JP2020094078A - 摺動材 - Google Patents
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Abstract
【課題】摩擦特性および耐熱性に優れる摺動材を提供すること。【解決手段】バインダーを含有する摺動材において、バインダーが、リグニンと、フェノール類と、アルデヒド類との反応生成物を含有する。このような摺動材は、リグニンと、フェノール類と、アルデヒド類との反応生成物を含有するバインダーを含有するため、摩擦特性および耐熱性に優れる。【選択図】なし
Description
本発明は、摺動材に関し、詳しくは、摺動性を担保するための摺動材に関する。
従来、各種回転機器の軸受部、摺動機器のシール部などには、摺動性を担保し、摩擦による損傷を低減するため、摺動材が用いられている。摺動材は、通常、炭素繊維などの潤滑材と、フェノール樹脂などのバインダーとを含む樹脂成形品として、製造されている。
具体的には、例えば、フェノール樹脂母材中に、空気酸化処理およびアミン化合物処理した炭素繊維を充填してなるフェノール樹脂−炭素繊維複合材料、および、それをヒートプレス成形して得られる成形物が、提案されている(特許文献1参照)。
一方、摺動材には、摩擦特性(耐摩耗性、低摩擦係数)、耐熱性などの各種物性のさらなる向上が要求されている。
本発明の目的は、摩擦特性および耐熱性に優れる摺動材を提供することにある。
本発明[1]は、バインダーを含有する摺動材であり、前記バインダーが、リグニンと、フェノール類と、アルデヒド類との反応生成物を含有する、摺動材を含んでいる。
本発明[2]は、前記リグニンが、クラフトリグニンである、上記[1]に記載の摺動材を含んでいる。
本発明[3]は、前記リグニンが、草本系植物由来リグニンである、上記[1]または[2]に記載の摺動材を含んでいる。
本発明の摺動材は、リグニンと、フェノール類と、アルデヒド類との反応生成物を含有するバインダーを含有するため、摩擦特性および耐熱性に優れる。
本発明の摺動材は、バインダー(結合剤)を含有している。
バインダー(結合剤)は、リグニンと、フェノール類と、アルデヒド類との反応生成物を含有しており、好ましくは、リグニンと、フェノール類と、アルデヒド類との反応生成物からなる。
リグニンは、グアイアシルリグニン(G型)、シリンギルリグニン(S型)、p−ヒドロキシフェニルリグニン(H型)などの基本骨格からなる高分子フェノール性化合物である。
より具体的には、リグニンは、例えば、原料となる植物の種類によって分類され、具体的には、木本系植物由来リグニン、草本系植物由来リグニンが挙げられる。
木本系植物由来リグニンとしては、例えば、針葉樹(例えば、スギなど)に含まれる針葉樹系リグニン、例えば、広葉樹に含まれる広葉樹系リグニンなどが挙げられる。このような木本系植物由来リグニンは、H型を基本骨格とするリグニンを含まず、例えば、針葉樹系リグニンはG型を基本骨格とし、広葉樹系リグニンは、G型およびS型を基本骨格としている。
また、草本系植物由来リグニンとしては、例えば、イネ科植物に含まれるイネ系リグニンなどが挙げられ、より具体的には、麦わらに含まれる麦わらリグニン、稲わらに含まれる稲わらリグニン、とうもろこしに含まれるとうもろこしリグニン、タケに含まれるタケリグニンなどが挙げられる。このような草本系植物由来リグニンは、H型、G型およびS型の全てを基本骨格としている。
これらのリグニンは、単独使用または2種類以上併用することができる。
リグニンとして、好ましくは、草本系植物由来リグニン、より好ましくは、麦わらに由来する草本系植物由来リグニン、とうもろこしに由来する草本系植物由来リグニンが挙げられる。
また、リグニンとして、好ましくは、反応性の観点から、H型の基本骨格を3質量%以上、より好ましくは、9質量%以上、さらに好ましくは、14質量%以上の割合で含有することが挙げられる。
このようなリグニンは、例えば、アルカリ法(ソーダ法)、亜硫酸法、クラフト法などの公知の方法によって、植物からパルプを製造する際、排出される廃液(黒液)中に含まれる。より具体的には、アルカリ法(ソーダ法)において排出される廃液(黒液)には、アルカリリグニン(ソーダリグニン)が含有され、亜硫酸法において排出される廃液(黒液)には、サルファイトリグニンが含有され、クラフト法において排出される廃液(黒液)には、クラフトリグニンが含有される。
また、リグニンとしては、上記の他、リグニンを酸(酢酸などのカルボン酸など)で変性して得られる酸変性リグニン、植物を爆砕法で処理して得られる爆砕リグニンなども挙げられる。
リグニンとして、摩擦特性および耐熱性の観点から、好ましくは、クラフトリグニンが挙げられる。
また、リグニンは、好ましくは、分子中に脂肪族水酸基を有する。
脂肪族水酸基とは、芳香環に直接結合せず、脂肪族炭化水素に直接結合する水酸基であって、芳香環に直接結合する水酸基(芳香族水酸基(フェノール性水酸基))とは区別される。
リグニンの脂肪族水酸基の含有割合は、リグニンの総量に対して、例えば、0.5質量%以上、好ましくは、3.0質量%以上であり、例えば、7.0質量%以下、好ましくは、5.5質量%以下である。
リグニンの脂肪族水酸基の含有割合が上記範囲であれば、摩擦特性および耐熱性の向上を図ることができる。
なお、脂肪族水酸基の測定方法は、後述する実施例に準拠する。
