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JP2020095327A - 防錆管理システム、防錆管理方法、防錆管理プログラムおよび情報処理装置 - Google Patents

防錆管理システム、防錆管理方法、防錆管理プログラムおよび情報処理装置 Download PDF

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幸雄 小林
博久 今田
Hirohisa Imada
博久 今田
雅之 山邊
Masayuki Yamabe
雅之 山邊
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Abstract

【課題】防錆処理を施した設備機器に対し、防錆塗料の寿命管理と、防錆処理を行う必要がある設備機器の特定およびその管理を自動化し、防錆処理の管理負荷の低減を図る。【解決手段】設備機器(4)の防錆管理システム(2、30、150)であって、設備機器の識別情報とその防錆処理情報を格納する記憶部(16、防錆処理情報ストレージ18)を備えるサーバー装置(6、32)と、入力画面(62)を表示部(24、44)に表示し、入力画面に入力された設備機器の識別情報をサーバー装置に通知する通信部(22)と、サーバー装置から取得した防錆処理情報に基づいて防錆管理処理画面(64)を生成して表示部(24、44)に表示させる情報処理部(26)を備える情報処理装置(8)とを含む。【選択図】 図1

Description

本発明は、設備機器に対する防錆処理の施工管理技術に関する。
配管やフランジ、ボルトやナットなどの設備機器を有するプラント設備では、設備機器の表面に防錆処理が施されている。この防錆処理は、たとえば外気や設置環境に対する耐性強化や損傷回避のほか、プラントでの製造や実験対象への影響を与えないようにするために行われる。プラント施設の防錆処理は、設備の表面に対して防錆剤を含む塗料を塗布することで行われる。防錆剤を含む防錆塗料は、油分を豊富に含み、これらの油分が設備に含浸することで防食コーティングとなるが、接着性などの特性により設備表面からの剥離が生じる場合がある。そのため、プラント施設では、所定期間の経過毎に防錆塗料を塗り直す防錆処理が必要になる。
このようなプラント施設への防錆処理に関し、対象物の表面に塗工した油含浸樹脂膜の油量と膜特性との関係から、油含浸樹脂膜の余寿命を推定するものがある(たとえば、特許文献1)。
特許第6051276号公報
ところで、防錆処理では、古い防錆塗料の剥離や機器表面に発生した錆を除去するケレン作業が行われる。このケレン作業では、設備機器の表面に対して研磨機などで削る作業を行うが、削り取り時に振動が生じるほか、金属部品の接触による火花が発生するおそれがある。また、設備機器の設置環境の状態などの条件により、設備機器の一部または全部を分解する場合もある。そのため、防錆処理を行うときはプラント設備の一部または全部を停止させなければならない。これにより、防錆処理の安全性を確保するほか、設備機器の必要箇所の防錆処理が可能となる。すなわち、設備機器の防錆処理は、何時でも行えるものではなく、プラント設備の稼動計画などに合せて計画的に実行しなければならないという課題がある。
また、プラント設備にある設備機器の全てを一度にまとめて防錆処理しない場合がある。たとえば、大型または長大な配管設備などケレンや防錆塗料の塗布を行う面積が大きい場合は、設備毎や区画毎、または設備全体の機能毎に防錆処理を行うことがある。このように複数回に分けて防錆処理を行う場合には、その場所の把握や特定、処理期間の管理などが必要になるが、防錆処理の実施記録の確認などの作業を人力的に行うのでは負荷が大きい。また、防錆処理の実行タイミングに至ったことの管理および通知、どの設備に該当するかの照合処理に負荷がかかるという課題がある。
斯かる課題について、特許文献1には開示や示唆はなく、特許文献1に開示された構成では斯かる課題を解決することができない。
そこで、本発明の目的は上記課題に鑑み、防錆処理を施した設備機器に対し、防錆塗料の寿命管理と、防錆処理を行う必要がある設備機器の特定およびその管理を自動化し、防錆処理の管理負荷の低減を図ることにある。
上記目的を達成するため、本発明の防錆管理システムの一側面は、設備機器の防錆管理システムであって、前記設備機器の識別情報とその防錆処理情報を格納する記憶部を備えるサーバー装置と、入力画面を表示部に表示し、該入力画面に入力された前記設備機器の識別情報を前記サーバー装置に通知する通信部と、前記サーバー装置から取得した前記防錆処理情報に基づいて防錆管理処理画面を生成して前記表示部に表示させる情報処理部を備える情報処理装置とを含む。
上記目的を達成するため、本発明の防錆管理システムの一側面は、ネットワークを介して接続する情報処理装置とサーバー装置を含む防錆管理システムであって、前記情報処理装置で生成され、設備機器から取得した識別情報が入力される入力部を含む入力画面と、前記サーバー装置の記憶部から取得した防錆処理情報を利用して、前記情報処理装置が生成する防錆管理処理画面と、前記入力画面に入力された前記識別情報に関連付けられた設備機器を特定し、該設備機器の防錆処理情報に前記情報処理装置がアクセス可能に設定する処理部とを含む。
上記防錆管理システムにおいて、さらに、前記設備機器は前記識別情報を含む識別タグを備え、前記情報処理装置は、前記入力画面の起動または前記入力画面に対する入力操作に応じて前記識別タグを含む画像を取り込む撮影機能部を備え、撮影した画像から前記識別タグを抽出し、または前記識別タグに記録された識別情報を読み出して前記サーバー装置側に通知してよい。
上記防錆管理システムにおいて、前記防錆処理情報には、各設備機器に塗工された防錆剤の寿命情報が含まれており、前記情報処理装置は、取得した前記寿命情報と時計情報を利用して次の防錆処理施工タイミングを算出し、該防錆処理施工タイミングまたは前記寿命情報のいずれか一方または両方の管理情報を含む防錆管理処理画面を生成してよい。
上記防錆管理システムにおいて、さらに、前記情報処理部は、次の防錆処理施工タイミングが到来したことを契機に報知する報知機能を備えてよい。
上記防錆管理システムにおいて、前記サーバー装置は、前記識別情報に関連付けて前記設備機器の設置環境情報が記憶されており、該設置環境情報を利用して、前記次の防錆処理情報が調整または修正されてよい。
上記目的を達成するため、本発明の防錆管理方法の一側面は、設備機器から識別情報を取得し、表示部に前記識別情報を入力する入力画面を表示し、前記入力画面に入力された前記識別情報をサーバー装置に送信し、前記サーバー装置の記憶部に記憶されている前記識別情報に関連付けられた防錆処理情報を取得し、前記防錆処理情報を利用して防錆管理処理画面を生成し、前記防錆管理処理画面を表示部に表示する処理を含む。
