JP2020144977A - 点火プラグの主体金具の製造方法、および、点火プラグの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接地電極を主体金具のうちの周方向の適切な位置の部分に接合する。【解決手段】支持具に主体金具を取り付ける。雌ネジを有する基準部材に対して支持具を相対的に回転させることによって、基準部材の雌ネジに主体金具の雄ネジをねじ込む。予め決められた停止条件が満たされたことに応じて、基準部材に対する支持具の相対的な回転を停止させる。相対的な回転が停止されたときの支持具の回転角度を特定する。停止条件及び回転角度を用いて、主体金具における接地電極を取り付ける取付位置を算出する。基準部材の雌ネジから主体金具の雄ネジを取り外す。支持具に主体金具が取り付けられた状態で取付位置に接地電極を溶接する。【選択図】 図4
Description
本明細書は、点火プラグの主体金具の製造方法、および、点火プラグの製造方法に関する。
従来から、主体金具と、主体金具に固定された接地電極と、を備える点火プラグが用いられている。また、内燃機関に対する点火プラグの周方向の向き(例えば、接地電極の周方向の位置)が、内燃機関の着火性能に影響を与える場合がある。ここで、雌ネジ治具を主体金具に螺合させて、主体金具の先端面に対する接地電極の接合予定位置を特定する方法が、提案されている。
ところが、主体金具上の接地電極を接合するための適切な位置が特定された後に、主体金具上の適切な位置に接地電極を接合することは、簡単ではなかった。例えば、接合予定位置を主体金具の先端面に転写する工程が必要であった。また、雌ネジ治具と主体金具とが螺合した状態で接地電極が主体金具に接合される場合、雌ネジ治具が接合の自由度を低下させる場合があった。
本明細書は、接地電極を主体金具のうちの周方向の適切な位置の部分に接合できる技術を開示する。
本明細書に開示された技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
点火プラグの接地電極付の主体金具の製造方法であって、
支持具に主体金具を取り付ける工程と、
雌ネジを有する基準部材に対して前記支持具を相対的に回転させることによって、前記基準部材の前記雌ネジに前記主体金具の雄ネジをねじ込む工程と、
予め決められた停止条件が満たされたことに応じて、前記基準部材に対する前記支持具の相対的な回転を停止させる工程と、
前記相対的な回転が停止されたときの前記支持具の回転角度を特定する特定工程と、
前記停止条件及び前記回転角度を用いて、前記主体金具における接地電極を取り付ける取付位置を算出する算出工程と、
前記基準部材の前記雌ネジから前記主体金具の前記雄ネジを取り外す取り外し工程と、
前記取り外し工程の後に、前記支持具に前記主体金具が取り付けられた状態で、前記算出工程で算出した前記取付位置に接地電極を溶接する溶接工程と、
を備える、接地電極付の主体金具の製造方法。
点火プラグの接地電極付の主体金具の製造方法であって、
支持具に主体金具を取り付ける工程と、
雌ネジを有する基準部材に対して前記支持具を相対的に回転させることによって、前記基準部材の前記雌ネジに前記主体金具の雄ネジをねじ込む工程と、
予め決められた停止条件が満たされたことに応じて、前記基準部材に対する前記支持具の相対的な回転を停止させる工程と、
前記相対的な回転が停止されたときの前記支持具の回転角度を特定する特定工程と、
前記停止条件及び前記回転角度を用いて、前記主体金具における接地電極を取り付ける取付位置を算出する算出工程と、
前記基準部材の前記雌ネジから前記主体金具の前記雄ネジを取り外す取り外し工程と、
前記取り外し工程の後に、前記支持具に前記主体金具が取り付けられた状態で、前記算出工程で算出した前記取付位置に接地電極を溶接する溶接工程と、
を備える、接地電極付の主体金具の製造方法。
この方法によれば、基準部材の雌ネジから主体金具の雄ネジが取り外された後に、支持具に取り付けられた状態の主体金具に接地電極が溶接されるので、接地電極を、容易に、主体金具のうちの周方向の適切な位置の部分に溶接できる。
[適用例2]
適用例1に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、
前記停止条件は、前記主体金具の前記雄ネジ以外の部位が前記基準部材に接触することを含む、
接地電極付の主体金具の製造方法。
適用例1に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、
前記停止条件は、前記主体金具の前記雄ネジ以外の部位が前記基準部材に接触することを含む、
接地電極付の主体金具の製造方法。
この構成によれば、主体金具の雄ネジ以外の部位と基準部材との接触を用いることによって、適切な取付位置を算出できる。
[適用例3]
適用例2に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、
前記主体金具は、内燃機関のエンジンヘッドに組み付けられた際に、直接的に、又は、ガスケットを介して間接的に、前記エンジンヘッドに支持される座面を有しており、
前記雄ネジ以外の部位は前記座面である、
接地電極付の主体金具の製造方法。
適用例2に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、
前記主体金具は、内燃機関のエンジンヘッドに組み付けられた際に、直接的に、又は、ガスケットを介して間接的に、前記エンジンヘッドに支持される座面を有しており、
前記雄ネジ以外の部位は前記座面である、
接地電極付の主体金具の製造方法。
この構成によれば、主体金具の座面と基準部材との接触を用いることによって、適切な取付位置を算出できる。
[適用例4]
適用例3に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、
前記基準部材は、前記雌ネジにねじ込まれた前記主体金具の前記座面に対向する位置に配置された突出部を備え、
前記停止条件は、前記主体金具の座面が前記基準部材の前記突出部に接触することを含む、
接地電極付の主体金具の製造方法。
適用例3に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、
前記基準部材は、前記雌ネジにねじ込まれた前記主体金具の前記座面に対向する位置に配置された突出部を備え、
前記停止条件は、前記主体金具の座面が前記基準部材の前記突出部に接触することを含む、
接地電極付の主体金具の製造方法。
この構成によれば、主体金具の座面の傷を抑制しつつ、適切な取付位置を算出できる。
[適用例5]
適用例1に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、さらに、
前記基準部材に対して前記支持具が相対的に回転している状態で、前記基準部材に対する前記主体金具の位置であって前記雄ネジの軸線の方向の位置である軸線位置を測定する工程を備え、
前記停止条件は、前記軸線位置が、予め決められた位置である基準軸線位置に到達したことを含む、
接地電極付の主体金具の製造方法。
適用例1に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、さらに、
前記基準部材に対して前記支持具が相対的に回転している状態で、前記基準部材に対する前記主体金具の位置であって前記雄ネジの軸線の方向の位置である軸線位置を測定する工程を備え、
前記停止条件は、前記軸線位置が、予め決められた位置である基準軸線位置に到達したことを含む、
接地電極付の主体金具の製造方法。
この構成によれば、主体金具の軸線位置を用いることによって、適切な取付位置を算出できる。
[適用例6]
適用例5に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、
前記基準軸線位置に到達した際に、前記主体金具と前記基準部材とは、前記雄ネジと前記雌ネジとのみで接触している、
接地電極付の主体金具の製造方法。
適用例5に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、
前記基準軸線位置に到達した際に、前記主体金具と前記基準部材とは、前記雄ネジと前記雌ネジとのみで接触している、
接地電極付の主体金具の製造方法。
この構成によれば、主体金具の傷を抑制できる。
[適用例7]
適用例2に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、
前記主体金具は、内燃機関のエンジンヘッドに組み付けられた際に、直接又はガスケットを介して前記エンジンヘッドに係止される座面を有しており、
前記停止条件は、前記主体金具の座面とは異なる特定の部分が前記基準部材に接触することを含む、
