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JP2020167919A - 電源装置および医療システム - Google Patents

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Abstract

【課題】、一次側に配設されたカレントトランスなどの既存の構成要素を利用して逆電流の発生を防止する。【解決手段】絶縁トランス3と、スイッチング部4Aと、同期整流部5と、平滑部6と、スイッチング部4Aの主スイッチング素子31,32用の主駆動信号Sa,Sbおよび同期整流部5の同期整流素子41,42用の駆動信号Sx,Syを出力する信号生成回路61Aを有する制御部10Aと、カレントトランス51を有してスイッチング部4Aに流れる電流Iiを検出して出力電流検出信号Siを出力する電流検出部9とを備え、制御部10Aは、主駆動信号Sa,Sbの論理和信号Sorを生成する論理和回路62と、論理和信号Sorと出力電流検出信号Siとに基づき逆電流Irの発生の有無を判別する逆電流判定回路63とを有し、信号生成回路61Aは逆電流Irが発生したと判別されたときに主駆動信号Sa,Sbと駆動信号Sx,Syの出力を停止する。【選択図】図1

Description

本発明は、トランスの一次巻線に直流入力電圧を断続的に印加するスイッチング部と、整流スイッチング素子および還流スイッチング素子を有して構成されて、スイッチング部のスイッチング動作に伴いトランスの二次巻線に誘起された電圧を同期整流して直流電圧に変換する同期整流回路部とを備えている電源装置、およびこの電源装置を備えた医療システムに関するものである。
この種の電源装置として、本願出願人が既に提案した下記の特許文献1の電源装置が知られている。図15に示すように、この電源装置81は、一次巻線82aおよび二次巻線82bを有するトランス82(なお、同図中のインダクタンス82cは二次側のリーケージインダクタンス)、スイッチング素子83aを有して、一次巻線82aに直流入力電圧Vinを断続的に印加するスイッチング部83(一例として、一石フォーワード型のスイッチング部)、PWMパルス制御信号S1を出力する制御回路84、トランス82の一次側に配設されて、不図示の負荷に出力される出力電流Ioを検出して検出信号S2を出力するカレントトランス85、PWMパルス制御信号S1の立ち上がりを検出すると共に、検出信号S2で示される出力電流Ioの増減に対応する遅れ時間を決定し、この遅れ時間だけPWMパルス制御信号S1を遅延させて駆動信号S3としてスイッチング素子83aのゲート端子に出力する遅延回路86、PWMパルス制御信号S1を電気的に絶縁してトランス82の二次側にパルス制御信号S4として出力する絶縁トランス87、整流スイッチング素子88aおよび還流スイッチング素子88bを有して構成されると共に二次巻線82bに接続されて、二次巻線82bに発生した誘起電圧を整流して出力する同期整流回路88、パルス制御信号S4に基づいて還流スイッチング素子88bへの駆動信号S5を生成して出力する駆動回路89、および同期整流回路88からの整流出力を平滑して負荷への出力電圧Voを出力する平滑回路90を備えている。
この電源装置81では、遅延回路86が、出力電流Ioの増減に対応する遅れ時間だけPWMパルス制御信号S1を遅延させて駆動信号S3としてスイッチング素子83aのゲート端子に出力する構成のため、二次巻線82bに生じる誘起電圧の同期整流回路88への出力タイミングがインダクタンス82c(リーケージインダクタンス)の影響を受けて、出力電流Ioの増減に応じて変化したとしても、同期整流回路88を構成する整流スイッチング素子88aおよび還流スイッチング素子88bのオン・オフ制御タイミングを適正に保つことが可能となっている。また、電源装置81では、検出信号S2に基づいて検出される出力電流Ioの電流値が予め規定された電流値以上にならないように(過電流が流れないように)する電源装置としての本来の機能である過電流保護機能を有しており、上記した出力電流Ioの増減に対応する遅れ時間を決定する機能は、過電流保護機能において使用されている既存のカレントトランス85をそのまま使用することで実現されている。
特開2004−80900号公報(第5−7頁、第1−2図)
ところが、上記した電源装置には、以下のような改善すべき課題が存在している。すなわち、この電源装置では、二次電池を負荷としてその充電のために使用する場合において、直流入力電圧Vinが低下したときに、これに伴い出力電圧Voも低下するが、同期整流回路88は継続して動作している。このため、この電源装置には、低下した出力電圧Voが二次電池の充電電圧を下回ったときに、動作を継続している同期整流回路88に二次電池から電流が流入する(逆電流が発生する)ことから、二次電池が放電されるという改善すべき課題が存在している。
本発明は、かかる課題を改善するためになされたものであり、一次側に配設されたカレントトランスなどの既存の構成要素を利用して、簡易に、この逆電流の発生を防止し得る電源装置、およびこの電源装置を備えた医療システムを提供することを他の主目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明に係る電源装置は、一次巻線および二次巻線を有する絶縁トランスと、2つの主スイッチング素子を有するハーフブリッジ回路形式および2つの主スイッチング素子を有するプッシュプル回路形式のうちのいずれかの回路形式で構成されると共に、直流入力電圧が供給される一対の直流電源ライン間に接続されて、前記一次巻線に当該直流入力電圧を断続的に印加するスイッチング部と、第1同期整流素子および第2同期整流素子を有して構成されると共に前記二次巻線に接続されて、前記一次巻線への前記直流入力電圧の断続的な印加によって当該二次巻線に生じる誘起電圧を整流して出力する同期整流部と、前記同期整流部から出力される電圧を平滑して直流出力電圧として出力する平滑部と、前記2つの主スイッチング素子を駆動するための2つの主駆動信号、前記第1同期整流素子を駆動するための第1駆動信号、および前記第2同期整流素子を駆動するための第2駆動信号を生成して出力する信号生成回路を有する制御部と、前記一対の直流電源ラインのうちの一方に介装されて前記スイッチング部に流れる電流の電流波形に応じて波形が変化する電圧信号を出力するカレントトランス、および当該電圧信号を整流して出力電流検出信号として出力する整流回路を有する電流検出部とを備えている電源装置であって、前記制御部は、前記2つの主駆動信号の論理和信号を生成する論理和回路と、前記論理和信号と前記出力電流検出信号とに基づき、当該論理和信号における前記2つの主駆動信号が共に出力停止状態となる停止期間において当該出力電流検出信号の出力を検出したときに、前記平滑部から前記同期整流部への逆電流が発生したと判別して逆電流検出信号を出力する逆電流判定回路とを有し、当該逆電流検出信号が出力されたときに、前記信号生成回路が前記2つの主駆動信号、前記第1駆動信号および前記第2駆動信号の出力を停止する。
本発明に係る電源装置は、一次巻線および二次巻線を有する絶縁トランスと、直列接続された2つの主スイッチング素子でそれぞれ構成される一対のレグが並列接続されて成るフルブリッジ回路形式で構成されると共に、直流入力電圧が供給される一対の直流電源ライン間に接続されて、前記一次巻線に当該直流入力電圧を断続的に印加するスイッチング部と、第1同期整流素子および第2同期整流素子を有して構成されると共に前記二次巻線に接続されて、前記一次巻線への前記直流入力電圧の断続的な印加によって当該二次巻線に生じる誘起電圧を整流して出力する同期整流部と、前記同期整流部から出力される電圧を平滑して直流出力電圧として出力する平滑部と、前記4つの主スイッチング素子を駆動するための4つの主駆動信号、前記第1同期整流素子を駆動するための第1駆動信号、および前記第2同期整流素子を駆動するための第2駆動信号を生成して出力する信号生成回路を有する制御部と、前記一対の直流電源ラインのうちの一方に介装されて前記スイッチング部に流れる電流の電流波形に応じて波形が変化する電圧信号を出力するカレントトランス、および当該電圧信号を整流して出力電流検出信号として出力する整流回路を有する電流検出部とを備えている電源装置であって、前記制御部は、前記一対のレグのうちの一方のレグを構成する前記2つの主スイッチング素子のための2つの前記主駆動信号の論理和信号を生成する論理和回路と、前記論理和信号と前記出力電流検出信号とに基づき、当該論理和信号における前記2つの主駆動信号が共に出力停止状態となる停止期間において当該出力電流検出信号の出力を検出したときに、前記平滑部から前記同期整流部への逆電流が発生したと判別して逆電流検出信号を出力する逆電流判定回路とを有し、当該逆電流検出信号が出力されたときに、前記信号生成回路が前記4つの主駆動信号、前記第1駆動信号および前記第2駆動信号の出力を停止する。