上記防錆管理方法において、前記防錆処理情報に含まれる防錆剤の寿命情報と時計情報を利用して次の防錆処理施工タイミングを算出し、該防錆処理施工タイミングまたは前記寿命情報のいずれか一方または両方の管理情報を含む防錆管理処理画面を生成する処理を含んでよい。
上記防錆管理方法において、さらに、防錆処理施工タイミングが到来したことを契機に報知する処理を含んでよい。
上記目的を達成するため、本発明の防錆管理プログラムの一側面は、情報処理装置のコンピュータに実行させる防錆管理プログラムであって、設備機器から識別情報を取得する機能と、表示部に前記識別情報を入力する入力画面を表示する機能と、前記入力画面に入力された前記識別情報をサーバー装置に送信する機能と、前記サーバー装置の記憶部に記憶されている前記識別情報に関連付けられた防錆処理情報を取得する機能と、前記防錆処理情報を利用して防錆管理処理画面を生成する機能と、前記防錆管理処理画面を表示部に表示する機能とを含む。
上記目的を達成するため、本発明の情報処理装置の一側面は、表示部と、前記表示部に表示される入力画面を通じて、設備機器に設置された識別タグから識別情報を読み取る読取り部と、ネットワークを介してサーバー装置と接続し、前記識別情報を送信するとともに、前記サーバー装置の記憶部にアクセスして、前記識別情報に関連付けられた防錆処理情報を読み出す通信部と、前記入力画面および前記サーバー装置から取得した前記防錆処理情報に基づいて防錆管理処理画面を生成して前記表示部に表示させる情報処理部と を備える。
本発明によれば、次のいずれかのような効果が得られる。
(1) 設備機器から読み取った識別情報を送信し、サーバー装置から設備機器の防錆処理情報を受信して管理処理画面を生成することで、管理者の近傍にある、または管理者が認識している設備機器に対する防錆処理の必要性の確認が行える。
(2) 管理者が有する情報処理装置が、特定の設備機器の防錆処理情報を受信して防錆管理処理情報を生成することで、管理者が指示した時点の防錆処理の必要性が把握できる。
(3) また、情報処理装置が設備機器から直接識別情報を収集することで、管理対象の設備機器の特定が確実かつ容易に行うことができ、防錆管理の信頼性が高められる。
第1の実施の形態に係る防錆管理システムの構成例を示す図である。 防錆管理処理例を示すシーケンス図である。 第2の実施の形態に係る防錆管理システムの構成例を示す図である。 Aは携帯端末装置のハードウェア構成例を示しており、Bは記憶部の内部構成例を示している。 Aは設備機器に設置される識別情報の一例を示しており、Bは識別情報の構成例を示している。 Aはサーバー装置のハードウェア構成例を示しており、Bは記憶部の内部構成例を示している。 防錆管理テーブルの一例を示している。 作業者情報テーブルの一例を示している。 Aは入力画面のメニュー画面の一例を示しており、Bは識別情報の読込み画面の一例を示している。 A、Bは次回の処理までの期間を含む防錆管理処理画面の一例を示している。 Aは期限を超過した場合の防錆管理処理画面の一例を示しており、Bは余寿命データを含まない防錆管理処理画面の一例を示している。 携帯端末装置の防錆管理処理の一例を示すフローチャートである。 防錆管理システムの実施例を示す図である。
〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る防錆管理システムの構成例を示している。図1に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されない。
この防錆管理システム2は、たとえば図1に示すように、監視対象である設備機器4に施された防錆剤の防錆機能寿命の管理や、次回の防錆処理の施工タイミングの管理およびその報知処理を行う構成の一例である。この防錆管理システム2には、たとえばサーバー装置6、情報処理装置8が含まれる。
<設備機器4について>
設備機器4は、少なくとも外気にさらされる部分に錆の発生や付着、拡大を防止するための防錆剤を含む防錆塗料が塗布された装置やその部品の一部または全部であって、防錆管理の対象単位で特定されている。つまり設備機器4は、単独で機能する装置や部品に限られず、長尺な配管設備の内の一部の長さや、フランジ部分のみ、またはフランジを通じて配管を連結させるボルトやナットの1つずつであってもよく、または1つで機能する装置や近傍で同じ状態で使われる複数の部品を含んでもよい。したがって、1のプラント設備には、単一または複数の設備機器4が設置されている。
さらに各設備機器4には、防錆管理システム2において識別および特定するための識別情報が付され、機器の外装表面の一部に識別情報提示部10を備える。識別情報提示部10は、少なくとも情報処理装置8が自動でまたはユーザーの入力操作により識別情報を取得可能にする手段の一例であり、たとえば数字や文字などが表示されるほか、バーコードやQRコード(登録商標)などによる表示、またはWi−Fi(登録商標)や赤外線通信などの近距離無線通信などで識別情報を発信してもよい。
<サーバー装置6について>
サーバー装置6は、設備機器4に施された防錆処理情報を管理するコンピュータの一例であり、情報処理装置8とデータを送受信させる通信部12、処理部14、記憶部16で構成される。この記憶部16には、防錆処理情報を格納する防錆処理情報ストレージ18が形成されている。このサーバー装置6は、登録される設備機器4またはその識別情報毎に防錆処理情報を記憶するとともに、情報処理装置8を通じて取り込んだ識別情報に対し、記憶されている防錆処理情報を読み出す機能を備える。
サーバー装置6は、たとえば情報処理装置8との間で通信を行い、情報の送受信を行うことができればよく、たとえばパーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)を利用してもよい。
このサーバー装置6は、たとえば以下のような機能を備える。
a)設備機器4とその機器に施された防錆処理情報とを関連付けて記憶させる。
b)情報処理装置8と通信処理を行う。
c)設備機器4に塗布されている防錆剤の寿命情報の診断結果を記憶する。
d)情報処理装置8からの指示に基づいて、記憶しているデータを情報処理装置8に提示する。
<情報処理装置8について>
情報処理装置8は、特定した設備機器4から識別情報を取得して、サーバー装置6に記憶されている防錆処理情報を取り込んで防錆管理処理を実行する処理端末の一例であり、識別情報取得部20、通信部22、表示部24、情報処理部26を備える。この情報処理装置8は、たとえば携帯電話機やスマートフォン、その他のモバイルPCなどを用いる。
