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JP2020017686A - 保持装置 - Google Patents

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JP2020017686A JP2018140829A JP2018140829A JP2020017686A JP 2020017686 A JP2020017686 A JP 2020017686A JP 2018140829 A JP2018140829 A JP 2018140829A JP 2018140829 A JP2018140829 A JP 2018140829A JP 2020017686 A JP2020017686 A JP 2020017686A
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Abstract

【課題】板状部材の吸着面におけるドライバ電極からの発熱の影響を低減させる。【解決手段】保持装置は、第1の方向視で、第1の表面に重なる内側部および外側部を有する板状部材を備え、板状部材の表面に対象物を保持する。保持装置は、内側部にN個のヒータ電極を備える。保持装置は、第1の方向においてヒータ電極と異なる位置に、M個のドライバ電極を備える。M個のドライバ電極は、それぞれ、内側ドライバライン部と外側ドライバライン部とドライバコネクタ部とを有する。内側ドライバライン部は、板状部材の内側部に配置され、ヒータ電極に電気的に接続する。外側ドライバライン部は、板状部材の外側部に配置され、給電端子に電気的に接続する。ドライバコネクタ部は、内側ドライバライン部と外側ドライバライン部とを電気的に接続する。M個のドライバコネクタ部は、第1の方向視において、第1の表面の周方向に沿って略等間隔となるように配置される。【選択図】図8

Description

本明細書によって開示される技術は、保持装置に関する。
例えば半導体を製造する際にウェハを保持する保持装置として、静電チャックが用いられる。静電チャックは、所定の方向(以下、「第1の方向」という。)に略垂直な表面(以下、「吸着面」という。)を有する、例えばセラミックス製等の板状部材と、板状部材の内部に設けられたチャック電極とを備えており、チャック電極に電圧が印加されることにより発生する静電引力を利用して、板状部材の吸着面にウェハを吸着して保持する。
静電チャックの板状部材は、第1の方向視で、ウェハを保持する吸着面に重なる内側部と、内側部の外周を囲む外側部とを有している(例えば、特許文献1等参照)。また、静電チャックにおける板状部材の上記内側部には、複数のヒータ電極が配置されている。静電チャックは、各ヒータ電極への給電のための構成を備える。具体的には、静電チャックは、第1の方向視において、板状部材における上記外側部に重なる位置に配置された給電端子と、この給電端子とヒータ電極とに電気的に接続されたドライバ電極とを備える。ドライバ電極は、第1の方向において、板状部材におけるヒータ電極と異なる位置に配置されている。このような構成の静電チャックにおいて、電源から給電端子およびドライバ電極を介してヒータ電極に電圧が印加されると、ヒータ電極が発熱することによってセラミックス部材が加熱され、これにより、セラミックス部材の吸着面の温度分布の制御(ひいては、吸着面に保持されたウェハの温度分布の制御)が実現される。
特開2016−1688号公報
ヒータ電極への給電中には、ドライバ電極も発熱する。板状部材の吸着面の温度は、ドライバ電極からの発熱の影響を受ける。例えば、複数の給電端子がまとまって配置される構成では、給電端子の周辺に複数のドライバ電極が密集する。そのため、板状部材の吸着面の内、第1の方向視において、ドライバ電極が密集する部分と重なる領域は、高温の温度特異点となりやすい。従って、板状部材の吸着面における温度分布の制御性(ひいては、吸着面に保持されたウェハの温度分布の制御性)が低下するおそれがある。
なお、このような課題は、静電引力を利用してウェハを保持する静電チャックに限らず、板状部材と、ベース部材と、接着部材と、板状部材に配置されたヒータ電極と、ヒータ電極への給電のための構成(ドライバ電極、給電端子等)とを備え、板状部材の表面上に対象物を保持する保持装置一般(例えば、真空チャック等)に共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される保持装置は、第1の方向に略垂直な略平面状の第1の表面を有する板状部材であって、前記第1の方向視で、前記第1の表面に重なる内側部および前記内側部の外周を囲む外側部を有する板状部材と、前記板状部材における、前記内側部に配置されたN個(Nは2以上の整数)の抵抗発熱体であるヒータ電極と、前記板状部材における、前記第1の方向において前記ヒータ電極と異なる位置に配置された、M個(MはN以上の整数)のドライバ電極と、第1の方向視において、前記板状部材の前記外側部に重なる位置に配置され、かつ、前記ドライバ電極に電気的に接続された給電端子と、を備え、前記板状部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、前記M個のドライバ電極は、それぞれ、前記板状部材の前記内側部に配置され、かつ、前記ヒータ電極に電気的に接続された内側ドライバライン部と、前記板状部材の前記外側部に配置され、かつ、前記給電端子に電気的に接続された外側ドライバライン部と、前記内側ドライバライン部と前記外側ドライバライン部とを電気的に接続するドライバコネクタ部と、を有し、前記M個のドライバ電極の前記ドライバコネクタ部は、前記第1の方向視において、前記第1の表面の周方向に沿って略等間隔となるように配置されている。
ここで、ヒータ電極への給電中には、ドライバ電極も発熱する。板状部材の第1の表面の温度は、ドライバ電極からの発熱の影響を受ける。例えば、複数の給電端子がまとまって配置される構成では、給電端子の周辺に複数のドライバ電極が密集する。そのため、板状部材の第1の表面の内、第1の方向視において、ドライバ電極が密集する部分と重なる領域は、高温の温度特異点となりやすい。従って、板状部材の第1の表面における温度分布の制御性(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度分布の制御性)が低下するおそれがある。
本保持装置では、M個のドライバ電極が、それぞれ、板状部材の内側部に配置された内側ドライバライン部と、板状部材の外側部に配置された外側ドライバライン部と、内側ドライバライン部と外側ドライバライン部とを電気的に接続するドライバコネクタ部と、を有している。そして、M個のドライバ電極のドライバコネクタ部は、第1の方向視において、板状部材の第1の表面の周方向に沿って略等間隔となるように配置されている。内側ドライバライン部および外側ドライバライン部は、このように配置されたドライバコネクタ部に電気的に接続されている。
このように、本保持装置では、M個のドライバ電極のドライバコネクタ部が、第1の方向視において、第1の表面の周方向に沿って略等間隔となるように配置されているため、内側ドライバライン部および外側ドライバライン部が密集することを抑制することができる。このため、板状部材の第1の表面に高温の温度特異点が発生することを抑制することができる。
従って、本保持装置によれば、板状部材の第1の表面における温度分布の制御性(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度分布の制御性)を向上させることができる。
(2)上記保持装置において、前記内側ドライバライン部は、前記第1の方向視において、前記ヒータ電極の端部と前記ドライバコネクタ部とを結ぶ直線上に配置され、第1の方向視において、前記ヒータ電極の端部と前記ドライバコネクタ部とを結ぶ前記直線と、前記板状部材の前記第1の表面の外周と、がなす角θ(θは0°以上、かつ、90°以下)は80°以上である構成としてもよい。
ここで、内側ドライバライン部からの発熱は、内側ドライバライン部の長さが長いほど、すなわち、内側ドライバライン部の面積が大きいほど、板状部材の第1の表面におけるより広い領域に影響を及ぼす傾向がある。本保持装置によれば、第1の方向視において、ヒータ電極の端部とドライバコネクタ部との間に配置される内側ドライバライン部の長さを、比較的短くすることができる。このため、板状部材の第1の表面における、内側ドライバライン部からの発熱の影響を低減することができる。
従って、本保持装置によれば、板状部材の第1の表面における内側ドライバライン部からの発熱の影響を低減するとともに、板状部材の第1の表面における温度分布の制御性(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度分布の制御性)をさらに効果的に向上させることができる。