接地電極付の主体金具の製造方法。
適用例2に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、
前記主体金具は、内燃機関のエンジンヘッドに組み付けられた際に、直接又はガスケットを介して前記エンジンヘッドに係止される座面を有しており、
前記停止条件は、前記主体金具の座面とは異なる特定の部分が前記基準部材に接触することを含む、
接地電極付の主体金具の製造方法。
この構成によれば、主体金具の座面の傷を抑制しつつ、適切な取付位置を算出できる。
[適用例8]
点火プラグの製造方法であって、
適用例1から7のいずれかに記載の製造方法によって接地電極付の主体金具を製造する工程と、
前記溶接工程の前と後とのいずれかにおいて、前記主体金具に絶縁体を取り付ける工程と、
を備える、点火プラグの製造方法。
点火プラグの製造方法であって、
適用例1から7のいずれかに記載の製造方法によって接地電極付の主体金具を製造する工程と、
前記溶接工程の前と後とのいずれかにおいて、前記主体金具に絶縁体を取り付ける工程と、
を備える、点火プラグの製造方法。
この構成によれば、主体金具のうちの周方向の適切な位置の部分に溶接された接地電極を備える点火プラグを、容易に、製造できる。
なお、本明細書に開示の技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、点火プラグの接地電極付の主体金具の製造方法、その製造方法によって製造された接地電極付の主体金具、点火プラグの製造方法、その製造方法によって製造された点火プラグ等の態様で実現することができる。
A.実施形態:
A1.点火プラグの構成:
図1は、一実施形態としての点火プラグ100の断面図である。図中には、点火プラグ100の中心軸CL(「軸線CL」とも呼ぶ)と、点火プラグ100の中心軸CLを含む平らな断面と、が示されている。以下、中心軸CLに平行な方向を「軸線CLの方向」、または、単に「軸線方向」とも呼ぶ。軸線CLを中心とする円の径方向を「径方向」とも呼ぶ。径方向は、軸線CLに垂直な方向である。軸線CLを中心とする円の円周方向を、「周方向」とも呼ぶ。中心軸CLに平行な方向のうち、図1における下方向を先端方向Df、または、前方向Dfと呼び、上方向を後端方向Dfr、または、後方向Dfrとも呼ぶ。先端方向Dfは、後述する端子金具40から中心電極20に向かう方向である。また、図1における先端方向Df側を点火プラグ100の先端側と呼び、図1における後端方向Dfr側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。
A1.点火プラグの構成:
図1は、一実施形態としての点火プラグ100の断面図である。図中には、点火プラグ100の中心軸CL(「軸線CL」とも呼ぶ)と、点火プラグ100の中心軸CLを含む平らな断面と、が示されている。以下、中心軸CLに平行な方向を「軸線CLの方向」、または、単に「軸線方向」とも呼ぶ。軸線CLを中心とする円の径方向を「径方向」とも呼ぶ。径方向は、軸線CLに垂直な方向である。軸線CLを中心とする円の円周方向を、「周方向」とも呼ぶ。中心軸CLに平行な方向のうち、図1における下方向を先端方向Df、または、前方向Dfと呼び、上方向を後端方向Dfr、または、後方向Dfrとも呼ぶ。先端方向Dfは、後述する端子金具40から中心電極20に向かう方向である。また、図1における先端方向Df側を点火プラグ100の先端側と呼び、図1における後端方向Dfr側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。
点火プラグ100は、後方向Dfr側から前方向Df側に向かって延びる貫通孔12(軸孔12とも呼ぶ)を有する筒状の絶縁体10と、貫通孔12の先端側で保持される中心電極20と、貫通孔12の後端側で保持される端子金具40と、貫通孔12内で中心電極20と端子金具40との間に配置された抵抗体73と、中心電極20と抵抗体73とに接触してこれらの部材20、73を電気的に接続する導電性の第1シール部72と、抵抗体73と端子金具40とに接触してこれらの部材73、40電気的に接続する導電性の第2シール部74と、絶縁体10の外周側に固定された筒状の主体金具50と、一端が主体金具50の環状の先端面55に接合されるとともに他端が中心電極20と放電ギャップgを介して対向するように配置された接地電極30と、を有している。
絶縁体10は、軸線CLに沿って延びる筒状の部材である。絶縁体10の中央部分には、最も外径が大きい部分である大径部14が形成されている。大径部14の後方向Dfr側には、大径部14の外径よりも小さい外径を有する後端側胴部13が接続されている。大径部14と後端側胴部13との接続部分18では、外径が、後方向Dfrに向かって、徐々に小さくなっている(接続部分18を、縮外径部18とも呼ぶ)。
大径部14の前方向Df側には、大径部14の外径よりも小さい外径を有する先端側胴部15が接続されている。先端側胴部15の前方向Df側には、先端側胴部15の外径よりも小さい外径を有する脚部19が接続されている。脚部19は、絶縁体10の先端を含む部分である。先端側胴部15と脚部19との接続部分16では、外径は、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなっている(接続部分16を、縮外径部16、または、段部16とも呼ぶ)。また、先端側胴部15には、縮内径部11が設けられている。縮内径部11の内径は、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなっている。
絶縁体10は、機械的強度と、熱的強度と、電気的強度とを考慮して形成されることが好ましい。絶縁体10は、例えば、アルミナを焼成して形成されている(他の絶縁材料も採用可能である)。
中心電極20は、軸線CLに沿って延びる棒状の金属製の部材である。中心電極20は、絶縁体10の貫通孔12内の前方向Df側の端部に配置されている。中心電極20は、棒部28と、棒部28の先端に接合(例えば、レーザ溶接)された第1チップ29と、を有している。棒部28は、後方向Dfr側の部分である頭部24と、頭部24の前方向Df側に接続された軸部27と、を有している。軸部27の形状は、前方向Df側に向かって延びる略円柱状である。頭部24のうちの前方向Df側の部分は、軸部27の外径よりも大きな外径を有する鍔部23を形成している。鍔部23の前方向Df側の面は、絶縁体10の縮内径部11によって、支持されている。軸部27は、鍔部23の前方向Df側に接続されている。第1チップ29は、軸部27の前方向Df側の端に接合されている。
棒部28は、外層21と、外層21の内周側に配置された芯部22と、を有している。外層21は、芯部22よりも耐酸化性に優れる材料(例えば、ニッケルを主成分として含む合金)で形成されている。ここで、主成分は、含有率(質量パーセント(wt%))が最も高い成分を意味している。芯部22は、外層21よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅、銅を主成分として含む合金、等)で形成されている。第1チップ29は、棒部28の外層21に接合されている。棒部28(本実施形態では、外層21)は、第1チップ29が接合される母材の例である。第1チップ29は、軸部27よりも放電に対する耐久性に優れる材料(例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の貴金属)を用いて形成されている。中心電極20のうち第1チップ29を含む前方向Df側の一部分は、絶縁体10の軸孔12から前方向Df側に露出している。中心電極20のうち後方向Dfr側の一部分は、軸孔12内に配置されている。このように、中心電極20の一部は、貫通孔12内に挿入されている。なお、第1チップ29は、省略されてよい。また、芯部22は、省略されてもよい。
端子金具40は、軸線CLに沿って延びる棒状の部材である。端子金具40は、導電性材料を用いて形成されている(例えば、鉄を主成分として含む金属)。端子金具40のうちの前方向Df側の棒状の部分41は、絶縁体10の軸孔12の後方向Dfr側の部分に挿入されている。
絶縁体10の貫通孔12内の抵抗体73は、電気的なノイズを抑制するための部材である。抵抗体73は、例えば、ガラスと導電性材料(例えば、炭素粒子)とセラミック粒子との混合物を用いて形成されている。シール部72、74は、導電性材料(例えば、銅や鉄などの金属粒子)とガラスとの混合物を用いて形成されている。中心電極20は、第1シール部72、抵抗体73、第2シール部74によって、端子金具40に電気的に接続されている。
