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JP2020010219A - Hapsを用いた単一周波数ネットワークセル構成 - Google Patents

Hapsを用いた単一周波数ネットワークセル構成 Download PDF

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JP2020010219A JP2018130734A JP2018130734A JP2020010219A JP 2020010219 A JP2020010219 A JP 2020010219A JP 2018130734 A JP2018130734 A JP 2018130734A JP 2018130734 A JP2018130734 A JP 2018130734A JP 2020010219 A JP2020010219 A JP 2020010219A
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Abstract

【課題】上空を移動可能な通信中継装置で形成する複数のセクタセルのセル境界におけるハンドオーバーの多発による通信品質の劣化を抑制する。【解決手段】端末装置と無線通信する通信中継装置は、自律制御により又は外部からの制御により上空を移動可能な浮揚体に搭載された中継通信局を備える。中継通信局は、端末装置と無線通信可能な複数のセクタセルを形成する。前記複数のセクタセルは、同一周波数により互いに時間同期した状態で同一データを送信する複数のSFN(単一周波数ネットワーク)方式のセクタセルを含む。【選択図】図11

Description

本発明は、第5世代通信の3次元化ネットワークの構築に適したHAPS等の通信中継装置による単一周波数ネットワーク(SFN)セル構成に関するものである。
従来、移動通信システムの通信規格である3GPPのLTE(Long Term Evolution)−Advanced(非特許文献1参照)を発展させたLTE−AdvancedProと呼ばれる通信規格が知られている(非特許文献2参照)。このLTE−AdvancedProでは、近年のIoT(Internet of Things)向けデバイスへの通信を提供するための仕様が策定された。更に、IoT向けデバイス等の多数の端末装置(「UE(ユーザ装置)」、「移動局」、「通信端末」ともいう。)への同時接続や低遅延化などに対応する第5世代の移動通信が検討されている(例えば、非特許文献3参照)。
3GPP TS 36.300 V10.12.0(2014−12). 3GPP TS 36.300 V13.5.0(2016−09). G. Romano,「3GPP RAN progress on "5G"」,3GPP,2016.
上記第5世代移動通信等において3次元化したネットワークを実現する通信中継装置を移動可能に上空に配置する場合、その通信中継装置で地上や海上に向けて形成される複数のセルのセル境界でハンドオーバーが多発して通信品質の劣化や通信の切断が発生するおそれがある。特に、上空の通信中継装置で形成される複数のセルが、端末装置を含む車両が移動する高速鉄道や高速道路などの車両移動経路に沿って形成される場合、上記ハンドオーバーの多発による通信品質の劣化などが発生しやすい。
本発明の一態様に係る通信中継装置は、端末装置と無線通信する通信中継装置であって、自律制御により又は外部からの制御により上空を移動可能な浮揚体に搭載され、前記端末装置と無線通信可能な複数のセクタセルからなる広域セルを形成する中継通信局を備え、前記中継通信局が形成する前記複数のセクタセルは、前記中継通信局からのダウンリンクにおいて同一周波数により互いに時間同期した状態で同一データの信号を送信する連続配置された複数のSFN(単一周波数ネットワーク)方式のセルを含む。
前記通信中継装置において、前記複数のSFN方式のセルは、前記端末装置を含む車両が移動する移動経路に沿って形成してもよい。
また、前記通信中継装置において、前記中継通信局が形成する前記複数のセクタセルは、前記複数のSFN方式のセクタセルと、前記中継通信局からのダウンリンクにおいて互いに異なる周波数により互いに異なるデータの信号を送信する複数のMFN(複数周波数ネットワーク)方式のセクタセルとを含んでもよい。
また、前記通信中継装置において、前記中継通信局が形成する前記複数のセクタセルのそれぞれを前記SFN方式のセクタセルと前記MFN方式のセクタセルとの間で選択的に切り替えるセル切替手段を備えてもよい。前記セル切替手段は、前記複数のセクタセルそれぞれにおいて、前記セクタセル内に位置する端末装置と前記中継通信局との間の無線通信のPRB(物理リソースブロック)の使用率に基づいて、前記SFN方式のセクタセルと前記MFN方式のセクタセルとの切り替えを行ってもよい。また、前記セル切替手段は、前記複数のセクタセルそれぞれにおいて、前記セクタセル内に位置する端末装置との間の無線通信のトラヒック状況に基づいて、前記SFN方式のセクタセルと前記MFN方式のセクタセルとの切り替えを行ってもよい。
本発明の他の態様に係るシステムは、端末装置と無線通信する複数の通信中継装置を備えたシステムであって、前記複数の通信中継装置はそれぞれ、自律制御により又は外部からの制御により上空を移動可能な浮揚体に搭載され、前記端末装置と無線通信可能な複数のセクタからなる広域セルを形成する中継通信局を備え、前記複数の通信中継装置の中継通信局が形成する複数のセクタセルは、前記中継通信局からのダウンリンクにおいて同一周波数により互いに時間同期した状態で同一データの信号を送信する連続配置された複数のSFN(単一周波数ネットワーク)方式のセクタセルを含む。
前記システムにおいて、前記複数のSFN方式のセクタセルは、前記複数の通信中継装置のうち互いに隣り合う複数の通信中継装置によって連続的に形成してもよい。
また、前記システムにおいて、前記複数のSFN方式のセクタセルは、端末装置を含む車両が移動する移動経路に沿って形成してもよい。
また、前記システムにおいて、前記複数の通信中継装置の中継通信局の全体が形成する複数のセクタセルは、前記複数のSFN方式のセクタセルと、互いに異なる周波数により互いに異なるデータを送信する複数のMFN(複数周波数ネットワーク)方式のセクタセルとを含んでもよい。