(3)上記保持装置において、前記M個のドライバ電極の前記内側ドライバライン部は、前記第1の方向における第1の位置に配置された、少なくとも1つの第1の内側ドライバライン部と、前記第1の方向における前記第1の位置より前記第1の表面から遠い第2の位置に配置された、少なくとも1つの第2の内側ドライバライン部と、を含む構成としてもよい。
本保持装置では、M個のドライバ電極の内側ドライバライン部は、第1の方向における第1の位置に配置された、少なくとも1つの第1の内側ドライバライン部と、第1の方向における第1の位置より第1の表面から遠い第2の位置に配置された、少なくとも1つの第2の内側ドライバライン部とを含む構成を採用している。換言すれば、M個のドライバ電極の内側ドライバライン部は、第1の方向において異なる位置に分けて配置されている。このため、第1の方向でのそれぞれの位置において、内側ドライバライン部が密集することをさらに効果的に抑制することができる。これにより、第1の位置において、第1の位置に配置された第1の内側ドライバライン部の密集度はさらに抑制される。また、第2の位置においても同様に、第2の位置に配置された第2の内側ドライバライン部の密集度もさらに抑制される。このため、本保持装置によれば、内側ドライバライン部(第1の内側ドライバライン部および第2の内側ドライバライン部)からの発熱により、板状部材の第1の表面に高温の温度特異点が発生することをさらに効果的に抑制することができる。
従って、本保持装置では、板状部材の第1の表面における温度分布の制御性(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度分布の制御性)を向上させることができる。
(4)上記保持装置において、前記第1の方向視における、前記第1の内側ドライバライン部の長さは、前記第2の内側ドライバライン部の長さと比較して短い構成としてもよい。
ここで、内側ドライバライン部からの発熱は、内側ドライバライン部の長さが長いほど、また、内側ドライバライン部が第1の方向において第1の表面に近いほど、板状部材の第1の表面における温度に与える影響は大きい。本保持装置では、板状部材の第1の表面により近い位置(第1の位置)に配置されている第1の内側ドライバライン部の長さが、板状部材の第1の表面からより遠い位置(第2の位置)に配置されている第2の内側ドライバライン部の長さと比較して短い構成を採用している。換言すれば、発熱量のより大きい、第2の内側ドライバライン部は、板状部材の第1の表面からより遠い第2の位置に配置され、発熱量のより小さい、第1の内側ドライバライン部は、板状部材の第1の表面により近い第1の位置に配置されている。このため、本保持装置によれば、板状部材の第1の表面における、内側ドライバライン部(第1の内側ドライバライン部および第2の内側ドライバライン部)からの発熱の影響を低減することができる。
従って、本保持装置によれば、板状部材の第1の表面における内側ドライバライン部(第1のドライバライン部および第2のドライバライン部)からの発熱の影響を低減するとともに、板状部材の第1の表面における温度分布の制御性(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度分布の制御性)をさらに効果的に向上させることができる。
(5)上記保持装置において、前記第1の内側ドライバライン部の個数は、前記第2の内側ドライバライン部の個数と比較して多い、ことを特徴とする構成としてもよい。
上述の通り、内側ドライバライン部(第1のドライバライン部および第2のドライバライン部)からの発熱は、内側ドライバライン部(第1のドライバライン部および第2のドライバライン部)の長さが長いほど、板状部材の第1の表面におけるより広い領域に影響を及ぼす傾向がある。本保持装置では、第1の位置に配置された第1の内側ドライバライン部(長さの短い内側ドライバライン部)の個数が、第2の位置に配置された第2の内側ドライバライン部(長さの長い内側ドライバライン部)の個数と比較して多い構成を採用している。換言すれば、発熱量のより大きい(長さの長い)第2の内側ドライバライン部の個数が、発熱量のより小さい(長さの短い)第1の内側ドライバライン部の個数と比較して少ない。このため、本保持装置によれば、板状部材の第1の表面における、内側ドライバライン部(第1のドライバライン部および第2のドライバライン部)からの発熱の影響を低減することができる。
従って、本保持装置によれば、板状部材の第1の表面における内側ドライバライン部(第1のドライバライン部および第2のドライバライン部)からの発熱の影響を低減するとともに、板状部材の第1の表面における温度分布の制御性(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度分布の制御性)を向上させることができる。
(6)上記保持装置において、前記M個のドライバ電極の前記外側ドライバライン部は、前記第1の方向における第3の位置に配置された、少なくとも1つの第1の外側ドライバライン部と、前記第1の方向における前記第3の位置より前記第1の表面から遠い第4の位置に配置された、少なくとも1つの第2の外側ドライバライン部と、を含む構成としてもよい。
ここで、外側ドライバライン部からの発熱もまた、板状部材の第1の表面に影響を及ぼすことがある。本保持装置では、M個のドライバ電極の外側ドライバライン部は、第1の方向における第3の位置に配置された、少なくとも1つの第1の外側ドライバライン部と、第1の方向における第3の位置より第1の表面から遠い第4の位置に配置された、少なくとも1つの第2の外側ドライバライン部とを含む構成を採用している。換言すれば、M個のドライバ電極の外側ドライバライン部は、第1の方向において異なる位置に分けて配置されている。このため、第1の方向でのそれぞれの位置において、外側ドライバライン部が密集することをさらに効果的に抑制することができる。これにより、第3の位置において、第3の位置に配置された第1の外側ドライバライン部の密集度はさらに抑制される。また、第4の位置においても同様に、第4の位置に配置された第2の外側ドライバライン部の密集度もさらに抑制される。このため、本保持装置によれば、外側ドライバライン部(第1の外側ドライバライン部および第2の外側ドライバライン部)からの発熱により、板状部材の第1の表面に高温の温度特異点が発生することをさらに効果的に抑制することができる。
従って、本保持装置では、板状部材の第1の表面における温度分布の制御性(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度分布の制御性)をさらに効果的に向上させることができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、静電チャック、真空チャック等の保持装置およびそれらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
本実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図である。 本実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。 本実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。 1つのセグメントSEに配置された1つのヒータ電極500のXY断面構成を模式的に示す説明図である。 ヒータ電極層50およびヒータ電極層50への給電のための構成を模式的に示す説明図である。 本実施形態におけるセラミックス部材10のXY断面構成を示す説明図である。 本実施形態におけるセラミックス部材10のXY断面構成を示す説明図である。 本実施形態におけるセラミックス部材10のXY断面構成を示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.静電チャック100の構成:
図1は、本実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図3は、本実施形態における静電チャック100のXY平面(上面)構成を概略的に示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、静電チャック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。また、本明細書では、Z軸方向に直交する方向を「面方向」といい、図3に示すように、面方向の内、吸着面S1の中心点CPを中心とする円周方向を「円周方向CD」といい、面方向の内、円周方向CDに直交する方向を「径方向RD」という。