フェノール類は、フェノールおよびその誘導体(フェノール変性体)であって、例えば、フェノール、さらには、例えば、o−クレゾール、p−クレゾール、p−ter−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノール、p−ノニルフェノール、2,4−または2,6−キシレノールなどの2官能性フェノール誘導体、例えば、m−クレゾール、レゾルシノール、3,5−キシレノールなどの3官能性フェノール誘導体、例えば、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニルメタンなどの4官能性フェノール誘導体などが挙げられる。また、フェノール誘導体としては、例えば、塩素、臭素などのハロゲンにより置換されたハロゲン化フェノール類なども挙げられる。これらフェノール類は、単独使用または2種類以上併用することができる。なお、フェノールの誘導体(フェノール変性体)が用いられる場合、フェノールが変性されるタイミングは特に制限されず、リグニンとフェノール類とアルデヒド類との反応前、反応後、反応と同時のいずれでもよい。
フェノール類として、好ましくは、フェノールが挙げられる。
アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド(n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド)、フルフラール、グリオキサール、ベンズアルデヒド、トリオキサン、テトラオキサンなどが挙げられる。また、アルデヒドの一部が、フルフリルアルコールなどに置換されていてもよい。これらアルデヒド類は、単独使用または2種類以上併用することができる。
アルデヒド類として、好ましくは、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが挙げられる。
また、アルデヒド類は、例えば、水溶液として用いることができる。そのような場合において、アルデヒド類の濃度は、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上であり、例えば、99質量%以下、好ましくは、95質量%以下である。
また、アルデヒド類とともに、ケトン類を配合することもできる。
ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノン、ジフェニルケトンなどが挙げられる。これらケトン類は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ケトン類が配合される場合、ケトン類の配合割合は、固形分基準で、アルデヒド類100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、好ましくは、1質量部以上であり、例えば、200質量部以下、好ましくは、100質量部以下である。
そして、リグニンとフェノール類とアルデヒド類(および必要により配合されるケトン類(以下同様))とを反応させるには、上記の各成分(リグニン、フェノール類およびアルデヒド類)を配合し、加熱する。
この反応において、フェノール類の配合割合は、リグニン100質量部に対して、例えば、30質量部以上、好ましくは、50質量部以上、より好ましくは、100質量部以上であり、例えば、1000質量部以下、好ましくは、500質量部以下、より好ましくは、350質量部以下である。
また、アルデヒド類の配合割合が、フェノール類100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上であり、例えば、35質量部以下、好ましくは、30質量部以下である。また、アルデヒド類の配合割合は、リグニン100質量部に対して、例えば、1.5質量部以上、好ましくは、3質量部以上であり、例えば、350質量部以下、好ましくは、300質量部以下である。
各成分の配合割合が上記範囲であれば、摩擦特性などの各種物性の向上を図ることができる。
また、この反応では、酸触媒が添加される。すなわち、上記の各成分は、酸触媒下において反応する。
酸触媒としては、例えば、有機酸、無機酸などが挙げられる。
有機酸としては、例えば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、キュメンスルホン酸、ジノニルナフタレンモノスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などのスルホン酸化合物、例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸モノブチル、リン酸ジブチル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチルなどの炭素数1〜18のアルキル基を有するリン酸エステル類、例えば、ギ酸、酢酸、シュウ酸などが挙げられる。
無機酸としては、例えば、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸などが挙げられる。
これら酸触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
酸触媒として、好ましくは、有機酸、より好ましくは、シュウ酸が挙げられる。
酸触媒の配合割合は、フェノール類100質量部に対して、酸触媒が、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.3質量部以上であり、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