主体金具50は、軸線CLに沿って延びる貫通孔59を有する筒状の部材である。主体金具50の貫通孔59には、絶縁体10が挿入され、主体金具50は、絶縁体10の外周に固定されている。主体金具50は、導電材料(例えば、主成分である鉄を含む炭素鋼等の金属)を用いて形成されている。絶縁体10の前方向Df側の一部は、貫通孔59の外に露出している。また、絶縁体10の後方向Dfr側の一部は、貫通孔59の外に露出している。
主体金具50は、工具係合部51と、中胴部54と、先端側胴部52と、を有している。工具係合部51は、点火プラグ用のレンチ(図示せず)が嵌合する部分である。中胴部54は、工具係合部51よりも前方向Df側に配置され、径方向外側に張り出したフランジ状の部分である。中胴部54の前方向Df側の面54fは、座面であり、内燃機関のうちの取付孔を形成する部分である取り付け部(例えば、エンジンヘッド)とのシールを形成する(座面54fとも呼ぶ)。先端側胴部52は、中胴部54の前方向Df側に接続された部分であり、主体金具50の先端面55を含む部分である。先端側胴部52の外周面には、図示しない内燃機関の取付孔に螺合するための雄ネジが形成された部分であるネジ部57が設けられている。
中胴部54の座面54fと先端側胴部52のネジ部57との間には、環状のガスケット80が配置されている。ガスケット80は、座面54fに接触可能なように、主体金具50に装着されている。本実施形態では、ガスケット80は、環状の金属板である。このようなガスケット80は、例えば、金属板を打ち抜くことによって、形成される。後述するように、ガスケット80は、点火プラグ100がエンジンヘッドに取り付けられた際に押し潰されて変形する。このガスケット80の変形によって、点火プラグ100とエンジンヘッドとの隙間が封止される。
主体金具50の先端側胴部52には、径方向の内側に向かって張り出した支持部56が形成されている。支持部56の後方向Dfr側の面56r(後面56rとも呼ぶ)では、内径が、前方向Dfに向かって、徐々に小さくなる。支持部56の後面56rと、絶縁体10の縮外径部16と、の間には、先端側パッキン8が挟まれている。支持部56は、パッキン8を介して間接的に、絶縁体10の段部16を支持している。
主体金具50の工具係合部51より後端側には、主体金具50の後端を形成するとともに工具係合部51と比べて薄肉の部分である後端部53が形成されている。また、中胴部54と工具係合部51との間には、中胴部54と工具係合部51とを接続する接続部58が形成されている。接続部58の肉厚は、中胴部54と工具係合部51とのそれぞれの肉厚と比べて、薄い。主体金具50の工具係合部51から後端部53にかけての内周面と、絶縁体10の縮外径部18の後方向Dfr側の部分の外周面との間には、円環状のリング部材61、62が挿入されている。さらに、これらのリング部材61、62の間には、タルク70の粉末が充填されている。点火プラグ100の製造工程において、後端部53が内側に折り曲げられて加締められると、接続部58が変形し、この結果、主体金具50と絶縁体10とが固定される。タルク70は、この加締め工程の際に圧縮され、主体金具50と絶縁体10との間の気密性が高められる。また、パッキン8は、絶縁体10の縮外径部16と主体金具50の支持部56との間で押圧され、そして、主体金具50と絶縁体10との間をシールする。
接地電極30は、金属製の部材であり、棒状の本体部37を有している。本体部37の端部33(基端部33とも呼ぶ)は、主体金具50の先端面55に接合されている(例えば、抵抗溶接)。本体部37は、主体金具50に接合された基端部33から先端方向Dfに向かって延び、中心軸CLに向かって曲がり、軸線CLに交差する方向に延びて、先端部34に至る。先端部34の後方向Dfr側の面と、中心電極20の第1チップ29とは、放電ギャップgを形成している。
本体部37は、外層31と、外層31の内周側に配置された内層32と、を有している。外層31は、内層32よりも耐酸化性に優れる材料(例えば、ニッケルを主成分として含む合金)で形成されている。内層32は、外層31よりも熱伝導率が高い材料(例えば、純銅、銅を主成分として含む合金、等)で形成されている。なお、接地電極30の先端部34の後方向Dfr側の面には、中心電極20の第1チップ29と同様の第2チップが固定されてよい。そして、第1チップと第2チップとが、放電ギャップgを形成してよい。また、内層32は、省略されてもよい。
図2(A)は、内燃機関の取付孔と点火プラグ100との装着の例を示す概略図である。図中には、エンジンヘッド900に設けられた取付孔800の断面と、取付孔800に装着された点火プラグ100の外観と、が示されている。図中の前方向Dfと後方向Dfrとは、取付孔800に装着された点火プラグ100の方向を示している。また、軸線CLは、取付孔800に装着された点火プラグ100の軸線CLを示している。図2(A)の例では、取付孔800の中心軸は、点火プラグ100の中心軸CLと同じである。
取付孔800は、燃焼室910に接続された部分である第1部分810と、第1部分810の後方向Dfr側に設けられた第2部分820と、を有している。第1部分810の内周面には、点火プラグ100のネジ部57をねじ込むための雌ネジが形成されている。第2部分820の内径は、第1部分810の内径よりも大きく、主体金具50の最大外径よりも大きい。第1部分810の内周面と第2部分820の内周面とは、段部815によって接続されている。段部815は、軸線CLにおおよそ垂直な面であって後方向Dfrを向く面を形成している。
点火プラグ100を取付孔800に装着する場合、点火プラグ100のネジ部57が、第1部分810にねじ込まれる。そして、点火プラグ100のガスケット80は、主体金具50の座面54fと取付孔800の段部815との間に挟まれる。そして、点火プラグ100は、規定トルクで、締め付けられる。規定トルクは、JIS B 8031やISO11565にて定められている。ガスケット80は、点火プラグ100の座面54fと取付孔800の段部815との間で、押しつぶされる。これにより、点火プラグ100とエンジンヘッド900との間の隙間が封止される。そして、点火プラグ100の装着が完了する。
図2(B)は、エンジンヘッド900に装着された点火プラグ100の概略図である。図中には、後方向Dfrを向いて観察したエンジンヘッド900のうちの燃焼室910を形成する部分の一部と点火プラグ100との概略が示されている。図中の方向100Dは、軸線CLを基準とする接地電極30の周方向の位置を示している(電極方向100Dとも呼ぶ)。電極方向100Dは、軸線CLから、主体金具50と接地電極30との接合位置30sへ向かう方向であり、点火プラグ100の向きを示している。なお、本実施形態では、接合位置30sは、接地電極30と主体金具50との接合面の周方向の範囲の中心位置を示している。以下、接合位置30sを、取付位置30sとも呼ぶ。
接地電極30は、燃焼室910内のガスの流れに影響を与え得る。内燃機関に対する接地電極30の電極方向100D(すなわち、点火プラグ100の向き)に応じて、内燃機関の性能が変化し得る。内燃機関によっては、電極方向100Dの好ましい範囲が予め決められている場合がある。図2(B)の範囲R1は、内燃機関における電極方向100Dの好ましい範囲を示している(以下、エンジン許容範囲R1とも呼ぶ)。
上述したように、点火プラグ100を取付孔800に装着する場合、点火プラグ100は、規定トルクで締め付けられる。エンジン許容範囲R1は、点火プラグ100を内燃機関の取付孔800に規定トルクで締め付ける場合の許容範囲であり、点火プラグ100の接地電極30の周方向の位置の許容範囲である。
このようなエンジン許容範囲R1が予め決められている場合、規定トルクで点火プラグ100を締め付けた結果、電極方向100Dが自然にエンジン許容範囲R1内の方向を向くように、内燃機関と点火プラグ100とが構成されていることが好ましい。例えば、内燃機関の取付孔800の第1部分810における雌ネジのネジ溝の周方向の開始位置(すなわち、ネジ切りの開始位置)が予め決められた位置となるように、第1部分810の雌ネジが形成される。そして、点火プラグ100の主体金具50のネジ部57におけるネジ溝の開始位置(すなわち、ネジ切りの開始位置)と接地電極30との間の周方向の相対位置が予め決められた位置になるように、主体金具50の先端面55上の接地電極30の接合位置30sが決定される。この場合、理論的には、点火プラグ100を取付孔800に規定トルクで締め付けることによって、燃焼室910に対する電極方向100Dは、複数の点火プラグ100の間で、同じである。従って、電極方向100Dがエンジン許容範囲R1内となるように、先端面55上の接地電極30の接合位置30sを予め実験的に決定することによって、規定トルクでの締め付けによってエンジン許容範囲R1内の電極方向100Dを実現できる。現実には、種々の部材の製造誤差によって、燃焼室910に対する電極方向100Dは、変化し得る。