静電チャック100は、対象物(例えばウェハW)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば半導体製造装置の真空チャンバー内でウェハWを固定するために使用される。静電チャック100は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置されたセラミックス部材10およびベース部材20を備える。セラミックス部材10とベース部材20とは、セラミックス部材10の下面S2(図2参照)とベース部材20の上面S3とが上記配列方向に対向するように配置される。
セラミックス部材10は、略円板状部材であり、セラミックス(例えば、アルミナや窒化アルミニウム等)により形成されている。セラミックス部材10の外周の上側には切り欠きが形成されている。このため、セラミックス部材10の上面は、上段と下段とに分かれている。セラミックス部材10は、Z軸方向視において、当該上面の上段に重なる部分である内側部IPと、当該上面の下段に重なる部分である外側部OPとから構成されている。ここで、セラミックス部材10の内側部IPの上面は、Z軸方向に略直交する略円形平面となっており、対象物(例えばウェハW)を保持する吸着面S1として機能する。すなわち、セラミックス部材10は、Z軸方向視で、吸着面S1に重なる内側部IPと、内側部IPの外周を囲む外側部OPとを有している。セラミックス部材10の外側部OPにおける上面には、例えば、静電チャック100を固定するための治具(不図示)が係合する。
セラミックス部材10における内側部IPの厚さ(Z軸方向における厚さであり、以下同様)は、外側部OPに形成された切り欠きの分だけ、外側部OPの厚さより厚くなっている。すなわち、セラミックス部材10の外側部OPと内側部IPとの境界部BPの箇所で、Z軸方向におけるセラミックス部材10の厚さが変化している。
セラミックス部材10の内側部IPの直径は例えば50mm〜500mm程度(通常は200mm〜350mm程度)であり、セラミックス部材10の外側部OPの直径は例えば60mm〜600mm程度(通常は210mm〜360mm程度)である(ただし、外側部OPの直径は内側部IPの直径より大きい)。また、セラミックス部材10の内側部IPの厚さは例えば1mm〜10mm程度であり、セラミックス部材10の外側部OPの厚さは例えば0.5mm〜9.5mm程度である(ただし、外側部OPの厚さは内側部IPの厚さより薄い)。
図2に示すように、セラミックス部材10の内側部IPの内部には、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されたチャック電極40が配置されている。Z軸方向視でのチャック電極40の形状は、例えば略円形である。チャック電極40に電源(図示しない)から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWがセラミックス部材10の吸着面S1に吸着固定される。
セラミックス部材10の内部には、ヒータ電極層50と、ドライバ電極層60と、ビア711,741とが配置されている。ヒータ電極層50と、ドライバ電極層60と、ビア711,741とは、それぞれ導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されている。なお、ヒータ電極層50は、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御(すなわち、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御)を行う。図2に示すように、本実施形態では、ヒータ電極層50はチャック電極40より下側に配置され、ドライバ電極層60はヒータ電極層50より下側に配置されている。また、本実施形態では、セラミックス部材10の内部には、ドライバ電極層60として、Z軸方向で位置の異なる複数のドライバ電極層60C,60U,60Lが配置されている。これらの構成については、後に詳述する。
上記構成のセラミックス部材10は、例えば、セラミックスグリーンシートを複数枚作製し、所定のセラミックスグリーンシートにビア孔の形成やメタライズペーストの充填および印刷等の加工を行い、これらのセラミックスグリーンシートを熱圧着し、切断等の加工を行った上で焼成することにより作製することができる。
ベース部材20は、例えばセラミックス部材10の外側部OPと同径の、または、セラミックス部材10の外側部OPより径が大きい円形平面の板状部材であり、例えば金属(アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されている。ベース部材20の直径は例えば220mm〜550mm程度(通常は220mm〜350mm)であり、ベース部材20の厚さは例えば20mm〜40mm程度である。
ベース部材20は、セラミックス部材10の下面S2とベース部材20の上面S3との間に配置された接着部材30によって、セラミックス部材10に接合されている。接着部材30は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着材により構成されている。接着部材30の厚さは、例えば0.1mm〜1mm程度である。
ベース部材20の内部には冷媒流路21が形成されている。冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)が流されると、ベース部材20が冷却され、接着部材30を介したベース部材20とセラミックス部材10との間の伝熱(熱引き)によりセラミックス部材10が冷却され、セラミックス部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが冷却される。これにより、ウェハWの温度分布の制御が実現される。
A−2.ヒータ電極層50の詳細構成:
図3に示すように、本実施形態の静電チャック100では、セラミックス部材10の内側部IPに、面方向(Z軸方向に直交する方向)に並ぶ複数の仮想的な領域であるセグメントSE(図3において一点鎖線で示す)が設定されている。より詳細には、Z軸方向視で、セラミックス部材10の内側部IPが、吸着面S1の中心点CPを中心とする同心円状の複数の第1の境界線BL1によって複数の仮想的な環状領域(ただし、中心点CPを含む領域のみは円状領域)に分割され、さらに各環状領域が、径方向RDに延びる複数の第2の境界線BL2によって円周方向CDに並ぶ複数の仮想的な領域であるセグメントSEに分割されている。
ヒータ電極層50は、N個(Nは2以上の整数)、すなわち、複数のヒータ電極500を含んでいる(図5参照)。ヒータ電極層50に含まれる複数のヒータ電極500のそれぞれは、セラミックス部材10の内側部IPに設定された複数のセグメントSEの1つに配置されている。すなわち、本実施形態の静電チャック100では、複数のセグメントSEのそれぞれに、1つのヒータ電極500が配置されている。換言すれば、セラミックス部材10の内側部IPにおいて、1つのヒータ電極500が配置された部分(主として該ヒータ電極500により加熱される部分)が、1つのセグメントSEとなる。
図4は、1つのセグメントSEに配置された1つのヒータ電極500のXY断面構成を模式的に示す説明図である。図4に示すように、ヒータ電極500は、Z軸方向視で線状の抵抗発熱体であるヒータライン部502と、ヒータライン部502の両端部に接続されたヒータパッド部504とを有する。本実施形態では、ヒータライン部502は、Z軸方向視で、セグメントSE内の各位置をできるだけ偏り無く通るような形状とされている。他のセグメントSEに配置されたヒータ電極500の構成も同様である。ヒータ電極層50への給電のための構成については、後に詳述する。
A−3.ヒータ電極層50への給電のための構成:
次に、図2および図5を参照して、ヒータ電極層50への給電のための構成について詳述する。図5は、ヒータ電極層50およびヒータ電極層50への給電のための構成を模式的に示す説明図である。図5の上段には、セラミックス部材10の内側部IPに配置されたヒータ電極層50の一部のXZ断面構成が模式的に示されている。図5の上段では、一例として、セラミックス部材10の内側部IPに設定された4つのセグメントSEにそれぞれ配置された4つのヒータ電極500を示している。図5の下段には、セラミックス部材10の内側部IPおよび外側部OPに配置されたドライバ電極層60の一部のXZ断面構成が模式的に示されている。
上述したように、セラミックス部材10には、ヒータ電極層50と、ヒータ電極層50への給電のためのドライバ電極層60および各種ビア711,741とが配置されている。また、静電チャック100には、ヒータ電極層50への給電のための他の構成(後述する端子用孔110に収容された給電端子771等)が設けられている。
