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JP2020164955A - 塗装用フェライト系ステンレス鋼板及び塗装鋼板 - Google Patents

塗装用フェライト系ステンレス鋼板及び塗装鋼板 Download PDF

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JP2020164955A JP2019068654A JP2019068654A JP2020164955A JP 2020164955 A JP2020164955 A JP 2020164955A JP 2019068654 A JP2019068654 A JP 2019068654A JP 2019068654 A JP2019068654 A JP 2019068654A JP 2020164955 A JP2020164955 A JP 2020164955A
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濱田 純一
Junichi Hamada
純一 濱田
透 松橋
Toru Matsuhashi
透 松橋
航 西村
Wataru Nishimura
航 西村
井上 宜治
Yoshiharu Inoue
宜治 井上
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Nippon Steel Stainless Steel Corp
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Abstract

【課題】表面品位、塗装性及び耐食性に優れた塗装用フェライト系ステンレス鋼板を提供する。【解決手段】C:0.001〜0.020%、Si:0.01〜1.50%、Mn:0.01〜1.50%、P:0.010〜0.050%、S:0.0001〜0.010%、Cr:10.0〜25.0%、N:0.001〜0.030%、Ti:0.01〜0.30%を含有し、残部Feおよび不純物からなり、結晶粒度番号6.0以上、算術平均うねりWa0.65μm未満である塗装用フェライト系ステンレス鋼板を採用する。【選択図】なし

Description

本発明は、塗装用フェライト系ステンレス鋼板及び塗装鋼板に関する。特に、本発明は、表面性状が良好で塗装性に優れた塗装用フェライト系ステンレス鋼板に関する。
ステンレス鋼板は、自動車部品、家電製品、厨房機器、電子機器など、幅広い分野で使用されている。また、土木・建築構造材料や、野外に設置される筐体等には、ステンレス鋼板に耐食性を向上させることを目的として、塗装やめっきを施した鋼板が使用されることが多い。
各種ステンレス鋼の中で、従来から使用が検討されてきたのは、材料強度、耐食性、加工性等に有利な点から、主にオーステナイト系ステンレス鋼が検討され、使用されてきた。しかし、近年精錬技術の向上により、ステンレス鋼の極低炭素・窒素化が可能となり、更に、Ti及びNbなどの安定化元素の添加をすることで、成形性と耐食性を高めたフェライト系ステンレス鋼板が開発され、塗装鋼板の素材として適用されつつある。フェライト系ステンレス鋼板は、多量のNiを添加するオ−ステナイト系ステンレス鋼よりも経済性に優れるため、利用が拡大している。しかしながら、フェライト系ステンレス鋼板は、素材の表面品質や耐加工肌荒れ性がオーステナイト系ステンレス鋼板より劣るため、用途が限定される場合があった。
フェライト系ステンレス鋼板の製品板の表面品質は、製造中に圧延方向に沿って生じるサブμmサイズの微細な凹凸であるいわゆるローピングと呼ばれる現象によって劣化する。また、フェライト系ステンレス鋼板は、鋼板をプレス成形したときに圧延方向に沿って生じる数μmから数十μmサイズの凹凸であるいわゆるリジングと呼ばれる現象によって加工肌荒れが顕著になり、加工後の表面品質が低下する場合がある。また、フェライト系ステンレス鋼板の結晶粒径が大きい場合には、リジングと同時に、各結晶粒径の変形挙動の差異に起因した粗大な表面凹凸であるいわゆるオレンジピールと呼ばれる現象も生じ、表面品質が劣化する。
表面品質の劣化が生じたステンレス鋼板に塗装を施すと、肌荒れに対応した塗装ムラが生じ、外観が著しく劣位となる問題がある。
さらに、鋼材の選定においてはコストも重視され、工程数の省略等による、さらなる低コスト化と上述した材料特性の両立が要求されている。加工肌荒れ等が生じたステンレス鋼板に塗装する場合は、表面研磨工程が必要となり、工程数が増加し、低コスト化が図れない。
このような経緯から、塗装用鋼板の表面品質およびコストに関する問題を解決するために、従来、様々な工夫がなされてきた。
特許文献1では、ヘアライン仕上げ処理を省略しつつ、表面粗さのムラを抑え塗布剤のなじみ性を向上させたオーステナイト系フェライト系ステンレス鋼が記載されている。特許文献1のステンレス鋼は、成分組成及び結晶粒度を調整し、かつ非金属介在物の量を所定の範囲内に抑えることで、冷間圧延により発生する加工誘起マルテンサイトの量を所定の範囲内に留めて粗さのムラを抑制し、表面粗さの作り込みを最終圧延で行っている。
また、特許文献2には、鋼帯表面の平均粗度Raを2μm以上にすることで、塗装密着性を向上させたフェライト系ステンレス鋼板が記載されている。特許文献2におけるステンレス鋼板の製造方法は、素材焼鈍後、中間焼鈍工程を経た後に、最終圧延工程の仕上げパスにて粗面ロールで冷延し、スキンパスを省略して最終焼鈍することで塗装密着性に優れた塗装用フェライト系ステンレス鋼板を得ている。
特開平08−109447号公報 特開昭61−084329号公報
しかし、特許文献1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼においては、工程の省略により省コスト化しているが、Niを多量に添加しているためコストの低減が十分ではない。
また、特許文献2に記載の塗装用フェライト系ステンレス鋼板においては、塗装性は十分だが、鋼板表面の粗さが大きいため、塗装ムラが大きくなり外観が重視される用途に適さない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、表面品位、塗装性及び耐食性に優れた塗装用フェライト系ステンレス鋼板およびそれを素材とした塗装鋼板を提供することを課題とする。
(1)化学組成が、質量%で、
C:0.001〜0.020%、