したがって、これらの電源装置によれば、電源装置から出力される出力電流の過電流状態を検出するための既存(既設)の電流検出部を、逆電流の発生を検出するための構成要素として使用(流用)する簡易な構成で、逆電流の発生を検出して、スイッチング部および同期整流部のスイッチング動作を停止することができる。このため、これらの電源装置によれば、逆電流が継続する事態の発生を防止することができる。さらに、これらの電源装置によれば、逆電流の発生の有無を判別するための信号として2つの主駆動信号の論理和信号を使用する構成のため、ハードウェアではOR素子だけで、またソフトウェアではOR処理だけで、論理和信号を生成できることから、一層簡易な構成で、逆電流の発生を検出することができる。
本発明に係る電源装置は、前記逆電流判定回路が、前記論理和信号の電圧値が予め規定された第1閾値電圧値未満となる期間を前記停止期間として、かつ前記出力電流検出信号の電圧値が予め規定された第2閾値電圧値以上となるときを前記出力電流検出信号が出力されているときと検出して、前記逆電流の発生を判別する。
したがって、これらの電源装置によれば、逆電流判定回路は、論理和信号や出力電流検出信号の低側電位の期間や高側電位の期間に多少のノイズが重畳した場合においても、論理和信号における停止期間や出力電流検出信号の出力を安定して検出することができ、その結果として逆電流の発生を安定して判別することができる。
本発明に係る医療システムは、入力ラインに接続される一対の交流入力端子、当該一対の交流入力端子に一対の交流電源ラインを介して接続されると共に前記入力ラインと当該一対の交流入力端子と当該一対の交流電源ラインとを介して入力される交流入力電圧を整流平滑して前記一対の直流電源ラインに前記直流入力電圧として供給する一次側整流平滑部、および前記一対の交流電源ラインに介装されたヒューズまたはブレーカを備えている上記のいずれかの電源装置、並びに当該電源装置の後段に接続されると共に当該電源装置からの前記直流出力電圧に基づいて動作する医療機器を備えている。
したがって、この医療システムによれば、絶縁トランスが強化絶縁された絶縁トランスである構成において、さらに一対の電源ラインにヒューズまたはブレーカを備えることで、電源装置単体で医療用規格を取得可能な構成を有しているため、電源装置の外部(具体的には、電源装置に接続される入力ライン)に絶縁トランスおよびヒューズ(またはブレーカ)を介装することなく、医療用規格を取得可能な構成を実現することができる。また、この医療システムによれば、上記の電源装置を備えたことにより、上記した電源装置単体での効果を奏することができる。
本発明に係る医療システムは、入力ラインに接続される一対の交流入力端子、および当該一対の交流入力端子に接続されると共に前記入力ラインと当該一対の交流入力端子とを介して入力される交流入力電圧を整流平滑して前記一対の直流電源ラインに前記直流入力電圧として供給する一次側整流平滑部を備えている上記のいずれかの電源装置と、前記入力ラインに介装されたヒューズまたはブレーカと、前記電源装置の後段に接続されると共に当該電源装置からの前記直流出力電圧に基づいて動作する医療機器とを備えている。
したがって、この医療システムによれば、絶縁トランスが強化絶縁された絶縁トランスである構成において、電源装置の外部(具体的には、電源装置に接続される入力ライン)にヒューズ(またはブレーカ)を介装するだけで、医療用規格を取得可能な構成を実現することができる。また、この医療システムによれば、上記の電源装置を備えたことにより、上記した電源装置単体での効果を奏することができる。
本発明に係る医療システムは、入力ラインに接続される一対の交流入力端子、当該一対の交流入力端子に一対の交流電源ラインを介して接続されると共に前記入力ラインと当該一対の交流入力端子と当該一対の交流電源ラインとを介して入力される交流入力電圧を整流平滑して前記一対の直流電源ラインに前記直流入力電圧として供給する一次側整流平滑部、および前記一対の交流電源ラインのうちの一方の交流電源ラインに介装された第1ヒューズまたは第1ブレーカを備えている上記のいずれかの電源装置と、前記一対の交流電源ラインのうちの他方の交流電源ラインに前記交流入力端子を介して接続される前記入力ラインに介装された第2ヒューズまたは第2ブレーカと、前記電源装置の後段に接続されると共に当該電源装置からの前記直流出力電圧に基づいて動作する医療機器とを備えている。
したがって、この医療システムによれば、絶縁トランスが強化絶縁された絶縁トランスである構成において、さらに一方の電源ラインに介装された第1ヒューズまたは第1ブレーカを内部に備えているため、電源装置の外部に(具体的には、電源装置に接続される入力ラインのうちの他方の電源ラインに接続される入力ラインに第2ヒューズまたは第2ブレーカを介装するだけで、医療用規格を取得可能な構成を実現することができる。また、この医療システムによれば、上記の電源装置を備えたことにより、上記した電源装置単体での効果を奏することができる。
本発明によれば、電源装置から出力される出力電流の過電流状態を検出するための既存(既設)の電流検出部を、逆電流の発生を検出するための構成要素として使用(流用)する簡易な構成で、逆電流の発生を検出して、スイッチング部および同期整流部のスイッチング動作を停止することができる。さらに、これらの電源装置によれば、逆電流の発生の有無を判別するための信号として2つの主駆動信号の論理和信号を使用する構成のため、ハードウェアではOR素子だけで、またソフトウェアではOR処理だけで、論理和信号を生成できることから、一層簡易な構成で、逆電流の発生を検出することができる。
電源装置1Aの構成を示す構成図である。 ハーフブリッジ方式のスイッチング部4A、絶縁トランス3、同期整流部5および出力平滑部6についての一例を示す回路図である。 プッシュプル方式のスイッチング部4A、絶縁トランス3、同期整流部5および出力平滑部6についての一例を示す回路図である。 定常状態(電源装置1Aから負荷に向けて出力電流Ioが流れている状態)での電源装置1A(1B)の動作を説明するための波形図である。 逆電流発生状態(負荷から電源装置1Aに向けて逆電流Irが流れている状態)での電源装置1A(1B)の動作を説明するための波形図である。 電源装置1Bの構成を示す構成図である。 フルブリッジ方式のスイッチング部4B、絶縁トランス3、同期整流部5および出力平滑部6についての一例を示す回路図である。 電源装置1Bがフェイズシフト方式で動作する構成において、定常状態(電源装置1Bから負荷に向けて出力電流Ioが流れている状態)での動作を説明するための波形図である。 電源装置1Bがフェイズシフト方式で動作する構成において、逆電流発生状態(負荷から電源装置1Bに向けて逆電流Irが流れている状態)での動作を説明するための波形図である。 電源装置1A(1B)を備えた医療システムMES1の構成図である。 電源装置1A(1B)を備えた医療システムMES2の構成図である。 電源装置1A(1B)を備えた医療システムMES3の構成図である。 論理和信号Sorと第1閾値電圧値VTH1(VTH1H,VTH1L)との関係を説明するための説明図である。 出力電流検出信号Siと第2閾値電圧値VTH2(VTH2H,VTH2L)との関係を説明するための説明図である。 従来の電源装置81の構成を示す構成図である。
以下、電源装置および医療システムの実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
最初に、電源装置の一例としての電源装置1Aの構成について図1,2を参照して説明する。この電源装置1Aは、一例として、一対の入力端子2a,2b(以下、特に区別しないときには入力端子2ともいう)、絶縁トランス3、スイッチング部4A、同期整流部5、平滑部(以下、出力平滑部ともいう)6、出力電圧検出部7、絶縁部8、電流検出部9、制御部10A、絶縁ドライバ11、および一対の出力端子12a,12b(以下、特に区別しないときには出力端子12ともいう)を備え、入力端子2a,2b間に入力される直流入力電圧Vin(入力端子2aの電位が入力端子2bの電位を基準として高電位となる直流電圧)に基づいて、直流出力電圧Voを生成して、出力端子12a,12b間に接続されている不図示の負荷(例えば、医療機器などの電子機器)へ出力する(出力端子12aの電位が出力端子12bの電位を基準として高電位となる状態で出力する)。