A2.点火プラグの製造方法:
図3は、点火プラグの製造方法の例を示すフローチャートである。S110では、点火プラグ100の部材が準備される。具体的には、中心電極20と、端子金具40と、主体金具50と、曲げられていない棒状の接地電極30とが、公知の方法で製造される。また、シール部72、74のそれぞれの材料粉末と、抵抗体73の材料粉末とが、準備される。そして、絶縁体10と中心電極20と第1シール部72と抵抗体73と第2シール部74と端子金具40とを有する組立体が、公知の方法で作成される。例えば、中心電極20、第1シール部72の材料、抵抗体73の材料、第2シール部74の材料を、絶縁体10の貫通孔12に、後方向Dfr側の開口から、この順番に挿入する。そして、絶縁体10を加熱した状態で、端子金具40を貫通孔12の後方向Dfr側から挿入することによって、組立体が製造される。
図3は、点火プラグの製造方法の例を示すフローチャートである。S110では、点火プラグ100の部材が準備される。具体的には、中心電極20と、端子金具40と、主体金具50と、曲げられていない棒状の接地電極30とが、公知の方法で製造される。また、シール部72、74のそれぞれの材料粉末と、抵抗体73の材料粉末とが、準備される。そして、絶縁体10と中心電極20と第1シール部72と抵抗体73と第2シール部74と端子金具40とを有する組立体が、公知の方法で作成される。例えば、中心電極20、第1シール部72の材料、抵抗体73の材料、第2シール部74の材料を、絶縁体10の貫通孔12に、後方向Dfr側の開口から、この順番に挿入する。そして、絶縁体10を加熱した状態で、端子金具40を貫通孔12の後方向Dfr側から挿入することによって、組立体が製造される。
S120では、接地電極付の主体金具が製造される。S120の処理の詳細については、後述する。
S130では、S110で準備された組立体が、主体金具50に、固定される。具体的には、主体金具50の貫通孔59内に、先端側パッキン8と、S120で準備された組立体と、リング部材62と、タルク70と、リング部材61とが配置される。絶縁体10の段部16と主体金具50の支持部56との間には、先端側パッキン8が挟まれる。主体金具50の後端部53を内周側に折り曲げるように加締めることによって、主体金具50と絶縁体10とが組み付けられる。
S140では、接地電極30が曲げられて、放電ギャップgが形成される。ここで、放電ギャップgの距離が所定の距離になるように、接地電極30が曲げられる。また、ガスケット80が主体金具50に装着される。以上により、点火プラグ100が完成し、図3の処理が終了する。
図4は、接地電極付の主体金具の製造方法の例を示すフローチャートである。S210では、支持テーブルに主体金具50が取り付けられる。図5(A)〜図5(C)は、支持テーブルの例を示す説明図である。図5(A)は、支持テーブル500の斜視図を示し、図5(B)は、支持テーブル500の中心軸CLxを含む断面図を示し、図5(C)は、図5(B)の支持テーブル500と支持テーブル500に取り付けられた主体金具50とを示している。図中の中心軸CLxは、支持テーブル500の中心軸である。図中の方向Df、Dfrは、支持テーブル500に主体金具50が取り付けられた状態での主体金具50に対する点火プラグ100の方向Df、Dfrを示している。方向Df、Dfrは、中心軸CLxに平行である。また、中心軸CLxは、支持テーブル500に取り付けられた主体金具50のネジ部57の中心軸と、同じである。
本実施形態では、支持テーブル500は、円筒状の第1部分510と、第1部分510の後方向Dfr側に接続された円板状の第2部分520と、第1部分510の内周側の第2部分520の前方向Df側に接続された円柱状の第3部分530と、で構成されている。各部分510、520、530は、中心軸CLxに沿って延びている。支持テーブル500の材料は、例えば、金属である。支持テーブル500の製造方法は、任意の方法であってよい。例えば、第1部分510と第2部分520と第3部分530とが互いに独立に製造されてよい。そして、これらの部材510、520、530が接合(例えば、溶接)されることによって、支持テーブル500が形成されてよい。
図5(C)に示すように、本実施形態では、主体金具50のうちの工具係合部51から後方向Dfr側の部分が、第1部分510の内周側に挿入される。第1部分510の内周面512の形状は、主体金具50の工具係合部51の外周面の形状とおおよそ同じである。内周面512は、工具係合部51の外周面に接触する。これにより、主体金具50は、支持テーブル500に対して中心軸CLxを中心に回転できない。本実施形態では、工具係合部51の形状は、六角柱形状であり、内周面512の形状は、六角柱の外周面の形状と同じである。
また、支持テーブル500に主体金具50が取り付けられた状態では、図5(C)に示すように、主体金具50の後端部53の後端53eは、第1部分510の内周側において、第2部分520の前方向Df側の面524に接触する。なお、S130(図3)で加締められる前の後端部53の形状は、略円筒状である。
また、図5(C)に示すように、第3部分530の外周面は、主体金具50の内周面に接触する。
以上のように、工具係合部51の外周面は第1部分510の内周面512によって支持され、後端部53の後端53eは、第2部分520の面524によって支持され、主体金具50の内周面は、第3部分530の外周面によって支持される。この結果、主体金具50は、支持テーブル500にしっかりと支持される。
また、図5(A)に示すように、支持テーブル500は、移動装置660によって支持されている。移動装置660は、支持テーブル500を、中心軸CLxを中心に回転可能に、支持テーブル500を支持している。また、後述するように、移動装置660は、支持テーブル500を、種々の位置に移動させる。移動装置660は、例えば、支持テーブル500を回転可能に支持する軸受けと、軸受けを移動させるリンク機構と、リンク機構を動かすモータであるリンクモータと、を有している。
また、移動装置660には、モータ670と、トルクセンサ680と、ロータリーエンコーダ690と、が取り付けられている。モータ670は、トルクセンサ680を介して、支持テーブル500に接続されている。モータ670は、支持テーブル500を、中心軸CLxを中心に、回転させる。トルクセンサ680は、支持テーブル500に印加されているトルクを測定する。また、ロータリーエンコーダ690は、支持テーブル500に接続されている。ロータリーエンコーダ690は、支持テーブル500の回転角度を検出する。図5(A)の方向D5は、支持テーブル500の予め決められた基準方向であり、中心軸CLxを中心とする周方向の向きを示している。支持テーブル500が中心軸CLxを中心に回転する場合、基準方向D5は、支持テーブル500とともに回転する。ロータリーエンコーダ690からの情報を用いることによって、移動装置660に対する基準方向D5、すなわち、支持テーブル500の回転角度を特定できる。なお、支持テーブル500の外表面には、基準方向D5を示す印が記されてよい。
本実施形態では、支持テーブル500の制御に、データ処理装置600が用いられる。データ処理装置600(以下、単に処理装置600とも呼ぶ)は、例えば、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータなどのコンピュータである。処理装置600は、プロセッサ610と、記憶装置615と、インタフェース640と、ユーザによる操作を受け入れる操作部650と、を有している。記憶装置615は、揮発性記憶装置620と、不揮発性記憶装置630と、を含んでいる。処理装置600の各要素は、図示しないバスを介して互いに接続されている。
プロセッサ610は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。インタフェース640は、他の装置と通信するためのインタフェースである(例えば、USBインタフェース)。インタフェース640には、移動装置660(例えば、リンクモータ)とモータ670とトルクセンサ680とロータリーエンコーダ690とが、接続されている。操作部650は、ユーザによる操作を受け取る装置であり、例えば、複数のボタンを含んでいる。揮発性記憶装置620は、例えば、DRAMであり、不揮発性記憶装置630は、例えば、フラッシュメモリである。不揮発性記憶装置630は、プログラム632を格納している。後述するように、プロセッサ610は、プログラム632を実行することによって、移動装置660を制御し、トルクセンサ680からの信号を用いてトルクを特定し、モータ670を制御し、ロータリーエンコーダ690からの信号を用いて支持テーブル500の回転角度を特定する。プロセッサ610は、プログラム632の実行に利用される種々の中間データを、記憶装置615(例えば、揮発性記憶装置620、不揮発性記憶装置630のいずれか)に、一時的に格納する。
