以下、添付図面を参照して、医用情報処理システム、医用情報処理装置及び超音波診断装置の実施形態を詳細に説明する。なお、本願に係る医用画像処理装置、X線診断装置及び医用画像処理プログラムは、以下に示す実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る医用情報処理システムについて説明する。図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1は、超音波診断装置100と、X線診断装置200と、画像保管装置300と、医用情報処理装置400とを備える。超音波診断装置100と、X線診断装置200と、画像保管装置300と、医用情報処理装置400とは、ネットワーク2を介して相互に接続される。なお、図1に示す構成はあくまでも一例であり、ネットワーク2にその他の装置が接続される場合であってもよい。
超音波診断装置100は、操作者によって超音波プローブが操作され、超音波プローブによって送受信された超音波に基づいて超音波画像を生成して、生成した超音波画像をディスプレイに表示させる。X線診断装置200は、被検体に対してX線を照射することで収集される投影データに基づいてX線画像を生成して、生成したX線画像をディスプレイに表示させる。なお、超音波診断装置100及びX線診断装置200の詳細については後述する。
画像保管装置300は、超音波診断装置100やX線診断装置200等の医用画像診断装置によって収集された医用画像データを保管する装置である。例えば、画像保管装置300は、ネットワーク2を介して超音波診断装置100から超音波画像データを取得し、取得した超音波画像データを装置内又は装置外に設けられたメモリに記憶させる。また、例えば、画像保管装置300は、ネットワーク2を介してX線診断装置200からX線画像データを取得し、取得したX線画像データを装置内又は装置外に設けられたメモリに記憶させる。例えば、画像保管装置300は、サーバ装置等のコンピュータ機器によって実現される。
医用情報処理装置400は、ネットワーク2を介して医用画像データを取得し、取得した医用画像データを用いた種々の処理を実行する。例えば、医用情報処理装置400は、ネットワーク2を介して、超音波画像データやX線画像データを取得し、種々の画像処理や、表示処理を実行する。例えば、医用情報処理装置400は、ワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。なお、医用情報処理装置400の詳細については後述する。
なお、ネットワーク2を介して超音波診断装置100及びX線診断装置200と接続可能であれば、医用情報処理装置400が設置される場所は任意である。例えば、医用情報処理装置400は、超音波診断装置100及びX線診断装置200と異なる場所に設置されてもよい。即ち、ネットワーク2は、院内で閉じたローカルネットワークにより構成されてもよいし、インターネットを介したネットワークでもよい。
ここで、本実施形態においては、医用情報処理装置400が各種処理を実行する場合について説明する。具体的には、医用情報処理装置400が、超音波画像とX線画像とを受信して、画像間の位置合わせを行い、その後の各種処理を実行することで、超音波診断装置100とX線診断装置200とを同時に用いた手技の効率を向上させる場合について説明する。なお、以下で説明する各種処理は、医用情報処理システム1におけるいずれの装置で実行される場合でもよく、複数の処理が異なる装置で分散して実行される場合であってもよい。
以下、超音波診断装置100、X線診断装置200及び医用情報処理装置400の詳細について説明する。図2は、第1の実施形態に係る超音波診断装置100の構成の一例を示す図である。図2に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置100は、超音波プローブ100aと、入力インターフェース100bと、ディスプレイ100cと、装置本体100dとを有する。超音波プローブ100a、入力インターフェース100b及びディスプレイ100cは、装置本体100dと通信可能に接続される。
超音波プローブ100aは、複数の圧電振動子を有し、これら複数の圧電振動子は、装置本体100dが有する送受信回路110から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ100aは、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。すなわち、超音波プローブ100aは、被検体Pに対して超音波走査を行って、被検体Pから反射波を受信する。また、超音波プローブ100aは、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。なお、超音波プローブ100aは、プローブコネクタを介して装置本体100dと着脱自在に接続される。
超音波プローブ100aから被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ100aが有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
ここで、本実施形態における超音波プローブ100aは、被検体の体表上で操作される超音波プローブ又は被検体の体腔内に挿入されて体腔内で操作される超音波プローブ(体腔内プローブ)である。例えば、超音波プローブ100aは、被検体の胸部の体表上で操作され、左室、左房、大動脈、僧帽弁、大動脈弁などを走査することができる経胸壁心エコー(TTE:Transthoracic echocardiography)プローブである。また、例えば、超音波プローブ100aは、食道内で操作され、左室、左房、大動脈、僧帽弁、大動脈弁などを走査することができる経食道心エコー(TEE:Transesophageal echocardiography)プローブである。なお、TEEプローブは、リアルタイムに3次元の超音波画像データを収集することができる。
入力インターフェース100bは、所定の位置(例えば、関心領域等)の設定等を行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチモニタ、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。入力インターフェース100bは、後述する処理回路150に接続されており、操作者から受け付けた入力操作を電気信号へ変換し処理回路150へと出力する。なお、本明細書において入力インターフェース100bは、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路150へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。
ディスプレイ100cは、超音波診断装置100の操作者が入力インターフェース100bを用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体100dにおいて生成された超音波画像等を表示したりする。また、ディスプレイ100cは、装置本体100dの処理状況や処理結果を操作者に通知するために、各種のメッセージや表示情報を表示する。また、ディスプレイ100cは、スピーカーを有し、音声を出力することもできる。また、ディスプレイ100cは、医用情報処理装置400から受信した画像等を表示することもできる。
装置本体100dは、超音波プローブ100aが受信した反射波信号に基づいて超音波画像データを生成する装置である。例えば、装置本体100dは、超音波プローブ100aが受信した2次元の反射波データ(エコーデータ)に基づいて2次元の超音波画像データを生成する。また、装置本体100dは、超音波プローブ100aが受信した3次元の反射波データに基づいて3次元の超音波画像データ(ボリュームデータ)を生成する。そして、装置本体100dは、生成した超音波画像データから表示用の超音波画像を生成する。
例えば、装置本体100dは、図2に示すように、送受信回路110と、Bモード処理回路120と、ドプラ処理回路130と、記憶回路140と、処理回路150と、通信インターフェース160とを有する。送受信回路110、Bモード処理回路120、ドプラ処理回路130、記憶回路140、処理回路150、及び、通信インターフェース160は、互いに通信可能に接続される。また、装置本体100dは、ネットワーク2に接続される。なお、ネットワーク2は院内LAN等であり、超音波診断装置100は、ネットワーク2を介して院内LANに接続された種々の装置と通信接続される。
送受信回路110は、パルス発生器、送信遅延部、パルサ等を有し、超音波プローブ100aに駆動信号を供給する。パルス発生器は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、送信遅延部は、超音波プローブ100aから発生される超音波をビーム状に集束し、かつ送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルス発生器が発生する各レートパルスに対し与える。また、パルサは、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ100aに駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、送信遅延部は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面から送信される超音波の送信方向を任意に調整する。
また、送受信回路110は、プリアンプ、A/D(Analog/Digital)変換器、受信遅延部、加算器等を有し、超音波プローブ100aが受信した反射波信号に対して各種処理を行って反射波データを生成する。プリアンプは、反射波信号をチャネルごとに増幅する。A/D変換器は、増幅された反射波信号をA/D変換する。受信遅延部は、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、受信遅延部によって処理された反射波信号の加算処理を行って反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
Bモード処理回路120は、送受信回路110から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行って、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
ドプラ処理回路130は、送受信回路110から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。具体的には、ドプラ処理回路130は、移動体の運動情報として、平均速度、平均分散値、平均パワー値等を、複数のサンプル点それぞれでドプラデータを生成する。ここで、移動体とは、例えば、血流や、心壁等の組織、造影剤である。ドプラ処理回路130は、血流の運動情報(血流情報)として、血流の平均速度、血流の平均分散値、血流の平均パワー値等を、複数のサンプル点それぞれで推定した情報を生成する。
なお、図2に例示するBモード処理回路120及びドプラ処理回路130は、2次元の反射波データ及び3次元の反射波データの両方について処理可能である。すなわち、Bモード処理回路120は、2次元の反射波データから2次元のBモードデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のBモードデータを生成する。また、ドプラ処理回路130は、2次元の反射波データから2次元のドプラデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のドプラデータを生成する。