識別情報取得部20は、設備機器4の識別情報提示部10から識別情報を取り込む手段の一例であり、識別情報提示部10を撮影するカメラや、バーコードやQRコード(登録商標)などを読込んで認識するリーダー(Reader)、そのほか、管理者によって文字や数字を入力させるキーボードなどが含まれる。
通信部22は、ネットワークを介してサーバー装置6と通信するための機能部であり、たとえばインターネット、赤外線通信などの近距離無線通信、電話回線を利用した通信などを利用する。
表示部24は、防錆管理処理の管理画面として、識別情報を入力させる入力画面や防錆剤の寿命や次回の防錆処理情報などを表示する防錆管理処理画面を表示させる手段の一例である。
情報処理部26は、防錆管理処理を実行する手段の一例であり、たとえば設備機器4側識別情報を取得させる処理や、入力画面の生成、サーバー装置6から取り込んだ防錆処理情報に基づいて防錆管理処理画面の生成処理を行う。
このような構成により、情報処理装置8は、たとえば以下の処理を実行する。
A)設備機器4から識別情報を取得する。
B)取得した識別情報を入力画面に入力して、サーバー装置6に識別情報を通知する。
C)サーバー装置6に記憶されている防錆処理情報を取得する。
D)取得した設備機器4の防錆処理情報に基づいて防錆管理処理画面を生成し、この防錆管理処理画面を表示部24に表示する。
<防錆管理処理>
図2は、サーバー装置6および情報処理装置8の防錆管理処理の一例を示すシーケンス図である。図2に示す処理内容および処理手順は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されない。この防錆管理処理は、本発明の防錆管理方法、防錆管理プログラムの一例である。
情報処理装置8の情報処理部26は、防錆管理処理の開始を契機に入力画面を表示部24に表示させる(S101)。この入力画面には、少なくとも管理対象の設備機器4から取得した識別情報を入力する入力エリアがある。この入力エリアには、たとえば情報処理装置8の入力手段を通じて文字や数字などが入力されるほか、カメラ機能に連動してファインダー画面で形成されてもよい。そして情報処理装置8は、たとえば入力画面を表示すると、識別情報の入力指示を出力する(S102)。入力指示は、たとえば表示部24に入力を促す画面を表示してもよく、または音や振動によって報知してもよい。
情報処理装置8の識別情報取得部20は設備機器4から機器の識別情報を取得する(S103)。たとえば設備機器4が識別情報提示部10にある識別情報を情報処理装置8が読み取り可能な状態にしてもよく、または情報処理装置8が識別情報提示部10にアクセスして識別情報を取得してもよい。
情報処理装置8は、取得した識別情報により設備機器4を特定し(S104)、サーバー装置6に対して識別情報を通知する(S105)。このとき情報処理部26は、入力された識別情報に対して防錆管理処理の管理データを生成すればよい。この管理データは、たとえば防錆管理処理画面を生成するためのデータの一例であり、識別情報とサーバー装置6から取得する設備機器4の機器情報が格納される。
サーバー装置6の処理部14は、情報処理装置8から通知された識別情報を読み込み、記憶部16に格納されている識別情報と照合する(S106)。サーバー装置6は、照合結果に基づき、識別情報が一致する設備機器4の防錆処理情報を防錆処理情報ストレージ18から読み出し(S107)、情報処理装置8に提示する。このとき、サーバー装置6は、たとえば読み出した防錆処理情報を図示しない一時ストレージなどに格納して、情報処理装置8が読み出し可能な状態にしてもよく、または防錆処理情報を情報処理装置8側に送信してもよい。
情報処理装置8は、防錆処理情報を取得すると(S108)、一時的な記憶領域などに記憶する。そして情報処理装置8の情報処理部26は、防錆処理情報に基づいて防錆管理処理画面の生成を行い(S109)、その画面を表示部24に表示する(S110)。
<第1の実施の形態の効果>
斯かる構成によれば、以下のような効果が得られる。
(1) 設備機器4の近傍にある情報処理装置8を利用して、設備機器4から識別情報を取得し、この情報処理装置8を介してサーバー装置6から防錆処理情報を取得させることで、管理担当者などが目視などで特定している設備機器4の防錆処理情報の管理が迅速にかつ安定的に行える。
(2) 情報処理装置8を有する防錆管理担当者が目視などで監視している設備機器4の防錆状態と、サーバー装置6に格納されて管理されている防錆処理情報との対比を即時に行うことができ、防錆管理処理の信頼性の向上、および管理時間の軽減が可能となる。
(3) 設備機器4に識別情報提示部10を備えることで、防錆管理の対象であることの把握が容易化できるとともに、防錆管理の実行場所のばらつきが減り、防錆処理情報の信頼性が向上する。
(4) また識別情報提示部10がある場所で防錆管理処理を実行させることで、次回の防錆処理までの時間が少ない場合、またはすでに防錆処理の実行日を経過している場合に、直ちに、防錆処理を実行させるための手配や実行の緊急性が把握でき、防錆管理処理の信頼性が維持できる。
(5) 情報処理装置8が設備機器4から直接識別情報を収集することで、管理対象の設備機器の特定を確実かつ容易に行うことができ、防錆管理の信頼性が高められる。
〔第2の実施の形態〕
図3は、第2の実施の形態に係る防錆管理処理システムの構成例を示している。図3に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されない。また、図3において、図1と同一の構成には同一符号を付している。
この防錆管理システム30は、たとえば図3に示すようにサーバー装置32や携帯端末装置34を備える。
サーバー装置32は、防錆管理対象となる設備機器4の識別情報と、過去に行った防錆処理の実行記録である防錆処理情報とを関連付けて記憶するデータベースであり、たとえばサーバー本体36、表示部38、入力操作部40を備える。このサーバー装置32は、携帯端末装置34から通知された設備機器4の識別情報に対し、記憶している防錆処理情報を読み出して防錆管理に利用可能な状態にする。