また、前記システムにおいて、前記複数の通信中継装置の中継通信局が形成する複数のセクタセルを前記SFN方式のセクタセルと前記MFN方式のセクタセルとの間で切り替えるセル切替手段を備えてもよい。前記セル切替手段は、前記複数のセクタセルそれぞれにおいて、前記セクタセル内に位置する端末装置と前記中継通信局との間の無線通信のPRB(物理リソースブロック)の使用率に基づいて、前記SFN方式のセクタセルと前記MFN方式のセクタセルとの切り替えを行ってもよい。また、前記セル切替手段は、前記複数のセクタセルそれぞれにおいて、前記セクタセル内に位置する端末装置との間の無線通信のトラヒック状況に基づいて、前記SFN方式のセクタセルと前記MFN方式のセクタセルとの切り替えを行ってもよい。
また、前記システムにおいて、前記複数の通信中継装置を遠隔的に制御する遠隔制御装置を備え、前記遠隔制御装置は、前記複数の通信中継装置の少なくとも一つの通信中継装置に、前記SFN方式のセクタセルと前記MFN方式のセクタセルとの切り替えを制御するための制御情報を送信してもよい。
本発明の更に他の遠隔制御装置は、前記システムにおける前記複数の通信中継装置を遠隔的に制御する遠隔制御装置であって、前記複数の通信中継装置の少なくとも一つに、前記SFN方式のセクタセルと前記MFN方式のセクタセルとの切り替えを制御するための制御情報を送信する。
本発明の更に他の態様に係る方法は、端末装置との間で無線通信を行う中継通信局が自律制御により又は外部からの制御により上空を移動可能な浮揚体に搭載された通信中継装置における前記中継通信局による複数のセクタセルからなる広域セルの形成を制御する方法であって、前記中継通信局からのダウンリンクにおいて同一周波数により互いに時間同期した状態で同一データの信号を送信する連続配置された複数のSFN(単一周波数ネットワーク)方式のセクタセルを含むように前記複数のセクタセルを形成することを有する。
また、本発明の更に他の態様に係るプログラムは、端末装置との間で無線通信を行う中継通信局が自律制御により又は外部からの制御により上空を移動可能な浮揚体に搭載された通信中継装置における前記中継通信局による複数のセクタセルからなる広域セルの形成の制御を、コンピュータ又はプロセッサに実行させるためのプログラムであって、前記中継通信局からのダウンリンクにおいて同一周波数により互いに時間同期した状態で同一データの信号を送信する連続配置された複数のSFN(単一周波数ネットワーク)方式のセクタセルを含むように前記複数のセクタセルを形成するためのプログラムコードを有する。
本発明によれば、上空を移動可能な通信中継装置で形成する複数のセクタセルのセル境界におけるハンドオーバーの多発や隣接セルからの干渉の増大による通信品質の劣化を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る3次元化ネットワークを実現する通信システムの全体構成の一例を示す概略構成図。 実施形態に係る通信システムに用いられるHAPSの一例を示す斜視図。 実施形態に係る通信システムに用いられるHAPSの他の例を示す側面図。 実施形態に係る複数のHAPSで上空に形成される無線ネットワークの一例を示す説明図。 更に他の実施形態に係る3次元化ネットワークを実現する通信システムの全体構成の一例を示す概略構成図。 実施形態に係るHAPSの中継通信局の一構成例を示すブロック図。 実施形態に係るHAPSの中継通信局の他の構成例を示すブロック図。 実施形態に係るHAPSの中継通信局の更に他の構成例を示すブロック図。 実施形態に係るHAPSによって形成される複数のセクタセルからなる広域セルの一例を示す説明図。 実施形態に係る複数のHAPSによって連続配置するように形成される複数の広域セルの一例を示す説明図。 実施形態に係る複数のHAPSによって高速鉄道に沿って複数のSFNセルが連続配置するように形成される複数のセクタセルの一例を示す説明図。 実施形態に係る複数のHAPSによって高速鉄道に沿って複数のSFNセルが連続配置するように形成される複数のセクタセルの他の例を示す説明図。 (a)は、HAPSが回転移動する前のSFNセルを含むセクタセルの配置の一例を示す説明図。(b)は、HAPSが回転移動したときのセル切り替え制御後のSFNセルを含むセクタセルの配置の一例を示す説明図。 実施形態に係るHAPSにおけるセクタセル切り替え制御の一例を示すフローチャート。 実施形態に係るHAPSにおけるセクタセル切り替え制御の他の例を示すフローチャート。 実施形態に係るHAPSにおけるセクタセル切り替え制御の更に他の例を示すシーケンス図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの全体構成の一例を示す概略構成図である。本実施形態に係る通信システムは、多数の端末装置への同時接続や低遅延化などに対応する第5世代又は第5世代以降の次々世代の移動通信の3次元化ネットワークの実現に適する。なお、本明細書に開示する通信システム、中継通信局、基地局、リピーター及び端末装置に適用可能な移動通信の標準規格は、第5世代の移動通信の標準規格、及び、第5世代以降の次々世代の移動通信の標準規格を含む。
図1に示すように、通信システムは、複数の空中浮揚型の通信中継装置としての高高度プラットフォーム局(HAPS)(「高高度疑似衛星」ともいう。)10,20を備えている。HAPS10,20は、所定高度の空域に位置して、所定高度のセル形成目標空域40に図中ハッチング領域で示すような3次元セクタセル(3次元エリア)41,42を形成する。HAPS10,20は、自律制御又は外部から制御により地面又は海面から100[km]以下の高高度の空域(浮揚空域)50に浮遊あるいは飛行して位置するように制御される浮揚体(例えば、ソーラープレーン、飛行船)に、中継通信局が搭載されたものである。
HAPS10,20の位置する空域50は、例えば、高度が11[km]以上及び50[km]以下の成層圏の空域である。この空域50は、気象条件が比較的安定している高度15[km]以上25[km]以下の空域であってもよく、特に高度がほぼ20[km]の空域であってもよい。図中のHrsl及びHrsuはそれぞれ、地面(GL)を基準にしたHAPS10,20の位置する空域50の下端及び上端の相対的な高度を示している。
セル形成目標空域40は、本実施形態の通信システムにおける1又は2以上のHAPSで3次元セルを形成する目標の空域である。セル形成目標空域40は、HAPS10,20が位置する空域50と従来のマクロセル基地局等の基地局(例えばLTEのeNodeB)90がカバーする地面近傍のセル形成領域との間に位置する、所定高度範囲(例えば、50[m]以上1000[m]以下の高度範囲)の空域である。図中のHcl及びHcuはそれぞれ、地面(GL)を基準にしたセル形成目標空域40の下端及び上端の相対的な高度を示している。
なお、本実施形態の3次元セルが形成されるセル形成目標空域40は、海、川又は湖の上空であってもよい。