なお、酸触媒の添加のタイミングは、特に制限されず、リグニン、フェノール類およびアルデヒド類の少なくともいずれかに予め添加されていてもよく、また、リグニン、フェノール類およびアルデヒド類の配合時に同時に添加されてもよく、さらに、リグニン、フェノール類およびアルデヒド類の配合後に添加されてもよい。
反応条件としては、大気圧下、反応温度が、例えば、50℃以上、好ましくは、80℃以上であり、例えば、200℃以下、好ましくは、180℃以下である。また、反応時間が、例えば、1時間以上、好ましくは、2時間以上であり、例えば、20時間以下、好ましくは、15時間以下である。
これにより、リグニン、フェノール類およびアルデヒド類の反応生成物を含む樹脂組成物(詳しくは、リグニンにより変性された、ノボラック型フェノール樹脂)として、バインダー(結合剤)が得られる。
より具体的には、酸触媒下におけるフェノール類とアルデヒド類との反応によって、ノボラック型フェノール樹脂が得られ、また、そのノボラック型フェノール樹脂が、リグニンにより変性される。
すなわち、リグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を含む樹脂組成物(バインダー)が得られる。
このようにして得られるバインダー(結合剤)によれば、摩擦特性および耐熱性に優れる摺動材を得ることができる。
また、リグニンとフェノール類とアルデヒド類との反応では、上記のように、上記各成分を一括配合して反応させることもできるが、上記各成分を順次配合して反応させることもできる。より具体的には、例えば、まず、リグニンとフェノール類とを反応させ、次いで、得られた反応生成物と、アルデヒド類とを反応させることができる。
順次反応では、具体的には、まず、リグニンとフェノール類とを反応させ、リグニンおよびフェノール類の反応生成物を含むリグニン−フェノール組成物を調製し、次いで、そのリグニン−フェノール組成物と、アルデヒド類とを反応させる。
リグニンとフェノール類との反応では、リグニンに対してフェノール類は過剰当量配合され、具体的には、フェノール類の配合割合は、リグニン100質量部に対して、例えば、30質量部以上、好ましくは、50質量部以上であり、例えば、1000質量部以下、好ましくは、500質量部以下である。
また、この反応では、上記の酸触媒が添加される。
酸触媒の配合割合は、フェノール類100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.3質量部以上であり、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
なお、酸触媒の添加のタイミングは、特に制限されず、リグニンおよびフェノール類の少なくともいずれかに予め添加されていてもよく、また、リグニンおよびフェノール類の配合時に同時に添加されてもよく、さらに、リグニンおよびフェノール類の配合後に添加されてもよい。
反応条件としては、大気圧下、反応温度が、例えば、60℃以上、好ましくは、80℃以上であり、例えば、250℃以下、好ましくは、200℃以下である。また、反応時間が、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1時間以上であり、例えば、10時間以下、好ましくは、5時間以下である。
この反応により、リグニンがフェノール類により変性される。具体的には、リグニンの分子中の脂肪族水酸基が、フェノール類に置換される。
なお、上記の反応では、過剰のフェノール類が、未反応成分として残存する。そのため、上記の反応で得られるリグニン−フェノール組成物には、リグニンおよびフェノール類の反応生成物(フェノール類により変性されたリグニン)と、遊離のフェノール類とが含有される。
次いで、この方法では、上記により得られるリグニン−フェノール組成物(すなわち、フェノール類により変性されたリグニン、および、遊離のフェノール類を含む。)と、アルデヒド類とを反応させる。
この反応において、アルデヒド類の配合割合は、フェノール類(上記反応において原料として用いられたフェノール類)100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上であり、例えば、35質量部以下、好ましくは、30質量部以下である。
また、この反応では、必要に応じて、上記の酸触媒を適宜の割合で添加することもできる。
反応条件としては、大気圧下、反応温度が、例えば、50℃以上、好ましくは、80℃以上であり、例えば、200℃以下、好ましくは、180℃以下である。また、反応時間が、例えば、1時間以上、好ましくは、2時間以上であり、例えば、20時間以下、好ましくは、15時間以下である。
これにより、上記のリグニン−フェノール組成物と、アルデヒド類とが反応し、リグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂(リグニン変性ノボラック型フェノール樹脂)が得られ、そのリグニン変性ノボラック型フェノール樹脂を含む樹脂組成物として、バインダーが得られる。
なお、リグニン変性ノボラック型フェノール樹脂の製造では、必要により、蒸留などの公知の方法によって、未反応原料(未反応のフェノール類など)や酸触媒を除去することができる。
このようにして得られるバインダーによれば、摩擦特性および耐熱性に優れる摺動材を得ることができる。