記憶回路140は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディマーク等の各種データを記憶する。また、記憶回路140は、各種の画像データを記憶する。例えば、記憶回路140は、Bモード処理回路120及びドプラ処理回路130により生成されたデータも記憶する。また、記憶回路140は、反射波データも記憶することができる。例えば、記憶回路140は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク又は光ディスクによって実現される。
処理回路150は、超音波診断装置100の処理全体を制御する。具体的には、処理回路150は、入力インターフェース100bを介して操作者から入力された各種設定要求や、記憶回路140から読み込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信回路110、Bモード処理回路120、ドプラ処理回路130の処理を制御する。また、処理回路150は、記憶回路140が記憶する表示用の超音波画像をディスプレイ100cや、入力インターフェース100bにおけるタッチモニタ等にて表示するように制御する。
処理回路150は、制御機能151と、画像生成機能152と、送受信機能153と、表示制御機能154とを実行する。ここで、例えば、処理回路150の構成要素である制御機能151、画像生成機能152、送受信機能153及び表示制御機能154が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路140に記憶されている。処理回路150は、各プログラムを記憶回路140から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路150は、処理回路150内に示された各機能を有することとなる。
通信インターフェース160は、ネットワーク2に接続された各種の装置と通信を行うためのインターフェースである。例えば、処理回路150は、通信インターフェース160によって、X線診断装置200や、医用情報処理装置400等との間で各種データのやり取りを行うことができる。
制御機能151は、超音波診断装置100の全体を制御する。例えば、制御機能151は、送受信回路110、Bモード処理回路120及びドプラ処理回路130を制御して、反射波データの収集と、Bモードデータ及びドプラデータの生成とを制御する。すなわち、制御機能151は、超音波プローブ100aを介して、被検体に対する2次元超音波スキャン及び3次元超音波スキャンを実行させる。なお、制御機能151は、収集部の一例である。
画像生成機能152は、Bモード処理回路120及びドプラ処理回路130が生成したデータから超音波画像データを生成する。すなわち、画像生成機能152は、Bモード処理回路120が生成した2次元のBモードデータから反射波の強度を輝度で表した2次元Bモード画像データを生成する。また、画像生成機能152は、ドプラ処理回路130が生成した2次元のドプラデータから移動体情報を表す2次元ドプラ画像データを生成する。また、画像生成機能152は、Bモード処理回路120が生成した1走査線上のBモードデータの時系列データから、Mモード画像データを生成することも可能である。また、画像生成機能152は、ドプラ処理回路130が生成したドプラデータから、血流や組織の速度情報を時系列に沿ってプロットしたドプラ波形を生成することも可能である。
ここで、画像生成機能152は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像を生成する。具体的には、画像生成機能152は、超音波プローブ101による超音波の走査形態に応じて座標変換を行うことで、表示用の超音波画像を生成する。また、画像生成機能152は、スキャンコンバート以外の種々の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)等を行う。また、画像生成機能152は、超音波画像に、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディマーク、種々のマーカ等を合成する。
さらに、画像生成機能152は、Bモード処理回路120が生成した3次元のBモードデータに対して座標変換を行うことで、3次元Bモード画像データを生成する。また、画像生成機能152は、ドプラ処理回路130が生成した3次元のドプラデータに対して座標変換を行うことで、3次元ドプラ画像データを生成する。すなわち、画像生成機能152は、「3次元Bモード画像データや3次元ドプラ画像データ」を「3次元超音波画像データ(ボリュームデータ)」として生成する。また、画像生成機能152は、3次元Bモード画像データや、3次元ドプラ画像データに対して多断面変換を行うことで、MPR画像を生成したり、3次元Bモード画像データや、3次元ドプラ画像データに対してボリュームレンダリング処理を行うことで、ボリュームレンダリング画像を生成したりする。なお、本明細書においては、上述した表示用の超音波画像、3次元超音波画像データ(ボリュームデータ)、ボリュームデータから生成した各画像等をまとめて超音波画像と記す場合がある。
送受信機能153は、通信インターフェース160を介して、表示用の超音波画像、3次元超音波画像データ(ボリュームデータ)、ボリュームデータから生成した各画像等をネットワーク2に接続された各装置(X線診断装置200や、医用情報処理装置400等)に送信する。また、送受信機能153は、ネットワーク2に接続された各装置から画像等を受信する。
表示制御機能154は、制御機能151によって実行された計測処理等の各種処理の処理結果をディスプレイ100cに表示させるように制御する。また、表示制御機能154は、画像生成機能152によって生成された超音波画像等をディスプレイ100cに表示させるように制御する。また、表示制御機能154は、医用情報処理装置400から受信した画像等をディスプレイ100cに表示させるように制御することもできる。
次に、第1の実施形態に係るX線診断装置の構成について説明する。図3は、第1の実施形態に係るX線診断装置200の構成の一例を示す図である。図3に示すように、第1の実施形態に係るX線診断装置200は、X線高電圧装置201と、X線管202と、X線絞り203と、天板204と、Cアーム205と、X線検出器206と、Cアーム回転・移動機構207と、天板移動機構208と、Cアーム・天板機構制御回路209と、絞り制御回路210と、処理回路220と、入力インターフェース230と、ディスプレイ240と、記憶回路250と、通信インターフェース260を有する。
図1に示すX線診断装置200においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路250へ記憶されている。Cアーム・天板機構制御回路209、絞り制御回路210、及び、処理回路220は、記憶回路250からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の各回路は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
X線高電圧装置201は、処理回路220による制御の下、高電圧を発生し、発生した高電圧をX線管202に供給する高電圧電源である。X線管202は、X線高電圧装置201から供給される高電圧を用いて、X線を発生する。
X線絞り203は、絞り制御回路210による制御の下、X線管202が発生したX線を、被検体Pの関心領域に対して選択的に照射されるように絞り込む。例えば、X線絞り203は、スライド可能な4枚の絞り羽根を有する。X線絞り203は、絞り制御回路20による制御の下、これらの絞り羽根をスライドさせることで、開口の形状、サイズ、位置を任意に変化させる。また、X線絞り203は、線質を調整するための付加フィルタを備えることができる。
天板204は、被検体Pを載せるベッドであり、図示しない寝台装置の上に配置される。X線検出器206は、被検体Pを透過したX線を検出する。例えば、X線検出器206は、マトリックス状に配列された検出素子を有する。各検出素子は、被検体Pを透過したX線を電気信号に変換して蓄積し、蓄積した電気信号を処理回路220に送信する。
Cアーム205は、X線管202、X線絞り203及びX線検出器206を保持する。X線管202及びX線絞り203と、X線検出器206とは、Cアーム205により被検体Pを挟んで対向するように配置される。なお、図3では、X線診断装置200がシングルプレーンの場合を例に挙げて説明しているが、実施形態はこれに限定されるものではなく、バイプレーンの場合であってもよい。Cアーム15は、支持器に設けられたモータなどのアクチュエータにより、複数の軸で個別に回転する。
Cアーム回転・移動機構207は、支持器に設けられたモータなどを駆動することによって、Cアーム205を回転及び移動させるための機構である。天板移動機構208は、天板204を移動させるための機構である。例えば、天板移動機構208は、アクチュエータが発生させた動力を用いて、天板204を移動させる。
Cアーム・天板機構制御回路209は、処理回路220による制御の下、Cアーム回転・移動機構207及び天板移動機構208を制御することで、Cアーム205の回転や移動、天板204の移動を調整する。絞り制御回路210は、処理回路220による制御の下、X線絞り203が有する絞り羽根の開度を調整することで開口の形状、サイズ、位置を変化させ、被検体Pに対して照射されるX線の照射範囲を制御する。
入力インターフェース230は、所定の領域(例えば、ROI)などの設定などを行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等や、X線の照射などを行うためのフットスイッチ等によって実現される。
入力インターフェース230は、処理回路220に接続されており、操作者から受け付けた入力操作を電気信号へ変換し処理回路220へと出力する。なお、本明細書において入力インターフェース230は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路220へ出力する処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。
ディスプレイ240は、操作者の指示を受け付けるためのGUIや、処理回路220によって生成された種々の画像を表示する。また、ディスプレイ240は、処理回路220の処理状況や処理結果を操作者に通知するために、各種のメッセージや表示情報を表示する。また、ディスプレイ240は、スピーカーを有し、音声を出力することもできる。また、ディスプレイ240は、超音波診断装置100や、医用情報処理装置400から受信した画像等を表示することもできる。
記憶回路250は、処理回路220によって生成された画像データを受け付けて記憶する。また、記憶回路250は、処理回路220によって生成されたX線画像や、ボリュームデータ、超音波診断装置100や、医用情報処理装置400から受信した画像等を記憶する。また、記憶回路250は、図1に示す各回路によって読み出されて実行される各種機能に対応するプログラムを記憶する。例えば、記憶回路250は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク又は光ディスクによって実現される。