HAPS10,20の中継通信局はそれぞれ、移動局である端末装置と無線通信するためのビーム100,200を地面に向けて形成する。端末装置は、遠隔操縦可能な小型のヘリコプター等の航空機であるドローン60に組み込まれた通信端末モジュールでもよいし、飛行機65の中でユーザが使用するユーザ装置であってもよい。セル形成目標空域40においてビーム100,200が通過する領域が3次元セル41,42である。セル形成目標空域40において互いに隣り合う複数のビーム100,200は部分的に重なってもよい。
HAPS10,20の中継通信局はそれぞれ、例えば、地上(又は海上)側のコアネットワークに接続された中継局としてのフィーダ局(「ゲートウェイ局」又は「GW局」ともいう。)70と無線通信する基地局、又は、地上(又は海上)側の基地局に接続された中継局としてのフィーダ局(リピーター親機)70と無線通信するリピーター子機である。HAPS10,20の中継通信局はそれぞれ、地上又は海上に設置されたフィーダ局70を介して、移動通信網80のコアネットワークに接続されている。HAPS10,20とフィーダ局70との間の通信は、マイクロ波などの電波による無線通信で行ってもよいし、レーザ光などを用いた光通信で行ってもよい。
HAPS10,20はそれぞれ、内部に組み込まれたコンピュータ等で構成された制御部が制御プログラムを実行することにより、自身の浮揚移動(飛行)や中継通信局での処理を自律制御してもよい。例えば、HAPS10,20はそれぞれ、自身の現在位置情報(例えばGPS位置情報)、予め記憶した位置制御情報(例えば、飛行スケジュール情報)、周辺に位置する他のHAPSの位置情報などを取得し、それらの情報に基づいて浮揚移動(飛行)や中継通信局での処理を自律制御してもよい。
また、HAPS10,20それぞれの浮揚移動(飛行)や中継通信局での処理は、移動通信網80の通信センター等に設けられた遠隔制御装置85によって制御できるようにしてもよい。遠隔制御装置85は、例えば、PCなどのコンピュータ装置やサーバ等で構成することができる。この場合、HAPS10,20は、遠隔制御装置85からの制御情報を受信したり遠隔制御装置85に監視情報などの各種情報を送信したりできるように制御用通信端末装置(例えば、移動通信モジュール)が組み込まれ、遠隔制御装置85から識別できるように端末識別情報(例えば、IPアドレス、電話番号など)が割り当てられるようにしてもよい。制御用通信端末装置の識別には通信インターフェースのMACアドレスを用いてもよい。また、HAPS10,20はそれぞれ、自身又は周辺のHAPSの浮揚移動(飛行)や中継通信局での処理に関する情報、HAPS10,20の状態に関する情報や各種センサなどで取得した観測データなどの監視情報を、遠隔制御装置85等の所定の送信先に送信するようにしてもよい。制御情報は、HAPSの目標飛行ルート情報を含んでもよい。監視情報は、HAPS10,20の現在位置、飛行ルート履歴情報、対気速度、対地速度及び推進方向、HAPS10,20の周辺の気流の風速及び風向、並びに、HAPS10,20の周辺の気圧及び気温の少なくとも一つの情報を含んでもよい。
セル形成目標空域40では、HAPS10,20のビーム100,200が通過していない領域(3次元セル41,42が形成されない領域)が発生するおそれがある。この領域を補完するため、図1の構成例のように、地上側又は海上側から上方に向かって放射状のビーム300を形成して3次元セル43を形成してATG(Air To Ground)接続を行う基地局(以下「ATG局」という。)30を備えてもよい。
また、ATG局30を用いずに、HAPS10,20の位置やビーム100,200の発散角(ビーム幅)等を調整することにより、HAPS10,20の中継通信局が、セル形成目標空域40に3次元セルがくまなく形成されるように、セル形成目標空域40の上端面の全体をカバーするビーム100,200を形成してもよい。
なお、前記HAPS10,20で形成する3次元セルは、地上又は海上に位置する端末装置との間でも通信できるよう地面又は海面に達するように形成してもよい。
図2は、実施形態に係る通信システムに用いられるHAPS10の一例を示す斜視図である。
図2のHAPS10は、ソーラープレーンタイプのHAPSであり、長手方向の両端部側が上方に沿った主翼部101と、主翼部101の短手方向の一端縁部にバス動力系の推進装置としての複数のモータ駆動のプロペラ103とを備える。主翼部101の上面には、太陽光発電機能を有する太陽光発電部としての太陽光発電パネル(以下「ソーラーパネル」という。)102が設けられている。また、主翼部101の下面の長手方向の2箇所には、板状の連結部104を介して、ミッション機器が収容される複数の機器収容部としてのポッド105が連結されている。各ポッド105の内部には、ミッション機器としての中継通信局110と、バッテリー106とが収容されている。また、各ポッド105の下面側には離発着時に使用される車輪107が設けられている。ソーラーパネル102で発電された電力はバッテリー106に蓄電され、バッテリー106から供給される電力により、プロペラ103のモータが回転駆動され、中継通信局110による無線中継処理が実行される。
ソーラープレーンタイプのHAPS10は、例えば所定の目標飛行ルートに基づいて円形状に旋回飛行を行ったり「D」の字飛行を行ったり「8」の字飛行を行ったりすることにより揚力で浮揚し、所定の高度で水平方向の所定の範囲に滞在するように浮揚することができる。なお、ソーラープレーンタイプのHAPS10は、プロペラ103が回転駆動されていないときは、グライダーのように飛ぶこともできる。例えば、昼間などのソーラーパネル102の発電によってバッテリー106の電力が余っているときに高い位置に上昇し、夜間などのソーラーパネル102で発電できないときにバッテリー106からモータへの給電を停止してグライダーのように飛ぶことができる。
また、HAPS10は、他のHAPSや人工衛星と光通信に用いられる通信部としての3次元対応指向性の光アンテナ装置130を備えている。なお、図2の例では主翼部101の長手方向の両端部に光アンテナ装置130を配置しているが、HAPS10の他の箇所に光アンテナ装置130を配置してもよい。なお、他のHAPSや人工衛星と光通信に用いられる通信部は、このような光通信を行うものに限らず、マイクロ波などの電波による無線通信などの他の方式による無線通信であってもよい。
図3は、実施形態に係る通信システムに用いられるHAPS20の他の例を示す斜視図である。
図3のHAPS20は、無人飛行船タイプのHAPSであり、ペイロードが大きいため大容量のバッテリーを搭載することができる。HAPS20は、浮力で浮揚するためのヘリウムガス等の気体が充填された飛行船本体201と、バス動力系の推進装置としてのモータ駆動のプロペラ202と、ミッション機器が収容される機器収容部203とを備える。機器収容部203の内部には、中継通信局210とバッテリー204とが収容されている。バッテリー204から供給される電力により、プロペラ202のモータが回転駆動され、中継通信局210による無線中継処理が実行される。
