JP2020154205A - パターン形成方法、硬化性樹脂組成物、膜、硬化膜、積層体、及び、半導体デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】得られるパターンの破断伸びに優れるパターン形成方法、上記パターン形成方法に用いられる硬化性樹脂組成物、上記硬化性樹脂組成物より形成される膜、上記硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜、上記硬化膜を含む積層体、及び、上記硬化膜又は上記積層体を含む半導体デバイスを提供すること。【解決手段】硬化性樹脂組成物を基材上に適用して膜を形成する適用工程、及び、上記膜を加熱して硬化する加熱硬化工程を含み、上記硬化性樹脂組成物が、複素環含有ポリマー前駆体、可塑剤及び溶剤を含み、可塑剤及び溶剤の含有量が特定の値であり、加熱硬化工程における加熱温度のうち、100℃以上であり、かつ、最も長時間である温度をX、上記溶剤のうち特定の溶剤の1気圧における沸点をY、上記可塑剤の1気圧における沸点及び熱分解温度のうち低い方の温度をZとした場合に、X、Y及びZが特定の関係を満たすパターン形成方法。【選択図】なし
Description
本発明は、パターン形成方法、硬化性樹脂組成物、膜、硬化膜、積層体、及び、半導体デバイスに関する。
ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂などポリマーの前駆体(以下、ポリイミド樹脂の前駆体及びポリベンゾオキサゾール樹脂の前駆体を合わせて「複素環含有ポリマー前駆体」ともいう。)を環化して硬化した樹脂は、耐熱性及び絶縁性に優れるため、様々な用途に適用されている。上記用途としては特に限定されないが、実装用の半導体デバイスを例に挙げると、絶縁膜や封止材の材料、又は、保護膜としての利用が挙げられる。また、フレキシブル基板のベースフィルムやカバーレイなどとしても用いられている。
例えば上述した用途において、複素環含有ポリマー前駆体は、複素環含有ポリマー前駆体を含む硬化性樹脂組成物の形態で用いられる。このような硬化性樹脂組成物を、例えば塗布等により基材に適用し、その後、加熱等により上記複素環含有ポリマー前駆体を環化することにより、硬化した樹脂を基材上に形成することができる。硬化性樹脂組成物は、公知の塗布方法等により適用可能であるため、例えば、適用される硬化性樹脂組成物の形状、大きさ、適用位置等の設計の自由度が高いなど、製造上の適応性に優れるといえる。ポリイミド樹脂等がもつ高い性能に加え、このような製造上の適応性に優れる観点から、複素環含有ポリマー前駆体を含む硬化性樹脂組成物の産業上の応用展開がますます期待されている。
例えば、特許文献1には、ポリイミド前駆体、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール前駆体およびポリベンゾオキサゾールからなる樹脂の少なくとも1種と、架橋剤と、上記樹脂を25℃で5質量%以上溶解する溶剤であって、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、含硫黄化合物類、カーボネート類およびウレア類から選ばれる第1の溶剤と、上記第1の溶剤との溶解度パラメータ距離が3.0〜11.0である第2の溶剤を含む組成物が記載されている。
ポリイミド前駆体等の複素環含有ポリマー前駆体を含む硬化性樹脂組成物を用いたパターン形成方法において、得られる硬化膜のパターンの破断伸びに優れるパターン形成方法の提供が望まれている。
本発明は、得られるパターンの破断伸びに優れるパターン形成方法、上記パターン形成方法に用いられる硬化性樹脂組成物、上記硬化性樹脂組成物より形成される膜、上記硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜、上記硬化膜を含む積層体、及び、上記硬化膜又は上記積層体を含む半導体デバイスを提供することを目的とする。
本発明の代表的な実施態様の例を以下に示す。
<1> 硬化性樹脂組成物を基材上に適用して膜を形成する適用工程、及び、
上記膜を加熱して硬化する加熱硬化工程を含み、
上記硬化性樹脂組成物が、ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選択される少なくとも1種のポリマー前駆体、可塑剤、並びに、溶剤を含み、
上記可塑剤の、上記硬化性樹脂組成物の全質量に対する含有量が0質量%を超え10質量%未満であり、
上記溶剤の、上記硬化性樹脂組成物の全質量に対する含有量が10質量%以上であり、
上記加熱硬化工程における加熱温度のうち、100℃以上であり、かつ、最も長時間である温度をX℃、上記溶剤のうち最も高沸点である溶剤の1気圧における沸点をY℃、上記可塑剤の1気圧における沸点及び熱分解温度のうち低い方の温度をZ℃とした場合に、下記条件A及び下記条件Bを満たす
パターン形成方法。
条件A:X−20≦Z≦X+60
条件B:Y+1<Z
<2> 上記可塑剤が、pKaが11未満であり、かつ、共役酸のpKaが3を超える化合物である、<1>に記載のパターン形成方法。
<3> 上記可塑剤が、上記加熱硬化工程により分解しないか、又は、上記加熱硬化工程により分解し、上記分解により生じる分解物の共役酸のpKaが3を超える、<1>又は<2>に記載のパターン形成方法。
<4> 上記可塑剤が、アルキレングリコール構造、ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物に由来するエステル構造、又は、アセタール構造を含む、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<5> 上記可塑剤の分子量が、100〜600である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<6> 上記可塑剤の沸点が、上記可塑剤の熱分解温度よりも高い温度である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<7> 上記可塑剤の熱分解温度が、上記X℃よりも高い温度である、<6>に記載のパターン形成方法。
<8> 上記可塑剤の沸点が、上記可塑剤の熱分解温度以下の温度である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<9> 上記X℃が、150〜350℃である、<1>〜<8>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<10> 上記溶剤が、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン及び乳酸エチルよりなる群から選ばれた少なくとも1種を含む、<1>〜<9>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<11> 上記硬化性樹脂組成物が、光重合開始剤を更に含む、<1>〜<10>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<12> 上記硬化性樹脂組成物が、オニウム塩、及び、熱塩基発生剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種を更に含む、<1>〜<11>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<13> 適用工程において得られた膜の少なくとも一部を露光する露光工程、及び、上記露光された膜に対して現像処理を行う現像処理工程を更に含む、<1>〜<12>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<14> 現像処理後の膜の表面に金属層を形成する金属層形成工程を更に含む、<1>〜<13>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<15> 層間絶縁膜の形成に用いられるパターン形成方法である、<1>〜<14>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<16> <1>〜<15>のいずれか1つに記載のパターン形成方法における、上記硬化性樹脂組成物として用いられる硬化性樹脂組成物。
<17> <16>に記載の硬化性樹脂組成物より形成される膜。
<18> <16>に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
<19> <18>に記載の硬化膜を2層以上含み、上記硬化膜同士のいずれかの間に金属層を含む積層体。
<20> <18>に記載の硬化膜又は<19>に記載の積層体を含む、半導体デバイス。
<1> 硬化性樹脂組成物を基材上に適用して膜を形成する適用工程、及び、
上記膜を加熱して硬化する加熱硬化工程を含み、
上記硬化性樹脂組成物が、ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選択される少なくとも1種のポリマー前駆体、可塑剤、並びに、溶剤を含み、
上記可塑剤の、上記硬化性樹脂組成物の全質量に対する含有量が0質量%を超え10質量%未満であり、
上記溶剤の、上記硬化性樹脂組成物の全質量に対する含有量が10質量%以上であり、
上記加熱硬化工程における加熱温度のうち、100℃以上であり、かつ、最も長時間である温度をX℃、上記溶剤のうち最も高沸点である溶剤の1気圧における沸点をY℃、上記可塑剤の1気圧における沸点及び熱分解温度のうち低い方の温度をZ℃とした場合に、下記条件A及び下記条件Bを満たす
パターン形成方法。
条件A:X−20≦Z≦X+60
条件B:Y+1<Z
<2> 上記可塑剤が、pKaが11未満であり、かつ、共役酸のpKaが3を超える化合物である、<1>に記載のパターン形成方法。
<3> 上記可塑剤が、上記加熱硬化工程により分解しないか、又は、上記加熱硬化工程により分解し、上記分解により生じる分解物の共役酸のpKaが3を超える、<1>又は<2>に記載のパターン形成方法。
<4> 上記可塑剤が、アルキレングリコール構造、ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物に由来するエステル構造、又は、アセタール構造を含む、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<5> 上記可塑剤の分子量が、100〜600である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<6> 上記可塑剤の沸点が、上記可塑剤の熱分解温度よりも高い温度である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<7> 上記可塑剤の熱分解温度が、上記X℃よりも高い温度である、<6>に記載のパターン形成方法。
<8> 上記可塑剤の沸点が、上記可塑剤の熱分解温度以下の温度である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<9> 上記X℃が、150〜350℃である、<1>〜<8>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<10> 上記溶剤が、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン及び乳酸エチルよりなる群から選ばれた少なくとも1種を含む、<1>〜<9>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<11> 上記硬化性樹脂組成物が、光重合開始剤を更に含む、<1>〜<10>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<12> 上記硬化性樹脂組成物が、オニウム塩、及び、熱塩基発生剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種を更に含む、<1>〜<11>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<13> 適用工程において得られた膜の少なくとも一部を露光する露光工程、及び、上記露光された膜に対して現像処理を行う現像処理工程を更に含む、<1>〜<12>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<14> 現像処理後の膜の表面に金属層を形成する金属層形成工程を更に含む、<1>〜<13>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<15> 層間絶縁膜の形成に用いられるパターン形成方法である、<1>〜<14>のいずれか1つに記載のパターン形成方法。
<16> <1>〜<15>のいずれか1つに記載のパターン形成方法における、上記硬化性樹脂組成物として用いられる硬化性樹脂組成物。
<17> <16>に記載の硬化性樹脂組成物より形成される膜。
<18> <16>に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
<19> <18>に記載の硬化膜を2層以上含み、上記硬化膜同士のいずれかの間に金属層を含む積層体。
<20> <18>に記載の硬化膜又は<19>に記載の積層体を含む、半導体デバイス。
本発明によれば、得られるパターンの破断伸びに優れるパターン形成方法、上記パターン形成方法に用いられる硬化性樹脂組成物、上記硬化性樹脂組成物より形成される膜、上記硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜、上記硬化膜を含む積層体、及び、上記硬化膜又は上記積層体を含む半導体デバイスが提供される。
以下、本発明の主要な実施形態について説明する。しかしながら、本発明は、明示した実施形態に限られるものではない。
本明細書において「〜」という記号を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、その工程の所期の作用が達成できる限りにおいて、他の工程と明確に区別できない工程も含む意味である。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有しない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた露光も含む。また、露光に用いられる光としては、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線又は放射線が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方、又は、いずれかを意味し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び「メタクリル」の両方、又は、いずれかを意味し、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」及び「メタクリロイル」の両方、又は、いずれかを意味する。
本明細書において、構造式中のMeはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
本明細書において、全固形分とは、組成物の全成分から溶剤を除いた成分の総質量をいう。また本明細書において、固形分濃度とは、組成物の総質量に対する、溶剤を除く他の成分の質量百分率である。
本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に述べない限り、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC測定)に従い、ポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてガードカラムHZ−L、TSKgel Super HZM−M、TSKgel Super HZ4000、TSKgel Super HZ3000、TSKgel Super HZ2000(東ソー(株)製)を用いることによって求めることができる。それらの分子量は特に述べない限り、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いて測定したものとする。また、GPC測定における検出は特に述べない限り、UV線(紫外線)の波長254nm検出器を使用したものとする。
本明細書において、積層体を構成する各層の位置関係について、「上」又は「下」と記載したときには、注目している複数の層のうち基準となる層の上側又は下側に他の層があればよい。すなわち、基準となる層と上記他の層の間に、更に第3の層や要素が介在していてもよく、基準となる層と上記他の層は接している必要はない。また、特に断らない限り、基材に対し層が積み重なっていく方向を「上」と称し、又は、感光層がある場合には、基材から感光層へ向かう方向を「上」と称し、その反対方向を「下」と称する。なお、このような上下方向の設定は、本明細書中における便宜のためであり、実際の態様においては、本明細書における「上」方向は、鉛直上向きと異なることもありうる。
本明細書において、特段の記載がない限り、組成物は、組成物に含まれる各成分として、その成分に該当する2種以上の化合物を含んでもよい。また、特段の記載がない限り、組成物における各成分の含有量とは、その成分に該当する全ての化合物の合計含有量を意味する。
本明細書において、物性値は、特に述べない限り、温度23℃及び気圧101,325Pa(1気圧)の条件下での値である。
本明細書において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本明細書において「〜」という記号を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、その工程の所期の作用が達成できる限りにおいて、他の工程と明確に区別できない工程も含む意味である。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有しない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた露光も含む。また、露光に用いられる光としては、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線又は放射線が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方、又は、いずれかを意味し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び「メタクリル」の両方、又は、いずれかを意味し、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」及び「メタクリロイル」の両方、又は、いずれかを意味する。
本明細書において、構造式中のMeはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
本明細書において、全固形分とは、組成物の全成分から溶剤を除いた成分の総質量をいう。また本明細書において、固形分濃度とは、組成物の総質量に対する、溶剤を除く他の成分の質量百分率である。
本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に述べない限り、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC測定)に従い、ポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてガードカラムHZ−L、TSKgel Super HZM−M、TSKgel Super HZ4000、TSKgel Super HZ3000、TSKgel Super HZ2000(東ソー(株)製)を用いることによって求めることができる。それらの分子量は特に述べない限り、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いて測定したものとする。また、GPC測定における検出は特に述べない限り、UV線(紫外線)の波長254nm検出器を使用したものとする。
本明細書において、積層体を構成する各層の位置関係について、「上」又は「下」と記載したときには、注目している複数の層のうち基準となる層の上側又は下側に他の層があればよい。すなわち、基準となる層と上記他の層の間に、更に第3の層や要素が介在していてもよく、基準となる層と上記他の層は接している必要はない。また、特に断らない限り、基材に対し層が積み重なっていく方向を「上」と称し、又は、感光層がある場合には、基材から感光層へ向かう方向を「上」と称し、その反対方向を「下」と称する。なお、このような上下方向の設定は、本明細書中における便宜のためであり、実際の態様においては、本明細書における「上」方向は、鉛直上向きと異なることもありうる。
本明細書において、特段の記載がない限り、組成物は、組成物に含まれる各成分として、その成分に該当する2種以上の化合物を含んでもよい。また、特段の記載がない限り、組成物における各成分の含有量とは、その成分に該当する全ての化合物の合計含有量を意味する。
本明細書において、物性値は、特に述べない限り、温度23℃及び気圧101,325Pa(1気圧)の条件下での値である。
本明細書において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
(パターン形成方法)
本発明のパターン形成方法は、硬化性樹脂組成物を基材上に適用して膜を形成する適用工程、及び、上記膜を加熱して硬化する加熱硬化工程を含み、上記硬化性樹脂組成物が、ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選択される少なくとも1種のポリマー前駆体(複素環含有ポリマー前駆体)、可塑剤、並びに、溶剤を含み、上記可塑剤の、上記硬化性樹脂組成物の全質量に対する含有量が0質量%を超え10質量%未満であり、上記溶剤の、上記硬化性樹脂組成物の全質量に対する含有量が10質量%以上であり、上記加熱硬化工程における加熱温度のうち、100℃以上であり、かつ、最も長時間である温度をX℃、上記溶剤のうち最も高沸点である溶剤の1気圧における沸点をY℃、上記可塑剤の1気圧における沸点及び熱分解温度のうち低い方の温度をZ℃とした場合に、下記条件A及び下記条件Bを満たす。
条件A:X−20≦Z≦X+60
条件B:Y+1<Z
本発明のパターン形成方法は、硬化性樹脂組成物を基材上に適用して膜を形成する適用工程、及び、上記膜を加熱して硬化する加熱硬化工程を含み、上記硬化性樹脂組成物が、ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選択される少なくとも1種のポリマー前駆体(複素環含有ポリマー前駆体)、可塑剤、並びに、溶剤を含み、上記可塑剤の、上記硬化性樹脂組成物の全質量に対する含有量が0質量%を超え10質量%未満であり、上記溶剤の、上記硬化性樹脂組成物の全質量に対する含有量が10質量%以上であり、上記加熱硬化工程における加熱温度のうち、100℃以上であり、かつ、最も長時間である温度をX℃、上記溶剤のうち最も高沸点である溶剤の1気圧における沸点をY℃、上記可塑剤の1気圧における沸点及び熱分解温度のうち低い方の温度をZ℃とした場合に、下記条件A及び下記条件Bを満たす。
条件A:X−20≦Z≦X+60
条件B:Y+1<Z
本発明において、パターンとは、上記加熱硬化工程後に得られる硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜により形成されるパターンをいい、孔状のパターンであっても、ラインアンドスペース状のパターンであっても、ドット状のパターンであっても、その他の形状を有するパターンであっても、これらの組み合わせによるパターンであってもよい。また、パターンは平面上に形成された1層のパターンであってもよいし、1層又は2層以上の硬化膜と、0層又は1層以上の他の層と、の合計2層以上が積層されたパターンであってもよい。また、本発明のパターン形成方法は、上記パターンが形成される方法であればよい。
本発明のパターン形成方法により得られるパターンは、破断伸びに優れる。
上記効果が得られるメカニズムは不明であるが、下記のように推測される。
本発明において用いられる硬化性樹脂組成物は可塑剤を含む。そのため、適用工程において形成される膜にも可塑剤が含まれる。このような膜を加熱硬化工程に供した場合、可塑剤の働きにより膜が可塑化しているため、複素環含有ポリマー前駆体の環化が進行しやすくなり、破断伸びに優れた硬化膜のパターンが得られると考えられる。
更に、上記X℃、上記Y℃、及び、上記Z℃が、上述の条件A及び条件Bを満たすことにより、加熱硬化工程開始時には膜中に可塑剤が存在し、かつ、加熱硬化工程後には膜中に可塑剤が残存しにくいため、得られるパターンにおける破断伸びが向上しやすいと考えられる。
また、複素環含有ポリマー前駆体を含む硬化性樹脂組成物を用いたパターンの形成方法においては、例えば、硬化膜上に更に硬化性樹脂組成物を適用、硬化して積層体を作製する場合等に、すでに形成された硬化膜が現像液又は他の組成物に接する場合がある。そのため、硬化性樹脂組成物において、例えば、現像液への耐性又は他の組成物との接触による溶解の抑制等の観点から、得られるパターンの耐薬品性に優れるパターン形成方法の提供が望まれている。
本発明のパターン形成方法においては、上述のように環化が進行しやすいと考えられるため、耐薬品性に優れたパターンが得られやすいと考えられる。
本発明のパターン形成方法により得られるパターンは、破断伸びに優れる。
上記効果が得られるメカニズムは不明であるが、下記のように推測される。
本発明において用いられる硬化性樹脂組成物は可塑剤を含む。そのため、適用工程において形成される膜にも可塑剤が含まれる。このような膜を加熱硬化工程に供した場合、可塑剤の働きにより膜が可塑化しているため、複素環含有ポリマー前駆体の環化が進行しやすくなり、破断伸びに優れた硬化膜のパターンが得られると考えられる。
更に、上記X℃、上記Y℃、及び、上記Z℃が、上述の条件A及び条件Bを満たすことにより、加熱硬化工程開始時には膜中に可塑剤が存在し、かつ、加熱硬化工程後には膜中に可塑剤が残存しにくいため、得られるパターンにおける破断伸びが向上しやすいと考えられる。
また、複素環含有ポリマー前駆体を含む硬化性樹脂組成物を用いたパターンの形成方法においては、例えば、硬化膜上に更に硬化性樹脂組成物を適用、硬化して積層体を作製する場合等に、すでに形成された硬化膜が現像液又は他の組成物に接する場合がある。そのため、硬化性樹脂組成物において、例えば、現像液への耐性又は他の組成物との接触による溶解の抑制等の観点から、得られるパターンの耐薬品性に優れるパターン形成方法の提供が望まれている。
本発明のパターン形成方法においては、上述のように環化が進行しやすいと考えられるため、耐薬品性に優れたパターンが得られやすいと考えられる。
ここで、特許文献1には、上記可塑剤を含む硬化性樹脂組成物を用いること、及び、上記X℃、上記Y℃及び上記X℃を、上記条件A及び条件Bを満たす温度とすることについては記載も示唆もない。
以下、本発明のパターン形成方法に含まれる工程の詳細について説明する。
以下、本発明のパターン形成方法に含まれる工程の詳細について説明する。
<適用工程>
本発明のパターン形成方法は、硬化性樹脂組成物を基材上に適用して膜を形成する適用工程を含む。
本発明のパターン形成方法は、硬化性樹脂組成物を基材上に適用して膜を形成する適用工程を含む。
〔基材〕
基材の種類は、用途に応じて適宜定めることができるが、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンなどの半導体作製基材、石英、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基材、紙、SOG(Spin On Glass)、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ基材、プラズマディスプレイパネル(PDP)の電極板など特に制約されない。本発明では、特に、半導体作製基材が好ましく、シリコン基材がより好ましい。
また、基材としては、例えば板状の基材(基板)が用いられる。
また、樹脂層の表面や金属層の表面に膜を形成する場合は、樹脂層や金属層が基材となる。
基材の種類は、用途に応じて適宜定めることができるが、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンなどの半導体作製基材、石英、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基材、紙、SOG(Spin On Glass)、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ基材、プラズマディスプレイパネル(PDP)の電極板など特に制約されない。本発明では、特に、半導体作製基材が好ましく、シリコン基材がより好ましい。
また、基材としては、例えば板状の基材(基板)が用いられる。
また、樹脂層の表面や金属層の表面に膜を形成する場合は、樹脂層や金属層が基材となる。
〔適用手段〕
硬化性樹脂組成物を基材に適用する手段としては、塗布が好ましい。
具体的には、適用する手段としては、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スプレーコート法、スピンコート法、スリットコート法、及びインクジェット法などが例示される。硬化性樹脂組成物層の厚さの均一性の観点から、より好ましくはスピンコート法、スリットコート法、スプレーコート法、インクジェット法である。方法に応じて適切な固形分濃度や塗布条件を調整することで、所望の厚さの樹脂層を得ることができる。また、基材の形状によっても塗布方法を適宜選択でき、ウェハ等の円形基材であればスピンコート法やスプレーコート法、インクジェット法等が好ましく、矩形基材であればスリットコート法やスプレーコート法、インクジェット法等が好ましい。スピンコート法の場合は、例えば、500〜2,000rpmの回転数で、10秒〜1分程度適用することができる。
また、あらかじめ仮支持体上に上記付与方法によって付与して形成した塗膜を、基材上に転写する方法を適用することもできる。
転写方法に関しては特開2006−023696号公報の段落0023、0036〜0051や、特開2006−047592号公報の段落0096〜0108に記載の作製方法を本発明においても好適に用いることができる。
硬化性樹脂組成物を基材に適用する手段としては、塗布が好ましい。
具体的には、適用する手段としては、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スプレーコート法、スピンコート法、スリットコート法、及びインクジェット法などが例示される。硬化性樹脂組成物層の厚さの均一性の観点から、より好ましくはスピンコート法、スリットコート法、スプレーコート法、インクジェット法である。方法に応じて適切な固形分濃度や塗布条件を調整することで、所望の厚さの樹脂層を得ることができる。また、基材の形状によっても塗布方法を適宜選択でき、ウェハ等の円形基材であればスピンコート法やスプレーコート法、インクジェット法等が好ましく、矩形基材であればスリットコート法やスプレーコート法、インクジェット法等が好ましい。スピンコート法の場合は、例えば、500〜2,000rpmの回転数で、10秒〜1分程度適用することができる。
また、あらかじめ仮支持体上に上記付与方法によって付与して形成した塗膜を、基材上に転写する方法を適用することもできる。
転写方法に関しては特開2006−023696号公報の段落0023、0036〜0051や、特開2006−047592号公報の段落0096〜0108に記載の作製方法を本発明においても好適に用いることができる。
パターン形成方法によるパターンは、上記適用手段のいずれかにより、硬化性樹脂組成物を基材の少なくとも一部に適用することにより形成されてもよいし、硬化性樹脂組成物を基材に付与した後に、後述する露光工程及び現像処理工程を行うことにより形成されてもよい。
〔乾燥〕
適用工程において、溶剤の少なくとも一部を除去する乾燥処理を含んでいてもよい。好ましい乾燥温度は50〜150℃で、70℃〜130℃がより好ましく、90℃〜110℃が更に好ましい。乾燥時間としては、30秒〜20分が例示され、1分〜10分が好ましく、3分〜7分がより好ましい。