処理回路21は、X線診断装置200全体の動作を制御する。具体的には、処理回路21は、収集機能221、画像処理機能222、送受信機能223及び制御機能224を実行する。収集機能221は、X線検出器206によってX線から変換された電気信号を用いて画像データを生成し、生成した画像データを記憶回路250に格納する。一例を挙げると、収集機能221は、X線検出器206から受信した電気信号に対して、電流・電圧変換やA(Analog)/D(Digital)変換、パラレル・シリアル変換をそれぞれ行い、電気信号に基づく投影データをそれぞれ生成する。そして、収集機能221は、生成した投影データを記憶回路250に格納する。なお、収集機能221は、回転撮影によって収集した投影データを用いて再構成データ(ボリュームデータ)を再構成して、再構成したボリュームデータを記憶回路250に格納することもできる。
画像処理機能222は、投影データに対する画像処理や、解析処理などを制御する。一例を挙げると、画像処理機能222は、記憶回路250が記憶する投影データに対して各種画像処理を行うことでX線画像を生成する。或いは、画像処理機能222は、収集機能221から直接投影データを取得し、取得した投影データに対して各種画像処理を行うことでX線画像を生成する。
なお、画像処理機能222は、画像処理後のX線画像を、記憶回路250に格納することも可能である。例えば、画像処理機能222は、移動平均(平滑化)フィルタ、ガウシアンフィルタ、メディアンフィルタ、リカーシブフィルタ、バンドパスフィルタなどの画像処理フィルタによる各種処理を実行することが可能である。さらに、画像処理機能222は、ボリュームデータから3次元画像を生成することも可能である。なお、本明細書においては、上述したX線画像、再構成データ(ボリュームデータ)、ボリュームデータから生成した3次元画像等をまとめてX線画像と記す場合がある。
送受信機能223は、通信インターフェース260を介して、X線画像をネットワーク2に接続された各装置(超音波診断装置100や、医用情報処理装置400等)に送信する。また、送受信機能153は、ネットワーク2に接続された各装置から画像等を受信する。
制御機能224は、入力インターフェース230から転送された操作者の指示に従ってX線高電圧装置201を制御し、X線管202に供給する電圧を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線量やON/OFFを制御する。また、例えば、制御機能224は、操作者の指示に従ってCアーム・天板機構制御回路209を制御し、Cアーム205の回転や移動、天板204の移動を調整する。
また、制御機能224は、操作者の指示に従って絞り制御回路210を制御し、X線絞り203が有する絞り羽根の開度を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線の照射範囲を制御する。また、制御機能224は、操作者の指示を受け付けるためのGUIや記憶回路250が記憶する画像、処理回路220による処理結果などを、ディスプレイ240に表示するように制御する。また、制御機能224は、超音波診断装置100や、医用情報処理装置400から受信した画像等をディスプレイ240に表示させるように制御する。
通信インターフェース260は、ネットワーク2に接続された各種の装置と通信を行うためのインターフェースである。例えば、処理回路220は、通信インターフェース260によって、超音波診断装置100や、医用情報処理装置400等との間で各種データのやり取りを行うことができる。
次に、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400の構成について説明する。図4は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400の構成の一例を示す図である。図4に示すように、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、通信インターフェース410と、記憶回路420と、入力インターフェース430と、ディスプレイ440と、処理回路450とをし、ネットワーク2に接続される。
通信インターフェース410は、ネットワーク2に接続された各種の装置と通信を行うためのインターフェースである。例えば、処理回路450は、通信インターフェース410によって、超音波診断装置100や、X線診断装置等との間で各種データのやり取りを行うことができる。
記憶回路420は、医用情報処理装置400における各種処理を行なうための制御プログラムや、各種の画像等を記憶する。例えば、記憶回路420は、超音波診断装置100から受信した超音波画像や、X線診断装置200から受信したX線画像を記憶する。また、例えば、記憶回路420は、処理回路450による処理結果を記憶する。なお、記憶回路22が記憶するデータは、ネットワーク2を経由して、超音波診断装置100や、X線診断装置200などに送信される。例えば、記憶回路420は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク又は光ディスクによって実現される。
入力インターフェース430は、入力操作を行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチモニタ、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。入力インターフェース430は、処理回路450に接続されており、操作者から受け付けた入力操作を電気信号へ変換し処理回路450へと出力する。なお、本明細書において入力インターフェース430は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路450へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。
ディスプレイ440は、医用情報処理装置400の操作者が入力インターフェース430を用いて各種要求を入力するためのGUIを表示したり、処理回路450の処理結果などを操作者に通知するための各種のメッセージや表示情報を表示したりする。また、ディスプレイ440は、超音波診断装置100から受信した超音波画像や、X線診断装置から受信したX線画像等を表示する。また、ディスプレイ440は、スピーカーを有し、音声を出力することもできる。
処理回路450は、医用情報処理装置400の処理全体を制御する。具体的には、処理回路450は、制御機能451と、送受信機能452と、位置合わせ機能453と、画像処理機能454と、制御情報生成機能455とを実行する。
ここで、例えば、処理回路450の構成要素である制御機能451、送受信機能452、位置合わせ機能453、画像処理機能454、及び、制御情報生成機能455が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路420に記憶されている。処理回路450は、各プログラムを記憶回路420から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路450は、処理回路450内に示された各機能を有することとなる。
制御機能451は、医用情報処理装置400の全体を制御する。例えば、制御機能451は、入力インターフェース430を介して操作者から入力された各種設定要求に対応する各種処理を制御する。また、制御機能451は、超音波診断装置100から受信した超音波画像や、X線診断装置200から受信したX線画像、処理回路450の処理によって生成された画像等をディスプレイ440にて表示するように制御する。例えば、制御機能451は、リアルタイムの超音波画像とリアルタイムのX線画像の動画像をディスプレイ440に表示させる。また、制御機能451は、超音波画像、X線画像、及び、処理回路450の処理によって生成された画像等を、送受信機能452によって超音波診断装置100やX線診断装置200に送信させることで、超音波診断装置100のディスプレイ100cや、X線診断装置200のディスプレイ240にて画像を表示させたり、各装置に処理を実行させたりする。
送受信機能452は、通信インターフェース410を介して、超音波画像や、X線画像を受信する。また、送受信機能452は、処理回路450の処理によって生成された画像や、制御情報などを超音波診断装置100や、X線診断装置200などに送信する。
位置合わせ機能453は、送受信機能452によって受信された超音波画像とX線画像との位置合わせを実行する。また、画像処理機能454は、送受信機能452によって受信された超音波画像とX線画像に対する各種画像処理を実行する。例えば、画像処理機能454は、超音波診断装置100から受信した3次元超音波画像データ(ボリュームデータ)に対して画像処理を施すことで、MPR画像やボリュームレンダリング画像等を生成する。なお、制御機能451は、これらの画像をリアルタイムで表示させることができる。また、制御情報生成機能455は、超音波診断装置100や、X線診断装置200を制御するための制御情報を生成する。なお、これら各機能の詳細については、後述する。
ここで、制御機能451は、取得部、表示制御部及び制御部の一例である。また、位置合わせ機能453は、位置合わせ部の一例である。また、画像処理機能454は、生成部の一例である。また、制御情報生成機能455は、決定部の一例である。
以上、超音波診断装置100、X線診断装置200、及び、医用情報処理装置400の構成について説明した。かかる構成のもと、処理回路450の各機能による処理によって、超音波診断装置100とX線診断装置200とを同時に用いた手技の効率を向上させる。具体的には、処理回路450は、超音波画像とX線画像との位置合わせを行ったのちの画像表示、支援情報表示、診断装置制御について、種々の処理を行うことで、手技の効率を向上させる。
ここで、本願の手法は、超音波診断装置100による超音波画像の収集とX線診断装置200によるX線画像の収集とが同時に行われ、それらの画像を観察しながら実施される種々の手技に適用することができる。例えば、本願の手法は、医用デバイスを用いた心臓弁などの治療に適用することができる。以下、本願の手法が適用される手技の一例について、図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態に係る手技の一例を説明するための図である。
例えば、本願の手法は、図5に示すように、医用デバイスを用いた僧帽弁の治療に適用することができる。かかる手技では、食道に挿入され、食道内で超音波を送受信する超音波プローブ(TEEプローブ)を備えた超音波診断装置100によって超音波画像が収集され、同時にX線診断装置200によってX線画像が収集される。ここで、手技を実施する術者は、リアルタイムの超音波画像とリアルタイムのX線画像とを観察しながら医用デバイスを進め、領域R1で示す心房中隔を貫通させて領域R2で示す僧帽弁に医用デバイスを到達させる。このような手技においては、術者は、心臓の周囲を広範囲で描出できるX線画像を観察することで医用デバイスと対象部位との位置関係を把握し、対象部位がより明瞭に描出される超音波画像を観察することで正確な治療を行うことができる。
本願の手法は、このような手技の効率を向上させるため、超音波画像とX線画像との位置合わせを行ったのち、画像表示、支援情報表示、診断装置制御について種々の処理を行う。以下、種々の処理の詳細について説明する。なお、以下では、画像表示、支援情報表示、診断装置制御について、順に説明する。