なお、飛行船本体201の上面に、太陽光発電機能を有するソーラーパネルを設け、ソーラーパネルで発電された電力をバッテリー204に蓄電するようにしてもよい。
また、無人飛行船タイプのHAPS20も、他のHAPSや人工衛星と光通信に用いられる通信部としての3次元対応指向性の光アンテナ装置230を備えている。なお、図3の例では飛行船本体201の上面部及び機器収容部203の下面部に光アンテナ装置230を配置しているが、HAPS20の他の部分に光アンテナ装置230を配置してもよい。なお、他のHAPSや人工衛星と光通信に用いられる通信部は、このような光通信を行うものに限らず、マイクロ波などの電波による無線通信などの他の方式による無線通信を行うものであってもよい。
図4は、実施形態に係る複数のHAPS10,20で上空に形成される無線ネットワークの一例を示す説明図である。
複数のHAPS10,20は、上空で互いに光通信によるHAPS間通信ができるように構成され、3次元化したネットワークを広域にわたって安定に実現することができるロバスト性に優れた無線通信ネットワークを形成する。この無線通信ネットワークは、各種環境や各種情報に応じたダイナミックルーティングによるアドホックネットワークとして機能することもできる。前記無線通信ネットワークは、2次元又は3次元の各種トポロジーを有するように形成することができ、例えば、図4に示すようにメッシュ型の無線通信ネットワークであってもよい。
図5は、他の実施形態に係る通信システムの全体構成の一例を示す概略構成図である。なお、図5において、前述の図1と共通する部分については同じ符号を付し、その説明は省略する。
図5の実施形態では、HAPS10と移動通信網80のコアネットワークとの間の通信を、フィーダ局70及び低軌道の人工衛星72を介して行っている。この場合、人工衛星72とフィーダ局70との間の通信は、マイクロ波などの電波による無線通信で行ってもよいし、レーザ光などを用いた光通信で行ってもよい。また、HAPS10と人工衛星72との間の通信については、レーザ光などを用いた光通信で行っている。
図6は、実施形態に係るHAPS10,20の中継通信局110,210の一構成例を示すブロック図である。
図5の中継通信局110,210はリピータータイプの中継通信局の例である。中継通信局110,210はそれぞれ、3Dセル形成アンテナ部111と、送受信部112と、フィード用アンテナ部113と、送受信部114と、リピーター部115と、監視制御部116と、電源部117とを備える。更に、中継通信局110,210はそれぞれ、HAPS間通信などに用いる光通信部125と、ビーム制御部126とを備える。
3Dセル形成アンテナ部111は、セル形成目標空域40に向けて放射状のビーム100,200を形成するアンテナを有し、端末装置と通信可能な3次元セル41,42を形成する。送受信部112は、3Dセル形成アンテナ部111とともに第一無線通信部を構成し、送受共用器(DUP:DUPlexer)や増幅器などを有し、3Dセル形成アンテナ部111を介して、3次元セル41,42に在圏する端末装置に無線信号を送信したり端末装置から無線信号を受信したりする。3Dセル形成アンテナ部111及び送受信部112により、端末装置と通信するサービスリンクにおいて後述の複数のセクタセルからなる広域セルを形成する。
フィード用アンテナ部113は、地上又は海上のフィーダ局70と無線通信するための指向性アンテナを有する。送受信部114は、フィード用アンテナ部113とともに第二無線通信部を構成し、送受共用器(DUP:DUPlexer)や増幅器などを有し、フィード用アンテナ部113を介して、フィーダ局70に無線信号を送信したりフィーダ局70から無線信号を受信したりする。
リピーター部115は、端末装置との間で送受信される送受信部112の信号と、フィーダ局70との間で送受信される送受信部114の信号とを中継する。リピーター部115は、所定周波数の中継対象信号を所定のレベルまで増幅するアンプ機能を有する。リピーター部115は、中継対象信号の周波数を変換する周波数変換機能を有してもよい。
監視制御部116は、例えばCPU及びメモリ等で構成され、予め組み込まれたプログラムを実行することにより、HAPS10,20内の各部の動作処理状況を監視したり各部を制御したりする。特に、監視制御部116は、制御プログラムを実行することにより、プロペラ103,202を駆動するモータ駆動部141を制御して、HAPS10,20を目標位置へ移動させ、また、目標位置近辺に留まるように制御する。
また、監視制御部116は、後述の複数のセクタセルのそれぞれをSFN(単一周波数ネットワーク)方式のセクタセル(SFNセル)とMFN方式(複数周波数ネットワーク)のセクタセル(ノーマルセル)との間で選択的に切り替えるセル切替手段としても機能する。
電源部117は、バッテリー106,204から出力された電力をHAPS10,20内の各部に供給する。電源部117は、太陽光発電パネル等で発電した電力や外部から給電された電力をバッテリー106,204に蓄電させる機能を有してもよい。
光通信部125は、レーザ光等の光通信媒体を介して周辺の他のHAPS10,20や人工衛星72と通信する。この通信により、ドローン60等の端末装置と移動通信網80との間の無線通信を動的に中継するダイナミックルーティングが可能になるとともに、いずれかのHAPSが故障したときに他のHAPSがバックアップして無線中継することにより移動通信システムのロバスト性を高めることができる。
ビーム制御部126は、HAPS間通信や人工衛星72との通信に用いるレーザ光などのビームの方向及び強度を制御したり、周辺の他のHAPS(中継通信局)との間の相対的な位置の変化に応じてレーザ光等の光ビームによる通信を行う他のHAPS(中継通信局)を切り替えるように制御したりする。この制御は、例えば、HAPS自身の位置及び姿勢、周辺のHAPSの位置などに基づいて行ってもよい。HAPS自身の位置及び姿勢の情報は、そのHAPSに組み込んだGPS受信装置、ジャイロセンサ、加速度センサなどの出力に基づいて取得し、周辺のHAPSの位置の情報は、移動通信網80に設けた遠隔制御装置85、又は、HAPS管理サーバやアプリケーションサーバ等のサーバ86から取得してもよい。
図7は、実施形態に係るHAPS10,20の中継通信局110,210の他の構成例を示すブロック図である。
図7の中継通信局110,210は基地局タイプの中継通信局の例である。