適用工程において、溶剤の少なくとも一部を除去する乾燥処理を含んでいてもよい。好ましい乾燥温度は50〜150℃で、70℃〜130℃がより好ましく、90℃〜110℃が更に好ましい。乾燥時間としては、30秒〜20分が例示され、1分〜10分が好ましく、3分〜7分がより好ましい。
〔膜厚〕
適用工程により得られる膜の厚さ(膜厚)は、特に限定されないが、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。また、上記膜厚は、100μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。
上記膜厚は、最終的に得たいパターンの膜厚を考慮して、適宜設定すればよい。
適用工程により得られる膜の厚さ(膜厚)は、特に限定されないが、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。また、上記膜厚は、100μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。
上記膜厚は、最終的に得たいパターンの膜厚を考慮して、適宜設定すればよい。
〔硬化性樹脂組成物〕
適用工程において用いられる硬化性樹脂組成物は、複素環含有ポリマー前駆体、可塑剤、及び、溶剤を含む。
以下、可塑剤及び溶剤についての説明を記載し、硬化性樹脂組成物に含まれる、複素環含有ポリマー前駆体、及び、その他の化合物については後述する。
適用工程において用いられる硬化性樹脂組成物は、複素環含有ポリマー前駆体、可塑剤、及び、溶剤を含む。
以下、可塑剤及び溶剤についての説明を記載し、硬化性樹脂組成物に含まれる、複素環含有ポリマー前駆体、及び、その他の化合物については後述する。
−可塑剤−
硬化性樹脂組成物は可塑剤を含む。
硬化性樹脂組成物は可塑剤を含む。
<<含有量>>
上記可塑剤の含有量は、上記硬化性樹脂組成物の全固形分質量に対し、0質量%を超え20質量%未満であり、2質量以上15質量%未満であることが好ましく、4質量%以上10質量%未満であることがより好ましい。
更に、上記可塑剤の含有量は、適用工程において形成された膜の全質量に対し、0〜20質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましい。
可塑剤は1種のみを含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
上記可塑剤の含有量は、加熱硬化工程において形成された硬化膜(パターン)の全質量に対し、0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%であることがより好ましい。
上記可塑剤の含有量は、上記硬化性樹脂組成物の全固形分質量に対し、0質量%を超え20質量%未満であり、2質量以上15質量%未満であることが好ましく、4質量%以上10質量%未満であることがより好ましい。
更に、上記可塑剤の含有量は、適用工程において形成された膜の全質量に対し、0〜20質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましい。
可塑剤は1種のみを含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
上記可塑剤の含有量は、加熱硬化工程において形成された硬化膜(パターン)の全質量に対し、0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%であることがより好ましい。
<<沸点及び熱分解温度>>
上記可塑剤の、1気圧における沸点及び熱分解温度のうち低い方の温度(Z℃)は、150〜300℃であることが好ましく、200〜250℃であることが更に好ましい。
上記可塑剤の沸点は公知の技術を用いて測定され、特に限定されないが、例えば、沸騰時の温度を測定することにより測定される。
上記熱分解温度は、可塑剤を耐圧カプセル中に入れ、上記耐圧カプセルを5℃/分で加熱し、示差走査熱量測定を行うことにより、最も温度が低い発熱ピークのピーク温度として測定することができる。上記加熱を、例えば可塑剤の上記沸点である温度まで行い、発熱ピークが認められない場合、熱分解温度は沸点よりも低いと考えられる。
上記可塑剤の、1気圧における沸点及び熱分解温度のうち低い方の温度(Z℃)は、150〜300℃であることが好ましく、200〜250℃であることが更に好ましい。
上記可塑剤の沸点は公知の技術を用いて測定され、特に限定されないが、例えば、沸騰時の温度を測定することにより測定される。
上記熱分解温度は、可塑剤を耐圧カプセル中に入れ、上記耐圧カプセルを5℃/分で加熱し、示差走査熱量測定を行うことにより、最も温度が低い発熱ピークのピーク温度として測定することができる。上記加熱を、例えば可塑剤の上記沸点である温度まで行い、発熱ピークが認められない場合、熱分解温度は沸点よりも低いと考えられる。
可塑効果を十分に発揮する観点からは、上記可塑剤の沸点が、上記可塑剤の熱分解温度よりも高い温度であることが好ましい。
また、上記可塑剤の沸点が、上記可塑剤の熱分解温度よりも高い温度である場合、上記可塑剤の熱分解温度は、上記X℃よりも高い温度であることが好ましく、上記X℃よりも20℃高い温度であることがより好ましく、上記X℃よりも10℃高い温度であることが更に好ましい。
可塑効果を十分に発揮する観点からは、上記可塑剤の沸点が、上記可塑剤の熱分解温度以下の温度であることが好ましい。
また、上記可塑剤の沸点が、上記可塑剤の熱分解温度よりも高い温度である場合、上記可塑剤の熱分解温度は、上記X℃よりも高い温度であることが好ましく、上記X℃よりも20℃高い温度であることがより好ましく、上記X℃よりも10℃高い温度であることが更に好ましい。
可塑効果を十分に発揮する観点からは、上記可塑剤の沸点が、上記可塑剤の熱分解温度以下の温度であることが好ましい。
破断伸び、硬化性樹脂組成物の保存安定性、及び現像性の観点から、上記可塑剤のpKaは11以上であり、かつ、上記可塑剤の共役酸のpKaは3未満であることが好ましい。
上記可塑剤のpKaは、13以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましい。
また、上記可塑剤の共役酸のpKaは、2以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。
可塑剤のpKaが複数存在する場合、全てのpKaが上記範囲内であることがより好ましい。
また、可塑剤の共役酸のpKaが複数存在する場合、全ての可塑剤の共役酸のpKaが上記範囲内であることがより好ましい。
上記可塑剤のpKa及び可塑剤の共役酸のpKaとしては、Determination of Organic Structures by Physical Methods(著者:Brown, H. C., McDaniel, D. H., Hafliger, O., Nachod, F. C.; 編纂:Braude, E. A., Nachod, F. C.; Academic Press, New York, 1955)や、Data for Biochemical Research(著者:Dawson, R.M.C.et al; Oxford, Clarendon Press, 1959)に記載の値を参照することができる。これらの文献に記載の無い化合物については、ACD/pKa(ACD/Labs製)のソフトを用いて構造式より算出した値を用いることとする。
上記可塑剤のpKaは、13以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましい。
また、上記可塑剤の共役酸のpKaは、2以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。
可塑剤のpKaが複数存在する場合、全てのpKaが上記範囲内であることがより好ましい。
また、可塑剤の共役酸のpKaが複数存在する場合、全ての可塑剤の共役酸のpKaが上記範囲内であることがより好ましい。
上記可塑剤のpKa及び可塑剤の共役酸のpKaとしては、Determination of Organic Structures by Physical Methods(著者:Brown, H. C., McDaniel, D. H., Hafliger, O., Nachod, F. C.; 編纂:Braude, E. A., Nachod, F. C.; Academic Press, New York, 1955)や、Data for Biochemical Research(著者:Dawson, R.M.C.et al; Oxford, Clarendon Press, 1959)に記載の値を参照することができる。これらの文献に記載の無い化合物については、ACD/pKa(ACD/Labs製)のソフトを用いて構造式より算出した値を用いることとする。
破断伸び、硬化性樹脂組成物の保存安定性、及び現像性の観点から、上記可塑剤は、上記加熱硬化工程により分解しないか、又は、上記加熱硬化工程により分解し、上記分解により生じる分解物の共役酸のpKaが3未満である化合物であることが好ましい。
上記分解物のpKaは、13以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましい。
また、上記分解物の共役酸のpKaは、2以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。
上記分解物のpKaは、上記可塑剤のpKaと同様に、文献に記載の値を参照するか、又は、構造式から算出することができる。
上記分解物のpKaは、13以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましい。
また、上記分解物の共役酸のpKaは、2以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。
上記分解物のpKaは、上記可塑剤のpKaと同様に、文献に記載の値を参照するか、又は、構造式から算出することができる。
<<構造>>
可塑剤は、アルキレングリコール構造、ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物に由来するエステル構造、又は、アセタール構造を含むことが好ましい。
可塑剤がアルキレングリコール構造又はヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物に由来するエステル構造を含む場合、可塑剤は、沸点が熱分解温度以下の温度である化合物であることが好ましい。
また、可塑剤がアセタール構造を含む場合、可塑剤は、沸点が熱分解温度よりも高い温度である化合物であることが好ましい。
可塑剤は、アルキレングリコール構造、ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物に由来するエステル構造、又は、アセタール構造を含むことが好ましい。
可塑剤がアルキレングリコール構造又はヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物に由来するエステル構造を含む場合、可塑剤は、沸点が熱分解温度以下の温度である化合物であることが好ましい。
また、可塑剤がアセタール構造を含む場合、可塑剤は、沸点が熱分解温度よりも高い温度である化合物であることが好ましい。
〔〔アルキレングリコール構造を含む可塑剤〕〕
可塑剤は、アルキレングリコール構造を含むことが好ましい。
可塑剤に含まれるアルキレングリコール構造としては、複数のアルキレングリコールが結合したポリアルキレングリコール構造(例えば、ジエチレングリコール構造、トリプロピレングリコール構造等)であってもよい。
以下、アルキレングリコール構造及びポリアルキレングリコール構造を合わせて(ポリ)アルキレングリコール構造ともいう。
(ポリ)アルキレングリコールは、アルキレン基の炭素数が2〜10の(ポリ)アルキレングリコール構造が好ましく、炭素数が2〜6の(ポリ)アルキレングリコール構造がより好ましく、エチレングリコール構造、プロピレングリコール構造、ポリエチレングリコール構造、ポリプロピレングリコール構造、ブチレングリコール構造、ペンテングリコール構造、ヘキセングリコール構造等が挙げられる。
可塑剤は、アルキレングリコール構造を含むことが好ましい。
可塑剤に含まれるアルキレングリコール構造としては、複数のアルキレングリコールが結合したポリアルキレングリコール構造(例えば、ジエチレングリコール構造、トリプロピレングリコール構造等)であってもよい。
以下、アルキレングリコール構造及びポリアルキレングリコール構造を合わせて(ポリ)アルキレングリコール構造ともいう。
(ポリ)アルキレングリコールは、アルキレン基の炭素数が2〜10の(ポリ)アルキレングリコール構造が好ましく、炭素数が2〜6の(ポリ)アルキレングリコール構造がより好ましく、エチレングリコール構造、プロピレングリコール構造、ポリエチレングリコール構造、ポリプロピレングリコール構造、ブチレングリコール構造、ペンテングリコール構造、ヘキセングリコール構造等が挙げられる。
アルキレングリコール構造を含む可塑剤は、(ポリ)アルキレングリコール、(ポリ)アルキレングリコールジアセテート、又は、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートであることが好ましく、(ポリ)アルキレングリコールジアセテート、又は、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートがより好ましい。
(ポリ)アルキレングリコールとは、アルキレングリコール又はポリアルキレングリコールを表す。
(ポリ)アルキレングリコールジアセテートとは、アルキレングリコールジアセテート又はポリアルキレングリコールジアセテートを表す。
(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとは、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート又はポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートを表す。
(ポリ)アルキレングリコールとは、アルキレングリコール又はポリアルキレングリコールを表す。
(ポリ)アルキレングリコールジアセテートとは、アルキレングリコールジアセテート又はポリアルキレングリコールジアセテートを表す。
(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとは、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート又はポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートを表す。
アルキレングリコール構造を含む可塑剤としては、下記式(AG−1)により表される化合物が好ましく挙げられる。
式(AG−1)中、RA1及びRA2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアシル基を表し、LA1はアルキレン基を表し、nは1以上の整数を表す。
式(AG−1)中、RA1及びRA2はそれぞれ独立に、アルキル基又はアシル基を表すことが好ましく、RA1及びRA2の一方がアルキル基を表し、別の一方がアシル基を表すか、RA1及びRA2のいずれもがアシル基を表すことがより好ましい。
本明細書において、特段の記載がない限り、アルキル基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、環構造を有していてもよい。
RA1及びRA2におけるアシル基としては、アルキルカルボニル基又はアリールカルボニル基が好ましく、炭素数2〜12のアルキルカルボニル基又は炭素数7〜20のアリールカルボニル基がより好ましく、炭素数2〜12のアルキルカルボニル基が更に好ましく、アセチル基が特に好ましい。
RA1及びRA2におけるアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
式(AG−1)中、LA1は炭素数2〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜6のアルキレン基がより好ましい。
LA1は、例えば、下記式により表されるアルキレン基であることが好ましい。
下記式中、*はそれぞれ独立に、酸素原子との結合部位を表す。
式(AG−1)中、nは1〜10が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3が更に好ましい。
また、nが2以上の場合、2以上のLA1は同一であっても異なっていてもよい。
式(AG−1)における合計炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。
また、(AG−1)におけるn個の−O−LA1−で表される構造における合計炭素数は、4〜1であることが好ましく、3〜2であることがより好ましい。
本明細書において、特段の記載がない限り、アルキル基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、環構造を有していてもよい。
RA1及びRA2におけるアシル基としては、アルキルカルボニル基又はアリールカルボニル基が好ましく、炭素数2〜12のアルキルカルボニル基又は炭素数7〜20のアリールカルボニル基がより好ましく、炭素数2〜12のアルキルカルボニル基が更に好ましく、アセチル基が特に好ましい。
RA1及びRA2におけるアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
式(AG−1)中、LA1は炭素数2〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜6のアルキレン基がより好ましい。
LA1は、例えば、下記式により表されるアルキレン基であることが好ましい。
下記式中、*はそれぞれ独立に、酸素原子との結合部位を表す。
また、nが2以上の場合、2以上のLA1は同一であっても異なっていてもよい。
式(AG−1)における合計炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。
また、(AG−1)におけるn個の−O−LA1−で表される構造における合計炭素数は、4〜1であることが好ましく、3〜2であることがより好ましい。
〔〔ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物に由来するエステル構造を含む可塑剤〕〕
可塑剤は、ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物に由来するエステル構造を含むことが好ましい。
上記ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物に由来するエステル構造とは、上記炭化水素構造におけるヒドロキシ基と、オキソ酸と、により形成されたエステル構造をいい、上記ヒドロキシ基と、オキソ酸である有機酸と、により形成されたエステル構造であることが好ましく、上記ヒドロキシ基と、有機カルボン酸と、により形成されたエステル構造であることがより好ましい。
上記ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物は、置換基としてヒドロキシ基を3以上有する脂肪族炭化水素化合物であることが好ましい。
上記ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物におけるヒドロキシ基の数は、3〜10であることが好ましく、3〜6であることがより好ましく、3であることがさらに好ましい。
ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物に由来するエステル構造におけるエステル構造は、カルボキシエステル構造であることが好ましい。
具体的には、ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物におけるヒドロキシ基のうち、少なくとも1つがカルボキシエステル構造を形成している化合物が挙げられる。
上記ヒドロキシ基のうち、2以上がカルボキシエステル構造を形成していることが好ましく、3以上がカルボキシエステル構造を形成していることがより好ましい。
ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物に由来するエステル構造としては、グリセリンエステル構造が好ましい。
グリセリンエステル構造を含む可塑剤としては、グリセリンモノエステル化合物、グリセリンジエステル化合物、グリセリントリエステル化合物が挙げられ、グリセリントリエステル化合物が好ましい。
また、グリセリンエステル構造を含む可塑剤におけるエステル構造は、カルボキシエステル構造であることが好ましい。
可塑剤は、ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物に由来するエステル構造を含むことが好ましい。
上記ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物に由来するエステル構造とは、上記炭化水素構造におけるヒドロキシ基と、オキソ酸と、により形成されたエステル構造をいい、上記ヒドロキシ基と、オキソ酸である有機酸と、により形成されたエステル構造であることが好ましく、上記ヒドロキシ基と、有機カルボン酸と、により形成されたエステル構造であることがより好ましい。
上記ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物は、置換基としてヒドロキシ基を3以上有する脂肪族炭化水素化合物であることが好ましい。
上記ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物におけるヒドロキシ基の数は、3〜10であることが好ましく、3〜6であることがより好ましく、3であることがさらに好ましい。
ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物に由来するエステル構造におけるエステル構造は、カルボキシエステル構造であることが好ましい。
具体的には、ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物におけるヒドロキシ基のうち、少なくとも1つがカルボキシエステル構造を形成している化合物が挙げられる。
上記ヒドロキシ基のうち、2以上がカルボキシエステル構造を形成していることが好ましく、3以上がカルボキシエステル構造を形成していることがより好ましい。
ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物に由来するエステル構造としては、グリセリンエステル構造が好ましい。
グリセリンエステル構造を含む可塑剤としては、グリセリンモノエステル化合物、グリセリンジエステル化合物、グリセリントリエステル化合物が挙げられ、グリセリントリエステル化合物が好ましい。
また、グリセリンエステル構造を含む可塑剤におけるエステル構造は、カルボキシエステル構造であることが好ましい。
グリセリンエステル構造を含む可塑剤としては、下記式(PG−1)により表される化合物が好ましく挙げられる。
式(PG−1)中、RP1、RP2及びRP3はそれぞれ独立に、水素原子、置換基又はアシル基を表し、RP1、RP2及びRP3のうち少なくとも1つはアシル基を表す。
RP1、RP2及びRP3のうち、少なくとも2つがアシル基であることが好ましく、3つともがアシル基であることがより好ましい。
また、RP1、RP2及びRP3におけるアシル基としては、アルキルカルボニル基が好ましく、炭素数2〜4のアルキルカルボニル基がより好ましく、アセチル基が更に好ましい。
RP1、RP2及びRP3における置換基としては、アルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
RP1、RP2及びRP3のうち、少なくとも2つがアシル基であることが好ましく、3つともがアシル基であることがより好ましい。
また、RP1、RP2及びRP3におけるアシル基としては、アルキルカルボニル基が好ましく、炭素数2〜4のアルキルカルボニル基がより好ましく、アセチル基が更に好ましい。
RP1、RP2及びRP3における置換基としては、アルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
〔〔アセタール構造を含む可塑剤〕〕
可塑剤は、アセタール構造を含むことが好ましい。
可塑剤がアセタール構造を有する場合、温度Z℃を上述の範囲内とする観点からは、可塑剤は、アセタール構造及び分岐アルキル基を有する化合物、又は、アセタール構造及び環状アルキル基を有する化合物であることが好ましい。
上記分岐アルキル基としては、第4級炭素原子を含むアルキル基が好ましく、t−ブチル基がより好ましい。
上記環状アルキル基としては、シクロヘキシル基等の単環アルキル基、デカヒドロナフチル基、ジシクロペンタニル基、イソボルニル基、アダマンチル基等の縮合環又は架橋環アルキル基が挙げられ、アダマンチル基がより好ましい。
可塑剤は、アセタール構造を含むことが好ましい。
可塑剤がアセタール構造を有する場合、温度Z℃を上述の範囲内とする観点からは、可塑剤は、アセタール構造及び分岐アルキル基を有する化合物、又は、アセタール構造及び環状アルキル基を有する化合物であることが好ましい。
上記分岐アルキル基としては、第4級炭素原子を含むアルキル基が好ましく、t−ブチル基がより好ましい。
上記環状アルキル基としては、シクロヘキシル基等の単環アルキル基、デカヒドロナフチル基、ジシクロペンタニル基、イソボルニル基、アダマンチル基等の縮合環又は架橋環アルキル基が挙げられ、アダマンチル基がより好ましい。
アセタール構造を含む可塑剤としては、下記式(AC−1)により表される化合物が好ましく挙げられる。
式(AC−1)中、RC1、RC2、RC3及びRC4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を表し、RC1及びRC2の少なくとも一方は炭化水素基を表し、RC1、RC2、RC3及びRC4のうち少なくとも2つが結合して環構造を形成してもよい。
RC1及びRC2のうち、一方が炭化水素基であり、他方が水素原子であることが好ましい。
RC1及びRC2における炭化水素基は、分岐アルキル基又は環状アルキル基が好ましい。
上記分岐アルキル基としては、第4級炭素原子を含むアルキル基が好ましく、t−ブチル基がより好ましい。
上記環状アルキル基としては、シクロヘキシル基等の単環アルキル基、デカヒドロナフチル基、ジシクロペンタニル基、イソボルニル基、アダマンチル基等の縮合環又は架橋環アルキル基が挙げられ、アダマンチル基がより好ましい。
RC3及びRC4はそれぞれ独立に、炭化水素基であることが好ましい。
RC3及びRC4は異なる基であってもよいが、同一の基であることが好ましい。
RC3及びRC4における炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。
RC1及びRC2のうち、一方が炭化水素基であり、他方が水素原子であることが好ましい。
RC1及びRC2における炭化水素基は、分岐アルキル基又は環状アルキル基が好ましい。
上記分岐アルキル基としては、第4級炭素原子を含むアルキル基が好ましく、t−ブチル基がより好ましい。
上記環状アルキル基としては、シクロヘキシル基等の単環アルキル基、デカヒドロナフチル基、ジシクロペンタニル基、イソボルニル基、アダマンチル基等の縮合環又は架橋環アルキル基が挙げられ、アダマンチル基がより好ましい。
RC3及びRC4はそれぞれ独立に、炭化水素基であることが好ましい。
RC3及びRC4は異なる基であってもよいが、同一の基であることが好ましい。
RC3及びRC4における炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。
<<分子量>>
パターンの破断伸びをより向上する観点から、上記可塑剤の分子量は、100〜600であることが好ましく、100〜500であることがより好ましく、150〜350であることが更に好ましい。
パターンの破断伸びをより向上する観点から、上記可塑剤の分子量は、100〜600であることが好ましく、100〜500であることがより好ましく、150〜350であることが更に好ましい。
<<具体例>>
可塑剤の具体例としては、下記表1に記載の化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。表1中、「種類」の欄には化合物の名称又は構造を、「Z(℃)」の欄には化合物の1気圧における沸点及び熱分解温度のうち低い方の温度を記載した。
また、C−1〜C−12は沸点が熱分解温度以下の温度である化合物であり、C−13〜C−15は、沸点が熱分解温度よりも高い温度である化合物である。
可塑剤の具体例としては、下記表1に記載の化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。表1中、「種類」の欄には化合物の名称又は構造を、「Z(℃)」の欄には化合物の1気圧における沸点及び熱分解温度のうち低い方の温度を記載した。
また、C−1〜C−12は沸点が熱分解温度以下の温度である化合物であり、C−13〜C−15は、沸点が熱分解温度よりも高い温度である化合物である。
−溶剤−
硬化性樹脂組成物は溶剤を含む。
硬化性樹脂組成物は溶剤を含む。
<<含有量>>
溶剤の含有量は、上記硬化性樹脂組成物の全質量に対し、10質量%以上であり、20質量以上90質量%未満であることが好ましく、30質量%以上80質量%未満であることがより好ましい。
また、溶剤の含有量は、上記膜の全質量に対し、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。上記含有量の下限は特に限定されず、0質量%であってもよい。
溶剤は1種のみ含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
溶剤の含有量は、上記硬化性樹脂組成物の全質量に対し、10質量%以上であり、20質量以上90質量%未満であることが好ましく、30質量%以上80質量%未満であることがより好ましい。
また、溶剤の含有量は、上記膜の全質量に対し、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。上記含有量の下限は特に限定されず、0質量%であってもよい。
溶剤は1種のみ含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。
溶剤としては、有機溶剤が好ましく、エステル類、エーテル類、ケトン類、芳香族炭化水素類、スルホキシド類、アミド類などの化合物がより好ましく挙げられる。
エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキルオキシ酢酸アルキル(例えば、アルキルオキシ酢酸メチル、アルキルオキシ酢酸エチル、アルキルオキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−アルキルオキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−アルキルオキシプロピオン酸メチル、3−アルキルオキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−アルキルオキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−アルキルオキシプロピオン酸メチル、2−アルキルオキシプロピオン酸エチル、2−アルキルオキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−アルキルオキシ−2−メチルプロピオン酸メチル及び2−アルキルオキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等が好適なものとして挙げられる。
エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等が好適なものとして挙げられる。
ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等が好適なものとして挙げられる。