上述したように、セラミックス部材10の内部には、ドライバ電極層60として、複数のドライバ電極層60C,60U,60Lが配置されている。すなわち、本実施形態において、セラミックス部材10の内部には、共通ドライバ電極層60Cと、上側個別ドライバ電極層60Uと、下側個別ドライバ電極層60Lと、が配置されている。以下、上側個別ドライバ電極層60Uと下側個別ドライバ電極層60Lとをまとめて個別ドライバ電極層ということがある。
共通ドライバ電極層60Cは、例えば、Z軸方向視で、セラミックス部材10と略同一の形状(例えば、円形)とすることができる。また、共通ドライバ電極層60Cは、1つのドライバ電極として機能する。以下、ドライバ電極層60Cを、「共通ドライバ電極60C」ともいう。すなわち、共通ドライバ電極60Cは、ビア741を介して複数のヒータ電極500の各一端に電気的に接続されている。図5の例において、共通ドライバ電極層60Cは、4つのヒータ電極500のすべてに電気的に接続されている。
上側個別ドライバ電極層60Uは、複数の上側ドライバ電極600Uを備えている。複数の上側ドライバ電極600Uは、それぞれ、ビア741を介して1つのヒータ電極500の各他端に電気的に接続されている。同様に、下側個別ドライバ電極層60Lは、複数の下側ドライバ電極600Lを備えている。複数の下側ドライバ電極600Lは、それぞれ、ビア741を介して1つのヒータ電極500の各他端に電気的に接続されている。以下、上側ドライバ電極600Uと下側ドライバ電極600Lとをまとめて個別ドライバ電極600ということがある。上述から分かるように、本実施形態では、個別ドライバ電極600の個数Mは、ヒータ電極500の個数Nと同一である。上側個別ドライバ電極層60Uおよび下側個別ドライバ電極層60Lの構成については、後に詳述する。
図2に示すように、静電チャック100には、複数の端子用孔110が形成されている。端子用孔110は、Z軸方向視において、セラミックス部材10の外側部OPに重なる位置に配置されている。また、端子用孔110は、ベース部材20を上面S3から下面S4まで貫通する貫通孔22と、接着部材30を上下方向に貫通する貫通孔32と、セラミックス部材10の下面S2側に形成された凹部12とが、互いに連通することにより構成された一体の孔である。端子用孔110の延伸方向に直交する断面形状は任意に設定できるが、例えば、円形や四角形、扇形等である。
セラミックス部材10の下面S2における端子用孔110に対応する位置(Z軸方向において端子用孔110と重なる位置)には、導電性材料により構成された給電パッド751が形成されている。給電パッド751は、ビア711を介して、それぞれ、共通ドライバ電極60C、上側ドライバ電極600U、下側ドライバ電極600Lのいずれかに電気的に接続されている。
端子用孔110には、導電性材料により構成された給電端子771が収容されている。給電端子771についても、端子用孔110と同様に、Z軸方向視において、セラミックス部材10の外側部OPに重なる位置に配置されている。給電端子771は、例えばろう付けにより給電パッド751に接合されている。
ヒータ電極層50への給電のための構成は上述の通りである。このような構成の静電チャック100は、電源(図示せず)から一の給電端子771、一の給電パッド751、一のビア711、共通ドライバ電極60C、一のビア741を介してヒータ電極500に至る導通経路を有する。また、静電チャック100は、ヒータ電極500から他のビア741、個別ドライバ電極600、他のビア711、他の給電パッド751を介して他の給電端子771に至る導通経路を有する。このような導通経路を介してヒータ電極500に電圧が印加されると、ヒータ電極500が発熱し、ヒータ電極500が配置されたセグメントSEが加熱され、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御(ひいては、セラミックス部材10の吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御)が実現される。
A−4.ドライバ電極層60の詳細構成:
上述したように、本実施形態において、静電チャック100は、ヒータ電極層50とセラミックス部材10の下面S2との間に、Z軸方向で位置の異なる複数のドライバ電極層60(共通ドライバ電極層60C、上側個別ドライバ電極層60Uおよび下側個別ドライバ電極層60L)を備えている(図5参照)。本実施形態では、Z軸方向でヒータ電極層50側(上側)から順に、共通ドライバ電極層60C、上側個別ドライバ電極層60U、下側個別ドライバ電極層60Lの順に配置されている。すなわち、下側個別ドライバ電極層60Lは、Z軸方向における上側個別ドライバ電極層60Uの位置より、セラミックス部材10の吸着面S1から遠い位置に位置している。
図6は、図5のVI−VIの位置(上側個別ドライバ電極層60Uの位置)におけるセラミックス部材10のXY断面構成を示す説明図である。上述したように、上側個別ドライバ電極層60Uは、複数の上側ドライバ電極600Uを備えている。1つの上側ドライバ電極600Uは、内側ドライバライン部602Uと、外側ドライバライン部604Uと、ドライバパッド部606Uとから構成されている。
上側ドライバ電極600Uを構成する内側ドライバライン部602Uは、セラミックス部材10の内側部IPの内部に配置されている。内側ドライバライン部602Uは、その延伸方向において長さL1を有し、かつ、ヒータパッド部504の直径と略同等の幅を有する平板形状である。内側ドライバライン部602Uの一方の端部(径方向RDにおいて内側の端部)は、ビア741を介して、ヒータ電極層50における1つのヒータ電極500のヒータパッド部504と電気的に接続されている。内側ドライバライン部602Uの他方の端部(径方向RDにおいて外側の端部)は、ドライバパッド部606Uに電気的に接続されている。ここで、ドライバパッド部606Uは、Z軸方向視において、セラミックス部材10における内側部IPの吸着面S1の外周OL上に配置され、かつ、吸着面S1の円周方向CDに沿って配置されている。
本実施形態では、各上側ドライバ電極600Uを構成する内側ドライバライン部602Uは、Z軸方向視において、ヒータ電極500のヒータパッド部504と、ドライバパッド部606Uとを結ぶ仮想直線VL1上に配置されている。また、本実施形態では、全ての内側ドライバライン部602Uについて、Z軸方向視における、この仮想直線VL1と、セラミックス部材10の吸着面S1(内側部IP)の外周OLとがなす角θは80°以上である。換言すれば、Z軸方向視において、この仮想直線VL1と、外周OLとの交点における接線である仮想直線VL2とがなす角は80°以上である。ただし、当該なす角θは、0°以上、かつ、90°以下の角度である。
上側ドライバ電極600Uを構成する外側ドライバライン部604Uは、セラミックス部材10の外側部OPの内部に配置されている。外側ドライバライン部604Uは、内側ドライバライン部602Uの幅と比較して、より小さい幅を有する線状である。本実施形態において、外側ドライバライン部604Uは、径方向RDに延びる部分と円周方向CDに延びる部分とから構成されている。外側ドライバライン部604Uの一方の端部(径方向RDに延びる部分が有する端部)は、ドライバパッド部606Uに電気的に接続されている。一方、外側ドライバライン部604Uの他方の端部(円周方向CDに延びる部分が有する端部)は、ビア711および給電パッド751を介して、端子用孔110内に配置された給電端子771に電気的に接続されている。
図7は、図5のVII−VIIの位置(下側個別ドライバ電極層60Lの位置)におけるセラミックス部材10のXY断面構成を示す説明図である。上述したように、下側個別ドライバ電極層60Lは、複数の下側ドライバ電極600Lを備えている。1つの下側ドライバ電極600Lは、内側ドライバライン部602Lと、外側ドライバライン部604Lと、ドライバパッド部606Lとから構成されている。以下、上側ドライバ電極600Uの内側ドライバライン部602Uと下側ドライバ電極600Lの内側ドライバライン部602Lとをまとめて内側ドライバライン部602といい、上側ドライバ電極600Uの外側ドライバライン部604Uと下側ドライバ電極600Lの外側ドライバライン部604Lとをまとめて外側ドライバライン部604といい、上側ドライバ電極600Uのドライバパッド部606Uと下側ドライバ電極600Lのドライバパッド部606Lとをまとめてドライバパッド部606ということがある。