S220(図4)では、支持テーブル500を回転させることによって、主体金具50のネジ部57が、基準部材の雌ネジに、ねじ込まれる。図6(A)、図6(B)は、基準部材の例を示す説明図である。図6(A)は、基準部材700の斜視図であり、図6(B)は、基準部材700の中心軸CLxを含む断面図である。
本実施形態では、基準部材700は、第1面701と第2面702とを有する板状の部材である。基準部材700は、第1面701側から第2面702側へ貫通する貫通孔710を有している。貫通孔710の内周面には、主体金具50のネジ部57に対応する雌ネジが形成されている(以下、貫通孔710を、雌ネジ部710とも呼ぶ)。図中の中心線CLxは、雌ネジ部710の中心線である。雌ネジ部710には、主体金具50のネジ部57がねじ込まれる。従って、雌ネジ部710の中心軸CLxは、主体金具50のネジ部57の中心軸CLxと、同じである。図6(A)に示す方向D7は、基準部材700の予め決められた基準方向であり、中心軸CLxを中心とする周方向の向きを示している。基準部材700の材料は、例えば、金属である。基準部材700の製造方法は、任意の方法であってよい。例えば、板状の金属部材に、ドリルを用いて貫通孔が形成されてよい。そして、予め決められたタップを用いて、貫通孔の内周面に雌ネジ(すなわち、雌ネジ部710)が形成されてよい。なお、基準部材700の外表面には、基準方向D7を示す印が記されてよい。
図7(A)〜図7(C)は、基準部材700の雌ネジ部710に主体金具50のネジ部57がねじ込まれる様子を示す説明図である。各図には、中心軸CLxに垂直な方向を向いて見た支持テーブル500と主体金具50との外観と、基準部材700の中心軸CLxを含む断面と、移動装置660の概略図とが、示されている。
図7(A)に示すように、支持テーブル500と、支持テーブル500に取り付けられた主体金具50と、基準部材700とは、中心軸CLxに沿ってこの順番に並んで配置される。そして、本実施形態では、基準部材700は、図示しない支持具によって、固定される。また、基準部材700に対する支持テーブル500の向き、すなわち、基準方向D7(図6(A))に対する基準方向D5(図5(A))は、予め決められた方向に、調整される。
本実施形態では、ユーザは、処理装置600(図5(A))の操作部650を操作することによって、処理を開始する指示を入力する。プロセッサ610は、モータ670の回転を開始する。これにより、主体金具50は、基準部材700に対して、相対的に、回転する。また、プロセッサ610は、ロータリーエンコーダ690からの信号を用いて、支持テーブル500の回転角度の測定を開始する。これにより、プロセッサ610は、移動装置660に対する現行の基準方向D5を、特定できる。そして、プロセッサ610は、移動装置660を制御して、支持テーブル500を基準部材700に向かって移動させる。主体金具50のネジ部57は、基準部材700の雌ネジ部710に、挿入される。図7(B)に示すように、主体金具50のネジ部57は、基準部材700の雌ネジ部710に、ねじ込まれる。
S230(図4)では、停止条件が満たされるか否かが判断される。停止条件は、支持テーブル500の回転を停止させるための条件である。本実施形態では、停止条件は、主体金具50の座面54fが、基準部材700に接触することである。支持テーブル500の回転(すなわち、主体金具50の回転)によって、ネジ部57のねじ込みが進行する。これにより、座面54fは、徐々に、基準部材700に近づく。そして、図7(C)に示すように、座面54fは、基準部材700の支持テーブル500側の面702に接触する。
座面54fが基準部材700に接触すると、主体金具50(ひいては、支持テーブル500)は、基準部材700に対して回転できなくなる。この結果、モータ670によって支持テーブル500に印加されるトルクは、増大する。本実施形態では、停止条件は、トルクセンサ680によって測定されるトルクが予め決められた第1トルク閾値を超えることである。第1トルク閾値は、座面54fが基準部材700に接する前には、停止条件が満たされず、座面54fが基準部材700に接することによって停止条件が満たされるように、実験的に決められる。このような停止条件は、座面54fが基準部材700に接触することを示している。
停止条件が満たされない場合(S230:No)、プロセッサ610(図5(A))は、停止条件が満たされるまで、S220(すなわち、支持テーブル500の回転)を継続する。停止条件が満たされる場合(S230:Yes)、S240で、プロセッサ610は、モータ670の回転(すなわち、支持テーブル500の回転)を停止する。
S250では、プロセッサ610は、ロータリーエンコーダ690からの信号を用いて、支持テーブル500の回転が停止した状態における支持テーブル500の回転角度を特定する。これにより、基準部材700の基準方向D7(図6(A))に対する支持テーブル500の基準方向D5(図5(A))の相対的な方向が、特定される。例えば、支持テーブル500を更に角度ANGcだけ回転させることによって基準方向D5が基準方向D7と同じとなる場合の角度ANGcが、特定される。ここで、支持テーブル500の回転方向は、主体金具50のネジ部57を基準部材700の雌ネジ部710にねじ込む方向である。
なお、本実施形態では、基準部材700の基準方向D7は、以下のように予め実験的に決められている。すなわち、S210〜S240で説明したように、主体金具50は、停止条件が満たされるように、基準部材700に取り付けられる。この主体金具50の先端面55の基準方向D7の部分に、接地電極30が接合される。この主体金具50を用いて製造された点火プラグ100が、エンジンヘッド900の取付孔800に取り付けられる。ここで、電極方向100Dは、エンジン許容範囲R1内である。このように、本実施形態では、基準部材700の基準方向D7は、停止条件に従って基準部材700に取り付けられた主体金具50に対して、接地電極30の適切な取付位置30sの方向を示している。現実には、エンジンヘッド900の取付孔800、ガスケット80等の種々の部材の製造誤差に起因して、電極方向100Dは変化する。このような製造誤差を考慮して、基準方向D7は、実験的に決められている。
S260(図4)では、プロセッサ610は、支持テーブル500の回転角度を用いて、接地電極30の取付位置を算出する。図8(A)は、取付位置の説明図である。図中には、後方向Dfrを向いて見た支持テーブル500と、支持テーブル500に取り付けられた主体金具50と、支持テーブル500の基準方向D5と、図示しない基準部材700の基準方向D7と、が示されている。図中には、S240(図4)で支持テーブル500の回転が停止された状態が、示されている。図中の回転角度ANGcは、S250で特定された回転角度である。本実施形態では、回転角度ANGcは、基準方向D5を基準方向D7に一致させるための回転角度である。また、上述したように、本実施形態では、基準方向D7は、接地電極30の適切な取付位置の方向を、示している。従って、プロセッサ610は、支持テーブル500の基準方向D5を回転角度ANGcだけ回転させた方向を、接地電極30の取付位置の方向として算出する。図中の方向Dcは、算出される方向を示している(取付位置方向Dcとも呼ぶ)。主体金具50の先端面55のうちの取付位置方向Dcの位置に接地電極30を取り付ければ、燃焼室910(図2(B))内で、電極方向100Dは、エンジン許容範囲R1内となる。
S270(図4)では、プロセッサ610は、モータ670を逆転させて、主体金具50を基準部材700から取り外す。また、プロセッサ610は、ロータリーエンコーダ690からの信号を用いて、支持テーブル500の回転角度を測定する。これにより、プロセッサ610は、移動装置660に対する現行の基準方向D5を、特定できる。なお、主体金具50は、支持テーブル500からは取り外されない。
S280では、プロセッサ610は、移動装置660を制御して、支持テーブル500を、溶接装置に対する所定位置に移動させる。図8(B)は、溶接装置と支持テーブル500との説明図である。図中には、後方向Dfrを向いて見た移動装置660と、支持テーブル500と、支持テーブル500に取り付けられた主体金具50と、溶接装置1000と、が示されている。本実施形態では、溶接装置1000は、レーザ溶接装置である。支持テーブル500は、溶接装置1000の近傍の所定位置に配置されている。溶接装置1000は、支持テーブル500上の主体金具50の先端面55上の位置であって、溶接装置1000に対する予め決められた位置P1に、接地電極を溶接するように、構成されている
