JP2020180649A - Lubrication structure of clutch device - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、クラッチ装置の潤滑構造に関し、特に、湿式多板クラッチ装置の潤滑構造に関する。 The present disclosure relates to a lubrication structure of a clutch device, and more particularly to a lubrication structure of a wet multi-plate clutch device.
車両の動力伝達装置においては、駆動力源から変速機への動力の伝達を断接する湿式多板クラッチ装置が用いられる場合がある。この種の湿式多板クラッチ装置の潤滑構造として、例えば、特許文献1には、シャフト側の油路からクラッチハブの円筒部に向けて潤滑油を吐出すると共に、該潤滑油を円筒部に貫通形成された複数の油孔を介してフリクションプレートやセパレートプレート(以下、これらを単にプレート部材ともいう)に供給するようにした潤滑構造が開示されている。 In the power transmission device of a vehicle, a wet multi-plate clutch device that connects and disconnects the power transmission from the driving force source to the transmission may be used. As a lubrication structure for this type of wet multi-plate clutch device, for example, in Patent Document 1, lubricating oil is discharged from an oil passage on the shaft side toward a cylindrical portion of a clutch hub, and the lubricating oil penetrates the cylindrical portion. A lubrication structure is disclosed in which a friction plate or a separate plate (hereinafter, these are also simply referred to as plate members) is supplied through a plurality of formed oil holes.
ところで、シャフト側の油路からクラッチハブの円筒部に向けて吐出される潤滑油には、クラッチハブの回転に伴う遠心力が作用する。このため、各油孔に対して潤滑油を効果的に導入することができず、各プレート部材の潤滑油量が不足したり、或は、各プレート部材に対する潤滑油供給量に偏りが生じたりすることで、プレート部材の局所的な温度上昇や摩擦材の偏摩耗等を引き起こす可能性がある。また、各油孔に導入されなかった潤滑油がクラッチハブの内周凹凸等に衝突することで、撹拌抵抗の増加や潤滑油の気泡発生を引き起こす可能性もある。 By the way, centrifugal force due to the rotation of the clutch hub acts on the lubricating oil discharged from the oil passage on the shaft side toward the cylindrical portion of the clutch hub. For this reason, the lubricating oil cannot be effectively introduced into each oil hole, and the amount of lubricating oil of each plate member may be insufficient, or the amount of lubricating oil supplied to each plate member may be biased. This may cause a local temperature rise of the plate member, uneven wear of the friction material, and the like. Further, the lubricating oil that has not been introduced into each oil hole may collide with the inner peripheral unevenness of the clutch hub, which may cause an increase in stirring resistance and generation of air bubbles in the lubricating oil.
本開示の技術は、クラッチ装置のプレート部材に対して潤滑油を効果的に供給することができる潤滑構造を提供することを目的とする。 An object of the present disclosure is to provide a lubricating structure capable of effectively supplying lubricating oil to a plate member of a clutch device.
本開示の技術は、円筒状のドラム部を有するドラム部材と、前記ドラム部よりも径方向内側に配される円筒状のハブ部を有するハブ部材と、前記ドラム部の内周に設けられる第1プレート部材と、前記ハブ部の外周に設けられると共に、前記第1プレート部材と摩擦係合可能な第2プレート部材と、を含むクラッチ装置の潤滑構造であって、前記ハブ部を径方向に貫通して前記第1プレート部材及び前記第2プレート部材に潤滑油を供給する油孔と、前記ハブ部の内周から径方向内側に突出すると共に、前記油孔の開口に対して前記ハブ部材の回転方向とは反対側に位置して設けられており、前記ハブ部の内周に向けて吐出される潤滑油を前記油孔の開口に導くガイド部材と、を備えることを特徴とする。 The technique of the present disclosure is provided on a drum member having a cylindrical drum portion, a hub member having a cylindrical hub portion arranged radially inside the drum portion, and an inner circumference of the drum portion. A lubrication structure for a clutch device including one plate member and a second plate member provided on the outer periphery of the hub portion and capable of frictionally engaging with the first plate member, wherein the hub portion is radially oriented. An oil hole that penetrates and supplies lubricating oil to the first plate member and the second plate member, and a hub member that protrudes radially inward from the inner circumference of the hub portion and with respect to the opening of the oil hole. It is provided at a position opposite to the direction of rotation of the above, and is characterized by including a guide member for guiding the lubricating oil discharged toward the inner circumference of the hub portion to the opening of the oil hole.