絶縁トランス3は、一次巻線21、二次巻線22、および一次巻線21と二次巻線22とを磁気的に結合させる共通の磁気コア23を備えている。
スイッチング部4Aは、2つの主スイッチング素子31,32を有するハーフブリッジ回路形式およびプッシュプル回路形式のうちのいずれかの回路形式で構成されている。また、スイッチング部4Aは、直流入力電圧Vinが供給される一対の直流電源ライン13,14間に接続されて、主スイッチング素子31,32が交互にスイッチングすることにより、一次巻線21に直流入力電圧Vinを断続的に印加する。これにより、絶縁トランス3の二次巻線22には、交流電圧(誘起電圧)Vacが誘起される。主スイッチング素子31,32は、一例としてnチャネル型のMOSFETで構成されているが、これに限定されるものではなく、バイポーラ型トランジスタなどの種々の半導体スイッチを使用することができる。
具体的には、スイッチング部4Aは、図2に示すように、ハーフブリッジ回路形式で構成されるときには、主スイッチング素子31,32に加えて、2つのコンデンサC1,C2を備えて構成される。この回路形式では、主スイッチング素子31,32は、上側アーム(ハイサイド)の主スイッチング素子31のソース端子と下側アーム(ローサイド)の主スイッチング素子32のドレイン端子とが接続された状態(互いに直列接続された状態)で、上側アームの主スイッチング素子31のドレイン端子が直流電源ライン13に接続されると共に下側アームの主スイッチング素子32のソース端子が直流電源ライン14に接続されることで、一対の直流電源ライン13,14間に接続されている。2つのコンデンサC1,C2も、互いに直列接続された状態で、ハイサイド側のコンデンサC1が直流電源ライン13に接続されると共にローサイド側のコンデンサC2が直流電源ライン14に接続されることで、一対の直流電源ライン13,14間に接続されている。
また、絶縁トランス3は、本例では一例として、二次巻線22にセンタータップが設けられて構成されている。また、絶縁トランス3の一次巻線21は、一方の端部が主スイッチング素子31,32同士の接続点に接続されると共に、他方の端部がコンデンサC1,C2同士の接続点に接続されている。
同期整流部5は、第1同期整流素子41および第2同期整流素子42を有して構成されると共に、二次巻線22に接続されて、二次巻線22に誘起される交流電圧Vacを同期整流して電圧V1を出力する。第1同期整流素子41および第2同期整流素子42は、一例としてnチャネル型のMOSFETで構成されているが、これに限定されるものではなく、バイポーラ型トランジスタとダイオードの並列回路などで構成することもできる。
具体的には、同期整流部5では、第1同期整流素子41および第2同期整流素子42は、ソース端子同士が接続されている。また、第1同期整流素子41は、ドレイン端子が二次巻線22の一方の端子に接続され、第2同期整流素子42は、ドレイン端子が二次巻線22の他方の端子に接続されている。また、図示はしないが、絶縁トランス3は、センタータップのない二次巻線22を有する構成とすることもできる。この場合、同期整流部5は、図示はしないが、二次巻線22の一端と出力平滑部6との間に第1同期整流素子41を整流用同期整流素子として接続し、かつ二次巻線22の一端と他端との間に第2同期整流素子42を転流用同期整流素子として接続して構成することができる。また、同期整流部5は、図示はしないが、第1同期整流素子41および第2同期整流素子42と同じ構成の同期整流素子をさらに2つ備えて、これらの4つの同期整流素子がフルブリッジ型に接続された構成とすることもできる。
出力平滑部6は、一例として、コイルおよびコンデンサの直列回路が二次巻線22のセンタータップと各同期整流素子41,42のソース端子との間に接続されることで、このセンタータップと各ソース端子間に出力される電圧V1を平滑して直流出力電圧VoとするためのLCフィルタとして構成されている。また、出力平滑部6は、生成した直流出力電圧Voを出力端子12間に接続されている不図示の負荷に出力する。なお、図示はしないが、出力平滑部6は、二次巻線22のセンタータップと各同期整流素子41,42のソース端子との間に接続されたコンデンサだけで構成することもできる。
また、スイッチング部4Aは、図3に示すように、プッシュプル回路形式で構成されるときには、主スイッチング素子31,32を備えて構成される。スイッチング部4Aがこのプッシュプル回路形式で構成されるときには、この構成に対応して、絶縁トランス3は、一次巻線21にセンタータップが設けられて構成されている。主スイッチング素子31,32は、互いのソース端子同士が接続された状態(互いに直列接続された状態)で、主スイッチング素子31のドレイン端子が一次巻線21の一方の端部に接続され、かつ主スイッチング素子32のドレイン端子が一次巻線21の他方の端部に接続されることで、一次巻線21に並列接続されている。また、一次巻線21のセンタータップは、直流電源ライン13に接続され、主スイッチング素子31,32の各ソース端子は、直流電源ライン14に接続されている。なお、二次巻線22、同期整流部5および出力平滑部6は、スイッチング部4Aが上記したハーフブリッジ回路形式で構成されるときと同一であることから、同一の符号を付して説明を省略した。
出力電圧検出部7は、直流出力電圧Voを入力すると共に、直流出力電圧Voの電圧値に比例して電圧値が変化する電圧検出信号Svaを出力する。絶縁部8は、パルストランスやフォトカプラなどを有して構成されて、電圧検出信号Svaを入力すると共に、絶縁トランス3の二次側回路(二次巻線22、同期整流部5および出力平滑部6)から電気的に絶縁された他の電圧検出信号Svb(電圧検出信号Svaの電圧値に比例して電圧値が変化する信号)に変換して、絶縁トランス3の一次側に出力する。
電流検出部9は、カレントトランス51、抵抗52および整流回路53を有して構成されている。カレントトランス51は、一次巻線51aが一対の直流電源ライン13,14のうちの一方(本例では一例として、直流電源ライン14)に介装されている。また、カレントトランス51は、二次巻線51bの両端間に抵抗52が接続されると共に、二次巻線51bの一方の端部が絶縁トランス3の一次側の基準電位(一次側グランド)に接続されている。
この構成により、カレントトランス51の二次巻線51bにおける他方の端部には、図4,5に示す信号波形の電圧信号Viが発生する。電源装置1Aでは、定常状態(電源装置1Aから負荷に向けて出力電流Ioが流れている状態)のときには、スイッチング部4Aには、後述する主駆動信号Saに対応する(主駆動信号Saで駆動されてスイッチングする)主スイッチング素子31のオン(ON)期間、および後述する主駆動信号Sbに対応する(主駆動信号Sbで駆動されてスイッチングする)主スイッチング素子32のオン(ON)期間において図1,2,3に示す向き(正方向)で電流Iiが流れる。このため、電圧信号Viは、図4に示すように、このオン(ON)期間においては、正側波形で構成される信号として出力される。また、主スイッチング素子31,32が共にオフ(OFF)となるオフ(OFF)期間(後述する停止期間Tstpでもある)においては、カレントトランス51の二次巻線51bには抵抗52を介してリセット電流(オン期間のときに流れる電流とは逆向きの電流)が流れる。このため、電圧信号Viは、図4に示すように、このオフ(OFF)期間においては、負側波形で構成される信号として出力される。
一方、電源装置1Aでは、逆電流発生状態(負荷から電源装置1Aに向けて逆電流Irが流れている状態)のときには、スイッチング部4Aには、主スイッチング素子31,32の各オン(ON)期間において図1,2,3に示す向きとは逆向きで電流Iiが流れる。このため、電圧信号Viは、図5に示す期間Taのように、このオン(ON)期間においては、負側波形で構成される信号として出力される。また、主スイッチング素子31,32が共にオフ(OFF)となるオフ(OFF)期間(後述の停止期間Tstp)においては、カレントトランス51の二次巻線51bには抵抗52を介してリセット電流(オン期間のときに流れる電流とは逆向きの電流)が流れる。このため、電圧信号Viは、図5に示す期間Taのように、このオフ(OFF)期間においては、正側波形で構成される信号として出力される。
整流回路53は、一例としてダイオードで構成されると共に、アノードがカレントトランス51の二次巻線51bにおける他方の端部に接続されて、この他方の端部に発生する電圧信号Viを整流することにより、図4,5に示すように電圧信号Viの正側波形で構成される出力電流検出信号Siを生成して、カソードから制御部10Aに出力する。