溶接装置1000に対する移動装置660の位置と向きとは、予め決められている。従って、プロセッサ610は、移動装置660に対する現行の基準方向D5を用いることによって、溶接装置1000の位置P1と基準方向D5との間の角度差ANG1を特定できる。プロセッサ610は、角度差ANG1と、回転角度ANGcとを用いることによって、位置P1の方向と取付位置方向Dcとの差ANG2を算出できる(例えば、ANG2=ANG1−ANGc)。
プロセッサ610は、ロータリーエンコーダ690からの情報を参照しつつモータ670を駆動することによって、取付位置方向Dcが位置P1の方向となるように、支持テーブル500を回転させる。図8(C)は、図8(B)の支持テーブル500が回転された状態を示している。例えば、プロセッサ610は、支持テーブル500を、差ANG2だけ回転させる。これにより、取付位置方向Dcは、位置P1の方向になる。
図8(D)は、接地電極30が溶接される様子を示す説明図である。図中には、図8(C)と同じ状態の支持テーブル500が示されている。この状態で、主体金具50の先端面55上の位置P1の部分に、曲げられる前の棒状の接地電極30の端部33が、溶接される。本実施形態では、保持具1010が、接地電極30の端部33が主体金具50の先端面55上の位置P1の部分に接触する位置で、接地電極30を保持している。そして、溶接装置1000は、接地電極30の端部33と主体金具50の先端面55との接触部分に、レーザビームを照射する。これにより、接地電極30が主体金具50に溶接される。なお、接地電極30と主体金具50との接触部分に対するレーザビームの照射方向は、任意の方向であってよい。例えば、レーザビームは、接触部分の全周に亘って、照射されてよい。
S290(図4)では、接地電極30付きの主体金具50が、支持テーブル500から取り外される。以上により、図4の処理が終了し、接地電極30付きの主体金具50が製造される。
以上のように、本実施形態の接地電極30付き主体金具50の製造方法では、S210(図4)で、支持テーブル500に主体金具50が取り付けられる。S220では、雌ネジ部710を有する基準部材700に対して支持テーブル500を相対的に回転させることによって、基準部材700の雌ネジ部710に主体金具50のネジ部57がねじ込まれる。予め決められた停止条件が満たされたことに応じて(S230:Yes)、S240で、基準部材700に対する支持テーブル500の相対的な回転が、停止される。S250では、相対的な回転が停止されたときの支持テーブル500の回転角度(例えば、回転角度ANGc)が特定される。S260では、回転角度を用いて、主体金具50における接地電極30を取り付ける取付位置(具体的には、取付位置方向Dc)が算出される。取付位置方向Dcの算出には、基準部材700の基準方向D7が用いられる。上述したように、基準方向D7は、停止条件に基づいて基準部材700にねじ込まれた主体金具50に対する接地電極30の適切な取付位置30sの方向を示している。このように、基準方向D7は、停止条件を用いて、決定されている。従って、S260での取付位置の算出には、停止条件と回転角度が用いられている。S270では、基準部材700の雌ネジ部710から主体金具50のネジ部57が取り外される。S280では、S270の後、支持テーブル500に主体金具50が取り付けられた状態で、S260で算出した取付位置(取付位置方向Dcの位置)に、接地電極30が溶接される。
このように、基準部材700の雌ネジ部710から主体金具50のネジ部57が取り外された後に、支持テーブル500に取り付けられた状態の主体金具50に接地電極30が溶接される。従って、接地電極30を、容易に、接地電極30のうちの周方向の適切な位置の部分(具体的には、取付位置方向Dcの部分)に、溶接できる。
また、S230、図7(C)で説明したように、本実施形態では、停止条件は、主体金具50のネジ部57以外の部位が基準部材700に接触することを含んでいる。このような接触を用いることによって、適切な取付位置を算出できる。
また、本実施形態では、停止条件で用いられる基準部材700に接触する部位は、座面54fである。座面54fは、主体金具50のうちのガスケット80(図2)を介して間接的にエンジンヘッド900に支持される面である。停止条件は、主体金具50のうちのこのような座面54fが基準部材700に接触することを含んでいる。従って、停止条件に従って主体金具50が基準部材700に取り付けられた状態は、点火プラグ100がエンジンヘッド900に取り付けられた状態に、類似している。従って、主体金具50の座面54fと基準部材700との接触を用いることによって、適切な取付位置を算出できる。
B.第2実施形態:
図9(A)は、第2実施形態の基準部材700aの斜視図である。図6(A)の基準部材700との差違は、第2面702上の雌ネジ部710の近傍に、突出部705が設けられている点だけである。基準部材700aの他の部分の構成は、図6(A)の基準部材700の対応する部分の構成と同じである(同じ要素は同じ符号を用いて参照され、その説明は省略される)。この基準部材700aは、図4で説明した接地電極付の主体金具の製造方法において、基準部材700の代わりに、用いられる。
図9(A)は、第2実施形態の基準部材700aの斜視図である。図6(A)の基準部材700との差違は、第2面702上の雌ネジ部710の近傍に、突出部705が設けられている点だけである。基準部材700aの他の部分の構成は、図6(A)の基準部材700の対応する部分の構成と同じである(同じ要素は同じ符号を用いて参照され、その説明は省略される)。この基準部材700aは、図4で説明した接地電極付の主体金具の製造方法において、基準部材700の代わりに、用いられる。
図9(B)は、第2実施形態の停止条件の説明図である。図中には、図7(C)と同様に、中心軸CLxに垂直な方向を向いて見た支持テーブル500と主体金具50の外観と、基準部材700aの中心軸CLxを含む断面とが、示されている。図7(C)の例との差違は、主体金具50の座面54fが基準部材700aの突出部705に接触している点である。
図7(C)の停止条件と同様に、座面54fが突出部705に接触すると、主体金具50(ひいては、支持テーブル500)は、基準部材700aに対して回転できなくなる。この結果、モータ670によって支持テーブル500に印加されるトルクは、増大する。本実施形態では、停止条件は、トルクセンサ680によって測定されるトルクが予め決められた第2トルク閾値を超えることである。第2トルク閾値は、座面54fが突出部705に接する前には、停止条件が満たされず、座面54fが突出部705に接することによって停止条件が満たされるように、実験的に決められる。このような停止条件は、座面54fが突出部705に接触することを示している。図4のS230では、この停止条件が満たされるか否かが、判断される。図4の他のステップは、第1実施形態の基準部材700が用いられる場合の対応するステップと同じである。
なお、本実施形態では、基準部材700の基準方向D7は、第1実施形態の基準部材700が用いられる場合と同様に、予め実験的に決められている。すなわち、基準方向D7は、停止条件に従って基準部材700aに取り付けられた主体金具50に対して、接地電極30の適切な取付位置30sの方向を示すように、決められる。
以上のように、本実施形態では、座面54fのうちの一部が突出部705に接触することによって停止条件が満たされる。従って、座面54fの広い範囲に傷が形成されることが、抑制される。
C.第3実施形態:
図9(C)は、第3実施形態の停止条件の説明図である。図中には、図7(C)と同様に、中心軸CLxに垂直な方向を向いて見た支持テーブル500と主体金具50の外観と、基準部材700の中心軸CLxを含む断面とが、示されている。図7(C)の例との差違は、測距装置1020が追加されている点である。測距装置1020は、測距装置1020と主体金具50の先端面55との間の中心軸CLxに平行な方向の距離D50xを測定する。本実施形態では、測距装置1020は、レーザ距離計である。測距装置1020は、基準部材700に対して移動しないように、図示しない支持部材によって固定されている。測距装置1020によって測定される距離D50xは、基準部材700に対する主体金具50の位置であってネジ部57の中心軸CLxに平行な方向の位置である軸線位置を示している。距離D50xが小さいほど、主体金具50の軸線位置は基準部材700に近い。
