JP2020158879A - 溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、溶融亜鉛系めっき鋼板と硫酸亜鉛を含有する水溶液とを接触させた後、1秒未満の間に水洗を行うことが好ましい。水洗を行うまでの時間が1秒以上になると外観ムラが生じる場合がある。
冷間圧延後焼鈍した板厚0.7mmの鋼板上に、常法により、溶融亜鉛めっきを施した。次に、調質圧延を施した。亜鉛めっき量は片面あたり45g/m2に調整した。調質圧延後、表1に記載の水溶液に所定時間浸漬させた。硫酸亜鉛を含有する水溶液中のNaHF2、KHF2の濃度は0〜10.0g/Lとし、液温は60℃とした。一部は、浸漬処理後、pH10.54、温度50℃のアルカリ性溶液(ピロリン酸ナトリウム水溶液)を所定時間スプレーして鋼板表面に残存している硫酸イオンの中和処理を行い、その後50℃の温水を鋼板にスプレーした。
亜鉛系酸化物層の厚さの測定には蛍光X線分析装置を使用した。測定時の管球の電圧および電流は30kVおよび100mAとし、分光結晶はTAPに設定してO−Kα線を検出した。O−Kα線の測定に際しては、そのピーク位置に加えてバックグラウンド位置での強度も測定し、O−Kα線の正味の強度が算出できるようにした。なお、ピーク位置およびバックグラウンド位置での積分時間は、それぞれ20秒とした。また、適当な大きさに劈開した膜厚96nm、54nmおよび24nmの酸化シリコン皮膜を形成したシリコンウエハーも同時に測定し、測定したO−Kα線の強度と酸化シリコン膜厚から、亜鉛系酸化物層の厚さを算出した。
極低加速SEMを用いて、溶融亜鉛系めっき鋼板表面における35μm×45μmの視野を任意の10点を観察し、得られたSEM像について、亜鉛系酸化物が生成している部分と生成していない部分の明度差から亜鉛系酸化物が生成している部分の面積率を測定し、その平均値を亜鉛系酸化物生成面積率とした。
プレス成形性を評価するために、各供試材の摩擦係数を以下のようにして測定した。
図4は、摩擦係数測定装置を示す概略正面図である。同図に示すように、供試材から採取した摩擦係数測定用試料1が試料台2に固定され、試料台2は、水平移動可能なスライドテーブル3の上面に固定されている。スライドテーブル3の下面には、これに接したローラ4を有する上下動可能なスライドテーブル支持台5が設けられ、これを押上げることにより、ビード6による摩擦係数測定用試料1への押付荷重Nを測定するための第1ロードセル7が、スライドテーブル支持台5に取付けられている。上記押付力を作用させた状態でスライドテーブル3を水平方向へ移動させるための摺動抵抗力Fを測定するための第2ロードセル8が、スライドテーブル3の一方の端部に取付けられている。なお、潤滑油として、スギムラ化学工業(株)製の防錆洗浄油(プレトンR352L、プレトンは登録商標)を試料1の表面に塗布して試験を行った。
[条件1]
図5に示すビードを用い、押し付け荷重N:400kgf(3922N)、試料の引き抜き速度(スライドテーブル3の水平移動速度):100cm/minとした。
[条件2]
図6に示すビードを用い、押し付け荷重N:400kgf(3922N)、試料の引き抜き速度(スライドテーブル3の水平移動速度):20cm/minとした。
供試材とビードとの間の摩擦係数μは、式:μ=F/Nで算出した。
脱脂性の評価は、脱脂後の水濡れ率で評価を行った。作成した試験片に、スギムラ化学工業(株)製のプレス用洗浄油プレトンR352Lを片面2.0g/m2塗油したのち、日本パーカライジング(株)製のFC−L4460のアルカリ脱脂液を用いてサンプルの脱脂を行った。脱脂液にスギムラ化学工業(株)製のプレス用洗浄油プレトンR352Lを10g/Lを予め添加することで自動車生産ラインにおけるアルカリ脱脂液の劣化をシミュレートした。ここで、脱脂時間は60秒とし、温度は37℃とした。脱脂時は脱脂液を直径10cmのプロペラを150rpmの速度で攪拌した。脱脂完了から20秒後の試験片の水濡れ率を測定することで、脱脂性の評価を行った。
設備への腐食性促進影響を調査する目的で、各処理液中でのSUS304の孔食電位測定を行った。電位の掃引範囲は,自然浸漬電位から十1500mV(vs.SHE,掃引速度は2mV/minとした。孔食電位が認められたものを×、認められなかったものを○で表記した。
外観ムラには目視により評価した。図7に示す外観見本を基準として、評点を1〜5点を付与し評価した。なお4点以上が良好であることを示し、5点は更に良好であることを示している。
2 試料台
3 スライドテーブル
4 ローラ
5 スライドテーブル支持台
6 ビード
7 第1ロードセル
8 第2ロードセル
9 レール
N 押付荷重
F 摺動抵抗力
Claims (4)
- 表面に亜鉛系酸化物層を有する溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法であって、溶融亜鉛系めっき鋼板を、調質圧延を施した後、NaHF2、KHF2、HF、NaF、KFの中から選ばれる1種以上のフッ素化合物を、合計量で0.10g/L以上5.0g/L以下含有するpH4.2〜7.0の硫酸亜鉛を含有する水溶液に1秒以上接触させ、その後水洗を行うことを特徴とする表面に亜鉛系酸化物層を有する溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
- 溶融亜鉛系めっき鋼板を、硫酸亜鉛を含有する水溶液に接触させた後に水洗を行い、その後、前記亜鉛系酸化物層の表面を、アルカリ性水溶液に0.5秒以上接触させ、その後水洗、乾燥を行うことを特徴とする請求項1に記載の表面に亜鉛系酸化物層を有する溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
- 前記溶融亜鉛系めっき鋼板を、前記硫酸亜鉛を含有する水溶液に接触させた後、水洗を行うまでの時間が1秒未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の表面に亜鉛系酸化物層を有する溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
- 前記溶融亜鉛系めっき鋼板に対して合金化処理を施さないことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の表面に亜鉛系酸化物層を有する溶融亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
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