Si:0.01〜1.50%、
Mn:0.01〜1.50%、
P:0.010〜0.050%、
S:0.0001〜0.010%、
Cr:10.0〜25.0%、
N:0.001〜0.030%、
Ti:0.01〜0.30%、
Nb:0〜0.80%、
Sn:0〜0.500%、
Mg:0〜0.0100%、
Al:0〜3.0%、
Ni:0〜2.0%、
V:0〜1.0%、
Cu:0〜2.0%、
Mo:0〜3.0%、
Ca:0〜0.0030%、
Ga:0〜0.1%、
B:0〜0.0050%、
W:0〜3.0%、
Zr:0〜0.30%、
Co:0〜0.50%、
Sb:0〜0.50%、
Ta:0〜0.10%、
REM:0〜0.05%、
残部Feおよび不純物からなり、
結晶粒度番号が6.0以上であり、かつ表面起伏のうち、算術平均うねりWaが0.65μm未満を満足することを特徴とする塗装用フェライト系ステンレス鋼板。
(2)塗膜の厚みTと前記算術平均うねりWaとの関係が下記式(1)を満足する塗膜が用いられることを特徴とする上記(1)に記載の塗装用フェライト系ステンレス鋼板。
T≧100Wa … 式(1)
上記式(1)において、Tは塗膜厚さ(μm)であって15〜100μmの範囲であり、Waは算術平均うねり(μm)である。
(3)算術平均うねりWaが0.15μm以下を満足することを特徴とする上記(1)または上記(2)に記載の塗装用フェライト系ステンレス鋼板。
(4)前記化学組成が、質量%で、Nb:0.10〜0.80%、Sn:0.01〜0.500%、Mg:0.0002〜0.0100%、から選択される1種または2種以上を含有する、上記(1)乃至上記(3)のいずれか一項に記載の塗装用フェライト系ステンレス鋼板。
(5)前記化学組成が、質量%で、Al:0.003〜3.0%、Ni:0.1〜2.0%、V:0.05〜1.0%、Cu:0.1〜2.0%、Mo:0.2〜3.0%、Ca:0.0001〜0.0030%、Ga:0.0002〜0.1%、から選択される1種または2種以上を含有する、上記(1)乃至上記(4)のいずれか一項に記載の塗装用フェライト系ステンレス鋼板。
(6)前記化学組成が、質量%で、B:0.0002〜0.0050%、W:0.1〜3.0%、Zr:0.05〜0.30%、Co:0.05〜0.50%、Sb:0.01〜0.50%、Ta:0.01〜0.10%、REM:0.001〜0.05%、から選択される1種または2種以上を含有する、上記(1)乃至上記(5)のいずれか一項に記載の塗装用フェライト系ステンレス鋼板。
(7)上記(1)乃至上記(6)のいずれか一項に記載の塗装用フェライト系ステンレス鋼板と、
前記塗装用フェライト系ステンレス鋼板の表面に形成された厚さ15μm以上100μm以下の塗膜とを有し、
前記塗膜の厚みTと前記塗装用フェライト系ステンレス鋼板の前記算術平均うねりWaとの関係が式(2)を満足することを特徴とする塗装鋼板。
T≧100Wa … 式(2)
上記式(2)において、T:塗膜厚さ(μm)であり、Wa:算術平均うねり(μm)である。
本発明によれば、表面品位、塗装性及び耐食性に優れた塗装用フェライト系ステンレス鋼板およびそれを素材とした塗装鋼板を提供できる。
特に本発明は、算術平均うねりが小さく表面品位が良好であり、また、流れ錆性のような外観性上に関わる耐食性に優れた塗装用フェライト系ステンレス鋼板を提供できる。
図1は、流れ錆率と塗膜厚さの関係を示した図である。 図2は、算術平均うねり(Wa)と塗装ムラが生じない塗膜厚さの関係を示した図である。
上記課題を解決するために、本発明者らは、フェライト系ステンレス鋼板の塗装性および表面品位に関して、組成や、製造過程における組織についての詳細な検討を行った。その結果、以下に示す知見を得た。
(a)フェライト系ステンレス鋼板を素材とした塗装鋼板において、十分な耐食性を得るためには、十分な塗膜厚さが必要である。所定の鋼成分において、塗装鋼板の耐食性と塗膜厚さの関係を調査した所、塗膜厚さが15μm以上である場合において、発錆が生じない良好な塗装鋼板が得られる。更に望ましくは30μm以上である。しかし、塗膜厚さが過度に厚い場合、塗装密着性に問題が生じる場合があり、更に、コストや重量の関係上、塗膜厚さは100μm以下とすることが望ましい。
(b)フェライト系ステンレス鋼板を素材とした塗装鋼板において、上記の塗膜厚さで塗装ムラが生じない塗装鋼板を得るためには、素材となるフェライト系ステンレス鋼板の表面粗さを適切に制御する必要がある。表面起伏のうち算術平均うねり(Wa)が式(A)を満たす場合において、上記の塗膜厚さ下限の15μmでも塗装ムラが生じない良好な塗装鋼板が得られる。
T≧100Wa ・・・ 式(A)
但し、上記式(A)中の各記号は以下により定義される。
T:塗膜厚さ(μm)
Wa:算術平均うねり(μm)
本発明は上記の知見に基づいてなされたものである。以下、本発明の各要件について詳しく説明する。
鋼成分の各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
C:0.001〜0.020%
Cは、靭性、耐食性および耐酸化性を劣化させるため、その含有量は少ないほどよい。このため、C含有量は、0.020%以下とし、0.010%以下であるのが好ましい。しかしながら、Cの過度の低減は、精錬コストの増加に繋がるため、C含有量は、0.001%以上とする。製造コストと耐食性を考慮すると、C含有量は、0.002%以上であるのが好ましい。
Si:0.01〜1.50%
Siは、脱酸元素である他、耐食性、耐酸化性および高温強度を向上させる元素である。このため、Si含有量は、0.01%以上とする。なお、上記の耐食性を顕著に発達させるためには、Si含有量は、0.30%超であるのが好ましく、0.80%以上であるのがより好ましい。
一方、Siの1.50%超の含有により、鋼板が著しく硬質化し、鋼管加工時、曲げ性が劣化する。このため、Si含有量は1.50%以下とする。そして、鋼板製造時の靭性、および酸洗性を考慮すると、Si含有量は、1.20%以下であるのが好ましい。Si含有量は、1.00%以下であるのがより好ましい。
Mn:0.01〜1.50%
Mnは、高温において、MnCrまたはMnOを形成し、スケール密着性を向上させる。このため、Mn含有量は、0.01%以上とする。Mn含有量は0.15%超であるのが好ましく、0.20%以上がより好ましい。一方、Mnを1.50%超含有させると、耐食性が低下する他、酸化物量が増加し、異常酸化が生じ易くなる。このため、Mn含有量は、1.50%以下とする。また、鋼板製造時の靭性、および酸洗性を考慮すると、Mn含有量は、1.00%以下であるのが好ましい。さらに、鋼管溶接部の酸化物に起因する偏平割れを考慮する場合は、Mn含有量は、0.30%以下であるのがより好ましい。