この出力電流検出信号Siは、電源装置1Aが定常状態のときには、図4に示すように、上記のオン(ON)期間では、電流Iiの電流波形に比例した正側波形の電圧信号として出力され、上記のオフ(OFF)期間では実質的にゼロボルトの電圧信号として出力される。このため、出力電流検出信号Siは、電源装置1Aが定常状態のときには、その平均値が出力端子12に流れる出力電流Ioの電流値に応じて変化する信号となっている。
一方、電源装置1Aが逆電流発生状態のときには、電圧信号Viの信号波形は、上記の定常状態のときの信号波形に対して、オン(ON)期間での極性および上記のオフ(OFF)期間での極性がそれぞれ逆極性になる。このため、出力電流検出信号Siは、図5に示す期間Taのように、上記した定常状態のときとは逆に、上記のオン(ON)期間ではゼロボルトの電圧信号として出力され、上記のオフ(OFF)期間では、正側波形の電圧信号として出力される。
制御部10Aは、一例として、信号生成回路61A、論理和回路62および逆電流判定回路63を備えている。
信号生成回路61Aは、電圧検出信号Svbを入力すると共に、電圧検出信号Svbで示される直流出力電圧Voの電圧値に基づき2つの主スイッチング素子31,32を駆動するための2つの主駆動信号Sa,Sbを図4,5に示すタイミングで生成して、対応する主スイッチング素子31,32のゲート端子に出力する。また、信号生成回路61Aは、主駆動信号Sa,Sbのデューティ比を制御して主スイッチング素子31,32のオンデューティを制御することにより、直流出力電圧Voの電圧値を予め規定された目標電圧値に制御する。また、信号生成回路61Aは、出力電流検出信号Siに基づいて検出される出力電流Ioの電流値が予め規定された上限電流値に達したか否か(過電流状態であるか否か)を判別しつつ、出力電流Ioの電流値が上限電流値に達したとき(過電流状態のとき)には、主駆動信号Sa,Sbのデューティ比を制御して主スイッチング素子31,32のオンデューティを制御することにより、直流出力電圧Voの電圧値を低下させて、出力電流Ioの電流値を上限電流値を超えないように制御する。また、信号生成回路61Aは、図4,5に示すように、主駆動信号Sa,Sbの生成タイミングに基づいて、第1同期整流素子41を駆動するための第1駆動信号Sx、および第2同期整流素子42を駆動するための第2駆動信号Syを生成して出力する。また、信号生成回路61Aは、逆電流判定回路63から後述の逆電流検出信号Srvが出力されたときには、2つの主駆動信号Sa,Sb、第1駆動信号Sxおよび第2駆動信号Syの出力を停止する。
論理和回路62は、主駆動信号Sa,Sbに基づいて、図4,5に示すように、主駆動信号Sa,Sbの論理和信号Sor(=Sa+Sb)を生成して出力する。逆電流判定回路63は、論理和信号Sorと出力電流検出信号Siとに基づき、論理和信号Sorにおける2つの主駆動信号Sa,Sbが共に出力停止状態となる停止期間Tstpにおいて出力電流検出信号Siが出力されるか否かを検出する。また、逆電流判定回路63は、停止期間Tstpにおいて出力電流検出信号Siの出力を検出したときに、出力平滑部6から同期整流部5への逆電流が発生したと判別して逆電流検出信号Srvを信号生成回路61Aに出力する。
ここで、逆電流判定回路63が、論理和信号Sorにおける停止期間Tstpを検出する構成(つまり、論理和信号Sorが停止期間Tstpの状態にあるか否かを検出する構成)と、出力電流検出信号Siが出力されているか否かを検出する構成とについて説明する。
まず、停止期間Tstpの検出については、逆電流判定回路63は、図13に示すように、論理和信号Sorに対して予め規定された第1閾値電圧値VTH1(本例では、第1高側閾値電圧値VTH1Hおよび第1低側閾値電圧値VTH1Lの2つの閾値電圧値)を用いて検出する。また、第1高側閾値電圧値VTH1Hおよび第1低側閾値電圧値VTH1Lは、以下の関係が成り立つように規定されている。
論理和信号Sorの高側電位>第1高側閾値電圧値VTH1H>第1低側閾値電圧値VTH1L>論理和信号Sorの低側電位
具体的には、図13に示すように、論理和信号Sorは、その電圧値が、低側電位から上昇を開始して、第1低側閾値電圧値VTH1L、次いで第1高側閾値電圧値VTH1Hを経由して高側電位に移行し、その後、高側電位から低下を開始して、第1高側閾値電圧値VTH1H、次いで第1低側閾値電圧値VTH1Lを経由して低側電位に移行するというように変化することを繰り返す信号である。
逆電流判定回路63は、このように電圧値が変化する論理和信号Sorについて、この電圧値が高側電位から低下を開始して、第1高側閾値電圧値VTH1Hを下回り、さらに第1低側閾値電圧値VTH1Lをも下回った時点を停止期間Tstpの開始時点として検出する。また、逆電流判定回路63は、その後、論理和信号Sorの電圧値が低側電位から上昇を開始して、第1低側閾値電圧値VTH1Lを上回り、第1高側閾値電圧値VTH1Hに達した時点を停止期間Tstpの終了時点として検出する。このようにして、逆電流判定回路63は、論理和信号Sorにおける停止期間Tstpを検出する。つまり、逆電流判定回路63は、いわゆるヒステリシス特性を持った回路として機能して論理和信号Sorにおける停止期間Tstpを検出することで、論理和信号Sorに多少のノイズが重畳した場合であっても(低側電位の期間や高側電位の期間に多少のノイズが重畳した場合だけでなく、低側電位から高側電位への遷移期間、および高側電位から低側電位への遷移期間に多少のノイズが重畳した場合であっても)、停止期間Tstpを安定して検出することが可能となっている。
次に、出力電流検出信号Siが出力されているか否かの検出については、逆電流判定回路63は、図14に示すように、出力電流検出信号Siに対して予め規定された第2閾値電圧値VTH2(本例では、第2高側閾値電圧値VTH2Hおよび第2低側閾値電圧値VTH2Lの2つの閾値電圧値)を用いて検出する。また、第2高側閾値電圧値VTH2Hおよび第2低側閾値電圧値VTH2Lは、以下の関係が成り立つように規定されている。なお、図14中における実線で示す出力電流検出信号Siの波形は、図5に示す出力電流検出信号Siについての波形を示し、破線で示す波形は図4に示す高側電位の部位についての波形を示している。
出力電流検出信号Siの高側電位>第2高側閾値電圧値VTH2H>第2低側閾値電圧値VTH2L>出力電流検出信号Siの低側電位
具体的には、図14に示すように、出力電流検出信号Siは、その電圧値が、低側電位から上昇を開始して、第2低側閾値電圧値VTH2L、次いで第2高側閾値電圧値VTH2Hを経由して高側電位に移行し、その後、高側電位から低下を開始して、第2高側閾値電圧値VTH2H、次いで第2低側閾値電圧値VTH2Lを経由して低側電位に移行するというように変化することを繰り返す信号である。
逆電流判定回路63は、このように電圧値が変化する出力電流検出信号Siについて、この電圧値が低側電位から上昇を開始して、第2低側閾値電圧値VTH2Lを上回り、第2高側閾値電圧値VTH2Hに達した時点を出力電流検出信号Siの出力開始時点として検出する。また、逆電流判定回路63は、その後、出力電流検出信号Siの電圧値が高側電位から低下を開始して、第2高側閾値電圧値VTH2Hを下回り、第2低側閾値電圧値VTH2Lに達した時点を出力電流検出信号Siの出力停止時点として検出する。このようにして、逆電流判定回路63は、出力電流検出信号Siが出力されているか否かを検出する。つまり、逆電流判定回路63は、いわゆるヒステリシス特性を持った回路として機能して出力電流検出信号Siの出力・出力停止を検出することで、出力電流検出信号Siに多少のノイズが重畳した場合であっても(低側電位の期間や高側電位の期間に多少のノイズが重畳した場合だけでなく、低側電位から高側電位への遷移期間、および高側電位から低側電位への遷移期間に多少のノイズが重畳した場合であっても)、その出力・出力停止を安定して検出することが可能となっている。
なお、第1高側閾値電圧値VTH1Hと第2高側閾値電圧値VTH2Hは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。また、第1低側閾値電圧値VTH1Lと第2低側閾値電圧値VTH2Lについても、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