また、前記ハブ部が、径方向内側に窪む凹部を有すると共に、前記油孔が、前記凹部の底部に形成されており、前記ガイド部材が、前記油孔の開口縁のうち、前記回転方向とは反対側の開口縁に設けられていることが好ましい。 Further, the hub portion has a recess that is recessed inward in the radial direction, and the oil hole is formed in the bottom portion of the recess, and the guide member is included in the opening edge of the oil hole in the rotation direction. It is preferable that the opening edge is provided on the opposite side of the opening.
また、前記ガイド部材が、前記ハブ部の前記内周から径方向内側に突出する突出部と、該突出部の突出端から前記回転方向側に曲がる曲げ部とを有することが好ましい。 Further, it is preferable that the guide member has a protruding portion that protrudes inward in the radial direction from the inner circumference of the hub portion, and a bent portion that bends in the rotational direction from the protruding end of the protruding portion.
また、前記ハブ部が、径方向外側に突出する凸部を有すると共に、前記油孔が、前記凸部の先端部に形成されており、前記ガイド部材が、前記凸部の基端部のうち、前記先端部に対して前記回転方向とは反対側の基端部から径方向内側に前記回転方向に向けて斜めに突出することが好ましい。 Further, the hub portion has a convex portion protruding outward in the radial direction, the oil hole is formed at the tip end portion of the convex portion, and the guide member is among the base end portions of the convex portion. It is preferable that the tip portion projects radially inward in the radial direction from the base end portion on the side opposite to the rotation direction.
また、前記ハブ部材は、前記ハブ部の端部から径方向内側に延びる円環状の側壁部と、前記側壁部から軸方向に延びて前記ハブ部の内周と対向する円筒状のボス部と、前記ボス部の軸方向端を径方向に切り欠いた溝又は、前記ボス部を径方向に貫通する貫通孔で形成されており、径方向内側から供給される潤滑油を流通させて径方向外側端から前記油孔に向けて吐出する油流通路と、を有することが好ましい。 Further, the hub member includes an annular side wall portion extending radially inward from the end portion of the hub portion and a cylindrical boss portion extending axially from the side wall portion and facing the inner circumference of the hub portion. , The axial end of the boss portion is cut out in the radial direction, or the through hole is formed through the boss portion in the radial direction, and the lubricating oil supplied from the inside in the radial direction is circulated in the radial direction. It is preferable to have an oil flow passage for discharging from the outer end toward the oil hole.
また、前記油流通路の流路軸心が、前記ハブ部材の径方向に対して所定の角度で傾斜して設けられていることが好ましい。 Further, it is preferable that the flow path axis of the oil flow passage is provided so as to be inclined at a predetermined angle with respect to the radial direction of the hub member.
本開示の技術によれば、クラッチ装置のプレート部材に対して潤滑油を効果的に供給することができる。 According to the technique of the present disclosure, lubricating oil can be effectively supplied to the plate member of the clutch device.
以下、添付図面に基づいて、本実施形態に係るクラッチ装置の潤滑構造について説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。 Hereinafter, the lubrication structure of the clutch device according to the present embodiment will be described with reference to the accompanying drawings. The same parts have the same reference numerals, and their names and functions are also the same. Therefore, detailed explanations about them will not be repeated.
