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JP2020002096A - クローディン発現促進剤およびタイトジャンクション形成促進剤 - Google Patents

クローディン発現促進剤およびタイトジャンクション形成促進剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、クローディン発現促進のために用いることのできる剤、およびタイトジャンクション形成促進のために用いることのできる剤を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、グルコオリゴ糖を有効成分として含有する、クローディン発現促進剤、およびグルコオリゴ糖を有効成分として含有する、タイトジャンクション形成促進剤である。【選択図】図1

Description

本発明は、クローディン発現促進剤およびタイトジャンクション形成促進剤に関する。
タイトジャンクションは、細胞周囲にベルト状に存在し、隣接する細胞同士を密着させる細胞接着装置である。皮膚や腸管、腎臓の尿細管、血管などの内壁においては、このタイトジャンクションがよく発達しており、細胞間隙の液体や物質の透過を制御している。ここで、何らかの原因によりタイトジャンクションの機能が弱まると、アレルゲン等の有害物質が体内に侵入しやすくなるといわれている。また、タイトジャンクションは、細胞間隙の透過制御機能のほか、細胞骨格の維持、細胞情報伝達、角質細胞間脂質の合成・代謝等にも関与することが知られている。このようなタイトジャンクションを構成するタンパク質に、内在性膜タンパク質であるクローディンやオクルディンがあるが、このうち、クローディンは、タイトジャンクションのストランド形成を担う最も主要なタンパク質であることがわかっている。
近年、上記のような生体におけるタイトジャンクションの重要性から、タイトジャンクションの形成を促進することができる物質の開発が望まれている。例えば、特許文献1には、シネフリンがタイトジャンクション形成を促進する物質であることを見出したことが開示されている。
特開2016−222557号公報
本発明は、タイトジャンクションの形成を促進するために用いることのできる剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の目的を達成すべく鋭意検討を重ねていたところ、思いがけずグルコオリゴ糖自体に、タイトジャンクションを構成する主要なタンパク質であるクローディンの発現を促進する作用があることを見出した。そして本発明者らは、当該グルコオリゴ糖を有効成分として、クローディンの発現を促進するために用いる剤、またはタイトジャンクションの形成を促進するために用いる剤とすることで、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1]グルコオリゴ糖を有効成分として含有する、クローディン発現促進剤。
[2]グルコオリゴ糖を有効成分として含有する、タイトジャンクション形成促進剤。
[3][1]または[2]に記載の剤を含有する、タイトジャンクション形成促進用組成物。
[4]さらに、抗炎症剤、ビタミン剤、保湿剤、抗菌剤、美白剤および局所麻酔剤からなる群から選択される少なくとも一種の薬効成分を含有する、[3]に記載のタイトジャンクション形成促進用組成物。
[5]皮膚外用剤または皮膚化粧料である、[3]または[4]に記載のタイトジャンクション形成促進用組成物。
[6]表皮ブドウ球菌の存在下で用いられる、[3]から[5]のいずれかに記載のタイトジャンクション形成促進用組成物。
[7]グルコオリゴ糖を用いることを特徴とする、クローディンの発現促進方法。
[8]グルコオリゴ糖を用いることを特徴とする、タイトジャンクション形成促進方法。
[9]表皮ブドウ球菌の存在下において、グルコオリゴ糖を用いる、[7]または[8]に記載の方法。
[10]グルコオリゴ糖を用いてクローディンの発現を促進することを特徴とする、肌改善のための美容方法。
[11]グルコオリゴ糖を用いてタイトジャンクションの形成を促進することを特徴とする、肌改善のための美容方法。
[12]表皮ブドウ球菌の存在下において、グルコオリゴ糖を用いる、[10]または[11]に記載の美容方法。
本発明によれば、クローディン発現促進のために用いることのできる剤、およびタイトジャンクション形成促進のために用いることのできる剤を提供することができる。
図1は、クローディン−1発現促進試験における、各被験サンプルのクローディン−1蛍光染色画像である。 図2は、クローディン−1発現促進試験における、各被験サンプルの相対的なクローディン−1の発現量(%)を示す棒グラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書中で使用される用語は、特に言及しない限り、当該技術分野で通常用いられる意味で解釈される。
[クローディン発現促進剤]