なお、図7において、図6と同様な構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。図7の中継通信局110,210はそれぞれ、モデム部118を更に備え、リピーター部115の代わりに基地局処理部119を備える。更に、中継通信局110,210はそれぞれ、光通信部125とビーム制御部126とを備える。
モデム部118は、例えば、フィーダ局70からフィード用アンテナ部113及び送受信部114を介して受信した受信信号に対して復調処理及び復号処理を実行し、基地局処理部119側に出力するデータ信号を生成する。また、モデム部118は、基地局処理部119側から受けたデータ信号に対して符号化処理及び変調処理を実行し、フィード用アンテナ部113及び送受信部114を介してフィーダ局70に送信する送信信号を生成する。
基地局処理部119は、例えば、LTE/LTE−Advancedの標準規格に準拠した方式に基づいてベースバンド処理を行うe−NodeBとしての機能を有する。基地局処理部119は、第5世代等の将来の移動通信の標準規格に準拠する方式で処理するものであってもよい。
基地局処理部119は、例えば、3次元セル41,42に在圏する端末装置から3Dセル形成アンテナ部111及び送受信部112を介して受信した受信信号に対して復調処理及び復号処理を実行し、モデム部118側に出力するデータ信号を生成する。また、基地局処理部119は、モデム部118側から受けたデータ信号に対して符号化処理及び変調処理を実行し、3Dセル形成アンテナ部111及び送受信部112を介して3次元セル41,42の端末装置に送信する送信信号を生成する。
図8は、実施形態に係るHAPS10,20の中継通信局110,210の更に他の構成例を示すブロック図である。
図8の中継通信局110,210はエッジコンピューティング機能を有する高機能の基地局タイプの中継通信局の例である。なお、図8において、図6及び図7と同様な構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。図8の中継通信局110,210はそれぞれ、図7の構成要素に加えてエッジコンピューティング部120を更に備える。
エッジコンピューティング部120は、例えば小型のコンピュータで構成され、予め組み込まれたプログラムを実行することにより、HAPS10,20の中継通信局110,210における無線中継などに関する各種の情報処理を実行することができる。
例えば、エッジコンピューティング部120は、3次元セル41,42に在圏する端末装置から受信したデータ信号に基づいて、そのデータ信号の送信先を判定し、その判定結果に基づいて通信の中継先を切り換える処理を実行する。より具体的には、基地局処理部119から出力されたデータ信号の送信先が自身の3次元セル41,42に在圏する端末装置の場合は、そのデータ信号をモデム部118に渡さずに、基地局処理部119に戻して自身の3次元セル41,42に在圏する送信先の端末装置に送信するようにする。一方、基地局処理部119から出力されたデータ信号の送信先が自身の3次元セル41,42以外の他のセルに在圏する端末装置の場合は、そのデータ信号をモデム部118に渡してフィーダ局70に送信し、移動通信網80を介して送信先の他のセルに在圏する送信先の端末装置に送信するようにする。
エッジコンピューティング部120は、3次元セル41,42に在圏する多数の端末装置から受信した情報を分析する処理を実行してもよい。この分析結果は3次元セル41,42に在圏する多数の端末装置に送信したり、移動通信網80に設けた遠隔制御装置85、又は、遠隔制御装置としてのHAPS管理サーバやアプリケーションサーバ(アプリサーバ)等のサーバ86などに送信したりしてもよい。
中継通信局110、210を介した端末装置との無線通信の上りリンク及び下りリンクの複信方式は、特定の方式に限定されず、例えば、時分割複信(Time Division Duplex:TDD)方式でもよいし、周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)方式でもよい。また、中継通信局110、210を介した端末装置との無線通信のアクセス方式は、特定の方式に限定されず、例えば、FDMA(Frequency Division Multiple Access)方式、TDMA(Time Division Multiple Access)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、又は、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)であってもよい。また、前記無線通信には、ダイバーシティ・コーディング、送信ビームフォーミング、空間分割多重化(SDM:Spatial Division Multiplexing)等の機能を有し、送受信両方で複数のアンテナを同時に利用することにより、単位周波数当たりの伝送容量を増やすことができるMIMO(多入力多出力:Multi−Input and Multi−Output)技術を用いてもよい。また、前記MIMO技術は、1つの基地局が1つの端末装置と同一時刻・同一周波数で複数の信号を送信するSU−MIMO(Single−User MIMO)技術でもよいし、1つの基地局が複数の異なる端末装置に同一時刻・同一周波数で信号を送信又は複数の異なる基地局が1つの端末装置に同一時刻・同一周波数で信号を送信するMU−MIMO(Multi−User MIMO)技術であってもよい。
以下、端末装置と無線通信する通信中継装置が、中継通信局110を有するソーラープレーンタイプのHAPS10である場合について説明するが、以下の実施形態は、中継通信局210を有する無人飛行船タイプのHAPS20等の上空を移動可能な他の通信中継装置にも同様に適用できる。
図9は、実施形態に係るHAPS10によって形成される複数のセクタセル401〜407からなるサービスリンクの広域セル100Aの一例を示す説明図である。なお、図9は、サービスリンクにおける一つの広域セル100Aが7個のセクタセルで構成されている例を示しているが、広域セル100Aを構成するセクタセルの数は2〜6個でもよいし、8個以上であってもよい。
図10は、実施形態に係る複数のHAPSによって連続配置するように形成される複数の広域セルの一例を示す説明図である。なお、図10では、地上又は海上における広域セル100A及びそれを構成するセクタセルのフットプリント状のエリアのみ図示しているが、そのフットプリント状のエリアとHAPS10との間には円錐状又は角錐状などの立体的な形状を有する3次元的な広域セル及びセクタセルが形成されている(図11〜図13においても同様)。