携帯端末装置34は、本開示の情報処理装置の一例であり、たとえば携帯電話機、スマートフォン、モバイルPCのほか、ネットワークを利用したデータ通信が可能な防錆管理用の情報端末装置であってもよい。この携帯端末装置34は、筐体本体42に表示部44や図示しないカメラ、入力操作ボタンなどを備えている。これにより、防錆管理の担当者は、管理対象となる設備機器4の近傍に携帯端末装置34を所持して移動し、設備機器4の識別情報を入力するとともに、防錆処理情報の読み出しが行える。この設備機器4は、製造工場、実験装置などのプラント設備に設置される配管や、配管同士を連結させるフランジ、または複数の部品を締結させるボルトおよびナットなどの締結部品であり、たとえば外装表面に防錆剤を含む塗料が塗布されている。設備機器4の識別情報は、たとえば防錆の管理対象の範囲や、設備機器4の大きさなどによって監視対象の範囲が区分けされる。つまり、大型の機械や長大な配管設備であれば、1の機能の設備機器であっても、区分けされて複数の識別情報が設定される場合もある。また、錆に対する管理の重要度が高い機械などであれば、その機械を細分化して監視し、各設備機器4の防錆状態の監視を行ってもよい。
<携帯端末装置34について>
図4のAは、携帯端末装置34のハードウェア構成例を示している。図4のBは、記憶部52の内部構成例を示している。
携帯端末装置34はコンピュータで構成されており、たとえば図4のAに示すように、プロセッサ50、記憶部52、入力操作部54、入出力部(I/O)56、通信部57および表示部44を含む。
プロセッサ50は、携帯端末装置34で実行するプログラムの演算手段の一例であり、携帯端末装置34を動作させるOS(Operating System)や設備機器4の防錆管理を行う防錆管理プログラム70、その他の図示しないアプリケーションプログラムなどの演算処理を行う。プロセッサ50は、防錆管理プログラム70の実行により、本開示の情報処理部26として機能し、識別情報の入力などを行う入力画面や防錆管理処理画面を生成する。
記憶部52はOS、防錆管理プログラム70、識別情報、防錆処理情報などの記憶に用いられ、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)が備えられる。この記憶部52にはたとえば記憶領域66に加え、一時記憶領域68が備えられる。この記憶部52には記憶内容を保持可能な記憶素子を用いればよい。
入力操作部54は、たとえばキースイッチなどを備え、入力情報の入力、出力情報の取出し、モード切替えなどに用いられる。また入力操作部54は、たとえば表示部44に搭載されたタッチセンサーを利用し、表示部44への作業者の接触位置などで入力処理を行うタッチパネルであってもよい。
タイマ55は、日時情報の取得や所定のタイミングを契機とした計時処理を行う手段の一例である。タイマ55は、たとえば携帯端末装置34で実行される時計アプリケーションプログラムにより計時するほか、外部との通信により時間情報を取得してもよい。
通信部57はサーバー装置32等との間でデータを送受信する機能部の一例であり、プロセッサ50により制御される。この通信部57は、たとえば無線通信、インターネット、赤外線通信などのいずれか、または複数の通信機能を備えてよい。
I/O56はプロセッサ50により制御されており、設備機器4から識別情報の取込みに用いられる。このI/O56には、たとえば識別情報取得部20の一例として、カメラ58や読取り部60のいずれかまたは両方を備えてもよい。また、この読取り部60は、設備機器4の識別情報提示部10の種類に合せて用いられ、たとえばバーコードリーダーやQRコードリーダー、近距離無線通信を行うRFID(Radio Frequency IDentifer)などのほか、カメラ58が取り込んだ画像内で識別情報を認識する画像認識プログラムで構成されてもよい。
表示部44は情報提示機能の一例であり、防錆管理処理の段階に沿って、識別情報を入力させる入力画面62や防錆処理情報に基づいて生成した防錆管理処理画面64などを表示する。
記憶部52には、たとえば図4のBに示すように、記憶領域66内に防錆管理プログラム70が記憶されるほか、図示しないOSやカメラ58や読取り部60、その他の機能部を制御するアプリケーションプログラムなどが記憶される。また、一時記憶領域68には、読取り部60で読み取った識別情報72、携帯端末装置34を操作するユーザーを表すユーザー情報74、サーバー装置32から取得した防錆処理情報76などが一時的に記憶される。この一時記憶領域68に記憶される情報は、たとえば防錆管理処理画面64の生成など、所定の処理が完了したことを契機に、削除などが行われる。
<識別情報10について>
図5は、識別情報の状態や識別情報に含まれる情報の一例を示している。
設備機器4には、たとえば図5のAに示すように、管理担当者が目視できる位置にタグ80が設置手段84等で備え付けられている。このタグ80は、本開示の識別タグの一例であり、たとえば平板であってその平板面に識別情報にアクセスさせるQRコード(登録商標)82が印字されている。これにより携帯端末装置34は、このQRコード82を読取り部60で読み取ることで、設備機器4の識別情報を取得することができる。
なお、識別情報は、QRコード82で表示する場合に限られず、バーコードや文字および数字が直接表示される場合も含まれる。
タグ80から読取った識別情報90には、たとえば図5のBに示すように、設備機器4の名称情報90−1、No情報90−2、設置場所情報90−3、部品番号90−4などが含まれる。
<サーバー装置32について>
図6はサーバー装置の構成例を示している。
このサーバー装置32には、たとえば図6のAに示すように、処理部94としてプロセッサ96、記憶部98、通信部100、入力操作部102、入出力部(I/O)104、モニター106、外部メモリ108などを備える。
プロセッサ96は、記憶部98にあるOSや防錆管理プログラムなどの演算処理を行う。防錆管理処理では、携帯端末装置34から提示された識別情報に基づいて記憶部98に格納されている防錆処理情報を読み出し、携帯端末装置34がアクセス可能な状態に保持させる。そのほか、プロセッサ96は、たとえば処理部14の一例であり、携帯端末装置34からのアクセスに対し、そのアクセスの日時情報などを記憶部98に格納する。
記憶部98には、たとえばOSなどのプログラムを記憶する領域のほか、管理データのストレージとして機能する。この記憶部98には、防錆処理情報ストレージ18の一例として、たとえば図6のBに示すように、防錆管理テーブル110や作業者情報テーブル112が記憶される。記憶部98は、ROMおよびRAMが備えられており、たとえば記憶内容を保持可能なハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置を用いればよい。
通信部100はプロセッサ96により制御され、携帯端末装置34との間で無線接続やインターネット接続に用いられる。
入力操作部102は、防錆管理の対象である設備機器4の識別情報の登録、作業管理者の登録などに用いられる。
I/O104はプロセッサ96により制御されて制御情報の入出力に用いられる。