下側ドライバ電極600Lを構成する内側ドライバライン部602Lは、セラミックス部材10の内側部IPの内部に配置されている。内側ドライバライン部602Lは、その延伸方向において長さL2を有し、かつ、ヒータパッド部504の直径と略同等の幅を有する平板形状である。内側ドライバライン部602Lの一方の端部(径方向RDにおいて内側の端部)は、ビア741を介して、ヒータ電極層50における1つのヒータ電極500のヒータパッド部504と電気的に接続されている。内側ドライバライン部602Lの他方の端部(径方向RDにおいて外側の端部)は、ドライバパッド部606Lに電気的に接続されている。ここで、ドライバパッド部606Lは、Z軸方向視において、セラミックス部材10における内側部IPの吸着面S1の外周OL上に配置され、かつ、吸着面S1の円周方向CDに沿って配置されている。
本実施形態では、各下側ドライバ電極600Lを構成する内側ドライバライン部602Lは、Z軸方向視において、ヒータ電極500のヒータパッド部504と、ドライバパッド部606Lとを結ぶ仮想直線VL3上に配置されている。また、本実施形態では、全ての内側ドライバライン部602Lについて、Z軸方向視における、この仮想直線VL3と、セラミックス部材10の吸着面S1(内側部IP)の外周OLとがなす角θは80°以上である。換言すれば、Z軸方向視において、この仮想直線VL3と、外周OLとの交点における接線である仮想直線VL4とがなす角は80°以上である。ただし、当該なす角θは、0°以上、かつ、90°以下の角度である。
本実施形態では、上側個別ドライバ電極層60Uには、上側ドライバ電極600Uの内側ドライバライン部602Uの長さL1が比較的短い上側ドライバ電極600Uが多数配置されている。一方、下側個別ドライバ電極層60Lには、下側ドライバ電極600Lの内側ドライバライン部602Lの長さL2が比較的長い下側ドライバ電極600Lが少数配置されている。具体的には、上側ドライバ電極600Uの内側ドライバライン部602Uの内、最も長い内側ドライバライン部602Uの長さL1は、下側ドライバ電極600Lの内側ドライバライン部602Lの内、最も短い内側ドライバライン部602Lの長さL2と比較して短い。また、上側ドライバ電極600Uの内側ドライバライン部602Uの個数は、下側ドライバ電極600Lの内側ドライバライン部602Lの個数と比較して多い。
下側ドライバ電極600Lを構成する外側ドライバライン部604Lは、セラミックス部材10の外側部OPの内部に配置されている。外側ドライバライン部604Lは、内側ドライバライン部602Lの幅と比較して、より小さい幅を有する線状である。本実施形態において、外側ドライバライン部604Lは、径方向RDに延びる部分と円周方向CDに延びる部分とから構成されている。外側ドライバライン部604Lの一方の端部(径方向RDに延びる部分が有する端部)は、ドライバパッド部606Lに電気的に接続されている。一方、外側ドライバライン部604Lの他方の端部(円周方向CDに延びる部分が有する端部)は、ビア711および給電パッド751を介して、端子用孔110内に配置された給電端子771に電気的に接続されている。
図8は、上側ドライバ電極600Uのドライバパッド部606Uと下側ドライバ電極600Lのドライバパッド部606Lとの位置関係を示す説明図である。図8では、便宜的に、図6に示す上側ドライバ電極600Uのドライバパッド部606Uを白丸で示し、図7に示す下側ドライバ電極600Lのドライバパッド部606Lを黒丸で示している。また、図8には、便宜的に、ドライバパッド部606Uに電気的に接続する内側ドライバライン部602Uおよび外側ドライバライン部604Uと、ドライバパッド部606Lに電気的に接続する内側ドライバライン部602Lおよび外側ドライバライン部604Lとが、1組ずつ点線で示されている。
図8に示すように、ドライバパッド部606Uおよびドライバパッド部606Lは、Z軸方向視において、セラミックス部材10の吸着面S1における外周OLに沿って略等間隔となるように配置されている。
なお、静電チャック100は、特許請求の範囲における保持装置に相当する。Z軸方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。セラミックス部材10は、特許請求の範囲における板状部材に相当する。セラミックス部材10の吸着面(上面)S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当する。ヒータパッド部504は、特許請求の範囲におけるヒータ電極の端部に相当する。個別ドライバ電極600、上側ドライバ電極600Uおよび下側ドライバ電極600Lは、特許請求の範囲におけるドライバ電極に相当する。ドライバパッド部606、ドライバパッド部606Uおよびドライバパッド部606Lは、特許請求の範囲におけるドライバコネクタ部に相当する。セラミックス部材10において、上側個別ドライバ電極層60Uが配置されている位置は、特許請求の範囲における第1の位置および第3の位置に相当する。セラミックス部材10において、下側個別ドライバ電極層60Lが配置されている位置は、特許請求の範囲における第2の位置および第4の位置に相当する。
A−5.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の静電チャック100は、Z軸方向に略垂直な略平面状の吸着面S1を有するセラミックス部材10を備え、セラミックス部材10の吸着面S1上に対象物(ウェハW)を保持する保持装置である。セラミックス部材10は、Z軸方向視で、吸着面S1に重なる内側部IPおよび前記内側部IPの外周OLを囲む外側部OPを有する。静電チャック100は、さらに、N個(Nは2以上の整数)のヒータ電極500と、ヒータ電極500とM個(MはNと同一)の個別ドライバ電極600と、給電端子771とを備える。ヒータ電極500は、抵抗発熱体であり、セラミックス部材10における、内側部IPに配置されている。給電端子771は、Z軸方向視において、セラミックス部材10の外側部OPに重なる位置に配置され、かつ、個別ドライバ電極600に電気的に接続されている。M個の個別ドライバ電極600は、セラミックス部材10における、Z軸方向においてヒータ電極500と異なる位置に配置されている。本実施形態では、M個の個別ドライバ電極600は、それぞれ、内側ドライバライン部602と、外側ドライバライン部604と、ドライバパッド部606とを有している。内側ドライバライン部602は、セラミックス部材10の内側部IPに配置され、かつ、ヒータ電極500に電気的に接続されている。外側ドライバライン部604は、セラミックス部材10の外側部OPに配置され、かつ、給電端子771に電気的に接続されている。ドライバパッド部606は、内側ドライバライン部602と外側ドライバライン部604とを電気的に接続している。本実施形態では、M個の個別ドライバ電極600のドライバパッド部606は、Z軸方向視において、吸着面S1の外周OL方向に沿って略等間隔となるように配置されている。
ここで、ヒータ電極500への給電中には、個別ドライバ電極600も発熱する。セラミックス部材10の吸着面S1の温度は、個別ドライバ電極600からの発熱の影響を受ける。例えば、複数の給電端子771がまとまって配置される構成では、給電端子771の周辺に複数の個別ドライバ電極600が密集する。そのため、セラミックス部材10の吸着面S1の内、Z軸方向視において、個別ドライバ電極600が密集する部分と重なる領域は、高温の温度特異点となりやすい。従って、セラミックス部材10の吸着面S1における温度分布の制御性(ひいては、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御性)が低下するおそれがある。
本実施形態の静電チャック100では、M個の個別ドライバ電極600が、それぞれ、セラミックス部材10の内側部IPに配置された内側ドライバライン部602と、セラミックス部材10の外側部OPに配置された外側ドライバライン部604と、内側ドライバライン部602と外側ドライバライン部604とを電気的に接続するドライバパッド部606と、を有している。そして、M個の個別ドライバ電極600のドライバパッド部606は、Z軸方向視において、セラミックス部材10の吸着面S1の外周OL方向に沿って略等間隔となるように配置されている。内側ドライバライン部602および外側ドライバライン部604は、このように配置されたドライバパッド部606に電気的に接続されている。
このように、本実施形態の静電チャック100では、M個の個別ドライバ電極600のドライバパッド部606が、Z軸方向視において、吸着面S1の外周OL方向に沿って略等間隔となるように配置されているため、内側ドライバライン部602および外側ドライバライン部604が密集することを抑制することができる。このため、セラミックス部材10の吸着面S1に高温の温度特異点が発生することを抑制することができる。