また、第1閾値電圧値VTH1として、第1高側閾値電圧値VTH1Hおよび第1低側閾値電圧値VTH1Lの2つの閾値電圧値を用いる構成に限定されるものではなく、1つの閾値電圧値(上記の例では、第1高側閾値電圧値VTH1H=第1低側閾値電圧値VTH1L)を用いる構成を採用することもできる。また、第2閾値電圧値VTH2についても、第2高側閾値電圧値VTH2Hおよび第2低側閾値電圧値VTH2Lの2つの閾値電圧値を用いる構成に限定されるものではなく、1つの閾値電圧値(上記の例では、第2高側閾値電圧値VTH2H=第2低側閾値電圧値VTH2L)を用いる構成を採用することもできる。つまり、逆電流判定回路63は、ヒステリシス特性を持たない構成を採用することもできる。この構成においても、逆電流判定回路63は、論理和信号Sorや出力電流検出信号Siの低側電位の期間や高側電位の期間に多少のノイズが重畳した場合においても、論理和信号Sorにおける停止期間Tstpや出力電流検出信号Siの出力・出力停止を安定して検出することが可能となる。
絶縁ドライバ11は、例えば、パルストランスやフォトカプラなどを有して構成されて、第1駆動信号Sxおよび第2駆動信号Syを入力すると共に、絶縁トランス3の一次側回路(一次巻線21、スイッチング部4Aおよび制御部10Aなど)から電気的に絶縁された新たな第1駆動信号Sxdおよび第2駆動信号Syd(第1駆動信号Sxおよび第2駆動信号Syのうちの対応する信号に同期した信号)に変換して、第1同期整流素子41および第2同期整流素子42に出力する。
次に、電源装置1Aの動作について説明する。
電源装置1Aでは、制御部10Aの信号生成回路61Aが、図4に示すタイミングで、主駆動信号Sa,Sbを生成してスイッチング部4Aの主スイッチング素子31,32に出力する。これにより、スイッチング部4Aは、主スイッチング素子31,32が交互にスイッチングして、絶縁トランス3の一次巻線21に直流入力電圧Vinを断続的に印加する。このため、絶縁トランス3の二次巻線22には、図4に示すタイミングで、同図に示す電圧波形の交流電圧Vacが誘起される。
また、信号生成回路61Aは、図4に示すタイミングで、第1駆動信号Sxおよび第2駆動信号Syを生成して絶縁ドライバ11に出力する。絶縁ドライバ11は、この第1駆動信号Sxおよび第2駆動信号Syを、これらの駆動信号Sx,Syと電気的に絶縁された第1駆動信号Sxdおよび第2駆動信号Sydに変換して同期整流部5に出力する。これにより、同期整流部5では、第1同期整流素子41が第1駆動信号Sxdに基づきスイッチングし、かつ第2同期整流素子42が第2駆動信号Sydに基づきスイッチングすることで、交流電圧Vacを同期整流して電圧V1を出力する。出力平滑部6は、電圧V1を入力すると共に平滑して(電圧V1に含まれているスイッチングノイズなどの高周波成分を除去して)、直流出力電圧Voとして出力端子12に出力する。これにより、この直流出力電圧Voが、出力端子12間に接続された不図示の負荷に供給される。
また、電源装置1Aでは、出力電圧検出部7が直流出力電圧Voの電圧値に比例して電圧値が変化する電圧検出信号Svaを出力し、絶縁部8はこの電圧検出信号Svaを電気的に絶縁された電圧検出信号Svbに変換して、信号生成回路61Aに出力する。
また、電源装置1Aでは、電流検出部9がスイッチング部4Aに流れる電流Iiを検出すると共に、出力電流検出信号Siを生成して、制御部10Aに出力する。
制御部10Aでは、信号生成回路61Aが、電圧検出信号Svbを入力すると共に、電圧検出信号Svbで示される直流出力電圧Voの電圧値に基づき、2つの主スイッチング素子31,32に出力している主駆動信号Sa,Sbのデューティ比を制御して主スイッチング素子31,32のオンデューティを制御することにより、直流出力電圧Voの電圧値を予め規定された目標電圧値に制御する。また、信号生成回路61Aは、出力電流検出信号Siに基づいて検出される出力電流Ioの電流値が予め規定された上限電流値に達したか否か(過電流状態であるか否か)を判別しつつ、出力電流Ioの電流値が上限電流値に達したとき(過電流状態のとき)には、主駆動信号Sa,Sbのデューティ比を制御して主スイッチング素子31,32のオンデューティを制御することにより(具体的には、デューティ比を下げてオンデューティを低下させる制御を実行することにより)、直流出力電圧Voの電圧値を低下させて、出力電流Ioの電流値を上限電流値を超えないように制御する。
また、制御部10Aでは、論理和回路62が、図4,5に示すように主駆動信号Sa,Sbから論理和信号Sorを生成して、逆電流判定回路63に出力する。また、逆電流判定回路63が、この論理和信号Sorと出力電流検出信号Siとに基づき、論理和信号Sorにおける2つの主駆動信号Sa,Sbが共に出力停止状態となる停止期間Tstpにおいて出力電流検出信号Siが出力されるか否かを検出する。
この場合、上記したように、電源装置1Aが定常状態(電源装置1Aから負荷に向けて出力電流Ioが流れている状態)のときには、電圧信号Viの正側波形で構成される出力電流検出信号Siは、図4に示すように、オフ(OFF)期間(つまり、停止期間Tstp)において実質的にゼロボルトに維持されている(つまり、出力されていない状態となっている)。このため、逆電流判定回路63は、停止期間Tstpにおいて出力電流検出信号Siの出力を検出しないことから、出力平滑部6から同期整流部5への逆電流Irは発生していないと判別して、逆電流検出信号Srvを出力しない。したがって、制御部10Aでは、信号生成回路61Aは、逆電流Irの発生を検出したときの動作(2つの主駆動信号Sa,Sb、第1駆動信号Sxおよび第2駆動信号Syの出力を停止する動作)については実行せずに、直流出力電圧Voの電圧値を予め規定された目標電圧値に制御する上記動作と、出力電流Ioの電流値が上限電流値に達したか否か(過電流状態か否か)を判別して実行する上記動作とを継続して実行する。
一方、上記したように、電源装置1Aが逆電流発生状態(負荷から電源装置1Aに向けて逆電流Irが流れている状態)のときには、電圧信号Viの正側波形で構成される出力電流検出信号Siは、図5に示す期間Taのときのように、オフ(OFF)期間(つまり、停止期間Tstp)において正側波形の電圧信号として出力される。このため、逆電流判定回路63は、停止期間Tstpにおいて出力電流検出信号Siの出力を検出することから、出力平滑部6から同期整流部5への逆電流Irが発生していると判別して、逆電流検出信号Srvを出力する。したがって、制御部10Aでは、信号生成回路61Aが、逆電流Irの発生を検出したときの動作(2つの主駆動信号Sa,Sb、第1駆動信号Sxおよび第2駆動信号Syの出力を停止する動作)を実行する。これにより、電源装置1Aによる直流出力電圧Voの出力動作が停止することから、交流電圧Vac、電流Ii、電圧信号Vi、論理和信号Sor、および出力電流検出信号Siは、図5に示す期間Tbの状態に移行する。
なお、図5では、逆電流発生状態での各信号の状態を説明するために、逆電流判定回路63が停止期間Tstpにおいて出力電流検出信号Siの出力を検出するまでの期間Taを実際よりも長く表記しているが、通常は、逆電流判定回路63が停止期間Tstpにおいて出力電流検出信号Siの出力を最初に検出した時点で逆電流検出信号Srvを出力するため、信号生成回路61Aは、逆電流Irの発生から殆ど遅れることなく、逆電流Irの発生を検出したときの動作(2つの主駆動信号Sa,Sb、第1駆動信号Sxおよび第2駆動信号Syの出力を停止する動作)を実行する。これにより、電源装置1Aは、出力電流Ioの過電流状態を検出するための既存の電流検出部9を、逆電流Irの発生を検出するための構成要素として使用(流用)する簡易な構成でありながら、逆電流Irの発生を検出して、スイッチング部4Aおよび同期整流部5のスイッチング動作を停止することが可能となっている。さらに、電源装置1Aは、逆電流Irの発生の有無を判別するための信号(基準信号)として主駆動信号Sa,Sbの論理和信号Sorを使用する構成のため、この信号の生成にはOR素子またはOR処理の実行だけで済むことから、一層簡易な構成で、逆電流Irの発生を検出することが可能となっている。
このように、この電源装置1Aでは、スイッチング部4Aに流れる電流Iiを検出して出力電流検出信号Siを出力する電流検出部9を備える構成(出力電流Ioの過電流状態を検出するための電流検出部9が既設である構成)において、制御部10Aが2つの主駆動信号Sa,Sbの論理和信号Sorを生成する論理和回路62と、論理和信号Sorと出力電流検出信号Siとに基づき、論理和信号Sorにおける2つの主駆動信号Sa,Sbが共に出力停止状態となる停止期間Tstpにおいて出力電流検出信号Siの出力を検出したときに逆電流Irが発生したと判別して逆電流検出信号Srvを出力する逆電流判定回路63とを有し、逆電流検出信号Srvが出力されたときに、信号生成回路61Aが2つの主駆動信号Sa,Sb、第1駆動信号Sxおよび第2駆動信号Syの出力を停止する。