モニター106は情報提示部、表示部の一例であり、たとえば、サーバー装置32側で防錆処理情報の表示に用いられる。このモニター106の画面表示部にはタッチパネルを備え、入力操作部102に代え、表示情報に対応した入力を行うようにしてよい。
外部メモリ108は、サーバー装置32の記憶部98以外に設定された記憶領域の一例であり、たとえばUSB(Universal Serial Bus)規格のケーブルを介して接続したストレージやネットワーク上にあるクラウドストレージなどを利用して防錆処理情報を記憶してもよい。
<防錆管理テーブル110について>
図7は防錆管理テーブルの一例を示している。この防錆管理テーブル110に示す情報は一例であり、これらの情報の全てを記憶してもよく、またはこれらの内の一部の情報を記憶してもよい。また、図7に示した情報以外の情報を記憶してもよい。
防錆管理テーブル110は、たとえば防錆処理の施工を契機にその施工情報などが入力または更新される。登録される情報には、たとえば施工日のほか、設定された手法により診断された防錆剤の寿命診断結果やそれに基づいて算出される余寿命情報などが含まれる。防錆管理テーブル110には、たとえば防錆処理の作業者や寿命診断の担当者が入力操作部102を利用して日付情報や寿命情報または余寿命情報などが入力される。そのほか、サーバー装置32は、たとえば防錆処理を行った機械設備やその管理システムや、寿命診断に利用する診断設備やその管理システムからデータを受信して、防錆管理テーブル110を作成する。このとき、サーバー装置32は、受信したデータのうち、防錆管理処理に必要なデータの一部または全部を選択する機能を備えてもよい。
防錆管理テーブル110は、たとえば図7に示すように、機器名称情報110−1、機器のNo情報110−2、設置場所情報110−3、部品番号110−4、初期施工日情報110−5、最終施工日情報110−6、防錆診断日情報110−7、テスト日情報110−8、次回施工期限情報110−9、アクセス日情報110−10などが含まれる。
これらの情報のうち、機器名称情報110−1、機器のNo情報110−2、設置場所情報110−3、部品番号110−4は、設備機器4の識別情報であり、説明を省略する。
初期施工日情報110−5、最終施工日情報110−6は、たとえば設備機器4に施された防錆処理の経過情報の一例である。防錆管理テーブル110には、施工日の情報として、初期と最終の日付のみならず、全ての施工経過情報を登録してもよい。
防錆診断日情報110−7は、施工された防錆剤の寿命診断を行った日付を示す情報の一例である。
テスト日情報110−8は、施工された防錆剤の寿命情報の一例であり、寿命診断の診断結果である。この寿命診断の手法は、たとえば過去の計測データに基づく予測算出処理や防錆剤に含まれる特定の物質や成分の状態などに基づいて診断が行われる。
次回施工期限情報110−9は、防錆剤の寿命情報に基づいて算出した施工期限情報であり、防錆機能が維持できる防錆剤の余寿命情報の一例である。携帯端末装置34は、たとえば次回施工期限情報110−9を利用して、防錆管理処理画面64を生成するとともに、施工管理処理を実行する。
アクセス日情報110−10は、たとえば携帯端末装置34やサーバー装置32を利用して、特定の防錆処理情報にアクセスした日付の一例である。このアクセス日情報110−10は、設備機器4に対する防錆管理処理が行われているか否かの判断に利用される。サーバー装置32は、たとえば次回施工期限情報110−9までにアクセス日情報110−10が更新されていない場合には、図示しない管理担当者の携帯端末装置34にアラームを通知する処理を行ってもよい。
<作業者情報テーブル112について>
図8は作業者情報テーブルの一例を示している。
防錆管理処理では、たとえば設備機器4から識別情報を取得し、サーバー装置32にアクセスする携帯端末装置34の作業者を管理している。この作業者情報テーブル112には、たとえば携帯端末装置34の作業開始時に作業者から取得した作業者情報が格納される。
この作業者情報テーブル112は、たとえば図8に示すように、作業者情報の一例として、作業者のID(IDentification)、社名、作業者名などの情報が含まれる。ID情報112−1には作業者を特定する識別情報が格納される。社名情報112−2には、作業者が所属する会社の名称などの情報が格納される。作業者名情報112−3には、作業者の氏名などが格納される。
作業者情報は、たとえば作業者が所持する社員証や認証タグなどから、携帯端末装置34のカメラ58によって取得すればよい。また、社員証や認証タグがバーコードやQRコード(登録商標)で表されている場合、読取り部60を利用すればよい。
格納した作業者情報は、たとえば携帯端末装置34を利用してサーバー装置32にアクセスするための認証情報に利用してもよい。
<メニュー画面114について>
図9のAは、メニュー画面の一例を示している。
携帯端末装置34は、たとえば防錆管理プログラムを実行すると、表示部44にメニュー画面114が表示される。このメニュー画面114は、防錆管理機能の入力画面62の一例であり、たとえば図9のAに示すように、上部にタイトル表示部116、中央部に記録履歴表示部118、取込操作部120、読込操作部122が形成されている。
タイトル表示部116は、実行中の機能種別情報やその機能モード情報などを表示するエリアであり、たとえば「防錆施工・余寿命診断」が表示される。
記録履歴表示部118は、たとえばサーバー装置32に対するアクセス履歴やサーバー装置32から防錆処理情報を取得した履歴などが表示される。
取込操作部120は、サーバー装置32から防錆処理情報の取込み処理に移行させる操作部の一例である。携帯端末装置34は、この取込操作部120の操作を契機にサーバー装置32にアクセスし、記憶している識別情報を送信する。この取込操作部120は、たとえば設備機器4から識別情報の読取りが完了していない場合、メニュー画面114に表示させない、またはユーザーが操作不可能な状態にしてもよい。
読込操作部122は、設備機器4から識別情報の読込みモードに移行する操作部の一例である。携帯端末装置34は、読込操作部122の操作を契機に、カメラ58や読取り部60のいずれかまたは両方を起動する。
<読込み画面124について>
図9のBは、識別情報の読込み画面の一例を示している。