本発明のクローディン発現促進剤は、グルコオリゴ糖を有効成分とすることを特徴とする。前述のとおり、グルコオリゴ糖自体にタイトジャンクションを構成する主要なタンパク質であるクローディンの発現を促進する作用があり、これを有効成分とすることで、クローディン発現促進剤として使用できることは、本発明者らが初めて見出した知見である。クローディン発現促進剤は、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品等に配合されて用いられ、好ましくは、皮膚用の医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品等に配合されて用いられ、より好ましくは、皮膚外用組成物に配合され、医薬品、医薬部外品、化粧品等として用いられる。このようにして用いることにより、これら医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品等に、所望のクローディン発現促進効果を付与することができる。
クローディンは、タイトジャンクションのストランド形成を担う最も主要なタンパク質であり、クローディン−1を含む約24種類のサブタイプがある。クローディン−1は、膜裏打ちタンパク質ZO−1などを介して細胞骨格であるアクチンフィラメントと結合することにより、タイトジャンクションの形成にも寄与していると考えられており、このクローディン−1の発現量が増加すれば、タイトジャンクションの形成が促進されると考えられる。
本発明において、クローディンの発現促進とは、クローディン遺伝子の発現促進、およびクローディンタンパク質の発現促進も意味する。本発明において、クローディンは、例えば、クローディン−1である。
本発明のクローディン発現促進剤は、例えば、本発明のクローディン発現促進剤の適用がない場合と比較して、クローディンの発現を向上させることができる。ここで、クローディンの発現は、例えば、クローディンのmRNAの発現レベルによっても、クローディンのタンパク質の発現レベルによっても確認できる。mRNAの発現レベルは、例えば、リアルタイムPCR、マイクロアレイ等の公知の方法で測定でき、タンパク質の発現レベルは、例えば、免疫染色、ウエスタンブロッティング等の公知の方法で測定できる。
本発明のクローディン発現促進剤の有効成分であるグルコオリゴ糖としては、天然の糖であるマルトースとショ糖から固定化酵素法により得られ、例えば、(O−α−D−グルコピラノシル−(1→2))−(O−α−D−グルコピラノシル−(1→6))−(O−α−D−グルコピラノシル−(1→4))−(O−α−D−グルコピラノース)なる構造を有するものが挙げられる。このようなグルコオリゴ糖は、例えば、BIOECOLIA(登録商標:ソラビア社)として市販されている。
本発明のクローディン発現促進剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、各種成分(例えば、後述する公知の基剤、担体等)を含んでもよい。また、剤の形態としては、例えば、液体系(液体、液状、ペースト状等を含む)、固体系(固体、固形状等を含む)であってもよい。これらの剤は、例えば、常法により製造できる。
[タイトジャンクション形成促進剤]
本発明のタイトジャンクション形成促進剤は、グルコオリゴ糖を有効成分とすることを特徴とする。前述のとおり、グルコオリゴ糖自体にタイトジャンクションを構成する主要なタンパク質であるクローディンの発現を促進する作用があり、これを有効成分とすることで、タイトジャンクション形成促進剤として使用できることは、本発明者らが初めて見出した知見である。タイトジャンクション形成促進剤は、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品等に配合されて用いられ、好ましくは、皮膚用の医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品等に配合されて用いられ、より好ましくは、皮膚外用組成物に配合され、医薬品、医薬部外品、化粧品等として用いられる。このようにして用いることにより、これら医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品等に、所望のクローディン発現促進効果を付与することができる。なお、グルコオリゴ糖は、上記に説明したものを用いることができる。剤の形態等についても、上記記載を参照できる。
また、本発明の一態様は、グルコオリゴ糖を有効成分として含有する、角層機能正常化および/または強化剤である。すなわち、本発明は、クローディンの発現の促進、またはタイトジャンクションの形成を促進することで角層機能を正常化および/または強化する剤として使用できる。ここで、角層機能とは、タイトジャンクションにより制御される角層の機能のことをいう。
また、本発明の一態様は、グルコオリゴ糖を有効成分として含有する、タイトジャンクション機能正常化および/または強化剤である。すなわち、本発明は、クローディンの発現の促進、またはタイトジャンクションの形成を促進することでタイトジャンクション機能を正常化および/または強化する剤として使用できる。
また、本発明の一態様は、グルコオリゴ糖を有効成分として含有する、表皮バリア機能正常化および/または強化剤である。すなわち、本発明は、クローディンの発現の促進、またはタイトジャンクションの形成を促進することで表皮バリア機能を正常化および/または強化する剤として使用できる。ここで、表皮バリア機能とは、タイトジャンクションにより制御される表皮バリアの機能のことをいう。
