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JP2020034666A5 - - Google Patents

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反射型マスクブランク、反射型マスク及びその製造方法、並びに半導体装置の製造方法
本発明は、半導体装置の製造などに使用される反射型マスク、並びに反射型マスクを製造するために用いられる反射型マスクブランクに関する。また、本発明は、上記反射型マスクを用いた半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置製造における露光装置の光源の波長は、徐々に短くなっている。具体的には、光源の波長は、436nm(g線)、365nm(i線)、248nm(KrFレーザ)、193nm(ArFレーザ)と、徐々に短くなってきた。より微細なパターン転写を実現するため、波長約13.5nmの極端紫外線(EUV:Extreme Ultra Violet)を用いたEUVリソグラフィが開発されている。EUV光に対して透明な材料が少ないことから、EUVリソグラフィでは、反射型マスクが用いられる。反射型マスクは、低熱膨張基板上に形成された露光光を反射するための多層反射膜、当該多層反射膜上に形成された当該多層反射膜を保護するための保護膜、及び保護膜の上に形成された所望の転写用パターンを有するマスク構造を基本構造としている。また、代表的な反射型マスクとして、バイナリー型反射マスクと、位相シフト型反射マスク(ハーフトーン位相シフト型反射マスク)とがある。バイナリー型反射マスクは、EUV光を十分吸収する比較的厚い吸収体パターンを有する。位相シフト型反射マスクは、EUV光を光吸収により減光させ、且つ多層反射膜からの反射光に対してほぼ位相が反転(約180度の位相反転)した反射光を発生させる比較的薄い吸収体パターンを有する。この位相シフト型反射マスクは、透過型光位相シフトマスクと同様に、位相シフト効果によって高い転写光学像コントラストが得られるので解像度向上効果がある。また、位相シフト型反射マスクの吸収体パターン(位相シフトパターン)の膜厚が薄いことから、精度良く微細な位相シフトパターンを形成できる。
EUVリソグラフィでは、光透過率の関係から多数の反射鏡からなる投影光学系が用いられている。投影光学系では、反射型マスクに対してEUV光を斜めから入射させて、これらの複数の反射鏡が投影光(露光光)を遮らないようにしている。反射型マスクへの露光光の入射角度は、現在、反射マスク基板垂直面に対して6度とすることが主流である。投影光学系の開口数(NA)の向上とともに、より斜入射となる角度(具体的には8度程度)にする方向で検討が進められている。
EUVリソグラフィでは、反射型マスクに対して露光光が斜めから入射されるため、シャドーイング効果と呼ばれる固有の問題がある。シャドーイング効果とは、立体構造を持つ吸収体パターンへ露光光が斜めから入射されることにより影ができ、転写形成されるパターンの寸法及び/又は位置が変わる現象のことである。吸収体パターンの立体構造が壁となって日陰側に影ができ、転写形成されるパターンの寸法及び/又は位置が変わる。例えば、配置される吸収体パターンの向きが、斜入射光の方向に対して平行になる場合と、斜入射光の方向に対して垂直になる場合とで、両者の転写パターンの寸法と位置に差が生じるため、転写精度が低下する。
このようなEUVリソグラフィ用の反射型マスク及びこれを作製するためのマスクブランクに関連する技術が特許文献1から特許文献3に開示されている。また、特許文献1には、シャドーイング効果についても、開示されている。従来、EUVリソグラフィ用の反射型マスクとして位相シフト型反射マスクを用いることで、バイナリー型反射マスクの場合よりも位相シフトパターンの膜厚を比較的薄くすることにより、シャドーイング効果による転写精度の低下の抑制を図っている。
特開2010−080659号公報 特開2004−207593号公報 特開2004−39884号公報
パターンを微細にするほど、及びパターン寸法やパターン位置の精度を高めるほど半導体装置の電気特性性能が上がり、また、集積度を向上し、チップサイズを低減することができる。そのため、EUVリソグラフィには従来よりも一段高い高精度微細寸法パターン転写性能が求められている。現在では、hp16nm(half pitch 16nm)世代対応の超微細高精度パターン形成が要求されている。このような要求に対し、シャドーイング効果を小さくするために、吸収体膜(位相シフト膜)の更なる薄膜化が求められている。特に、EUV露光の場合、吸収体膜(位相シフト膜)の膜厚を60nm未満、好ましくは50nm以下とすることが要求されている。
特許文献1乃至3に開示されているように、従来から反射型マスクブランクの吸収体膜(位相シフト膜)を形成する材料としてTaが用いられてきた。EUV光(例えば、波長13.5nm)におけるTaの屈折率nは約0.943である。そのため、Taの位相シフト効果を利用しても、Taのみで形成される吸収体膜(位相シフト膜)の薄膜化は60nmが限界である。バイナリー型反射型マスクブランクの吸収体膜として、消衰係数kが高い(吸収係数が高い)金属材料を用いることにより、吸収体膜をより薄膜化することができる。波長13.5nmにおける消衰係数kが大きい金属材料としては、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)が挙げられる。
微細パターンを転写形成するために、反射型マスクの吸収体パターンを、垂直に近い断面形状とすることが要求される。しかし、消衰係数kが大きいCo及びNiはエッチングを行いにくい材料であり、長いエッチング時間が必要となるため、吸収体パターンの断面形状を垂直にすることが難しい。すなわち、ドライエッチングによって吸収体膜をパターニングする場合、エッチングガスが吸収体膜下面まで到達した段階では、吸収体パターンの下部の側壁のエッチングが十分進行せずに、吸収体パターンの断面形状が傾斜して裾を引くテーパー(taper)形状となる。このため、吸収体パターンの下部の側壁が確実にエッチングされるように、追加のエッチング(オーバーエッチング)を行う必要がある。
しかしながら、吸収体パターンの断面のテーパー形状の部分を除去するために、オーバーエッチングの時間が長くなると、吸収体パターンの上部の側壁もエッチングされてしまうため、吸収体パターンの断面形状を垂直にすることが困難となる。吸収体パターンの断面形状がテーパー形状である反射型マスクを用いた場合、被転写基板上に形成される転写パターンの精度が低下するという問題が生じる。また、オーバーエッチングを長くし過ぎると、吸収体膜より基板側に配置される保護膜及び/又は多層反射膜に対してダメージが生じる場合がある。
本発明は、上記の点に鑑み、反射型マスクのシャドーイング効果を低減するとともに、微細で高精度な吸収体パターンを形成することができる反射型マスクブランクを提供することを目的とする。具体的には、本発明は、反射型マスクの吸収体パターンを形成する際に、吸収体パターンの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することができる反射型マスクブランクを提供することを目的とする。また、本発明は、シャドーイング効果を低減することができ、吸収体パターンの断面形状がテーパー形状になることを抑制することができる反射型マスク及びその製造方法、並びにその反射型マスクを用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
本発明の構成1は、基板上に、多層反射膜及び吸収体膜をこの順で有する反射型マスクブランクであって、
前記吸収体膜は、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)からなる群から選択される少なくとも1つの高吸収係数元素と、ドライエッチング速度を速くする元素とを、前記吸収体膜の少なくとも一部に含み、
前記吸収体膜が、基板側の表面を含む下面領域と、基板とは反対側の表面を含む上面領域とを含み、
前記上面領域の前記高吸収係数元素の濃度(原子%)が、前記下面領域の前記高吸収係数元素の濃度(原子%)より高いことを特徴とする反射型マスクブランクである。
本発明の構成1の反射型マスクブランクによれば、反射型マスクの吸収体パターンを形成する際に、吸収体パターンの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することができる。その結果、反射型マスクのシャドーイング効果を低減するとともに、微細で高精度な吸収体パターンを形成することができる反射型マスクブランクを提供することができる。
(構成2)
本発明の構成2は、前記下面領域の前記ドライエッチング速度を速くする元素の濃度(原子%)が、前記上面領域の前記ドライエッチング速度を速くする元素の濃度(原子%)より高いことを特徴とする、構成1の反射型マスクブランクである。
本発明の構成2の反射型マスクブランクによれば、吸収体膜の上部のエッチング速度と比べて、吸収体膜の下部のエッチング速度を速くすることを確実にできる。その結果、反射型マスクの吸収体パターンを形成する際に、吸収体パターンの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することを、より確実にできる。
(構成3)
本発明の構成3は、前記ドライエッチング速度を速くする元素が、タンタル(Ta)、タングステン(W)及びスズ(Sn)からなる群から選択される少なくとも1つの元素であることを特徴とする、構成1又は2の反射型マスクブランクである。
本発明の構成3によれば、ドライエッチング速度を速くすることのできる所定の元素を用いることにより、吸収体膜の上部のエッチング速度と比べて、吸収体膜の下部のエッチング速度を速くすることをより確実にできる。
(構成4)
本発明の構成4は、前記吸収体膜が、前記下面領域を含む下層と、前記上面領域を含む上層とを含む積層膜であり、
前記下層の材料に含まれる前記高吸収係数元素の濃度(原子%)をC1lowerとし、前記上層の材料に含まれる前記高吸収係数元素の濃度(原子%)をC1upperとしたときに、
C1upper>C1lower≧0 ・・・(式1)
であることを特徴とする、構成1乃至3の何れかの反射型マスクブランクである。
本発明の構成4によれば、吸収体膜が、所定の下層及び所定の上層を含む積層膜であることにより、反射型マスクの吸収体パターンを形成する際に、パターンの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することができる。その結果、本発明の構成4によれば、反射型マスクのシャドーイング効果を低減するとともに、微細で高精度な吸収体パターンを形成することができる反射型マスクブランクを提供することができる。
(構成5)
本発明の構成5は、前記下層の材料に含まれる前記ドライエッチング速度を速くする元素の濃度(原子%)をC2lowerとし、前記上層の材料に含まれる前記ドライエッチング速度を速くする元素の濃度(原子%)をC2upperとしたときに、
C2lower>C2upper≧0 ・・・(式2)
であることを特徴とする、構成4の反射型マスクブランクである。