携帯端末装置34は、メニュー画面114の読込操作部122の操作を契機に、識別情報の読込みモードに移行する。表示部44には、たとえば図9のBに示すように読込み画面124が表示される。この読込み画面124は、たとえばカメラ58のファインダー画面を利用しており、ユーザーの操作により設備機器4を撮影またはファインダー画面に捉える必要がある。読込み画面124には、たとえばファインダー内に捉えた画像内にある識別情報を提示するQRコード82を捉えるキャプチャー機能部126を備える。このキャプチャー機能部126は、本開示の識別情報取得部の一例であり、バーコードやQRコードその他の情報表示を読取る読取り部60で構成される。キャプチャー機能部126は、たとえば読込み画面124の所定の位置に固定設定されてもよく、またはカメラ58の画像認識機能を利用して、ファインダー画面内にあるバーコードやQRコードの読み取りを行う。
そのほか、読込み画面124には、たとえば発光・消光操作部128を備えてもよい。発光・消光操作部128は、携帯端末装置34に搭載される発光部のON/OFFを切替える操作ボタンの一例であり、防錆管理を行うユーザーが読込み画面124内の状態やQRコードの読込み状態に応じて、照明の有無を選択することができる。
<防錆管理処理画面130について>
図10は、防錆管理処理画面の構成例を示している。
携帯端末装置34は、サーバー装置32から取得した防錆処理情報に基づいて防錆管理処理画面130を生成し、表示部44に表示する。この防錆管理処理画面130は、たとえば算出されまたは所定の手法により診断された防錆剤の余寿命を表示し、次回の防錆処理までの期間に応じて表示内容が異なる。
(1)防錆剤の余寿命が所定期間ある場合
この防錆管理処理画面130−1には、たとえば図10のAに示すように、余寿命表示部132、施工履歴表示部134が含まれる。余寿命表示部132は、防錆剤の余寿命を図および数字などで提示する表示エリアの一例である。携帯端末装置34は、たとえば取得した防錆処理情報から寿命情報である次回施工期限情報や防錆剤の耐久期間情報と、現在の日時などを含む時計情報とを利用して、次回の施工期限までの残り期間(余寿命)を算出する。また、携帯端末装置34は、たとえば防錆剤の耐久期間情報や算出した余寿命などのデータを利用して円グラフなどで防錆剤の管理処理情報を作成する。余寿命表示部132には、たとえば期間情報表示部136が形成されるとともに、施工からの経過期間表示138と余寿命表示140を含む円グラフが形成される。この余寿命の円グラフは、たとえば防錆剤の寿命の全体の月数を分母とし、残りの月数を分子として、現在までの経過期間の割合を算出すればよい。
施工履歴表示部134には、防錆処理の施工情報が記録されており、たとえば初期施工日、最終施工日、次回施工期限、最終防錆診断日、テスト日などの情報が含まれる。
(2)防錆剤の余寿命期間が十分にある場合
この防錆管理処理画面130−2には、たとえば図10のBに示すように、余寿命表示部132の円グラフが全て余寿命表示140となっている。これは、たとえば防錆処理を行った直後や防錆剤の寿命診断において、防錆剤の耐久期間よりも長くなると診断された場合などである。この余寿命の円グラフの作成処理では、たとえば分母にある全体の月数が0の場合や、分母にセットした全体の月数に対して分子にセットした残りの月数が大きい場合である。
(3)防錆剤の余寿命を超過している場合
防錆管理処理画面130−3は、たとえば図11のAに示すように、余寿命表示部132には、たとえば「再施工時期を1ヵ月超過しています」などの警告表示142とともに円グラフが期間超過表示144となる。この期間超過表示144は、たとえば円グラフ全体の色や模様を経過期間表示138や余寿命表示140と異なるものとすればよく、または円グラフの全体を経過期間表示138としてもよい。この余寿命の円グラフの作成処理では、たとえば分母にある全体の月数が正の値がセットされており、分子にセットした残りの月数が0または負の値がセットされた場合である。
(4)余寿命情報が無い場合
防錆管理処理画面130−4は、たとえば図11のBに示すように、余寿命表示部132には、たとえば「余寿命データはありません」などの通知情報146とともに円グラフの全体が管理不能表示148となる。この管理不能表示148は、たとえば円グラフの全体が単色に表示される。この余寿命の円グラフの作成処理では、たとえば分母にある全体の月数および分子にセットした残りの月数が共に0またはデータが無い場合である。
<防錆管理処理について>
図12は、携帯端末装置の防錆管理処理の一例を示している。図12に示す防錆管理処理は、本開示の防錆管理方法、防錆管理プログラムの一例であり、本発明が斯かる処理手順、処理内容に限定されない。
携帯端末装置34は、表示部44に入力画面を表示し(S201)、読込操作部122の操作を契機にカメラ58や読取り部60のいずれかまたは両方を起動させる(S202)。携帯端末装置34は、設備機器4の識別情報を取り込み(S203)、この識別情報を記憶部に一時記憶する(S204)とともに、この識別情報を通知してサーバー装置32の記憶部にアクセスする(S205)。
携帯端末装置34は、サーバー装置32から防錆処理情報を取り込み(S206)、時計情報と、寿命情報を含む防錆処理情報とから次回施工月までの期間である余寿命情報を算出する(S207)。そして算出した結果に基づいて、防錆管理処理情報を表す円グラフなどの施工管理グラフを作成し(S208)、このグラフや寿命情報などを組み合せて防錆管理処理画面130を生成する(S209)。
なお、携帯端末装置34は、たとえば防錆管理処理画面130の生成により、余寿命を超過している場合や、余寿命が近いと判断した場合には、表示部44にアラーム表示画面を表示するほか、音声による報知を行ってもよい。
<第2の実施の形態の効果>
斯かる構成によれば、以下のような効果が期待できる。
(1) サーバー装置32が管理する防錆処理情報に対し、余寿命などの状態を把握し易くした防錆管理処理画面を生成して表示することで、防錆管理の信頼性の向上や管理の容易化、担当者の経験値の違いによる誤判断の回避などが図れる。
(2) 管理対象となる設備機器4のタグを撮影して識別情報の入力を可能とすることで、防錆管理の作業工数や作業負荷の軽減が図れる。
(3) サーバー装置32が防錆処理情報へのアクセス状態を把握することで、防錆管理処理の実行状態を監視することができ、設備機器4の安全性を高めることができる。
(4) 担当者が撮影により取り込んだ識別情報に基づいて、防錆処理情報が読み出され、この情報に基づいて防錆管理処理を行うことで、情報の取り違いなどの発生を回避できる。
<防錆管理システムの活用例>
図13は、実施例に係る防錆管理システムの構成例を示している。
防錆管理システム150は、たとえば特定の実験設備やプラント施設の一部または全体、もしくはこれらの施設に用いる機器などを対象として設定した防錆管理を行う。この防錆管理システム150には、対象となる機器に防錆剤の塗工処理などを行う防錆施工部152、塗工された防錆剤の状態を診断する余寿命診断部154および防錆処理後に防錆剤の状態監視およびその余寿命を管理する防錆管理部156が連携している。
