアニール工程を省略することができる。この点でも、この製造方法では、半導体装置の製造に要する時間を短縮することができる。
上記製造方法では、前記レーザ光が、前記炭化珪素基板の表面に対して斜め方向から照射されてもよい。この製造方法では、前記炭化珪素基板の表面に対して直交方向から照射されるイオン注入と干渉することなく、レーザ光照射を行うことができる。
上記製造方法は、前記イオン注入工程よりも前に、前記炭化珪素基板の前記イオン注入領域に前記レーザ光を照射して前記炭化珪素基板を加熱する加熱処理工程、をさらに備えてもよい。前記炭化珪素基板の温度が所定温度に達した後にイオン注入工程を実施することで、イオン注入されるイオンの拡散及び活性化を良好に行うことができる。
上記製造方法は、前記加熱処理工程よりも前に、前記炭化珪素基板の表面上に外方拡散防止膜を成膜する成膜工程、をさらに備えていてもよい。前記外方拡散防止膜は、前記炭化珪素基板を構成するシリコンが前記炭化珪素基板の前記表面から外方に拡散するのを防止する材料で構成されている。この製造方法によると、加熱処理工程及びイオン注入工程において、前記炭化珪素基板の前記表面からシリコンが外方に拡散するのが抑えられ、前記炭化珪素基板の表面荒れが抑えられる。
本明細書が開示するイオン注入装置は、被処理物に対してレーザ光を照射可能に構成されているレーザ光照射手段を備えることができる。このようなイオン注入装置は、イオン注入とレーザ光照射を同時に行うことができることから、上記半導体装置の製造方法に用いることができる。
図1に、炭化珪素半導体装置の製造に用いられるイオン注入装置1の構成を概略して示す。イオン注入装置1は、ステージ30に保持されている炭化珪素基板40の表層部のイオン注入領域にイオンをイオン注入するための装置であり、イオン注入手段10とレーザ照射手段20を備えている。なお、イオン注入領域とは、炭化珪素基板40に搭載される素子、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、ダイオード等を構成するn型又はp型の拡散領域を形成するために、n型又はp型のドーパントがイオン注入される領域のことをいう。
イオン注入手段10は、イオン源12と、引出電極14と、質量分析装置16と、分析スリット18と、を有している。イオン源12から引出電極14を通して引き出された多種類のイオンビームは、質量分析装置16により分離される。分析スリット18は、質量分析装置16によって分離されたイオンビームの中からイオン注入に必要なイオン種のみを通過させる。分析スリット18を通過したイオンビームは、炭化珪素基板40の表層部のイオン注入領域に照射される。
レーザ光照射手段20は、レーザ光発振器22と、集光レンズ24と、矩形ファイバ26と、を有している。レーザ光発振器22は、炭化珪素基板40を透過しない特定波長のレーザ光を発振するように構成されている。例えば、レーザ光発振器22は、LD励起固体レーザを用いて赤外光のレーザ光を発振するように構成されている。なお、レーザ光発振器22から発振されるレーザ光の波長は、イオン注入領域の深さ等に基づいて適宜に調整される。集光レンズ24は、レーザ光発振器22から発振されたレーザ光を集光し、矩形ファイバ26の入射端に導くように構成されている。矩形ファイバ26は、入射端から入射したレーザ光を出射端から出射し、炭化珪素基板40の表層部のイオン注入領域に照射するように構成されている。
矩形ファイバ26の出射端は、炭化珪素基板40の表層部のイオン注入領域に対して斜め上方に配置されている。これにより、矩形ファイバ26の出射端から出射されるレーザ光は、炭化珪素基板40の表面に対して斜め方向からイオン注入領域に向けて照射される。このように、矩形ファイバ26から出射されるレーザ光の光軸は、分析スリット18を通過したイオンビームの軌道軸(炭化珪素基板40の表面に対して直交方向に沿った軸)に対して傾斜している。これにより、イオン注入装置1は、レーザ光照射とイオン注入を同時に実施可能となるように構成されている。また、矩形ファイバ26の出射端は、炭化珪素基板40の表層部のイオン注入領域をスキャニング可能となるように構成されている。これにより、イオン注入装置1は、炭化珪素基板40の表層部のイオン注入領域を含む範囲を選択的に加熱可能に構成されている。
図2〜5を参照し、図1のイオン注入装置1を用いて炭化珪素基板40の表面に拡散領域を形成する方法を説明する。図2は、製造フローを示す。図3〜5は、製造工程中の炭化珪素基板の断面図を模式的に示す。
まず、図3に示すように、ステージ30を用いて処理対象の炭化珪素基板40を保持し、炭化珪素基板40をイオン注入装置1内に準備する(図2のステップS1)。炭化珪素基板40の表面上には外方拡散防止膜52が成膜されている。外方拡散防止膜52は、炭化珪素基板40を構成するシリコンが炭化珪素基板40の表面から外方に拡散するのを防止する材料で構成されている。一例ではあるが、外方拡散防止膜52としては、カーボン膜、酸化シリコン膜又はレジストが用いられる。この外方拡散防止膜52は、後述の加熱処理工程及びイオン注入工程において、炭化珪素基板40の表面からシリコンが外方に拡散して生じる表面荒れを抑えることができる。また、外方拡散防止膜52の表面上にはマスク層54が成膜されている。マスク層54には、炭化珪素基板40の表層部のイオン注入領域42に対応して開口が形成されている。一例ではあるが、マスク層54の材料としては、酸化シリコン膜が用いられる。なお、外方拡散防止膜52を成膜せずに、炭化珪素基板40の表面上にマスク層54が成膜されていてもよい。