P:0.010〜0.050%
Pは、Si同様、固溶強化元素であるため、材質および靭性の観点から、その含有量は少ないほどよい。このため、P含有量は、0.050%以下とする。一方、Pの過度の低減は、精錬コストの増加に繋がるため、P含有量は、0.010%以上とする。製造コストおよび耐酸化性を考慮すると、P含有量は、0.015%以上であるのが好ましい。また、P含有量は、0.030%以下であるのが好ましい。
S:0.0001〜0.010%
Sは、材質、耐食性および耐酸化性の観点から、少なければ少ないほどよい。特に、Sの過度な含有は、TiまたはMnと化合物を生成し、鋼管曲げの際に、介在物起点により割れを生じさせる。このため、S含有量は、0.010%以下とする。一方で、Sの過度の低減は、精錬コストの増加に繋がるため、S含有量は、0.0001%以上とする。さらに、製造コスト、および耐食性を考慮すると、S含有量は、0.0005%以上であるのが好ましい。また、S含有量は0.005%以下であるのが好ましい。
Cr:10.0〜25.0%
Crは、耐食性および耐孔食性といった塗装鋼板で最も重要な特性であるを確保するため必要な元素である。このため、Cr含有量は、10.0%以上とする。一方で、Crの含有が、25.0%超であると、靱性が劣化し、製造性が悪くなる。このため、Cr含有量は、25.0%以下とする。また、鋼板製造時の熱延板の靭性の観点から、Cr含有量は、18.0%以下であるのが好ましい。また、製造コストの観点からは、Cr含有量は、14.0%未満であるのが好ましい。
N:0.001〜0.030%
Nは、Cと同様に低温靭性、加工性、および耐食性を劣化させるため、その含有量は少ないほどよい。このため、N含有量は、0.030%以下とする。一方、Nの過度の低減は、精錬コストの増加に繋がる。このため、N含有量は、0.001%以上とする。製造コスト、および靭性を考慮すると、N含有量は、0.005%以上であるのが好ましく、0.008%以上がより好ましい。また、N含有量は0.020%以下であるのが好ましい。
Ti:0.01〜0.30%
Tiは、C、N、およびSと結合して耐食性、耐粒界腐食性、深絞り性を向上させる作用を有する。また、Ti窒化物はスラブ鋳造時において、結晶粒の核となることで等軸晶率を増大させる。この結果、表面凹凸の原因となる柱状晶由来の粗大組織が解消されて表面性状が改善される。このような、CおよびNと結合し、これら元素を固定化する作用は、0.01%以上で発現するため、Ti含有量は0.01%以上とする。Ti含有量は0.05%以上であってもよく、0.11%以上であってもよい。一方、Tiを0.30%超含有させると、固溶Tiにより硬質化してしまう他、靭性が劣化する。このため、Ti含有量は0.30%以下とする。製造コストなどを考慮すると、Ti含有量は0.25%以下が好ましい。
本発明は、上記各成分の他、必要に応じて以下のA群、B群、C群の成分から選択される1群以上を含有することが好ましい。なお、A群に分類される元素は、表面性状に影響を与える元素、B群に分類される元素は、耐食性を向上させる元素、C群に分類される元素は、靭性や、高温強度、耐酸化性等の高温特性を向上させる元素である。
<A群元素>
Nb:0〜0.80%
Nbは、CまたはNと結合して炭窒化物を形成する。また、Nbは鋳造時に組成的過冷却を引き起こし、スラブ中の等軸晶の発生率(以下、「等軸晶率」と記載する。)を著しく増大させる。この結果、表面凹凸の原因となる柱状晶由来の粗大組織が解消され表面性状が改善される。
また、Nbは高温域における固溶強化能、および析出強化能が高く、高温強度および熱疲労特性を向上させる。このため、Nb含有量は0%以上が好ましく、0.10%以上がより好ましい。
一方、過度なNbの含有は、鋼板製造段階における靭性を著しく劣化させる。加えて、焼鈍中に粗大な、炭窒化物またはLaves相と呼ばれる金属間化合物を析出させる。このような析出物は粒界をピン止めすることにより、再結晶を遅延させる。この結果、鋼中に未再結晶組織が残存し表面性状が劣化する恐れがある。このため、Nb含有量は、0.80%以下とする。溶接部の粒界腐食性、製造コストおよび製造性を考慮すると、Nb含有量は0.15%以上であるのが好ましく、また、0.55%以下であるのが好ましい。
ここで、TiとNbの含有量の合計は、3(C+N)未満では十分にCとNを固着できず過剰なC、Nが鋼中に固溶して硬化させるため、加工性を低下させる。このため、下記式(B)を満たすことが好ましい。
Nb+Ti≧3(C+N) ・・・ 式(B)
但し、上記式(B)式の各元素記号は、鋼板に含まれる各元素の含有量を質量%で示したものである。
なお、上記式(B)中の左辺値(NbとTiの合計量)は等軸晶率増大の効果のために、0.10%以上であるのが好ましく、0.15%以上であるのがより好ましい。また、材料の硬質化および製造コストの観点から、上記式(B)中の左辺値は1.0以下であるのが好ましい。
Sn:0〜0.500%
Snは、Nbと同様に、スラブ鋳造時に組成的過冷却を引き起こし、等軸晶率を増大させる。この結果、表面凹凸の原因となる柱状晶由来の粗大組織が解消され表面性状が改善される。Snによる組成的過冷域形成能はNbよりも高く、これらの効果はSnを0%以上、好ましくは0.01%以上含有させることにより生じる。このため、Sn含有量は0%以上が好ましく、0.01%以上がより好ましい。しかしながら、Snは、0.500%超含有させると、過度な偏析を生じさせ、鋼管溶接部の低温靭性を低下させる。このため、Sn含有量は、0.500%以下とする。高温特性、製造コストおよび靭性を考慮すると、Sn含有量は0.300%以下であるのが好ましい。
Mg:0〜0.0100%
Mgは、溶鋼中でAlと同様に、Mg酸化物を形成し、脱酸剤として作用する。また、Mgは、微細に晶出したMg酸化物が核となり、スラブの等軸晶率を増大させる。この結果、表面凹凸の原因となる柱状晶由来の粗大組織が解消され表面性状が改善される。そして、その後の工程において、NbおよびTi系微細析出物の析出を促す。具体的には、熱延工程において、前述の析出物が、微細析出すると、熱延工程および、続く熱延板の焼鈍工程において、再結晶核となる。その結果、非常に微細な再結晶組織が得られる。この再結晶組織は、靭性向上に寄与する。このため、必要に応じて含有させてもよい。