従って、本実施形態の静電チャック100によれば、セラミックス部材10の吸着面S1における温度分布の制御性(ひいては、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御性)を向上させることができる。
本実施形態の静電チャック100では、M個の個別ドライバ電極600の内側ドライバライン部602は、Z軸方向における上側(上側個別ドライバ電極層60U)に配置された内側ドライバライン部602Uと、Z軸方向における上側個別ドライバ電極層60Uの位置より、セラミックス部材10の吸着面S1から遠い位置(下側個別ドライバ電極層60L)に配置された内側ドライバライン部602Lを含んでいる。
本実施形態の静電チャック100では、M個の個別ドライバ電極600の内側ドライバライン部602は、上側個別ドライバ電極層60Uに配置された内側ドライバライン部602Uと、下側個別ドライバ電極層60Lに配置された内側ドライバライン部602Lとを含む構成を採用している。換言すれば、M個の個別ドライバ電極600の内側ドライバライン部602(602U,602L)は、Z軸方向において異なる位置に分けて配置されている。このため、Z軸方向でのそれぞれの位置において、内側ドライバライン部602(602U,602L)が密集することをさらに効果的に抑制することができる。これにより、上側個別ドライバ電極層60Uにおいて、上側個別ドライバ電極層60Uに配置された内側ドライバライン部602Uの密集度はさらに抑制される。また、同様に、下側個別ドライバ電極層60Lにおいて、下側個別ドライバ電極層60Lに配置された内側ドライバライン部602Lの密集度もさらに抑制される。このため、本実施形態の静電チャック100によれば、内側ドライバライン部602(602U,602L)からの発熱により、セラミックス部材10の吸着面S1に高温の温度特異点が発生することをさらに効果的に抑制することができる。
従って、本実施形態の静電チャック100では、セラミックス部材10の吸着面S1における温度分布の制御性(ひいては、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御性)を向上させることができる。
なお、上述のように、上側個別ドライバ電極層60Uと、下側個別ドライバ電極層60Lとのそれぞれの層において、内側ドライバライン部602U,602Lの密集度が抑制されれば、内側ドライバライン部602(602U,602L)の幅を広くすることができ、ひいては、内側ドライバライン部602(602U,602L)からの発熱を低減することができる。これは、内側ドライバライン部602(602U,602L)の幅が広いほど、内側ドライバライン部602(602U,602L)からの発熱量は低減するからである。
セラミックス部材10における上側個別ドライバ電極層60Uおよび下側個別ドライバ電極層60Lに配置された内側ドライバライン部602(602U,602L)からの発熱は、セラミックス部材10を介して放熱される。本実施形態の静電チャック100では、上述のように、上側個別ドライバ電極層60Uに配置された内側ドライバライン部602Uの密集度、および、下側個別ドライバ電極層60Lに配置された内側ドライバライン部602Lの密集度は抑制される。このため、上側個別ドライバ電極層60Uおよび下側個別ドライバ電極層60Lにおける、内側ドライバライン部602(602U,602L)からセラミックス部材10への放熱経路が広くなる。従って、上側個別ドライバ電極層60Uおよび下側個別ドライバ電極層60Lに配置された内側ドライバライン部602(602U,602L)からの発熱は、セラミックス部材10の吸着面S1に伝達されることを抑制することができる。
本実施形態の静電チャック100では、内側ドライバライン部602(602U,602L)は、Z軸方向視において、ヒータ電極500のヒータパッド部504とドライバパッド部606(606U,606L)とを結ぶ直線(仮想直線VL1,VL3)上に配置されている。また、Z軸方向視において、ヒータ電極500のヒータパッド部504とドライバパッド部606(606U,606L)とを結ぶ直線(仮想直線VL1,VL3)と、セラミックス部材10の吸着面S1の外周OLと、がなす角θ(θは0°以上、かつ、90°以下)は80°以上である。
ここで、内側ドライバライン部602(602U,602L)からの発熱は、内側ドライバライン部602(602U,602L)の長さが長いほど、すなわち、内側ドライバライン部602(602U,602L)の面積が大きいほど、セラミックス部材10の吸着面S1におけるより広い領域に影響を及ぼす傾向がある。本実施形態の静電チャック100によれば、Z軸方向視において、ヒータ電極500のヒータパッド部504とドライバパッド部606(606U,606L)との間に配置される内側ドライバライン部602(602U,602L)の長さを、比較的短くすることができる。このため、セラミックス部材10の吸着面S1における、内側ドライバライン部602(602U,602L)からの発熱の影響を低減することができる。
従って、本実施形態の静電チャック100によれば、セラミックス部材10の吸着面S1における内側ドライバライン部602(602U,602L)からの発熱の影響を低減するとともに、セラミックス部材10の吸着面S1における温度分布の制御性(ひいては、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御性)をさらに効果的に向上させることができる。
本実施形態の静電チャック100では、M個の個別ドライバ電極600の外側ドライバライン部604は、上側個別ドライバ電極層60Uに配置された外側ドライバライン部604Uと、下側個別ドライバ電極層60Lに配置された外側ドライバライン部604Lとを含んでいる。
ここで、外側ドライバライン部604からの発熱もまた、セラミックス部材10の吸着面S1に影響を及ぼすことがある。本実施形態の静電チャック100では、M個の個別ドライバ電極600の外側ドライバライン部604は、上側個別ドライバ電極層60Uに配置された外側ドライバライン部604Uと、下側個別ドライバ電極層60Lに配置された外側ドライバライン部604Lとを含む構成を採用している。換言すれば、M個の個別ドライバ電極600の外側ドライバライン部604(604U,604L)は、Z軸方向において異なる位置に分けて配置されている。このため、Z軸方向でのそれぞれの位置において、外側ドライバライン部604(604U,604L)が密集することをさらに効果的に抑制することができる。これにより、上側個別ドライバ電極層60Uにおいて、上側個別ドライバ電極層60Uに配置された外側ドライバライン部604Uの密集度はさらに抑制される。また、同様に、下側個別ドライバ電極層60Lにおいて、下側個別ドライバ電極層60Lに配置された外側ドライバライン部604Lの密集度もさらに抑制される。このため、本実施形態の静電チャック100によれば、外側ドライバライン部604(604U,604L)からの発熱により、セラミックス部材10の吸着面S1に高温の温度特異点が発生することをさらに効果的に抑制することができる。
従って、本実施形態の静電チャック100では、セラミックス部材10の吸着面S1における温度分布の制御性(ひいては、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御性)をさらに効果的に向上させることができる。
なお、上述のように、上側個別ドライバ電極層60Uと、下側個別ドライバ電極層60Lとのそれぞれの層において、外側ドライバライン部604U,604Lの密集度が抑制されれば、外側ドライバライン部604(604U,604L)の幅を広くすることができ、ひいては、外側ドライバライン部604(604U,604L)からの発熱を低減することができる。これは、外側ドライバライン部604(604U,604L)の幅が広いほど、外側ドライバライン部604(604U,604L)からの発熱量は低減するからである。
セラミックス部材10における上側個別ドライバ電極層60Uおよび下側個別ドライバ電極層60Lに配置された外側ドライバライン部604(604U,604L)からの発熱は、セラミックス部材10を介して放熱される。本実施形態の静電チャック100では、上述のように、上側個別ドライバ電極層60Uに配置された外側ドライバライン部604Uの密集度、および、下側個別ドライバ電極層60Lに配置された外側ドライバライン部604Lの密集度は抑制される。このため、上側個別ドライバ電極層60Uおよび下側個別ドライバ電極層60Lにおける、外側ドライバライン部604(604U,604L)からセラミックス部材10への放熱経路が広くなる。従って、上側個別ドライバ電極層60Uおよび下側個別ドライバ電極層60Lに配置された外側ドライバライン部604(604U,604L)からの発熱は、セラミックス部材10の吸着面S1に伝達されることを抑制することができる。