まず、本実施形態に係る位置合わせについて説明する。本実施形態に係る位置合わせは、超音波画像とX線画像とを位置合わせすることができる方法であれば、どのような方法を用いてもよい。例えば、位置合わせ機能453は、超音波プローブ100aの構造を示す3次元モデルを用いた位置合わせを行うことができる。かかる場合には、位置合わせ機能453は、受信したX線画像に描出された超音波プローブ100aと、3Dモデルを種々の方向から投影したモデル図とをそれぞれマッチングさせることで、X線画像を収集したX線座標系における超音波プローブ100aの位置と向きを特定する。そして、位置合わせ機能453は、当該超音波プローブ100aによって収集される超音波画像の超音波座標系とX線座標系とを対応付けることで、超音波画像とX線画像との位置合わせを実行する。
なお、上述した位置合わせの例はあくまでも一例であり、その他種々の位置合わせを実行する場合でもよい。例えば、位置合わせ機能453は、超音波画像及びX線画像から解剖学的な特徴点を抽出し、抽出した解剖学的な特徴点に基づいて、超音波画像とX線画像との位置合わせを実行する。一例を挙げると、位置合わせ機能453は、TEEプローブによって収集された3次元超音波画像データ(ボリュームデータ)に含まれる解剖学的な特徴点と、X線画像に含まれる解剖学的な特徴点とをマッチングすることで、超音波座標系とX線座標系とを対応付ける。また、磁場内での位置と向きを検出することができる位置センサが超音波プローブ100aに備えられ、この位置センサを用いて位置合わせが実行される場合でもよい。
ここで、超音波画像とX線画像との位置合わせに両方の画像を用いる場合、位置合わせ機能453は、リアルタイムで経時的に収集される超音波画像群と、リアルタイムで経時的に収集されるX線画像とから、略同一時刻に収集された画像を抽出する。すなわち、位置合わせ機能453は、送受信機能452によって順次受信される超音波画像群(ボリュームデータ群)と、X線画像群とから、略同一時刻に収集された画像をそれぞれ抽出し、抽出した画像を用いて位置合わせを実行する。
一例を挙げると、制御機能451が、リアルタイムで収集される超音波画像とX線画像とをディスプレイ440にて動画像表示させている際に、操作者が入力インターフェースを介して位置合わせを開始させるための操作を実行すると、位置合わせ機能453は、超音波画像群(ボリュームデータ群)と、X線画像群とから、略同一時刻に収集された画像をそれぞれ抽出し、抽出した画像を用いて位置合わせを実行する。ここで、制御機能451が、リアルタイムで継続して収集される超音波画像及びX線画像をディスプレイ440にて引き続き動画像表示させる。すなわち、位置合わせ機能453は、バックグラウンドで超音波画像とX線画像の位置合わせを実行することができる。
なお、位置合わせ機能453は、リアルタイムの位置合わせが可能であり、例えば、超音波プローブ100aが動いた場合、リアルタイムで再度位置合わせを行う。かかる場合には、例えば、位置合わせ機能453は、リアルタイムで収集されるX線画像において超音波プローブ100aの位置をトラッキングしておき、超音波プローブ100aの位置が移動した場合には、再度位置合わせを行う。
上述したように、位置合わせ機能453が、超音波画像とX線画像との位置合わせを実行することで、超音波座標系とX線座標系とを対応付ける。制御機能451、画像処理機能454及び制御情報生成機能455は、この位置合わせ結果を用いて、画像表示、支援情報表示、診断装置制御の各種処理を実行する。
(画像表示)
以下、第1の実施形態に係る画像表示の処理について説明する。例えば、制御機能451は、位置合わせ結果に基づいて、略同一方向の超音波画像及びX線画像を、略同一方向であることを識別可能に並列表示させる。超音波診断装置100によって収集されたリアルタイムの超音波画像とX線診断装置200によって収集されたリアルタイムのX線画像とを単に表示させた場合、異なる方向の画像が表示される可能性が高い。そこで、本実施形態に係る制御機能451は、位置合わせ結果を用いて、略同一方向の超音波画像及びX線画像を並列表示させる。
かかる場合には、例えば、画像処理機能454が、位置合わせ結果に基づいて、経時的に順次収集される3次元超音波画像データからX線画像と略同一方向の超音波画像を順次生成する。そして、制御機能451は、順次生成される超音波画像と、順次収集されるX線画像とを並列表示させる。ここで、制御機能451は、超音波画像とX線画像とを自装置のディスプレイ440に表示させることもできるが、X線診断装置200のディスプレイ240や、超音波診断装置100のディスプレイ100cに表示させることもできる。
図6Aは、第1の実施形態に係る画像表示の一例を示す図である。図6Aに示すように、制御機能451は、例えば、治療対象が明瞭に示された超音波画像と、超音波画像と略同一方向のX線画像とをディスプレイ240に表示させる。ここで、制御機能451は、両画像が略同一方向の画像であることを識別可能に表示させる。例えば、制御機能451は、図6Aに示すように、両画像が略同一方向の画像であることを示すために、超音波画像とX線画像とを隣接させて表示させる。なお、両画像が略同一方向の画像であることを示すための手法は、上述した例に限られず、例えば、記号や、マーク、文字を表示させる場合であってもよい。
また、制御機能451は、両画像のサイズを略同一となるように並列表示させる。すなわち、制御機能451は、図6Aに示すように、医用デバイスのサイズが略同一となるように、超音波画像又はX線画像のサイズを調整して表示させる。これにより、例えば、医用デバイスが操作された場合に、医用デバイスが両画像で同様に移動されることとなり、観察しやすい画像を表示させることができる。
なお、上述した例では、X線画像と略同一の方向の超音波画像を3次元超音波画像データから生成する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、超音波画像と略同一方向のX線画像を収集するために、X線診断装置200を制御する場合であってもよい。かかる場合には、例えば、制御情報生成機能455は、位置合わせ結果に基づいて、超音波画像と略同一方向のX線画像を収集するようにCアーム205を制御するための制御情報を生成する。
一例を挙げると、制御情報生成機能455は、Cアーム205をどの方向にどの程度移動させるかを示す情報を生成する。制御機能451は、制御情報生成機能455によって生成された制御情報を、送受信機能452を介してX線診断装置200に送信させる。X線診断装置200は、医用情報処理装置400から制御情報を受信すると、制御情報に基づく制御を実行するか否かを操作者に提示し、実行する旨の操作を受け付けた場合に、制御情報に基づいてCアーム205を移動させる。
また、上述した例では、超音波画像とX線画像を1組表示させる場合について説明した。しかしながら、X線診断装置200がバイプレーンである場合、超音波画像とX線画像を1組表示させる場合であってもよい。図6Bは、第1の実施形態に係る画像表示の一例を示す図である。例えば、制御機能451は、図6Bに示すように、略同一方向の超音波画像とX線画像とを隣接させて、それぞれ表示させる。すなわち、画像処理機能454が、バイプレーンで収集された2つのX線画像に対して略同一方向となる2つ超音波画像を3次元超音波画像データから生成する。制御機能451は、略同一方向の超音波画像とX線画像とを隣接させて、それぞれ表示させる。
なお、制御機能451は、超音波画像とX線画像との組だけでなく、一方の画像のみをさらに表示させる場合でもよい。例えば、制御機能451は、図6Aに示す1組の超音波画像とX線画像に加えて、さらに、超音波画像を表示させることもできる。一例を挙げると、画像処理機能454が、図6Aに示す画像の方向に直交する方向の超音波画像をさらに生成し、制御機能451が、図6Aに示す1組の超音波画像とX線画像に加えて、生成された超音波画像を表示させる。
次に、X線画像上に超音波画像の情報を合成した合成画像を表示させる例について説明する。例えば、画像処理機能454は、位置合わせ結果に基づいて、超音波画像に基づく複数の情報をX線画像上にそれぞれ示した複数の合成画像を生成する。そして、制御機能451は、入力インターフェース430を介した操作者による切替操作に応じて、複数の合成画像を切り替えて表示させる。図7は、第1の実施形態に係る合成画像の表示の一例を示す図である。
例えば、画像処理機能454は、図7の上段の図に示すように、超音波プローブ100aによるスキャン範囲を示す領域R3をX線画像に示した合成画像を生成する。かかる場合には、画像処理機能454は、超音波プローブ100aによるスキャン範囲の情報を超音波診断装置100から取得する。そして、画像処理機能454は、取得したスキャン範囲の情報と、位置合わせ結果とに基づいて、X線画像に領域R3を示した合成画像を生成する。
また、例えば、画像処理機能454は、図7の中段の図に示すように、位置合わせ結果に基づいて、X線画像の対応する位置に超音波画像I1を合成した合成画像を生成する。かかる場合には、画像処理機能454は、位置合わせ結果に基づいて、X線画像と略同一方向の超音波画像I1を生成し、生成した超音波画像I1をX線画像の対応する位置に合成する。
また、例えば、画像処理機能454は、図7の下段の図に示すように、位置合わせ結果に基づいて、X線画像上に治療対象や、医用デバイスの通過点等を示すマークM1を合成した合成画像を生成する。かかる場合には、まず、操作者が、入力インターフェース430を介して、リアルタイムで表示されている超音波画像上で治療対象などにマークM1を設定する。画像処理機能454は、位置合わせ結果に基づいて、超音波画像上に設定されたマークM1のX線画像における位置を特定する。そして、画像処理機能454は、X線画像上の特定した位置にマークM1を示す情報を合成する。
上述したように、画像処理機能454が複数の合成画像を生成すると、制御機能451は、入力インターフェース430を介した操作者による切替操作に応じて、生成された合成画像をディスプレイ440に表示させる。
次に、超音波画像の向きを識別可能にした合成画像を表示させる例について説明する。例えば、X線画像に超音波画像のスキャン範囲を合成する場合や、X線画像に超音波画像を合成する場合、超音波画像の向き(超音波画像の表裏)を識別することが困難となる場合がある。そこで、制御機能451は、X線画像に超音波画像に基づく情報を合成する場合に、超音波画像の向きを識別可能にした合成画像を表示させる。図8は、第1の実施形態に係る合成画像の表示の一例を示す図である。
例えば、制御機能451は、図8に示すように、超音波プローブ100aによるバイプレーンのスキャン断面P1及びP2をX線画像に合成した合成画像を表示させ、各断面に対応する超音波画像を表示させる場合に、各超音波画像の断面の向きが識別可能となるように表示させる。一例を挙げると、制御機能451は、図8に示すように、スキャン断面P1の左端と右端及びスキャン断面P2の左端と右端にそれぞれ異なる色を付けて表示させる。これにより、操作者は、表示された各超音波画像がどの向きでスキャンされたものであるかを一目で識別することができる。なお、超音波画像の向きを識別するための情報は、色に限られず、例えば、記号やマーク、文字などが用いられる場合であってもよい。また、図8の例では、スキャン断面の両端に色を付ける場合について示したが、どちらか一方に色やマークなどを付ける場合でもよい。
ここで、本実施形態に係る位置合わせ機能453が、リアルタイムで位置合わせを行うことができることから、超音波プローブ100aの動きや、スキャン範囲の変化に追従して、合成画像におけるスキャン範囲や超音波画像の位置を変化させることができる。例えば、位置合わせ機能453は、リアルタイムで収集されるX線画像において超音波プローブ100aの位置をトラッキングしておき、超音波プローブ100aが操作されて位置が変化した場合、或いは、超音波の送受信面の向きが機械的に変化した場合には、再度位置合わせを行う。画像処理機能454は、再度実行された位置合わせ結果に基づいて、合成画像におけるスキャン範囲や超音波画像の位置を変化させる。