本発明の構成5の反射型マスクブランクによれば、吸収体膜の下層及び上層の中の、ドライエッチング速度を速くする元素の濃度(原子%)が、所定の関係であることにより、上層のエッチング速度と比べて、吸収体膜の下層のエッチング速度を速くすることを確実にできる。その結果、反射型マスクの吸収体パターンを形成する際に、吸収体パターンの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することを、より確実にできる。
(構成6)
本発明の構成6は、前記上層の材料が、コバルト(Co)及びタンタル(Ta)を含み、前記下層の材料が、タンタル(Ta)を含むことを特徴とする、構成4又は5の反射型マスクブランクである。
本発明の構成6によれば、上層の材料が、コバルト(Co)及びタンタル(Ta)を含むことにより、消衰係数kを高くすることができ、吸収体膜の薄膜化が可能となる。また、下層の材料が、タンタル(Ta)を含むことにより、上層に比べて、下層のエッチング速度を速くすることができる。
(構成7)
本発明の構成7は、前記上層の材料が、ニッケル(Ni)及びタンタル(Ta)を含み、前記下層の材料が、タンタル(Ta)を含むことを特徴とする、構成4又は5の反射型マスクブランクである。
本発明の構成7によれば、上層の材料が、ニッケル(Ni)及びタンタル(Ta)を含むことにより、消衰係数kを高くすることができ、吸収体膜の薄膜化が可能となる。また、下層の材料が、タンタル(Ta)を含むことにより、上層に比べて、下層のエッチング速度を速くすることができる。
(構成8)
本発明の構成8は、前記上層は第1の塩素系ガスを含むドライエッチングガスによってエッチング可能な材料からなり、前記下層は第1の塩素系ガスとは異なる第2の塩素系ガスを含むドライエッチングガスによってエッチング可能な材料からなることを特徴とする、構成4乃至7の何れかの反射型マスクブランクである。
本発明の構成8によれば、上層及び下層が所定のドライエッチングガスによってエッチング可能な材料からなることにより、エッチング速度を適切に調節することができる。そのため、反射型マスクに形成されるパターンの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することを、更に確実にできる。
(構成9)
本発明の構成9は、前記多層反射膜と前記吸収体膜との間に、保護膜を有することを特徴とする構成1乃至8の何れかの反射型マスクブランクである。
本発明の構成9の反射型マスクブランクは、多層反射膜と吸収体膜との間に、保護膜を有することにより、反射型マスクブランクを用いて反射型マスクを製造する際の多層反射膜表面へのダメージを抑制することができる。したがって、反射型マスクのEUV光に対する反射特性が良好となる。
(構成10)
本発明の構成10は、前記保護膜と前記吸収体膜との間に、エッチングストッパー膜を有し、前記エッチングストッパー膜は、クロム(Cr)を含む材料又はケイ素(Si)を含む材料からなることを特徴とする構成9の反射型マスクブランクである。
本発明の構成10の反射型マスクブランクは、保護膜と吸収体膜との間に、所定のエッチングストッパー膜を有することにより、吸収体膜のエッチングの際の保護膜及び多層反射膜に対するダメージを抑制することができる。
(構成11)
本発明の構成11は、前記吸収体膜の上に、エッチングマスク膜を有し、前記エッチングマスク膜は、クロム(Cr)を含む材料又はケイ素(Si)を含む材料からなることを特徴とする構成1乃至10の何れかの反射型マスクブランクである。
本発明の構成11の反射型マスクブランクが、所定のエッチングマスク膜を有することにより、転写パターンを精度よく吸収体膜に形成することができる。
(構成12)
本発明の構成12は、構成1乃至11の何れかの反射型マスクブランクにおける前記吸収体膜がパターニングされた吸収体パターンを有することを特徴とする反射型マスクである。
本発明の構成12の反射型マスクは、上述の反射型マスクブランクを用いて製造されるので、反射型マスクの吸収体パターンを形成する際に、パターンの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することができる。また、この反射型マスクは、吸収体膜として、消衰係数kが高い金属材料を用いることができるので、吸収体膜の膜厚を薄くできる。その結果、反射型マスクのシャドーイング効果を低減するとともに、微細で高精度な吸収体パターンを形成することができる反射型マスクを得ることができる。
(構成13)
本発明の構成13は、構成1乃至11の何れかの反射型マスクブランクの前記吸収体膜を、塩素系ガスを用いたドライエッチングでパターニングして吸収体パターンを形成することを特徴とする反射型マスクの製造方法である。
本発明の構成13の反射型マスクは、上述の反射型マスクブランクを用いて、所定のドライエッチングにより製造されるので、反射型マスクの吸収体パターンを形成する際に、パターンの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することができる。また、この反射型マスクは、吸収体膜として、消衰係数kが高い金属材料を用いることができるので、吸収体膜の膜厚を薄くできる。その結果、反射型マスクのシャドーイング効果を低減するとともに、微細で高精度な吸収体パターンを形成することができる反射型マスクを得ることができる。
(構成14)
本発明の構成14は、構成1乃至11の何れかの反射型マスクブランクの前記吸収体膜を、第1の塩素系ガスと、該第1の塩素系ガスとは異なる第2の塩素系ガスとを用いたドライエッチングでパターニングして吸収体パターンを形成することを特徴とする反射型マスクの製造方法である。
本発明の構成14の反射型マスクの製造方法は、上述の反射型マスクブランクを用いて、所定の第1の塩素系ガス及び第2の塩素系ガスを用いるドライエッチングにより製造されるので、反射型マスクの吸収体パターンを形成する際に、パターンの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することを確実にできる。また、この反射型マスクは、吸収体膜として、消衰係数kが高い金属材料を用いることができるので、吸収体膜の膜厚を薄くできる。その結果、反射型マスクのシャドーイング効果を低減するとともに、微細で高精度な吸収体パターンを形成することができる反射型マスクを得ることを確実にできる。
(構成15)
本発明の構成15は、EUV光を発する露光光源を有する露光装置に、構成12の反射型マスクをセットし、被転写基板上に形成されているレジスト膜に転写パターンを転写する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
本発明の構成15の半導体装置の製造方法に用いる反射型マスクは、上述の反射型マスクブランクを用いて製造されるので、反射型マスクに形成されるパターンの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することができる。そのため、半導体装置の製造の際に、反射型マスクによるシャドーイング効果を低減することができるので、微細でかつ高精度の転写パターンを有する半導体装置を製造することができる。
本発明によれば、反射型マスクのシャドーイング効果を低減するとともに、微細で高精度な吸収体パターンを形成することができる反射型マスクブランクを提供することができる。具体的には、本発明によれば、反射型マスクの吸収体パターンを形成する際に、吸収体パターンの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することができる反射型マスクブランクを提供することができる。また、本発明によれば、シャドーイング効果を低減することができ、吸収体パターンの断面形状がテーパー形状になることを抑制することができる反射型マスク及びその製造方法、並びにその反射型マスクを用いた半導体装置の製造方法を提供することができる。
本発明の反射型マスクブランクの、一つの実施形態の構成を説明するための模式図であって、吸収体膜の構造について説明するための要部断面模式図である。 本発明の反射型マスクブランクの、別の実施形態を説明するための要部断面模式図である。 反射型マスクブランクから反射型マスクを作製する工程を要部断面模式図にて示した工程図である。 本発明の反射型マスクブランクの、別の実施形態の一例を示す要部断面模式図である。 本発明の反射型マスクブランクの、更に別の実施形態の一例を示す要部断面模式図である。 吸収体パターンのテーパー角度θを説明するための断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。なお、図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付してその説明を簡略化ないし省略することがある。
<反射型マスクブランク100の構成及びその製造方法>
図1は、本発明の反射型マスクブランク100の実施形態を説明するための要部断面模式図である。図1に示されるように、本実施形態では、反射型マスクブランク100は、基板1の上に、多層反射膜2と、吸収体膜4とを、この記載の順で有する。多層反射膜2は、基板1の第1主面(表面)側に形成され、露光光であるEUV光を反射する。吸収体膜4はEUV光を吸収する。本明細書では、吸収体膜4の、基板1側の表面を含む領域のことを下面領域46という。また、本明細書では、吸収体膜4の、基板1とは反対側の表面を含む領域のことを上面領域48という。また、本明細書では、所定のEUV露光光(例えば、波長13.5nmのEUV光)に対する吸収係数(消衰係数)が高い元素のことを高吸収係数元素という。本実施形態は、上面領域48の高吸収係数元素の濃度(原子%)が、下面領域46の高吸収係数元素の濃度(原子%)より高いことに特徴がある。
図1に示す実施形態の反射型マスクブランク100は、多層反射膜2と吸収体膜4との間に、更に保護膜3を有する。保護膜3は、吸収体膜4のパターニングの際のエッチャント、及び洗浄液に対して耐性を有する材料で形成される。図1に示す実施形態の反射型マスクブランク100は、基板1の第2主面(裏面)側に、静電チャック用の裏面導電膜5を有する。
図4は、本発明の反射型マスクブランク100の別の実施形態を示す要部断面模式図である。反射型マスクブランク100は、図1に示す反射型マスクブランク100と同様に、基板1と、多層反射膜2と、保護膜3と、吸収体膜4と、裏面導電膜5とを備える。図4に示す反射型マスクブランク100は、吸収体膜4の上に、吸収体膜4をエッチングするときに吸収体膜4のエッチングマスクとなるエッチングマスク膜6を更に有している。なお、エッチングマスク膜6を有する反射型マスクブランク100を用いる場合、後述のように、吸収体膜4に転写パターンを形成した後、エッチングマスク膜6を剥離してもよい。
図5は、本発明の反射型マスクブランク100の更に別の実施形態を示す要部断面模式図である。反射型マスクブランク100は、図4に示す反射型マスクブランク100と同様に、基板1と、多層反射膜2と、保護膜3と、吸収体膜4と、エッチングマスク膜6と、裏面導電膜5とを備える。図5に示す反射型マスクブランク100は、保護膜3と吸収体膜4との間に、吸収体膜4をエッチングするときにエッチングストッパーとなるエッチングストッパー膜7を更に有している。なお、エッチングマスク膜6及びエッチングストッパー膜7を有する反射型マスクブランク100を用いる場合、後述のように、吸収体膜4に転写パターンを形成した後、エッチングマスク膜6及びエッチングストッパー膜7を剥離してもよい。