芳香族炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン、アニソール、リモネン等が好適なものとして挙げられる。
スルホキシド類として、例えば、ジメチルスルホキシドが好適なものとして挙げられる。
アミド類として、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が好適なものとして挙げられる。
溶剤は、塗布面性状の改良などの観点から、2種以上を混合する形態も好ましい。
本発明では、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される1種の溶剤、又は、2種以上で構成される混合溶剤が好ましい。
これらの中でも、溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン及び乳酸エチルよりなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましく、N−メチル−2−ピロリドン及びジメチルスルホキシドを含むか、又は、γ−ブチロラクトン及び乳酸エチルを含むことがより好ましく、N−メチル−2−ピロリドン及びジメチルスルホキシドを含むことが更に好ましい。
また、硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤のうち最も高沸点である溶剤の1気圧における沸点をY℃とした場合、上記Z℃と上記Y℃とは下記条件Bを満たす。
条件B:Y+1<Z
本明細書において、硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤のうち最も高沸点である溶剤とは、硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤のうち、最も高い沸点を有する溶剤の1気圧における沸点をいう。上記沸点は、沸点の測定は公知の技術を用いて測定され、特に限定されないが、例えば沸騰時の温度を測定することにより測定される。
条件B:Y+1<Z
本明細書において、硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤のうち最も高沸点である溶剤とは、硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤のうち、最も高い沸点を有する溶剤の1気圧における沸点をいう。上記沸点は、沸点の測定は公知の技術を用いて測定され、特に限定されないが、例えば沸騰時の温度を測定することにより測定される。
上記Y℃は、100〜250℃であることが好ましく、130〜230℃であることがより好ましく、150〜210℃であることが更に好ましい。
また、上記Z℃と上記Y℃とは下記条件B2を満たすことが好ましく、下記条件B3を満たすことがより好ましく、下記条件B4を満たすことが更に好ましい。
条件B2:Y+5<Z
条件B3:Y+15<Z
条件B4:Y+20<Z
また、上記Z℃と上記Y℃とは下記条件B2を満たすことが好ましく、下記条件B3を満たすことがより好ましく、下記条件B4を満たすことが更に好ましい。
条件B2:Y+5<Z
条件B3:Y+15<Z
条件B4:Y+20<Z
<加熱硬化工程>
本発明のパターン形成方法は、上記膜を加熱して硬化する加熱硬化工程を含む。
加熱硬化工程は、上記適用工程の後に含まれる。
本発明のパターン形成方法が、後述する現像処理工程を含む場合、加熱硬化工程は、現像処理工程の後に含まれることが好ましい。
加熱硬化工程では、例えば後述する熱塩基発生剤が分解することにより塩基が発生し、複素環含有ポリマー前駆体の環化反応が進行する。また、本発明において用いられる硬化性樹脂組成物を適用してなる膜は、ラジカル重合性基を有する複素環含有ポリマー前駆体、ラジカル重合性化合物等のラジカル重合性基を有する化合物を含んでいてもよいが、これらのラジカル重合性基を有する化合物のうち未反応の化合物の硬化もこの工程で進行させることができる。
本発明のパターン形成方法は、上記膜を加熱して硬化する加熱硬化工程を含む。
加熱硬化工程は、上記適用工程の後に含まれる。
本発明のパターン形成方法が、後述する現像処理工程を含む場合、加熱硬化工程は、現像処理工程の後に含まれることが好ましい。
加熱硬化工程では、例えば後述する熱塩基発生剤が分解することにより塩基が発生し、複素環含有ポリマー前駆体の環化反応が進行する。また、本発明において用いられる硬化性樹脂組成物を適用してなる膜は、ラジカル重合性基を有する複素環含有ポリマー前駆体、ラジカル重合性化合物等のラジカル重合性基を有する化合物を含んでいてもよいが、これらのラジカル重合性基を有する化合物のうち未反応の化合物の硬化もこの工程で進行させることができる。
上記加熱硬化工程における加熱温度のうち、100℃以上であり、かつ、最も長時間である温度をX℃とした場合、上記Z℃及び上記X℃は、下記条件Aを満たす。
条件A:X−20≦Z≦X+60
条件A:X−20≦Z≦X+60
上記X℃は、150〜350℃であることが好ましく、180℃〜250℃であることがより好ましい。
また、上記Z℃及び上記X℃は、下記条件A2を満たすことが好ましく、下記条件A3を満たすことがより好ましい。
請求項を
条件A2:X−15≦Z≦X+50
条件A3:X−10≦Z≦X+40
また、上記Z℃及び上記X℃は、下記条件A2を満たすことが好ましく、下記条件A3を満たすことがより好ましい。
請求項を
条件A2:X−15≦Z≦X+50
条件A3:X−10≦Z≦X+40
上記X℃は、上記膜の表面の温度として、表面温度計により測定される。
上記X℃は、複素環含有ポリマー前駆体が環化される温度であって、かつ、最も長時間である温度であることが好ましい。
上記X℃である時間は、10〜360分であることが好ましく、20〜300分であることがより好ましく、30〜240分であることが更に好ましい。
上記X℃である時間においては、例えば、X℃−5℃〜X℃+5℃程度の範囲で温度が変化してもよい。
また、加熱を複数回に分けて行ってもよいが、加熱を複数回行う場合、上記X℃である時間は、複数回の加熱においてX℃である時間の合計量であることが好ましい。
上記X℃は、複素環含有ポリマー前駆体が環化される温度であって、かつ、最も長時間である温度であることが好ましい。
上記X℃である時間は、10〜360分であることが好ましく、20〜300分であることがより好ましく、30〜240分であることが更に好ましい。
上記X℃である時間においては、例えば、X℃−5℃〜X℃+5℃程度の範囲で温度が変化してもよい。
また、加熱を複数回に分けて行ってもよいが、加熱を複数回行う場合、上記X℃である時間は、複数回の加熱においてX℃である時間の合計量であることが好ましい。
加熱硬化工程における加熱は、加熱開始時の温度から最高加熱温度まで1〜12℃/分の昇温速度で行うことが好ましく、2〜10℃/分がより好ましく、3〜10℃/分が更に好ましい。昇温速度を1℃/分以上とすることにより、生産性を確保しつつ、アミンの過剰な揮発を防止することができ、昇温速度を12℃/分以下とすることにより、パターン(硬化膜)の残存応力を緩和することができる。
加熱開始時の温度は、20℃〜150℃が好ましく、20℃〜130℃がより好ましく、25℃〜120℃が更に好ましい。加熱開始時の温度は、最高加熱温度まで加熱する工程を開始する際の温度のことをいう。例えば、硬化性樹脂組成物を基材の上に適用した後、乾燥させる場合、この乾燥後の膜(層)の温度であり、例えば、硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤の沸点よりも、30〜200℃低い温度から徐々に昇温させることが好ましい。
加熱は段階的に行ってもよい。例として、25℃から180℃まで3℃/分で昇温し、180℃にて60分保持し、180℃からX℃まで2℃/分で昇温し、X℃にて120分保持する、といった前処理工程を行ってもよい。前処理工程としての加熱温度は100〜200℃が好ましく、110〜190℃であることがより好ましく、120〜185℃であることが更に好ましい。この前処理工程においては、米国特許9159547号明細書に記載のように紫外線を照射しながら処理することも好ましい。このような前処理工程により膜の特性を向上させることが可能である。前処理工程は10秒間〜2時間程度の短い時間で行うとよく、15秒〜30分間がより好ましい。前処理は2段階以上のステップとしてもよく、例えば100〜150℃の範囲で前処理工程1を行い、その後に150〜X℃の範囲で前処理工程2を行ってもよい。
更に、加熱後冷却してもよく、この場合の冷却速度としては、1〜5℃/分であることが好ましい。
加熱硬化工程は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスを流す等により、低酸素濃度の雰囲気で行うことが複素環含有ポリマー前駆体の分解を防ぐ点で好ましい。酸素濃度は、50ppm(体積比)以下が好ましく、20ppm(体積比)以下がより好ましい。
加熱手段は特に限定されず、ホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機、赤外線ヒーター等の公知の加熱手段を用いることができる。
<露光工程>
本発明のパターン形成方法は、適用工程において得られた膜の少なくとも一部を露光する露光工程を更に含むことが好ましい。
上記露光工程においては、上記膜の全体を露光してもよいが、上記膜の一部を露光することが好ましく、上記膜をパターン状に露光する(パターン露光する)ことがより好ましい。
上記パターン露光は、フォトマスクを用いて行ってもよいし、レーザー光源等を用いて行ってもよいが、フォトマスクを用いて行うことが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、露光工程を、上記適用工程の後、上記加熱硬化工程の前に含むことが好ましい。
例えば、硬化性樹脂組成物として、上述のラジカル重合性基を有する化合物、及び、後述の光重合開始剤を含む組成物を用いた場合、露光工程を行うことにより、ラジカル重合性基を有する化合物の重合を進行させ、得られるパターンの破断伸びを更に向上できる。
また、本発明のパターン形成方法が露光工程、及び、後述する現像処理工程を含み、露光工程において上記パターン露光を行うことにより、多彩な形状のパターンを容易に形成することが可能となる。
露光工程における露光量は、例えば、波長365nmでの露光エネルギー換算で100〜10,000mJ/cm2照射することが好ましく、200〜8,000mJ/cm2照射することがより好ましい。
露光波長は、190〜1,000nmの範囲で適宜定めることができ、240〜550nmが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、適用工程において得られた膜の少なくとも一部を露光する露光工程を更に含むことが好ましい。
上記露光工程においては、上記膜の全体を露光してもよいが、上記膜の一部を露光することが好ましく、上記膜をパターン状に露光する(パターン露光する)ことがより好ましい。
上記パターン露光は、フォトマスクを用いて行ってもよいし、レーザー光源等を用いて行ってもよいが、フォトマスクを用いて行うことが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、露光工程を、上記適用工程の後、上記加熱硬化工程の前に含むことが好ましい。
例えば、硬化性樹脂組成物として、上述のラジカル重合性基を有する化合物、及び、後述の光重合開始剤を含む組成物を用いた場合、露光工程を行うことにより、ラジカル重合性基を有する化合物の重合を進行させ、得られるパターンの破断伸びを更に向上できる。
また、本発明のパターン形成方法が露光工程、及び、後述する現像処理工程を含み、露光工程において上記パターン露光を行うことにより、多彩な形状のパターンを容易に形成することが可能となる。
露光工程における露光量は、例えば、波長365nmでの露光エネルギー換算で100〜10,000mJ/cm2照射することが好ましく、200〜8,000mJ/cm2照射することがより好ましい。
露光波長は、190〜1,000nmの範囲で適宜定めることができ、240〜550nmが好ましい。
露光波長は、光源との関係でいうと、(1)半導体レーザー(波長 830nm、532nm、488nm、405nm etc.)、(2)メタルハライドランプ、(3)高圧水銀灯、g線(波長 436nm)、h線(波長 405nm)、i線(波長 365nm)、ブロード(g,h,i線の3波長)、(4)エキシマレーザー、KrFエキシマレーザー(波長 248nm)、ArFエキシマレーザー(波長 193nm)、F2エキシマレーザー(波長 157nm)、(5)極端紫外線;EUV(波長 13.6nm)、(6)電子線等が挙げられる。本発明に用いられる硬化性樹脂組成物については、特に高圧水銀灯による露光が好ましく、中でも、i線による露光が好ましい。これにより、特に高い露光感度が得られうる。
露光波長は、特に限定されず、例えば、後述する光重合開始剤の極大吸収波長等を考慮して決定することができる。
露光波長は、特に限定されず、例えば、後述する光重合開始剤の極大吸収波長等を考慮して決定することができる。
<現像処理工程>
本発明のパターン形成方法は、露光された膜(硬化性樹脂組成物層)に対して、現像処理を行う(上記膜を現像する)現像処理工程を含むことが好ましい。現像を行うことにより、露光されていない部分(非露光部)が除去される。現像方法は、所望のパターンを形成できれば特に制限は無く、例えば、パドル、スプレー、浸漬、超音波等の現像方法が採用可能である。
本発明のパターン形成方法は、露光された膜(硬化性樹脂組成物層)に対して、現像処理を行う(上記膜を現像する)現像処理工程を含むことが好ましい。現像を行うことにより、露光されていない部分(非露光部)が除去される。現像方法は、所望のパターンを形成できれば特に制限は無く、例えば、パドル、スプレー、浸漬、超音波等の現像方法が採用可能である。
現像は現像液を用いて行う。現像液は、露光されていない部分(非露光部)が除去されるのであれば、特に制限なく使用できる。現像液は、有機溶剤を含むことが好ましく、現像液が有機溶剤を90%以上含むことがより好ましい。本発明では、現像液は、ClogP値が−1〜5の有機溶剤を含むことが好ましく、ClogP値が0〜3の有機溶剤を含むことがより好ましい。ClogP値は、ChemBioDrawにて構造式を入力して計算値として求めることができる。
有機溶剤は、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキルオキシ酢酸アルキル(例:アルキルオキシ酢酸メチル、アルキルオキシ酢酸エチル、アルキルオキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−アルキルオキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3−アルキルオキシプロピオン酸メチル、3−アルキルオキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−アルキルオキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2−アルキルオキシプロピオン酸メチル、2−アルキルオキシプロピオン酸エチル、2−アルキルオキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−アルキルオキシ−2−メチルプロピオン酸メチル及び2−アルキルオキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等、並びに、エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等、並びに、ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、N−メチル−2−ピロリドン等、並びに、芳香族炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン、アニソール、リモネン等、スルホキシド類としてジメチルスルホキシドが好適に挙げられる。
本発明では、特にシクロペンタノン、γ−ブチロラクトンが好ましく、シクロペンタノンがより好ましい。
現像液は、50質量%以上が有機溶剤であることが好ましく、70質量%以上が有機溶剤であることがより好ましく、90質量%以上が有機溶剤であることが更に好ましい。また、現像液は、100質量%が有機溶剤であってもよい。
現像時間としては、10秒〜5分が好ましい。現像時の現像液の温度は、特に定めるものではないが、通常、20〜40℃で行うことができる。
現像液を用いた処理の後、更に、リンスを行ってもよい。リンスは、現像液とは異なる溶剤で行うことが好ましい。例えば、硬化性樹脂組成物に含まれるものと同様の溶剤を用いてリンスすることができる。リンス時間は、5秒〜1分が好ましい。
<金属層形成工程>
本発明のパターン形成方法は、現像処理後の膜(硬化性樹脂組成物層)の表面に金属層を形成する金属層形成工程を含むことが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、現像処理後の膜(硬化性樹脂組成物層)の表面に金属層を形成する金属層形成工程を含むことが好ましい。
金属層としては、特に限定なく、既存の金属種を使用することができ、銅、アルミニウム、ニッケル、バナジウム、チタン、クロム、コバルト、金及びタングステンが例示され、銅及びアルミニウムがより好ましく、銅が更に好ましい。
金属層の形成方法は、特に限定なく、既存の方法を適用することができる。例えば、特開2007−157879号公報、特表2001−521288号公報、特開2004−214501号公報、特開2004−101850号公報に記載された方法を使用することができる。例えば、フォトリソグラフィ、リフトオフ、電解メッキ、無電解メッキ、エッチング、印刷、及びこれらを組み合わせた方法などが考えられる。より具体的には、スパッタリング、フォトリソグラフィ及びエッチングを組み合わせたパターニング方法、フォトリソグラフィと電解メッキを組み合わせたパターニング方法が挙げられる。
金属層の厚さとしては、最も厚肉部で、0.1〜50μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
<工程の順序>
本発明のパターン形成方法は、適用工程、及び、加熱硬化工程を含み、(a)適用工程、(b)露光工程、(c)現像処理工程及び(d)加熱硬化工程をこの順で含むことが好ましく、(a)適用工程、(b)露光工程、(c)現像処理工程、(d)加熱硬化工程及び(e)金属層形成工程をこの順で含むことがより好ましい。
また、本発明のパターン形成方法は、複数の上記(a)の工程を含み(複数回の(a)の工程を行い)、更に(d)の工程、及び、必要に応じて(e)の工程を含んでもよいし、複数の(a)〜(c)の工程を含み、(d)の工程、及び、必要に応じて(e)の工程を含んでもよい。
更に、本発明のパターン形成方法は、上記各工程を順に、複数回、例えば、2〜5回(すなわち、合計で3〜6回)含むことが好ましい。このようにパターンを積層することにより、積層体とすることができる。本発明では特にパターンを設けた部分の上又はパターンの間、又はその両者に金属層を設けることが好ましい。なお、積層体の製造においては、(a)〜(e)の工程をすべて繰り返し含む必要はなく、上記のとおり、少なくとも(a)及び(d)、好ましくは(a)〜(d)の工程を複数回含み、必要に応じて(e)の工程を更に含むことでパターンを含む積層体を得ることができる。
本発明のパターン形成方法は、適用工程、及び、加熱硬化工程を含み、(a)適用工程、(b)露光工程、(c)現像処理工程及び(d)加熱硬化工程をこの順で含むことが好ましく、(a)適用工程、(b)露光工程、(c)現像処理工程、(d)加熱硬化工程及び(e)金属層形成工程をこの順で含むことがより好ましい。
また、本発明のパターン形成方法は、複数の上記(a)の工程を含み(複数回の(a)の工程を行い)、更に(d)の工程、及び、必要に応じて(e)の工程を含んでもよいし、複数の(a)〜(c)の工程を含み、(d)の工程、及び、必要に応じて(e)の工程を含んでもよい。
更に、本発明のパターン形成方法は、上記各工程を順に、複数回、例えば、2〜5回(すなわち、合計で3〜6回)含むことが好ましい。このようにパターンを積層することにより、積層体とすることができる。本発明では特にパターンを設けた部分の上又はパターンの間、又はその両者に金属層を設けることが好ましい。なお、積層体の製造においては、(a)〜(e)の工程をすべて繰り返し含む必要はなく、上記のとおり、少なくとも(a)及び(d)、好ましくは(a)〜(d)の工程を複数回含み、必要に応じて(e)の工程を更に含むことでパターンを含む積層体を得ることができる。
<積層工程>
本発明の製造方法は、更に、積層工程を含むことが好ましい。
本発明の製造方法は、更に、積層工程を含むことが好ましい。
積層工程とは、硬化膜(樹脂層)又は金属層の表面に、再度、(a)適用工程、(b)露光工程、(c)現像処理工程、(d)加熱硬化工程を、この順に行うことを含む一連の工程である。ただし、(a)の適用工程のみを繰り返す態様であってもよい。また、(d)加熱硬化工程は積層の最後又は中間に一括して行う態様としてもよい。すなわち、(a)〜(c)の工程を所定の回数繰り返し行い、その後に(d)の加熱をすることで、積層された硬化性樹脂組成物層を一括で硬化する態様としてもよい。また、(c)現像処理工程の後には(e)金属層形成工程を含んでもよく、このときにも都度(d)の加熱を行っても、所定回数積層させた後に一括して(d)の加熱を行ってもよい。
積層工程後、更に積層工程を行う場合には、上記加熱硬化工程後、上記露光工程後、又は、上記金属層形成工程後に、更に、表面活性化処理工程を行ってもよい。表面活性化処理としては、プラズマ処理が例示される。
上記積層工程は、2〜5回行うことが好ましく、3〜5回行うことがより好ましい。
例えば、樹脂層/金属層/樹脂層/金属層/樹脂層/金属層のような、樹脂層が3層以上7層以下の構成が好ましく、3層以上5層以下が更に好ましい。
本発明では特に、金属層を設けた後、更に、上記金属層を覆うように、上記硬化性樹脂組成物の硬化膜(樹脂層)を形成する態様が好ましい。具体的には、(a)適用工程、(b)露光工程、(c)現像処理工程、(e)金属層形成工程、(d)加熱硬化工程の順序で繰り返す態様、又は、(a)適用工程、(b)露光工程、(c)現像処理工程、(e)金属層形成工程の順序で繰り返し、最後又は中間に一括して(d)加熱硬化工程を設ける態様が挙げられる。硬化性樹脂組成物層(樹脂層)を積層する積層工程と、金属層形成工程を交互に行うことにより、硬化性樹脂組成物層(樹脂層)と金属層を交互に積層することができる。
(硬化性樹脂組成物)
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明のパターン形成方法における、上記硬化性樹脂組成物として用いられる硬化性樹脂組成物(以下、「本発明に用いられる硬化性樹脂組成物」ともいう。)である。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、複素環含有ポリマー前駆体、可塑剤、及び、溶剤を含む。
可塑剤及び溶剤については上述のとおりである。
以下、本発明に用いられる硬化性樹脂組成物に含まれる上記可塑剤及び上記溶剤以外の各成分について説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明のパターン形成方法における、上記硬化性樹脂組成物として用いられる硬化性樹脂組成物(以下、「本発明に用いられる硬化性樹脂組成物」ともいう。)である。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、複素環含有ポリマー前駆体、可塑剤、及び、溶剤を含む。
可塑剤及び溶剤については上述のとおりである。
以下、本発明に用いられる硬化性樹脂組成物に含まれる上記可塑剤及び上記溶剤以外の各成分について説明する。
<複素環含有ポリマー前駆体>
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、複素環含有ポリマー前駆体を含む。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、上記複素環含有ポリマー前駆体として、ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の前駆体を含み、ポリイミド前駆体を含むことが好ましい。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、複素環含有ポリマー前駆体を含む。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、上記複素環含有ポリマー前駆体として、ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の前駆体を含み、ポリイミド前駆体を含むことが好ましい。
〔ポリイミド前駆体〕
得られる硬化膜の膜強度の観点からは、ポリイミド前駆体は、下記式(1)で表される繰返し単位を有することが好ましい。
得られる硬化膜の膜強度の観点からは、ポリイミド前駆体は、下記式(1)で表される繰返し単位を有することが好ましい。
式(1)中、A1及びA2は、それぞれ独立に酸素原子又は−NH−を表し、R111は、2価の有機基を表し、R115は、4価の有機基を表し、R113及びR114は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。
−A1及びA2−
式(1)におけるA1及びA2は、それぞれ独立に、酸素原子又は−NH−を表し、酸素原子が好ましい。
式(1)におけるA1及びA2は、それぞれ独立に、酸素原子又は−NH−を表し、酸素原子が好ましい。
−R111−
式(1)におけるR111は、2価の有機基を表す。2価の有機基としては、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族基、環状の脂肪族基、及び芳香族基、複素芳香族基、又はこれらを2以上組み合わせた基が例示され、炭素数2〜20の直鎖の脂肪族基、炭素数3〜20の分岐の脂肪族基、炭素数3〜20の環状の脂肪族基、炭素数6〜20の芳香族基、又は、これらを2以上組み合わせた基が好ましく、炭素数6〜20の芳香族基がより好ましい。
式(1)におけるR111は、2価の有機基を表す。2価の有機基としては、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族基、環状の脂肪族基、及び芳香族基、複素芳香族基、又はこれらを2以上組み合わせた基が例示され、炭素数2〜20の直鎖の脂肪族基、炭素数3〜20の分岐の脂肪族基、炭素数3〜20の環状の脂肪族基、炭素数6〜20の芳香族基、又は、これらを2以上組み合わせた基が好ましく、炭素数6〜20の芳香族基がより好ましい。
式(1)におけるR111は、ジアミンから誘導されることが好ましい。ポリイミド前駆体の製造に用いられるジアミンとしては、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族、環状の脂肪族又は芳香族ジアミンなどが挙げられる。ジアミンは、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
具体的には、ジアミンは、炭素数2〜20の直鎖脂肪族基、炭素数3〜20の分岐鎖状又は環状の脂肪族基、炭素数6〜20の芳香族基、又は、これらを2以上組み合わせた基を含むジアミンであることが好ましく、炭素数6〜20の芳香族基を含むジアミンであることがより好ましい。芳香族基の例としては、下記が挙げられる。
式中、Aは、単結合、若しくは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、−O−、−C(=O)−、−S−、−S(=O)2−、−NHC(=O)−、又は、これらを2以上組み合わせた基であることが好ましく、単結合、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキレン基、−O−、−C(=O)−、−S−及びS(=O)2−から選択される基であることがより好ましく、−CH2−、−O−、−S−、−S(=O)2−、−C(CF3)2−、及び、−C(CH3)2−よりなる群から選択される2価の基であることが更に好ましい。
ジアミンとしては、具体的には、1,2−ジアミノエタン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン;1,2−又は1,3−ジアミノシクロペンタン、1,2−、1,3−又は1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−、1,3−又は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−(3−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルシクロヘキシルメタン又はイソホロンジアミン;メタ又はパラフェニレンジアミン、ジアミノトルエン、4,4’−又は3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−又は3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−又は3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−又は3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−又は3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(4,4’-ジアミノ-2,2’-ジメチルビフェニル)、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−ジアミノパラテルフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(2−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノオクタフルオロビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル、1,4−ジアミノアントラキノン、1,5−ジアミノアントラキノン、3,3−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、9,9’−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジメチル−3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2−(3’,5’−ジアミノベンゾイルオキシ)エチルメタクリレート、2,4−又は2,5−ジアミノクメン、2,5−ジメチル−パラフェニレンジアミン、アセトグアナミン、2,3,5,6−テトラメチル−パラフェニレンジアミン、2,4,6−トリメチル−メタフェニレンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、2,7−ジアミノフルオレン、2,5−ジアミノピリジン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノ安息香酸のエステル、1,5−ジアミノナフタレン、ジアミノベンゾトリフルオライド、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)オクタフルオロブタン、1,5−ビス(4−アミノフェニル)デカフルオロペンタン、1,7−ビス(4−アミノフェニル)テトラデカフルオロヘプタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(2−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、パラビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロトリジン及び4,4’−ジアミノクアテルフェニルから選ばれる少なくとも1種のジアミンが挙げられる。
また、下記に示すジアミン(DA−1)〜(DA−18)も好ましい。