したがって、この電源装置1Aによれば、出力電流Ioの過電流状態を検出するための既存(既設)の電流検出部9を、逆電流Irの発生を検出するための構成要素として使用(流用)する簡易な構成で、逆電流Irの発生を検出して、スイッチング部4Aおよび同期整流部5のスイッチング動作を停止することができる。このため、この電源装置1Aによれば、逆電流Irが継続する事態の発生を防止することができる。さらに、電源装置1Aによれば、逆電流Irの発生の有無を判別するための信号として主駆動信号Sa,Sbの論理和信号Sorを使用する構成のため、ハードウェアではOR素子だけで、またソフトウェアではOR処理だけで、論理和信号Sorを生成できることから、一層簡易な構成で、逆電流Irの発生を検出することができる。
また、電源装置1Aによれば、逆電流判定回路63が、論理和信号Sorについては第1閾値電圧値VTH1を用いて停止期間Tstpを検出し、出力電流検出信号Siについては第2閾値電圧値VTH2を用いて出力を検出する構成のため、論理和信号Sorや出力電流検出信号Siの低側電位の期間や高側電位の期間に多少のノイズが重畳した場合においても、論理和信号Sorにおける停止期間Tstpや出力電流検出信号Siの出力を安定して検出することができ、その結果として、逆電流Irの発生を安定して判別(検出)することができる。
なお、2つの主スイッチング素子31,32を有するハーフブリッジ回路形式およびプッシュプル回路形式のうちのいずれかの回路形式でスイッチング部4Aを構成する電源装置1Aについて上記したが、これに限定されるものではない。例えば、4つの主スイッチング素子を有するフルブリッジ回路形式でスイッチング部を構成することもできる。以下、この構成を採用した電源装置1Bについて図4、図6〜図9を参照して説明する。なお、上記した電源装置1Aと同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
電源装置1Bは、図6,7に示すように、一例として、一対の入力端子2a,2b、絶縁トランス3、スイッチング部4B、同期整流部5、出力平滑部6、出力電圧検出部7、絶縁部8、電流検出部9、制御部10B、絶縁ドライバ11、および一対の出力端子12a,12bを備え、入力端子2a,2b間に入力される直流入力電圧Vinに基づいて、直流出力電圧Voを生成して、出力端子12a,12b間に接続されている不図示の負荷へ出力する。
スイッチング部4Bは、4つの主スイッチング素子31,32,33,34を有するフルブリッジ回路形式で構成されている。具体的には、スイッチング部4Bは、図7に示すように、直列接続された2つの主スイッチング素子31,32で構成される第1レグL1と、直列接続された2つの主スイッチング素子33,34で構成される第2レグL2とが、直流入力電圧Vinが供給される一対の直流電源ライン13,14間に並列接続された状態で接続されて構成されている。また、絶縁トランス3の一次巻線21は、一方の端部が主スイッチング素子31,32同士の接続点に接続されると共に、他方の端部が主スイッチング素子33,34同士の接続点に接続されている。
また、スイッチング部4Bは、主スイッチング素子31,32,33,34がPWM方式で制御されるときには図4,5に示すタイミングで供給される対応の主駆動信号Sa,Sb,Sc,Sdでスイッチングすることにより、また主スイッチング素子31,32,33,34がフェイズシフト方式で制御されるときには図8,9に示すタイミングで供給される対応の主駆動信号Sa,Sb,Sc,Sdでスイッチングすることにより、一次巻線21に直流入力電圧Vinを断続的に印加する。これにより、絶縁トランス3の二次巻線22には、図4,5や図8,9に示すタイミングで交流電圧(誘起電圧)Vacが誘起される。主スイッチング素子31,32,33,34は、一例としてnチャネル型のMOSFETで構成されているが、これに限定されるものではなく、バイポーラ型トランジスタなどの種々の半導体スイッチを使用することができる。このように、スイッチング部4Bの主スイッチング素子31,32,33,34はPWM方式とフェイズシフト方式の2つの方式のうちのいずれかの方式で制御されるが、最初に、PWM方式で制御される構成について説明する。
電流検出部9は、上記した電源装置1Aと同一に構成されている。これにより、カレントトランス51の二次巻線51bにおける他方の端部には、主スイッチング素子31,32,33,34がスイッチングしている状態において、図4,5に示す信号波形の電圧信号Viが発生する。
電源装置1Bでは、定常状態(電源装置1Bから負荷に向けて出力電流Ioが流れている状態)のときには、スイッチング部4Bには、主駆動信号Saに対応する主スイッチング素子31および主駆動信号Sdに対応する主スイッチング素子34が共にオン状態となるオン(ON)期間、並びに主駆動信号Sbに対応する主スイッチング素子32および主駆動信号Scに対応する主スイッチング素子33が共にオン状態となるオン(ON)期間において図6,7に示す向き(正方向)で電流Iiが流れる。このため、電圧信号Viは、図4に示すように、このオン(ON)期間においては、正側波形で構成される信号として出力される。また、主スイッチング素子31,32,33,34が共にオフ(OFF)となるオフ(OFF)期間(停止期間Tstpでもある)においては、カレントトランス51の二次巻線51bには抵抗52を介してリセット電流(オン期間のときに流れる電流とは逆向きの電流)が流れる。このため、電圧信号Viは、図4に示すように、このオフ(OFF)期間においては、負側波形で構成される信号として出力される。
このため、この電源装置1Bにおいても、電流検出部9は、この電圧信号Viを整流回路53が整流することにより、定常状態のときには図4に示すように、また逆電流発生状態のときには図5に示すように変化する出力電流検出信号Siを上記した電源装置1Aと同じように出力する。
制御部10Bは、一例として、信号生成回路61B、論理和回路62および逆電流判定回路63を備えている。
信号生成回路61Bは、電圧検出信号Svbを入力すると共に、電圧検出信号Svbで示される直流出力電圧Voの電圧値に基づき4つの主スイッチング素子31,32,33,34を駆動するための4つの主駆動信号Sa,Sb,Sc,Sdを図4,5に示すタイミングで生成して、対応する主スイッチング素子31,32,33,34のゲート端子に出力する。また、信号生成回路61Bは、主駆動信号Sa,Sb,Sc,Sdのデューティ比を制御して主スイッチング素子31,32,33,34のオンデューティを制御することにより、直流出力電圧Voの電圧値を予め規定された目標電圧値に制御する。また、信号生成回路61Bは、出力電流検出信号Siに基づいて検出される出力電流Ioの電流値が予め規定された上限電流値に達したか否か(過電流状態であるか否か)を判別しつつ、出力電流Ioの電流値が上限電流値に達したとき(過電流状態のとき)には、主駆動信号Sa,Sb,Sc,Sdのデューティ比を制御して主スイッチング素子31,32のオンデューティを制御することにより、直流出力電圧Voの電圧値を低下させて、出力電流Ioの電流値を上限電流値を超えないように制御する。また、信号生成回路61Bは、図4,5に示すように、主駆動信号Sa,Sb,Sc,Sdの生成タイミングに基づいて、第1同期整流素子41を駆動するための第1駆動信号Sx、および第2同期整流素子42を駆動するための第2駆動信号Syを生成して出力する。また、信号生成回路61Bは、逆電流判定回路63から後述の逆電流検出信号Srvが出力されたときには、4つの主駆動信号Sa,Sb,Sc,Sd、第1駆動信号Sxおよび第2駆動信号Syの出力を停止する。
論理和回路62は、一対のレグL1,L2のうちの一方のレグを構成する2つの主スイッチング素子のための2つの主駆動信号(本例では一例として、図4,5に示すように、第1レグL1を構成する2つの主スイッチング素子31,32のための2つの主駆動信号Sa,Sb)の論理和信号Sor(=Sa+Sb)を生成して出力する。逆電流判定回路63は、論理和信号Sorと出力電流検出信号Siとに基づき、論理和信号Sorにおける2つの主駆動信号Sa,Sbが共に出力停止状態となる停止期間Tstpにおいて出力電流検出信号Siが出力されるか否かを検出する。また、逆電流判定回路63は、停止期間Tstpにおいて出力電流検出信号Siの出力を検出したときに、出力平滑部6から同期整流部5への逆電流が発生したと判別して逆電流検出信号Srvを信号生成回路61Bに出力する。