[全体構成]
図1は、本実施形態に係るクラッチ装置10を示す模式的な断面図である。クラッチ装置10は、例えば、エンジン等の駆動力源の出力軸1と、変速機等の入力軸2との間に設けられており、出力軸1から入力軸2への動力伝達を断接する。なお、以下の説明において、これら出力軸1及び、入力軸2の軸方向を単に「軸方向」といい、径方向を単に「径方向」という。
[overall structure]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view showing the
図1に示すように、クラッチ装置10は、クラッチドラム(ドラム部材)20と、クラッチドラム20の径方向内側に配されるクラッチハブ(ハブ部材)30と、クラッチドラム20に嵌合される複数枚のセパレートプレート51(第1プレート部材)及び、エンドプレート53と、クラッチハブ30に嵌合される複数枚のフリクションプレート52(第2プレート部材)と、油圧室40に供給される油圧により移動して各プレート51,52を押圧して摩擦係合させるピストン41と、キャンセル油室42を画成するキャンセルプレート45と、ピストン41を各プレート51,52から離反する方向に付勢するリターンスプリング44とを備える。
As shown in FIG. 1, the
クラッチドラム20は、円筒状のドラム筒部21(ドラム部)と、ドラム筒部21の一端(図中の左端)から径方向内側に延びる円環状のドラム側壁部22とを有する。ドラム筒部21の内周部には、複数の凹凸を有するスプライン溝部24が形成されている。なお、スプライン溝部24の凹凸は複数に限定されず、少なくとも一対の凹凸を備えていればよい。ドラム側壁部22の内周部は、出力軸1の外周にスプライン嵌合等により一体回転可能に固定されている。
The
クラッチハブ30は、円筒状のハブ筒部31(ハブ部)と、ハブ筒部31のクラッチドラム20とは反対側の一端(図中の右端)から径方向内側に延びる円環状のハブ側壁部32(側壁部)と、ハブ側壁部32のクラッチドラム20側の側面から軸方向に突出して、ハブ筒部31の内周面と部分的に対向する円筒状のボス部35とを有する。ハブ筒部31の外周部には、複数の凹凸を有すスプライン溝部34が形成されている。なお、スプライン溝部34の凹凸は複数に限定されず、少なくとも一対の凹凸を備えていればよい。
The
ハブ筒部31には、各プレート51,52に潤滑油を供給する複数の油孔36が径方向に貫通形成されている。また、ハブ筒部31の内周には、油孔36の開口縁から径方向内側に突出する複数のガイド部材38が設けられている。ガイド部材38の詳細については後述する。
A plurality of
ハブ側壁部32の内周部は、入力軸2の外周にスプライン嵌合等により一体回転可能に固定されている。ボス部35とキャンセルプレート45と間には、スラストベアリング48(軸受の一例)が設けられている。
The inner peripheral portion of the hub
セパレートプレート51及び、フリクションプレート52は、互いに交互に配置されている。セパレートプレート51は、両面が平坦に形成された円環状のプレート部材であり、ドラム筒部21のスプライン溝部24に軸方向に移動可能且つ、周方向に一体回転可能にスプライン嵌合する。エンドプレート53は、スプライン溝部24の端部(図中の右端)に不図示のスナップリング等により移動不能に保持されている。フリクションプレート52は、両面に不図示の摩擦材が貼り付けられた円環状のプレート部材であり、ハブ筒部31のスプライン溝部34に軸方向に移動可能且つ、周方向に一体回転可能にスプライン嵌合する。
The
なお、セパレートプレート51及び、フリクションプレート52の配置は、クラッチドラム20側にフリクションプレート52を、クラッチハブ30側にセパレートプレート51を入れ替えて配置してもよい。
The
キャンセルプレート45は、ハブ筒部31よりも小径の円環状に形成されており、ドラム側壁部22とハブ側壁部32との間の出力軸1に支持されている。ピストン41は、キャンセルプレート45よりもドラム側壁部22側(図中の左側)の出力軸1に軸方向に移動自在に支持される。ドラム側壁部22とピストン41との間には、油圧室40が区画形成され、ピストン41とキャンセルプレート45との間には、キャンセル油室42が区画形成されている。キャンセル油室42内には、ピストン41とキャンセルプレート45との間に圧縮状態で介装されたリターンスプリング44が設けられている。なお、リターンスプリング44は、図示例のコイルスプリングに限定されず、板バネ等であってもよい。
The
油圧室40には、出力軸1に形成された第1油供給路61を介して油供給回路70が接続されている。キャンセル油室42には、出力軸1に形成された第2油供給路62を介して油供給回路70が接続されている。キャンセルプレート45とクラッチハブ30のハブ側壁部32との間の空間46には、出力軸1に形成された第3油供給路63を介して油供給回路70が接続されている。
An
油供給回路70は、潤滑油を貯留するオイルパン71と、オイルパン71内の潤滑油に浸漬されたオイルストレーナ72と、オイルストレーナ72に接続された油供給ライン73と、油供給ライン73に設けられたオイルポンプOPと、潤滑油の供給/停止を切り替えるバルブ74とを備えている。
The
バルブ74のONにより、油供給ライン73から第1油供給路61を介して油圧室40に潤滑油が供給されると、油圧室40内の油圧は上昇する。油圧室40の油圧が上昇すると、これに伴いピストン41が各プレート51,52側に向けて軸方向にストローク移動し、各プレート51,52を押圧して互いに摩擦係合させることにより、クラッチ装置10は出力軸1から入力軸2に動力を伝達する接状態とされる。
When the lubricating oil is supplied from the