また、反射型マスクブランク100は、裏面導電膜5が形成されていない構成を含む。更に、反射型マスクブランク100は、吸収体膜4又はエッチングマスク膜6の上にレジスト膜11を形成したレジスト膜付きマスクブランクの構成を含む。
本明細書において、例えば、「基板1の主表面の上に形成された多層反射膜2」との記載は、多層反射膜2が、基板1の表面に接して配置されることを意味する場合の他、基板1と、多層反射膜2との間に他の膜を有することを意味する場合も含む。他の膜についても同様である。また、本明細書において、例えば「膜Aが膜Bの上に接して配置される」とは、膜Aと膜Bとの間に他の膜を介さずに、膜Aと膜Bとが直接、接するように配置されていることを意味する。
以下、反射型マスクブランク100の各構成について具体的に説明をする。
<<基板1>>
基板1は、EUV光による露光時の熱による吸収体パターン4aの歪みを防止するため、0±5ppb/℃の範囲内の低熱膨張係数を有するものが好ましく用いられる。この範囲の低熱膨張係数を有する素材としては、例えば、SiO−TiO系ガラス、又は多成分系ガラスセラミックス等を用いることができる。
基板1の転写パターン(後述の吸収体膜4がこれを構成する)が形成される側の第1主面は、少なくともパターン転写精度、位置精度を得る観点から高平坦度となるように表面加工されている。EUV露光の場合、基板1の転写パターンが形成される側の主表面の132mm×132mmの領域において、平坦度が0.1μm以下であることが好ましく、更に好ましくは0.05μm以下、特に好ましくは0.03μm以下である。吸収体膜4が形成される側と反対側の第2主面は、露光装置にセットするときに静電チャックされる面(裏面)である。裏面の132mm×132mmの領域において、平坦度が0.1μm以下であることが好ましく、更に好ましくは0.05μm以下、特に好ましくは0.03μm以下である。なお、反射型マスクブランク100の142mm×142mmの領域における第2主面側(裏面)の平坦度は、1μm以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.3μm以下である。
また、基板1の表面平滑度の高さも極めて重要な項目である。吸収体パターン4aが形成される基板1の第1主面の表面粗さは、二乗平均平方根粗さ(RMS)で0.1nm以下であることが好ましい。なお、表面平滑度は、原子間力顕微鏡で測定することができる。
更に、基板1は、その上に形成される膜(多層反射膜2など)の膜応力による変形を防止するために、高い剛性を有しているものが好ましい。特に、65GPa以上の高いヤング率を有しているものが好ましい。
<<多層反射膜2>>
反射型マスク200の多層反射膜2は、EUV光を反射する機能を付与するものである。反射型マスク200は、屈折率の異なる元素を主成分とする各層が周期的に積層された多層膜の構成となっている。
一般的には、高屈折率材料である軽元素又はその化合物の薄膜(高屈折率層)と、低屈折率材料である重元素又はその化合物の薄膜(低屈折率層)とが交互に40から60周期程度積層された多層膜が、多層反射膜2として用いられる。多層膜は、基板1側から高屈折率層と低屈折率層をこの順に積層した高屈折率層/低屈折率層の積層構造を1周期として複数周期積層してもよい。また、多層膜は、基板1側から低屈折率層と高屈折率層をこの順に積層した低屈折率層/高屈折率層の積層構造を1周期として複数周期積層してもよい。なお、多層反射膜2の最表面の層、即ち多層反射膜2の基板1と反対側の表面層は、高屈折率層とすることが好ましい。上述の多層膜において、基板1から高屈折率層と低屈折率層をこの順に積層した高屈折率層/低屈折率層の積層構造を1周期として複数周期積層する場合は、最上層が低屈折率層となる。最上層が低屈折率層である場合、低屈折率層が多層反射膜2の最表面を構成すると容易に酸化されてしまい反射型マスク200の反射率が減少する。そのため、最上層の低屈折率層の上に高屈折率層を更に形成して多層反射膜2とすることが好ましい。一方、上述の多層膜において、基板1側から低屈折率層と高屈折率層をこの順に積層した低屈折率層/高屈折率層の積層構造を1周期として複数周期積層する場合は、最上層が高屈折率層となるので、そのままでよい。
本実施形態において、高屈折率層としては、ケイ素(Si)を含む層が採用される。Siを含む材料としては、Si単体の他に、Siに、ボロン(B)、炭素(C)、窒素(N)、及び酸素(O)を含むSi化合物でもよい。Siを含む層を高屈折率層として使用することによって、EUV光の反射率が高い多層反射膜2が得られる。本実施形態では、基板1としてはガラス基板が好ましく用いられる。Siは、ガラス基板との密着性が優れている。低屈折率層としては、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、及び白金(Pt)から選ばれる金属単体、又はこれらの合金が用いられる。例えば波長13nmから14nmのEUV光に対する多層反射膜2としては、Mo膜とSi膜とを交互に40から60周期程度積層したMo/Si周期積層膜用いることが好ましい。なお、多層反射膜2の最上層である高屈折率層をケイ素(Si)で形成し、この最上層(Si層)とRu系保護膜3との間に、ケイ素と酸素とを含むケイ素酸化物層を形成するようにしてもよい。最上層の上にケイ素酸化物層を含むことにより、マスク洗浄耐性を向上させることができる。
このような多層反射膜2の単独での反射率は通常65%以上であり、上限は通常73%である。なお、多層反射膜2の各構成層の厚み、周期は、露光波長により適宜選択すればよく、ブラッグ反射の法則を満たすように選択される。多層反射膜2において高屈折率層及び低屈折率層はそれぞれ複数存在するが、高屈折率層同士、そして低屈折率層同士の厚みが同じでなくてもよい。また、多層反射膜2の最表面のSi層の膜厚は、反射率を低下させない範囲で調整することができる。最表面のSi(高屈折率層)の膜厚は、3nmから10nmとすることができる。
多層反射膜2の形成方法は当該技術分野において公知である。例えばイオンビームスパッタリング法により、多層反射膜2の各層を成膜することで形成できる。上述したMo/Si周期多層膜の場合、例えばイオンビームスパッタリング法により、まずSiターゲットを用いて厚さ4nm程度のSi膜を基板1上に成膜し、その後Moターゲットを用いて厚さ3nm程度のMo膜を成膜し、これを1周期として、40から60周期積層して、多層反射膜2を形成する(最表面の層はSi層とする)。また、多層反射膜2の成膜の際に、イオン源からクリプトン(Kr)イオン粒子を供給して、イオンビームスパッタリングを行うことにより多層反射膜2を形成することが好ましい。
<<保護膜3>>
本発明の反射型マスクブランク100は、多層反射膜2と吸収体膜4との間に、保護膜3を有することが好ましい。多層反射膜2と吸収体膜4との間に、保護膜3を有することにより、反射型マスクブランク100を用いて反射型マスク200を製造する際の多層反射膜2の表面へのダメージを抑制することができる。したがって、反射型マスク200のEUV光に対する反射特性が良好となる。
保護膜3は、後述する反射型マスク200の製造工程におけるドライエッチング及び洗浄から多層反射膜2を保護するために、多層反射膜2の上に形成される。また、電子線(EB)を用いた吸収体パターン4aの黒欠陥修正の際の多層反射膜2の保護も兼ね備える。ここで、図1では保護膜3が1層の場合を示しているが、3層以上の積層構造とすることもできる。例えば、最下層と最上層を、下記Ruを含有する物質からなる層とし、最下層と最上層との間に、Ru以外の金属、若しくは合金を介在させた保護膜3としても構わない。例えば、保護膜3は、ルテニウムを主成分として含む材料により構成されることもできる。すなわち、保護膜3の材料は、Ru金属単体でもよいし、Ruにチタン(Ti)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、ホウ素(B)、ランタン(La)、コバルト(Co)、及びレニウム(Re)などから選択される少なくとも1種の金属を含有したRu合金であることができる。また、保護膜3の材料は、Ru又はRu合金に更に窒素を含む材料であることができる。このような材料の保護膜3は、特に、塩素系ガス(Cl系ガス)のドライエッチングで吸収体膜4をパターニングする場合に有効である。保護膜3は、塩素系ガスを用いたドライエッチングにおける保護膜3に対する吸収体膜4のエッチング選択比(吸収体膜4のエッチング速度/保護膜3のエッチング速度)が1.5以上、好ましくは3以上となる材料で形成されることが好ましい。
保護膜3がRu合金の場合、Ru合金のRu含有量は50原子%以上100原子%未満、好ましくは80原子%以上100原子%未満、更に好ましくは95原子%以上100原子%未満である。特に、Ru合金のRu含有量が95原子%以上100原子%未満の場合は、保護膜3への多層反射膜2を構成する元素(例えばケイ素)の拡散を抑えつつ、EUV光の反射率を十分確保しながら、マスク洗浄耐性、吸収体膜4をエッチング加工したときのエッチングストッパー機能、及び多層反射膜2の経時変化防止という保護膜3としての機能を兼ね備えることが可能となる。
EUVリソグラフィでは、露光光に対して透明な物質が少ないので、マスクパターン面への異物付着を防止するEUVペリクルが技術的に簡単ではない。このことから、ペリクルを用いないペリクルレス運用が主流となっている。また、EUVリソグラフィでは、EUV露光によってマスクにカーボン膜が堆積したり、酸化膜が成長したりするといった露光コンタミネーションが起こる。そのため、EUVリソグラフィ用の反射型マスク200を半導体装置の製造に使用している段階で、度々洗浄を行ってマスク上の異物やコンタミネーションを除去する必要がある。このため、反射型マスク200では、光リソグラフィ用の透過型マスクに比べて桁違いのマスク洗浄耐性が要求されている。Tiを含有したRu系の保護膜3を用いることにより、硫酸、硫酸過水(SPM)、アンモニア、アンモニア過水(APM)、OHラジカル洗浄水、又は濃度が10ppm以下のオゾン水などの洗浄液に対する洗浄耐性が特に高くなる。そのため、マスク洗浄耐性の要求を満たすことが可能となる。
保護膜3の厚みは、その保護膜3としての機能を果たすことができる限り特に制限されない。EUV光の反射率の観点から、保護膜3の厚みは、好ましくは、1.0nmから8.0nm、より好ましくは、1.5nmから6.0nmである。
保護膜3の形成方法としては、公知の膜形成方法と同様のものを特に制限なく採用することができる。具体例としては、スパッタリング法及びイオンビームスパッタリング法が挙げられる。
<<吸収体膜4>>
保護膜3の上に、EUV光を吸収する吸収体膜4が形成される。吸収体膜4は、EUV光を吸収する機能を有する。吸収体膜4をドライエッチングにより所定のパターンに加工することにより、吸収体パターン4aを得ることができる。