以上の構成を備えた電源装置1Bは、スイッチング部4Bが4つの主スイッチング素子31,32,33,34で構成され、信号生成回路61Bが各主スイッチング素子31,32,33,34に対応する4つの主駆動信号Sa,Sb,Sc,Sdを生成して出力する構成については上記した電源装置1Aと異なるものの、本例のように主スイッチング素子31,32,33,34がPWM方式で制御される構成においては、電源装置1Bの各構成要素が電源装置1Aの各構成要素と同じように動作するため、各構成要素での信号波形は図4,5に示すように電源装置1Aと同じになる。このため、制御部10Bでも、制御部10Aと同様にして、逆電流判定回路63が、論理和信号Sorにおける2つの主駆動信号Sa,Sbが共に出力停止状態となる停止期間Tstpにおいて出力電流検出信号Siの出力を検出したか否かに基づき逆電流Irが発生したか否かを判別して逆電流検出信号Srvを出力することが可能となっている。
したがって、主スイッチング素子31,32,33,34がPWM方式で制御される構成の電源装置1Bにおいても、上記した電源装置1Aでの効果と同等の効果を奏することができる。
次いで、電源装置1Bの主スイッチング素子31,32,33,34がフェイズシフト方式で制御される構成について説明する。なお、上記したPWM方式で制御される構成と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
この構成の電源装置1Bでは、上記したように、信号生成回路61Bによる各主駆動信号Sa,Sb,Sc,Sdの生成タイミング、つまり主駆動信号Sa,Sb,Sc,Sdに対応する主スイッチング素子31,32,33,34のオン・オフタイミングが図8,9に示すタイミングとなる構成が、PWM方式で制御される構成(各主駆動信号Sa,Sb,Sc,Sdの生成タイミング、つまり主駆動信号Sa,Sb,Sc,Sdに対応する主スイッチング素子31,32,33,34のオン・オフタイミングが図4,5に示すタイミングとなる構成)と相違している。一方、図8,9に示すように、定常状態および逆電流発生状態での論理和信号Sor(本例では、主駆動信号Sa,Sbの論理和信号であるが、主駆動信号Sc,Sdの論理和信号であってもよい)に対する電圧信号Viの発生タイミングおよびその極性(つまり、出力電流検出信号Siの発生タイミング)は、PWM方式で制御される構成と同等の関係(定常状態では、論理和信号Sorにおける停止期間Tstpに出力電流検出信号Siは発生せず、逆電流発生状態では、論理和信号Sorにおける停止期間Tstpに出力電流検出信号Siが発生する関係)となっている。
したがって、主スイッチング素子31,32,33,34がフェイズシフト方式で制御される構成の電源装置1Bにおいても、逆電流判定回路63が、論理和信号Sorにおける2つの主駆動信号Sa,Sbが共に出力停止状態となる停止期間Tstpにおいて出力電流検出信号Siの出力を検出したか否かに基づき逆電流Irが発生したか否かを判別して逆電流検出信号Srvを出力することができることから、上記した電源装置1Aでの効果と同等の効果を奏することができる。
この電源装置1A,1Bは、直流出力電圧Voに基づいて動作する医療機器を出力端子12a,12bに接続することで、医療システムに用いることができる。医療システムにおいても、電源装置1A,1Bから供給される直流出力電圧Voを例えばバックアップ用の二次電池に充電する機能を備えたものが存在する。このため、医療システムからの逆電流Irの発生を検出して、停止状態に移行し得る電源装置1A,1Bは、この種の医療システムにおいて有益である。
以下において、この電源装置1A(1B)を備えた医療システムMES1について、図10を参照して説明する。なお、電源装置1A(1B)の絶縁トランス3は、医療用規格に合致した絶縁性能を有している(強化絶縁されている)ものとする。また、出力端子12a,12bには、医療機器71が接続されているものとする。また、電源装置1A(1B)の筐体Hには、接地のためのFGラインが接続されているものとする。また、電源装置1A(1B)の上記した構成と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
この場合、電源装置1A(1B)は、入力ライン(L相ライン,N相ライン)間から供給される交流入力電圧Vxを一対の交流入力端子72a,72bを介して入力して動作する。このため、電源装置1A(1B)は、その内部に、一対の交流入力端子72a,72bに一対の交流電源ライン73,74を介して接続された整流平滑部75を備え、この整流平滑部75が、入力ラインL,Nと一対の交流入力端子72a,72bと一対の交流電源ライン73,74とを介して入力される交流入力電圧Vxを整流平滑して直流入力電圧Vinを生成して、入力端子2a,2b、さらには直流電源ライン13,14に出力するように構成されている。この場合、整流平滑部75は、力率改善回路(PFC回路)を含む構成にすることもできる。また、電源装置1A(1B)は、その内部に、一対の交流電源ライン73,74に介装されたヒューズ76(またはブレーカ)を備えている。
この電源装置1A(1B)を備えた医療システムMES1によれば、電源装置1A(1B)が、上記のように強化絶縁された絶縁トランス3とヒューズ76(またはブレーカ)とを備えて単体で医療用規格を取得可能な構成を有しているため、電源装置1A(1B)の外部(具体的には、電源装置1A(1B)に接続される入力ライン(L相ライン,N相ライン))に絶縁トランスおよびヒューズ(またはブレーカ)を介装することなく、医療用規格を取得可能な構成を実現することができる。また、この医療システムMES1によれば、電源装置1A(1B)を備えたことにより、上記した電源装置1A(1B)単体での効果を奏することができる。
また、上記の医療システムMES1では、電源装置1A(1B)が内部にヒューズ76(またはブレーカ)を備える構成であったが、内部にヒューズ76(またはブレーカ)を備えていない電源装置1A(1B)で医療システムを構成することもできる。以下、この構成を採用した医療システムMES2について図11を参照して説明する。なお、上記した医療システムMES1と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明については省略し、医療システムMES1と相違する構成について主として説明する。
この医療システムMES2では、ヒューズ76(またはブレーカ)は、図11に示すように、入力ライン(L相ライン,N相ライン)に介装されている。この構成により、入力ライン(L相ライン,N相ライン)間から供給される交流入力電圧Vxは、ヒューズ76(またはブレーカ)を介して電源装置1A(1B)の交流入力端子72a,72bに入力される。
この電源装置1A(1B)を備えた医療システムMES2によれば、電源装置1A(1B)が、上記のように強化絶縁された絶縁トランス3を備えているため、電源装置1A(1B)の外部(具体的には、電源装置1A(1B)に接続される入力ライン(L相ライン,N相ライン))にヒューズ76(またはブレーカ)を介装するだけで、医療用規格を取得可能な構成を実現することができる。また、この医療システムMES2によれば、電源装置1A(1B)を備えたことにより、上記した電源装置1A(1B)単体での効果を奏することができる。
また、上記の医療システムMES1,MES2では、電源装置1A(1B)の内部および外部のいずれか一方にのみヒューズ76(またはブレーカ)を介装する構成であったが、電源装置1A(1B)の内部および外部の双方にヒューズ76(またはブレーカ)を介装する構成を採用することもできる。以下、この構成を採用した医療システムMES3について図12を参照して説明する。なお、上記した医療システムMES1,MES2と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明については省略し、医療システムMES1,MES2と相違する構成について主として説明する。