また、少なくとも2つのアルキレングリコール単位を主鎖にもつジアミンも好ましい例として挙げられる。好ましくは、エチレングリコール鎖、プロピレングリコール鎖のいずれか一方又は両方を一分子中にあわせて2つ以上含むジアミン、より好ましくは芳香環を含まないジアミンである。具体例としては、ジェファーミン(登録商標)KH−511、ジェファーミン(登録商標)ED−600、ジェファーミン(登録商標)ED−900、ジェファーミン(登録商標)ED−2003、ジェファーミン(登録商標)EDR−148、ジェファーミン(登録商標)EDR−176、D−200、D−400、D−2000、D−4000(以上商品名、HUNTSMAN社製)、1−(2−(2−(2−アミノプロポキシ)エトキシ)プロポキシ)プロパン−2−アミン、1−(1−(1−(2−アミノプロポキシ)プロパン−2−イル)オキシ)プロパン−2−アミンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
ジェファーミン(登録商標)KH−511、ジェファーミン(登録商標)ED−600、ジェファーミン(登録商標)ED−900、ジェファーミン(登録商標)ED−2003、ジェファーミン(登録商標)EDR−148、ジェファーミン(登録商標)EDR−176の構造を以下に示す。
上記において、x、y、zは算術平均値である。
式(1)におけるR111は、得られる硬化膜の柔軟性の観点から、−Ar0−L0−Ar0−で表されることが好ましい。Ar0は、それぞれ独立に、芳香族炭化水素基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10が特に好ましい)であり、フェニレン基が好ましい。L0は、単結合、若しくは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、−O−、−C(=O)−、−S−、−S(=O)2−、−NHCO−、又は、これらを2以上組み合わせた基を表す。L0の好ましい範囲は、上述のAと同義である。
式(1)におけるR111は、i線透過率の観点から下記式(51)又は式(61)で表される2価の有機基であることが好ましい。特に、i線透過率、入手のし易さの観点から式(61)で表される2価の有機基であることがより好ましい。
式(51)中、R50〜R57はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は1価の有機基であり、R50〜R57の少なくとも1つはフッ素原子、メチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、又は、トリフルオロメチル基であり、*はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表す。
R50〜R57の1価の有機基としては、炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜6)の無置換のアルキル基、炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜6)のフッ化アルキル基等が挙げられる。
式(61)中、R58及びR59は、それぞれ独立にフッ素原子、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、又は、トリフルオロメチル基である。
式(51)又は(61)の構造を与えるジアミン化合物としては、ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(フルオロ)−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノオクタフルオロビフェニル等が挙げられる。これらの1種を用いるか、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
−R115−
式(1)におけるR115は、4価の有機基を表す。4価の有機基としては、芳香環を含む4価の有機基が好ましく、下記式(5)又は式(6)で表される基がより好ましい。
式(1)におけるR115は、4価の有機基を表す。4価の有機基としては、芳香環を含む4価の有機基が好ましく、下記式(5)又は式(6)で表される基がより好ましい。
R112は、Aと同義であり、好ましい範囲も同じである。*はそれぞれ独立に、他の構造との結合部位を表す。
式(1)におけるR115が表す4価の有機基は、具体的には、テトラカルボン酸二無水物から酸二無水物基を除去した後に残存するテトラカルボン酸残基などが挙げられる。テトラカルボン酸二無水物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。テトラカルボン酸二無水物は、下記式(7)で表される化合物が好ましい。
R115は、4価の有機基を表す。R115は式(1)のR115と同義である。
テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルフィドテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ジフェニルヘキサフルオロプロパン−3,3,4,4−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,8,9,10−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、並びに、これらの炭素数1〜6のアルキル誘導体及び炭素数1〜6のアルコキシ誘導体から選ばれる少なくとも1種が例示される。
また、下記に示すテトラカルボン酸二無水物(DAA−1)〜(DAA−5)も好ましい例として挙げられる。
−R113及びR114−
式(1)におけるR113及びR114はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R113及びR114の少なくとも一方がラジカル重合性基を含むことが好ましく、両方がラジカル重合性基を含むことがより好ましい。ラジカル重合性基としては、ラジカルの作用により、架橋反応することが可能な基であって、好ましい例として、エチレン性不飽和結合を有する基が挙げられる。
式(1)におけるR113及びR114はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。R113及びR114の少なくとも一方がラジカル重合性基を含むことが好ましく、両方がラジカル重合性基を含むことがより好ましい。ラジカル重合性基としては、ラジカルの作用により、架橋反応することが可能な基であって、好ましい例として、エチレン性不飽和結合を有する基が挙げられる。
エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、下記式(III)で表される基などが挙げられる。
式(III)中、R200は、水素原子又はメチル基を表し、メチル基が好ましい。
式(III)中、R201は、炭素数2〜12のアルキレン基、−CH2CH(OH)CH2−又は炭素数4〜30の(ポリ)オキシアルキレン基(アルキレン基としては炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい;繰り返し数は1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)を表す。なお、(ポリ)オキシアルキレン基とは、オキシアルキレン基又はポリオキシアルキレン基を意味する。
好適なR201の例は、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,2−ブタンジイル基、1,3−ブタンジイル基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、ドデカメチレン基、−CH2CH(OH)CH2−が挙げられ、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、−CH2CH(OH)CH2−がより好ましい。
特に好ましくは、R200がメチル基で、R201がエチレン基である。
式(III)中、*は他の構造との結合部位を表す。
本発明におけるポリイミド前駆体の好ましい実施形態として、R113又はR114の1価の有機基として、1、2又は3つの、好ましくは1つの酸基を有する、脂肪族基、芳香族基及びアリールアルキル基などが挙げられる。具体的には、酸基を有する炭素数6〜20の芳香族基、酸基を有する炭素数7〜25のアリールアルキル基が挙げられる。より具体的には、酸基を有するフェニル基及び酸基を有するベンジル基が挙げられる。酸基は、ヒドロキシ基が好ましい。すなわち、R113又はR114はヒドロキシ基を有する基であることが好ましい。
R113又はR114が表す1価の有機基としては、現像液の溶解度を向上させる置換基が好ましく用いられる。
好適なR201の例は、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,2−ブタンジイル基、1,3−ブタンジイル基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、ドデカメチレン基、−CH2CH(OH)CH2−が挙げられ、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、−CH2CH(OH)CH2−がより好ましい。
特に好ましくは、R200がメチル基で、R201がエチレン基である。
式(III)中、*は他の構造との結合部位を表す。
本発明におけるポリイミド前駆体の好ましい実施形態として、R113又はR114の1価の有機基として、1、2又は3つの、好ましくは1つの酸基を有する、脂肪族基、芳香族基及びアリールアルキル基などが挙げられる。具体的には、酸基を有する炭素数6〜20の芳香族基、酸基を有する炭素数7〜25のアリールアルキル基が挙げられる。より具体的には、酸基を有するフェニル基及び酸基を有するベンジル基が挙げられる。酸基は、ヒドロキシ基が好ましい。すなわち、R113又はR114はヒドロキシ基を有する基であることが好ましい。
R113又はR114が表す1価の有機基としては、現像液の溶解度を向上させる置換基が好ましく用いられる。
R113又はR114が、水素原子、2−ヒドロキシベンジル、3−ヒドロキシベンジル及び4−ヒドロキシベンジルであることが、水性現像液に対する溶解性の点からは、より好ましい。
有機溶剤への溶解度の観点からは、R113又はR114は、1価の有機基であることが好ましい。1価の有機基としては、直鎖又は分岐のアルキル基、環状アルキル基、芳香族基が好ましく、芳香族基で置換されたアルキル基がより好ましい。
アルキル基の炭素数は1〜30が好ましい(環状の場合は3以上)。アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。直鎖又は分岐のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。環状のアルキル基は、単環の環状のアルキル基であってもよく、多環の環状のアルキル基であってもよい。単環の環状のアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基が挙げられる。多環の環状のアルキル基としては、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボルニル基、カンフェニル基、デカヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、カンホロイル基、ジシクロヘキシル基及びピネニル基が挙げられる。また、芳香族基で置換されたアルキル基としては、次に述べる芳香族基で置換された直鎖アルキル基が好ましい。
芳香族基としては、具体的には、置換又は無置換の芳香族炭化水素基(基を構成する環状構造としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フルオレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インダセン環、ペリレン環、ペンタセン環、アセナフテン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環等が挙げられる)、又は、置換若しくは無置換の芳香族複素環基(基を構成する環状構造としては、フルオレン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環又はフェナジン環)である。
また、ポリイミド前駆体は、繰返し単位中にフッ素原子を有することも好ましい。ポリイミド前駆体中のフッ素原子含有量は10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。上限は特にないが50質量%以下が実際的である。
また、基材との密着性を向上させる目的で、シロキサン構造を有する脂肪族基を式(1)で表される繰返し単位に共重合してもよい。具体的には、ジアミン成分として、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(パラアミノフェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどが挙げられる。
式(1)で表される繰返し単位は、式(1−A)又は式(1−B)で表される繰返し単位であることが好ましい。
A11及びA12は、酸素原子又は−NH−を表し、R111及びR112は、それぞれ独立に、2価の有機基を表し、R113及びR114は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、R113及びR114の少なくとも一方は、ラジカル重合性基を含む基であることが好ましく、ラジカル重合性基であることがより好ましい。
A11、A12、R111、R113及びR114の好ましい範囲は、それぞれ、式(1)におけるA1、A2、R111、R113及びR114の好ましい範囲と同義である。
R112の好ましい範囲は、式(5)におけるR112と同義であり、中でも酸素原子であることがより好ましい。
式中のカルボニル基のベンゼン環への結合位置は、式(1−A)において、4,5,3’,4’であることが好ましい。式(1−B)においては、1,2,4,5であることが好ましい。
ポリイミド前駆体において、式(1)で表される繰返し単位は1種であってもよいが、2種以上であってもよい。また、式(1)で表される繰返し単位の構造異性体を含んでいてもよい。また、ポリイミド前駆体は、上記の式(1)の繰返し単位のほかに、他の種類の繰返し単位も含んでもよい。
本発明におけるポリイミド前駆体の一実施形態として、全繰返し単位の50モル%以上、更には70モル%以上、特には90モル%以上が式(1)で表される繰返し単位であるポリイミド前駆体が例示される。上限としては100モル%以下が実際的である。
ポリイミド前駆体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000〜500,000であり、より好ましくは5,000〜100,000であり、更に好ましくは10,000〜50,000である。また、数平均分子量(Mn)は、好ましくは800〜250,000であり、より好ましくは、2,000〜50,000であり、更に好ましくは、4,000〜25,000である。
ポリイミド前駆体の分子量の分散度は、1.5〜3.5が好ましく、2〜3がより好ましい。
本明細書において、分子量の分散度とは、重量平均分子量を数平均分子量により除した値(重量平均分子量/数平均分子量)をいう。
本明細書において、分子量の分散度とは、重量平均分子量を数平均分子量により除した値(重量平均分子量/数平均分子量)をいう。
ポリイミド前駆体は、ジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体とジアミンとを反応させて得られる。好ましくは、ジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体を、ハロゲン化剤を用いてハロゲン化させた後、ジアミンと反応させて得られる。
ポリイミド前駆体の製造方法では、反応に際し、有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤は1種でもよいし、2種以上でもよい。
有機溶剤としては、原料に応じて適宜定めることができるが、ピリジン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、N−メチルピロリドン及びN−エチルピロリドンが例示される。
ポリイミド前駆体の製造に際し、固体を析出する工程を含んでいることが好ましい。具体的には、反応液中のポリイミド前駆体を、水中に沈殿させ、テトラヒドロフラン等のポリイミド前駆体が可溶な溶剤に溶解させることによって、固体析出することができる。
〔ポリベンゾオキサゾール前駆体〕
ポリベンゾオキサゾール前駆体は、下記式(2)で表される繰返し単位を含むことが好ましい。
ポリベンゾオキサゾール前駆体は、下記式(2)で表される繰返し単位を含むことが好ましい。
式(2)中、R121は、2価の有機基を表し、R122は、4価の有機基を表し、R123及びR124は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。
−R121−
式(2)中、R121は、2価の有機基を表す。2価の有機基としては、脂肪族基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6が特に好ましい)及び芳香族基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜12が特に好ましい)の少なくとも一方を含む基が好ましい。R121を構成する芳香族基としては、上記式(1)のR111の例が挙げられる。上記脂肪族基としては、直鎖の脂肪族基が好ましい。R121は、4,4’−オキシジベンゾイルクロリドに由来することが好ましい。
式(2)中、R121は、2価の有機基を表す。2価の有機基としては、脂肪族基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6が特に好ましい)及び芳香族基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜12が特に好ましい)の少なくとも一方を含む基が好ましい。R121を構成する芳香族基としては、上記式(1)のR111の例が挙げられる。上記脂肪族基としては、直鎖の脂肪族基が好ましい。R121は、4,4’−オキシジベンゾイルクロリドに由来することが好ましい。
−R122−
式(2)中、R122は、4価の有機基を表す。4価の有機基としては、上記式(1)におけるR115と同義であり、好ましい範囲も同様である。R122は、2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンに由来することが好ましい。
式(2)中、R122は、4価の有機基を表す。4価の有機基としては、上記式(1)におけるR115と同義であり、好ましい範囲も同様である。R122は、2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンに由来することが好ましい。
−R123及びR124−
R123及びR124は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、上記式(1)におけるR113及びR114と同義であり、好ましい範囲も同様である。
R123及びR124は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、上記式(1)におけるR113及びR114と同義であり、好ましい範囲も同様である。
ポリベンゾオキサゾール前駆体は上記の式(2)の繰返し単位のほかに、他の種類の繰返し単位も含んでよい。
閉環に伴う硬化膜の反りの発生を抑制できる点で、ポリベンゾオキサゾール前駆体は、下記式(SL)で表されるジアミン残基を他の種類の繰返し単位として更に含むことが好ましい。
Zは、a構造とb構造を有し、R1sは水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)であり、R2sは炭素数1〜10の炭化水素基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3)であり、R3s、R4s、R5s、R6sのうち少なくとも1つは芳香族基(好ましくは炭素数6〜22、より好ましくは炭素数6〜18、特に好ましくは炭素数6〜10)で、残りは水素原子又は炭素数1〜30(好ましくは炭素数1〜18、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜6)の有機基で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。a構造及びb構造の重合は、ブロック重合でもランダム重合でもよい。Z部分において、好ましくは、a構造は5〜95モル%、b構造は95〜5モル%であり、a+bは100モル%である。
式(SL)中、好ましいZとしては、b構造中のR5s及びR6sがフェニル基であるものが挙げられる。また、式(SL)で示される構造の分子量は、400〜4,000であることが好ましく、500〜3,000がより好ましい。分子量は、一般的に用いられるゲル浸透クロマトグラフィによって求めることができる。上記分子量を上記範囲とすることで、ポリベンゾオキサゾール前駆体の脱水閉環後の弾性率を下げ、反りを抑制できる効果と溶解性を向上させる効果を両立することができる。
ポリベンゾオキサゾール前駆体が、他の種類の繰返し単位として式(SL)で表されるジアミン残基を含む場合、硬化性樹脂組成物のアルカリ可溶性を向上させる点で、更に、テトラカルボン酸二無水物から酸二無水物基の除去後に残存するテトラカルボン酸残基を繰返し単位として含むことが好ましい。このようなテトラカルボン酸残基の例としては、式(1)中のR115の例が挙げられる。
ポリベンゾオキサゾール前駆体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000〜500,000であり、より好ましくは5,000〜100,000であり、更に好ましくは10,000〜50,000である。また、数平均分子量(Mn)は、好ましくは800〜250,000であり、より好ましくは、2,000〜50,000であり、更に好ましくは、4,000〜25,000である。
ポリベンゾオキサゾール前駆体の分子量の分散度は、1.5〜3.5が好ましく、2〜3がより好ましい。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物における、複素環含有ポリマー前駆体の含有量は、硬化性樹脂組成物の全固形分に対し20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましく、50質量%以上であることが一層好ましく、60質量%以上であることがより一層好ましく、70質量%以上であることが更に一層好ましい。また、本発明に用いられる硬化性樹脂組成物における、複素環含有ポリマー前駆体の含有量は、硬化性樹脂組成物の全固形分に対し、99.5質量%以下であることが好ましく、99質量%以下であることがより好ましく、98質量%以下であることが更に好ましく、97質量%以下であることが一層好ましく、95質量%以下であることがより一層好ましい。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、複素環含有ポリマー前駆体を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<オニウム塩>
本発明の硬化性樹脂組成物は、オニウム塩を含むことが好ましい。
オニウム塩の種類等は特に定めるものではないが、アンモニウム塩、イミニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩又はホスホニウム塩が好ましく挙げられる。
これらの中でも、熱安定性が高い観点からはアンモニウム塩又はイミニウム塩が好ましく、ポリマーとの相溶性の観点からはスルホニウム塩、ヨードニウム塩又はホスホニウム塩が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、オニウム塩を含むことが好ましい。
オニウム塩の種類等は特に定めるものではないが、アンモニウム塩、イミニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩又はホスホニウム塩が好ましく挙げられる。
これらの中でも、熱安定性が高い観点からはアンモニウム塩又はイミニウム塩が好ましく、ポリマーとの相溶性の観点からはスルホニウム塩、ヨードニウム塩又はホスホニウム塩が好ましい。
また、オニウム塩はオニウム構造を有するカチオンとアニオンとの塩であり、上記カチオンとアニオンとは、共有結合を介して結合していてもよいし、共有結合を介して結合していなくてもよい。
すなわち、オニウム塩は、同一の分子構造内に、カチオン部と、アニオン部と、を有する分子内塩であってもよいし、それぞれ別分子であるカチオン分子と、アニオン分子と、がイオン結合した分子間塩であってもよいが、分子間塩であることが好ましい。また、本発明の感光性樹脂組成物において、上記カチオン部又はカチオン分子と、上記アニオン部又はアニオン分子と、はイオン結合により結合されていてもよいし、解離していてもよい。
オニウム塩におけるカチオンとしては、アンモニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン又はホスホニウムカチオンが好ましく、テトラアルキルアンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンよりなる群から選択される少なくとも1種のカチオンがより好ましい。
すなわち、オニウム塩は、同一の分子構造内に、カチオン部と、アニオン部と、を有する分子内塩であってもよいし、それぞれ別分子であるカチオン分子と、アニオン分子と、がイオン結合した分子間塩であってもよいが、分子間塩であることが好ましい。また、本発明の感光性樹脂組成物において、上記カチオン部又はカチオン分子と、上記アニオン部又はアニオン分子と、はイオン結合により結合されていてもよいし、解離していてもよい。
オニウム塩におけるカチオンとしては、アンモニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン又はホスホニウムカチオンが好ましく、テトラアルキルアンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンよりなる群から選択される少なくとも1種のカチオンがより好ましい。
本発明において用いられるオニウム塩は、熱塩基発生剤であってもよい。
熱塩基発生剤とは、加熱により塩基を発生する化合物をいい、例えば、40℃以上に加熱すると塩基を発生する酸性化合物等が挙げられる。
熱塩基発生剤とは、加熱により塩基を発生する化合物をいい、例えば、40℃以上に加熱すると塩基を発生する酸性化合物等が挙げられる。
〔アンモニウム塩〕
本発明において、アンモニウム塩とは、アンモニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。
本発明において、アンモニウム塩とは、アンモニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。
−アンモニウムカチオン−
アンモニウムカチオンとしては、第四級アンモニウムカチオンが好ましい。
また、アンモニウムカチオンとしては、下記式(101)で表されるカチオンが好ましい。
式(101)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を表し、R1〜R4の少なくとも2つはそれぞれ結合して環を形成してもよい。
アンモニウムカチオンとしては、第四級アンモニウムカチオンが好ましい。
また、アンモニウムカチオンとしては、下記式(101)で表されるカチオンが好ましい。
式(101)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、炭化水素基であることが好ましく、アルキル基又はアリール基であることがより好ましく、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であることが更に好ましい。R1〜R4は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ヒドロキシ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基等が挙げられる。
R1〜R4の少なくとも2つはそれぞれ結合して環を形成する場合、上記環はヘテロ原子を含んでもよい。上記ヘテロ原子としては、窒素原子が挙げられる。
R1〜R4の少なくとも2つはそれぞれ結合して環を形成する場合、上記環はヘテロ原子を含んでもよい。上記ヘテロ原子としては、窒素原子が挙げられる。
アンモニウムカチオンは、下記式(Y1−1)及び(Y1−2)のいずれかで表されることが好ましい。
式(Y1−1)及び(Y1−2)において、R101は、n価の有機基を表し、R1は式(101)におけるR1と同義であり、Ar101及びAr102はそれぞれ独立に、アリール基を表し、nは、1以上の整数を表す。
式(Y1−1)において、R101は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、又は、これらが結合した構造からn個の水素原子を除いた基であることが好ましく、炭素数2〜30の飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン又はナフタレンからn個の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
式(Y1−1)において、nは1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
式(Y1−2)において、Ar101及びAr102はそれぞれ独立に、フェニル基又はナフチル基であることが好ましく、フェニル基がより好ましい。
式(Y1−1)において、R101は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、又は、これらが結合した構造からn個の水素原子を除いた基であることが好ましく、炭素数2〜30の飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン又はナフタレンからn個の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
式(Y1−1)において、nは1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
式(Y1−2)において、Ar101及びAr102はそれぞれ独立に、フェニル基又はナフチル基であることが好ましく、フェニル基がより好ましい。
−アニオン−
アンモニウム塩におけるアニオンとしては、カルボン酸アニオン、フェノールアニオン、リン酸アニオン及び硫酸アニオンから選ばれる1種が好ましく、塩の安定性と熱分解性を両立させられるという理由からカルボン酸アニオンがより好ましい。すなわち、アンモニウム塩は、アンモニウムカチオンとカルボン酸アニオンとの塩がより好ましい。
カルボン酸アニオンは、2個以上のカルボキシ基を持つ2価以上のカルボン酸のアニオンが好ましく、2価のカルボン酸のアニオンがより好ましい。この態様によれば、感光性樹脂組成物の安定性、硬化性及び現像性をより向上できる。特に、2価のカルボン酸のアニオンを用いることで、感光性樹脂組成物の安定性、硬化性及び現像性を更に向上できる。
アンモニウム塩におけるアニオンとしては、カルボン酸アニオン、フェノールアニオン、リン酸アニオン及び硫酸アニオンから選ばれる1種が好ましく、塩の安定性と熱分解性を両立させられるという理由からカルボン酸アニオンがより好ましい。すなわち、アンモニウム塩は、アンモニウムカチオンとカルボン酸アニオンとの塩がより好ましい。
カルボン酸アニオンは、2個以上のカルボキシ基を持つ2価以上のカルボン酸のアニオンが好ましく、2価のカルボン酸のアニオンがより好ましい。この態様によれば、感光性樹脂組成物の安定性、硬化性及び現像性をより向上できる。特に、2価のカルボン酸のアニオンを用いることで、感光性樹脂組成物の安定性、硬化性及び現像性を更に向上できる。