次に、図4に示されるように、炭化珪素基板40の表層部のイオン注入領域42にレーザ光を照射し、イオン注入領域42を加熱する(図2のステップS2)。この加熱処理工程では、レーザ光を照射して炭化珪素基板40の一部、即ち、イオン注入領域42を含む範囲を選択的に加熱する。この加熱処理工程は、イオン注入領域42の温度が炭化珪素の溶融温度に達するまで実施される。
次に、図5に示されるように、レーザ光照射を継続しながら、炭化珪素基板40の表層部のイオン注入領域42にイオンをイオン注入する(図2のステップS3)。このイオン注入工程では、レーザ光の照射が継続されているので、イオン注入領域42の温度が高温に維持されている。このため、このイオン注入工程では、イオン注入時の結晶欠陥の発生が抑えられ、半導体装置の電気特性の低下が抑えられる。次に、レーザ光照射及びイオン注入を停止し、イオン注入工程を終了する(図2のステップS4)。
上記製造方法では、レーザ光を照射して炭化珪素基板40の一部、即ち、イオン注入領域42を含む範囲を選択的に加熱する。このため、イオン注入領域42の加熱に要する時間及びイオン注入後の冷却に要する時間が短く、ひいては、半導体装置の製造に要する時間を短縮することができる。
また、上記製造方法のイオン注入工程では、レーザ光の照射を継続しながら、イオン注入が実施される。特に、上記製造方法のイオン注入工程では、高出力のレーザ光照射によってイオン注入領域42の温度が炭化珪素の溶融温度以上に維持されていることから、イオン注入されたイオンの拡散及び活性化を同時に進行させることができる。このため、上記製造方法では、イオン注入後に後工程としてイオン注入されたイオンを拡散及び活性化するためのアニール工程を省略することができる。これにより、半導体装置の製造に要する時間を短縮することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1 :イオン注入装置
10 :イオン注入手段
12 :イオン源
14 :引出電極
16 :質量分析装置
18 :分析スリット
20 :レーザ光照射手段
22 :レーザ光発振器
24 :集光レンズ
26 :矩形ファイバ
30 :ステージ
40 :炭化珪素基板
10 :イオン注入手段
12 :イオン源
14 :引出電極
16 :質量分析装置
18 :分析スリット
20 :レーザ光照射手段
22 :レーザ光発振器
24 :集光レンズ
26 :矩形ファイバ
30 :ステージ
40 :炭化珪素基板
Claims (5)
- 半導体装置の製造方法であって、
炭化珪素基板のイオン注入領域にレーザ光を照射して前記炭化珪素基板の前記イオン注入領域を加熱しながら、前記イオン注入領域にイオンをイオン注入するイオン注入工程、を備える、半導体装置の製造方法。 - 前記レーザ光が、前記炭化珪素基板の表面に対して斜め方向から照射される、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記イオン注入工程よりも前に、前記炭化珪素基板の前記イオン注入領域に前記レーザ光を照射して前記炭化珪素基板を加熱する加熱処理工程、をさらに備える、請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記加熱処理工程よりも前に、前記炭化珪素基板の表面上に外方拡散防止膜を成膜する成膜工程、をさらに備えており、
前記外方拡散防止膜は、前記炭化珪素基板を構成するシリコンが前記炭化珪素基板の前記表面から外方に拡散するのを防止する材料で構成されている、請求項3に記載の半導体装置の製造方法。 - イオン注入装置であって、
被処理物に対してレーザ光を照射可能に構成されているレーザ光照射手段、を備える、イオン注入装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019082187A JP2020181849A (ja) | 2019-04-23 | 2019-04-23 | 半導体装置の製造方法、及び、イオン注入装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019082187A JP2020181849A (ja) | 2019-04-23 | 2019-04-23 | 半導体装置の製造方法、及び、イオン注入装置 |
Publications (1)
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JP2020181849A true JP2020181849A (ja) | 2020-11-05 |
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ID=73024781
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019082187A Pending JP2020181849A (ja) | 2019-04-23 | 2019-04-23 | 半導体装置の製造方法、及び、イオン注入装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2020181849A (ja) |
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2019
- 2019-04-23 JP JP2019082187A patent/JP2020181849A/ja active Pending
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