図10の例では、日本列島の上空に14個のHAPS10を配置することにより、日本列島上に14個の広域セル100Aを連続配置させ、日本列島の全体にわたって上空のHAPS10を介した移動通信サービスを提供することができる。図中の日本列島内の太線は、高速鉄道である新幹線の移動経路(新幹線ルート)400を示している。
本実施形態のように、複数のHAPS10を移動可能に上空に配置する場合、その通信中継装置で地上や海上に向けて形成される複数の広域セル100Aの広域セル間又はセクタセル間のセル境界でハンドオーバーが多発して通信品質の劣化や通信の切断が発生するおそれがある。特に、上空のHAPS10で形成される複数のセクタセルが、新幹線ルート400などの高速鉄道や高速道路などの車両移動経路に沿って形成される場合、上記ハンドオーバーの多発による通信品質の劣化などが発生しやすい。
そこで、本実施形態のHAPS10が形成する複数のセクタセルは、HAPS10からのダウンリンクにおいて同一周波数により互いに時間同期した状態で同一データの信号を送信する連続配置された複数のSFN(単一周波数ネットワーク)方式のセクタセル(以下「SFNセル」ともいう。)を含んでいる。この連続配置された複数のSFNセルは、互いに時間同期した状態で例えば直交周波数分割多重(OFDM)伝送により送信されるダウンリンク信号がセクタセル間で同一になり、単一のセルとして扱われるため、セクタセル間のハンドオーバーが発生しない。また、SFNセルのセル間のセル境界エリアでは時間同期した同一データの送信信号を端末装置が受信することにより合成利得が得られるため、セル境界エリアでの干渉がなくなるとともにSINR(所要信号対干渉・雑音電力比)が高まるので、通信品質の低下を防止できる。
図11は、実施形態に係る複数のHAPSによって高速鉄道(新幹線ルート)に沿って複数のSFNセルが連続配置するように形成される複数のセクタセルの他の例を示す説明図である。図11の例では、図中のハッチングを付したSFNセルを、車両と一緒に端末装置が高速移動する高速鉄道の新幹線ルート400に沿って形成し、新幹線ルート400をSFNセルでカバーすることにより、高速鉄道の車両と一緒に端末装置が高速移動することによるハンドオーバーの多発を防止している。
更に、図11の例では、各HAPS10が形成する複数のセクタセルのすべてをSFNセルにするのではなく、ハンドオーバーが多発しやすい新幹線ルート400に沿って位置するセクタセル(図11のハッチングを付したセクタセル)のみをSFNセルとしている。そして、他のセクタセルは、互いに異なる周波数により互いに異なるデータの信号を送信するMFN(複数周波数ネットワーク)方式のセクタセル(以下、「ノーマルセル」という。)とすることにより、複数のセクタセルのすべてをSFNセルにする場合に比して、HAPS10を介した通信キャパシティの低下を抑制できる。
図12は、実施形態に係る複数のHAPS10によって高速鉄道に沿って複数のSFNセルが連続配置するように形成される複数のセクタセルの他の例を示す説明図である。図12の例では、図11とは異なり、多数の端末装置が集中する東京を中心とした関東大都市エリアをカバーするセクタセル403と、大阪を中心とした関西大都市エリアをカバーするセクタセル403を、SFNセルではなく、通信キャパシティを確保することができるノーマルセル403Nにしている。これにより、関東大都市エリア及び関西大都市エリアにおけるHAPS10を介した通信キャパシティの低下を抑制できる。
図13は、実施形態に係るHAPS10によって高速鉄道に沿って複数のSFNセルが連続配置するように形成される複数のセクタセルの更に他の例を示す説明図である。図13(a)はHAPSが回転移動する前のSFNセルを含むセクタセルの配置の一例を示す説明図であり、図13(b)は、HAPSが回転移動したときのセル切り替え制御後のSFNセルを含むセクタセルの配置の一例を示す説明図である。
図13(a)において、高速鉄道の新幹線ルート400に沿った3つのセクタセルの位置にはSFNセル401S,402S,403Sが形成され、他の4つのセクタセルの位置にはノーマルセル404N〜407Nが形成されている。この状態から、図13(b)に示すように、上空のHAPS10が図中矢印Mの下方向に移動するとともに図中矢印Rの左回転方向に約45度回転すると、2つのSFNセル401S,402Sが新幹線ルート400から外れ、2つのノーマルセル404N,405Nが新幹線ルート400に沿った位置になる。そこで、本例では、上空のHAPS10の移動及び回転の情報に基づいて、SFNセル401S,402Sをノーマルセル401N,402Nに切り替え、ノーマルセル404N,405NをSFNセル404S,405Sに切り替えるように制御している。このようにセル切り替え制御を行うことにより、HAPS10が移動したり回転したりした場合でも、新幹線ルート400に沿った位置にSFNセルを形成し、その他の位置にノーマルセルN〜407Nを形成することができ、新幹線ルート400でのハンドオーバーの多発や隣接セルからの干渉の増大による通信品質の劣化を確実に抑制することができるとともに、新幹線ルート400以外での通信キャパシティの低下を確実に防止できる。
図14は、実施形態に係るHAPS10におけるセクタセル切り替え制御の一例を示すフローチャートである。図14の例は、HAPS10が形成する複数のセクタセルそれぞれについて、セクタセル内に位置する端末装置とHAPS10の中継通信局110との間の下りのサービスリンクの無線通信のPRB(物理リソースブロック)使用率に基づいて、SFNセルとノーマルセルとの切り替えを行うセクタセル切り替え制御の例である。
図14において、HAPS10の中継通信局110は、自局が形成する複数のセクタセルのそれぞれについて、サービスリンクの無線通信のPRB(物理リソースブロック)使用率の情報を計算して取得する(S101)。PRB使用率は、当該セクタセルにおいて下りのサービスリンクで使用可能なPRBのうち、そのセクタセル内に位置する端末装置との無線通信に実際に使用されているPRBの割合である。PRB使用率の情報は、自局内に記憶されている情報を読み出して計算してもよいし、移動通信網側の装置(例えば、EPC又は遠隔制御装置85)から取得してもよい。
次に、中継通信局110は、PRB使用率と所定の第1の閾値THD1とを比較する(S102)。閾値THD1は、例えば10%であり、「SFNDLHIGHLOADTHD」というパラメータの値を用いてもよい。ここで、PRB使用率が閾値THD1よりも小さく(S102でYES)、かつ、現在のセクタセルがノーマルセルの場合(S103でYES)は、セクタセルをノーマルセルからSFNセルに切り替える(S104)。一方、PRB使用率が閾値THD1以上(S102でNO)、かつ、現在のセクタセルがSFNセルの場合(S105でYES)は、セクタセルをSFNセルからノーマルセルに切り替える(S106)。