本実施形態の吸収体膜4は、EUV光(例えば、波長13.5nm)に対する消衰係数kが高い(吸収係数が高い)金属材料を用いることにより、薄膜化することができる。本明細書では、消衰係数kが高い(吸収係数が高い)金属元素のことを、「高吸収係数元素」という。具体的には、高吸収係数元素とは、従来、反射型マスクの吸収体膜4の材料として用いられているTaの、波長13.5nmのEUV光に対する消衰係数よりも大きい消衰係数を有する元素のことを意味する。本実施形態の吸収体膜4として用いることのできる高吸収係数元素として、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)からなる群から選択される少なくとも1つを用いることができる。
本明細書において、所定の材料の屈折率n及び消衰係数kの値は、EUV光(波長13.5nm)に対する屈折率n及び消衰係数kを意味する。
従来、反射型マスクブランク100の吸収体膜4として、加工性が良いことから、タンタル(Ta)が多く用いられている。タンタル(Ta)の屈折率n及び消衰係数kは、n=0.943及びk=0.041である。これに対して、コバルト(Co)の屈折率n及び消衰係数kは、n=0.933及びk=0.066である。また、ニッケル(Ni)の屈折率n及び消衰係数kは、n=0.948及びk=0.073である。したがって、タンタルと比べて、コバルト及びニッケルの消衰係数kは大きい。そのため、吸収体膜4として、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)からなる群から選択される少なくとも1つの高吸収係数元素を材料として用いることにより、吸収体膜4を薄膜化することができる。その結果、反射型マスク200のシャドーイング効果を低減することができる。
一方、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)は、エッチングを行いにくい材料である。エッチングが長時間になると、吸収体パターン4aの上部の側壁がエッチングされることにより、吸収体パターン4aの断面形状が、テーパー(taper)形状になってしまうおそれがある。吸収体パターン4aの断面形状がテーパー形状である反射型マスク200を用いた場合、被転写基板1上に形成される転写パターンの精度が低下するという問題が生じる。
そこで、本発明者らは、吸収体膜4のエッチングの際に、エッチングの初期と比べて、エッチングの終期のエッチング速度を速くすることにより、吸収体パターン4aの断面形状がテーパー形状になることを低減することができることを見出した。更に、本発明者らは、エッチングの終期のエッチング速度を速くするために、吸収体膜4の基板1とは反対側の表面を含む領域(上面領域48)の高吸収係数元素の濃度(原子%)が、吸収体膜4の基板1側の領域(下面領域46)の高吸収係数元素の濃度(原子%)より高くすることを見出し、本発明に至った。なお、下面領域46は、高吸収係数元素を含まなくても良い。すなわち、下面領域46の高吸収係数元素の濃度(原子%)は、ゼロであることができる。
なお、下面領域46は、高吸収係数元素以外の元素を含むことになる。エッチングの終期のエッチング速度を速くするために、下面領域46は、ドライエッチング速度を速くする元素を含むことが好ましい。ドライエッチング速度を速くする元素とは、高吸収係数元素をエッチングするために所定のエッチングガスを用いる場合、その所定のエッチングガスによるエッチング速度が、高吸収係数元素をエッチングする場合よりも速い元素のことを意味する。
吸収体膜4の下面領域46及び上面領域48について、更に説明する。
図1に示すように、吸収体膜4は、下面領域46及び上面領域48を含む。下面領域46は、吸収体膜4の二つの表面(界面)うち、基板1側の表面を含む領域である。図1に示す例では、下面領域46は、吸収体膜4の表面(界面)うち、保護膜3と接する表面(本明細書では、「下面」という。)を含み、その表面近傍の領域である。また、上面領域48は、吸収体膜4の二つの表面(界面)うち、基板1とは反対側の表面(本明細書では、「上面」という。)を含む領域である。図1に示す例では、上面領域48は、反射型マスクブランク100の最表面となる吸収体膜4の表面を含み、その表面近傍の領域である。下面領域46及び上面領域48ともに、下面及び上面の近傍の領域であり、下面又は上面から、吸収体膜4の膜厚の10%、好ましくは5%の深さを有する領域であることができる。下面領域46及び上面領域48は、吸収体膜4の中の高吸収係数元素の濃度(原子%)及びドライエッチング速度を速くする元素の濃度(原子%)の分布を表すための仮想的な領域である。下面領域46及び上面領域48の中の所定の元素の濃度分布は均一である必要はない。下面領域46及び上面領域48の中の所定の元素の濃度は、各領域内での所定の元素の濃度の平均値であることができる。
下面領域46と、上面領域48との間の領域(本明細書では、「中間領域47」という。)の所定の元素の濃度分布は任意である。中間領域47の所定の元素の濃度分布は、深さ方向に単調減少又は単調増加する分布であることが好ましい。具体的には、中間領域47における高吸収係数元素の濃度は、吸収体膜4の深さ方向に上面領域48から下面領域46に向かって、単調減少することが好ましい。また、中間領域47におけるドライエッチング速度を速くする元素の濃度は、吸収体膜4の深さ方向に上面領域48から下面領域46に向かって、単調増加することが好ましい。所定の元素の濃度の深さ方向の濃度変化は、傾斜的であることができ、また、ステップ状に変化(増加又は減少)することもできる。本明細書において、元素の濃度の単調減少とは、元素の濃度がステップ状に減少することを含む。本明細書において、元素の濃度の単調増加とは、元素の濃度がステップ状に増加することを含む。
本実施形態の吸収体膜4は、下面領域46の高吸収係数元素の濃度(原子%)が、上面領域48の高吸収係数元素の濃度(原子%)と比較して低い。そのため、吸収体膜4をエッチングする際に、エッチングの終期である、下面領域46のエッチング速度を速くすることができる。具体的には、下面領域46のエッチング速度は、上面領域48のエッチング速度の1.5倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましい。また、下面領域46のエッチング速度は、上面領域48のエッチング速度の10倍以下であることが好ましく、8倍以下であることがより好ましい。下面領域46及び上面領域48の材料がこのようなエッチング速度となるように、下面領域46の高吸収係数元素の濃度を調節することによって、吸収体パターン4aの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することができる。本実施形態の反射型マスクブランクを用いるならば、断面形状のテーパー形状を抑制することができるので、微細で高精度な吸収体パターン4aを有する反射型マスク200を製造することができる。
本実施形態の反射型マスクブランク100は、下面領域46のドライエッチング速度を速くする元素の濃度(原子%)が、上面領域48のドライエッチング速度を速くする元素の濃度(原子%)より高いことが好ましい。ドライエッチング速度を速くする元素は、タンタル(Ta)、タングステン(W)及びスズ(Sn)からなる群から選択される少なくとも1つの元素であることが好ましい。また、ドライエッチング速度を速くする元素として、所定の金属元素以外に、窒素を含むことができる。下面領域46は、ドライエッチング速度を速くする元素をより多く含むことにより、吸収体膜4のエッチングの終期のエッチング速度を速くすることができる。この結果、吸収体パターン4aの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することを、より確実にできる。
図2に示すように、本発明の別の実施形態の反射型マスクブランク100の吸収体膜4は、下面領域46を含む下層42と、上面領域48を含む上層44とを含む積層膜であることができる。
図2に示すように、吸収体膜4は、下面領域46を含む下層42と、上面領域48を含む上層44とを含むことができる。図2に示す例では、吸収体膜4は、下層42及び上層44からなる積層膜である。下層42及び上層44のそれぞれの所定の元素の濃度分布は、略均一であることが好ましい。また、吸収体膜4が、下層42及び上層44からなる積層膜である場合には、下面領域46及び下層42の所定の元素の濃度は同じであり、上面領域48及び上層44の所定の元素の濃度は同じである。
図2に示す例では、吸収体膜4の積層膜が、下層42及び上層44の2層である。本発明の実施形態では、吸収体膜4は、3層以上の積層膜であることができる。吸収体膜4の成膜工程を簡易にすることができ、また製造コストを低下させることができる点から、本実施形態の反射型マスクブランク100の吸収体膜4は、下層42及び上層44の2層の積層膜であることが好ましい。
図2に示す実施形態の反射型マスクブランク100の吸収体膜4では、下層42の材料に含まれる高吸収係数元素の濃度(原子%)をC1lowerとし、上層44の材料に含まれる高吸収係数元素の濃度(原子%)をC1upperとしたときに、下記(式1)の関係を満足する。
C1upper>C1lower≧0 ・・・(式1)
図2に示す実施形態の反射型マスクブランク100によれば、吸収体膜4が、所定の高吸収係数元素の濃度を有する下層42及び上層44を含む積層膜であることにより、上層44のエッチング速度と比べて、吸収体膜4の下層42のエッチング速度を速くすることができる。そのため、反射型マスク200の吸収体パターン4aを形成する際に、パターンの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することができる。
図2に示す実施形態の反射型マスクブランク100は、下層42の材料に含まれるドライエッチング速度を速くする元素の濃度(原子%)をC2lowerとし、上層44の材料に含まれるドライエッチング速度を速くする元素の濃度(原子%)をC2upperとしたときに、下記(式2)の関係を満足することが好ましい。
C2lower>C2upper≧0 ・・・(式2)
吸収体膜4の下層42及び上層44の中の、ドライエッチング速度を速くする元素の濃度(原子%)が、所定の関係であることにより、上層44のエッチング速度と比べて、吸収体膜4の下層42のエッチング速度を速くすることを確実にできる。その結果、反射型マスク200の吸収体パターン4aを形成する際に、吸収体パターン4aの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することを、より確実にできる。
上層44の材料としては、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)のうち少なくとも1以上の元素に、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、イットリウム(Y)、リン(P)及びスズ(Sn)のうち少なくとも1以上の添加元素(X)を添加したCo−X合金、Ni−X合金、CoNi−X合金を用いることができる。添加元素(X)としては、タングステン(W)、タンタル(Ta)及び/又はスズ(Sn)を含むことが好ましく、タンタル(Ta)を含むことがより好ましい。上層44の材料が、適切な添加元素(X)を含むことにより、上層44を、高い消衰係数(吸収係数)に保ちつつ、適切なエッチング速度に制御することができる。