しかしながら、Mgの過度な含有は、耐酸化性の劣化、および溶接性の低下などをもたらす。このため、Mg含有量は0.0100%以下とする。一方、上記効果を得るためには、Mg含有量は、0%以上が好ましく、0.0002%以上であるのがより好ましい。精錬コストを考慮すると、Mg含有量は、0.0003%以上がより好ましく、また、0.0020%以下であるのが好ましい。
<B群元素>
Al:0〜3.0%
Alは、脱酸元素として使用される。また、Alは耐食性に加え、高温強度や耐酸化性を向上させる。更に、Alは、TiNおよびLaves相の析出サイトとなり、析出物の微細析出に寄与し、低温靭性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Alの3.0%超の含有は、伸びの低下、溶接性および表面品質の劣化をもたらす。また、粗大なAl酸化物形成により、低温靭性を低下させる。このため、Al含有量は、3.0%以下とする。一方で、上記効果を得るためには、Al含有量は、0%以上が好ましく、0.003%以上であるのがより好ましい。精錬コストを考慮すると、Al含有量は、0.01%以上であるのがより好ましく、また、0.1%以下であるのが好ましい。
Ni:0〜2.0%
Niは、靭性および耐食性を向上させる元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Niの2.0%超の含有によりオーステナイト相が生成し、成形性が低下する他、鋼管曲げ性が著しく劣化する。このため、Ni含有量は、2.0%以下とする。製造コストを考慮すると、Ni含有量は、0.5%以下であるのが好ましい。一方で、Niの靭性への寄与は、0%以上、好ましくは0.1%以上で発現するため、Ni含有量は、0%以上が好ましく、0.1%以上であるのがより好ましい。
V:0〜1.0%
Vは、CまたはNと結合して、耐食性および耐熱性を向上する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Vの1.0%超の含有により、粗大な炭窒化物が形成して靭性が低下する。このため、V含有量は、1.0%以下とする。さらに、製造コストおよび製造性を考慮すると、V含有量は、0.2%以下であるのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、V含有量は、0%以上が好ましく、0.05%以上であるのがより好ましい。
Cu:0〜2.0%
Cuは、耐食性を向上させるとともに、母相に固溶しているCuの析出、いわゆる、ε−Cuの析出によって、中温域での高温強度を向上させる元素である。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Cuの過度な含有は、鋼板の硬質化による靭性低下、および延性低下をもたらす。このため、Cu含有量は2.0%以下とする。一方、上記効果を得るためには、Cu含有量は、0%以上が好ましく、0.1%以上であるのがより好ましい。耐酸化性、および製造性を考慮すると、Cu含有量は1.5%未満であるのが好ましい。
Mo:0〜3.0%
Moは、耐食性を向上させる元素であり、特に隙間構造を有する管材等では、隙間腐食を抑制する元素である。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Moの含有量が、3.0%を超えると、著しく成形性が劣化し、製造性が悪化する。そのため、Mo含有量は、3.0%以下とする。一方、上記効果を得るためには、Mo含有量は、0%以上が好ましく、0.2%以上であるのがより好ましい。合金コスト、および生産性を考慮すると、Mo含有量は、0.4%以上であるのがより好ましく、また、2.0%以下であるのが好ましい。
Ca:0〜0.0030%
Caは、脱硫元素として有効な元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Ca含有量が、0.0030%を超えると、粗大なCaSが生成し、靭性および耐食性を劣化させる。このため、Ca含有量は、0.0030%以下とする。一方で、上記効果を得るためには、Ca含有量は、0%以上が好ましく、0.0001%以上であるのがより好ましい。なお、精錬コストおよび製造性を考慮すると、Ca含有量は、0.0003%以上であるのがより好ましく、また、0.0020%以下であることが好ましい。
Ga:0〜0.1%
Gaは、耐食性向上および水素脆化抑制のため、必要に応じて含有させる。Ga含有量は0.1%以下とする。一方、上記効果を得るためには、硫化物および水素化物の生成を鑑み、Ga含有量は0%以上が好ましく、0.0002%以上であるのがより好ましい。なお、製造コストおよび製造性、ならびに、延性および靭性の観点から、Ga含有量は、0.0005%以上であるのがより好ましく、また、0.020%以下であることが好ましい。
<C群元素>
B:0〜0.0050%
Bは、粒界に偏析することで粒界強度を向上させ、二次加工性、低温靭性を向上させる元素である。加えて、Bは中温域の高温強度を向上させる。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Bの0.0050%超の含有により、CrB等のB化合物が生成し、粒界腐食性、および疲労特性を劣化させる。このため、B含有量は、0.0050%以下とする。
一方、上記効果を得るためには、B含有量は、0%以上が好ましく、0.0002%以上であるのがより好ましい。溶接性、および製造性を考慮すると、B含有量は、0.0003%以上であるのがより好ましく、また、0.0010%以下であるのが好ましい。
W:0〜3.0%
Wは、高温強度を上げるため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Wの過度の含有は、靭性劣化および伸びの低下をもたらす。また、金属間化合物相であるLaves相の生成が増大し、{111}<112>方位の集合組織の発達を阻害し、r値を低下させる。このため、W含有量は、3.0%以下とする。製造コストおよび製造性を考慮すると、W含有量は、2.0%以下であるのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、W含有量は、0%以上が好ましく、0.1%以上であるのがより好ましい。