また、画像処理機能454は、超音波のビームの方向が変更されることによるスキャン範囲の変更の情報を超音波診断装置100から受信し、受信した情報に基づいて、合成画像におけるスキャン範囲や超音波画像の位置を変化させる。
なお、位置合わせ機能453による位置合わせの処理が失敗した場合には、制御機能451は、合成画像を非表示にする、或いは、位置合わせが失敗したことを示す情報を表示させる。
次に、複数のスキャン断面の超音波画像からX線画像に合成する超音波画像を選択する例について説明する。例えば、超音波画像が複数のスキャン断面で収集される場合、画像処理機能454は、複数断面で収集された超音波画像群から所定の面を選択して、選択した所定の面をX線画像上に合成した合成画像を生成する。図9は、第1の実施形態に係る合成画像に合成される超音波画像の選択の一例を説明するための図である。なお、図9においては、バイプレーンで2断面の超音波画像が収集される場合について示す。
例えば、画像処理機能454は、図9に示すように、スキャン断面P1及びP2のうち、奥行方向に重ならない面を選択して、選択した面を合成した合成画像を生成する。一例を挙げると、画像処理機能454は、図9に示すように、スキャン断面P1のみ、スキャン断面P2のみ、スキャン断面P1とP2において断面が交差する位置から手前側にある領域のみ、或いは、スキャン断面P1とP2において断面が交差する位置から奥側にある領域のみを選択する。そして、画像処理機能454は、選択した断面に対応する超音波画像を、X線画像の対応する位置に合成した合成画像を生成する。なお、図9においては、2断面を例に挙げて説明したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、3断面以上から選択される場合でもよい。
上述したように、画像処理機能454は、位置合わせ結果に基づいて、X線画像と超音波画像とを合成した合成画像を生成することができる。ここで、合成画像を生成する際に、異なる時刻に収集された画像同士を合成すると、観察しにくい合成画像が生成されることになる。そこで、画像処理機能454は、経時的に収集される超音波画像群と経時的に収集されるX線画像群とから略同一時刻の超音波画像及びX線画像を選択して合成画像を生成する。
かかる場合には、例えば、画像処理機能454は、超音波画像及びX線画像に付与されたタイムスタンプを参照して、略同一時刻の超音波画像及びX線画像を選択して合成画像を生成する。また、例えば、画像処理機能454は、受信される画像間における収集時刻のずれを手技前に取得しておき、取得したずれに基づいて略同一時刻の超音波画像及びX線画像を選択して合成画像を生成する。或いは、例えば、画像処理機能454は、経時的に収集される超音波画像群と経時的に収集されるX線画像群とからそれぞれ心電図を生成し、生成した心電図のずれに基づいて、収集時刻のずれを特定し、特定したずれに基づいて略同一時刻の超音波画像及びX線画像を選択して合成画像を生成する。
また、対象が心臓の場合、拡張期及び収縮期において心臓の動きが止まることから、超音波画像又はX線画像のどちらかについてその時点の画像を用いる場合でもよい。すなわち、動きが止まっている時点の画像を用いることで、ずれの影響を低減することができる。かかる場合には、画像処理機能454は、超音波画像又はX線画像のどちらか一方について、拡張期又は収縮期の画像を順次取得し、取得した画像を、全ての位相を含む他方の画像に合成した合成画像を生成する。
なお、上述した例では、略同一時刻の超音波画像及びX線画像を選択して合成画像を生成する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、時刻を合わせる処理をおこなわずに、合成画像を生成する場合でもよい。また、リアルタイムの動画像表示が一時停止されて静止画表示になる際に、略同一時刻の超音波画像及びX線画像を選択して表示させる場合でもよい。
(支援情報表示)
次に、第1の実施形態に係る支援情報表示の処理について説明する。例えば、治療対象等に医用デバイスを到達させる際に、計画線(経路)が設定される場合がある。この場合、治療対象がより明瞭に描出されている超音波画像上で計画線が設定されるケースが多い。そこで、制御機能451は、超音波画像上に設定された手技の計画線の情報を取得し、位置合わせ結果に基づいて、手技中に収集したX線画像上に計画線を表示させる。
図10は、第1の実施形態に係る計画線の表示の一例を示す図である。例えば、制御機能451は、図10の上段の図に示すように、超音波画像とX線画像とをそれぞれ表示させる。操作者は、入力インターフェース430を介して、超音波画像上に計画線を設定する。ここで、操作者は、3次元超音波画像データから生成した超音波画像上で、医用デバイスの経路となる血管や、経路上の点(通過点)、治療対象の位置などを設定することで、3次元の計画線を設定する。
制御機能451は、位置合わせ結果に基づいて、超音波画像において設定された3次元の計画線のX線座標系における位置を特定する。そして、制御機能451は、特定した計画線の位置に基づいて、図10の下段の図に示すように、X線画像上に計画線を表示させる。
ここで、制御機能451は、超音波画像上で設定された血管や、経路上の点(通過点)、治療対象について、パターンマッチングなどにより、リアルタイムで収集される超音波画像で位置をトラッキングすることにより、超音波画像の表示断面が変更されたり、超音波プローブ100aが移動されたりした場合にも、連動して計画線を移動させることができる。すなわち、制御機能451は、超音波画像における計画線の移動を検出することで、X線画像における計画線も連動させることができる。
次に、計画線とX線の照射方向との位置関係を示す情報を表示する例について説明する。すなわち、制御機能451は、超音波画像上で設定された計画線が、現時点のX線の照射方向とどのような位置関係にあるかを表示する。例えば、制御機能451は、計画線の方向と、手技中に収集したX線画像のX線の照射方向とのなす角度に関する情報を表示させる。ここで、計画線の方向とX線の照射方向とのなす角度について説明する。図11Aは、第1の実施形態に係る計画線の方向とX線の照射方向とのなす角度を説明するための図である。
図11Aに示すように、超音波画像上で設定された計画線は、3次元の計画線である。これに対してX線画像は2次元であるため、計画線をより正確にX線画像上に描出するためには、計画線に対してX線の照射方向(投影方向)が直交することが望ましい。すなわち、計画線の方向と投影方向とのなす角度が「90°」となることが望ましい。そこで、制御機能451は、計画線の方向とX線の照射方向とのなす角度に関する情報として、超音波画像上で設定された計画線と、現時点のX線の照射方向とのなす角度が、「90°」から何度ずれているかを示す情報を表示する。
図11Bは、第1の実施形態に係る支援情報表示の一例を示す図である。例えば、制御機能451は、位置合わせ結果に基づいて、計画線とX線の照射方向とのなす角度が「90°」から何度ずれているかを計画線の位置ごとに算出する。そして、制御機能451は、図11Bに示すように、計画線の位置ごとのずれを数値(例えば、5度や、10度など)で表示させる。ここで、制御機能451は、位置合わせ機能453によってリアルタイムの位置合わせが実行されるごとに、計画線の位置ごとのずれを算出して表示させることができる。
また、例えば、制御機能451は、計画線とX線の照射方向とのなす角度が「90°」からずれている場合に、X線画像における計画線を非表示することもできる。図11Cは、第1の実施形態に係る支援情報表示の一例を示す図である。例えば、制御機能451は、図11Cに示すように、計画線とX線の照射方向とのなす角度が所定の角度以上に「90°」からずれている位置の計画線を非表示する。
また、例えば、制御機能451は、超音波画像に含まれる医用デバイスの位置を検出し、検出した位置における計画線とX線の照射方向とのなす角度が「90°」から何度ずれているかを表示することもできる。
また、さらに、制御機能451は、超音波画像に含まれる医用デバイスの方向の情報を取得し、位置合わせ結果に基づいて、医用デバイスの方向と、手技中に収集したX線画像のX線の照射方向とのなす角度に関する情報を表示させることもできる。図11Dは、第1の実施形態に係る支援情報表示の一例を示す図である。例えば、制御機能451は、パターンマッチングなどにより、超音波画像から医用デバイスの位置を検出して、医用デバイスの長手方向を特定する。そして、制御機能451は、医用デバイスの長手方向とX線の照射方向とのなす角度が「90°」から何度ずれているかを表示する。例えば、制御機能451は、図11Dに示すように、医用デバイスの先端のずれを数値(1度)で表示させる。
上述したように、制御機能451は、計画線の方向とX線の照射方向とのなす角度に関する情報や、医用デバイスの方向とX線の照射方向とのなす角度に関する情報を数値で表示させることができる。なお、制御機能451は、角度に関する情報を数値で表現するだけではなく、図や色で表現することもできる。例えば、制御機能451は、ずれが5度以内の場合、計画線の色を青で示し、ずれが10度以上である場合、計画線の色を赤で示す。また、例えば、制御機能451は、ずれが10度以上の位置に所定の図形を示す。
(診断装置制御)
次に、第1の実施形態に係る診断装置制御の処理について説明する。上述したように、制御機能451は、計画線とX線の照射方向とのなす角度が「90°」から何度ずれているか、医用デバイスの長手方向とX線の照射方向とのなす角度が「90°」から何度ずれているかを算出して表示することができる。そこで、制御機能451は、この情報を用いてX線診断装置200を制御する。
かかる場合には、例えば、制御情報生成機能455は、制御機能451によって算出されたずれが「0°」となるようにCアーム205を制御するための制御情報を生成する。すなわち、制御情報生成機能455は、被検体に対するX線の照射方向を、計画線の方向に直交する方向に決定する。制御機能451は、制御情報生成機能455によって生成された制御情報を、送受信機能452を介してX線診断装置200に送信させる。X線診断装置200は、医用情報処理装置400から制御情報を受信すると、制御情報に基づく制御を実行するか否かを操作者に提示し、実行する旨の操作を受け付けた場合に、制御情報に基づいてCアーム205を移動させる。なお、制御機能451は、制御情報の受信に応じて自動でCアーム205を移動させるようにX線診断装置200を制御することも可能である。
図11Eは、第1の実施形態に係る診断装置制御の一例を説明するための図である。例えば、計画線とX線の照射方向とのなす角度を「90°」とするための制御情報によってCアーム205が制御された場合、制御後のX線画像に表示される計画線は、図11Eに示すように、最も長く見えるものとなる。
上述した例と同様に、制御機能451は、医用デバイスの長手方向とX線の照射方向とのなす角度を「90°」とするように制御することもできる。ここで、医用デバイスの長手方向とX線の照射方向とのなす角度を「90°」とするように制御する場合、制御機能451は、医用デバイスの移動と連動して、X線の照射方向が変化するように制御することも可能である。かかる場合には、制御機能451は、医用デバイスが移動するごとに、医用デバイスの先端領域の方向とX線の照射方向とのなす角度が「90°」から何度ずれているかを算出する。制御情報生成機能455は、制御機能451によってずれが算出されるごとに、ずれを「0°」とするための制御情報を生成する。制御情報生成機能455によって制御情報が生成されるごとに、生成された制御情報を送受信機能452を介してX線診断装置200に送信させる。ここで、制御機能451は、X線診断装置200を制御情報の受信に応じて自動でCアーム205を移動させるように制御することで、医用デバイスが移動によって生じたずれを無くすように、自動でCアーム205を移動させることができる。なお、医用デバイスの先端領域とは、例えば、医用デバイス先端から所定距離だけ離れた位置までの領域である。