カルボン酸アニオンは、下記式(X1)で表されることが好ましい。
式(X1)において、EWGは、電子求引性基を表す。
本実施形態において電子求引性基とは、ハメットの置換基定数σmが正の値を示すものを意味する。ここでσmは、都野雄甫総説、有機合成化学協会誌第23巻第8号(1965)p.631−642に詳しく説明されている。なお、本実施形態における電子求引性基は、上記文献に記載された置換基に限定されるものではない。
σmが正の値を示す置換基の例としては、CF3基(σm=0.43)、CF3C(=O)基(σm=0.63)、HC≡C基(σm=0.21)、CH2=CH基(σm=0.06)、Ac基(σm=0.38)、MeOC(=O)基(σm=0.37)、MeC(=O)CH=CH基(σm=0.21)、PhC(=O)基(σm=0.34)、H2NC(=O)CH2基(σm=0.06)などが挙げられる。なお、Meはメチル基を表し、Acはアセチル基を表し、Phはフェニル基を表す(以下、同じ)。
σmが正の値を示す置換基の例としては、CF3基(σm=0.43)、CF3C(=O)基(σm=0.63)、HC≡C基(σm=0.21)、CH2=CH基(σm=0.06)、Ac基(σm=0.38)、MeOC(=O)基(σm=0.37)、MeC(=O)CH=CH基(σm=0.21)、PhC(=O)基(σm=0.34)、H2NC(=O)CH2基(σm=0.06)などが挙げられる。なお、Meはメチル基を表し、Acはアセチル基を表し、Phはフェニル基を表す(以下、同じ)。
EWGは、下記式(EWG−1)〜(EWG−6)で表される基であることが好ましい。
式(EWG−1)〜(EWG−6)中、Rx1〜Rx3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヒドロキシ基又はカルボキシ基を表し、Arは芳香族基を表す。
本発明において、カルボン酸アニオンは、下記式(XA)で表されることが好ましい。
式(XA)において、L10は、単結合、又は、アルキレン基、アルケニレン基、芳香族基、−NRX−及びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれる2価の連結基を表し、RXは、水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
カルボン酸アニオンの具体例としては、マレイン酸アニオン、フタル酸アニオン、N−フェニルイミノ二酢酸アニオン及びシュウ酸アニオンが挙げられる。
特定前駆体の環化が低温で行われやすく、また、感光性樹脂組成物の保存安定性が向上しやすい観点から、本発明におけるオニウム塩は、カチオンとしてアンモニウムカチオンを含み、上記オニウム塩がアニオンとして、共役酸のpKa(pKaH)が2.5以下であるアニオンを含むことが好ましく、1.8以下であるアニオンを含むことがより好ましい。
上記pKaの下限は特に限定されないが、発生する塩基が中和されにくく、特定前駆体などの環化効率を良好にするという観点からは、−3以上であることが好ましく、−2以上であることがより好ましい。
上記pKaとしては、Determination of Organic Structures by Physical Methods(著者:Brown, H. C., McDaniel, D. H., Hafliger, O., Nachod, F. C.; 編纂:Braude, E. A., Nachod, F. C.; Academic Press, New York, 1955)や、Data for Biochemical Research(著者:Dawson, R.M.C.et al; Oxford, Clarendon Press, 1959)に記載の値を参照することができる。これらの文献に記載の無い化合物については、ACD/pKa(ACD/Labs製)のソフトを用いて構造式より算出した値を用いることとする。
上記pKaの下限は特に限定されないが、発生する塩基が中和されにくく、特定前駆体などの環化効率を良好にするという観点からは、−3以上であることが好ましく、−2以上であることがより好ましい。
上記pKaとしては、Determination of Organic Structures by Physical Methods(著者:Brown, H. C., McDaniel, D. H., Hafliger, O., Nachod, F. C.; 編纂:Braude, E. A., Nachod, F. C.; Academic Press, New York, 1955)や、Data for Biochemical Research(著者:Dawson, R.M.C.et al; Oxford, Clarendon Press, 1959)に記載の値を参照することができる。これらの文献に記載の無い化合物については、ACD/pKa(ACD/Labs製)のソフトを用いて構造式より算出した値を用いることとする。
アンモニウム塩の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔イミニウム塩〕
本発明において、イミニウム塩とは、イミニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。アニオンとしては、上述のアンモニウム塩におけるアニオンと同様のものが例示され、好ましい態様も同様である。
本発明において、イミニウム塩とは、イミニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。アニオンとしては、上述のアンモニウム塩におけるアニオンと同様のものが例示され、好ましい態様も同様である。
−イミニウムカチオン−
イミニウムカチオンとしては、ピリジニウムカチオンが好ましい。
また、イミニウムカチオンとしては、下記式(102)で表されるカチオンも好ましい。
イミニウムカチオンとしては、ピリジニウムカチオンが好ましい。
また、イミニウムカチオンとしては、下記式(102)で表されるカチオンも好ましい。
式(102)中、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を表し、R7は炭化水素基を表し、R5〜R7の少なくとも2つはそれぞれ結合して環を形成してもよい。
式(102)中、R5及びR6は上述の式(101)におけるR1〜R4と同義であり、好ましい態様も同様である。
式(102)中、R7はR5及びR6の少なくとも1つと結合して環を形成することが好ましい。上記環はヘテロ原子を含んでもよい。上記ヘテロ原子としては、窒素原子が挙げられる。また、上記環としてはピリジン環が好ましい。
式(102)中、R5及びR6は上述の式(101)におけるR1〜R4と同義であり、好ましい態様も同様である。
式(102)中、R7はR5及びR6の少なくとも1つと結合して環を形成することが好ましい。上記環はヘテロ原子を含んでもよい。上記ヘテロ原子としては、窒素原子が挙げられる。また、上記環としてはピリジン環が好ましい。
イミニウムカチオンは、下記式(Y1−3)〜(Y1−5)のいずれかで表されるものであることが好ましい。
式(Y1−3)〜(Y1−5)において、R101は、n価の有機基を表し、R5は式(102)におけるR5と同義であり、R7は式(102)におけるR7と同義であり、n及びmは、1以上の整数を表す。
式(Y1−3)において、R101は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、又は、これらが結合した構造からn個の水素原子を除いた基であることが好ましく、炭素数2〜30の飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン又はナフタレンからn個の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
式(Y1−3)において、nは1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
式(Y1−5)において、mは1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
式(Y1−3)において、R101は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、又は、これらが結合した構造からn個の水素原子を除いた基であることが好ましく、炭素数2〜30の飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン又はナフタレンからn個の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
式(Y1−3)において、nは1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
式(Y1−5)において、mは1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
イミニウム塩の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔スルホニウム塩〕
本発明において、スルホニウム塩とは、スルホニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。アニオンとしては、上述のアンモニウム塩におけるアニオンと同様のものが例示され、好ましい態様も同様である。
本発明において、スルホニウム塩とは、スルホニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。アニオンとしては、上述のアンモニウム塩におけるアニオンと同様のものが例示され、好ましい態様も同様である。
−スルホニウムカチオン−
スルホニウムカチオンとしては、第三級スルホニウムカチオンが好ましく、トリアリールスルホニウムカチオンがより好ましい。
また、スルホニウムカチオンとしては、下記式(103)で表されるカチオンが好ましい。
スルホニウムカチオンとしては、第三級スルホニウムカチオンが好ましく、トリアリールスルホニウムカチオンがより好ましい。
また、スルホニウムカチオンとしては、下記式(103)で表されるカチオンが好ましい。
式(103)中、R8〜R10はそれぞれ独立に炭化水素基を表す。
R8〜R10はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることが更に好ましく、フェニル基であることが更に好ましい。
R8〜R10は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ヒドロキシ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、置換基として、アルキル基、又は、アルコキシ基を有することが好ましく、分岐アルキル基又はアルコキシ基を有することがより好ましく、炭素数3〜10の分岐アルキル基、又は、炭素数1〜10のアルコキシ基を有することが更に好ましい。
R8〜R10は同一の基であっても、異なる基であってもよいが、合成適性上の観点からは、同一の基であることが好ましい。
R8〜R10はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることが更に好ましく、フェニル基であることが更に好ましい。
R8〜R10は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ヒドロキシ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、置換基として、アルキル基、又は、アルコキシ基を有することが好ましく、分岐アルキル基又はアルコキシ基を有することがより好ましく、炭素数3〜10の分岐アルキル基、又は、炭素数1〜10のアルコキシ基を有することが更に好ましい。
R8〜R10は同一の基であっても、異なる基であってもよいが、合成適性上の観点からは、同一の基であることが好ましい。
スルホニウム塩の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔ヨードニウム塩〕
本発明において、ヨードニウム塩とは、ヨードニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。アニオンとしては、上述のアンモニウム塩におけるアニオンと同様のものが例示され、好ましい態様も同様である。
本発明において、ヨードニウム塩とは、ヨードニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。アニオンとしては、上述のアンモニウム塩におけるアニオンと同様のものが例示され、好ましい態様も同様である。
−ヨードニウムカチオン−
ヨードニウムカチオンとしては、ジアリールヨードニウムカチオンが好ましい。
また、ヨードニウムカチオンとしては、下記式(104)で表されるカチオンが好ましい。
ヨードニウムカチオンとしては、ジアリールヨードニウムカチオンが好ましい。
また、ヨードニウムカチオンとしては、下記式(104)で表されるカチオンが好ましい。
式(104)中、R11及びR12はそれぞれ独立に炭化水素基を表す。
R11及びR12はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることが更に好ましく、フェニル基であることが更に好ましい。
R11及びR12は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ヒドロキシ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、置換基として、アルキル基、又はアルコキシ基を有することが好ましく、分岐アルキル基又はアルコキシ基を有することがより好ましく、炭素数3〜10の分岐アルキル基、又は、炭素数1〜10のアルコキシ基を有することが更に好ましい。
R11及びR12は同一の基であっても、異なる基であってもよいが、合成適性上の観点からは、同一の基であることが好ましい。
R11及びR12はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることが更に好ましく、フェニル基であることが更に好ましい。
R11及びR12は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ヒドロキシ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、置換基として、アルキル基、又はアルコキシ基を有することが好ましく、分岐アルキル基又はアルコキシ基を有することがより好ましく、炭素数3〜10の分岐アルキル基、又は、炭素数1〜10のアルコキシ基を有することが更に好ましい。
R11及びR12は同一の基であっても、異なる基であってもよいが、合成適性上の観点からは、同一の基であることが好ましい。
ヨードニウム塩の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔ホスホニウム塩〕
本発明において、ホスホニウム塩とは、ホスホニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。アニオンとしては、上述のアンモニウム塩におけるアニオンと同様のものが例示され、好ましい態様も同様である。
本発明において、ホスホニウム塩とは、ホスホニウムカチオンと、アニオンとの塩を意味する。アニオンとしては、上述のアンモニウム塩におけるアニオンと同様のものが例示され、好ましい態様も同様である。
−ホスホニウムカチオン−
ホスホニウムカチオンとしては、第四級ホスホニウムカチオンが好ましく、テトラアルキルホスホニウムカチオン、トリアリールモノアルキルホスホニウムカチオン等が挙げられる。
また、ホスホニウムカチオンとしては、下記式(105)で表されるカチオンが好ましい。
ホスホニウムカチオンとしては、第四級ホスホニウムカチオンが好ましく、テトラアルキルホスホニウムカチオン、トリアリールモノアルキルホスホニウムカチオン等が挙げられる。
また、ホスホニウムカチオンとしては、下記式(105)で表されるカチオンが好ましい。
式(105)中、R13〜R16はそれぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を表す。
R13〜R16はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることが更に好ましく、フェニル基であることが更に好ましい。
R13〜R16は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ヒドロキシ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、置換基として、アルキル基、又はアルコキシ基を有することが好ましく、分岐アルキル基又はアルコキシ基を有することがより好ましく、炭素数3〜10の分岐アルキル基、又は、炭素数1〜10のアルコキシ基を有することが更に好ましい。
R13〜R16は同一の基であっても、異なる基であってもよいが、合成適性上の観点からは、同一の基であることが好ましい。
R13〜R16はそれぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であることがより好ましく、炭素数6〜12のアリール基であることが更に好ましく、フェニル基であることが更に好ましい。
R13〜R16は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ヒドロキシ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、置換基として、アルキル基、又はアルコキシ基を有することが好ましく、分岐アルキル基又はアルコキシ基を有することがより好ましく、炭素数3〜10の分岐アルキル基、又は、炭素数1〜10のアルコキシ基を有することが更に好ましい。
R13〜R16は同一の基であっても、異なる基であってもよいが、合成適性上の観点からは、同一の基であることが好ましい。
ホスホニウム塩の具体例としては、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の感光性樹脂組成物がオニウム塩を含む場合、オニウム塩の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対し、0.1〜50質量%が好ましい。下限は、0.5質量%以上がより好ましく、0.85質量%以上が更に好ましく、1質量%以上が一層好ましい。上限は、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましく、10質量%以下が一層好ましく、5質量%以下であってもよく、4質量%以下であってもよい。
オニウム塩は、1種又は2種以上を用いることができる。2種以上を用いる場合は、合計量が上記範囲であることが好ましい。
オニウム塩は、1種又は2種以上を用いることができる。2種以上を用いる場合は、合計量が上記範囲であることが好ましい。
<熱塩基発生剤>
本発明の硬化性樹脂組成物は、塩基発生剤を含んでもよい。
熱塩基発生剤は、上述のオニウム塩に該当する化合物であってもよいし、上述のオニウム塩以外の他の熱塩基発生剤であってもよい。
他の熱塩基発生剤としては、ノニオン系熱塩基発生剤が挙げられる。
ノニオン系熱塩基発生剤としては、式(B1)又は式(B2)で表される化合物が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、塩基発生剤を含んでもよい。
熱塩基発生剤は、上述のオニウム塩に該当する化合物であってもよいし、上述のオニウム塩以外の他の熱塩基発生剤であってもよい。
他の熱塩基発生剤としては、ノニオン系熱塩基発生剤が挙げられる。
ノニオン系熱塩基発生剤としては、式(B1)又は式(B2)で表される化合物が挙げられる。
式(B1)及び式(B2)中、Rb1、Rb2及びRb3はそれぞれ独立に、第3級アミン構造を有しない有機基、ハロゲン原子又は水素原子である。ただし、Rb1及びRb2が同時に水素原子となることはない。また、Rb1、Rb2及びRb3はいずれもカルボキシ基を有することはない。なお、本明細書で第3級アミン構造とは、3価の窒素原子の3つの結合手がいずれも炭化水素系の炭素原子と共有結合している構造を指す。したがって、結合した炭素原子がカルボニル基をなす炭素原子の場合、つまり窒素原子とともにアミド基を形成する場合はこの限りではない。
式(B1)、(B2)中、Rb1、Rb2及びRb3は、これらのうち少なくとも1つが環状構造を含むことが好ましく、少なくとも2つが環状構造を含むことがより好ましい。環状構造としては、単環及び縮合環のいずれであってもよく、単環又は単環が2つ縮合した縮合環が好ましい。単環は、5員環又は6員環が好ましく、6員環が好ましい。単環は、シクロヘキサン環及びベンゼン環が好ましく、シクロヘキサン環がより好ましい。
より具体的にRb1及びRb2は、水素原子、アルキル基(炭素数1〜24が好ましく、2〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜24が好ましく、2〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10が更に好ましい)、又はアリールアルキル基(炭素数7〜25が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜12が更に好ましい)であることが好ましい。これらの基は、本発明の効果を奏する範囲で置換基を有していてもよい。Rb1とRb2とは互いに結合して環を形成していてもよい。形成される環としては、4〜7員の含窒素複素環が好ましい。Rb1及びRb2は特に、置換基を有してもよい直鎖、分岐、又は環状のアルキル基(炭素数1〜24が好ましく、2〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)であることが好ましく、置換基を有してもよいシクロアルキル基(炭素数3〜24が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)であることがより好ましく、置換基を有してもよいシクロヘキシル基が更に好ましい。
Rb3としては、アルキル基(炭素数1〜24が好ましく、2〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜24が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜6が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜12が更に好ましい)、アリールアルケニル基(炭素数8〜24が好ましく、8〜20がより好ましく、8〜16が更に好ましい)、アルコキシル基(炭素数1〜24が好ましく、2〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)、アリールオキシ基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜12が更に好ましい)、又はアリールアルキルオキシ基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜12が更に好ましい)が挙げられる。中でも、シクロアルキル基(炭素数3〜24が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)、アリールアルケニル基、アリールアルキルオキシ基が好ましい。Rb3には更に本発明の効果を奏する範囲で置換基を有していてもよい。
式(B1)で表される化合物は、下記式(B1−1)又は下記式(B1−2)で表される化合物であることが好ましい。
式中、Rb11及びRb12、並びに、Rb31及びRb32は、それぞれ、式(B1)におけるRb1及びRb2と同じである。
Rb13はアルキル基(炭素数1〜24が好ましく、2〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜24が好ましく、2〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜12が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜12が更に好ましい)であり、本発明の効果を奏する範囲で置換基を有していてもよい。中でも、Rb13はアリールアルキル基が好ましい。
Rb13はアルキル基(炭素数1〜24が好ましく、2〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜24が好ましく、2〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜12が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜12が更に好ましい)であり、本発明の効果を奏する範囲で置換基を有していてもよい。中でも、Rb13はアリールアルキル基が好ましい。
Rb33及びRb34は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜3が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜3が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜11が更に好ましい)であり、水素原子が好ましい。
また、Rb33及びRb34が結合して環構造を形成してもよい。形成される環構造としては、ベンゼン環構造等があげられる。
また、Rb33及びRb34が結合して環構造を形成してもよい。形成される環構造としては、ベンゼン環構造等があげられる。
Rb35は、アルキル基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、3〜8が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜12がより好ましく、3〜8が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜12が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜12が更に好ましい)であり、アリール基が好ましい。
式(B1−1)で表される化合物は、式(B1−1a)で表される化合物もまた好ましい。
Rb11及びRb12は式(B1−1)におけるRb11及びRb12と同義である。
Rb15及びRb16は水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜11が更に好ましい)であり、水素原子又はメチル基が好ましい。
Rb17はアルキル基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、3〜8が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜12がより好ましく、3〜8が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜12が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜12が更に好ましい)であり、中でもアリール基が好ましい。
Rb15及びRb16は水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜11が更に好ましい)であり、水素原子又はメチル基が好ましい。
Rb17はアルキル基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、3〜8が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜12がより好ましく、3〜8が更に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜12が更に好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜12が更に好ましい)であり、中でもアリール基が好ましい。
ノニオン系熱塩基発生剤の分子量は、800以下であることが好ましく、600以下であることがより好ましく、500以下であることが更に好ましい。下限としては、100以上であることが好ましく、200以上であることがより好ましく、300以上であることが更に好ましい。
上述のオニウム塩のうち、熱塩基発生剤である化合物の具体例、又は、他の熱塩基発生剤の具体例としては、以下の化合物を挙げることができる。
熱塩基発生剤の含有量は、本発明に用いられる硬化性樹脂組成物の全固形分に対し、0.1〜50質量%が好ましい。下限は、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。上限は、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。熱塩基発生剤は、1種又は2種以上を用いることができる。2種以上を用いる場合は、合計量が上記範囲であることが好ましい。
<光重合開始剤>
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光ラジカル重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視領域の光線に対して感光性を有する光ラジカル重合開始剤が好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよい。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光ラジカル重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視領域の光線に対して感光性を有する光ラジカル重合開始剤が好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよい。
光ラジカル重合開始剤は、約300〜800nm(好ましくは330〜500nm)の範囲内で少なくとも約50L・mol−1・cm−1のモル吸光係数を有する化合物を、少なくとも1種含有していることが好ましい。化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いて測定することができる。例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Cary−5 spectrophotometer)にて、酢酸エチル溶剤を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、公知の化合物を任意に使用できる。例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有する化合物、オキサジアゾール骨格を有する化合物、トリハロメチル基を有する化合物など)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノン、アゾ系化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ素化合物、鉄アレーン錯体などが挙げられる。これらの詳細については、特開2016−027357号公報の段落0165〜0182、国際公開第2015/199219号の段落0138〜0151の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
ケトン化合物としては、例えば、特開2015−087611号公報の段落0087に記載の化合物が例示され、この内容は本明細書に組み込まれる。市販品では、カヤキュアーDETX(日本化薬(株)製)も好適に用いられる。
光ラジカル重合開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノン化合物、アミノアセトフェノン化合物、及び、アシルホスフィン化合物も好適に用いることができる。より具体的には、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、特許第4225898号に記載のアシルホスフィンオキシド系開始剤も用いることができる。