一方、バルブ74のOFFにより、第1油供給路61を介した油圧室40への潤滑油の供給が停止されると、油圧室40内の油圧は降下する。油圧室40内の油圧が降下すると、これに伴いピストン41がリターンスプリング44の付勢力によって各プレート51,52から離反する方向に移動し、各プレート51,52の摩擦係合を解放することにより、クラッチ装置10は出力軸1から入力軸2への動力伝達を遮断する断状態とされる。
On the other hand, when the supply of the lubricating oil to the
本実施形態において、第3油供給路63から空間46に供給される潤滑油は、ボス部35の軸方向端を径方向に切り欠いて形成した油溝37(油流通路)に導入され、さらに油溝37に導入された潤滑油は、ハブ筒部31の内周に向けて吐出される。ハブ筒部31の内周に向けて吐出された潤滑油はガイド部材38によって油孔36に導かれ、油孔36を介して各プレート51,52間に供給されるように構成されている。以下、本実施形態に係る潤滑構造の詳細について説明する。
In the present embodiment, the lubricating oil supplied from the third
[第一実施形態]
図2は、第一実施形態に係るクラッチハブ30を示す模式図であり、(A)は径方向から視た図、(B)は軸方向から視た図である。図3は、第一実施形態に係るクラッチハブ30の要部を示す模式的な径方向断面図である。
[First Embodiment]
2A and 2B are schematic views showing a
図2(A)に示すように、クラッチハブ30のハブ筒部31には、各プレート51,52(図1参照)に潤滑油を導入する複数の油孔36が貫通形成されている。具体的には、各油孔36は、スプライン溝部34の径方向内側に窪む凹部34Aの底部34Bに貫通形成されている。図示例において、各油孔36は各凹部34Aに対してそれぞれ3個設けられているが、これには限定されず、油孔36の個数や位置は各プレート51,52(図1参照)の枚数等に応じて適宜に設定すればよい。
As shown in FIG. 2A, a plurality of oil holes 36 for introducing lubricating oil are formed through the
図2(B)に示すように、クラッチハブ30のハブ筒部31は、軸方向視において、スプライン溝部34の径方向内側に窪む凹部34Aと、径方向外側に突出する凸部34Cとが周方向に交互に配された略波形のセレーション状に形成されている。すなわち、ハブ筒部31の内周面及び外周面は、何れも周方向に凹凸が交互に繰り返された波形状をなしている。
As shown in FIG. 2B, the
クラッチハブ30のハブ側壁部32から突出するボス部35には、ボス部35の軸方向端部(図1に示すスラストベアリング48と接触する部位)を径方向に切り欠くことにより形成された複数の油溝37が設けられている。油溝37は、ボス部35を径方向に貫通する貫通孔として形成してもよいが、ボス部35の端部を切り欠く溝形状とすれば、加工を容易に行うことができる。
A plurality of
各油溝37は、クラッチハブ30の回転バランスを維持できるように、好ましくは、ボス部35の周方向に等ピッチで設けられている。各油溝37は、その径方向外側端が、凹部34Aの底部34Bの内周面に臨んで開口するように設けられている。
The
より詳しくは、図3に示すように、クラッチハブ30の軸方向視において、油溝37は、その流路軸心が油孔36の孔軸心と略一致するように設けられている。油溝37の溝幅W1(流路幅)は、凹部34A(又は、底部34B)の周方向幅W2よりも幅狭に形成されている。また、油溝37は、好ましくは、凹部34Aの底部34Bに対して、周方向に一つ置きに対応するように設けられている。すなわち、油溝37を凹部34Aの底部34Bに対して周方向に一つ置きに設けることで、油溝37を全ての凹部34Aに対応して設ける場合に比べ、加工工数を効果的に削減できるようになっている。
More specifically, as shown in FIG. 3, in the axial view of the
クラッチハブ30のハブ筒部31には、スプライン溝部34の凹部34Aの底部34Bから径方向内側に突出する略板状のガイド部材38がそれぞれ設けられている。ガイド部材38は、好ましくは、油孔36を凹部34Aの底部34Bにプレス加工等により形成する際に、底部34Bの油孔36に相当する部位が径方向内側に折れ曲げられることにより、クラッチハブ30と一体に形成されている。このように、プレス加工により生じるクラッチハブ30の油孔36に相当する部位を用いることで、加工コストの削減が図られるようになる。
The
本実施形態において、ガイド部材38は、油孔36の開口縁のうち、クラッチハブ30の回転方向Rとは反対側の開口縁に設けられている。すなわち、クラッチハブ30の回転に伴う遠心力によって、油溝37から凹部34Aの底部34Bに向けて径方向に対して斜めに吐出される潤滑油X1のうち、一部の潤滑油X2は、径方向に対応する油孔36−0から回転方向Rとは反対側に一個ずれた油孔36−1のガイド部材38−1に当てられ、該ガイド部材38−1によって油孔36−1に積極的に導入されるようになる。さらに、ガイド部材38−1に当たらなかった潤滑油X3は、回転方向Rとは反対側にさらに一個ずれた油孔36−2のガイド部材38−2に当てられ、該ガイド部材38−2によって油孔36−2に積極的に導入されるようになる。
In the present embodiment, the