また、バインダー(樹脂組成物)は、必要により、フェノール樹脂硬化剤を含有することができる。
フェノール樹脂硬化剤としては、特に制限されず、公知の硬化剤を用いることができる。具体的には、例えば、ヘキサメチレンテトラミン、メチロールメラミン、メチロール尿素、フェノールノボラックなどが挙げられる。
これらフェノール樹脂硬化剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
フェノール樹脂硬化剤の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、バインダーは、さらに、添加剤を含有することができる。
添加剤としては、バインダーに添加される公知の添加剤、例えば、充填剤(木粉、パルプ、ガラス繊維など)、着色剤、可塑剤、安定剤、離型剤(ステアリン酸亜鉛などの金属石鹸など)などが挙げられる。
これら添加剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。添加剤の含有量は、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、目的および用途に応じて、適宜設定される。
なお、添加剤の添加のタイミングは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、摺動材は、上記のバインダーのほか、必要に応じて、その他のバインダー(上記の反応生成物を除くバインダー)を含有することができる。
その他のバインダーとしては、例えば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などの公知の熱硬化性樹脂などが挙げられる。
その他のバインダーは、単独使用または2種類以上併用することができる。
その他のバインダーが配合される場合、その配合割合は、本発明の効果を損なわない範囲において、適宜設定される。好ましくは、その他のバインダーが配合されない態様(すなわち、摺動材が、バインダーとして、上記の反応生成物のみを含有する態様。)が挙げられる。
また、摺動材は、好ましくは、潤滑材を含有する。
潤滑材としては、特に制限されないが、例えば、黒鉛(グラファイト)、二硫化モリブデンなどの公知の固体潤滑材が挙げられる。
これら潤滑材は、単独使用または2種類以上併用することができる。
潤滑材として、好ましくは、黒鉛(グラファイト)が挙げられる。
潤滑材の平均粒子径は、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下である。
また、摺動材は、好ましくは、繊維基材を含有する。
繊維基材としては、特に制限されないが、例えば、芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、耐炎化アクリル繊維などの有機繊維、例えば、銅繊維、真鍮繊維などの金属繊維、例えば、チタン酸カリウム繊維、Al2O3−SiO2系セラミック繊維、生体溶解性セラミック繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維などが挙げられる。
これら繊維基材は、単独使用または2種類以上併用することができる。
繊維基材として、摺動性の観点から、好ましくは、無機繊維、より好ましくは、ガラス繊維が挙げられる。
繊維基材の平均繊維長さは、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、例えば、30000μm以下、好ましくは、25000μm以下である。
そして、摺動材は、具体的には、まず、上記のバインダーと、潤滑材および繊維基材とを配合および混練し、摺動材用成形材料(組成物)を製造し、次いで、得られた摺動材用成形材料を、公知の方法で成形することにより、得ることができる。
摺動材用成形材料の製造において、各成分の配合割合は、上記のバインダー100質量部に対して、繊維基材と、潤滑材との総量が、例えば、25質量部以上、好ましくは、50質量部以上であり、例えば、200質量部以下、好ましくは、150質量部以下である。
より具体的には、バインダー、潤滑材および繊維基材の総量100質量部に対して、バインダーが、例えば、30質量部を超過、好ましくは、40質量部を超過し、例えば、90質量部以下、好ましくは、80質量部以下である。
また、バインダー、潤滑材および繊維基材の総量100質量部に対して、繊維基材が、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、例えば、65質量部以下、好ましくは、30質量部以下である。
また、バインダー、潤滑材および繊維基材の総量100質量部に対して、潤滑材が、例えば、1質量部以上、好ましくは、3質量部以上であり、例えば、30質量部以下、好ましくは、25質量部以下である。
混練方法としては、特に制限されず、例えば、単軸押出機、多軸押出機、ロール混練機、ニーダー、ヘンシエルミキサー、バンバリーミキサーなどの公知の混練機を用いることができる。
混練条件としては、混練温度が、80℃以上、好ましくは、90℃以上、より好ましくは、100℃以上であり、180℃以下、好ましくは、170℃以下、より好ましくは、160℃以下である。また、混練時間が、例えば、3分以上、好ましくは、5分以上であり、例えば、30分以下、好ましくは、20分以下である。
このような摺動材用成形材料は、上記の反応生成物(樹脂組成物)をバインダーとして含有するため、摩擦特性および耐熱性に優れる摺動材を得ることができる。