上層44の材料としては、具体的には、Co単体、Ni単体、CoTa、CoTa、CoTa、NiTa、NiTa又はNiTaを好ましく用いることができる。
上層44の材料は、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)の濃度の合計が、10原子%以上であることが好ましく、20原子%以上であることがより好ましい。また、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)の濃度の合計が、90原子%以下であることが好ましく、85原子%以下であることがより好ましい。
上層44の材料がコバルト(Co)を含む場合、コバルト(Co)の濃度は、10原子%以上であることが好ましく、20原子%以上であることがより好ましい。また、コバルト(Co)の濃度が、90原子%以下であることが好ましく、85原子%以下であることがより好ましい。
上層44の材料がニッケル(Ni)を含む場合、ニッケル(Ni)の濃度は、10原子%以上であることが好ましく、20原子%以上であることがより好ましい。また、ニッケル(Ni)の濃度が、90原子%以下であることが好ましく、85原子%以下であることがより好ましい。
添加元素(X)がタンタル(Ta)、タングステン(W)又はスズ(Sn)の場合、タンタル(Ta)、タングステン(W)又はスズ(Sn)の濃度は、10原子%以上であることが好ましく、15原子%以上であることがより好ましい。また、タンタル(Ta)、タングステン(W)又はスズ(Sn)の濃度が、90原子%以下であることが好ましく、80原子%以下であることがより好ましい。
Co−X合金の添加元素(X)がTaの場合には、CoとTaとの組成比(Co:Ta)は、9:1〜1:9が好ましく、4:1〜1:4がより好ましい。CoとTaとの組成比が3:1、1:1及び1:3としたときの各試料に対してX線回折装置(XRD)による分析及び断面TEM観察を行ったところ、すべての試料において、Co及びTa由来のピークがブロードに変化し、アモルファス構造となっていた。
また、Ni−X合金の添加元素(X)がTaの場合には、NiとTaとの組成比(Ni:Ta)は、9:1〜1:9が好ましく、4:1〜1:4がより好ましい。NiとTaとの組成比が3:1、1:1及び1:3としたときの各試料に対してX線回折装置(XRD)による分析及び断面TEM観察を行ったところ、すべての試料において、Ni及びTa由来のピークがブロードに変化し、アモルファス構造となっていた。
また、CoNi−X合金の添加元素(X)がTaの場合には、CoNiとTaとの組成比(CoNi:Ta)は、9:1〜1:9が好ましく、4:1〜1:4がより好ましい。
また、Co−X合金、Ni−X合金又はCoNi−X合金は、上記添加元素(X)の他に、屈折率及び消衰係数に大きく影響を与えない範囲で、窒素(N)、酸素(O)、炭素(C)及び/又はホウ素(B)等の他の元素を含んでもよい。
上層44の材料の消衰係数kは、好ましくは0.035以上、より好ましくは0.040以上、更に好ましくは0.045以上である。
下層42の材料としては、タンタル(Ta)、タングステン(W)及び/又はスズ(Sn)を含む材料が好ましい。下層42の材料としては、タンタル(Ta)、タングステン(W)及びスズ(Sn)のうち少なくとも1以上の元素に、上層44の材料を添加した材料を用いることができる。また、下層42の材料として、更にエッチング速度を速めるために、タンタル(Ta)、タングステン(W)及びスズ(Sn)のうち少なくとも1以上の元素に、窒素(N)を添加した材料を用いることができる。
下層42の材料がTa、W及びSnのいずれか1つを含む場合、Ta、W又はSnの濃度は、50原子%以上であることが好ましく、70原子%以上であることがより好ましい。また、下層42の材料がTa、W及びSnから選択される複数の材料を含む場合、Ta、W及びSnの合計濃度は、50原子%以上であることが好ましく、70原子%以上であることがより好ましい。
下層42の材料がTa、W又はSnとNとを含む場合、Ta、W又はSnとNとの濃度の合計は、60原子%以上であることが好ましく、80原子%以上であることがより好ましい。
下層42の材料がCoを含む場合、Coの含有量は、50原子%以下であることが好ましく、35原子%以下であることがより好ましい。また、下層42の材料がNiを含む場合、Niの含有量は、50原子%以下であることが好ましく、35原子%以下であることがより好ましい。
また、下層42の材料は、エッチング速度、屈折率及び消衰係数に大きく影響を与えない範囲で、酸素(O)、炭素(C)又はホウ素(B)等の他の元素を含んでもよい。
図2に示す実施形態の反射型マスクブランク100は、上層44の材料が、コバルト(Co)及びタンタル(Ta)を含み、下層42の材料が、タンタル(Ta)を含むことが好ましい。また、上層44の材料が、ニッケル(Ni)及びタンタル(Ta)を含み、下層42の材料が、タンタル(Ta)を含むことが好ましい。コバルト(Co)及びニッケル(Ni)は高吸収係数元素であり、タンタル(Ta)はドライエッチング速度を速くする元素である。
上層44の材料が、タンタル(Ta)の他にコバルト(Co)又はニッケル(Ni)を含むことにより、消衰係数kを高くすることができるので、吸収体膜4の薄膜化が可能となる。
コバルト(Co)及びタンタル(Ta)を含む上層44の材料としては、具体的には、CoTa、CoTa又はCoTaを好ましく用いることができる。ニッケル(Ni)及びタンタル(Ta)を含む上層44の材料としては、具体的には、NiTa、NiTa又はNiTaを好ましく用いることができる。
下層42の材料が、タンタル(Ta)を含むことにより、上層44に比べて、下層42のエッチング速度を速くすることができる。吸収体膜4のエッチングの終期のエッチング速度を速くすることができる。この結果、吸収体パターン4aの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することを、より確実にできる。
タンタル(Ta)を含む下層42の材料としては、具体的には、Ta単体の他に、TaN、TaBN、CoTa又はNiTaを好ましく用いることができる。
図2に示す実施形態の反射型マスクブランク100の上層44は、第1の塩素系ガスを含むドライエッチングガスによってエッチング可能な材料からなり、下層42は、第1の塩素系ガスとは異なる第2の塩素系ガスを含むドライエッチングガスによってエッチング可能な材料からなることが好ましい。
上層44をエッチングするための第1の塩素系ガスとして、Cl、SiCl、CHCl、CCl、及びBCl等の塩素系ガス、これらの塩素系ガスから選択された2種類以上の混合ガス、塩素系ガスとHeとを所定の割合で含む混合ガス、塩素系ガスとArとを所定の割合で含む混合ガスからなる群から選択される少なくとも一種類又はそれ以上から選択したものを用いることができる。第1の塩素系ガスとして、Cl又はBClを用いることが好ましい。特に、上層44の材料が、Co単体、Ni単体、CoTa、CoTa、CoTa、NiTa、NiTa又はNiTaである場合には、第1の塩素系ガスとして、BClを用いることが好ましい。
下層42をエッチングするためのエッチングガスとして、Cl、SiCl、CHCl、CCl、及びBCl等の塩素系ガス、これらの塩素系ガスから選択された2種類以上の混合ガス、塩素系ガスとHeとを所定の割合で含む混合ガス、塩素系ガスとArとを所定の割合で含む混合ガス、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス並びに沃素ガスから選択される少なくとも一つを含むハロゲンガス、並びにハロゲン化水素ガスからなる群から選択される少なくとも一種類又はそれ以上から選択したものを用いることができる。他のエッチングガスとしては、CF、CHF、C、C、C、C、CH、CHF、C、SF及びF等のフッ素系のガス、並びにフッ素系ガスとOとを所定の割合で含む混合ガス等から選択したものを用いることができる。下層42をエッチングするための第2の塩素系ガスとしては、Cl、SiCl、CHCl、CCl、及びBCl等の塩素系ガス、これらの塩素系ガスから選択された2種類以上の混合ガス、塩素系ガスとHeとを所定の割合で含む混合ガス、塩素系ガスとArとを所定の割合で含む混合ガスからなる群から選択される少なくとも一種類又はそれ以上から選択したものを用いることができる。第2の塩素系ガスとして、Cl又はBClを用いることが好ましい。特に、下層42の材料が、TaN又はTaBNである場合には、第2の塩素系ガスとして、Clを用いることが好ましい。また、下層42の材料が、CoTa又はNiTaである場合には、第2の塩素系ガスとして、BClを用いることが好ましい。
下層42のエッチング速度は、上層44のエッチング速度の1.5倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましい。また、下層42のエッチング速度は、上層44のエッチング速度の10倍以下であることが好ましく、8倍以下であることがより好ましい。例えば、後述の表2に記載のエッチング速度の比に基づいて、上層44及び下層42の材料及びエッチングガスを選択することができる。上層44及び下層42は、同一のエッチングガスでエッチングすることもできる。
本発明によれば、上層44及び下層42が所定のドライエッチングガスによってエッチング可能な材料からなることにより、エッチング速度を適切に調節することができる。そのため、反射型マスク200に形成されるパターンの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することを、更に確実にできる。
本実施形態の吸収体膜4は、公知の方法、例えば、DCスパッタリング法、及びRFスパッタリング法などのマグネトロンスパッタリング法で形成することができる。また、ターゲットは、所定の吸収体膜4に対応する合金のターゲットを用いることができる。また、所定の吸収体膜4を構成する複数種類の金属に対応する、複数種類の単体金属又は合金ターゲット用いたコースパッタリングとすることもできる。
吸収体膜4は、バイナリー型の反射型マスクブランク100としてEUV光の吸収を目的とした吸収体膜4であることができる。また、吸収体膜4は、位相シフト型の反射型マスクブランク100としてEUV光の位相差も考慮した位相シフト機能を有する吸収体膜4であることができる。
EUV光の吸収を目的とした吸収体膜4の場合、吸収体膜4に対するEUV光の反射率が2%以下、好ましくは1%以下となるように、膜厚が設定される。また、シャドーイング効果を抑制するために、吸収体膜4の膜厚(合計膜厚)は、60nm未満、好ましくは50nm以下とすることが求められる。
上層44の膜厚は、吸収体膜4の膜厚に対して、25%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。また、上層44の膜厚は、吸収体膜4の膜厚に対して、98%以下が好ましく、90%以下がより好ましい。