これにより、各油孔36に対する潤滑油量を効果的に確保しつつ、各油孔36に対して潤滑油が略均等に供給されるようになり、各プレート51,52(図1参照)間の潤滑油量不足や潤滑油量の偏りにより生じる局所的な温度上昇、さらには、フリクションプレート52の摩擦材の偏摩耗を効果的に抑制することが可能になる。また、各油孔36に導入されずに、スプライン溝部34の凹部34Aや凸部34Cの内周に衝突する潤滑油を減少させることが可能となり、撹拌抵抗の増加や潤滑油中の気泡の発生を効果的に抑止することもできる。
As a result, the amount of lubricating oil for each
[第二実施形態]
図4は、第二実施形態に係るクラッチハブ30の要部を示す模式的な径方向断面図である。
[Second Embodiment]
FIG. 4 is a schematic radial sectional view showing a main part of the
図4に示すように、第二実施形態の潤滑構造は、第一実施形態のガイド部材38を屈曲形成することにより、ガイド部材38が潤滑油を捕集可能なオイルキャッチャーとして機能するように構成したものである。
As shown in FIG. 4, the lubricating structure of the second embodiment is configured so that the
具体的には、第二実施形態のガイド部材38は、スプライン溝部34の凹部34Aの底部34Bから径方向内側に突出する略板状の突出部38Aと、突出部38Aの径方向内側端(突出端)からクラッチハブ30の回転方向R側に所定の角度で折れ曲がる折り曲げ部38Bとを備えている。折り曲げ部38Bは、本開示の曲げ部の一態様であり、突出部38Aに対して所定の角度を有する形態であれば、他の形状であってもよい。このように、ガイド部材38全体を略L字状に屈曲させることで、油溝37から吐出される潤滑油は、折り曲げ部38Bから突出部38Aに沿って流されることにより捕集され、油孔36に確実に導かれるようになる。
Specifically, the
すなわち、クラッチハブ30の回転に伴う遠心力によって油溝37から斜めに吐出される潤滑油X1のうち、一部の潤滑油X2は、回転方向Rとは反対側に一個ずれたガイド部材38−1に捕集されて油孔36−1に確実に導入され、ガイド部材38−1に捕集されなかった潤滑油X3は、回転方向Rとは反対側にさらに一個ずれたガイド部材38−2に捕集されて油孔36−2に確実に導入されるよう構成されている。
That is, of the lubricating oil X1 obliquely discharged from the
これにより、第一実施形態と同様、各油孔36に対する潤滑油量を効果的に確保しつつ、各油孔36に対して潤滑油が略均等に供給されるようになり、各プレート51,52(図1参照)間の潤滑油量不足や潤滑油量の偏りにより生じる局所的な温度上昇、さらには、フリクションプレート52の摩擦材の偏摩耗を効果的に抑制することが可能になる。また、各油孔36に導入されずに、スプライン溝部34の凹部34Aや凸部34Cの内周に衝突する潤滑油を減少させることが可能となり、撹拌抵抗の増加や潤滑油中の気泡の発生を効果的に抑止することもできる。
As a result, as in the first embodiment, the amount of lubricating oil for each
[第三実施形態]
図5は、第三実施形態に係るクラッチハブ30の要部を示す模式的な径方向断面図である。
[Third Embodiment]
FIG. 5 is a schematic radial sectional view showing a main part of the
図5に示すように、第三実施形態の潤滑構造は、各油孔36を各スプライン溝部34の径方向外側に突出する凸部34Cの先端部34Dに貫通形成すると共に、各油溝37を全ての凸部34Cに対応して設けたものである。具体的には、各油溝37は、その径方向外側端が、全ての凸部34Cの先端部34Dの内周面にそれぞれ臨んで開口するように設けられている。
As shown in FIG. 5, in the lubrication structure of the third embodiment, each
クラッチハブ30の軸方向視において、各油溝37は、その流路軸心が各油孔36の孔軸心とそれぞれ一致するように設けられている。また、油溝37の溝幅W1は、好ましくは、凸部34C(又は、先端部34D)の周方向幅W2よりも幅狭に形成されている。
In the axial view of the
略平板状のガイド部材38は、凸部34Cの基端部34E,34Fのうち、先端部34Dに対して回転方向Rとは反対側の基端部34Eから、回転方向Rに向けて径方向内側に斜めに突出して設けられている。ガイド部材38の径方向内側端(突出端)と、先端部34Dに対して回転方向R側の基端部34Fとの間には、潤滑油を流通させる所定の隙間が確保されており、凸部34Cの内周とガイド部材38とによって潤滑油を捕集可能な空間Sが区画形成されている。
The substantially flat plate-shaped
すなわち、クラッチハブ30の回転に伴う遠心力によって油溝37から斜めに吐出される潤滑油X1は、回転方向Rとは反対側に一個ずれたガイド部材38−1と凸部34Cの基端部34Eとの隙間を流通して空間S内に捕集され、対応する油孔36−1に確実に導入されるよう構成されている。
That is, the lubricating oil X1 obliquely discharged from the
これにより、第一及び第二実施形態と同様、各油孔36に対する潤滑油量を効果的に確保しつつ、各油孔36に対して潤滑油が略均等に供給されるようになり、各プレート51,52(図1参照)間の潤滑油量不足や潤滑油量の偏りにより生じる局所的な温度上昇、さらには、フリクションプレート52の摩擦材の偏摩耗を効果的に抑制することが可能になる。また、各油孔36に導入されずに、スプライン溝部34の凹部34Aや凸部34Cの内周に衝突する潤滑油を減少させることが可能となり、撹拌抵抗の増加や潤滑油中の気泡の発生を効果的に抑止することもできる。