そして、上記の摺動材用成形材料を成形する方法としては、例えば、摺動材用成形材料を、例えば、トランスファ成形、圧縮成形などの公知の熱硬化性樹脂の成形方法によって成形する。なお、成形条件は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
例えば、成形における処理条件は、特に制限されないが、温度条件が、例えば、140℃以上、好ましくは、150℃以上であり、例えば、200℃以下、好ましくは、180℃以下である。また、圧力条件が、例えば、20MPa以上、好ましくは、30MPa以上であり、例えば、100MPa以下、好ましくは、80MPa以下である。また、処理時間が、例えば、2分以上、好ましくは、10分以上であり、例えば、60分以下、好ましくは、30分以下である。
このようにして摺動材用成形材料を成形することにより、摺動材が得られる。
また、摺動材には、必要に応じて、例えば、脱脂処理、プライマー処理などの公知の方法により処理することができ、また、成形された摺動材を、公知の方法でアフターキュア(熱硬化処理)することができる。
アフターキュアにおける処理条件は、特に制限されないが、常圧下、温度条件が、好ましくは、上記の成形時における温度より10〜100℃高く、具体的には、例えば、150℃以上、好ましくは、160℃以上であり、例えば、300℃以下、好ましくは、200℃以下である。また、処理時間が、例えば、1時間以上、好ましくは、2時間以上であり、例えば、10時間以下、好ましくは、8時間以下である。
このように摺動材をアフターキュアすることにより、摩擦特性および耐熱性のさらなる向上を図ることができる。
そして、このような摺動材は、リグニンと、フェノール類と、アルデヒド類との反応生成物を含有するバインダーを含有するため、摩擦特性および耐熱性に優れる。
そのため、摺動材は、例えば、各種回転機器の軸受部、摺動機器のシール部などにおいて、好適に用いられる。
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。また、以下の説明において特に言及がない限り、「部」および「%」は質量基準である。なお、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
<<脂肪族水酸基の含有割合>>
リグニンの総量に対する脂肪族水酸基の含有割合は、以下の方法で測定した。
リグニンの総量に対する脂肪族水酸基の含有割合は、以下の方法で測定した。
すなわち、まず、リグニン500mgに、ピリジンおよび無水酢酸それぞれ5mLずつを入れ、室温で24時間放置し、水酸基をアセチル化した。次いで、トルエンを添加しつつエバポレーターでピリジンおよび無水酢酸を除去した。
その後、アセチル化されたリグニン5mgを溶媒1gに溶かし、下記の条件でプロトンNMR測定することにより、約1.9ppmに現れるアセチル基のプロトン量を定量した。一方、アセチル化されていないリグニンについても、同じ条件でプロトンNMR測定し、アセチル基のプロトン量を定量した。
そして、アセチル化されたリグニンの約1.9ppmにおけるピーク強度から、アセチル化されていないリグニンの約1.9ppmにおけるピーク強度を差し引き、アセチル化によるピーク量を求めた。これを、脂肪族水酸基量とした。
装置:Bruker製 AscendTM 400 NMR装置
溶媒:D2O37.5g+NaOD12.5g+DSS−d6(3−(トリメチルシリル)−1−プロパン−1,1,2,2,3,3−d6−スルホン酸ナトリウム、標準物質)25mg
測定周波数:400MHz
測定温度:25℃
スキャン回数:128回
準備例1(酢酸変性リグニン)
コーンストーバー100質量部を、95質量%の酢酸1000質量部および硫酸3質量部と混合し、還流下において4時間反応させた。反応後、濾過してパルプを除去し、パルプ廃液を回収した。次いで、ロータリーエバポレーターを用いてパルプ廃液中の酢酸を除去し、体積が1/10になるまで濃縮した後、その濃縮液の10倍量(質量基準)の水を添加し、濾過することにより、固形分として酢酸変性リグニンを得た。
装置:Bruker製 AscendTM 400 NMR装置
溶媒:D2O37.5g+NaOD12.5g+DSS−d6(3−(トリメチルシリル)−1−プロパン−1,1,2,2,3,3−d6−スルホン酸ナトリウム、標準物質)25mg
測定周波数:400MHz
測定温度:25℃
スキャン回数:128回
準備例1(酢酸変性リグニン)
コーンストーバー100質量部を、95質量%の酢酸1000質量部および硫酸3質量部と混合し、還流下において4時間反応させた。反応後、濾過してパルプを除去し、パルプ廃液を回収した。次いで、ロータリーエバポレーターを用いてパルプ廃液中の酢酸を除去し、体積が1/10になるまで濃縮した後、その濃縮液の10倍量(質量基準)の水を添加し、濾過することにより、固形分として酢酸変性リグニンを得た。
また、得られた酢酸変性リグニンを、酢酸エチルに溶解させ、ろ過によりろ液と残渣に分別した。得られたろ液に含有される酢酸変性リグニンを、可溶成分(可溶酢酸変性リグニン)とした。
また、残渣を蒸留水で水洗し、再度ろ過して得られた残渣を、不溶成分(不溶酢酸リグニン)とした。
準備例2(クラフトリグニン)
クラフトリグニン(SIGMA−ALDRICH社製、木本系植物由来、脂肪族水酸基含有量4.4質量%)を用意した。