本実施形態の静電チャック100では、上側個別ドライバ電極層60Uにおける内側ドライバライン部602Uの長さL1は、下側個別ドライバ電極層60Lにおける内側ドライバライン部602Lの長さL1と比較して短い。
ここで、内側ドライバライン部602(602U,602L)からの発熱は、内側ドライバライン部602(602U,602L)の長さが長いほど、また、内側ドライバライン部602(602U,602L)がZ軸方向において吸着面S1に近いほど、セラミックス部材10の吸着面S1における温度に与える影響は大きい。本実施形態の静電チャック100では、セラミックス部材10の吸着面S1により近い位置(上側個別ドライバ電極層60U)に配置されている内側ドライバライン部602Uの長さL1が、セラミックス部材10の吸着面S1からより遠い位置(下側個別ドライバ電極層60L)に配置されている内側ドライバライン部602Lの長さL2と比較して短い構成を採用している。換言すれば、発熱量のより大きい、下側個別ドライバ電極層60Lの内側ドライバライン部602Lは、セラミックス部材10の吸着面S1からより遠い下側個別ドライバ電極層60Lに配置され、発熱量のより小さい、上側個別ドライバ電極層60Uの内側ドライバライン部602Uは、セラミックス部材10の吸着面S1により近い上側個別ドライバ電極層60Uに配置されている。このため、本実施形態の静電チャック100によれば、セラミックス部材10の吸着面S1における、内側ドライバライン部602(602U,602L)からの発熱の影響を低減することができる。
従って、本実施形態の静電チャック100によれば、セラミックス部材10の吸着面S1における内側ドライバライン部602(602U,602L)からの発熱の影響を低減するとともに、セラミックス部材10の吸着面S1における温度分布の制御性(ひいては、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御性)をさらに効果的に向上させることができる。
本実施形態の静電チャック100では、上側個別ドライバ電極層60Uの内側ドライバライン部602Uの個数は、下側個別ドライバ電極層60Lの内側ドライバライン部602Lの個数と比較して多い。
上述の通り、内側ドライバライン部602(602U,602L)からの発熱は、内側ドライバライン部602(602U,602L)の長さが長いほど、セラミックス部材10の吸着面S1における温度に影響を及ぼす傾向がある。本実施形態の静電チャック100では、上側個別ドライバ電極層60Uの内側ドライバライン部602U(長さの短い内側ドライバライン部602U)の個数が、下側個別ドライバ電極層60Lの内側ドライバライン部602L(長さの長い内側ドライバライン部602L)の個数と比較して多い構成を採用している。換言すれば、発熱量のより大きい(長さの長い)内側ドライバライン部602Lの個数が、発熱量のより小さい(長さの短い)内側ドライバライン部602Uの個数と比較して少ない。このため、本実施形態の静電チャック100によれば、セラミックス部材10の吸着面S1における、内側ドライバライン部602(602U,602L)からの発熱の影響を低減することができる。
従って、本実施形態の静電チャック100によれば、セラミックス部材10の吸着面S1における内側ドライバライン部602(602U,602L)からの発熱の影響を低減するとともに、セラミックス部材10の吸着面S1における温度分布の制御性(ひいては、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御性)を向上させることができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における静電チャック100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、ドライバパッド部606は、Z軸方向視において、セラミックス部材10の吸着面S1における外周OLに沿って略等間隔となるように配置されている構成を採用しているが、これに限定されない。すなわち、ドライバパッド部606は、上記外周OL付近に配置されていればよい。具体的には、セラミックス部材10において、当該外周OLより内周側(内側部IP)に配置されていてもよく、また、当該外周OLより外周側(外側部OP)に配置されていてもよい。また、セラミックス部材10の吸着面S1における外周OLは、円形に限定されない。
上記実施形態における静電チャック100では、個別ドライバ電極600の内側ドライバライン部602は、当該内側ドライバライン部602と同じ層に配置された外側ドライバライン部604に電気的に接続されている構成を採用しているが、これに限定されない。すなわち、個別ドライバ電極600の内側ドライバライン部602は、当該内側ドライバライン部602と異なる層に配置された外側ドライバライン部604に電気的に接続されていてもよい。例えば、上側ドライバ電極600Uの内側ドライバライン部602Uが、下側ドライバ電極600Lの外側ドライバライン部604Lに電気的に接続していてもよい。この構成において、上側個別ドライバ電極層60Uに配置された内側ドライバライン部602Uは、当該内側ドライバライン部602Uと同じ層(上側個別ドライバ電極層60U)に配置されたドライバパッド部606Uと、上側個別ドライバ電極層60Uと異なる層(下側個別ドライバ電極層60L)に配置されたドライバパッド部606Lと、ドライバパッド部606Uとドライバパッド部606Lとを電気的に接続するビアと、を介して、下側個別ドライバ電極層60Lに配置された外側ドライバライン部604Lに電気的に接続する。このような構成において、ドライバパッド部606U,606Lとビアとを併せた構成が、特許請求の範囲におけるドライバコネクタ部に相当する。
上記実施形態における静電チャック100では、ヒータ電極500はヒータパッド部504を有している構成を採用しているが、これに限定されない。すなわち、ヒータ電極500はヒータパッド部504を有していなくてもよい。この構成において、ヒータ電極500の端部が、ビアを介して、内側ドライバライン部602または共通ドライバ電極60Cに電気的に接続する。
上記実施形態における静電チャック100では、全ての内側ドライバライン部602において、Z軸方向視における、各内側ドライバライン部602と、セラミックス部材10の吸着面S1(内側部IP)の外周OLとがなす角θが80°以上である構成を採用しているが、これに限定されない。すなわち、少なくとも1つの内側ドライバライン部602において、Z軸方向視における、当該内側ドライバライン部602と、セラミックス部材10の吸着面S1(内側部IP)の外周OLとがなす角θが80°以上であればよい。内側ドライバライン部602の合計数に占める、上記なす角θが80°以上である内側ドライバライン部602の個数の割合は、80%以上であることが好ましい。
上記実施形態における静電チャック100では、セラミックス部材10の内部に、2層の個別ドライバ電極層(上側個別ドライバ電極層60Uおよび下側個別ドライバ電極層60L)が配置されている構成を採用しているが、これに限定されない。すなわち、個別ドライバ電極層の数は、1層または3層以上であってもよい。個別ドライバ電極層の数が1層である構成において、静電チャック100は、セラミックス部材10の内部に、上側個別ドライバ電極層60Uおよび下側個別ドライバ電極層60Lの内の1層を備える。この構成において、上側個別ドライバ電極層60Uおよび下側個別ドライバ電極層60Lの内の一の個別ドライバ電極層が有するドライバパッド部606は、Z軸方向視において、セラミックス部材10の吸着面S1における外周OLに沿って略等間隔となるように配置される。また、個別ドライバ電極層の数が3層以上である構成において、各個別ドライバ電極層が有するドライバパッド部606は、Z軸方向視において、セラミックス部材10の吸着面S1における外周OLに沿って略等間隔となるように配置される。また、個別ドライバ電極層の数が3個以上である構成において、各個別ドライバ電極層が有する内側ドライバライン部602の長さは、Z軸方向において、上側に位置する個別ドライバ電極層の内側ドライバライン部602ほど短く、また、下側に位置する個別ドライバ電極層の内側ドライバライン部602ほど長い。このような構成において、各個別ドライバ電極層が有する内側ドライバライン部602の個数は、Z軸方向において、上側に位置する個別ドライバ電極層の内側ドライバライン部602ほど多く、また、下側に位置する個別ドライバ電極層の内側ドライバライン部602ほど少ない。