As a result, as in the first and second embodiments, the amount of lubricating oil for each
[その他]
なお、本開示は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
[Other]
It should be noted that the present disclosure is not limited to each of the above-described embodiments, and can be appropriately modified and implemented without departing from the spirit of the present disclosure.
例えば、図6に示すように、上記第一実施形態において、油溝37の流路軸心をクラッチハブ30の径方向に対して、クラッチハブ30の回転方向Rとは逆向きに所定の角度で傾斜するように設けてもよい。同様に、図示は省略するが、上記第二及び第三実施形態においても、油溝37の流路軸心をクラッチハブ30の径方向に対して所定の角度で傾斜するように設けてもよい。このように、油溝37の流路軸心を傾斜させれば、クラッチハブ30の回転に伴う遠心力によって油溝37から油孔36に向けて潤滑油をより効果的に吐出することが可能になる。
For example, as shown in FIG. 6, in the first embodiment, the flow path axis of the
また、クラッチ装置10は、図示例のシングルクラッチ装置に限定されず、デュアルクラッチ装置であってもよい。
Further, the
また、クラッチ装置10は、湿式多板クラッチ装置に限定されず、湿式単板クラッチ装置であってもよい。
Further, the
10 クラッチ装置
20 クラッチドラム(ドラム部材)
21 ドラム筒部(ドラム部)
22 ドラム側壁部
24 スプライン溝部
30 クラッチハブ(ハブ部材)
31 ハブ筒部(ハブ部)
32 ハブ側壁部(側壁部)
34 スプライン溝部
34A 凹部
34B 底部
34C 凸部
34D 先端部
34F,34E 基端部
35 ボス部
36 油孔
37 油溝(油流通路)
38 ガイド部材
38A 突出部
38B 折り曲げ部(曲げ部)
40 油圧室
41 ピストン
42 キャンセル油室
44 リターンスプリング
45 キャンセルプレート
46 空間
48 スラストベアリング
51 セパレートプレート(第1プレート部材)
52 フリクションプレート(第2プレート部材)
10
21 Drum cylinder (drum)
22
31 Hub tube (hub)
32 Hub side wall (side wall)
34
38
40
52 Friction plate (second plate member)
Claims (6)
前記ドラム部よりも径方向内側に配される円筒状のハブ部を有するハブ部材と、
前記ドラム部の内周に設けられる第1プレート部材と、
前記ハブ部の外周に設けられると共に、前記第1プレート部材と摩擦係合可能な第2プレート部材と、を含むクラッチ装置の潤滑構造であって、
前記ハブ部を径方向に貫通して前記第1プレート部材及び前記第2プレート部材に潤滑油を供給する油孔と、
前記ハブ部の内周から径方向内側に突出すると共に、前記油孔の開口に対して前記ハブ部材の回転方向とは反対側に位置して設けられており、前記ハブ部の内周に向けて吐出される潤滑油を前記油孔の開口に導くガイド部材と、を備える
ことを特徴とするクラッチ装置の潤滑構造。 A drum member having a cylindrical drum portion and
A hub member having a cylindrical hub portion arranged radially inside the drum portion, and
A first plate member provided on the inner circumference of the drum portion and
A lubrication structure for a clutch device provided on the outer periphery of the hub portion and including a second plate member that is frictionally engaged with the first plate member.
An oil hole that penetrates the hub portion in the radial direction and supplies lubricating oil to the first plate member and the second plate member.
It projects radially inward from the inner circumference of the hub portion and is provided at a position opposite to the rotation direction of the hub member with respect to the opening of the oil hole, and is directed toward the inner circumference of the hub portion. A lubrication structure for a clutch device, comprising: a guide member for guiding the lubricating oil discharged to the opening of the oil hole.