ヒドロキシアセトフェノン系開始剤としては、IRGACURE 184(IRGACUREは登録商標)、DAROCUR 1173、IRGACURE 500、IRGACURE−2959、IRGACURE 127(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
アミノアセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE 907、IRGACURE 369、及び、IRGACURE 379(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
アミノアセトフェノン系開始剤として、365nm又は405nm等の波長光源に吸収極大波長がマッチングされた特開2009−191179号公報に記載の化合物も用いることができる。
アシルホスフィン系開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイドなどが挙げられる。また、市販品であるIRGACURE−819やIRGACURE−TPO(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
メタロセン化合物としては、IRGACURE−784(BASF社製)などが例示される。
光ラジカル重合開始剤として、より好ましくはオキシム化合物が挙げられる。オキシム化合物を用いることにより、露光ラチチュードをより効果的に向上させることが可能になる。オキシム化合物は、露光ラチチュード(露光マージン)が広く、かつ、光硬化促進剤としても働くため、特に好ましい。
オキシム化合物の具体例としては、特開2001−233842号公報に記載の化合物、特開2000−080068号公報に記載の化合物、特開2006−342166号公報に記載の化合物を用いることができる。
好ましいオキシム化合物としては、例えば、下記の構造の化合物や、3−ベンゾイルオキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。本発明に用いられる硬化性樹脂組成物においては、特に光ラジカル重合開始剤としてオキシム化合物(オキシム系の光重合開始剤)を用いることが好ましい。オキシム系の光重合開始剤は、分子内に >C=N−O−C(=O)− の連結基を有する。
市販品ではIRGACURE OXE 01、IRGACURE OXE 02、IRGACURE OXE 03、IRGACURE OXE 04(以上、BASF社製)、アデカオプトマーN−1919((株)ADEKA製、特開2012−014052号公報に記載の光ラジカル重合開始剤2)も好適に用いられる。また、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカアークルズNCI−831及びアデカアークルズNCI−930((株)ADEKA製)も用いることができる。また、DFI−091(ダイトーケミックス(株)製)を用いることができる。
また、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることも可能である。そのようなオキシム化合物の具体例としては、特開2010−262028号公報に記載されている化合物、特表2014−500852号公報の段落0345に記載されている化合物24、36〜40、特開2013−164471号公報の段落0101に記載されている化合物(C−3)などが挙げられる。
最も好ましいオキシム化合物としては、特開2007−269779号公報に示される特定置換基を有するオキシム化合物や、特開2009−191061号公報に示されるチオアリール基を有するオキシム化合物などが挙げられる。
光ラジカル重合開始剤は、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、オニウム塩化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物よりなる群から選択される化合物が好ましい。
更に好ましい光ラジカル重合開始剤は、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、オニウム塩化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物であり、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が一層好ましく、メタロセン化合物又はオキシム化合物を用いるのがより一層好ましく、オキシム化合物が更に一層好ましい。
また、光ラジカル重合開始剤は、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)等のN,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等の芳香環と縮環したキノン類、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体などを用いることもできる。また、下記式(I)で表される化合物を用いることもできる。
式(I)中、RI00は、炭素数1〜20のアルキル基、1個以上の酸素原子によって中断された炭素数2〜20のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、炭素数2〜12のアルケニル基、1個以上の酸素原子によって中断された炭素数2〜18のアルキル基及び炭素数1〜4のアルキル基の少なくとも1つで置換されたフェニル基、又はビフェニルであり、RI01は、式(II)で表される基であるか、RI00と同じ基であり、RI02〜RI04は各々独立に炭素数1〜12のアルキル、炭素数1〜12のアルコキシ基又はハロゲンである。
式中、RI05〜RI07は、上記式(I)のRI02〜RI04と同じである。
また、光ラジカル重合開始剤は、国際公開第2015/125469号の段落0048〜0055に記載の化合物を用いることもできる。
光重合開始剤を含む場合、その含有量は、本発明に用いられる硬化性樹脂組成物の全固形分に対し0.1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20質量%であり、更に好ましくは0.5〜15質量%であり、一層好ましくは1.0〜10質量%である。光重合開始剤は1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。光重合開始剤を2種以上含有する場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
<熱重合開始剤>
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、重合開始剤として熱重合開始剤を含んでもよく、とくに熱ラジカル重合開始剤を含んでもよい。熱ラジカル重合開始剤は、熱のエネルギーによってラジカルを発生し、重合性を有する化合物の重合反応を開始又は促進させる化合物である。熱ラジカル重合開始剤を添加することによって、複素環含有ポリマー前駆体の環化と共に、複素環含有ポリマー前駆体の重合反応を進行させることもできるので、より高度な耐熱化が達成できることとなる。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、重合開始剤として熱重合開始剤を含んでもよく、とくに熱ラジカル重合開始剤を含んでもよい。熱ラジカル重合開始剤は、熱のエネルギーによってラジカルを発生し、重合性を有する化合物の重合反応を開始又は促進させる化合物である。熱ラジカル重合開始剤を添加することによって、複素環含有ポリマー前駆体の環化と共に、複素環含有ポリマー前駆体の重合反応を進行させることもできるので、より高度な耐熱化が達成できることとなる。
熱ラジカル重合開始剤として、具体的には、特開2008−063554号公報の段落0074〜0118に記載されている化合物が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤を含む場合、その含有量は、本発明に用いられる硬化性樹脂組成物の全固形分に対し0.1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20質量%であり、更に好ましくは5〜15質量%である。熱ラジカル重合開始剤は1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。熱ラジカル重合開始剤を2種以上含有する場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
<重合性化合物>
〔ラジカル重合性化合物〕
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は重合性化合物を含むことが好ましい。
重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物を用いることができる。ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合性基を有する化合物である。ラジカル重合性基としては、ビニル基、アリル基、ビニルフェニル基、(メタ)アクリロイル基などのエチレン性不飽和結合を有する基が挙げられる。ラジカル重合性基は、(メタ)アクリロイル基が好ましく、反応性の観点からは、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
〔ラジカル重合性化合物〕
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は重合性化合物を含むことが好ましい。
重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物を用いることができる。ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合性基を有する化合物である。ラジカル重合性基としては、ビニル基、アリル基、ビニルフェニル基、(メタ)アクリロイル基などのエチレン性不飽和結合を有する基が挙げられる。ラジカル重合性基は、(メタ)アクリロイル基が好ましく、反応性の観点からは、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
ラジカル重合性化合物が有するラジカル重合性基の数は、1個でもよく、2個以上でもよいが、ラジカル重合性化合物はラジカル重合性基を2個以上有することが好ましく、3個以上有することがより好ましい。上限は、15個以下が好ましく、10個以下がより好ましく、8個以下が更に好ましい。
ラジカル重合性化合物の分子量は、2,000以下が好ましく、1,500以下がより好ましく、900以下が更に好ましい。ラジカル重合性化合物の分子量の下限は、100以上が好ましい。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、現像性の観点から、ラジカル重合性基を2個以上含む2官能以上のラジカル重合性化合物を少なくとも1種含むことが好ましく、3官能以上のラジカル重合性化合物を少なくとも1種含むことがより好ましい。また、2官能のラジカル重合性化合物と3官能以上のラジカル重合性化合物との混合物であってもよい。例えば2官能以上のラジカル重合性化合物の官能基数とは、1分子中におけるラジカル重合性基の数が2個以上であることを意味する。
ラジカル重合性化合物の具体例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド類である。また、ヒドロキシ基やアミノ基、スルファニル基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類又はエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更に、ハロゲノ基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等のビニルベンゼン誘導体、ビニルエーテル、アリルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。具体例としては、特開2016−027357号公報の段落0113〜0122の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、ラジカル重合性化合物は、常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物も好ましい。その例としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後、(メタ)アクリレート化した化合物、特公昭48−041708号公報、特公昭50−006034号公報、特開昭51−037193号各公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48−064183号、特公昭49−043191号、特公昭52−030490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレート及びこれらの混合物を挙げることができる。また、特開2008−292970号公報の段落0254〜0257に記載の化合物も好適である。また、多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和結合を有する化合物を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、上述以外の好ましいラジカル重合性化合物として、特開2010−160418号公報、特開2010−129825号公報、特許第4364216号公報等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性不飽和結合を有する基を2個以上有する化合物や、カルド樹脂も使用することが可能である。
更に、その他の例としては、特公昭46−043946号公報、特公平01−040337号公報、特公平01−040336号公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平02−025493号公報に記載のビニルホスホン酸系化合物等もあげることができる。また、特開昭61−022048号公報に記載のペルフルオロアルキル基を含む化合物を用いることもできる。更に日本接着協会誌 vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光重合性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
上記のほか、特開2015−034964号公報の段落0048〜0051に記載の化合物、国際公開第2015/199219号の段落0087〜0131に記載の化合物も好ましく用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、特開平10−062986号公報において式(1)及び式(2)としてその具体例と共に記載の、多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、ラジカル重合性化合物として用いることができる。
更に、特開2015−187211号公報の段落0104〜0131に記載の化合物も他のラジカル重合性化合物として用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
ラジカル重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては KAYARAD D−330;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D−320;日本化薬(株)製、A−TMMT:新中村化学工業(株)製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D−310;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製、A−DPH;新中村化学工業社製)、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール残基又はプロピレングリコール残基を介して結合している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
ラジカル重合性化合物の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、エチレンオキシ鎖を4個有する2官能メタクリレートであるサートマー社製のSR−209、231、239、日本化薬(株)製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(日本製紙社製)、NKエステルM−40G、NKエステル4G、NKエステルM−9300、NKエステルA−9300、UA−7200(新中村化学工業社製)、DPHA−40H(日本化薬(株)製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社化学社製)、ブレンマーPME400(日油(株)製)などが挙げられる。
ラジカル重合性化合物としては、特公昭48−041708号公報、特開昭51−037193号公報、特公平02−032293号公報、特公平02−016765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−049860号公報、特公昭56−017654号公報、特公昭62−039417号公報、特公昭62−039418号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、ラジカル重合性化合物として、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平01−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する化合物を用いることもできる。
ラジカル重合性化合物は、カルボキシ基、リン酸基等の酸基を有するラジカル重合性化合物であってもよい。酸基を有するラジカル重合性化合物は、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシ基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせたラジカル重合性化合物がより好ましい。特に好ましくは、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシ基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせたラジカル重合性化合物において、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールである化合物である。市販品としては、例えば、東亞合成(株)製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M−510、M−520などが挙げられる。
酸基を有するラジカル重合性化合物の好ましい酸価は、0.1〜40mgKOH/gであり、特に好ましくは5〜30mgKOH/gである。ラジカル重合性化合物の酸価が上記範囲であれば、製造上の取扱性に優れ、更には、現像性に優れる。また、重合性が良好である。上記酸価は、JIS K 0070:1992の記載に準拠して測定される。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、硬化膜の弾性率制御に伴う反り抑制の観点から、ラジカル重合性化合物として、単官能ラジカル重合性化合物を好ましく用いることができる。単官能ラジカル重合性化合物としては、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニル化合物類、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物類等が好ましく用いられる。単官能ラジカル重合性化合物としては、露光前の揮発を抑制するため、常圧下で100℃以上の沸点を持つ化合物も好ましい。
〔上述したラジカル重合性化合物以外の重合性化合物〕
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、上述したラジカル重合性化合物以外の重合性化合物を更に含むことができる。上述したラジカル重合性化合物以外の重合性化合物としては、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基を有する化合物;エポキシ化合物;オキセタン化合物;ベンゾオキサジン化合物が挙げられる。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、上述したラジカル重合性化合物以外の重合性化合物を更に含むことができる。上述したラジカル重合性化合物以外の重合性化合物としては、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基を有する化合物;エポキシ化合物;オキセタン化合物;ベンゾオキサジン化合物が挙げられる。
−ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基を有する化合物−
ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基を有する化合物としては、下記式(AM1)、(AM4)又は(AM5)で示される化合物が好ましい。
ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基を有する化合物としては、下記式(AM1)、(AM4)又は(AM5)で示される化合物が好ましい。
式(AM4)で示される化合物の具体例としては、46DMOC、46DMOEP(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PCHP、DML−PC、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、dimethylolBisOC−P、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MTrisPC(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、NIKALAC MX−290(商品名、(株)三和ケミカル製)、2,6−dimethoxymethyl−4−t−butylphenol、2,6−dimethoxymethyl−p−cresol、2,6−diacetoxymethyl−p−cresolなどが挙げられる。
また、式(AM5)で示される化合物の具体例としては、TriML−P、TriML−35XL、TML−HQ、TML−BP、TML−pp−BPF、TML−BPA、TMOM−BP、HML−TPPHBA、HML−TPHAP、HMOM−TPPHBA、HMOM−TPHAP(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、TM−BIP−A(商品名、旭有機材工業(株)製)、NIKALAC MX−280、NIKALAC MX−270、NIKALAC MW−100LM(以上、商品名、(株)三和ケミカル製)が挙げられる。
−エポキシ化合物(エポキシ基を有する化合物)−
エポキシ化合物としては、一分子中にエポキシ基を2以上有する化合物であることが好ましい。エポキシ基は、200℃以下で架橋反応し、かつ、架橋に由来する脱水反応が起こらないため膜収縮が起きにくい。このため、エポキシ化合物を含有することは、硬化性樹脂組成物の低温硬化及び反りの抑制に効果的である。
エポキシ化合物としては、一分子中にエポキシ基を2以上有する化合物であることが好ましい。エポキシ基は、200℃以下で架橋反応し、かつ、架橋に由来する脱水反応が起こらないため膜収縮が起きにくい。このため、エポキシ化合物を含有することは、硬化性樹脂組成物の低温硬化及び反りの抑制に効果的である。
エポキシ化合物は、ポリエチレンオキサイド基を含有することが好ましい。これにより、より弾性率が低下し、また反りを抑制することができる。ポリエチレンオキサイド基は、エチレンオキサイドの繰返し単位数が2以上のものを意味し、繰返し単位数が2〜15であることが好ましい。
エポキシ化合物の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;プロピレングリコールジグリシジルエーテル等のアルキレングリコール型エポキシ樹脂;ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコール型エポキシ樹脂;ポリメチル(グリシジロキシプロピル)シロキサン等のエポキシ基含有シリコーンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。具体的には、エピクロン(登録商標)850−S、エピクロン(登録商標)HP−4032、エピクロン(登録商標)HP−7200、エピクロン(登録商標)HP−820、エピクロン(登録商標)HP−4700、エピクロン(登録商標)EXA−4710、エピクロン(登録商標)HP−4770、エピクロン(登録商標)EXA−859CRP、エピクロン(登録商標)EXA−1514、エピクロン(登録商標)EXA−4880、エピクロン(登録商標)EXA−4850−150、エピクロンEXA−4850−1000、エピクロン(登録商標)EXA−4816、エピクロン(登録商標)EXA−4822(以上商品名、DIC(株)製)、リカレジン(登録商標)BEO−60E(商品名、新日本理化(株))、EP−4003S、EP−4000S(以上商品名、(株)ADEKA製)などが挙げられる。この中でも、ポリエチレンオキサイド基を含有するエポキシ樹脂が、反りの抑制及び耐熱性に優れる点で好ましい。例えば、エピクロン(登録商標)EXA−4880、エピクロン(登録商標)EXA−4822、リカレジン(登録商標)BEO−60Eは、ポリエチレンオキサイド基を含有するので好ましい。
−オキセタン化合物(オキセタニル基を有する化合物)−
オキセタン化合物としては、一分子中にオキセタン環を2つ以上有する化合物、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルメチル)オキセタン、1,4−ベンゼンジカルボン酸−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル等を挙げることができる。具体的な例としては、東亞合成(株)製のアロンオキセタンシリーズ(例えば、OXT−121、OXT−221、OXT−191、OXT−223)が好適に使用することができ、これらは単独で、又は2種以上混合してもよい。
オキセタン化合物としては、一分子中にオキセタン環を2つ以上有する化合物、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルメチル)オキセタン、1,4−ベンゼンジカルボン酸−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル等を挙げることができる。具体的な例としては、東亞合成(株)製のアロンオキセタンシリーズ(例えば、OXT−121、OXT−221、OXT−191、OXT−223)が好適に使用することができ、これらは単独で、又は2種以上混合してもよい。
−ベンゾオキサジン化合物(ベンゾオキサゾリル基を有する化合物)−
ベンゾオキサジン化合物は、開環付加反応に由来する架橋反応のため、硬化時に脱ガスが発生せず、更に熱収縮を小さくして反りの発生が抑えられることから好ましい。
ベンゾオキサジン化合物は、開環付加反応に由来する架橋反応のため、硬化時に脱ガスが発生せず、更に熱収縮を小さくして反りの発生が抑えられることから好ましい。
ベンゾオキサジン化合物の好ましい例としては、B−a型ベンゾオキサジン、B−m型ベンゾオキサジン(以上、商品名、四国化成工業(株)製)、ポリヒドロキシスチレン樹脂のベンゾオキサジン付加物、フェノールノボラック型ジヒドロベンゾオキサジン化合物が挙げられる。これらは単独で用いるか、又は2種以上混合してもよい。
重合性化合物を含有する場合、その含有量は、本発明に用いられる硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、0質量%超60質量%以下であることが好ましい。下限は5質量%以上がより好ましい。上限は、50質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが更に好ましい。
重合性化合物は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を併用する場合にはその合計量が上記の範囲となることが好ましい。
<マイグレーション抑制剤>
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、更にマイグレーション抑制剤を含むことが好ましい。マイグレーション抑制剤を含むことにより、金属層(金属配線)由来の金属イオンが硬化性樹脂組成物層内へ移動することを効果的に抑制可能となる。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、更にマイグレーション抑制剤を含むことが好ましい。マイグレーション抑制剤を含むことにより、金属層(金属配線)由来の金属イオンが硬化性樹脂組成物層内へ移動することを効果的に抑制可能となる。
マイグレーション抑制剤としては、特に制限はないが、複素環(ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、2H−ピラン環及び6H−ピラン環、トリアジン環)を有する化合物、チオ尿素類及びスルファニル基を有する化合物、ヒンダードフェノール系化合物、サリチル酸誘導体系化合物、ヒドラジド誘導体系化合物が挙げられる。特に、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール等のトリアゾール系化合物、1H−テトラゾール、5−フェニルテトラゾール等のテトラゾール系化合物が好ましく使用できる。
又はハロゲンイオンなどの陰イオンを捕捉するイオントラップ剤を使用することもできる。
その他のマイグレーション抑制剤としては、特開2013−015701号公報の段落0094に記載の防錆剤、特開2009−283711号公報の段落0073〜0076に記載の化合物、特開2011−059656号公報の段落0052に記載の化合物、特開2012−194520号公報の段落0114、0116及び0118に記載の化合物、国際公開第2015/199219号の段落0166に記載の化合物などを使用することができる。
マイグレーション抑制剤の具体例としては、下記化合物を挙げることができる。
硬化性樹脂組成物がマイグレーション抑制剤を有する場合、マイグレーション抑制剤の含有量は、硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、0.01〜5.0質量%であることが好ましく、0.05〜2.0質量%であることがより好ましく、0.1〜1.0質量%であることが更に好ましい。
マイグレーション抑制剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。マイグレーション抑制剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
<重合禁止剤>
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、重合禁止剤を含むことが好ましい。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、重合禁止剤を含むことが好ましい。