防錆施工部152は、たとえば設備機器4の表面に対してケレン処理を行うとともに、防錆剤を含む塗料の塗工処理などを行う。この防錆施工部152では、たとえば人力または作業機械などを利用して行われるケレン処理や塗工処理に対し、処理スケジュールの管理や、処理記録および処理内容などの情報をコンピュータなどに記録すればよい。そしてこれらの施工記録は、たとえば防錆管理部156のサーバー装置32に通知してもよい。
余寿命診断部154は、たとえば防錆施工部152と連携しており、防錆施工処理が行われた設備機器4に対し、直ちに、または所定期間が経過したことを契機に、塗布した防錆剤またはそれを含む塗料をサンプリングし、その状態分析を実施して防錆剤の余寿命診断を行う。余寿命診断では、たとえばサンプリングした塗料に含まれる防錆剤の成分状態を基準に、耐久期間(寿命)を診断する。余寿命診断部154は、たとえば図示しない成分分析に必要な検査機器のほか、データ管理やスケジュール管理を行うコンピュータを利用する。このコンピュータはたとえば防錆管理部156のサーバー装置32に連携しており、設備機器4の識別情報に関連付けて防錆剤の寿命診断結果を通知する。
余寿命診断では、各種の手法を用いて診断すればよく、たとえば既述の特許文献1に開示された手法を利用してもよい。この余寿命診断では、たとえば防錆剤の塗布時に飽和状態となっている油分が時間の経過によって減少すること、この油分の飽和状態の解除や油分の残量や移行量が防錆機能の低下に繋がるとの知見に基づいている。そして、油含有樹脂膜形成時に計測した油残存量と、時間経過後の油含有量の変化量、および残油量に基づく寿命基準量から防錆剤の余寿命を数値などの認識可能な情報に変化させてよい。
防錆管理部156は、第1の実施の形態、または第2の実施の形態に示した防錆管理処理を実行する構成であり、携帯端末装置34と、設備機器4の識別情報や余寿命診断の診断結果などを格納する。また、携帯端末装置34には、表示部44に読込み画面124や防錆管理処理画面130などが表示される。
防錆管理処理において、上記実施の形態で説明したこと以外については、説明を省略する。
<実施例の効果について>
この実施例によれば、以下のような効果が期待できる。
(1) 防錆施工、寿命診断、防錆管理処理において防錆状態の監視とともに、防錆剤の施工に関連する寿命および次の施工に関連する余寿命情報を通知し、共有化することで、防錆管理のミスを防止でき、防錆管理処理の信頼性の向上が図れる。
(2) 防錆管理において、防錆施工部152や余寿命診断部154にアクセスしなくともサーバー装置32に格納された防錆処理情報を利用して防錆管理が行え、処理時間の軽減や負荷の低減が図れる。
以上説明した実施の形態について、その特徴事項や変形例を以下に列挙する。
(1) 上記実施の形態では、情報処理装置8である携帯端末装置34が設備機器4の識別情報を通知することでサーバー装置32にアクセス可能にする場合を示したがこれに限らない。サーバー装置32は、たとえば接続した携帯端末装置34に登録されている情報や携帯端末装置34の利用開始時に行った作業者の認証情報、または作業者のID情報を利用して、サーバー装置32に対するログインの認証処理を行ってもよい。斯かる構成によれば、アクセス可能な装置の選別、または携帯端末装置34のアクセスの監視等に利用して、管理処理のセキュリティの向上、防錆管理の安全性の向上が図れる。
(2) 上記実施の形態では、識別情報を通知した携帯端末装置34に対し、サーバー装置32に格納されている防錆処理情報に対してアクセス可能にする場合を示したがこれに限らない。サーバー装置32は、通知された識別情報に対応する防錆処理情報を読み出し、識別情報を通知した携帯端末装置34側にその防錆処理情報を送信してもよい。
(3) 上記実施の形態および実施例では、防錆処理を行った後に記憶された寿命情報を含む防錆処理情報を利用して次の防錆処理期間などを設定する防錆管理処理を行う場合を示したがこれに限らない。防錆管理システム2では、たとえば所定の期間毎に寿命診断を行い、過去の寿命情報について修正を行ってもよい。そしてこの寿命情報の修正に応じた防錆処理情報に基づいて、防錆管理処理を行ってもよい。つまり、前回の防錆管理処理画面を生成した後に行われた再度の寿命診断により、寿命情報が変化した場合、これに応じて防錆管理処理画面を更新させる。また、寿命情報を含む防錆処理情報に変化が発生した場合、サーバー装置32は、登録されている管理者の情報処理装置、携帯端末装置にアラームを通知してもよい。
斯かる構成によれば、時間経過に伴う防錆剤の変化に応じた精緻な防錆管理が行えるとともに、寿命の診断結果に応じた防錆管理の信頼性を高めることができる。
(4) 防錆管理処理では、たとえば寿命診断結果に基づいて登録された寿命情報を利用して次回の防錆処理期限を算出する場合を示したがこれに限らない。携帯端末装置34は、たとえば防錆管理処理画面の生成において、設備機器4の設置環境情報や管理担当者が設定した情報を加味して、次回の防錆処理のタイミングを調整してもよい。管理担当者が設定した情報は、たとえば作業者が目視や触診、その他の診断手段を利用して判断した設備機器の防錆状態を表す情報のほか、設備機器4が設置されている環境情報などが含まれる。これにより、設備機器4が設置されるプラントが海や河川などの近くにある場合や降雨量が多い地域にあるなど、錆が発生し易い条件による防錆剤の寿命を調整することで、防錆管理処理の信頼性を向上させることができる。
また防錆管理システム30では、たとえば管理担当者が設定した情報は、サーバー装置32側に通知し、防錆管理テーブル110に格納してもよい。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
本発明は、防錆剤の再塗工処理を必要とする設備機器に付与した識別情報を情報処理装置で読み取ってサーバー装置に通知し、防錆処理の寿命や防錆剤の塗工情報などを含む防錆処理情報を読み出して防錆管理処理画面を生成することで、管理担当者などが把握している設備機器の防錆処理情報の管理が迅速に行えるとともに、情報の取り違いを回避できるなど防錆管理の信頼性が高められ、有用である。
2、30、150 防錆管理システム
4 設備機器
6、32 サーバー装置
8 情報処理装置
10 識別情報提示部
12、22、57、100 通信部
14、94 処理部
16、52、98 記憶部
18 防錆処理情報ストレージ
20 識別情報取得部
24、38、44 表示部
26 情報処理部
34 携帯端末装置
36 サーバー本体