請求項1に記載のクラッチ装置の潤滑構造。 The hub portion has a recess that is recessed inward in the radial direction, the oil hole is formed at the bottom of the recess, and the guide member is the opening edge of the oil hole in the rotation direction. The lubrication structure for a clutch device according to claim 1, which is provided on the opening edge on the opposite side.
請求項1又は2に記載のクラッチ装置の潤滑構造。 The clutch according to claim 1 or 2, wherein the guide member has a protruding portion that protrudes radially inward from the inner circumference of the hub portion, and a bent portion that bends from the protruding end of the protruding portion to the rotational direction side. Lubrication structure of the device.
請求項1に記載のクラッチ装置の潤滑構造。 The hub portion has a convex portion protruding outward in the radial direction, and the oil hole is formed at the tip end portion of the convex portion, and the guide member is the base end portion of the convex portion. The lubrication structure for a clutch device according to claim 1, wherein the clutch device projects obliquely inward in the radial direction from the base end portion on the side opposite to the rotational direction with respect to the tip end portion in the rotational direction.
前記ハブ部の端部から径方向内側に延びる円環状の側壁部と、
前記側壁部から軸方向に延びて前記ハブ部の内周と対向する円筒状のボス部と、
前記ボス部の軸方向端を径方向に切り欠いた溝又は、前記ボス部を径方向に貫通する貫通孔で形成されており、径方向内側から供給される潤滑油を流通させて径方向外側端から前記油孔に向けて吐出する油流通路と、を有する
請求項1から4の何れか一項に記載のクラッチ装置の潤滑構造。 The hub member
An annular side wall extending radially inward from the end of the hub, and
A cylindrical boss portion extending axially from the side wall portion and facing the inner circumference of the hub portion,
It is formed by a groove cut out in the axial direction at the axial end of the boss portion or a through hole penetrating the boss portion in the radial direction, and the lubricating oil supplied from the inside in the radial direction is circulated to flow out in the radial direction. The lubrication structure for a clutch device according to any one of claims 1 to 4, further comprising an oil flow passage for discharging oil from an end toward the oil hole.
請求項1から5の何れか一項に記載のクラッチ装置の潤滑構造。 The lubrication structure for a clutch device according to any one of claims 1 to 5, wherein the flow path axis of the oil flow passage is provided so as to be inclined at a predetermined angle with respect to the radial direction of the hub member.
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