図9(C)は、第3実施形態の停止条件の説明図である。図中には、図7(C)と同様に、中心軸CLxに垂直な方向を向いて見た支持テーブル500と主体金具50の外観と、基準部材700の中心軸CLxを含む断面とが、示されている。図7(C)の例との差違は、測距装置1020が追加されている点である。測距装置1020は、測距装置1020と主体金具50の先端面55との間の中心軸CLxに平行な方向の距離D50xを測定する。本実施形態では、測距装置1020は、レーザ距離計である。測距装置1020は、基準部材700に対して移動しないように、図示しない支持部材によって固定されている。測距装置1020によって測定される距離D50xは、基準部材700に対する主体金具50の位置であってネジ部57の中心軸CLxに平行な方向の位置である軸線位置を示している。距離D50xが小さいほど、主体金具50の軸線位置は基準部材700に近い。
図9(D)は、接地電極付の主体金具の製造方法の例を示すフローチャートである。図4の製造方法との差違は、S220とS230との間に、S225が追加されている点である。S225では、プロセッサ610(図5)は、基準部材700に対して支持テーブル500が相対的に回転している状態で、測距装置1020からの情報を参照して、距離D50x(ひいては、軸線位置)を測定する。
支持テーブル500の回転(すなわち、主体金具50の回転)によって、ネジ部57のねじ込みが進行する。これにより、主体金具50は、徐々に、基準部材700に近づく。そして、距離D50xは、徐々に、小さくなる。本実施形態では、停止条件は、距離D50xが予め決められた距離閾値以下であることである。このような停止条件は、軸線位置が、予め決められた位置である基準軸線位置(ここでは、距離閾値に対応する位置)に到達したことを示している。図4のS230では、この停止条件が満たされるか否かが、判断される。図4の他のステップは、第1実施形態の対応するステップと同じである。
なお、本実施形態では、基準部材700の基準方向D7は、第1実施形態の基準部材700が用いられる場合と同様に、予め実験的に決められている。すなわち、基準方向D7は、停止条件に従って基準部材700に取り付けられた主体金具50に対して、接地電極30の適切な取付位置30sの方向を示すように、決められる。
以上のように、本実施形態では、S225(図9(D))で、基準部材700に対して支持テーブル500が相対的に回転している状態で、距離D50x(すなわち、基準部材700に対する主体金具50の軸線位置)が測定される。そして、停止条件(S230(図4))は、距離D50xが予め決められた距離閾値に到達したこと(すなわち、軸線位置が予め決められた位置である基準軸線位置に到達したこと)を含んでいる。このように、主体金具50の軸線位置を用いることによって、適切な取付位置を算出できる。
また、図9(C)に示すように、本実施形態では、主体金具50の軸線位置が基準軸線位置に到達した際に、座面54fは、基準部材700から、離れている。すなわち、主体金具50と基準部材700とは、ネジ部57と雌ネジ部710とのみで接触している。従って、主体金具の傷を抑制できる。
D.第4実施形態:
図9(E)は、第4実施形態の基準部材700bと停止条件との説明図である。図中には、図7(C)と同様に、中心軸CLxに垂直な方向を向いて見た支持テーブル500と主体金具50の外観と、基準部材700bの中心軸CLxを含む断面とが、示されている。図6(A)の基準部材700との差違は、雌ネジ部710bが貫通孔ではなく底面712bを有する凹部720bに設けられている点だけである。基準部材700bの他の部分の構成は、図6(A)の基準部材700の対応する部分の構成と同じである(同じ要素は同じ符号を用いて参照され、その説明は省略される)。この基準部材700bは、図4で説明した接地電極付の主体金具の製造方法において、基準部材700の代わりに、用いられる。
図9(E)は、第4実施形態の基準部材700bと停止条件との説明図である。図中には、図7(C)と同様に、中心軸CLxに垂直な方向を向いて見た支持テーブル500と主体金具50の外観と、基準部材700bの中心軸CLxを含む断面とが、示されている。図6(A)の基準部材700との差違は、雌ネジ部710bが貫通孔ではなく底面712bを有する凹部720bに設けられている点だけである。基準部材700bの他の部分の構成は、図6(A)の基準部材700の対応する部分の構成と同じである(同じ要素は同じ符号を用いて参照され、その説明は省略される)。この基準部材700bは、図4で説明した接地電極付の主体金具の製造方法において、基準部材700の代わりに、用いられる。
図9(E)は、さらに、基準部材700bが用いられる場合の停止条件を示している。図7(C)の例との差違は、主体金具50の先端面55が基準部材700bの底面712bに接触している点である。
図7(C)の停止条件と同様に、先端面55が底面712bに接触すると、主体金具50(ひいては、支持テーブル500)は、基準部材700bに対して回転できなくなる。この結果、モータ670によって支持テーブル500に印加されるトルクは、増大する。本実施形態では、停止条件は、トルクセンサ680によって測定されるトルクが予め決められた第3トルク閾値を超えることである。第3トルク閾値は、先端面55が底面712bに接する前には、停止条件が満たされず、先端面55が底面712bに接することによって停止条件が満たされるように、実験的に決められる。このような停止条件は、先端面55が底面712b(ひいては、基準部材700b)に接触することを示している。図4のS230では、この停止条件が満たされるか否かが、判断される。図4の他のステップは、第1実施形態の基準部材700が用いられる場合の対応するステップと同じである。
なお、本実施形態では、基準部材700bの基準方向D7(図6(A))は、第1実施形態の基準部材700が用いられる場合と同様に、予め実験的に決められている。すなわち、基準方向D7は、停止条件に従って基準部材700bに取り付けられた主体金具50に対して、接地電極30の適切な取付位置30sの方向を示すように、決められる。
以上のように、本実施形態では、主体金具50のうちの座面54fとは異なる特定の部分(ここでは、先端面55)が基準部材700bに接触することによって、停止条件が満たされる。従って、主体金具の座面の傷を抑制しつつ、適切な取付位置を算出できる。
E.変形例
(1)突出部を有する基準部材の構成は、図9(A)、図9(B)の基準部材700aの構成に代えて、他の種々の構成であってよい。突出部の総数は、2以上であってもよい。例えば、複数の突出部705が、第2面702上において、雌ネジ部710を囲むように配置されてよい。ただし、図9(A)の実施形態のように、突出部705の総数が1である場合、座面54fの傷を抑制できる。また、突出部と座面54fとの接触部分の大きさは、任意に決定されてよい。一般的には、突出部の形状は、周方向の一部の範囲内のみで座面54fに接触するように構成された種々の形状であってよい。このような突出部を有する基準部材を用いることにより、座面54fの広い範囲の傷を抑制できる。
(1)突出部を有する基準部材の構成は、図9(A)、図9(B)の基準部材700aの構成に代えて、他の種々の構成であってよい。突出部の総数は、2以上であってもよい。例えば、複数の突出部705が、第2面702上において、雌ネジ部710を囲むように配置されてよい。ただし、図9(A)の実施形態のように、突出部705の総数が1である場合、座面54fの傷を抑制できる。また、突出部と座面54fとの接触部分の大きさは、任意に決定されてよい。一般的には、突出部の形状は、周方向の一部の範囲内のみで座面54fに接触するように構成された種々の形状であってよい。このような突出部を有する基準部材を用いることにより、座面54fの広い範囲の傷を抑制できる。
(2)図9(C)の実施形態において、測距装置1020の測定対象は、先端面55に代えて、他の部分であってよい。例えば、支持テーブル500の特定の部分が測定対象であってよい(例えば、第2部分520)。上述したように、主体金具50が支持テーブル500に取り付けられている状態では、主体金具50は、支持テーブル500に対して、殆ど動かない。従って、支持テーブル500の軸線位置の変化は、主体金具50の軸線位置の変化と、同じである。プロセッサ610は、支持テーブル500の軸線位置を測定することによって、主体金具50の軸線位置を測定できる。また、測距装置1020とは異なる種類の装置を用いて、主体金具50の軸線位置を特定してもよい。例えば、プロセッサ610は、中心軸CLxに垂直な方向を向くデジタルカメラによって撮影された画像を解析することによって、主体金具50の軸線位置を測定してもよい。なお、主体金具50の軸線位置に関する停止条件が満たされる場合に、主体金具50のうちのネジ部57とは異なる部分が、基準部材700に接触してもよい。