位相シフト機能を有する吸収体膜4の場合、吸収体膜4が形成されている部分では、EUV光を吸収して減光しつつパターン転写に悪影響がないレベルで一部の光を反射させて、保護膜3を介して多層反射膜2から反射してくるフィールド部からの反射光と所望の位相差を形成するものである。吸収体膜4は、吸収体膜4からの反射光と多層反射膜2からの反射光との位相差が160度から200度となるように形成される。180度近傍の反転した位相差の光同士がパターンエッジ部で干渉し合うことにより、投影光学像の像コントラストが向上する。その像コントラストの向上にともなって解像度が上がり、露光量裕度、焦点裕度等の露光に関する各種裕度が拡がる。パターンや露光条件にもよるが、一般的には、この位相シフト効果を十分得るための反射率の目安は、絶対反射率で1%以上、多層反射膜2(保護膜3付き)に対する反射比で2%以上である。
吸収体膜4が多層膜の場合、上層44の上に反射防止膜を形成することができる。反射防止膜により表面反射を抑制することは、例えばDUV光を用いたマスクパターン検査時に有用である。そのため、反射防止膜は、DUV光に対する反射防止機能を有するように、その光学定数と膜厚を適当に設定することが好ましい。また、上層44が反射防止機能を有する構成としてもよい。本実施形態の反射型マスクブランク100が反射防止膜を有することにより、DUV光等の光を用いたマスクパターン検査時の検査感度が向上する。
また、吸収体膜4を多層膜にすることによって様々な機能を付加させることが可能となる。吸収体膜4が位相シフト機能を有する吸収体膜4の場合には、多層膜にすることによって光学面での調整の範囲が拡がり、所望の反射率が得やすくなる。
また、吸収体膜4の表面には、酸化層を形成してもよい。吸収体膜4の表面に酸化層を形成することにより、得られる反射型マスク200の吸収体パターン4aの洗浄耐性を向上させることができる。酸化層の厚さは、1.0nm以上が好ましく、1.5nm以上がより好ましい。また、酸化層の厚さは、5nm以下が好ましく、3nm以下がより好ましい。酸化層の厚さが1.0nm未満の場合には薄すぎて効果が期待できない。また、酸化層の厚さが5nmを超えるとマスク検査光に対する表面反射率に与える影響が大きくなり、所定の表面反射率を得るための制御が難しくなる。
酸化層の形成方法は、吸収体膜4が成膜された後のマスクブランクに対して、温水処理、オゾン水処理、酸素を含有する気体中での加熱処理、酸素を含有する気体中での紫外線照射処理及びOプラズマ処理等を行うことなどが挙げられる。また、吸収体膜4を成膜後に吸収体膜4の表面が大気に晒される場合、表層に自然酸化による酸化層が形成されることがある。特に、酸化しやすいTaを含むCoTa合金、NiTa合金又はCoNiTa合金の場合、膜厚が1〜2nmの酸化層が形成される。
また、吸収体膜4のエッチングガスは、Cl、SiCl、CHCl、CCl、及びBCl等の塩素系ガス、これらの塩素系ガスから選択された2種類以上の混合ガス、塩素系ガスとHeとを所定の割合で含む混合ガス、塩素系ガスとArとを所定の割合で含む混合ガスからなる群から選択される少なくとも一種類又はそれ以上から選択したものを用いることができる。
また、2層構造の吸収体膜4の場合、上層44及び下層42を、Cl、SiCl、CHCl、CCl、及びBCl等の塩素系のガス、これらの塩素系ガスから選択された2種類以上の混合ガス、塩素系ガスとHeとを所定の割合で含む混合ガス、並びに塩素系ガスとArとを所定の割合で含む混合ガスから選択したものを用いることができる。また、上層44及び下層42を、塩素系の異なるエッチングガスを用いてエッチングすることができる。第1のエッチングガスは、BClガスを含む塩素系ガスとし、第2のエッチングガスは、第1のエッチングガスとは異なるClガス等を含む塩素系ガス又はフッ素系ガスとすることができる。これにより、酸化層を容易に除去することができ、吸収体膜4のエッチング時間を短くすることが可能となる。
なお、吸収体膜4のエッチングの最終段階でエッチングガスに酸素が含まれていると、Ru系保護膜3に表面荒れが生じる。このため、Ru系保護膜3がエッチングに曝されるオーバーエッチング段階では、酸素が含まれていないエッチングガスを用いることが好ましい。
<<エッチングマスク膜6>>
図4に示すように、本発明の実施形態の反射型マスクブランク100は、吸収体膜4の上(吸収体膜4が上層44を有する場合には、上層44の上)に、エッチングマスク膜6を有することが好ましい。また、エッチングマスク膜6は、クロム(Cr)を含む材料又はケイ素(Si)を含む材料からなることが好ましい。本実施形態の反射型マスクブランク100が、所定のエッチングマスク膜6を有することにより、転写パターンを精度よく吸収体膜4に形成することができる。
エッチングマスク膜6の材料としては、エッチングマスク膜6に対する吸収体膜4(吸収体膜4が上層44を有する場合には上層44)のエッチング選択比が高い材料を用いる。ここで、「Aに対するBのエッチング選択比」とは、エッチングを行いたくない層(マスクとなる層)であるAとエッチングを行いたい層であるBとのエッチングレートの比をいう。具体的には「Aに対するBのエッチング選択比=Bのエッチング速度/Aのエッチング速度」の式によって特定される。また、「選択比が高い」とは、比較対象に対して、上記定義の選択比の値が大きいことをいう。エッチングマスク膜6に対する吸収体膜4(上層44)のエッチング選択比は、1.5以上が好ましく、3以上が更に好ましい。
エッチングマスク膜6に対する吸収体膜4(上層44)のエッチング選択比が高い材料としては、クロムやクロム化合物の材料が挙げられる。この場合、吸収体膜4は塩素系ガスでエッチングすることができる。クロム化合物としては、Crと、N、O、C、Hから選ばれる少なくとも一つの元素とを含む材料が挙げられる。クロム化合物としては、例えば、CrN、CrON、CrCN、CrCO、CrCON、CrBN、CrBON、CrBCN及びCrBOCN等が挙げられる。塩素系ガスでのエッチング選択比を上げるためには、実質的に酸素を含まない材料とすることが好ましい。実質的に酸素を含まないクロム化合物として、例えばCrN、CrCN、CrBN及びCrBCN等が挙げられる。クロム化合物のCr含有量は、50原子%以上100原子%未満であることが好ましく、80原子%以上100原子%未満であることがより好ましい。また、「実質的に酸素を含まない」とは、クロム化合物における酸素の含有量が10原子%以下、好ましくは5原子%以下であるものが該当する。なお、前記材料は、本発明の効果が得られる範囲で、クロム以外の金属を含有することができる。
また、吸収体膜4(上層44)を、実質的に酸素を含まない塩素系ガスでエッチングする場合には、ケイ素又はケイ素化合物の材料を使用することができる。ケイ素化合物としては、SiとN、O、C及びHから選ばれる少なくとも一つの元素を含む材料や、ケイ素やケイ素化合物に金属を含む金属ケイ素(金属シリサイド)や金属ケイ素化合物(金属シリサイド化合物)などの材料が挙げられる。ケイ素を含む材料として、具体的には、SiO、SiN、SiON、SiC、SiCO、SiCN、SiCON、MoSi、MoSiO、MoSiN、及びMoSiON等を挙げることができる。なお、前記材料は、本発明の効果が得られる範囲で、ケイ素以外の半金属又は金属を含有することができる。
エッチングマスク膜6の膜厚は、転写パターンを精度よく吸収体膜4(上層44)に形成するエッチングマスクとしての機能を得る観点から、3nm以上であることが望ましい。また、エッチングマスク膜6の膜厚は、レジスト膜の膜厚を薄くする観点から、15nm以下であることが望ましく、10nm以下がより好ましい。
<<エッチングストッパー膜7>>
図5に示すように、本発明の実施形態の反射型マスクブランク100は、保護膜3と吸収体膜4(吸収体膜4が下層42を有する場合には、下層42)との間に、エッチングストッパー膜7を有することが好ましい。また、エッチングストッパー膜7は、クロム(Cr)を含む材料又はケイ素(Si)を含む材料からなることが好ましい。本実施形態の反射型マスクブランク100が、所定のエッチングストッパー膜7を有することにより、吸収体膜4のエッチングの際の保護膜3及び多層反射膜2に対するダメージを抑制することができる。
エッチングストッパー膜7の材料として、塩素系ガスを用いたドライエッチングにおけるエッチングストッパー膜7に対する吸収体膜4のエッチング選択比(吸収体膜4(下層42)のエッチング速度/エッチングストッパー膜7のエッチング速度)が高い材料を用いることが好ましい。このような材料としては、クロム及びクロム化合物の材料が挙げられる。クロム化合物としては、Crと、N、O、C及びHから選ばれる少なくとも一つの元素とを含む材料が挙げられる。クロム化合物としては、例えば、CrN、CrON、CrCN、CrCO、CrCON、CrBN、CrBON、CrBCN及びCrBOCN等が挙げられる。塩素系ガスでのエッチング選択比を上げるためには、実質的に酸素を含まない材料とすることが好ましい。実質的に酸素を含まないクロム化合物として、例えばCrN、CrCN、CrBN及びCrBCN等が挙げられる。クロム化合物のCr含有量は、50原子%以上100原子%未満であることが好ましく、80原子%以上100原子%未満であることがより好ましい。なお、エッチングストッパー膜7の材料は、本発明の効果が得られる範囲で、クロム以外の金属を含有することができる。
また、吸収体膜4(下層42)を、塩素系ガスでエッチングする場合には、エッチングストッパー膜7は、ケイ素又はケイ素化合物の材料を使用することができる。ケイ素化合物としては、Siと、N、O、C及びHから選ばれる少なくとも一つの元素とを含む材料、並びにケイ素又はケイ素化合物に金属を含む金属ケイ素(金属シリサイド)又は金属ケイ素化合物(金属シリサイド化合物)などの材料が挙げられる。ケイ素を含む材料として、具体的には、SiO、SiN、SiON、SiC、SiCO、SiCN、SiCON、MoSi、MoSiO、MoSiN、及びMoSiON等を挙げることができる。なお、前記材料は、本発明の効果が得られる範囲で、ケイ素以外の半金属又は金属を含有することができる。
また、エッチングストッパー膜7は、上記エッチングマスク膜6と同じ材料で形成することが好ましい。この結果、エッチングストッパー膜7をパターニングしたときに上記エッチングマスク膜6を同時に除去できる。また、エッチングストッパー膜7とエッチングマスク膜6とをクロム化合物又はケイ素化合物で形成し、エッチングストッパー膜7とエッチングマスク膜6との組成比を互いに異ならせてもよい。
エッチングストッパー膜7の膜厚は、吸収体膜4(下層42)のエッチングの際に保護膜3にダメージを与えて光学特性が変わることを抑制する観点から、2nm以上であることが望ましい。また、エッチングストッパー膜7の膜厚は、吸収体膜4とエッチングストッパー膜7の合計膜厚を薄くする、即ち吸収体パターン4a及びエッチングストッパーパターンからなるパターンの高さを低くする観点から、7nm以下であることが望ましく、5nm以下がより好ましい。
また、エッチングストッパー膜7及びエッチングマスク膜6を同時にエッチングする場合には、エッチングストッパー膜7の膜厚は、エッチングマスク膜6の膜厚と同じか薄い方が好ましい。更に、(エッチングストッパー膜7の膜厚)≦(エッチングマスク膜6の膜厚)の場合には、(エッチングストッパー膜7のエッチング速度)≦(エッチングマスク膜6のエッチング速度)の関係を満たすことが好ましい。