また、本発明の一態様は、グルコオリゴ糖を有効成分として含有する、透過バリア機能正常化および/または強化剤である。すなわち、本発明は、クローディンの発現の促進、またはタイトジャンクションの形成を促進することで透過バリア機能を正常化および/または強化する剤として使用できる。ここで、透過バリア機能とは、タイトジャンクションにより制御される透過バリアの機能のことをいう。
また、本発明の一態様は、グルコオリゴ糖を有効成分として含有する、細胞間バリア機能正常化および/または強化剤である。すなわち、本発明は、クローディンの発現の促進、またはタイトジャンクションの形成を促進することで細胞間バリア機能を正常化および/または強化する剤として使用できる。ここで、細胞間バリア機能とは、タイトジャンクションにより制御される細胞間バリアの機能のことをいう。
[タイトジャンクション形成促進用組成物]
本発明のタイトジャンクション形成促進用組成物は、クローディン発現促進剤またはタイトジャンクション形成促進剤を有効成分として含有することを特徴とする。クローディン発現促進剤およびタイトジャンクション形成促進剤は、上記に説明したものを用いることができる。
本発明の組成物中の、クローディン発現促進剤およびタイトジャンクション形成促進剤の有効成分であるグルコオリゴ糖の含有量は、組成物の全量に対して、例えば、0.00001重量%以上、0.001重量%以上とすることができる。これにより、十分にタイトジャンクション形成促進作用を有する組成物となる。また、例えば、30重量%以下、または5重量%以下とすることができる。これにより、その他成分を十分に配合できる。範囲としては、例えば、0.00001〜30重量%、0.001〜5重量%とすることができる。
本発明の組成物は、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品等の形態で、経口、非経口のいずれにおいても使用され得、好ましくは、皮膚外用剤または皮膚化粧料(化粧品)として使用され得る。これらの形態では、クローディン発現促進剤およびタイトジャンクション形成促進剤に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品、医薬部外品、化粧品等に添加される公知の基剤または担体と共に混合することができる。
基剤または担体としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベース等)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィン等の炭化水素;メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコーン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジン等のシリコーン油;メドウフォーム油、ヤシ油、オリーブ油、コメヌカ油、シア脂等の油脂;ホホバ油、ミウロウ、キャンデリラロウ、ラノリン等のロウ類;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、フィトステロール、コレステロール等の高級アルコール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット等のエステル類;デキストリン、マルトデキストリン等の多糖類;カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコールエーテル;水等が挙げられる。
本発明の組成物が水および低級アルコール以外の基剤又は担体を含む場合、上記基剤または担体としては、例えば、高級アルコール、炭化水素、油脂、エステル類、シリコーン油、ロウ類、ビニル系高分子が好ましく、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、ビニル系高分子がより好ましい。これらの成分の中では、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジメチコン、シクロメチコン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、カルボキシビニルポリマーがさらに好ましい。
本発明において、基剤または担体は、それぞれ1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。またそれらの使用量は当業者に公知の範囲から適宜選択される。
本発明の組成物は、液体状、流動状、または半固形状の性状の製剤とすることができる。このような剤型として、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤(ミルク)、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤(ジェル剤)、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、スティック剤、不織布に薬液を含浸させたシート剤(パック剤)などが挙げられ、また飲食品の形態でも提供され得る。中でも、液剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤(ジェル剤)、ローション剤が好ましい。これらの製剤は、常法、例えば第17改正日本薬局方製剤総則に記載の方法等に従い製造することができる。