(3)接地電極30付の主体金具50の製造方法は、上記各実施形態の方法に代えて、他の種々の方法であってよい。例えば、支持テーブル(例えば、支持テーブル500)が固定され、基準部材(例えば、基準部材700、700a、700b)が回転してもよい。また、プロセッサ610に代えて、ユーザが、処理を進行してよい。また、接地電極30の溶接方法は、レーザ溶接に代えて、他の種々の溶接方法であってよい。例えば、電子ビーム溶接、または、抵抗溶接によって、接地電極30が主体金具50に溶接されてよい。
(4)ガスケット80は、板部材に代えて、金属の板状部材を折り曲げることによって形成された立体的な構造を有する部材であってよい。また、点火プラグ100からは、ガスケット80が省略されてよい。すなわち、主体金具50の座面54fは、直接的に、エンジンヘッド900に支持されてよい。いずれの場合も、基準部材(例えば、基準部材700、700a、700b)の基準方向D7は、停止条件に従って基準部材に取り付けられた主体金具50に対して、接地電極30の適切な取付位置30sの方向を示すように、予め実験的に決められることが好ましい。この構成によれば、停止条件が満たされることによって回転が停止されたときの支持テーブルの回転角度(すなわち、基準方向D7に対する基準方向D5)を用いることによって、主体金具50に対する取付位置方向Dcを、適切に算出できる。
(5)点火プラグの製造方法は、図3の方法に代えて、他の種々の方法であってよい。例えば、S130は、S120の前に行われてよい。
(6)点火プラグの構成は、図1等で説明した点火プラグ100の構成に代えて、他の種々の構成であってよい。例えば、中心電極の先端面(例えば、図1の第1チップ29の前方向Df側の面)に代えて、中心電極の側面(軸線CLに垂直な方向側の面)と、接地電極とが、放電用のギャップを形成してもよい。
上記各実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図4のS230、S240の機能は、専用のハードウェア回路によって実現されてよい。
また、本発明の機能の一部または全部がコンピュータプログラムで実現される場合には、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)に格納された形で提供することができる。プログラムは、提供時と同一または異なる記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納された状態で、使用され得る。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、メモリーカードやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種ROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスクドライブ等のコンピュータに接続されている外部記憶装置も含み得る。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
8…先端側パッキン、10…絶縁体、11…縮内径部、12…貫通孔(軸孔)、13…後端側胴部、14…大径部、15…先端側胴部、16…接続部分(縮外径部、段部)、18…接続部分(縮外径部)、19…脚部、20…中心電極、21…外層、22…芯部、23…鍔部、24…頭部、27…軸部、28…棒部、29…第1チップ、30…接地電極、30s…接合位置(取付位置)、31…外層、32…内層、33…基端部、34…先端部、37…本体部、40…端子金具、41…部分、50…主体金具、51…工具係合部、52…先端側胴部、53…後端部、53e…後端、54…中胴部、54f…座面、55…先端面、56…支持部、56r…後面、57…ネジ部、58…接続部、59…貫通孔、61…リング部材、62…リング部材、70…タルク、72…第1シール部、73…抵抗体、74…第2シール部、80…ガスケット、100…点火プラグ、100D…電極方向、500…支持テーブル、510…第1部分、512…内周面、520…第2部分、524…面、530…第3部分、600…データ処理装置(処理装置)、610…プロセッサ、615…記憶装置、620…揮発性記憶装置、630…不揮発性記憶装置、632…プログラム、640…インタフェース、650…操作部、660…移動装置、670…モータ、680…トルクセンサ、690…ロータリーエンコーダ、700…、700a、700b…基準部材、701…第1面、702…第2面、705…突出部、710…貫通孔(雌ネジ部)、710b…雌ネジ部、712b…底面、720b…凹部、800…取付孔、810…第1部分、815…段部、820…第2部分、900…エンジンヘッド、910…燃焼室、1000…溶接装置、1010…保持具、1020…測距装置、g…放電ギャップ、CL…中心軸(軸線)、Df…先端方向(前方向)、Dfr…後端方向(後方向)、CLx…中心軸(中心線)
Claims (8)
- 点火プラグの接地電極付の主体金具の製造方法であって、
支持具に主体金具を取り付ける工程と、
雌ネジを有する基準部材に対して前記支持具を相対的に回転させることによって、前記基準部材の前記雌ネジに前記主体金具の雄ネジをねじ込む工程と、
予め決められた停止条件が満たされたことに応じて、前記基準部材に対する前記支持具の相対的な回転を停止させる工程と、
前記相対的な回転が停止されたときの前記支持具の回転角度を特定する特定工程と、
前記停止条件及び前記回転角度を用いて、前記主体金具における接地電極を取り付ける取付位置を算出する算出工程と、
前記基準部材の前記雌ネジから前記主体金具の前記雄ネジを取り外す取り外し工程と、
前記取り外し工程の後に、前記支持具に前記主体金具が取り付けられた状態で、前記算出工程で算出した前記取付位置に接地電極を溶接する溶接工程と、
を備える、接地電極付の主体金具の製造方法。 - 請求項1に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、
前記停止条件は、前記主体金具の前記雄ネジ以外の部位が前記基準部材に接触することを含む、
接地電極付の主体金具の製造方法。 - 請求項2に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、
前記主体金具は、内燃機関のエンジンヘッドに組み付けられた際に、直接的に、又は、ガスケットを介して間接的に、前記エンジンヘッドに支持される座面を有しており、
前記雄ネジ以外の部位は前記座面である、
接地電極付の主体金具の製造方法。 - 請求項3に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、
前記基準部材は、前記雌ネジにねじ込まれた前記主体金具の前記座面に対向する位置に配置された突出部を備え、
前記停止条件は、前記主体金具の座面が前記基準部材の前記突出部に接触することを含む、
接地電極付の主体金具の製造方法。 - 請求項1に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、さらに、
前記基準部材に対して前記支持具が相対的に回転している状態で、前記基準部材に対する前記主体金具の位置であって前記雄ネジの軸線の方向の位置である軸線位置を測定する工程を備え、
前記停止条件は、前記軸線位置が、予め決められた位置である基準軸線位置に到達したことを含む、
接地電極付の主体金具の製造方法。 - 請求項5に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、
前記基準軸線位置に到達した際に、前記主体金具と前記基準部材とは、前記雄ネジと前記雌ネジとのみで接触している、
接地電極付の主体金具の製造方法。 - 請求項2に記載の接地電極付の主体金具の製造方法であって、
前記主体金具は、内燃機関のエンジンヘッドに組み付けられた際に、直接又はガスケットを介して前記エンジンヘッドに係止される座面を有しており、
前記停止条件は、前記主体金具の座面とは異なる特定の部分が前記基準部材に接触することを含む、
接地電極付の主体金具の製造方法。 - 点火プラグの製造方法であって、
請求項1から7のいずれかに記載の製造方法によって接地電極付の主体金具を製造する工程と、
前記溶接工程の前と後とのいずれかにおいて、前記主体金具に絶縁体を取り付ける工程と、
を備える、点火プラグの製造方法。
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JP (1) | JP2020144977A (ja) |
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