<<裏面導電膜5>>
基板1の第2主面(裏面)側(多層反射膜2形成面の反対側)には、一般的に、静電チャック用の裏面導電膜5が形成される。静電チャック用の裏面導電膜5に求められる電気的特性(シート抵抗)は通常100Ω/□(Ω/Square)以下である。裏面導電膜5の形成方法は、例えばマグネトロンスパッタリング法やイオンビームスパッタリング法により、クロム、タンタル等の金属や合金のターゲットを使用して形成することができる。
裏面導電膜5のクロム(Cr)を含む材料は、Crにホウ素、窒素、酸素、及び炭素から選択した少なくとも一つを含有したCr化合物であることが好ましい。Cr化合物としては、例えば、CrN、CrON、CrCN、CrCO、CrCON、CrBN、CrBON、CrBCN及びCrBOCNなどを挙げることができる。
裏面導電膜5のタンタル(Ta)を含む材料としては、Ta(タンタル)、Taを含有する合金、又はこれらの何れかにホウ素、窒素、酸素及び炭素の少なくとも一つを含有したTa化合物を用いることが好ましい。Ta化合物としては、例えば、TaB、TaN、TaO、TaON、TaCON、TaBN、TaBO、TaBON、TaBCON、TaHf、TaHfO、TaHfN、TaHfON、TaHfCON、TaSi、TaSiO、TaSiN、TaSiON、及びTaSiCONなどを挙げることができる。
タンタル(Ta)又はクロム(Cr)を含む材料としては、その表層に存在する窒素(N)が少ないことが好ましい。具体的には、タンタル(Ta)又はクロム(Cr)を含む材料の裏面導電膜5の表層の窒素の含有量は、5原子%未満であることが好ましく、実質的に表層に窒素を含有しないことがより好ましい。タンタル(Ta)又はクロム(Cr)を含む材料の裏面導電膜5において、表層の窒素の含有量が少ない方が、耐摩耗性が高くなるためである。
裏面導電膜5は、タンタル及びホウ素を含む材料からなることが好ましい。裏面導電膜5が、タンタル及びホウ素を含む材料からなることにより、耐摩耗性及び薬液耐性を有する導電膜23を得ることができる。裏面導電膜5が、タンタル(Ta)及びホウ素(B)を含む場合、B含有量は5〜30原子%であることが好ましい。裏面導電膜5の成膜に用いるスパッタリングターゲット中のTa及びBの比率(Ta:B)は95:5〜70:30であることが好ましい。
裏面導電膜5の厚さは、静電チャック用としての機能を満足する限り特に限定されないが、通常10nmから200nmである。また、この裏面導電膜5はマスクブランク100の第2主面側の応力調整も兼ね備えていて、第1主面側に形成された各種膜からの応力とバランスをとって、平坦な反射型マスクブランク100が得られるように調整されている。
<反射型マスク200及びその製造方法>
本発明は、上述の実施形態の反射型マスクブランク100の吸収体膜4がパターニングされた吸収体パターン4aを有する反射型マスク200である。
本実施形態の反射型マスクブランク100を使用して、反射型マスク200を製造する。ここでは概要説明のみを行い、後に実施例において図面(図3)を参照しながら詳細に説明する。
反射型マスクブランク100を準備して、その第1主面側の吸収体膜4の上に、レジスト膜11を形成し(反射型マスクブランク100としてレジスト膜11を備えている場合は不要)、このレジスト膜11に所望のパターンを描画(露光)し、更に現像、リンスすることによって所定のレジストパターン11aを形成する。
反射型マスクブランク100の場合は、このレジストパターン11aをマスクとして吸収体膜4をエッチングして吸収体パターン4aを形成し、レジストパターン11aをアッシング又はレジスト剥離液などで除去することにより、吸収体パターン4aが形成される。最後に、酸性やアルカリ性の水溶液を用いたウェット洗浄を行う。
本実施形態の反射型マスク200の製造方法では、反射型マスクブランク100の吸収体膜4を、塩素系ガスを用いたドライエッチングでパターニングして吸収体パターン4aを形成することが好ましい。具体的には、吸収体膜4のエッチングガスとしては、Cl、SiCl、CHCl、CCl、及びBCl等の塩素系のガス、塩素系ガス及びHeを所定の割合で含む混合ガス、塩素系ガス及びArを所定の割合で含む混合ガス等が用いられる。吸収体膜4のエッチングにおいて、エッチングガスに実質的に酸素が含まれていないので、Ru系保護膜3に表面荒れが生じることがない。この酸素を実質的に含まれていないガスとしては、ガス中の酸素の含有量が5原子%以下であるものが該当する。
本実施形態の反射型マスク200の製造方法では、上述の実施形態の反射型マスクブランク100の吸収体膜4を、第1の塩素系ガスと、第1の塩素系ガスとは異なる第2の塩素系ガスとを用いたドライエッチングでパターニングして吸収体パターン4aを形成することが好ましい。第1の塩素系ガス及び第2の塩素系ガスは、上述の説明の通りである。
本実施形態の反射型マスク200の製造方法では、反射型マスク200の吸収体パターン4aを形成する際に、パターンの断面形状が、テーパー形状になることを抑制することを確実にできる。また、この反射型マスク200は、吸収体膜4として、消衰係数kが高い金属材料を用いることができるので、吸収体膜4の膜厚を薄くできる。その結果、反射型マスク200のシャドーイング効果を低減するとともに、微細で高精度な吸収体パターン4aを有する反射型マスク200を得ることが確実にできる。
<半導体装置の製造方法>
本実施形態の反射型マスク200を使用してEUV露光を行うこと(リソグラフィ工程)により、半導体基板(被転写基板)上に形成されているレジスト膜11に反射型マスク200の吸収体パターン4aに基づく所望の転写パターンを転写することができる。リソグラフィ工程には、EUV光を発する露光光源を有するEUV露光装置を使用する。このリソグラフィ工程に加え、被加工膜のエッチング、絶縁膜及び導電膜の形成、ドーパントの導入、並びにアニールなど種々の工程を経ることで、所望の電子回路が形成された半導体装置を製造することができる。
本実施形態の反射型マスク200は、吸収体パターン4aの断面形状がテーパー形状になることを抑制することができる。また、吸収体膜4として消衰係数kが高い金属材料を用いることができるので、吸収体膜4の膜厚を薄くできる。その結果、半導体装置の製造の際に、反射型マスク200によるシャドーイング効果を低減することができるので、微細でかつ高精度の転写パターンを有する半導体装置を製造することができる。
より詳しく説明すると、EUV露光装置は、EUV光を発生するレーザープラズマ光源、照明光学系、マスクステージ系、縮小投影光学系、ウエハステージ系、及び真空設備等から構成される。光源にはデブリトラップ機能と露光光以外の長波長の光をカットするカットフィルタ及び真空差動排気用の設備等が備えられている。照明光学系と縮小投影光学系は反射型ミラーから構成される。EUV露光用の反射型マスク200は、その第2主面に形成された導電膜により静電吸着されてマスクステージに載置される。
EUV光源の光は、照明光学系を介して反射型マスク200垂直面に対して6度から8度傾けた角度で反射型マスク200に照射される。この入射光に対する反射型マスク200からの反射光は、入射とは逆方向にかつ入射角度と同じ角度で反射(正反射)し、通常1/4の縮小比を持つ反射型投影光学系に導かれ、ウエハステージ上に載置されたウエハ(半導体基板)上のレジストへの露光が行われる。この間、少なくともEUV光が通る場所は真空排気される。また、この露光にあたっては、マスクステージとウエハステージを縮小投影光学系の縮小比に応じた速度で同期させてスキャンし、スリットを介して露光を行うスキャン露光が主流となっている。この露光済レジスト膜を現像することによって、半導体基板上にレジストパターンを形成することができる。本実施形態では、シャドーイング効果の小さな薄い膜厚の吸収体パターン4aを持つ反射型マスク200が用いられている。このため、半導体基板上に形成されたレジストパターンは高い寸法精度を持つ所望のものとなる。そして、このレジストパターンをマスクとして使用してエッチング等を実施することにより、例えば半導体基板上に所定の配線パターンを形成することができる。このような露光工程や被加工膜加工工程、絶縁膜や導電膜の形成工程、ドーパント導入工程、あるいはアニール工程等その他の必要な工程を経ることで、半導体装置が製造される。
以下、実施例について図面を参照しつつ説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1に、実施例1〜15の反射型マスクブランク100の構造を示す。実施例の反射型マスクブランク100は、裏面導電膜5と、基板1と、多層反射膜2と、保護膜3と、吸収体膜4とを有する。表1に、実施例の反射型マスクブランク100の吸収体膜4の材料及び膜厚を示す。表1に示すように、実施例1〜15の吸収体膜4は、下層42及び上層44の2層からなる。なお、実施例の比較対象として、参考例1及び2の反射型マスクブランク100を製造した。表1に示すように、参考例1及び2の吸収体膜4は、単一の層(上層44)のみからなる。
実施例及び参考例の反射型マスクブランク100について、具体的に説明する。
まず、実施例及び参考例の反射型マスクブランク100を製造するために、基板1を次のように用意した。すなわち、第1主面及び第2主面の両主表面が研磨された6025サイズ(約152mm×152mm×6.35mm)の低熱膨張ガラス基板であるSiO−TiO系ガラス基板を準備した。SiO−TiO系ガラス基板の表面が、平坦で平滑な主表面となるように、粗研磨加工工程、精密研磨加工工程、局所加工工程、及びタッチ研磨加工工程よりなる研磨を行った。このようにして、SiO−TiO系ガラス基板からなる基板1を用意した。
次に、基板1の第2主面(裏面)に、CrN膜からなる裏面導電膜5をマグネトロンスパッタリング(反応性スパッタリング)法により下記の条件にて形成した。
裏面導電膜形成条件:Crターゲット、ArとNの混合ガス雰囲気(Ar:90%、N:10%)、膜厚20nm。
次に、裏面導電膜5が形成された側と反対側の基板1の主表面(第1主面)上に、多層反射膜2を形成した。基板1上に形成される多層反射膜2は、波長13.5nmのEUV光に適した多層反射膜2とするために、MoとSiからなる周期多層反射膜とした。多層反射膜2は、MoターゲットとSiターゲットを使用し、Arガス雰囲気中でイオンビームスパッタリング法により基板1上にMo層及びSi層を交互に積層して形成した。まず、Si膜を4.2nmの厚みで成膜し、続いて、Mo膜を2.8nmの厚みで成膜した。これを1周期とし、同様にして40周期積層し、最後にSi膜を4.0nmの厚みで成膜し、多層反射膜2を形成した。ここでは40周期としたが、これに限るものではなく、例えば60周期でも良い。60周期とした場合、40周期よりも工程数は増えるが、EUV光に対する反射率を高めることができる。
引き続き、Arガス雰囲気中で、Ruターゲットを使用したイオンビームスパッタリング法によりRu膜からなる保護膜3を2.5nmの厚みで成膜した。
次に、表1に示す材料の下層42及び上層44からなる吸収体膜4、又は上層44のみからなる吸収体膜4を、表1に示す膜厚になるように、DCマグネトロンスパッタリング法により、保護膜3の上に接して形成した。形成された吸収体膜4のEUV光に対する反射率は2%であった。