40、54、102 入力操作部
42 筐体本体
50、96 プロセッサ
55 タイマ
56、104 入出力部(I/O)
58 カメラ
60 読取り部
62 入力画面
64、130、130−1、130−2、130−3、130−4 防錆管理処理画面
66 記憶領域
68 一時記憶領域
70 防錆管理プログラム
72 識別情報
74 ユーザー情報
76 防錆処理情報
80 タグ
82 QRコード
84 設置手段
90 識別情報
90−1 機器の名称情報
90−2 機器のNo情報
90−3 設備機器4の設置場所情報
90−4 設備機器の部品番号
106 モニター
108 外部メモリ
110 防錆管理テーブル
110−1 機器名称情報
110−2 機器のNo情報
110−3 設置場所情報
110−4 部品番号
110−5 初期施工日情報
110−6 最終施工日情報
110−7 防錆診断日情報
110−8 テスト日情報
110−9 次回施工期限情報
110−10 アクセス日情報
112 作業者情報テーブル
112−1 作業者ID情報
112−2 社名情報
112−3 作業者名情報
114 メニュー画面
116 タイトル表示部
118 記録履歴表示部
120 取込操作部
122 読込操作部
124 読込み画面
126 キャプチャー機能部
128 発光・消光操作部
132 余寿命表示部
134 施工履歴表示部
136 期間情報表示部
138 経過期間表示
140 余寿命表示
142 警告表示
144 期間超過表示
146 通知情報
148 管理不能表示
152 防錆施工部
154 余寿命診断部
156 防錆管理部


Claims (11)

  1. 設備機器の防錆管理システムであって、
    前記設備機器の識別情報とその防錆処理情報を格納する記憶部を備えるサーバー装置と、
    入力画面を表示部に表示し、該入力画面に入力された前記設備機器の識別情報を前記サーバー装置に通知する通信部と、前記サーバー装置から取得した前記防錆処理情報に基づいて防錆管理処理画面を生成して前記表示部に表示させる情報処理部を備える情報処理装置と、
    を含むことを特徴とする防錆管理システム。
  2. ネットワークを介して接続する情報処理装置とサーバー装置を含む防錆管理システムであって、
    前記情報処理装置で生成され、設備機器から取得した識別情報が入力される入力部を含む入力画面と、
    前記サーバー装置の記憶部から取得した防錆処理情報を利用して、前記情報処理装置が生成する防錆管理処理画面と、
    前記入力画面に入力された前記識別情報に関連付けられた設備機器を特定し、該設備機器の防錆処理情報に前記情報処理装置がアクセス可能に設定する処理部と、
    を含むことを特徴とする防錆管理システム。
  3. さらに、前記設備機器は前記識別情報を含む識別タグを備え、
    前記情報処理装置は、前記入力画面の起動または前記入力画面に対する入力操作に応じて前記識別タグを含む画像を取り込む撮影機能部を備え、撮影した画像から前記識別タグを抽出し、または前記識別タグに記録された識別情報を読み出して前記サーバー装置側に通知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防錆管理システム。
  4. 前記防錆処理情報には、各設備機器に塗工された防錆剤の寿命情報が含まれており、
    前記情報処理装置は、取得した前記寿命情報と時計情報を利用して次の防錆処理施工タイミングを算出し、該防錆処理施工タイミングまたは前記寿命情報のいずれか一方または両方の管理情報を含む防錆管理処理画面を生成することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかの請求項に記載の防錆管理システム。
  5. さらに、前記情報処理部は、次の防錆処理施工タイミングが到来したことを契機に報知する報知機能を備えることを特徴とする請求項4に記載の防錆管理システム。
  6. 前記サーバー装置は、前記識別情報に関連付けて前記設備機器の設置環境情報が記憶されており、該設置環境情報を利用して、前記次の防錆処理情報が調整または修正されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかの請求項に記載の防錆管理システム。
  7. 設備機器から識別情報を取得し、
    表示部に前記識別情報を入力する入力画面を表示し、
    前記入力画面に入力された前記識別情報をサーバー装置に送信し、
    前記サーバー装置の記憶部に記憶されている前記識別情報に関連付けられた防錆処理情報を取得し、
    前記防錆処理情報を利用して防錆管理処理画面を生成し、
    前記防錆管理処理画面を前記表示部に表示する、
    処理を含むことを特徴とする防錆管理方法。
  8. 前記防錆処理情報に含まれる防錆剤の寿命情報と時計情報を利用して次の防錆処理施工タイミングを算出し、
    該防錆処理施工タイミングまたは前記寿命情報のいずれか一方または両方の管理情報を含む防錆管理処理画面を生成する、
    処理を含むことを特徴とする請求項7に記載の防錆管理方法。
  9. さらに、防錆処理施工タイミングが到来したことを契機に報知する処理を含むことを特徴とする請求項8に記載の防錆管理方法。
  10. 情報処理装置のコンピュータに実行させる防錆管理プログラムであって、
    設備機器から識別情報を取得する機能と、
    表示部に前記識別情報を入力する入力画面を表示する機能と、
    前記入力画面に入力された前記識別情報をサーバー装置に送信する機能と、
    前記サーバー装置の記憶部に記憶されている前記識別情報に関連付けられた防錆処理情報を取得する機能と、
    前記防錆処理情報を利用して防錆管理処理画面を生成する機能と、
    前記防錆管理処理画面を表示部に表示する機能と、
    を含むことを特徴とする防錆管理プログラム
  11. 表示部と、
    前記表示部に表示される入力画面を通じて、設備機器に設置された識別タグから識別情報を読み取る読取り部と、
    ネットワークを介してサーバー装置と接続し、前記識別情報を送信するとともに、前記サーバー装置の記憶部にアクセスして、前記識別情報に関連付けられた防錆処理情報を読み出す通信部と、
    前記入力画面および前記サーバー装置から取得した前記防錆処理情報に基づいて防錆管理処理画面を生成して前記表示部に表示させる情報処理部と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置。


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