また、本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の薬効成分を配合することで、本発明の効果を高めたり、さらなる効果を付与したりすることができる。かかる薬効成分は、例えば、皮膚や粘膜に対して薬効を発揮する成分であり、皮膚や粘膜に生じる炎症・損傷の治癒や改善、皮膚の保護などあらゆる好ましい効果をもたらす成分を含む。このような薬効成分としては、具体的には、抗炎症剤、ビタミン剤、保湿剤、抗菌剤、美白剤、局所麻酔剤などを例示することができる。なお、本発明の組成物において、これら薬効成分はそれぞれ1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
抗炎症剤としては、例えば、グリチルリチン酸並びにグリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等のグリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、アラントイン又はその誘導体、トラネキサム酸又はその塩、ε−アミノカプロン酸、カンゾウ抽出物、メントール、カンフルなどを例示することができる。好ましくは、カンゾウ抽出物、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルレチン酸、アラントイン、トラネキサム酸、ε−アミノカプロン酸、メントール、カンフルである。
これらの成分は1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また本発明の組成物におけるこれら抗炎症剤の配合量は、特に制限されないが、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%、より好ましくは0.01〜2重量%の範囲から目的に応じて適宜選択調整することができる。
ビタミン剤としては、例えば、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のレチノール誘導体(ビタミンA類)、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、ビタミンA油、ビタミンA脂肪酸エステル等のビタミンA類、β−カロチン、α−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノン等のプロビタミンA類、dl−α−トコフェロール、d−δ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム等のビタミンE類、リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、ニコチン酸1−(4−メチルフェニル)エチル等のニコチン酸類、アスコルビゲン−A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ジパルミチン酸L−アスコルビルなどのビタミンC類、メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類、フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類、γ−オリザノールなどがあげられる。また、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類、塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類、葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類、ニコチン酸、ニコチン酸アミドなどのニコチン酸類、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン、ビオチシン等のビオチン類、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、3−0−エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸誘導体であるビタミンC類、そのほか、カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸等のビタミン様作用因子等を例示することができる。
好ましくは、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、レチナール、レチノイン酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、3−0−エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、レチノール、ビタミンA油、ビタミンA脂肪酸エステル、メチルヘスペリジン、葉酸、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、β−カロチン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、dl−α−トコフェロール、d−δ−トコフェロール及び酢酸dl−α−トコフェロールである。より好ましくはレチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、レチナール、レチノイン酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、β−カロチン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、塩酸ピリドキシンである。