Zr:0〜0.30%
Zrは、耐酸化性を向上させる元素であり、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Zrの0.30%超の含有は、靭性および酸洗性などの製造性を著しく劣化させる。また、Zrと、炭素および窒素との化合物を粗大化させる。その結果、熱延焼鈍時の鋼板組織を粗粒化させ、r値を低下させる。このため、Zr含有量は、0.30%以下とする。製造コストを考慮すると、Zr含有量は、0.20%以下であるのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Zr含有量は、0%以上が好ましく、0.05%以上であるのがより好ましい。
Co:0〜0.50%
Coは、高温強度を向上させる元素であり、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、過度な含有は、靭性および加工性を劣化させる。このため、Co含有量は、0.50%以下とする。さらに、製造コストを考慮すると、Co含有量は、0.30%以下であるのが好ましい。一方で、上記効果を得るためには、Co含有量は、0%以上が好ましく、0.05%以上であるのがより好ましい。
Sb:0〜0.50%
Sbは、粒界に偏析して高温強度を上げるため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Sbは、0.50%超の含有により、過度の偏析が生じて、鋼管溶接部の低温靭性を低下させる。このため、Sb含有量は、0.50%以下とする。高温特性、製造コストおよび靭性を考慮すると、Sb含有量は、0.30%以下であるのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Sb含有量は、0%以上が好ましく、0.01%以上であるのがより好ましい。
Ta:0〜0.10%
Taは、CおよびNと結合して靭性の向上に寄与するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Taの含有量が、0.10%を超えると、製造コストが増加する他、製造性を著しく低下させる。このため、Taの含有量は、0.10%以下とする。一方、上記効果を得るためには、Ta含有量は、0.01%以上であるのが好ましい。なお、精錬コストおよび製造性を考慮すると、Taの含有量は、0%以上が好ましく、0.02%以上であることがより好ましく、また、0.08%以下であるのが好ましい。
REM:0〜0.05%
REM(希土類元素)は、種々の析出物を微細化し、靭性および耐酸化性を向上させる。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、REM含有量が、0.05%を超えると、鋳造性が著しく低下する。このため、REM含有量は、0.05%以下とする。一方、上記の効果を得るためには、REM含有量は、0%以上が好ましく、0.001%以上であるのがより好ましい。なお、精錬コストおよび製造性を考慮すると、REM含有量は、0.003%以上であることがより好ましく、また、0.01%以下であることが好ましい。
REM(希土類元素)は、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)の2元素と、周期律表におけるランタン(La)からルテチウム(Lu)までの15元素(ランタノイド)の合計17元素を指す。REMの含有量はこれらの元素の合計含有量を意味し、各元素を単独で含有してもよいし、混合して含有してもよい。
本発明の化学組成において、残部はFeおよび不純物である。ここで「不純物」とは、鋼を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板は、結晶粒度番号が6.0以上、かつJIS B 0601に定義される鋼板表面の算術平均うねりWaが0.65μm未満を満足することが好ましい。結晶粒度番号が6.0以上であれば、オレンジピールの影響を低減させ、鋼板の表面品位を高めることができる。結晶粒度番号は好ましくは7.0以上がよい。また、算術平均うねりWaが0.65μm未満であれば、塗膜表面に塗装ムラが起きることがなく、塗膜面の表面品質を高めることができる。より好ましくは、算術平均うねりWaは0〜0.15μmがよい。
結晶粒度番号は、JIS G 0551に準拠して、光学顕微鏡観察を行なうことで比較法により測定する。また、算術平均うねりWaは、鋼板の圧延方向と垂直に100mm×100mmの範囲を3次元粗さ測定器により表面プロファイルを測定して評価する。算術平均うねりWaは、JIS B0601(2013年)に準拠して測定する。
なお、本実施形態では、算術平均うねりWaの範囲の決定に際し、鋼板表面に厚み15μmの塗膜を形成した場合に塗装ムラが起きるかどうかを基準としている。塗膜の厚みを15μmとしたのは、本実施形態に係る鋼板に対して、屋外での大気腐食環境を模擬した人工海水を用いたサイクル腐食試験を実施した後の、流れ錆の程度を評価した結果、塗膜厚みが少なくとも15μm以上であれば、流れ錆の発生率が低くなることによる。
塗膜厚みの基準を15μmとした実験内容について、以下の通り説明する。
試験片として、本実施形態の化学成分を満たす各種のフェライト系ステンレス鋼板を用意した。試験片に対してカチオン電着塗装を施した後に、塩水噴霧試験に供した。カチオン電着塗装において、塗料は日本ペイント(株)製PN−110を用い、浴温28℃、塗装電圧170Vで通電し、塗膜厚みが一般部(試験片の表面のうち、試験片の端部から5mmの幅の額縁状の領域を除いた部分)において2〜100μmになるように条件選定した。焼付条件は、170℃×20分とした。塗膜厚みは電磁膜厚計を用いて1試料について5点測定し、その平均値をもって膜厚とした。
塗装後の試験片に対して、耐食性を評価することを目的として、屋外での大気腐食環境を模擬した人工海水を用いたサイクル腐食試験を実施した後の、流れ錆の程度を評価した。
以下に流れ錆程度の具体的な算出方法について述べる。供試材2枚を70mm×40mmに切断し、各端部を保護のために5mmシールして試験材とした。人工海水サイクル腐食試験の試験条件は、35℃で4時間の人工海水噴霧後、60℃で2時間乾燥した後、湿潤50℃、相対湿度90%以上で2時間保持する合計8時間の処理を1サイクルとして12サイクル実施した。このサイクル数は、SUS304で表面の点錆が無視できない程度に発現することを基準に設定した。試験材は装置内に垂直より30度傾けて設置した。