次に、計画線が所定の方向に向くように診断装置を制御する例について説明する。例えば、制御情報生成機能455は、計画線がX線画像上で水平又は垂直で示されるように、被検体に対するX線の照射方向を決定する。図11Fは、第1の実施形態に係る診断装置制御の一例を説明するための図である。例えば、制御情報生成機能455は、図11Fに示すように、X線画像上で計画線が水平になるように、Cアーム205を制御する制御情報を生成する。制御機能451は、制御情報生成機能455によって生成された制御情報を、送受信機能452を介してX線診断装置200に送信させる。
次に、関心領域が表示される位置を制御する例について説明する。例えば、制御機能451は、手技中に経時的に収集されるX線画像群において、X線画像中の所定の位置に関心領域が表示され続けるように、X線画像群の収集を制御する。図11Gは、第1の実施形態に係る診断装置制御の一例を説明するための図である。例えば、制御機能451は、図11Gに示すように、手技中に関心領域が常に画面の中央に位置するように、Cアーム205の角度や、X線検出器206の検出位置、或いは、X線画像の回転、拡大・縮小、表示位置などを制御する。
次に、医用デバイスに関する情報と、手技の対象部位に関する情報とに基づいて、X線の照射方向を決定する例について説明する。かかる場合には、制御機能451は、被検体の体内に挿入される医用デバイスに関する情報と、医用デバイスを用いた手技の対象部位に関する情報とを、被検体から収集された超音波画像に基づいて取得する。例えば、制御機能451は、入力インターフェース430を介して操作者によって超音波画像に設定された医用デバイスを操作するための計画線や、治療部位の情報を取得する。そして、制御情報生成機能455は、超音波画像と当該超音波画像と共に収集されたX線画像との位置合わせ結果に基づいて、対象部位に対する医用デバイスを用いた手技中にX線画像を収集する際の被検体に対するX線の照射方向を決定する。さらに、制御情報生成機能455は、決定した照射方向からX線を照射させるための制御情報を生成する。
一例を挙げると、制御機能451は、超音波画像に基づいて、医用デバイスの心臓弁に対する経路の情報と、心臓弁の形状の情報とを取得する。例えば、操作者が心臓弁に対する医用デバイスの経路と、心臓弁の形状を超音波画像上で設定すると、制御機能451は、設定された経路と心臓弁の位置及び形状を取得する。制御情報生成機能455は、X線画像上に心臓弁が水平方向かつ弁の開閉が描出されるように、X線の照射方向を決定する。
図12は、第1の実施形態に係る診断装置制御の一例を説明するための図である。例えば、制御情報生成機能455は、図12に示すように、心臓弁が水平方向かつ弁の開閉が描出される方向からX線を照射させるための制御情報を生成する。制御機能451は、制御情報生成機能455によって生成された制御情報を、送受信機能452を介してX線診断装置200に送信させる。X線診断装置200は、医用情報処理装置400から制御情報を受信すると、制御情報に基づく制御を実行するか否かを操作者に提示し、実行する旨の操作を受け付けた場合に、制御情報に基づいてCアーム205を移動させる。なお、制御機能451は、制御情報の受信に応じて自動でCアーム205を移動させるようにX線診断装置200を制御することも可能である。
また、例えば、制御機能451は、超音波画像に基づいて、医用デバイスによる心臓弁の縫合計画線の情報を取得する。一例を挙げると、制御機能451は、超音波画像に設定された心臓弁を縫合するための縫合計画線の情報を取得する。制御情報生成機能455は、X線画像上で縫合計画線の重なりが最小となるように、X線の照射方向を決定する。すなわち、制御情報生成機能455は、位置合わせ結果に基づいて、縫合計画線の重なりが最小となる方向からX線を照射させるための制御情報を生成する。
また、例えば、制御機能451は、超音波画像に基づいて、医用デバイスの心臓弁の腱索に対する経路の情報と、腱索の形状の情報とを取得する。制御情報生成機能455は、X線画像上で腱索の重なりが最小となるように、X線の照射方向を決定する。すなわち、制御情報生成機能455は、位置合わせ結果に基づいて、治療の対象となる腱索が他の腱索と重ならない方向からX線を照射させるための制御情報を生成する。
また、例えば、制御機能451は、医用デバイスの形状の情報と、対象部位の形状の情報とを取得する。制御情報生成機能455は、対象部位に対する医用デバイスの配置状態に基づいて、対象部位に対するX線の照射方向を決定する。図13は、第1の実施形態に係る診断装置制御の一例を説明するための図である。図13においては、左心耳(LAA)に対して医用デバイスを留置する場合の手技について示す。
例えば、制御機能451は、超音波画像に基づいて、デバイスの形状と左心耳の入口の形状とが、図13に示すように、円形状であることを識別する。制御情報生成機能455は、円形状の対象部位(左心耳)に対して円形状の医用デバイスを留置する場合に、左心耳の円形度が最も低くなる平面に対して直交する方向からX線が照射されるように、左心耳に対するX線の照射方向を決定する。
例えば、制御情報生成機能455は、図13の矢印a1〜a9に示す各方向における左心耳の入口の円形度を算出し、算出した円形度のうち最も円からの乖離が大きくなる方向(矢印a9)を特定する。そして、制御情報生成機能455は、特定した方向を含む平面に対して直交する方向(矢印a5)からX線を照射させるための制御情報を生成する。このように、矢印a5の方向からX線が照射されることで、収集されるX線画像は、図13に示すように、左心耳の入口と医用デバイスとの隙間が明瞭に観察することができるものとなる。
上述した円形度を利用したX線の照射方向の決定は、左心耳に対する手技だけではなく、例えば、心房中隔への医用デバイスの留置にも利用することができる。図14は、第1の実施形態に係る診断装置制御の一例を説明するための図である。図14においては、心房中隔の欠損部分に対して医用デバイスを留置する場合の手技について示す。図14に示す手技においても同様に、制御情報生成機能455は、心房中隔の欠損部分について種々の方向から円形度を算出し、算出した円形度のうち最も円からの乖離が大きくなる方向を特定する。そして、制御情報生成機能455は、特定した方向を含む平面に対して直交する方向からX線を照射させるための制御情報を生成する。
次に、医用デバイスに関する情報に加えて、血流情報を用いる例について説明する。かかる場合には、制御機能451は、超音波画像に基づいて、医用デバイスの位置の情報と、対象部位における位置ごとの血流情報とを取得する。例えば、制御機能451は、留置された医用デバイスの位置を識別し、その周辺の血液の逆流を識別する。一例を挙げると、制御機能451は、医用デバイスの周辺について収集されたドップラー画像に基づいて逆流の位置と形状を識別する。
ここで、逆流がある場合には、制御情報生成機能455は、逆流が最も広く見える方向を特定し、特定した方向からX線を照射するための制御情報を生成する。また、例えば、逆流が複数ある場合には、制御情報生成機能455は、複数の逆流が分離される方向を超音波画像で特定し、特定した方向からX線を照射するための制御情報を生成する。これにより、操作者は、血液の逆流を効率よく発見して、処置を施すことができる。
また、制御情報生成機能455は、医用デバイスの位置と血流情報の位置とがX線画像上で分離されるように、X線の照射方向を決定することもできる。図15は、第1の実施形態に係る診断装置制御の一例を説明するための図である。例えば、制御情報生成機能455は、図15に示すように、医用デバイスの位置と逆流の位置とがX線画像上で分離される方向からX線を照射させるための制御情報を生成する。これにより、逆流箇所にさらに医用デバイスを留置する場合でも、最初に留置した医用デバイスが邪魔になることなく、手技を実行することができる。
次に、医用デバイスの形状によってX線の照射方向を決定する場合について説明する。かかる場合には、制御機能451は、医用デバイスの形状の情報と、対象部位の位置の情報とを取得する。制御情報生成機能455は、対象部位に対して医用デバイスを配置する手技において、X線画像上で医用デバイスの形状が識別可能となるように、X線の照射方向を決定する。図16は、第1の実施形態に係る診断装置制御の一例を説明するための図である。
例えば、制御機能451は、超音波画像に基づいて、対象部位の位置と、医用デバイスの位置及び形状とを識別する。ここで、医用デバイスが、例えば、図16に示すように、円形状で一部に隙間があるデバイスである場合、制御情報生成機能455は、医用デバイスが対象部位に留置される際に、隙間が明瞭に描出される方向からX線が照射されるように、制御情報を生成する。すなわち、制御情報生成機能455は、図16の右図で示す方向からX線を照射するための制御情報を生成する。
上述したように、制御情報生成機能455は、種々の状況において、X線診断装置200におけるX線の照射方向を制御するための制御情報を生成する。制御機能451は、制御情報生成機能455によって生成された制御情報をX線診断装置200に送信するように制御することで、X線診断装置200を制御する。
なお、上述した例において説明した超音波画像における医用デバイスの形状と位置の識別、及び、逆流の形状と位置の識別は、制御機能451が、超音波画像に対して処理を行うことで、自動で実施される場合でもよく、操作者によって超音波画像上で指定されることで、手動で実施される場合でもよい。
次に、図17〜図21を用いて、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400の処理について説明する。図17〜図21は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400の処理手順を示すフローチャートである。ここで、図17〜図19は、画像表示に関する処理を示す。また、図20は、支援情報表示及び診断装置制御に関する処理を示す。また、図21は、診断装置制御に関する処理を示す。なお、図17〜図21においては、同一の処理に同一の符号を付している。
図17に示すステップS101、S104は、処理回路450が記憶回路420から制御機能451に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。また、ステップS102は、処理回路450が記憶回路420から位置合わせ機能453に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。また、ステップS103は、処理回路450が記憶回路420から画像処理機能454に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。
例えば、図17に示すように、処理回路450は、超音波画像及びX線画像を取得して(ステップS101)、位置合わせを実行する(ステップS102)。そして、処理回路450は、略同一方向の超音波画像とX線画像を生成して(ステップS103)、略同一の方向であることを示す情報とともに、超音波画像とX線画像を並列して表示する(ステップS104)。