これらの成分は1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また本発明の組成物におけるこれらビタミン剤の配合量は、特に制限されないが、通常0.001〜10重量%、好ましくは0.005〜5重量%、より好ましくは0.01〜2重量%の範囲から目的に応じて適宜選択調整することができる。
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ブドウ糖、ショ糖、果糖、キシリトール、乳糖、マルトース、マルチトール等の多価アルコール、ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の生体高分子、グリシン、アスパラギン酸、アルギニン等のアミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等の天然保湿因子であり、セラミド、コレステロール、リン脂質等の脂質類などがあげられる。また、ラベンダーエキス、ユーカリエキス、ペパーミントエキス等の植物抽出物等を例示することができる。好ましくは、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、ケラチン、グリシン、アスパラギン酸、アルギニン、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、セラミド、コレステロール、ラベンダーエキス、ユーカリエキス、ペパーミントエキスである。
これらの成分は1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また本発明の組成物におけるこれら保湿剤の配合量は、特に制限されないが、通常0.005〜50重量%、好ましくは0.01〜30重量%、より好ましくは0.01〜10重量%の範囲から適宜選択調整することができる。
抗菌剤としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、エタノール、パラベン、フェノキシエタノール、グリセリン脂肪酸エステル等を例示することができる。
これらの成分は1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これら抗菌剤の本発明の組成物における配合量は、特に制限されないが、通常0.001〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%、より好ましくは0.001〜1重量%の範囲から適宜選択調整することができる。
美白剤としては、例えば、ハイドロキノン、α−アルブチン、β−アルブチン、アスコルビン酸、2−O−エチルアスコルビン酸、3−O−エチルアスコルビン酸、3−O−セチルアスコルビン酸、テトラ2−ヘキシルデシルデカン酸アスコルビル、アスコルビン酸メチルシラノール、アスコルビン酸硫酸、アスコルビルグルコシド、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、アスコルビルリン酸、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、リン酸アスコルビルアミノプロピル、ステアリン酸アスコルビル、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸硫酸2ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸亜鉛、キトサンアスコルビン酸、アスコルビルリン酸ナトリウム、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビル3ナトリウム、コウジ酸、ルシノール、トラネキサム酸等を例示することができる。
これらの成分は1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これら美白剤の本発明の組成物における配合量は、特に制限されないが、通常0.00001〜50重量%、好ましくは0.00001〜30重量%、より好ましくは0.0001〜4重量%の範囲から適宜選択調整することができる。
局所麻酔剤としては、例えば、ユーカリ油、オイゲノール、メントール、カンフル、ハッカ油等を例示することができる。
これらの成分は1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの局所麻酔剤の本発明の組成物における配合量は、特に制限されないが、通常0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%の範囲から適宜選択調整することができる。