流れ錆の評価方法は、人工海水サイクル腐食試験後のサンプル表面に付着した流れ錆を評価対象とした。評価方法は、試験後のサンプル画像を取り込み、そのうち画像長さを小サンプルのシール部以外の上端から下端まで、画像幅をシール部以外の板幅として取り出し、これを画像処理により錆部分のみ二値化することで流れ錆率を導出した。流れ錆率の供試材二枚の平均値が5%以下の時、合格とした。
図1は、実験に供した種々のフェライト系ステンレス鋼板の一種について、塗膜厚さと流れ錆率との関係を示す図である。図1より、塗膜厚さが15μm以上である場合において、流れ錆が生じない耐食性に優れた塗装鋼板が得られることが分かった。
また、図2には、算術平均うねりWa(μm)と塗装ムラが生じない塗膜厚さT(μm)との関係を示す。図2には、T=100Waの直線を点線で示している。T=100Waの直線よりも塗膜厚みTが大きければ、鋼板表面のローピングなどの肌荒れに由来する塗装ムラが観察されないことが分かる。特に、算術平均うねりWaが0.65μm未満であるとともに塗膜の厚みが70μm以上であれば塗装ムラは観察されず、算術平均うねりWaが0.15μm以下であるとともに塗膜の厚みが15μm以上であれば塗装ムラは観察されないことが分かる。なお、算術平均うねりWaが0.65μm以上になると、塗膜表面が平らとなる均一な塗膜形成が困難になり、塗装ムラが生じやすくなる。よって、算術平均うねりWaは0.65μm未満がよい。
上述の実験結果より、本実施形態では結晶粒度番号が6.0以上、かつJIS B 0601に定義される鋼板表面の算術平均うねりWaが0.65μm未満であることが好ましいことが判明した。
算術平均うねりWaが0.65μm未満の鋼板を得るためには、鋳造にて生成する柱状晶を起源とする、鋼板の圧延方向に伸展した再結晶組織あるいは未再結晶組織の連続性を解消する必要がある。これらの周辺母相と変形挙動が異なる組織が存在することで、鋼板製造中に導入されるわずかな歪により鋼板表面に微細な凹凸の主要因であるローピングが生じる。同時に、結晶粒径が大きいとオレンジピールなどの影響が顕著になり鋼板の表面性状が更に劣化する。そのため、結晶粒度番号を6.0以上とすることが好ましい。これにより、表面品位に優れたステンレス鋼板が得られる。さらに好ましくは、7.0以上である。
以上より、本実施形態の塗装用フェライト系ステンレス鋼板には、塗膜の厚みTと算術平均うねりWaとの関係が下記式(C)を満足する塗膜が用いられることが好ましい。
T≧100Wa … 式(C)
上記式(C)において、Tは塗膜厚さ(μm)であって15〜100μmの範囲であり、Waは算術平均うねり(μm)である。
また、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板に、厚さ15μm以上100μm以下の塗膜を形成することによって塗装鋼板としてもよい。塗膜は、例えば、カチオン電着塗装によって形成してもよい。塗装鋼板における塗膜の厚みTとフェライト系ステンレス鋼板の算術平均うねりWaとの関係は、下記式(D)を満足していてもよい。
T≧100Wa ・・・ 式(D)
但し、上記式(D)中の各記号は以下により定義される。
T:塗膜厚さ(μm)
Wa:算術平均うねり(μm)
次に、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法について説明する。本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法は、例えば、製鋼−熱間圧延−熱延板焼鈍−酸洗−冷間圧延−焼鈍の工程を含む。この製造工程において、以下に示す条件で熱間圧延時の高温巻取り、または熱延板焼鈍のいずれか一つあるいは両方を施しつつ、焼鈍後に調質圧延(スキンパス圧延)を施すことで、上述した塗装性に優れたフェライト系ステンレス鋼板が得られる。以下において具体的な条件を記載する。
スラブ鋳造工程
製鋼においては、上述の必須元素、および必要に応じて含有される選択元素を含有する鋼を、転炉溶製し、続いて2次精錬を行う方法が好適である。続いて、溶製した溶鋼は、一般的な鋳造方法(例えば連続鋳造法)に従ってスラブとする。なお、鋳造条件は通常の連続鋳造条件に従うものとする。
熱間圧延工程
続いて、製造されたスラブを、所定の板厚になるように熱間圧延する。熱間圧延時のスラブの加熱温度が1100℃未満であると、Nbが完全に固溶せず、析出物が生成し、後の工程に悪影響を及ぼすことがある。一方、スラブの加熱温度を1250℃超とすると、スラブが、自重で高温変形するスラブ垂れが生じることがあるため好ましくない。このため、熱間圧延時のスラブの加熱温度は、1100〜1250℃とするのが好ましい。さらに、生産性および表面疵の発生を考慮すると、スラブの加熱温度は、1150〜1200℃であるのがより好ましい。なお、本発明においては、スラブの加熱温度と熱間圧延開始温度は同義である。
熱間圧延工程では、上記加熱したスラブに複数パスの粗圧延を施し、続いて複数スタンドからなる仕上圧延を一方向に施すのが好ましい。これにより、上記スラブは熱間圧延板となり、コイル状に巻き取られる。なお、仕上げ圧延の終了温度は950〜1150℃であるのが好ましく、巻取温度は巻取中の析出物生成による靱性低下を避ける関係上、Nbを含有する場合は400℃以上600℃以下の範囲であるのが好ましい。
尚、Nbを含有しないか、または熱延板焼鈍を省略する場合は、熱間圧延時での再結晶を促進させるために、巻取温度を700℃以上にすることが好ましい。しかし、過度の高温化は、結晶粒径の過剰な粗大化による熱延板靱性低下を招くため、巻取温度の上限は900℃以下であるのが好ましい。更に好ましい巻取温度は750℃以上、850℃以下である。
上記のように巻取り温度を600℃以下または700℃以上とすることで、熱間圧延板の加工組織が再結晶し、結晶方位をランダム化させることができ、リジングやローピング等の結晶方位に起因する肌荒れが軽減され、フェライト系ステンレス鋼板の表面品位が向上し、製品板の算術平均うねりWaを低減することができる。なお、高温保持を長時間化させて再結晶を促進するために、巻取したコイルを保熱カバーや加熱炉に入れてもよい。この場合、熱間圧延板に熱延板焼鈍を施さずに酸洗処理し、冷間圧延工程に冷間圧延素材として供する。これは、通常、熱間圧延板に熱延板焼鈍を施して、整粒再結晶組織を得る一般的な製造方法とは異なっている。
熱延板焼鈍酸洗工程