クラフトリグニン(SIGMA−ALDRICH社製、木本系植物由来、脂肪族水酸基含有量4.4質量%)を用意した。
準備例3(ソーダリグニン)
麦わらのアルカリ蒸解パルプ廃液(黒液)を中和した後、濾過することにより、固形分としてリグニン(アルカリリグニン、ソーダリグニン)を得た。リグニンの脂肪族水酸基含有割合は、3.1質量%であった。
麦わらのアルカリ蒸解パルプ廃液(黒液)を中和した後、濾過することにより、固形分としてリグニン(アルカリリグニン、ソーダリグニン)を得た。リグニンの脂肪族水酸基含有割合は、3.1質量%であった。
<<ノボラック型フェノール樹脂の製造>>
合成例1(使用リグニン:酢酸変性リグニン(順次反応))
フェノール493.5質量部をフラスコに入れ、50℃程度まで加熱してフェノールを液化させ、その後、準備例1で得られた酢酸変性リグニンの可溶成分(可溶酢酸変性リグニン)150質量部を添加した。
合成例1(使用リグニン:酢酸変性リグニン(順次反応))
フェノール493.5質量部をフラスコに入れ、50℃程度まで加熱してフェノールを液化させ、その後、準備例1で得られた酢酸変性リグニンの可溶成分(可溶酢酸変性リグニン)150質量部を添加した。
次いで、シュウ酸(酸触媒)7.62質量部を添加し、その後、130℃で2.5時間反応させた。これにより、酢酸変性リグニンをフェノールにより変性させた。
その後、80℃まで冷却し、パラホルムアルデヒド117.3質量部を添加し、95℃で2.5時間反応させた。次いで、0.5℃/minで110℃まで昇温し、110℃で1.5時間反応させた。次いで、0.5℃/minで120℃まで昇温し、120℃で2時間反応させた。
反応後、2300質量部の水を添加し、強く撹拌した後に静置し、デカンテーションで水を除去することによって、シュウ酸およびフェノールを除去した。さらに、適宜、水を加えつつ150℃、0.08MPaの条件で減圧蒸留し、残留フェノールを除去した。なお、減圧蒸留はフェノール残存率が1%以下になるまで繰り返した。
これにより、フェノール変性酢酸リグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
合成例2(使用リグニン:酢酸変性リグニン(一括反応))
フェノール493.5質量部をフラスコに入れ、50℃程度まで加熱してフェノールを液化させ、その後、準備例1で得られた酢酸変性リグニンの可溶成分(可溶酢酸変性リグニン)150質量部を添加した。
フェノール493.5質量部をフラスコに入れ、50℃程度まで加熱してフェノールを液化させ、その後、準備例1で得られた酢酸変性リグニンの可溶成分(可溶酢酸変性リグニン)150質量部を添加した。
次いで、シュウ酸(酸触媒)7.62質量部とパラホルムアルデヒド117.3質量部を添加し、95℃で2.5時間反応させた。次いで、0.5℃/minで110℃まで昇温し、110℃で1.5時間反応させた。次いで、0.5℃/minで120℃まで昇温し、120℃で2時間反応させた。
反応後、2300質量部の水を添加し、強く撹拌した後に静置し、デカンテーションで水を除去することによって、シュウ酸およびフェノールを除去した。さらに、適宜、水を加えつつ150℃、0.08MPaの条件で減圧蒸留し、残留フェノールを除去した。なお、減圧蒸留はフェノール残存率が1%以下になるまで繰り返した。
これにより、酢酸変性リグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
合成例3(使用リグニン:酢酸変性リグニン(順次反応))
表1に示す処方に変更した以外は、合成例1と同様にして、フェノール変性酢酸リグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
表1に示す処方に変更した以外は、合成例1と同様にして、フェノール変性酢酸リグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
合成例4(使用リグニン:酢酸変性リグニン(一括反応))
表1に示す処方に変更した以外は、合成例2と同様にして、酢酸リグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
表1に示す処方に変更した以外は、合成例2と同様にして、酢酸リグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
合成例5(使用リグニン:酢酸変性リグニン(順次反応))
表1に示す処方に変更した以外は、合成例1と同様にして、フェノール変性酢酸リグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
表1に示す処方に変更した以外は、合成例1と同様にして、フェノール変性酢酸リグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
合成例6(使用リグニン:酢酸変性リグニン(一括反応))
表1に示す処方に変更した以外は、合成例2と同様にして、酢酸リグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
表1に示す処方に変更した以外は、合成例2と同様にして、酢酸リグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
合成例7(使用リグニン:クラフトリグニン(順次反応))