また、本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の添加剤を配合してもよく、このような添加剤としては、具体的には、色素、香料、防腐剤、界面活性剤、植物抽出液、pH調整剤、金属封鎖剤、油分、ゲル化剤、高級アルコール、炭化水素、浸透促進剤、顔料、抗酸化剤等などを例示することができる。なお、本発明の組成物において、これら添加剤はそれぞれ1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の組成物のpHは、通常pH3〜9であり、pH4〜8であることが好ましい。なお、このpHは、上記pH調整剤の使用により調整することができる。
本発明の組成物は、タイトジャンクション形成促進が所望される場合において有用に使用され得る。例えば、有害物質等の体内への侵入を阻害するために有用であり、肌改善、敏感肌改善のために有用であり、また角層機能、タイトジャンクション機能、表皮バリア機能、透過バリア機能、細胞間バリア機能の正常化、強化等のためにも有用である。さらに、クローディン自体またはタイトジャンクション自体の研究への応用も考えられ、非常に広い範囲で有用である。なお、これら用語は、上記記載を参照できる。
本発明の組成物は、例えば、肌におけるタイトジャンクション形成促進が所望される場合、また、肌における角層機能、タイトジャンクション機能、表皮バリア、透過バリア、細胞間バリアの機能の正常化、強化が所望される場合において有用に使用され得る。このとき、例えば、肌の制御機能を正常化し、肌そのものの機能を改善、強化することで、外的環境からの刺激物質の透過を抑制し、さらに皮膚の内側に存在するイオン・水等が外部に通過するのを防ぎ、肌荒れ等の肌トラブルを改善することが期待される。また、例えば、角質細胞間脂質の合成・代謝の正常化、強化や、角質の排出機能の正常化、強化が期待される。
上記の目的で使用する本発明の組成物は、例えば、軟膏剤、ゲル剤、液剤、ローション剤等の皮膚外用剤、皮膚化粧料として、ボディソープ洗浄料、ハンド洗浄料、洗顔料等の洗浄料類、ローション類、乳液類、クリーム類、パック類等の形態にて好適に使用することができる。
本発明の組成物は、例えば、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)の存在下で用いることができる。本発明の組成物を、表皮ブドウ球菌の存在下で用いることで、本発明のクローディン発現促進効果、タイトジャンクション形成促進効果が顕著に増強する。
また、本発明の一態様は、クローディン発現促進剤を有効成分として含有することを特徴とする、クローディン発現促進用組成物である。本発明は、クローディン発現促進剤を有効成分として含有していることからクローディンの発現を促進できる。なお、タイトジャンクション形成促進用組成物の記載を適宜参照できる。
[クローディン発現促進方法およびタイトジャンクション形成促進方法]
本発明のクローディン発現促進方法およびタイトジャンクション形成促進は、グルコオリゴ糖を用いることを特徴とする。前述のとおり、本発明者らは、グルコオリゴ糖自体にタイトジャンクションを構成する主要なタンパク質であるクローディンの発現を促進する作用を見出した。そして、この知見から本発明者らは、クローディン発現促進、タイトジャンクション形成促進する方法として、グルコオリゴ糖を用いることに至り、本発明を完成させた。なお、本発明のクローディン発現促進方法およびタイトジャンクション形成促進方法には、医療行為は含まれない。
本発明の方法において、グルコオリゴ糖は、上記に説明したものを用いることができる。また、上記のグルコオリゴ糖を含有する剤および組成物も、本発明の方法におけるグルコオリゴ糖として好適に使用できる。
本発明の方法は、例えば、表皮ブドウ球菌の存在下で行うことができる。本発明の方法を、表皮ブドウ球菌の存在下で行うことで、本発明のクローディン発現促進効果、タイトジャンクション形成促進効果が顕著に増強する。なお、表皮ブドウ球菌については、上記記載を参照できる。
[美容方法]
本発明の美容方法は、グルコオリゴ糖を用いてクローディンの発現を促進すること、またはグルコオリゴ糖を用いてタイトジャンクションの形成を促進することを特徴とする。前述のとおり、本発明者らは、グルコオリゴ糖自体にタイトジャンクションを構成する主要なタンパク質であるクローディンの発現を促進する作用を見出した。そして、この知見から本発明者らは、肌改善のための美容方法として、グルコオリゴ糖を用いてクローディンの発現を促進すること、またはグルコオリゴ糖を用いてタイトジャンクションの形成を促進することに至り、本発明を完成させた。また、本発明において、美容方法とは、単に個人的に行われる方法のみならず、美容に関わる商品の提供の際に、顧客にあわせた化粧料の処方として提供され、医師以外の化粧料販売員やエステティシャンにより提供されるものを含む。また、美容に関わる商品の説明書(添付文書等)等においてその商品の使用方法として提供されるものも含む。なお、本発明の美容方法には、医療行為は含まれない。
本発明の美容方法において、グルコオリゴ糖は、上記に説明したものを用いることができる。また、上記のグルコオリゴ糖を含有する剤および組成物も、本発明の美容方法におけるグルコオリゴ糖として好適に使用できる。このような組成物は、例えば、被験者の所望の部位の皮膚に適用することによって使用することができる。皮膚への適用は、例えば1日1回または複数回行ってよい。