重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、p−tert−ブチルカテコール、1,4−ベンゾキノン、ジフェニル−p−ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、フェノチアジン、N−ニトロソジフェニルアミン、N−フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、2−ニトロソ−5−(N−エチル−N−スルホプロピルアミノ)フェノール、N−ニトロソ−N−(1−ナフチル)ヒドロキシアミンアンモニウム塩、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−tert−ブチル)フェニルメタンなどが好適に用いられる。また、特開2015−127817号公報の段落0060に記載の重合禁止剤、及び、国際公開第2015/125469号の段落0031〜0046に記載の化合物を用いることもできる。
また、下記化合物を用いることができる(Meはメチル基である)。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物が重合禁止剤を有する場合、重合禁止剤の含有量は、本発明に用いられる硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.02〜3質量%であることがより好ましく、0.05〜2.5質量%であることが更に好ましい。
重合禁止剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。重合禁止剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
<金属接着性改良剤>
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、電極や配線などに用いられる金属材料との接着性を向上させるための金属接着性改良剤を含んでいることが好ましい。金属接着性改良剤としては、シランカップリング剤などが挙げられる。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、電極や配線などに用いられる金属材料との接着性を向上させるための金属接着性改良剤を含んでいることが好ましい。金属接着性改良剤としては、シランカップリング剤などが挙げられる。
シランカップリング剤の例としては、国際公開第2015/199219号の段落0167に記載の化合物、特開2014−191002号公報の段落0062〜0073に記載の化合物、国際公開第2011/080992号の段落0063〜0071に記載の化合物、特開2014−191252号公報の段落0060〜0061に記載の化合物、特開2014−041264号公報の段落0045〜0052に記載の化合物、国際公開第2014/097594号の段落0055に記載の化合物が挙げられる。また、特開2011−128358号公報の段落0050〜0058に記載のように異なる2種以上のシランカップリング剤を用いることも好ましい。また、シランカップリング剤は、下記化合物を用いることも好ましい。以下の式中、Etはエチル基を表す。
また、金属接着性改良剤としては、特開2014−186186号公報の段落0046〜0049に記載の化合物、特開2013−072935号公報の段落0032〜0043に記載のスルフィド系化合物を用いることもできる。
金属接着性改良剤の含有量は複素環含有ポリマー前駆体100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部であり、より好ましくは0.5〜15質量部の範囲であり、更に好ましくは0.5〜5質量部の範囲である。上記下限値以上とすることで硬化工程後の硬化膜と金属層との接着性が良好となり、上記上限値以下とすることで硬化工程後の硬化膜の耐熱性、機械特性が良好となる。金属接着性改良剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。2種以上用いる場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、各種の添加物、例えば、熱酸発生剤、N−フェニルジエタノールアミンなどの増感剤、連鎖移動剤、界面活性剤、高級脂肪酸誘導体、無機粒子、硬化剤、硬化触媒、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。これらの添加剤を配合する場合、その合計配合量は硬化性樹脂組成物の固形分の3質量%以下とすることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、各種の添加物、例えば、熱酸発生剤、N−フェニルジエタノールアミンなどの増感剤、連鎖移動剤、界面活性剤、高級脂肪酸誘導体、無機粒子、硬化剤、硬化触媒、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。これらの添加剤を配合する場合、その合計配合量は硬化性樹脂組成物の固形分の3質量%以下とすることが好ましい。
〔増感剤〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、増感剤を含んでいてもよい。増感剤は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、熱硬化促進剤、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤などと接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより、熱硬化促進剤、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤は化学変化を起こして分解し、ラジカル、酸又は塩基を生成する。
増感剤としては、N−フェニルジエタノールアミン等の増感剤が挙げられる。
また、増感剤としては、増感色素を用いてもよい。
増感色素の詳細については、特開2016−027357号公報の段落0161〜0163の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、増感剤を含んでいてもよい。増感剤は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、熱硬化促進剤、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤などと接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより、熱硬化促進剤、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤は化学変化を起こして分解し、ラジカル、酸又は塩基を生成する。
増感剤としては、N−フェニルジエタノールアミン等の増感剤が挙げられる。
また、増感剤としては、増感色素を用いてもよい。
増感色素の詳細については、特開2016−027357号公報の段落0161〜0163の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の硬化性樹脂組成物が増感剤を含む場合、増感剤の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物の全固形分に対し、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.1〜15質量%であることがより好ましく、0.5〜10質量%であることが更に好ましい。増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
〔連鎖移動剤〕
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、連鎖移動剤を含有してもよい。連鎖移動剤は、例えば高分子辞典第三版(高分子学会編、2005年)683−684頁に定義されている。連鎖移動剤としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、及びGeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカルに水素を供与して、ラジカルを生成するか、若しくは、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成しうる。特に、チオール化合物を好ましく用いることができる。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、連鎖移動剤を含有してもよい。連鎖移動剤は、例えば高分子辞典第三版(高分子学会編、2005年)683−684頁に定義されている。連鎖移動剤としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、及びGeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカルに水素を供与して、ラジカルを生成するか、若しくは、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成しうる。特に、チオール化合物を好ましく用いることができる。
また、連鎖移動剤は、国際公開第2015/199219号の段落0152〜0153に記載の化合物を用いることもできる。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物が連鎖移動剤を有する場合、連鎖移動剤の含有量は、本発明に用いられる硬化性樹脂組成物の全固形分100質量部に対し、0.01〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましく、1〜5質量部が更に好ましい。連鎖移動剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。連鎖移動剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
〔界面活性剤〕
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種類の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種類の界面活性剤を使用できる。また、下記界面活性剤も好ましい。下記式中、主鎖の構成単位を示す括弧は各構成単位の含有量(モル%)を、側鎖の構成単位を示す括弧は各構成単位の繰り返し数をそれぞれ表す。
また、界面活性剤は、国際公開第2015/199219号の段落0159〜0165に記載の化合物を用いることもできる。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種類の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種類の界面活性剤を使用できる。また、下記界面活性剤も好ましい。下記式中、主鎖の構成単位を示す括弧は各構成単位の含有量(モル%)を、側鎖の構成単位を示す括弧は各構成単位の繰り返し数をそれぞれ表す。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物が界面活性剤を有する場合、界面活性剤の含有量は、本発明に用いられる硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、0.001〜2.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.005〜1.0質量%である。界面活性剤は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。界面活性剤が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
〔高級脂肪酸誘導体〕
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、酸素に起因する重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体を添加して、塗布後の乾燥の過程で硬化性樹脂組成物の表面に偏在させてもよい。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、酸素に起因する重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体を添加して、塗布後の乾燥の過程で硬化性樹脂組成物の表面に偏在させてもよい。
また、高級脂肪酸誘導体は、国際公開第2015/199219号の段落0155に記載の化合物を用いることもできる。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物が高級脂肪酸誘導体を有する場合、高級脂肪酸誘導体の含有量は、本発明に用いられる硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜10質量%であることが好ましい。高級脂肪酸誘導体は1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。高級脂肪酸誘導体が2種以上の場合は、その合計が上記範囲であることが好ましい。
<その他の含有物質についての制限>
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物の水分含有量は、塗布面性状の観点から、5質量%未満が好ましく、1質量%未満がより好ましく、0.6質量%未満が更に好ましい。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物の水分含有量は、塗布面性状の観点から、5質量%未満が好ましく、1質量%未満がより好ましく、0.6質量%未満が更に好ましい。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物の金属含有量は、絶縁性の観点から、5質量ppm(parts per million)未満が好ましく、1質量ppm未満がより好ましく、0.5質量ppm未満が更に好ましい。金属としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、クロム、ニッケルなどが挙げられる。金属を複数含む場合は、これらの金属の合計が上記範囲であることが好ましい。
また、本発明に用いられる硬化性樹脂組成物に意図せずに含まれる金属不純物を低減する方法としては、本発明に用いられる硬化性樹脂組成物を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する、本発明に用いられる硬化性樹脂組成物を構成する原料に対してフィルターろ過を行う、装置内をポリテトラフルオロエチレン等でライニングしてコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う等の方法を挙げることができる。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、半導体材料としての用途を考慮すると、ハロゲン原子の含有量が、配線腐食性の観点から、500質量ppm未満が好ましく、300質量ppm未満がより好ましく、200質量ppm未満が更に好ましい。中でも、ハロゲンイオンの状態で存在するものは、5質量ppm未満が好ましく、1質量ppm未満がより好ましく、0.5質量ppm未満が更に好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。塩素原子及び臭素原子、又は塩素イオン及び臭素イオンの合計がそれぞれ上記範囲であることが好ましい。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物の収容容器としては従来公知の収容容器を用いることができる。また、収容容器としては、原材料や硬化性樹脂組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成された多層ボトルや、6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015−123351号公報に記載の容器が挙げられる。
<硬化性樹脂組成物の調製>
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、上記各成分を混合して調製することができる。混合方法は特に限定はなく、従来公知の方法で行うことができる。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物は、上記各成分を混合して調製することができる。混合方法は特に限定はなく、従来公知の方法で行うことができる。
また、硬化性樹脂組成物中のゴミや微粒子等の異物を除去する目的で、フィルターを用いたろ過を行うことが好ましい。フィルター孔径は、1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.1μm以下が更に好ましい。フィルターの材質は、ポリテトラフロロエチレン、ポリエチレン又はナイロンが好ましい。フィルターは、有機溶剤であらかじめ洗浄したものを用いてもよい。フィルターろ過工程では、複数種のフィルターを直列又は並列に接続して用いてもよい。複数種のフィルターを使用する場合は、孔径又は材質が異なるフィルターを組み合わせて使用してもよい。また、各種材料を複数回ろ過してもよい。複数回ろ過する場合は、循環ろ過であってもよい。また、加圧してろ過を行ってもよい。加圧してろ過を行う場合、加圧する圧力は0.05MPa以上0.3MPa以下が好ましい。
フィルターを用いたろ過の他、吸着材を用いた不純物の除去処理を行ってもよい。フィルターろ過と吸着材を用いた不純物除去処理とを組み合わせてもよい。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができる。例えば、シリカゲル、ゼオライトなどの無機系吸着材、活性炭などの有機系吸着材が挙げられる。
フィルターを用いたろ過の他、吸着材を用いた不純物の除去処理を行ってもよい。フィルターろ過と吸着材を用いた不純物除去処理とを組み合わせてもよい。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができる。例えば、シリカゲル、ゼオライトなどの無機系吸着材、活性炭などの有機系吸着材が挙げられる。
<パターン形成方法の用途>
本発明のパターン形成方法は、再配線層用層間絶縁膜の形成に用いられることが好ましい。
また、その他、半導体デバイスの絶縁膜の形成、又は、ストレスバッファ膜の形成等にも用いることができる。
本発明のパターン形成方法は、再配線層用層間絶縁膜の形成に用いられることが好ましい。
また、その他、半導体デバイスの絶縁膜の形成、又は、ストレスバッファ膜の形成等にも用いることができる。
(膜、硬化膜、積層体、半導体デバイス)
本発明の膜は、本発明に用いられる硬化性樹脂組成物より形成される膜である。
本発明の膜は、例えば、本発明のパターン形成方法における適用工程において製造される。
本発明の膜は、硬化性樹脂組成物から溶剤の少なくとも一部を除いた組成であることが好ましい。上記溶剤を除く方法としては、上述の乾燥等が挙げられる。
本発明の膜の全質量に対する、上記溶剤の含有量は、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。上記含有量の下限は特に限定されず、0質量%であってもよい。
その他、本発明の膜の好ましい態様は、上述の適用工程において形成される膜の好ましい態様と同様である。
本発明の膜は、本発明に用いられる硬化性樹脂組成物より形成される膜である。
本発明の膜は、例えば、本発明のパターン形成方法における適用工程において製造される。
本発明の膜は、硬化性樹脂組成物から溶剤の少なくとも一部を除いた組成であることが好ましい。上記溶剤を除く方法としては、上述の乾燥等が挙げられる。
本発明の膜の全質量に対する、上記溶剤の含有量は、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。上記含有量の下限は特に限定されず、0質量%であってもよい。
その他、本発明の膜の好ましい態様は、上述の適用工程において形成される膜の好ましい態様と同様である。
本発明の硬化膜は、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化してなる。
また、本発明の硬化膜は、本発明のパターン形成方法によりパターンとして形成される。
すなわち、本発明の硬化膜の製造方法は、本発明のパターン形成方法である。
本発明の硬化膜の膜厚は、例えば、0.5μm以上とすることができ、1μm以上とすることができる。また、上限値としては、100μm以下とすることができ、30μm以下とすることもできる。
また、本発明の硬化膜は、本発明のパターン形成方法によりパターンとして形成される。
すなわち、本発明の硬化膜の製造方法は、本発明のパターン形成方法である。
本発明の硬化膜の膜厚は、例えば、0.5μm以上とすることができ、1μm以上とすることができる。また、上限値としては、100μm以下とすることができ、30μm以下とすることもできる。
本発明の硬化膜を2層以上、更には、3〜7層積層して積層体としてもよい。本発明の積層体は、硬化膜を2層以上含み、上記硬化膜同士のいずれかの間に金属層を含む態様が好ましい。例えば、第一の硬化膜、金属層、第二の硬化膜の3つの層がこの順に積層された層構造を少なくとも含む積層体が好ましく挙げられる。上記第一の硬化膜及び上記第二の硬化膜は、いずれも本発明の硬化膜であり、例えば、上記第一の硬化膜及び上記第二の硬化膜のいずれもが、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化してなる膜である態様が好ましく挙げられる。上記第一の硬化膜の形成に用いられる本発明の硬化性樹脂組成物と、上記第二の硬化膜の形成に用いられる本発明の硬化性樹脂組成物とは、組成が同一の組成物であってもよいし、組成が異なる組成物であってもよいが、製造適性上の観点からは、組成が同一の組成物であることが好ましい。このような金属層は、再配線層などの金属配線として好ましく用いられる。
本発明の硬化膜の適用可能な分野としては、半導体デバイスの絶縁膜、再配線層用層間絶縁膜、ストレスバッファ膜などが挙げられる。そのほか、封止フィルム、基板材料(フレキシブルプリント基板のベースフィルムやカバーレイ、層間絶縁膜)、又は上記のような実装用途の絶縁膜をエッチングでパターン形成することなどが挙げられる。これらの用途については、例えば、サイエンス&テクノロジー(株)「ポリイミドの高機能化と応用技術」2008年4月、柿本雅明/監修、CMCテクニカルライブラリー「ポリイミド材料の基礎と開発」2011年11月発行、日本ポリイミド・芳香族系高分子研究会/編「最新ポリイミド 基礎と応用」エヌ・ティー・エス,2010年8月等を参照することができる。
また、本発明における硬化膜は、オフセット版面又はスクリーン版面などの版面の製造、成形部品のエッチングへの使用、エレクトロニクス、特に、マイクロエレクトロニクスにおける保護ラッカー及び誘電層の製造などにも用いることもできる。
本発明は、本発明の硬化膜又は積層体を含む半導体デバイスも開示する。本発明の硬化性樹脂組成物を再配線層用層間絶縁膜の形成に用いた半導体デバイスの具体例としては、特開2016−027357号公報の段落0213〜0218の記載及び図1の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、本発明の半導体デバイスは、本発明のパターン形成方法を含む方法により製造される。
すなわち、本発明の半導体デバイスの製造方法は、本発明のパターン形成方法を含む。
また、本発明の半導体デバイスは、本発明のパターン形成方法を含む方法により製造される。
すなわち、本発明の半導体デバイスの製造方法は、本発明のパターン形成方法を含む。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。「部」、「%」は特に述べない限り、質量基準である。
<合成例1>
〔ピロメリット酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及びベンジルアルコールからのポリイミド前駆体(A−1:ラジカル重合性基を有さないポリイミド前駆体)の合成〕
14.06g(64.5ミリモル)のピロメリット酸二無水物(140℃で12時間乾燥)と、14.22g(131.58ミリモル)のベンジルアルコールを、50mLのN−メチルピロリドンに懸濁させ、モレキュラーシーブで乾燥させた。懸濁液を100℃で3時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、21.43g(270.9ミリモル)のピリジン及び90mLのN−メチルピロリドンを加えた。次いで、反応混合物を−10℃に冷却し、温度を−10±4℃に保ちながら16.12g(135.5ミリモル)のSOCl2を10分かけて加えた。SOCl2を加えている間、粘度が増加した。50mLのN−メチルピロリドンで希釈した後、反応混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、100mLのN−メチルピロリドンに11.08g(58.7ミリモル)の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを溶解させた溶液を、−5〜0℃で20分かけて反応混合物に滴下した。次いで、反応混合物を0℃で1時間反応させたのち、エタノールを70g加えて、室温で1晩撹拌した。次いで、5リットルの水の中でポリイミド前駆体を沈殿させ、水−ポリイミド前駆体混合物を5,000rpmの速度で15分間撹拌した。ポリイミド前駆体をろ過して除き、4リットルの水の中で再度30分間撹拌し再びろ過した。次いで、得られたポリイミド前駆体を減圧下で、45℃で3日間乾燥した。このポリイミド前駆体の重量平均分子量は、18,000であった。
〔ピロメリット酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及びベンジルアルコールからのポリイミド前駆体(A−1:ラジカル重合性基を有さないポリイミド前駆体)の合成〕
14.06g(64.5ミリモル)のピロメリット酸二無水物(140℃で12時間乾燥)と、14.22g(131.58ミリモル)のベンジルアルコールを、50mLのN−メチルピロリドンに懸濁させ、モレキュラーシーブで乾燥させた。懸濁液を100℃で3時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、21.43g(270.9ミリモル)のピリジン及び90mLのN−メチルピロリドンを加えた。次いで、反応混合物を−10℃に冷却し、温度を−10±4℃に保ちながら16.12g(135.5ミリモル)のSOCl2を10分かけて加えた。SOCl2を加えている間、粘度が増加した。50mLのN−メチルピロリドンで希釈した後、反応混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、100mLのN−メチルピロリドンに11.08g(58.7ミリモル)の4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを溶解させた溶液を、−5〜0℃で20分かけて反応混合物に滴下した。次いで、反応混合物を0℃で1時間反応させたのち、エタノールを70g加えて、室温で1晩撹拌した。次いで、5リットルの水の中でポリイミド前駆体を沈殿させ、水−ポリイミド前駆体混合物を5,000rpmの速度で15分間撹拌した。ポリイミド前駆体をろ過して除き、4リットルの水の中で再度30分間撹拌し再びろ過した。次いで、得られたポリイミド前駆体を減圧下で、45℃で3日間乾燥した。このポリイミド前駆体の重量平均分子量は、18,000であった。
<合成例2>
〔ピロメリット酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートからのポリイミド前駆体(A−2:ラジカル重合性基を有するポリイミド前駆体)の合成〕
14.06g(64.5ミリモル)のピロメリット酸二無水物(140℃で12時間乾燥した)と、16.8g(129ミリモル)の2−ヒドロキシエチルメタクリレートと、0.05gのハイドロキノンと、20.4g(258ミリモル)のピリジンと、100gのダイグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)を混合し、60℃の温度で18時間撹拌して、ピロメリット酸と2−ヒドロキシエチルメタクリレートのジエステルを製造した。次いで、得られたジエステルをSOCl2により塩素化した後、合成例1と同様の方法で4,4’−ジアミノジフェニルエーテルでポリイミド前駆体に変換し、合成例1と同様の方法でポリイミド前駆体を得た。このポリイミド前駆体の重量平均分子量は、19,000であった。
〔ピロメリット酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートからのポリイミド前駆体(A−2:ラジカル重合性基を有するポリイミド前駆体)の合成〕
14.06g(64.5ミリモル)のピロメリット酸二無水物(140℃で12時間乾燥した)と、16.8g(129ミリモル)の2−ヒドロキシエチルメタクリレートと、0.05gのハイドロキノンと、20.4g(258ミリモル)のピリジンと、100gのダイグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)を混合し、60℃の温度で18時間撹拌して、ピロメリット酸と2−ヒドロキシエチルメタクリレートのジエステルを製造した。次いで、得られたジエステルをSOCl2により塩素化した後、合成例1と同様の方法で4,4’−ジアミノジフェニルエーテルでポリイミド前駆体に変換し、合成例1と同様の方法でポリイミド前駆体を得た。このポリイミド前駆体の重量平均分子量は、19,000であった。
<合成例3>
〔4,4’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートからのポリイミド前駆体(A−3:ラジカル重合性基を有するポリイミド前駆体)の合成〕
20.0g(64.5ミリモル)の4,4’−オキシジフタル酸無水物(140℃で12時間乾燥した)と、16.8g(129ミリモル)の2−ヒドロキシエチルメタクリレートと、0.05gのハイドロキノンと、20.4g(258ミリモル)のピリジンと、100gのダイグライムとを混合し、60℃の温度で18時間撹拌して、4,4’−オキシジフタル酸と2−ヒドロキシエチルメタクリレートのジエステルを製造した。次いで、得られたジエステルをSOCl2により塩素化した後、合成例1と同様の方法で4,4’−ジアミノジフェニルエーテルでポリイミド前駆体に変換し、合成例1と同様の方法でポリイミド前駆体を得た。このポリイミド前駆体の重量平均分子量は、18,000であった。
〔4,4’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートからのポリイミド前駆体(A−3:ラジカル重合性基を有するポリイミド前駆体)の合成〕
20.0g(64.5ミリモル)の4,4’−オキシジフタル酸無水物(140℃で12時間乾燥した)と、16.8g(129ミリモル)の2−ヒドロキシエチルメタクリレートと、0.05gのハイドロキノンと、20.4g(258ミリモル)のピリジンと、100gのダイグライムとを混合し、60℃の温度で18時間撹拌して、4,4’−オキシジフタル酸と2−ヒドロキシエチルメタクリレートのジエステルを製造した。次いで、得られたジエステルをSOCl2により塩素化した後、合成例1と同様の方法で4,4’−ジアミノジフェニルエーテルでポリイミド前駆体に変換し、合成例1と同様の方法でポリイミド前駆体を得た。このポリイミド前駆体の重量平均分子量は、18,000であった。
<合成例4>
〔4,4’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル(オルトトリジン)及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートからのポリイミド前駆体(A−4:ラジカル重合性基を有するポリイミド前駆体)の合成〕