中継通信局110は、上記セクタセルの情報(PRB)の取得、判定及びセクタセルの切り替え制御(S101〜S106)を、所定の判定周期(例えば、1〜10秒)で繰り返し実行する(S107)。
図15は、実施形態に係るHAPS10におけるセクタセル切り替え制御の他の例を示すフローチャートである。図15の例は、HAPS10が形成する複数のセクタセルそれぞれについて、セクタセル内に位置する端末装置とHAPS10の中継通信局110との間の上りのサービスリンクの無線通信のPRB(物理リソースブロック)使用率に基づいて、SFNセルとノーマルセルとの切り替えを行うセクタセル切り替え制御の例である。
図15において、HAPS10の中継通信局110は、自局が形成する複数のセクタセルのそれぞれについて、サービスリンクの無線通信のPRB(物理リソースブロック)使用率の情報を計算して取得する(S201)。
次に、中継通信局110は、PRB使用率と所定の第2の閾値THD2(上限値)及び第3の閾値THD3(下限値)とを比較する(S202,S203)。第2の閾値THD2は例えば50%であり、第3の閾値THD3は10%である。ここで、PRB使用率が閾値THD2以下で閾値THD3よりも小さく(S201でNO,S203でYES)、かつ、現在のセクタセルがノーマルセルの場合(S204でYES)は、セクタセルをノーマルセルからSFNセルに切り替える(S205)。一方、PRB使用率が閾値THD2よりも大きく(S202でYES)、かつ、現在のセクタセルがSFNセルの場合(S206でYES)は、セクタセルをSFNセルからノーマルセルに切り替える(S207)。
中継通信局110は、上記セクタセルの情報(PRB使用率)の取得、判定及びセクタセルの切り替え制御(S201〜S207)を、所定の判定周期(例えば、1〜10秒)で繰り返し実行する(S208)。
なお、図14及び図15の制御例では、セクタセルのPRB使用率に基づいてセクタセルの切り替え制御を行っているが、セクタセルのPRB使用率以外の情報に基づいてセクタセルの切り替え制御を行ってもよい。例えば、セクタセルのトラヒック量が所定の閾値以上の高トラヒックの場合にノーマルセルに切り替え、セクタセルのトラヒック量が所定の閾値よりも低い低トラヒックの場合にSFNセルに切り替えるように制御してもよい。
図16は、実施形態に係るHAPS10におけるセクタセル切り替え制御の更に他の例を示すシーケンス図である。図16の例は、遠隔制御装置85からの制御情報に基づいてHAPS10におけるセクタセル切り替えを行う遠隔制御の例である。
図15において、HAPS10の中継通信局110は、自局が形成する複数のセクタセルのそれぞれについて、サービスリンクの無線通信のPRB(物理リソースブロック)使用率などの通信情報を計算して取得し(S301)、自局の現在位置、飛行速度、飛行方向などの装置状態情報とともに、遠隔制御装置85に送信する(S302)。
遠隔制御装置85は、HAPS10の中継通信局110から受信したPRB使用率などの通信情報及びHAPS10の現在位置、飛行速度、飛行方向などの装置状態情報、前述の新幹線ルートなどの車両移動経路の位置情報などに基づいて、HAPS10が形成する各セクタセルについて、SFNセルとノーマルセルとの間のセル切り替え制御情報を決定し(S303)、そのセル切り替え制御情報をHAPS10の中継通信局110に送信する(S304)。
HAPS10の中継通信局110は、遠隔制御装置85から受信したセル切り替え制御情報に基づいて、自局が形成する各セクタセルについて、SFNセルとノーマルセルとの間のセル切り替え制御を実行する。
中継通信局110は、上記セクタセルの通信情報の取得・送信及びセクタセルの遠隔切り替え制御(S301〜S2305)を、所定の判定周期(例えば、1〜10秒)で繰り返し実行するようにしてもよい。
なお、図15の例では、遠隔制御装置85が、HAPS10の中継通信局110が形成する広域セル100A内の複数のセクタセルにおけるセル切り替えの遠隔制御を行っているが、例えば図11に例示するように複数のHAPS10間でSFNセルを構成するように遠隔制御してもよい。この場合、遠隔制御装置85は、複数のHAPS10のそれぞれが形成する複数のセクタセルについて、各種情報(例えば、PRB使用率などの通信情報、HAPS10の現在位置、飛行速度、飛行方向などの装置状態情報、新幹線ルートなどの車両移動経路の位置情報)を取得し、SFNセルとノーマルセルとの間のセル切り替え制御情報を決定する。そして、遠隔制御装置85は、決定したセル切り替え制御情報を各HAPS10の中継通信局110に送信する。
なお、上記遠隔制御装置85の機能は、互いに連携してセルを形成する複数のHAPS10の中継通信局110のいずれかに持たせてもよい。
また、上記各実施形態では、新幹線ルート400に沿って複数のSFNセルを選択的に形成した例を示したが、SFNセルを形成する位置はこれに限定されるものではない。例えば、端末装置を含む自動車などの車両が移動する移動経路としての高速道路に沿って複数のSFNセルを選択的に形成してもよい。
なお、本明細書で説明された処理工程並びにHAPS10,20等の通信中継装置の中継通信局、フィーダ局、ゲートウェイ局、管理装置、監視装置、遠隔制御装置、サーバ、端末装置(ユーザ装置、移動局、通信端末)、基地局及び基地局装置の構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
ハードウェア実装については、実体(例えば、中継通信局、フィーダ局、ゲートウェイ局、基地局、基地局装置、中継通信局装置、端末装置(ユーザ装置、移動局、通信端末)、管理装置、監視装置、遠隔制御装置、サーバ、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、前記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であれよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
10 HAPS(ソーラープレーンタイプ)
20 HAPS(飛行船タイプ)
40 セル形成目標空域
41,42,43 3次元セクタセル
50 HAPSが位置する空域
60 ドローン
61 端末装置
65 飛行機
70 フィーダ局
72 人工衛星
80 移動通信網
85 遠隔制御装置(管制センター、コントロールセンター)
86 サーバ
90 基地局(eNodeB)
100,200、300 ビーム
100A 広域セクタセル
110,210 中継通信局
401〜407 セクタセル

Claims (17)