この医療システムMES3では、電源装置1A(1B)は、一対の交流電源ライン73,74のうちの一方の交流電源ライン(本例では一例として、交流電源ライン74)に介装された第1ヒューズとしてのヒューズ76(または第1ブレーカとしてのブレーカ)を内部に備えている。また、電源装置1A(1B)の外部には、一対の交流電源ライン73,74のうちの他方の交流電源ライン(本例では一例として、交流電源ライン73)に交流入力端子(本例では、交流入力端子72a)を介して接続される入力ライン(本例では、L相ライン)に介装された状態で、第2ヒューズとしてのヒューズ76(または第2ブレーカとしてのブレーカ)が配設されている。なお、図示はしないが、第1ヒューズとしてのヒューズ76(または第1ブレーカとしてのブレーカ)を交流電源ライン73に介装し、これに対応して、第2ヒューズとしてのヒューズ76(または第2ブレーカとしてのブレーカ)をN相ラインに介装する構成を採用することもできる。
この電源装置1A(1B)を備えた医療システムMES3によれば、電源装置1A(1B)が、上記のように強化絶縁された絶縁トランス3と一方の交流電源ライン(交流電源ライン74または交流電源ライン73)に介装されたヒューズ76(ブレーカ)とを内部に備えているため、電源装置1A(1B)の外部(具体的には、電源装置1A(1B)に接続される入力ライン(L相ライン,N相ライン)のうちの他方の交流電源ラインに接続される入力ライン(L相ラインまたはN相ライン))に他のヒューズ76(またはブレーカ)を介装するだけで、医療用規格を取得可能な構成を実現することができる。また、この医療システムMES3によれば、電源装置1A(1B)を備えたことにより、上記した電源装置1A(1B)単体での効果を奏することができる。
1A,1B 電源装置
3 絶縁トランス
4A,4B スイッチング部
5 同期整流部
6 出力平滑部
9 電流検出部
10A,10B 制御部
13,14 直流電源ライン
21 一次巻線
22 二次巻線
31〜34 主スイッチング素子
41 第1同期整流素子
42 第2同期整流素子
51 カレントトランス
53 整流回路
61A,61B 信号生成回路
62 論理和回路
63 逆電流判定回路
Ii スイッチング部に流れる電流
Sa〜Sd 主駆動信号
Si 出力電流検出信号
Sor 論理和信号
Srv 逆電流検出信号
Sx,Sxd 第1駆動信号
Sy,Syd 第2駆動信号
V1 同期整流部から出力される電圧
Vac 交流電圧(誘起電圧)
Vi 直流入力電圧
Vo 直流出力電圧

Claims (6)

  1. 一次巻線および二次巻線を有する絶縁トランスと、
    2つの主スイッチング素子を有するハーフブリッジ回路形式および2つの主スイッチング素子を有するプッシュプル回路形式のうちのいずれかの回路形式で構成されると共に、直流入力電圧が供給される一対の直流電源ライン間に接続されて、前記一次巻線に当該直流入力電圧を断続的に印加するスイッチング部と、
    第1同期整流素子および第2同期整流素子を有して構成されると共に前記二次巻線に接続されて、前記一次巻線への前記直流入力電圧の断続的な印加によって当該二次巻線に生じる誘起電圧を整流して出力する同期整流部と、
    前記同期整流部から出力される電圧を平滑して直流出力電圧として出力する平滑部と、
    前記2つの主スイッチング素子を駆動するための2つの主駆動信号、前記第1同期整流素子を駆動するための第1駆動信号、および前記第2同期整流素子を駆動するための第2駆動信号を生成して出力する信号生成回路を有する制御部と、
    前記一対の直流電源ラインのうちの一方に介装されて前記スイッチング部に流れる電流の電流波形に応じて波形が変化する電圧信号を出力するカレントトランス、および当該電圧信号を整流して出力電流検出信号として出力する整流回路を有する電流検出部とを備えている電源装置であって、
    前記制御部は、
    前記2つの主駆動信号の論理和信号を生成する論理和回路と、
    前記論理和信号と前記出力電流検出信号とに基づき、当該論理和信号における前記2つの主駆動信号が共に出力停止状態となる停止期間において当該出力電流検出信号の出力を検出したときに、前記平滑部から前記同期整流部への逆電流が発生したと判別して逆電流検出信号を出力する逆電流判定回路とを有し、当該逆電流検出信号が出力されたときに、前記信号生成回路が前記2つの主駆動信号、前記第1駆動信号および前記第2駆動信号の出力を停止する電源装置。
  2. 一次巻線および二次巻線を有する絶縁トランスと、
    直列接続された2つの主スイッチング素子でそれぞれ構成される一対のレグが並列接続されて成るフルブリッジ回路形式で構成されると共に、直流入力電圧が供給される一対の直流電源ライン間に接続されて、前記一次巻線に当該直流入力電圧を断続的に印加するスイッチング部と、
    第1同期整流素子および第2同期整流素子を有して構成されると共に前記二次巻線に接続されて、前記一次巻線への前記直流入力電圧の断続的な印加によって当該二次巻線に生じる誘起電圧を整流して出力する同期整流部と、
    前記同期整流部から出力される電圧を平滑して直流出力電圧として出力する平滑部と、
    前記4つの主スイッチング素子を駆動するための4つの主駆動信号、前記第1同期整流素子を駆動するための第1駆動信号、および前記第2同期整流素子を駆動するための第2駆動信号を生成して出力する信号生成回路を有する制御部と、
    前記一対の直流電源ラインのうちの一方に介装されて前記スイッチング部に流れる電流の電流波形に応じて波形が変化する電圧信号を出力するカレントトランス、および当該電圧信号を整流して出力電流検出信号として出力する整流回路を有する電流検出部とを備えている電源装置であって、
    前記制御部は、
    前記一対のレグのうちの一方のレグを構成する前記2つの主スイッチング素子のための2つの前記主駆動信号の論理和信号を生成する論理和回路と、
    前記論理和信号と前記出力電流検出信号とに基づき、当該論理和信号における前記2つの主駆動信号が共に出力停止状態となる停止期間において当該出力電流検出信号の出力を検出したときに、前記平滑部から前記同期整流部への逆電流が発生したと判別して逆電流検出信号を出力する逆電流判定回路とを有し、当該逆電流検出信号が出力されたときに、前記信号生成回路が前記4つの主駆動信号、前記第1駆動信号および前記第2駆動信号の出力を停止する電源装置。
  3. 前記逆電流判定回路は、前記論理和信号の電圧値が予め規定された第1閾値電圧値未満となる期間を前記停止期間として、かつ前記出力電流検出信号の電圧値が予め規定された第2閾値電圧値以上となるときを前記出力電流検出信号が出力されているときと検出して、前記逆電流の発生を判別する請求項1または2記載の電源装置。
  4. 入力ラインに接続される一対の交流入力端子、当該一対の交流入力端子に一対の交流電源ラインを介して接続されると共に前記入力ラインと当該一対の交流入力端子と当該一対の交流電源ラインとを介して入力される交流入力電圧を整流平滑して前記一対の直流電源ラインに前記直流入力電圧として供給する一次側整流平滑部、および前記一対の交流電源ラインに介装されたヒューズまたはブレーカを備えている請求項1から3のいずれかに記載の電源装置、並びに当該電源装置の後段に接続されると共に当該電源装置からの前記直流出力電圧に基づいて動作する医療機器を備えている医療システム。
  5. 入力ラインに接続される一対の交流入力端子、および当該一対の交流入力端子に接続されると共に前記入力ラインと当該一対の交流入力端子とを介して入力される交流入力電圧を整流平滑して前記一対の直流電源ラインに前記直流入力電圧として供給する一次側整流平滑部を備えている請求項1から3のいずれかに記載の電源装置と、
    前記入力ラインに介装されたヒューズまたはブレーカと、
    前記電源装置の後段に接続されると共に当該電源装置からの前記直流出力電圧に基づいて動作する医療機器とを備えている医療システム。
  6. 入力ラインに接続される一対の交流入力端子、当該一対の交流入力端子に一対の交流電源ラインを介して接続されると共に前記入力ラインと当該一対の交流入力端子と当該一対の交流電源ラインとを介して入力される交流入力電圧を整流平滑して前記一対の直流電源ラインに前記直流入力電圧として供給する一次側整流平滑部、および前記一対の交流電源ラインのうちの一方の交流電源ラインに介装された第1ヒューズまたは第1ブレーカを備えている請求項1から3のいずれかに記載の電源装置と、
    前記一対の交流電源ラインのうちの他方の交流電源ラインに前記交流入力端子を介して接続される前記入力ラインに介装された第2ヒューズまたは第2ブレーカと、
    前記電源装置の後段に接続されると共に当該電源装置からの前記直流出力電圧に基づいて動作する医療機器とを備えている医療システム。
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