20.0g(64.5ミリモル)の4,4’−オキシジフタル酸無水物(140℃で12時間乾燥した)と、16.8g(129ミリモル)の2−ヒドロキシエチルメタクリレートと、0.05gのハイドロキノンと、20.4g(258ミリモル)のピリジンと、100gのダイグライムとを混合し、60℃の温度で18時間撹拌して、4,4’−オキシジフタル酸と2−ヒドロキシエチルメタクリレートのジエステルを製造した。次いで、得られたジエステルをSOCl2により塩素化した後、合成例1と同様の方法で4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニルでポリイミド前駆体に変換し、合成例1と同様の方法でポリイミド前駆体を得た。このポリイミド前駆体の重量平均分子量は、19,000であった。
〔4,4’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル(オルトトリジン)及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートからのポリイミド前駆体(A−4:ラジカル重合性基を有するポリイミド前駆体)の合成〕
20.0g(64.5ミリモル)の4,4’−オキシジフタル酸無水物(140℃で12時間乾燥した)と、16.8g(129ミリモル)の2−ヒドロキシエチルメタクリレートと、0.05gのハイドロキノンと、20.4g(258ミリモル)のピリジンと、100gのダイグライムとを混合し、60℃の温度で18時間撹拌して、4,4’−オキシジフタル酸と2−ヒドロキシエチルメタクリレートのジエステルを製造した。次いで、得られたジエステルをSOCl2により塩素化した後、合成例1と同様の方法で4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニルでポリイミド前駆体に変換し、合成例1と同様の方法でポリイミド前駆体を得た。このポリイミド前駆体の重量平均分子量は、19,000であった。
<合成例5>
〔2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン及び4,4'−オキシジベンゾイルクロリドからのポリベンゾオキサゾール前駆体(A−5)の合成〕
N−メチル−2−ピロリドン100mLに、2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン13.92gを添加し、撹拌溶解した。続いて、温度を0〜5℃に保ちながら、11.21gの4,4'−オキシジベンゾイルクロリドを10分間で滴下した後、60分間撹拌を続けた。次いで、6リットルの水の中でポリベンゾオキサゾール前駆体を沈殿させ、水−ポリベンゾオキサゾール前駆体混合物を5000rpmの速度で15分間撹拌した。ポリベンゾオキサゾール前駆体を濾過して除き、6リットルの水の中で再度30分間撹拌し再び濾過した。次いで、得られたポリベンゾオキサゾール前駆体を減圧下で、45℃で3日間乾燥した。このポリベンゾオキサゾール前駆体の重量平均分子量は、15,000であった。
〔2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン及び4,4'−オキシジベンゾイルクロリドからのポリベンゾオキサゾール前駆体(A−5)の合成〕
N−メチル−2−ピロリドン100mLに、2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン13.92gを添加し、撹拌溶解した。続いて、温度を0〜5℃に保ちながら、11.21gの4,4'−オキシジベンゾイルクロリドを10分間で滴下した後、60分間撹拌を続けた。次いで、6リットルの水の中でポリベンゾオキサゾール前駆体を沈殿させ、水−ポリベンゾオキサゾール前駆体混合物を5000rpmの速度で15分間撹拌した。ポリベンゾオキサゾール前駆体を濾過して除き、6リットルの水の中で再度30分間撹拌し再び濾過した。次いで、得られたポリベンゾオキサゾール前駆体を減圧下で、45℃で3日間乾燥した。このポリベンゾオキサゾール前駆体の重量平均分子量は、15,000であった。
<合成例6>
〔4,4’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートからのポリイミド前駆体(A−6:ラジカル重合性基を有するポリイミド前駆体)の合成〕
4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)155.1gを2リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)134.0g及びγ―ブチロラクトン400mlを加えた。室温下で攪拌しながら、ピリジン79.1gを加えることにより、反応混合物を得た。反応による発熱の終了後、室温まで放冷し、更に16時間静置した。
〔4,4’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートからのポリイミド前駆体(A−6:ラジカル重合性基を有するポリイミド前駆体)の合成〕
4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)155.1gを2リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)134.0g及びγ―ブチロラクトン400mlを加えた。室温下で攪拌しながら、ピリジン79.1gを加えることにより、反応混合物を得た。反応による発熱の終了後、室温まで放冷し、更に16時間静置した。
次に、氷冷下において、反応混合物に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)206.3gをγ−ブチロラクトン180mlに溶解した溶液を、攪拌しながら40分かけて加えた。続いて、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル93.0gをγ−ブチロラクトン350mlに懸濁した懸濁液を、攪拌しながら60分かけて加えた。更に室温で2時間攪拌した後、エチルアルコール30mlを加えて1時間攪拌した。その後、γ−ブチロラクトン400mlを加えた。反応混合物に生じた沈殿物を、ろ過により取り除き、反応液を得た。
得られた反応液を3リットルのエチルアルコールに加えて、粗ポリマーからなる沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾取し、テトラヒドロフラン1.5リットルに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を28リットルの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾取した後に真空乾燥することにより、粉末状のポリマーA−6を得た。このポリマーA−6の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、20,000であった。
<合成例7>
〔3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートからのポリイミド前駆体(A−7:ラジカル重合性基を有するポリイミド前駆体)の合成〕
合成例5において、4,4’−オキシジフタル酸無水物155.1gに代えて、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物147.1gを用いた以外は、合成例6に記載の方法と同様にして反応を行うことにより、ポリマーA−7を得た。このポリマーA−7の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、22,000であった。
〔3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートからのポリイミド前駆体(A−7:ラジカル重合性基を有するポリイミド前駆体)の合成〕
合成例5において、4,4’−オキシジフタル酸無水物155.1gに代えて、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物147.1gを用いた以外は、合成例6に記載の方法と同様にして反応を行うことにより、ポリマーA−7を得た。このポリマーA−7の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、22,000であった。
<合成例8>
〔化合物C−13の合成〕
三口フラスコに、オルトギ酸トリメチル(30g)とカンファースルホン酸(66mg)を入れて撹拌し、氷浴にフラスコを浸けた。内温が5℃以下まで下がったことを確認した後に、ピバルアルデヒド(24.4g)をゆっくりと滴下して加え、氷浴を外して室温で3時間反応させ、下記式(C−13)で表される化合物C−13を得た。
〔化合物C−13の合成〕
三口フラスコに、オルトギ酸トリメチル(30g)とカンファースルホン酸(66mg)を入れて撹拌し、氷浴にフラスコを浸けた。内温が5℃以下まで下がったことを確認した後に、ピバルアルデヒド(24.4g)をゆっくりと滴下して加え、氷浴を外して室温で3時間反応させ、下記式(C−13)で表される化合物C−13を得た。
<合成例9>
〔化合物C−14の合成〕
化合物C−13の合成において、ピバルアルデヒドをアダマンタンカルバルデヒドに、オルトギ酸トリメチルをオルトギ酸トリエチルに、それぞれ変更した以外は、化合物C−13と同様の方法により、下記式(C−14)で表される化合物C−14を合成した。
〔化合物C−14の合成〕
化合物C−13の合成において、ピバルアルデヒドをアダマンタンカルバルデヒドに、オルトギ酸トリメチルをオルトギ酸トリエチルに、それぞれ変更した以外は、化合物C−13と同様の方法により、下記式(C−14)で表される化合物C−14を合成した。
〔化合物C−15の合成〕
三口フラスコにアダマンタンカルバルデヒド(75g)、シクロヘキサンエタノール(129g)、カンファースルホン酸(5.31g)およびヘキサン1000mLを入れて室温で撹拌した。そこに無水硫酸マグネシウム(675g)を加え、2時間反応させることにより、下記式(C−15)で表される化合物C−15を得た。
三口フラスコにアダマンタンカルバルデヒド(75g)、シクロヘキサンエタノール(129g)、カンファースルホン酸(5.31g)およびヘキサン1000mLを入れて室温で撹拌した。そこに無水硫酸マグネシウム(675g)を加え、2時間反応させることにより、下記式(C−15)で表される化合物C−15を得た。
<実施例及び比較例>
各実施例において、それぞれ、下記表2〜表4に記載の成分を混合し、各硬化性樹脂組成物を得た。また、各比較例において、それぞれ、下記表4に記載の成分を混合し、各比較用組成物を得た。
具体的には、表2〜表4の「溶剤」以外の欄に記載の成分の含有量は、表2〜表4の「質量部」に記載の量とし、表2〜表4の「溶剤」の欄に記載の成分の含有量は、組成物の固形分濃度(溶剤を除いた他の成分の合計濃度)が表2〜表4に記載の値となる量とした。
「溶剤」の欄に記載の数値は、各溶剤の含有比(質量比)を示している。
得られた硬化性樹脂組成物及び比較用組成物を、細孔の幅が0.8μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターを通して加圧ろ過した。
また、表2〜表4中、「−」の記載は該当する成分を含有していないことを示している。
各実施例において、それぞれ、下記表2〜表4に記載の成分を混合し、各硬化性樹脂組成物を得た。また、各比較例において、それぞれ、下記表4に記載の成分を混合し、各比較用組成物を得た。
具体的には、表2〜表4の「溶剤」以外の欄に記載の成分の含有量は、表2〜表4の「質量部」に記載の量とし、表2〜表4の「溶剤」の欄に記載の成分の含有量は、組成物の固形分濃度(溶剤を除いた他の成分の合計濃度)が表2〜表4に記載の値となる量とした。
「溶剤」の欄に記載の数値は、各溶剤の含有比(質量比)を示している。
得られた硬化性樹脂組成物及び比較用組成物を、細孔の幅が0.8μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターを通して加圧ろ過した。
また、表2〜表4中、「−」の記載は該当する成分を含有していないことを示している。
表2〜表4に記載した各成分の詳細は下記の通りである。
〔複素環含有ポリマー前駆体〕
・A−1〜A−7:上記で合成したA−1〜A−7
・A−1〜A−7:上記で合成したA−1〜A−7
〔熱塩基発生剤〕
・B−1〜B−4:下記構造の化合物
・B−1〜B−4:下記構造の化合物
〔可塑剤〕
・C−1:CELTOL DPMA((株)ダイセル製)
・C−2:CELTOL 1,4−BDDA((株)ダイセル製)
・C−3:CELTOL 1,3−BGDA((株)ダイセル製)
・C−4:CELTOL 1,6−HDDA((株)ダイセル製)
・C−5:CELTOL EDGAC((株)ダイセル製)
・C−6:CELTOL BDGAC((株)ダイセル製)
・C−7:CELTOL DRA−150((株)ダイセル製)
・C−8:CELTOL 1,3−BG((株)ダイセル製)
・C−9:CELTOL DPNP((株)ダイセル製)
・C−10:CELTOL DPNB((株)ダイセル製)
・C−11:CELTOL TPM((株)ダイセル製)
・C−12:CELTOL TPNB((株)ダイセル製)
・C−13〜C−15:上記合成品
・RC−1:ブチルアセテート(沸点126℃)
上記C−1〜C−15に該当する化合物は、上述の表1に記載したC−1〜C−15と同様の化合物である。
・C−1:CELTOL DPMA((株)ダイセル製)
・C−2:CELTOL 1,4−BDDA((株)ダイセル製)
・C−3:CELTOL 1,3−BGDA((株)ダイセル製)
・C−4:CELTOL 1,6−HDDA((株)ダイセル製)
・C−5:CELTOL EDGAC((株)ダイセル製)
・C−6:CELTOL BDGAC((株)ダイセル製)
・C−7:CELTOL DRA−150((株)ダイセル製)
・C−8:CELTOL 1,3−BG((株)ダイセル製)
・C−9:CELTOL DPNP((株)ダイセル製)
・C−10:CELTOL DPNB((株)ダイセル製)
・C−11:CELTOL TPM((株)ダイセル製)
・C−12:CELTOL TPNB((株)ダイセル製)
・C−13〜C−15:上記合成品
・RC−1:ブチルアセテート(沸点126℃)
上記C−1〜C−15に該当する化合物は、上述の表1に記載したC−1〜C−15と同様の化合物である。
〔光重合開始剤〕
・OXE01:IRGACURE OXE01(BASF社製)
・784:IRGACURE 784(BASF社製)
・OXE01/784:上記IRGACURE OXE01及び上記IRGACURE 784の混合物(IRGACURE OXE01:IRGACURE 784=50:50(質量比))
・OXE01:IRGACURE OXE01(BASF社製)
・784:IRGACURE 784(BASF社製)
・OXE01/784:上記IRGACURE OXE01及び上記IRGACURE 784の混合物(IRGACURE OXE01:IRGACURE 784=50:50(質量比))
〔重合性化合物〕
・SR−209:テトラエチレングリコールジメタクリレート(サートマー社製)
・A−TMMT:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製)
・DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、(新中村化学工業(株)製)
・SR−209:テトラエチレングリコールジメタクリレート(サートマー社製)
・A−TMMT:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製)
・DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、(新中村化学工業(株)製)
〔重合禁止剤〕
・F−1〜F−3:下記構造の化合物
・F−4:2−ニトロソ−1−ナフト−ル(東京化成工業(株)製)
・F−1〜F−3:下記構造の化合物
・F−4:2−ニトロソ−1−ナフト−ル(東京化成工業(株)製)
〔マイグレーション抑制剤〕
・M−1〜M−4:下記構造の化合物
・M−1〜M−4:下記構造の化合物
〔金属接着性改良剤〕
・SC−1〜SC−6:下記構造の化合物
〔添加剤〕
G−1:N−フェニルジエタノールアミン(東京化成工業(株)製)
〔溶剤〕
NMP:N−メチル−2−ピロリドン(Ashland社製)
乳酸エチル:乳酸エチル(東京化成工業(株)製)
GBL:γ−ブチロラクトン(三和油化社製)
DMSO:ジメチルスルホキシド(富士フイルム和光純薬(株)製)
・SC−1〜SC−6:下記構造の化合物
G−1:N−フェニルジエタノールアミン(東京化成工業(株)製)
〔溶剤〕
NMP:N−メチル−2−ピロリドン(Ashland社製)
乳酸エチル:乳酸エチル(東京化成工業(株)製)
GBL:γ−ブチロラクトン(三和油化社製)
DMSO:ジメチルスルホキシド(富士フイルム和光純薬(株)製)
<硬化膜の作製>
各実施例及び比較例において、それぞれ、硬化性樹脂組成物又は比較用組成物をシリコンウェハ上にスピンコート法により適用し、樹脂層を形成した。上記樹脂層が形成されたシリコンウェハをホットプレート上で、100℃で4分間乾燥し、シリコンウェハ上に20μmの厚さの均一な樹脂組成物層を形成した(適用工程)。
シリコンウェハ上の樹脂組成物層を、ブロードバンド露光機(ウシオ電機(株)製:UX−1000SN−EH01)を用いて、400mJ/cm2の露光エネルギーで露光し、露光した樹脂組成物層を、窒素雰囲気下で、5℃/分の昇温速度で昇温し、表5に記載の温度(X℃)に達した後、2時間加熱した(加熱硬化工程)。
上記加熱後の樹脂組成物層を3質量%フッ化水素酸水溶液に浸漬し、シリコンウェハから加熱後の樹脂組成物層を剥離した。上記剥離した加熱後の樹脂組成物層を硬化膜とした。
表5中、「X(℃)」の欄には加熱硬化工程における加熱温度のうち、100℃以上であり、かつ、最も長時間である温度(X℃)を、「溶剤の種類」の欄には、組成物に含まれる溶剤のうち、最も高沸点である溶剤の種類を、「Y(℃)」の欄には、組成物に含まれる溶剤のうち、最も高沸点である溶剤の1気圧における沸点(Y℃)を、「Z(℃)」の欄には、可塑剤の1気圧における沸点及び熱分解温度のうち低い方の温度(Z℃)を、「ZーX(℃)」の欄には、上記Z℃から上記X℃を引いた値を、「ZーY(℃)」の欄には、上記Z℃から上記Y℃を引いた値を、それぞれ記載した。
各実施例及び比較例において、それぞれ、硬化性樹脂組成物又は比較用組成物をシリコンウェハ上にスピンコート法により適用し、樹脂層を形成した。上記樹脂層が形成されたシリコンウェハをホットプレート上で、100℃で4分間乾燥し、シリコンウェハ上に20μmの厚さの均一な樹脂組成物層を形成した(適用工程)。
シリコンウェハ上の樹脂組成物層を、ブロードバンド露光機(ウシオ電機(株)製:UX−1000SN−EH01)を用いて、400mJ/cm2の露光エネルギーで露光し、露光した樹脂組成物層を、窒素雰囲気下で、5℃/分の昇温速度で昇温し、表5に記載の温度(X℃)に達した後、2時間加熱した(加熱硬化工程)。
上記加熱後の樹脂組成物層を3質量%フッ化水素酸水溶液に浸漬し、シリコンウェハから加熱後の樹脂組成物層を剥離した。上記剥離した加熱後の樹脂組成物層を硬化膜とした。
表5中、「X(℃)」の欄には加熱硬化工程における加熱温度のうち、100℃以上であり、かつ、最も長時間である温度(X℃)を、「溶剤の種類」の欄には、組成物に含まれる溶剤のうち、最も高沸点である溶剤の種類を、「Y(℃)」の欄には、組成物に含まれる溶剤のうち、最も高沸点である溶剤の1気圧における沸点(Y℃)を、「Z(℃)」の欄には、可塑剤の1気圧における沸点及び熱分解温度のうち低い方の温度(Z℃)を、「ZーX(℃)」の欄には、上記Z℃から上記X℃を引いた値を、「ZーY(℃)」の欄には、上記Z℃から上記Y℃を引いた値を、それぞれ記載した。
<評価>
各実施例及び比較例において、それぞれ、得られた上記硬化膜を用いて、破断伸び率、及び、耐薬品性の評価を行った。
各評価における評価方法の詳細を以下に記載する。
各実施例及び比較例において、それぞれ、得られた上記硬化膜を用いて、破断伸び率、及び、耐薬品性の評価を行った。
各評価における評価方法の詳細を以下に記載する。
〔破断伸び率〕
得られた硬化膜の破断伸び率を測定した。硬化膜の破断伸び率は、引張り試験機(テンシロン)を用い、クロスヘッドスピード300mm/分、試料幅10mm、試料長50mmとして、フィルムの長手方向及び幅方向について、25℃、65%RH(相対湿度)の環境下にて、JIS−K6251(日本工業規格)に準拠して測定した。破断伸び率は、Eb(%)=(Lb−L0)/L0(Eb:破断伸び率、L0:試験前の試験片の長さ、Lb:試験片が切断した時の試験片の長さ)で算出した。評価は破断伸び率を各10回ずつ測定し、平均値(長手方向10回の測定による、計10個の破断伸び率の算術平均値)を用いた。
評価は下記評価基準に従って行い、評価結果は表6に記載した。破断伸び率の値が大きいほど、硬化膜は破断伸びに優れるといえ、得られる硬化膜のパターンの破断伸びに優れるパターン形成方法であるといえる。
得られた硬化膜の破断伸び率を測定した。硬化膜の破断伸び率は、引張り試験機(テンシロン)を用い、クロスヘッドスピード300mm/分、試料幅10mm、試料長50mmとして、フィルムの長手方向及び幅方向について、25℃、65%RH(相対湿度)の環境下にて、JIS−K6251(日本工業規格)に準拠して測定した。破断伸び率は、Eb(%)=(Lb−L0)/L0(Eb:破断伸び率、L0:試験前の試験片の長さ、Lb:試験片が切断した時の試験片の長さ)で算出した。評価は破断伸び率を各10回ずつ測定し、平均値(長手方向10回の測定による、計10個の破断伸び率の算術平均値)を用いた。
評価は下記評価基準に従って行い、評価結果は表6に記載した。破断伸び率の値が大きいほど、硬化膜は破断伸びに優れるといえ、得られる硬化膜のパターンの破断伸びに優れるパターン形成方法であるといえる。
−評価基準−
A:上記平均値が60%以上である
B:上記平均値が50%以上60%未満である
C:上記平均値が50%未満である
A:上記平均値が60%以上である
B:上記平均値が50%以上60%未満である
C:上記平均値が50%未満である
〔耐薬品性〕
得られた硬化膜を下記の薬液に下記の条件で浸漬し、溶解速度を算定した。
薬品:ジメチルスルホキシド(DMSO)と25質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)溶液の90:10(質量比)の混合物
評価条件:溶液中で硬化膜を75℃で15分間浸漬して浸漬前後の膜厚で測定を比較し、溶解速度(nm/分)を算出した。膜厚は膜厚計(Foothill Instruments社製 KT-22)を用いて測定した。
評価は下記評価基準に従って行い、評価結果は表6に記載した。溶解速度の値が小さいほど、硬化膜は耐薬品性に優れるといえ、得られる硬化膜のパターンの耐薬品性に優れるパターン形成方法であるといえる。
得られた硬化膜を下記の薬液に下記の条件で浸漬し、溶解速度を算定した。
薬品:ジメチルスルホキシド(DMSO)と25質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)溶液の90:10(質量比)の混合物
評価条件:溶液中で硬化膜を75℃で15分間浸漬して浸漬前後の膜厚で測定を比較し、溶解速度(nm/分)を算出した。膜厚は膜厚計(Foothill Instruments社製 KT-22)を用いて測定した。
評価は下記評価基準に従って行い、評価結果は表6に記載した。溶解速度の値が小さいほど、硬化膜は耐薬品性に優れるといえ、得られる硬化膜のパターンの耐薬品性に優れるパターン形成方法であるといえる。
−評価基準−
A:溶解速度が250nm/分未満である。
B:溶解速度が250nm/分以上500nm/分未満である。
C:溶解速度が500nm/分以上である。
A:溶解速度が250nm/分未満である。
B:溶解速度が250nm/分以上500nm/分未満である。
C:溶解速度が500nm/分以上である。
以上の結果から、本発明に係るパターン形成方法は、得られるパターンの破断伸びが優れることが分かる。
比較例1に係るパターン形成方法は、可塑剤として上記Y℃が126℃であるブチルアセテートを使用しており、上記条件Bを満たさない。この比較例1に係るパターン形成方法においては、得られるパターンの破断伸びが劣ることがわかる。
比較例2に係るパターン形成方法は、可塑剤を含有しない。この比較例2に係るパターン形成方法においては、得られるパターンの破断伸びが劣ることがわかる。
比較例3に係るパターン形成方法は、可塑剤の含有量が組成物の全質量に対して17.6質量%である。この比較例3に係るパターン形成方法においては、得られるパターンの破断伸びが劣ることがわかる。
比較例4に係るパターン形成方法は、可塑剤として上記Y℃が126℃であるブチルアセテートを使用しており、上記条件Bを満たさない。この比較例4に係るパターン形成方法においては、得られるパターンの破断伸びが劣ることがわかる。
比較例5又は比較例6に係るパターン形成方法は、上記X℃と上記Z℃との関係が上記条件Aを満たさない。この比較例5又は比較例6に係るパターン形成方法においては、得られるパターンの破断伸びに劣ることがわかる。
比較例1に係るパターン形成方法は、可塑剤として上記Y℃が126℃であるブチルアセテートを使用しており、上記条件Bを満たさない。この比較例1に係るパターン形成方法においては、得られるパターンの破断伸びが劣ることがわかる。
比較例2に係るパターン形成方法は、可塑剤を含有しない。この比較例2に係るパターン形成方法においては、得られるパターンの破断伸びが劣ることがわかる。
比較例3に係るパターン形成方法は、可塑剤の含有量が組成物の全質量に対して17.6質量%である。この比較例3に係るパターン形成方法においては、得られるパターンの破断伸びが劣ることがわかる。
比較例4に係るパターン形成方法は、可塑剤として上記Y℃が126℃であるブチルアセテートを使用しており、上記条件Bを満たさない。この比較例4に係るパターン形成方法においては、得られるパターンの破断伸びが劣ることがわかる。
比較例5又は比較例6に係るパターン形成方法は、上記X℃と上記Z℃との関係が上記条件Aを満たさない。この比較例5又は比較例6に係るパターン形成方法においては、得られるパターンの破断伸びに劣ることがわかる。
<実施例101>
実施例1に記載の硬化性樹脂組成物を、銅薄層が形成された樹脂基材の表面にスピンコート法により層状に適用して、100℃で5分間乾燥し、膜厚20μmの硬化性樹脂組成物層を形成した後、ステッパー((株)ニコン製、NSR1505 i6)を用いて露光した。露光はマスク(パターンが1:1ラインアンドスペースであり、線幅が10μmであるバイナリマスク)を介して、波長365nmで行った。露光の後、シクロペンタノンで30秒間現像し、PGMEAで20秒間リンスし、パターンを得た。
次いで、表5に記載の実施例1におけるX℃と同様の温度で3時間加熱し、再配線層用層間絶縁膜を形成した。この再配線層用層間絶縁膜は、絶縁性に優れていた。
また、これらの再配線層用層間絶縁膜を使用して半導体デバイスを製造したところ、問題なく動作することを確認した。
実施例1に記載の硬化性樹脂組成物を、銅薄層が形成された樹脂基材の表面にスピンコート法により層状に適用して、100℃で5分間乾燥し、膜厚20μmの硬化性樹脂組成物層を形成した後、ステッパー((株)ニコン製、NSR1505 i6)を用いて露光した。露光はマスク(パターンが1:1ラインアンドスペースであり、線幅が10μmであるバイナリマスク)を介して、波長365nmで行った。露光の後、シクロペンタノンで30秒間現像し、PGMEAで20秒間リンスし、パターンを得た。
次いで、表5に記載の実施例1におけるX℃と同様の温度で3時間加熱し、再配線層用層間絶縁膜を形成した。この再配線層用層間絶縁膜は、絶縁性に優れていた。
また、これらの再配線層用層間絶縁膜を使用して半導体デバイスを製造したところ、問題なく動作することを確認した。
Claims (20)
- 硬化性樹脂組成物を基材上に適用して膜を形成する適用工程、及び、
前記膜を加熱して硬化する加熱硬化工程を含み、
前記硬化性樹脂組成物が、ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選択される少なくとも1種のポリマー前駆体、可塑剤、並びに、溶剤を含み、
前記可塑剤の、前記硬化性樹脂組成物の全質量に対する含有量が0質量%を超え10質量%未満であり、
前記溶剤の、前記硬化性樹脂組成物の全質量に対する含有量が10質量%以上であり、
前記加熱硬化工程における加熱温度のうち、100℃以上であり、かつ、最も長時間である温度をX℃、前記溶剤のうち最も高沸点である溶剤の1気圧における沸点をY℃、前記可塑剤の1気圧における沸点及び熱分解温度のうち低い方の温度をZ℃とした場合に、下記条件A及び下記条件Bを満たす
パターン形成方法。
条件A:X−20≦Z≦X+60
条件B:Y+1<Z - 前記可塑剤が、pKaが11未満であり、かつ、共役酸のpKaが3を超える化合物である、請求項1に記載のパターン形成方法。
- 前記可塑剤が、前記加熱硬化工程により分解しないか、又は、前記加熱硬化工程により分解し、前記分解により生じる分解物の共役酸のpKaが3を超える、請求項1又は2に記載のパターン形成方法。
- 前記可塑剤が、アルキレングリコール構造、ヒドロキシ基を3以上有する炭化水素化合物に由来するエステル構造、又は、アセタール構造を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 前記可塑剤の分子量が、100〜600である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 前記可塑剤の沸点が、前記可塑剤の熱分解温度よりも高い温度である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 前記可塑剤の熱分解温度が、前記X℃よりも高い温度である、請求項6に記載のパターン形成方法。
- 前記可塑剤の沸点が、前記可塑剤の熱分解温度以下の温度である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 前記X℃が、150〜350℃である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 前記溶剤が、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン及び乳酸エチルよりなる群から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 前記硬化性樹脂組成物が、光重合開始剤を更に含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 前記硬化性樹脂組成物が、オニウム塩、及び、熱塩基発生剤よりなる群から選ばれた少なくとも1種を更に含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 適用工程において得られた膜の少なくとも一部を露光する露光工程、及び、前記露光された膜に対して現像処理を行う現像処理工程を更に含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 現像処理後の膜の表面に金属層を形成する金属層形成工程を更に含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 層間絶縁膜の形成に用いられるパターン形成方法である、請求項1〜14のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載のパターン形成方法における、前記硬化性樹脂組成物として用いられる硬化性樹脂組成物。
- 請求項16に記載の硬化性樹脂組成物より形成される膜。
- 請求項16に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
- 請求項18に記載の硬化膜を2層以上含み、前記硬化膜同士のいずれかの間に金属層を含む積層体。
- 請求項18に記載の硬化膜又は請求項19に記載の積層体を含む、半導体デバイス。
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2019
- 2019-03-22 JP JP2019054465A patent/JP2020154205A/ja active Pending
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