図18に示すステップS201は、処理回路450が記憶回路420から画像処理機能454に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。また、ステップS202〜205は、処理回路450が記憶回路420から制御機能451に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。
例えば、図18に示すように、処理回路450は、超音波画像及びX線画像を取得して(ステップS101)、位置合わせを実行する(ステップS102)。そして、処理回路450は、超音波画像に基づく情報を付与した種々のX線画像(合成画像)を生成して(ステップS201)、種々のX線画像(合成画像)のうちのいずれかを表示する(ステップS202)。
そして、処理回路450は、切替操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS203)。ここで、切替操作を受け付けると(ステップS203肯定)、処理回路450は、切り替えに応じた合成画像を表示する(ステップS204)。その後、終了の操作を受け付けると(ステップS205肯定)、処理回路450は、処理を終了する。一方、終了の操作を受け付けていない場合(ステップS205否定)、処理回路450は、ステップS203に戻って、判定処理を実行する。
図19に示すステップS301は、処理回路450が記憶回路420から画像処理機能454に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。また、ステップS302は、処理回路450が記憶回路420から制御機能451に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。
例えば、図19に示すように、処理回路450は、超音波画像及びX線画像を取得して(ステップS101)、位置合わせを実行する(ステップS102)。そして、処理回路450は、超音波画像とX線画像とを合成した合成画像を生成して(ステップS301)、超音波画像の向きを識別可能にした合成画像を表示する(ステップS302)。
図20に示すステップS401〜ステップS405は、処理回路450が記憶回路420から制御機能451に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。
例えば、図20に示すように、処理回路450は、超音波画像及びX線画像を取得して(ステップS101)、位置合わせを実行する(ステップS102)。そして、処理回路450は、超音波画像上に計画線を受け付け(ステップS401)、位置合わせ結果に基づいて、超音波画像上で受け付けた計画線をX線画像上に表示する(ステップS402)。さらに、処理回路450は、計画線とX線の投影方向とのずれを算出して表示させる(ステップS403)。
その後、処理回路450は、計画線に対するX線の投影方向が処理の角度(例えば、90°)となるように、X線診断装置200を制御する(ステップS404)。そして、処理回路450は、制御後に収集されたX線画像上に計画線を表示させる(ステップS405)。
図21に示すステップS501、ステップS503、ステップS504は、処理回路450が記憶回路420から制御機能451に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。また、ステップS502は、処理回路450が記憶回路420から制御情報生成機能455に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。
例えば、図21に示すように、処理回路450は、超音波画像及びX線画像を取得して(ステップS101)、位置合わせを実行する(ステップS102)。そして、処理回路450は、超音波画像に基づいて、医用デバイスと対象部位に関する情報を取得する(ステップS501)。そして、処理回路450は、医用デバイスと対象部位との位置関係に基づいて、X線の照射方向を決定する(ステップS502)。
そして、処理回路450は、決定した照射方向からX線が照射されるように、X線診断装置200を制御する(ステップS503)。その後、処理回路450は、制御後に収集されたX線画像を表示させる(ステップS504)。
上述したように、第1の実施形態によれば、制御機能451は、被検体の体内に挿入される医用デバイスに関する情報と、医用デバイスを用いた手技の対象部位に関する情報とを、被検体から収集された超音波画像に基づいて取得する。制御情報生成機能455は、超音波画像と当該超音波画像と共に収集されたX線画像との位置合わせ結果に基づいて、対象部位に対する医用デバイスを用いた手技中にX線画像を収集する際の被検体に対するX線の照射方向を決定する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、観察し易いX線画像を表示させることができ、手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、位置合わせ機能453は、被検体から経時的に収集される超音波画像群と、超音波画像群と共に経時的に収集されるX線画像群とから、略同一時刻に収集された超音波画像及びX線画像を抽出して、抽出した超音波画像及びX線画像を用いて位置合わせを実行する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、位置合わせの処理効率をあげることができ、手技の効率をさらに向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御機能451は、位置合わせ結果に基づいて、略同一方向の超音波画像及びX線画像を、略同一方向であることを識別可能に並列表示させる。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、比較しやすい超音波画像とX線画像を表示させることができ、手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、画像処理機能454は、位置合わせ結果に基づいて、超音波画像に基づく複数の情報をX線画像上にそれぞれ示した複数の合成画像を生成する。制御機能451は、操作者による切替操作に応じて、前記複数の合成画像を切り替えて表示させる。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、種々の合成画像を簡便に切替表示させることができ、手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、画像処理機能454は、位置合わせ結果に基づいて、超音波画像に基づく情報をX線画像上に合成した合成画像を生成する。制御機能451は、超音波画像の向きを識別可能にした合成画像を表示させる。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、合成画像における超音波画像の向きを正確に把握させることができ、手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、画像処理機能454は、複数断面で収集された超音波画像群から所定の面を選択して、選択した所定の面をX線画像上に合成した合成画像を生成する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、合成画像の視認性を向上させることができ、手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、画像処理機能454は、経時的に収集される超音波画像群と経時的に収集されるX線画像群とから略同一時刻の超音波画像及びX線画像を選択して合成画像を生成する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、収集時刻が一致した超音波画像とX線画像を用いた合成画像を表示させることができ、合成画像の視認性を向上させ、手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御機能451は、超音波画像上に設定された手技の計画線の情報を取得する。制御機能451は、位置合わせ結果に基づいて、手技中に収集したX線画像上に計画線を表示させる。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、計画線を超音波画像及びX線画像上に表示させることができ、手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御機能451は、計画線の方向と、手技中に収集したX線画像のX線の照射方向とのなす角度に関する情報を表示させる。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、X線画像と計画線との角度のずれを判別させることができ、手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御情報生成機能455は、被検体に対するX線の照射方向を、計画線の方向に直交する方向に決定する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、正確な計画線をX線画像上で観察させることができ、手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御情報生成機能455は、計画線がX線画像上で水平又は垂直で示されるように、被検体に対するX線の照射方向を決定する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、X線画像上での計画線の視認性を向上させることができ、手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御機能451は、超音波画像に含まれる前記医用デバイスの方向の情報を取得する。制御機能451は、位置合わせ結果に基づいて、医用デバイスの方向と、手技中に収集したX線画像のX線の照射方向とのなす角度に関する情報を表示させる。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、X線画像と医用デバイスとの角度のずれを判別させることができ、手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御機能451は、手技中に経時的に収集されるX線画像群において、X線画像中の所定の位置に関心領域が表示され続けるように、X線画像群の収集を制御する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、リアルタイムの動画像において、関心領域の位置を常に把握することができ、手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御機能451は、医用デバイスの対象部位に対する経路の情報と、対象部位の形状の情報とを取得する。制御情報生成機能455は、経路の情報と対象部位の形状の情報に基づいて、対象部位に対するX線の照射方向を決定する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、手技に応じて適切な角度からX線画像を収集することができ、手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御機能451は、超音波画像に基づいて、医用デバイスの心臓弁に対する経路の情報と、心臓弁の形状の情報とを取得する。制御情報生成機能455は、X線画像上に心臓弁が水平方向かつ弁の開閉が描出されるように、X線の照射方向を決定する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、心臓弁に対する手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御機能451は、超音波画像に基づいて、前記医用デバイスによる心臓弁の縫合計画線の情報を取得する。