酢酸変性リグニンに代えて、準備例2のクラフトリグニン150質量部を用いた以外は、合成例1と同様にして、クラフトリグニンをフェノールにより変性させ、そのフェノール変性クラフトリグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
酢酸変性リグニンに代えて、準備例2のクラフトリグニン150質量部を用いた以外は、合成例1と同様にして、クラフトリグニンをフェノールにより変性させ、そのフェノール変性クラフトリグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
合成例8(使用リグニン:クラフトリグニン(一括反応))
酢酸変性リグニンに代えて、準備例2のクラフトリグニン150質量部を用いた以外は、合成例2と同様にして、クラフトリグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
酢酸変性リグニンに代えて、準備例2のクラフトリグニン150質量部を用いた以外は、合成例2と同様にして、クラフトリグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
合成例9(使用リグニン:ソーダリグニン(順次反応))
酢酸変性リグニンに代えて、準備例3のソーダリグニン150質量部を用いた以外は、合成例1と同様にして、ソーダリグニンをフェノールにより変性させ、そのフェノール変性ソーダリグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
酢酸変性リグニンに代えて、準備例3のソーダリグニン150質量部を用いた以外は、合成例1と同様にして、ソーダリグニンをフェノールにより変性させ、そのフェノール変性ソーダリグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
合成例10(使用リグニン:ソーダリグニン(一括反応))
酢酸変性リグニンに代えて、準備例3のソーダリグニン150質量部を用いた以外は、合成例2と同様にして、ソーダリグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
酢酸変性リグニンに代えて、準備例3のソーダリグニン150質量部を用いた以外は、合成例2と同様にして、ソーダリグニンにより変性されたノボラック型フェノール樹脂を得た。
合成例11(使用リグニン:なし)
フェノール2068質量部、シュウ酸(酸触媒)31.82質量部およびパラホルムアルデヒド430.43質量部をフラスコに入れ、95℃で2.5時間反応させた。次いで、0.5℃/minで110℃まで昇温し、110℃で1.5時間反応させた。次いで、0.5℃/minで120℃まで昇温し、120℃で2時間反応させた。
フェノール2068質量部、シュウ酸(酸触媒)31.82質量部およびパラホルムアルデヒド430.43質量部をフラスコに入れ、95℃で2.5時間反応させた。次いで、0.5℃/minで110℃まで昇温し、110℃で1.5時間反応させた。次いで、0.5℃/minで120℃まで昇温し、120℃で2時間反応させた。
反応後、2800質量部の水を添加し、強く撹拌した後に静置し、デカンテーションで水を除去することによって、シュウ酸およびフェノールを除去した。さらに、適宜、水を加えつつ150℃、0.08MPaの条件で減圧蒸留し、残留フェノールを除去した。なお、減圧蒸留はフェノール残存率が1%以下になるまで繰り返した。
これにより、リグニンにより変性されていないノボラック型フェノール樹脂を得た。
<<摺動材の製造>>
実施例1
合成例1で得られたノボラック型フェノール樹脂100部(450g)と、フェノール樹脂硬化剤としてのヘキサメチレンテトラミン(リグナイト製)12部(54g)と、離型剤としてのステアリン酸亜鉛(和光純薬工業製)1部(4.5g)とを混練し、樹脂組成物を得た。
実施例1
合成例1で得られたノボラック型フェノール樹脂100部(450g)と、フェノール樹脂硬化剤としてのヘキサメチレンテトラミン(リグナイト製)12部(54g)と、離型剤としてのステアリン酸亜鉛(和光純薬工業製)1部(4.5g)とを混練し、樹脂組成物を得た。
次いで、得られた樹脂組成物50部と、ガラス繊維(日東紡製 CS3SK−406)25部と、グラファイト(SECカーボン製 SGP−100)25部とを順次配合し、2本の熱ロールにて100℃で5分間混練して、摺動材用成形材料を得た。
その後、得られた摺動材用成形材料を、170℃において15分間圧縮成形し、摺動材として、100mmφの円盤形試験片を得た。
実施例2〜10および比較例1
表2に示す配合処方に変更した以外は、実施例1と同様にして、摺動材を得た。
表2に示す配合処方に変更した以外は、実施例1と同様にして、摺動材を得た。
<<評価>>
各実施例および各比較例において得られた摺動材を、下記の方法により評価した。その結果を、表2〜3に示す。
(1)摩擦係数
ASTM D1894に準拠して、表面性試験機(新東科学 HEIDON−14S/D)を用いて摩擦係数(静摩擦係数および動摩擦係数)を求めた。摩擦係数を求めるための各種条件および用いた試験片の寸法を以下に示す。
試験片:直径100mm、厚さ約3mmの円板試験片
相手材 :直径19mm円筒
相手材の材質:S45C
試験速度 :100mm/分
(2)摩耗試験(テーバー型)
JIS−K7204(1999年版)に準拠して摩耗量を測定し、摩耗量を最初のサンプルの質量からどれだけ質量が減少したかを質量%で計算した。摩耗試験の条件および用いた試験片の寸法を以下に示す。