スラブを出発材として所定の板厚に熱延された熱間圧延板は、熱延板焼鈍を施してもよい。冷延焼鈍後に圧延方向に伸展した特定方位の結晶方位集団が解消された組織を得るためには、熱延板焼鈍において十分に再結晶を進行させる必要がある。具体的には再結晶率は50%以上であるのが望ましい。このように十分に再結晶させることで、熱間圧延板の結晶方位がランダム化させることができ、リジングやローピング等の結晶方位に起因する肌荒れが軽減され、フェライト系ステンレス鋼板の表面品位を向上させ、製品板の算術平均うねりWaを軽減することができる。再結晶組織等を考慮すると、熱延板焼鈍における加熱温度は750℃以上1100℃以下が望ましい。さらに望ましい加熱温度は、800℃以上、1000℃以下である。ただし、上述したように巻取の高温化で十分に再結晶した組織が得られる場合、この熱延板焼鈍工程は省略してもよい。巻取温度の高温化と熱延板焼鈍を組み合わせることで、より望ましい表面品位を得ることが可能となる。熱延板焼鈍を施した後は、酸洗処理をし、冷間圧延工程に冷間圧延素材として供する。
冷間圧延工程
冷間圧延工程においては、60%以上の圧下率で冷間圧延するのが好ましい。圧下率が高くなると、再結晶の駆動力となる蓄積エネルギーが増大する。その結果、圧下率の増大により再結晶粒の核生成が増大し、圧延方向に伸展した特定方位の結晶方位集団がより強く解消されやすくなる。これらの結晶方位がランダム化させることができ、リジングやローピング等の結晶方位に起因する肌荒れが軽減され、フェライト系ステンレス鋼板の表面品位を向上させ、製品板の算術平均うねりWaを軽減することができる。また、核生成を増大させるとこで、結晶粒の微細化にも繋がる。このため、冷間圧延の圧下率は、60%以上であるのが好ましい。また、冷間圧延の圧下率は、70%以上であるのがより好ましい。
冷間圧延後の焼鈍工程
冷間圧延後の焼鈍については、未再結晶組織の残存を防ぐために十分に高温で焼鈍する必要がある。しかし、焼鈍温度については、過度に高温にすると、結晶粒の粗大化を招き、結晶粒度番号が6.0以上の組織が得られなくなり、オレンジピール等の肌荒れの原因となる。このため、冷間圧延後の焼鈍温度(Tf(℃))は下記式(E)で算出される範囲の温度域で行なうことが好ましい。
850+300Nb≦Tf(℃)≦950+300Nb ・・・式(E)
但し、上記式(E)中の元素記号は当該元素の含有量を質量%で示したものである。
調質圧延(スキンパス圧延)工程
上記の焼鈍後には、調質圧延を施す。一般的に、調質圧延は鋼板の形状を矯正するために施されるが、本発明者らは、算術表面粗さ(Ra)が0.5μm以下のロールを用いて調質圧延を施すことで、それまでの工程で導入された表面凹凸が均され、算術平均うねりWaが圧延前後で60〜80%低下し、塗装性が向上する知見を得ている。この効果は伸び率を0.3%以上とすることで生じるため、調質圧延は伸び率0.3%以上とすることが望ましい。さらに望ましくは1.0%以上である。この場合、算術平均うねりWaを0.15μm以下とすることが可能である。しかし、調質圧延率が3.0%を超えると加工ひずみが過剰に導入されて成形性が劣化する恐れがある。そのため、調質圧延の伸び率は3.0%以下であることが望ましい。さらに望ましくは2.0%以下である。また、巻取温度の高温化と、熱延板焼鈍等とを組み合わせることで、より望ましい表面品位を得ることができるので、調質圧延は省略してもよい。
その他製造条件
なお、スラブ厚さ、熱延板厚などは適宜設計すればよい。また、冷間圧延においては、ロール粗度、圧延油、圧延パス回数、圧延速度、圧延温度などは適宜選択すればよい。焼鈍は、必要であれば水素ガスあるいは窒素ガスなどの無酸化雰囲気で焼鈍する、光輝焼鈍を実施してもよい。また、大気中で焼鈍を実施してもよい。さらに、焼鈍後に、形状矯正のためのテンションレベラー工程を実施してもよく、また通板しても構わない。
塗装鋼板の製造方法
上述したように、塗装鋼板として良好な耐食性を得るためには、塗装被膜を15μm以上とする必要がある。そのため、上記方法で製造された鋼板を電着塗装や粉体塗装等の方法を用い15μm以上の塗装を施され、塗装鋼板とされた後、目的の製品形状へと加工される。ただし、塗膜の厚みが100μmを超えると、塗膜自体の重量が増大してしまうので、塗膜の厚みは100μm以下とすることが好ましい。さらに望ましくは70μm以下である。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
表1A及び表1Bに示す成分組成の鋼を溶製後、スラブに鋳造し、スラブを1150℃に加熱後、仕上圧延の終了温度が950〜1150℃となる条件で5mm厚さまで熱間圧延して、表2A及び表2Bに示す巻取温度で巻取り、熱間圧延板とした。
その後、表2A及び表2Bの温度で焼鈍し、酸洗した熱延鋼板を、直径500mmのロールを用いて60%の圧下率で冷間圧延し、連続焼鈍および酸洗を施した。このようにして、得られた冷延焼鈍板に対して、ロール面の算術平均粗さRaが0.5μm以下のロールを用いて、伸び率0.3%のスキンパス圧延を施して試験材とした。
尚、表2A及び表2Bには、下記式(E1)及び式(E2)で示される冷延板焼鈍温度Tf(℃)の下限温度および上限温度を併記した。
Tf(℃)の下限(℃)=850+300Nb …式(E1)
Tf(℃)の上限(℃)=950+300Nb …式(E2)
但し、上記式(E1)、(E2)中の元素記号は当該元素の含有量を質量%で示したものである。
試験材には、15μmの厚さで塗装を施した。カチオン電着塗装において、塗料は日本ペイント(株)製PN−110を用い、浴温28℃、塗装電圧170Vで通電し、塗膜厚みが一般部(大板表面と小板表面のうち、隙間部以外の部分)において15μmになるように条件選定した。焼付条件は、170℃×20分とした。塗膜厚みは電磁膜厚計を用いて1試料について5点測定し、その平均値をもって膜厚とした。
<結晶粒度番号の測定方法>
結晶粒度番号は、JIS G 0551に準拠して、光学顕微鏡観察を行なうことで比較法により測定した。
<算術平均うねりWaの測定方法>
算術平均うねりWaは、鋼板の圧延方向と垂直に100mm×100mmの範囲を3次元粗さ測定器により表面プロファイルを測定し評価した。算術平均うねりWaは、JIS B0601に準拠して測定した。
<表面品位の評価方法>
表面品位は、塗装後の鋼板において、肉眼にてムラが確認されない場合を○、確認される場合を×として評価した。