本発明の美容方法は、例えば、タイトジャンクション形成促進が所望される肌の症状の改善のために使用することができる。例えば、敏感肌改善のために使用することができ、また肌における、角層機能、タイトジャンクション機能、表皮バリア機能、透過バリア機能、細胞間バリア機能の正常化、強化等のために使用できる。なお、これら用語は、上記記載を参照できる。
本発明の美容方法は、例えば、表皮ブドウ球菌の存在下で行うことができる。具体的には、例えば、本発明の美容方法の実施にあたり、対象となる皮膚に表皮ブドウ球菌を補充することで行うことができ、また、すでに表皮ブドウ球菌が常在菌として存在している皮膚を対象として本発明の美容方法を実施することで行うことができる。本発明の美容方法を、表皮ブドウ球菌の存在下で行うことで、本発明のクローディン発現促進効果、タイトジャンクション形成促進効果が顕著に増強する。なお、表皮ブドウ球菌については、上記記載を参照できる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されない。
[試験例1]クローディン−1発現促進試験
(被験サンプル)
被験サンプルとして、PBS(−)(コージンバイオ株式会社)に、グルコオリゴ糖(日光ケミカル株式会社)および/または表皮ブドウ球菌(Microbiologics社)を溶解することで、グルコオリゴ糖(1質量%)含有溶液、表皮ブドウ球菌(1×10CFU)含有溶液ならびにグルコオリゴ糖(1質量%)および表皮ブドウ球菌(1×10CFU)含有溶液を調製した。コントロールとして、PBS(−)のみの溶液を用意した。
(試験方法および結果)
三次元組織ヒト表皮モデルRHE(ニコダームリサーチ)を12ウェルカルチャープレート中で培養した。より詳細には、培養液として抗菌剤抜きのヒト表皮モデルRHE用専用培地MAINTENANCE MEDIUM(ニコダームリサーチ)を各ウェル1mLずつ使用し、37℃、5%炭酸ガスおよび95%空気の環境下で1日間培養した。培養液を交換後、被験サンプルを角層側から添加し、さらに5日間培養した。三次元組織ヒト表皮モデルRHEを支持体から切り離し、4%PFAで20時間固定し、パラフィンで包埋した。10μmで薄切して切片を作成し、この切片を脱パラフィン化し、抗原賦活化液(Target Retrieval Splution,pH9、Dako社)を用いて抗原賦活化処理を行った。ウサギ由来抗クローディン−1抗体(Rabbit anti−Claudin−1、invitrogen)を一次抗体に、Alexa Fluor 594標識抗ウサギIgG抗体(Goat anti−Rabbit IgG (H+L) Highly Cross−Adsorbed Secondary Antibody,Alexa Fluor 594、invitrogen)を二次抗体に用いて、クローディン−1タンパクを染色した。また、細胞の核をHoechst 33342(invitrogen)で染色した。染色後、切片を、蛍光顕微鏡(オリンパス株式会社)を用いて観察、撮影した。各撮影画像をもとに、クローディン−1タンパク質量を定量し、コントロール(無添加)を100%としたときの、それぞれの相対的なクローディン−1の発現量(%)を算出した。結果を図1ならびに表1および図2に示す。
図1は、それぞれの染色後切片の蛍光染色画像であり、クローディン−1は赤で、細胞の核は青で示されている。表1は、各蛍光染色画像をもとに算出された相対的なクローディン−1の発現量(%)を示し、図2は、これを棒グラフとして示している。図1ならびに表1および図2に示すとおり、グルコオリゴ糖を添加した場合、クローディン−1の発現量はコントロール(無添加)と比較して約8倍に上昇しており、グルコオリゴ糖の添加により、クローディン−1の発現量が顕著に亢進することが示された。また、グルコオリゴ糖を表皮ブドウ球菌とともに添加した場合、クローディン−1の発現量はグルコオリゴ糖のみを添加した場合のクローディン−1の発現量と表皮ブドウ球菌のみを添加した場合のクローディン−1の発現量の合計値と比較して約2.5倍に上昇しており、グルコオリゴ糖および表皮ブドウ球菌の共添加により、クローディン−1の発現量が相乗的に亢進することが示された。これらのヒト表皮モデルを用いた試験結果から、グルコオリゴ糖は、クローディンの発現を亢進し、タイトジャンクションの形成促進効果を奏することがわかった。特に、グルコオリゴ糖および表皮ブドウ球菌の存在下において、クローディンの発現は顕著に亢進し、相乗的なタイトジャンクションの形成効果を奏することがわかった。
以下に、本発明のタイトジャンクション形成促進用組成物の製剤処方例を示す。
<製剤処方例1:皮膚化粧料(ローション)>
1,3−ブチレングリコール 12.0重量%
グリセリン 3.0重量%
グルコオリゴ糖 2.0重量%
ヒドロキシエチルセルロース 0.1重量%
加水分解コラーゲン 0.01重量%
アラントイン 0.1重量%
ポリクオタニウム−51 0.5重量%
PEG−1500 0.5重量%
pH調整剤 適量
防腐剤 微量
精製水 適量
合計 100重量%
<製剤処方例2:美白皮膚化粧料(ローション)>
トラネキサム酸 2.0重量%
グルコオリゴ糖 1.0重量%
グリセリン 5.0重量%
カルボキシビニルポリマー 0.1重量%