上記実施形態における静電チャック100では、セラミックス部材10の内部に配置される2層の個別ドライバ電極層(上側個別ドライバ電極層60Uおよび下側個別ドライバ電極層60L)は、いずれも、内側ドライバライン部602および外側ドライバライン部604の両方を備えている構成を採用しているが、これに限定されない。すなわち、セラミックス部材10の内部には、内側ドライバライン部602のみ、または、外側ドライバライン部604のみを備える個別ドライバ電極層が備えられていてもよい。
上記実施形態における静電チャック100では、上側ドライバ電極600Uの内側ドライバライン部602Uの内、最も長い内側ドライバライン部602Uの長さL1は、下側ドライバ電極600Lの内側ドライバライン部602Lの内、最も短い内側ドライバライン部602Lの長さL2と比較して短い構成を採用しているが、これに限定されない。すなわち、少なくとも1つの内側ドライバライン部602Uの長さL1が、内側ドライバライン部602Lの長さL2と比較して短ければよい。
また、上記実施形態におけるセラミックス部材10に配置されたヒータ電極500の個数は、任意に設定可能であり、1つでもよいし、複数でもよい。なお、セラミックス部材10に非常に多くの(例えば100個以上の)ヒータ電極500が配置された構成では、それに伴ってヒータ電極500への給電のための個別ドライバ電極600(上側ドライバ電極600Uおよび下側ドライバ電極600L)の個数が非常に多くなり、給電端子771の周辺に複数の個別ドライバ電極600が密集しやすくなる。これにより、セラミックス部材10の吸着面S1に高温の温度特異点が発生しやすくなるため、そのような構成に本発明を適用すると特に効果的である。また、ヒータ電極500の個数に応じて、ヒータ電極層50の数は複数であってもよい。
また、上記実施形態におけるセグメントSEの設定態様(セグメントSEの個数や、個々のセグメントSEの形状等)は、任意に変更可能である。例えば、上記実施形態では、各セグメントSEが吸着面S1の円周方向CDに並ぶように複数のセグメントSEが設定されているが、各セグメントSEが格子状に並ぶように複数のセグメントSEが設定されてもよい。また、例えば、上記実施形態では、静電チャック100の全体が複数のセグメントSEに仮想的に分割されているが、静電チャック100の一部分が複数のセグメントSEに仮想的に分割されていてもよい。また、静電チャック100において、必ずしもセグメントSEが設定されている必要はない。
上記実施形態の静電チャック100では、ヒータ電極500および個別ドライバ電極600は、いずれもセラミックス部材10の内部に配置されている構成を採用しているが、これに限定されない。すなわち、ヒータ電極500(または個別ドライバ電極600)の全部または一部が、セラミックス部材10の外部に露出している構成であってもよい。
上記実施形態の静電チャック100における各部材の形成材料は、あくまで一例であり、任意に変更可能である。例えば、上記実施形態では、セラミックス部材10が、セラミックスにより形成されているが、セラミックス部材10が、セラミックス以外の材料(例えば、樹脂材料)により形成されていてもよい。
上記実施形態において、各ビアは、単数のビアにより構成されてもよいし、複数のビアのグループにより構成されていてもよい。また、上記実施形態において、各ビアは、ビア部分のみからなる単層構成であってもよいし、複数層構成(例えば、ビア部分とパッド部分とビア部分とが積層された構成)であってもよい。
上記実施形態では、セラミックス部材10の内部に1つのチャック電極40が設けられた単極方式が採用されているが、セラミックス部材10の内部に一対のチャック電極40が設けられた双極方式が採用されてもよい。
また、本発明は、静電引力を利用してウェハWを保持する静電チャック100に限らず、板状部材と、ベース部材と、接着部材と、板状部材に配置されたヒータ電極と、ヒータ電極への給電のための構成(ドライバ電極、給電端子等)とを備え、板状部材の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、真空チャック等)にも同様に適用可能である。
10:セラミックス部材 12:凹部 20:ベース部材 21:冷媒流路 22:貫通孔 30:接着部材 32:貫通孔 40:チャック電極 50:ヒータ電極層 60:ドライバ電極層 60C:共通ドライバ電極層(共通ドライバ電極) 60L:下側個別ドライバ電極層 60U:上側個別ドライバ電極層 100:静電チャック 110:端子用孔 500:ヒータ電極 502:ヒータライン部 504:ヒータパッド部 600:個別ドライバ電極 600L:下側ドライバ電極 600U:上側ドライバ電極 602:内側ドライバライン部 602L:内側ドライバライン部 602U:内側ドライバライン部 604:外側ドライバライン部 604L:外側ドライバライン部 604U:外側ドライバライン部 606:ドライバパッド部 606L:ドライバパッド部 606U:ドライバパッド部 711:ビア 741:ビア 751:給電パッド 771:給電端子 BP:境界部 CD:円周方向 CP:中心点 IP:内側部 L1:長さ L2:長さ OL:外周 OP:外側部 RD:径方向 S1:吸着面(上面) S2:下面 S3:上面 S4:下面 SE:セグメント VL1:仮想直線 VL2:仮想直線 VL3:仮想直線 VL4:仮想直線 W:ウェハ

Claims (6)

  1. 第1の方向に略垂直な略平面状の第1の表面を有する板状部材であって、前記第1の方向視で、前記第1の表面に重なる内側部および前記内側部の外周を囲む外側部を有する板状部材と、
    前記板状部材における、前記内側部に配置されたN個(Nは2以上の整数)の抵抗発熱体であるヒータ電極と、
    前記板状部材における、前記第1の方向において前記ヒータ電極と異なる位置に配置された、M個(MはN以上の整数)のドライバ電極と、
    第1の方向視において、前記板状部材の前記外側部に重なる位置に配置され、かつ、前記ドライバ電極に電気的に接続された給電端子と、
    を備え、前記板状部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、
    前記M個のドライバ電極は、それぞれ、
    前記板状部材の前記内側部に配置され、かつ、前記ヒータ電極に電気的に接続された内側ドライバライン部と、
    前記板状部材の前記外側部に配置され、かつ、前記給電端子に電気的に接続された外側ドライバライン部と、
    前記内側ドライバライン部と前記外側ドライバライン部とを電気的に接続するドライバコネクタ部と、
    を有し、
    前記M個のドライバ電極の前記ドライバコネクタ部は、前記第1の方向視において、前記第1の表面の周方向に沿って略等間隔となるように配置されている、
    ことを特徴とする保持装置。
  2. 請求項1に記載の保持装置において、
    前記内側ドライバライン部は、前記第1の方向視において、前記ヒータ電極の端部と前記ドライバコネクタ部とを結ぶ直線上に配置され、
    第1の方向視において、前記ヒータ電極の端部と前記ドライバコネクタ部とを結ぶ前記直線と、前記板状部材の前記第1の表面の外周と、がなす角θ(θは0°以上、かつ、90°以下)は80°以上である、
    ことを特徴とする保持装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の保持装置において、
    前記M個のドライバ電極の前記内側ドライバライン部は、
    前記第1の方向における第1の位置に配置された、少なくとも1つの第1の内側ドライバライン部と、
    前記第1の方向における前記第1の位置より前記第1の表面から遠い第2の位置に配置された、少なくとも1つの第2の内側ドライバライン部と、
    を含む、
    ことを特徴とする保持装置。
  4. 請求項3に記載の保持装置において、
    前記第1の方向視における、前記第1の内側ドライバライン部の長さは、前記第2の内側ドライバライン部の長さと比較して短い、
    ことを特徴とする保持装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の保持装置において、
    前記第1の内側ドライバライン部の個数は、前記第2の内側ドライバライン部の個数と比較して多い、
    ことを特徴とする保持装置。
  6. 請求項1または請求項2に記載の保持装置において、
    前記M個のドライバ電極の前記外側ドライバライン部は、
    前記第1の方向における第3の位置に配置された、少なくとも1つの第1の外側ドライバライン部と、
    前記第1の方向における前記第3の位置より前記第1の表面から遠い第4の位置に配置された、少なくとも1つの第2の外側ドライバライン部と、
    を含む、
    ことを特徴とする保持装置。
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