<耐食性の評価方法>
以下に流れ錆程度の具体的な算出方法について述べる。試験片にカチオン電着塗装を施した後に塩害腐食試験に供した。供試材2枚を70mm×40mmに切断し、端部を5mmシールして試験材とした。人工海水サイクル腐食試験の試験条件は、人工海水噴霧35℃で4時間の人工海水噴霧後、乾燥60℃で2時間乾燥した後、湿潤50℃、相対湿度90%以上で2時間保持する、の合計8時間の処理を1サイクルとして12サイクル実施した。このサイクル数は、SUS304で表面の点錆が無視できない程度に発現することを基準に設定した。試験材は装置内に垂直より30度傾けて設置した。
流れ錆の評価方法は、人工海水サイクル腐食試験後のサンプル表面に付着した流れ錆を評価部分とした。その方法として、試験後のサンプル画像を取り込み、そのうち画像長さを小サンプルの下端から大サンプルの下端まで、画像幅を板幅として取り出し、これを画像処理により錆部分のみ二値化することで流れ錆率を導出した。供試材2枚を平均した流れ錆率が5%以下を合格とした。これらの評価結果を、まとめて表2A及び表2Bに示す。
表2A及び表2Bに示す符号B1〜B19は、組成が本発明で規定する範囲を満足し、加えて、製造条件が本発明における好ましい製造条件である。このため、算術平均うねりWa(表面品位)が本発明の規定範囲内となり、外観および耐食性も良好であった。
一方、本発明で規定する組成から外れる符号b1〜b7の場合、鋼板の流れ錆率が好ましい範囲外となり、耐食性が不良であった。
さらに、製造方法が、本発明の好適な範囲外である符号b8〜b10の場合、算術平均うねりWaが大きく、塗装ムラが生じる等、塗装性に劣っていた。
さらに、製造方法が、本発明の好適な範囲外である符号b11の場合、結晶粒度番号が小さく、塗装ムラが生じる等、塗装性に劣っていた。
<実施例2>
表3に、表1に記載した鋼種について、表3に示す各製造方法で製造後に15μmの厚さで塗装を施した鋼板の表面品位観察結果を示す。なお、C3のスキンパス伸び率が0.0%となっているが、この例はスキンパスを行わなかった例である。
表3に示した実施例の製造方法は、いずれも本発明の好適な範囲の製造条件とした。そして、本発明で規定する化学組成を有する鋼(表1の鋼No.A12)を用いた発明例C1〜C6は、本発明の規定を満足し、いずれも算術平均うねりWaが小さく表面品位に優れ、塗装後も塗装ムラは確認されなかった。
Figure 2020164955
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Claims (7)

  1. 化学組成が、質量%で、
    C:0.001〜0.020%、
    Si:0.01〜1.50%、
    Mn:0.01〜1.50%、
    P:0.010〜0.050%、
    S:0.0001〜0.010%、
    Cr:10.0〜25.0%、
    N:0.001〜0.030%、
    Ti:0.01〜0.30%、
    Nb:0〜0.80%、
    Sn:0〜0.500%、
    Mg:0〜0.0100%、
    Al:0〜3.0%、
    Ni:0〜2.0%、
    V:0〜1.0%、
    Cu:0〜2.0%、
    Mo:0〜3.0%、
    Ca:0〜0.0030%、
    Ga:0〜0.1%、
    B:0〜0.0050%、
    W:0〜3.0%、
    Zr:0〜0.30%、
    Co:0〜0.50%、
    Sb:0〜0.50%、
    Ta:0〜0.10%、
    REM:0〜0.05%、
    残部Feおよび不純物からなり、
    結晶粒度番号が6.0以上であり、かつ表面起伏のうち、算術平均うねりWaが0.65μm未満を満足することを特徴とする塗装用フェライト系ステンレス鋼板。
  2. 塗膜の厚みTと前記算術平均うねりWaとの関係が下記式(1)を満足する塗膜が用いられることを特徴とする請求項1に記載の塗装用フェライト系ステンレス鋼板。
    T≧100Wa … 式(1)
    上記式(1)において、Tは塗膜厚さ(μm)であって15〜100μmの範囲であり、Waは算術平均うねり(μm)である。
  3. 算術平均うねりWaが0.15μm以下を満足することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塗装用フェライト系ステンレス鋼板。
  4. 前記化学組成が、質量%で、Nb:0.10〜0.80%、Sn:0.01〜0.500%、Mg:0.0002〜0.0100%、から選択される1種または2種以上を含有する、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の塗装用フェライト系ステンレス鋼板。
  5. 前記化学組成が、質量%で、Al:0.003〜3.0%、Ni:0.1〜2.0%、V:0.05〜1.0%、Cu:0.1〜2.0%、Mo:0.2〜3.0%、Ca:0.0001〜0.0030%、Ga:0.0002〜0.1%、から選択される1種または2種以上を含有する、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の塗装用フェライト系ステンレス鋼板。
  6. 前記化学組成が、質量%で、B:0.0002〜0.0050%、W:0.1〜3.0%、Zr:0.05〜0.30%、Co:0.05〜0.50%、Sb:0.01〜0.50%、Ta:0.01〜0.10%、REM:0.001〜0.05%、から選択される1種または2種以上を含有する、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の塗装用フェライト系ステンレス鋼板。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の塗装用フェライト系ステンレス鋼板と、
    前記塗装用フェライト系ステンレス鋼板の表面に形成された厚さ15μm以上100μm以下の塗膜とを有し、
    前記塗膜の厚みTと前記塗装用フェライト系ステンレス鋼板の前記算術平均うねりWaとの関係が式(2)を満足することを特徴とする塗装鋼板。
    T≧100Wa … 式(2)
    上記式(2)において、T:塗膜厚さ(μm)であり、Wa:算術平均うねり(μm)である。
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