EDTA‐2Na 0.05重量%
ヒアルロン酸Na 0.1重量%
pH調整剤 適量
防腐剤 微量
精製水 適量
合計 100重量%
<製剤処方例3:皮膚外用剤(乳液)>
グルコオリゴ糖 3.0重量%
1,3−ブチレングリコール 8.0重量%
スクワラン 3.0重量%
グリセリン 4.0重量%
ワセリン 3.5重量%
ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 1.5重量%
ステアリン酸グリセリル 1.2重量%
ジメチコン 0.5重量%
加水分解コラーゲン 0.1重量%
カルボキシビニルポリマー 0.1重量%
キサンタンガム 0.1重量%
セタノール 0.5重量%
pH調整剤 適量
防腐剤 微量
精製水 適量
合計 100重量%
<製剤処方例4:皮膚外用剤(クリーム)>
1,3−ブチレングリコール 15.0重量%
ワセリン 10.0重量%
メドウフォーム油 2.0重量%
グリセリン 7.0重量%
グルコオリゴ糖 5.0重量%
ベヘニルアルコール 1.0重量%
シア脂 2.0重量%
ステアリン酸グリセリル 1.5重量%
ステアリン酸ポリグリセリル‐10 2.0重量%
水添レシチン 0.8重量%
加水分解コラーゲン 0.5重量%
グリチルリチン酸二カリウム 0.1重量%
カルボキシビニルポリマー 0.3重量%
pH調整剤 適量
防腐剤 微量
精製水 適量
合計 100重量%
<製剤処方例5:皮膚外用剤(ゲル剤)>
グルコオリゴ糖 0.5重量%
アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.4重量%
1,3−ブチレングリコール 5.0重量%
グリセリン 10.0重量%
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1重量%
アルギニン 適量
防腐剤 微量
精製水 適量
合計 100重量%
<製剤処方例6:皮膚化粧料(洗顔クリーム)>
グルコオリゴ糖 2.0重量%
グリセリン 15.0重量%
1,3−ブチレングリコール 5.0重量%
ココイルグルタミン酸ナトリウム 3.0重量%
コカミドプロピルベタイン 1.0重量%
ヒドロキシプロピルデンプンリン酸 2.0重量%
ステアリン酸 0.2重量%
ラウリン酸 0.2重量%
EDTA‐2Na 0.1重量%
ステアリン酸グリセリル(SE) 1.5重量%
ポリクオタニウム‐7 0.3重量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05重量%
加水分解コラーゲン 0.1重量%
クエン酸 適量
香料 適量
pH調整剤 適量
精製水 適量
合計 100重量%
<製剤処方例7:皮膚化粧料(クレンジングミルク)>
グルコオリゴ糖 1.0重量%
スクワラン 10.0重量%
エチルヘキサン酸セチル 10.0重量%
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 5.0重量%
セタノール 0.5重量%
ステアリン酸グリセリル 2.0重量%
ステアレス‐20 1.0重量%
ジイソステアリン酸PEG‐12 2.0重量%
アルカンジオール 適量
アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10‐30)クロスポリマー
適量
キサンタンガム 適量
pH調整剤 適量
香料 適量
精製水 適量
合計 100重量%
本発明は、クローディン発現促進のために用いることのできる剤、およびタイトジャンクション形成促進のために用いることのできる剤を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。

Claims (12)

  1. グルコオリゴ糖を有効成分として含有する、クローディン発現促進剤。
  2. グルコオリゴ糖を有効成分として含有する、タイトジャンクション形成促進剤。
  3. 請求項1または2記載の剤を含有する、タイトジャンクション形成促進用組成物。
  4. さらに、抗炎症剤、ビタミン剤、保湿剤、抗菌剤、美白剤および局所麻酔剤からなる群から選択される少なくとも一種の薬効成分を含有する、請求項3記載のタイトジャンクション形成促進用組成物。
  5. 皮膚外用剤または皮膚化粧料である、請求項3または4記載のタイトジャンクション形成促進用組成物。
  6. 表皮ブドウ球菌の存在下で用いられる、請求項3から5のいずれか1項に記載のタイトジャンクション形成促進用組成物。
  7. グルコオリゴ糖を用いることを特徴とする、クローディンの発現促進方法。
  8. グルコオリゴ糖を用いることを特徴とする、タイトジャンクション形成促進方法。
  9. 表皮ブドウ球菌の存在下において、グルコオリゴ糖を用いる、請求項7または8記載の方法。
  10. グルコオリゴ糖を用いてクローディンの発現を促進することを特徴とする、肌改善のための美容方法。
  11. グルコオリゴ糖を用いてタイトジャンクションの形成を促進することを特徴とする、肌改善のための美容方法。
  12. 表皮ブドウ球菌の存在下において、グルコオリゴ糖を用いる、請求項10または11記載の美容方法。
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