  1. 端末装置と無線通信する通信中継装置であって、
    自律制御により又は外部からの制御により上空を移動可能な浮揚体に搭載され、前記端末装置と無線通信可能な複数のセクタセルからなる広域セルを形成する中継通信局を備え、
    前記中継通信局が形成する前記複数のセクタセルは、前記中継通信局からのダウンリンクにおいて同一周波数により互いに時間同期した状態で同一データの信号を送信する連続配置された複数のSFN(単一周波数ネットワーク)方式のセクタセルを含むことを特徴とする通信中継装置。
  2. 請求項1の通信中継装置において、
    前記複数のSFN方式のセクタセルは、端末装置を含む車両が移動する移動経路に沿って連続的に形成されていることを特徴とする通信中継装置。
  3. 請求項1又は2の通信中継装置において、
    前記中継通信局が形成する前記複数のセクタセルは、前記複数のSFN方式のセクタセルと、前記中継通信局からのダウンリンクにおいて互いに異なる周波数により互いに異なるデータの信号を送信する複数のMFN(複数周波数ネットワーク)方式のセクタセルとを含むことを特徴とする通信中継装置。
  4. 請求項3の通信中継装置において、
    前記中継通信局が形成する前記複数のセクタセルのそれぞれを前記SFN方式のセクタセルと前記MFN方式のセクタセルとの間で選択的に切り替えるセル切替手段を備えることを特徴とする通信中継装置。
  5. 請求項4の通信中継装置において、
    前記セル切替手段は、前記複数のセクタセルそれぞれにおいて、前記セクタセル内に位置する端末装置と前記中継通信局との間の無線通信のPRB(物理リソースブロック)の使用率に基づいて、前記SFN方式のセクタセルと前記MFN方式のセクタセルとの切り替えを行うことを特徴とする通信中継装置。
  6. 請求項4の通信中継装置において、
    前記セル切替手段は、前記複数のセクタセルそれぞれにおいて、前記セクタセル内に位置する端末装置との間の無線通信のトラヒック状況に基づいて、前記SFN方式のセクタセルと前記MFN方式のセクタセルとの切り替えを行うことを特徴とする通信中継装置。
  7. 端末装置と無線通信する複数の通信中継装置を備えたシステムであって、
    前記複数の通信中継装置はそれぞれ、自律制御により又は外部からの制御により上空を移動可能な浮揚体に搭載され、前記端末装置と無線通信可能な複数のセクタセルからなる広域セルを形成する中継通信局を備え、
    前記複数の通信中継装置の中継通信局が形成する複数のセクタセルは、前記中継通信局からのダウンリンクにおいて同一周波数により互いに時間同期した状態で同一データの信号を送信する連続配置された複数のSFN(単一周波数ネットワーク)方式のセクタセルを含むことを特徴とするシステム。
  8. 請求項7のシステムにおいて、
    前記複数のSFN方式のセクタセルは、前記複数の通信中継装置のうち互いに隣り合う複数の通信中継装置によって連続的に形成されていることを特徴とするシステム。
  9. 請求項7又は8のシステムにおいて、
    前記複数のSFN方式のセクタセルは、端末装置を含む車両が移動する移動経路に沿って連続的に形成されていることを特徴とするシステム。
  10. 請求項7乃至8のいずれかのシステムにおいて、
    前記複数の通信中継装置の中継通信局が形成する複数のセクタセルは、前記複数のSFN方式のセクタセルと、前記中継通信局からのダウンリンクにおいて互いに異なる周波数により互いに異なるデータの信号を送信する複数のMFN(複数周波数ネットワーク)方式のセクタセルとを含むことを特徴とするシステム。
  11. 請求項10のシステムにおいて、
    前記複数の通信中継装置の中継通信局が形成する複数のセクタセルのそれぞれを、前記複数の通信中継装置それぞれの前記中継通信局が形成するセクタセルを前記SFN方式のセクタセルと前記MFN方式のセクタセルとの間で切り替えるセル切替手段を備えることを特徴とするシステム。
  12. 請求項11のシステムにおいて、
    前記セル切替手段は、前記複数のセクタセルそれぞれにおいて、前記セクタセル内に位置する端末装置と前記中継通信局との間の無線通信のPRB(物理リソースブロック)の使用率に基づいて、前記SFN方式のセクタセルと前記MFN方式のセクタセルとの切り替えを行うことを特徴とするシステム。
  13. 請求項11のシステムにおいて、
    前記セル切替手段は、前記複数のセクタセルそれぞれにおいて、前記セクタセル内に位置する端末装置との間の無線通信のトラヒック状況に基づいて、前記SFN方式のセクタセルと前記MFN方式のセクタセルとの切り替えを行うことを特徴とするシステム。
  14. 請求項7乃至13いずれかのシステムにおいて、
    前記複数の通信中継装置を遠隔的に制御する遠隔制御装置を備え、
    前記遠隔制御装置は、前記複数の通信中継装置の少なくとも一つの通信中継装置に、前記SFN方式のセクタセルと前記MFN方式のセクタセルとの切り替えを制御するための制御情報を送信することを特徴とするシステム。
  15. 請求項7乃至13のいずれかのシステムにおける前記複数の通信中継装置を遠隔的に制御する遠隔制御装置であって、
    前記複数の通信中継装置の少なくとも一つの通信中継装置に、前記SFN方式のセクタセルと前記MFN方式のセクタセルとの切り替えを制御するための制御情報を送信することを特徴とする遠隔制御装置。
  16. 端末装置との間で無線通信を行う中継通信局が自律制御により又は外部からの制御により上空を移動可能な浮揚体に搭載された通信中継装置における前記中継通信局による複数のセクタセルからなる広域セルの形成を制御する方法であって、
    前記中継通信局からのダウンリンクにおいて同一周波数により互いに時間同期した状態で同一データの信号を送信する連続配置された複数のSFN(単一周波数ネットワーク)方式のセクタセルを含むように前記複数のセクタセルを形成することを有することを特徴とする方法。
  17. 端末装置との間で無線通信を行う中継通信局が自律制御により又は外部からの制御により上空を移動可能な浮揚体に搭載された通信中継装置における前記中継通信局による複数のセクタセルからなる広域セルの形成の制御を、コンピュータ又はプロセッサに実行させるためのプログラムであって、
    前記中継通信局からのダウンリンクにおいて同一周波数により互いに時間同期した状態で同一データの信号を送信する連続配置された複数のSFN(単一周波数ネットワーク)方式のセクタセルを含むように前記複数のセクタセルを形成するためのプログラムコードを有することを特徴とするプログラム。
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