制御情報生成機能455は、X線画像上で縫合計画線の重なりが最小となるように、X線の照射方向を決定する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、心臓弁の縫合の手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御機能451は、超音波画像に基づいて、医用デバイスの心臓弁の腱索に対する経路の情報と、腱索の形状の情報とを取得する。制御情報生成機能455は、X線画像上で腱索の重なりが最小となるように、X線の照射方向を決定する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、腱索に対する手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御機能451は、医用デバイスの形状の情報と、対象部位の形状の情報とを取得する。制御情報生成機能455は、対象部位に対する医用デバイスの配置状態に基づいて、対象部位に対するX線の照射方向を決定する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、医用デバイスの形状と対象部位の形状とを考慮した方向からX線画像を収集することができ、手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御情報生成機能455は、円形状の対象部位に対して円形状の医用デバイスを留置する場合に、対象部位の円形度が最も低くなる平面に対して直交する方向からX線が照射されるように、対象部位に対するX線の照射方向を決定する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、円形状の対象部位に対して円形状の医用デバイスを留置する場合の手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御機能451は、超音波画像に基づいて、医用デバイスの位置の情報と、対象部位における位置ごとの血流情報とを取得する。制御情報生成機能455は、医用デバイスの位置と血流情報の位置とがX線画像上で分離されるように、X線の照射方向を決定する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、医用デバイス留置後の逆流について観察し易いX線画像を表示させることができ、手技の効率を向上させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、制御機能451は、医用デバイスの形状の情報と、対象部位の位置の情報とを取得する。制御情報生成機能455は、対象部位に対して医用デバイスを配置する手技において、X線画像上で医用デバイスの形状が識別可能となるように、X線の照射方向を決定する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置400は、医用デバイスの形状を考慮した方向からX線画像を収集することができ、手技の効率を向上させることを可能にする。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、超音波画像に基づいて、X線診断装置200を制御する場合について説明した。第2の実施形態では、X線画像に基づいて、超音波診断装置100を制御する場合について説明する。なお、以下、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
第2の実施形態に係る制御情報生成機能455は、手技中に収集されたX線画像に基づいて、超音波画像の収集条件を決定する。図22及び図23は、第2の実施形態に係る診断装置制御の処理の一例を説明するための図である。なお、図22及び図23は、超音波画像とX線画像との位置合わせが終了した後の処理について示す。
例えば、図22に示すように、操作者が、入力インターフェース430を介して、X線画像上に直線L1を設定すると、制御機能451は、X線座標系における直線L1の位置を特定する。そして、制御機能451は、図22に示すように、X線焦点と直線L1とを結んだ平面P3の位置を特定する。さらに、制御機能451は、位置合わせ結果に基づいて、超音波座標系における平面P3の位置を特定する。
制御情報生成機能455は、制御機能451によって特定された超音波座標系における平面P3をスキャンするためのスキャン条件を設定した制御情報を生成する。制御機能451は、制御情報生成機能455によって生成された制御情報を、送受信機能452を介して超音波診断装置100に送信させる。超音波診断装置100は、医用情報処理装置400から制御情報を受信すると、制御情報に基づく制御を実行するか否かを操作者に提示し、実行する旨の操作を受け付けた場合に、制御情報に基づくスキャン条件でのスキャンを実行する。なお、制御機能451は、制御情報の受信に応じて自動でスキャンさせるように超音波診断装置100を制御することも可能である。
また、例えば、図23に示すように、2方向のX線画像が収集された場合に、制御機能451は、2方向のX線画像に含まれる同一部位の情報から治療対象を推定し、推定した治療対象のX線座標系における位置を特定する。そして、制御機能451は、位置合わせ結果に基づいて、超音波座標系における治療対象の位置を特定する。制御情報生成機能455は、制御機能451によって特定された超音波座標系における治療対象をスキャンするためのスキャン条件を設定した制御情報を生成する。例えば、制御情報生成機能455は、治療対象をスキャンするためのスキャン方向、ビーム方向、スキャン断面の位置を決定する。制御機能451は、制御情報生成機能455によって生成された制御情報を、送受信機能452を介して超音波診断装置100に送信させる。
次に、図24を用いて、第2の実施形態に係る医用情報処理装置400の処理について説明する。図24は、第2の実施形態に係る医用情報処理装置400の処理手順を示すフローチャートである。なお、図24においては、第1の実施形態での処理(図21に示す処理)と同一の処理に同一の符号を付している。
図24に示すステップS601は、処理回路450が記憶回路420から制御情報生成機能455に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。また、ステップS602、ステップS603は、処理回路450が記憶回路420から制御機能451に対応するプログラムを読み出して実行するステップである。
例えば、図24に示すように、処理回路450は、超音波画像及びX線画像を取得して(ステップS101)、位置合わせを実行する(ステップS102)。そして、処理回路450は、X線画像に基づいて、超音波のスキャン条件を決定する(ステップS602)。 そして、処理回路450は、決定したスキャン条件でスキャンされるように、超音波診断装置100を制御する(ステップS602)。その後、処理回路450は、制御後に収集された超音波画像を表示させる(ステップS603)。
上述したように、第2の実施形態によれば、制御情報生成機能455は、手技中に収集されたX線画像に基づいて、超音波画像の収集条件を決定する。従って、第2の施形態に係る医用情報処理装置400は、適切な超音波画像を収集することができ、手技の効率を向上させることを可能にする。
(第3の実施形態)
さて、これまで第1〜第2の実施形態について説明したが、上述した第1〜第2の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述したように、本願手法では、3次元超音波画像データにおいて医用デバイスの位置及び対象部位の位置を識別することができ、超音波画像とX線画像とを位置合わせすることで、X線画像におけるそれらの位置も特定することができる。そこで、本願の手法によれば、例えば、カテーテルの位置と、対象部位の位置とを識別して、カテーテルの操作方向を提示することも可能である。
かかる場合には、例えば、制御機能451は、3次元超音波画像データにおけるカテーテルの位置と、対象部位の位置とを識別して、現在のカテーテルの位置から対象部位までの移動方向を3次元の超音波座標系にてベクトル化させる。そして、制御機能451は、位置合わせ結果に基づいて、X線座標系におけるカテーテルの移動方向を特定し、X線画像上に提示する。また、制御機能451は、表示させる2次元の超音波画像上にカテーテルの移動方向を提示することもできる。なお、カテーテルの移動方向は、音声などで提示する場合であってもよい。
さらに、操作者が超音波画像上にカテーテルの移動方向を設定すると、制御機能451は、設定された移動方向の3次元の超音波座標系でのベクトル方向を算出して、位置合わせ結果に基づいて、X線座標系におけるカテーテルの移動方向を特定し、X線画像上に提示することも可能である。
また、上述した実施形態では、医用情報処理装置400が、各処理を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、超音波診断装置100が、上述した処理を実行する場合であってもよい。かかる場合には、処理回路150が、上述した制御機能451、位置合わせ機能453、画像処理機能454、及び制御情報生成機能455と同様の処理を実行する。
また、上述した制御機能451、位置合わせ機能453、画像処理機能454、及び制御情報生成機能455は、医用情報処理システム1に含まれる装置によって分散して実行される場合であってもよい。
上述した実施形態では、単一の処理回路(処理回路450)によって各処理機能が実現される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、処理回路450は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路450が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路420に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路420にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
ここで、プロセッサによって実行される医用情報処理プログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶部等に予め組み込まれて提供される。なお、この医用情報処理プログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)−ROM、FD(Flexible Disk)、CD−R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよい。また、この医用情報処理プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、この医用情報処理プログラムは、後述する各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
また、上述した実施形態で図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
以上説明したとおり、少なくとも1つの実施形態によれば、手技の効率を向上させることを可能にする。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。