表1に示す下層42及び上層44の材料のうち、CoTa層、CoTa層、CoTa層、NiTa層、NiTa層及びNiTa層は、Co、Ni及びTaの原子比が、化学量論比(原子比)になるように、DCマグネトロンスパッタリング法により形成した。具体的には、得られる層(膜)の組成が、化学量論比(原子比)になるように、所定のターゲット(例えば、CoTa層を形成する場合には、CoTa合金のターゲット)を用いて、Arガス雰囲気で、DCマグネトロンスパッタリング法により成膜した。
CoTa層の組成(原子比)は、Co:Ta=25:75であり、CoTa層の組成(原子比)は、Co:Ta=50:50であり、CoTa層の組成(原子比)は、Co:Ta=75:25であった。また、NiTa層の組成(原子比)は、Ni:Ta=25:75であり、NiTa層の組成(原子比)は、Ni:Ta=50:50であり、NiTa層の組成(原子比)は、Ni:Ta=75:25であった。
表1に示す下層42の材料のうち、TaBN膜(膜)は、TaB混合焼結ターゲット(Ta:B=80:20、原子比)を用いて、Arガス及びNガスの混合ガス雰囲気中で反応性スパッタリングにより形成した。TaBN膜の組成(原子比)は、Ta:B:N=75:12:13であった。なお、Ta及びNは、ドライエッチング速度を速くする元素である。
表2に、得られた層(膜)の屈折率n及び消衰係数kの測定結果を示す。同じ材料の層(膜)は、同じ条件で成膜した。したがって、同じ材料の層(膜)の含有比率(原子比)、屈折率n及び消衰係数kは、異なる試料であっても同じである。
また、上述のようにして形成した層(膜)の結晶構造をX線回折装置(XRD)により測定したところ、形成した層(膜)は何れもアモルファス構造であることを確認した。
以上のようにして、実施例及び参考例の反射型マスクブランク100を製造した。
次に、図3に示すように、上記実施例及び参考例の反射型マスクブランク100を用いて、反射型マスク200を製造した。なお、図3の吸収体膜4では、下層42及び上層44の記載を省略し、単に吸収体膜4として記載している。
まず、反射型マスクブランク100の吸収体膜4の上に、レジスト膜11を150nmの厚さで形成した(図3(a))。そして、このレジスト膜11に所望のパターンを描画(露光)し、更に現像、リンスすることによって所定のレジストパターン11aを形成した(図3(b))。次に、レジストパターン11aをマスクにして、吸収体膜4の上層44及び下層42のドライエッチングを、表1に示すエッチングガス(BCl又はCl)を用いて行うことで、吸収体パターン4aを形成した(図3(c))。
実施例のうち、実施例5、6、8、12、13及び15の、吸収体膜4のエッチングの際には、上層44及び下層42の両方の層に対して、同一のエッチングガスを用いてドライエッチングをした。それ以外の実施例については、上層44及び下層42のそれぞれに、異なるエッチングガスを用いてドライエッチングをした。上層44及び下層42を異なるエッチングガスでエッチングする場合には、上層44のエッチングの終了後、エッチングガスを切り替えること以外は同じエッチング条件で、上層44及び下層42を連続的にエッチングした。参考例1及び2の吸収体膜4は、単層の吸収体膜4なので、表1に示す1種類のエッチングガスを用いてドライエッチングをした。
表2に、吸収体膜4として用いた材料を、BCl又はClのエッチングガスでドライエッチングしたときの相対的エッチング速度を示す。なお、相対的エッチング速度とは、CoTa層を、BClでドライエッチングするときのエッチング速度(nm/分)を1としたときの、エッチング速度の比である。表1及び表2から明らかなように、実施例1〜15の吸収体膜4のドライエッチングでは、下面領域46を含む下層42のエッチング速度の方が、上面領域48を含む上層44のエッチング速度より速い。
その後、レジストパターン11aをアッシングやレジスト剥離液などで除去した。最後に純水(DIW)を用いたウェット洗浄を行って、反射型マスク200を製造した(図3(d))。なお、必要に応じてウェット洗浄後マスク欠陥検査を行い、マスク欠陥修正を適宜行うことができる。このようにして、吸収体パターン4aを有する実施例及び参考例の反射型マスク200を製造した。
次に、実施例及び参考例の反射型マスク200の断面をSEM観察することにより、吸収体パターン4aの形状を評価した。具体的には、図6に示すように、吸収体パターン4aのエッジ部分のテーパー形状の角度(テーパー角度θ)を測定した。テーパー角度θは、基板1と平行な面と、吸収体パターン4aの側面との角度である。テーパー角度θが90度である場合には、吸収体パターン4aの側面が、基板1と平行な面に対して垂直(図6の1点鎖線を参照)になる。表2に、テーパー角度θの測定結果を示す。一般に、テーパー角度θは90度以下の角度である。テーパー角度θが小さいほど、吸収体パターン4aのエッジ部分がテーパー形状になってしまうので、微細なパターンを転写する際に、問題が生じることになる。
表1から明らかなように、単層の吸収体膜4を有する参考例1及び2のテーパー角度は、70度だったのに対して、実施例1〜15のテーパー角度θは75度以上だった。したがって、実施例1〜15の反射型マスク200に形成される吸収体パターン4aの断面形状では、テーパー形状になることが抑制されたといえる。
実施例1〜15で作製した反射型マスク200をEUVスキャナにセットし、半導体基板上に被加工膜とレジスト膜が形成されたウエハに対してEUV露光を行った。そして、この露光済レジスト膜を現像することによって、被加工膜が形成された半導体基板上にレジストパターンを形成した。
このレジストパターンをエッチングにより被加工膜に転写し、また、絶縁膜及び導電膜の形成、ドーパントの導入、並びにアニールなど種々の工程を経ることで、所望の特性を有する半導体装置を製造することができた。
Figure 2020034666
Figure 2020034666
1 基板
2 多層反射膜
3 保護膜
4 吸収体膜
4a 吸収体パターン
5 裏面導電膜
6 エッチングマスク膜
7 エッチングストッパー膜
11 レジスト膜
11a レジストパターン
42 下層
44 上層
46 下面領域
47 中間領域
48 上面領域
100 反射型マスクブランク
200 反射型マスク

Claims (15)

  1. 基板上に、多層反射膜及び吸収体膜をこの順で有する反射型マスクブランクであって、
    前記吸収体膜は、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)からなる群から選択される少なくとも1つの高吸収係数元素と、ドライエッチング速度を速くする元素とを、前記吸収体膜の少なくとも一部に含み、
    前記吸収体膜が、基板側の表面を含む下面領域と、基板とは反対側の表面を含む上面領域とを含み、
    前記上面領域の前記高吸収係数元素の濃度(原子%)が、前記下面領域の前記高吸収係数元素の濃度(原子%)より高いことを特徴とする反射型マスクブランク。
  2. 前記下面領域の前記ドライエッチング速度を速くする元素の濃度(原子%)が、前記上面領域の前記ドライエッチング速度を速くする元素の濃度(原子%)より高いことを特徴とする、請求項1に記載の反射型マスクブランク。
  3. 前記ドライエッチング速度を速くする元素が、タンタル(Ta)、タングステン(W)及びスズ(Sn)からなる群から選択される少なくとも1つの元素であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の反射型マスクブランク。
  4. 前記吸収体膜が、前記下面領域を含む下層と、前記上面領域を含む上層とを含む積層膜であり、
    前記下層の材料に含まれる前記高吸収係数元素の濃度(原子%)をC1lowerとし、前記上層の材料に含まれる前記高吸収係数元素の濃度(原子%)をC1upperとしたときに、
    C1upper>C1lower≧0 ・・・(式1)
    であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の反射型マスクブランク。
  5. 前記下層の材料に含まれる前記ドライエッチング速度を速くする元素の濃度(原子%)をC2lowerとし、前記上層の材料に含まれる前記ドライエッチング速度を速くする元素の濃度(原子%)をC2upperとしたときに、
    C2lower>C2upper≧0 ・・・(式2)
    であることを特徴とする、請求項4に記載の反射型マスクブランク。
  6. 前記上層の材料が、コバルト(Co)及びタンタル(Ta)を含み、前記下層の材料が、タンタル(Ta)を含むことを特徴とする、請求項4又は5に記載の反射型マスクブランク。
  7. 前記上層の材料が、ニッケル(Ni)及びタンタル(Ta)を含み、前記下層の材料が、タンタル(Ta)を含むことを特徴とする、請求項4又は5に記載の反射型マスクブランク。
  8. 前記上層は第1の塩素系ガスを含むドライエッチングガスによってエッチング可能な材料からなり、前記下層は前記第1の塩素系ガスとは異なる第2の塩素系ガスを含むドライエッチングガスによってエッチング可能な材料からなることを特徴とする、請求項4乃至7の何れか1項に記載の反射型マスクブランク。
  9. 前記多層反射膜と前記吸収体膜との間に、保護膜を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の反射型マスクブランク。
  10. 前記保護膜と前記吸収体膜との間に、エッチングストッパー膜を有し、
    前記エッチングストッパー膜は、クロム(Cr)を含む材料又はケイ素(Si)を含む材料からなることを特徴とする請求項9に記載の反射型マスクブランク。
  11. 前記吸収体膜の上に、エッチングマスク膜を有し、
    前記エッチングマスク膜は、クロム(Cr)を含む材料又はケイ素(Si)を含む材料からなることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の反射型マスクブランク。
  12. 請求項1乃至11の何れか1項に記載の反射型マスクブランクにおける前記吸収体膜がパターニングされた吸収体パターンを有することを特徴とする反射型マスク。
  13. 請求項1乃至11の何れか1項に記載の反射型マスクブランクの前記吸収体膜を、塩素系ガスを用いたドライエッチングでパターニングして吸収体パターンを形成することを特徴とする反射型マスクの製造方法。
  14. 請求項1乃至11の何れか1項に記載の反射型マスクブランクの前記吸収体膜を、第1の塩素系ガスと、前記第1の塩素系ガスとは異なる第2の塩素系ガスとを用いたドライエッチングでパターニングして吸収体パターンを形成することを特徴とする反射型マスクの製造方法。
  15. EUV光を発する露光光源を有する露光装置に、請求項12に記載の反射型マスクをセットし、被転写基板上に形成されているレジスト膜に転写パターンを転写する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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