(摩耗試験条件)
荷重 :10N
回転速度 :60rpm
摩耗輪 :H−18
回転数 :1000回転
(試験片)
直径100mm、厚さ約3mmの円板試験片
(3)動的粘弾性試験
Rheogel−E4000(ユ−ビーエム社製)を用い、固体動的粘弾性を測定した(周波数1Hz、昇温速度2℃/分)。そして、得られるtanδ曲線のピーク温度を、ガラス転移温度(Tg)として求めた。
各実施例および各比較例において得られた摺動材を、下記の方法により評価した。その結果を、表2〜3に示す。
(1)摩擦係数
ASTM D1894に準拠して、表面性試験機(新東科学 HEIDON−14S/D)を用いて摩擦係数(静摩擦係数および動摩擦係数)を求めた。摩擦係数を求めるための各種条件および用いた試験片の寸法を以下に示す。
試験片:直径100mm、厚さ約3mmの円板試験片
相手材 :直径19mm円筒
相手材の材質:S45C
試験速度 :100mm/分
(2)摩耗試験(テーバー型)
JIS−K7204(1999年版)に準拠して摩耗量を測定し、摩耗量を最初のサンプルの質量からどれだけ質量が減少したかを質量%で計算した。摩耗試験の条件および用いた試験片の寸法を以下に示す。
(摩耗試験条件)
荷重 :10N
回転速度 :60rpm
摩耗輪 :H−18
回転数 :1000回転
(試験片)
直径100mm、厚さ約3mmの円板試験片
(3)動的粘弾性試験
Rheogel−E4000(ユ−ビーエム社製)を用い、固体動的粘弾性を測定した(周波数1Hz、昇温速度2℃/分)。そして、得られるtanδ曲線のピーク温度を、ガラス転移温度(Tg)として求めた。
(考察)
表2〜3から、リグニンとフェノール類とアルデヒド類との反応生成物を用いることにより、摩擦特性および耐熱性の向上を図ることができると確認された。
表2〜3から、リグニンとフェノール類とアルデヒド類との反応生成物を用いることにより、摩擦特性および耐熱性の向上を図ることができると確認された。
例えば、実施例2および実施例6と比較例1とを対比すると、上記の反応生成物を用いない場合に比べ、上記各成分の一括反応物を用いる場合、耐摩耗性を維持しながら、摩擦係数を低減でき、さらに、耐熱性を向上できることが確認された。
また、実施例1と実施例2とを対比すると、上記各成分の一括反応物を用いる場合に比べ、上記各成分の順次反応物を用いる場合、耐摩耗性を向上でき、また、摩擦係数を低減でき、さらに、耐熱性を向上できることが確認された。
Claims (3)
- バインダーを含有する摺動材であり、
前記バインダーが、
リグニンと、
フェノール類と、
アルデヒド類と
の反応生成物を含有することを特徴とする、摺動材。 - 前記リグニンが、クラフトリグニンである、請求項1に記載の摺動材。
- 前記リグニンが、草本系植物由来リグニンである、請求項1または2に記載の摺動材。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017063240A JP2020094078A (ja) | 2017-03-28 | 2017-03-28 | 摺動材 |
PCT/JP2018/003413 WO2018179821A1 (ja) | 2017-03-28 | 2018-02-01 | 摺動材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017063240A JP2020094078A (ja) | 2017-03-28 | 2017-03-28 | 摺動材 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2017063240A Pending JP2020094078A (ja) | 2017-03-28 | 2017-03-28 | 摺動材 |
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WO (1) | WO2018179821A1 (ja) |
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---|---|---|---|---|
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WO2015147165A1 (ja) * | 2014-03-28 | 2015-10-01 | 住友ベークライト株式会社 | フェノール変性リグニン樹脂及びその製造方法、並びに、樹脂組成物、ゴム組成物、及び硬化物 |
-
2017
- 2017-03-28 JP JP2017063240A patent/JP2020094078A/ja active Pending
-
2018
- 2018-02-01 WO PCT/JP2018/003413 patent/WO2018179821A1/ja active Application Filing
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Publication number | Publication date |
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WO2018179821A1 (ja) | 2018-10-04 |
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