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JP2020092658A - 無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法、及び無ろ過ビールテイスト飲料の濁りを増加させる方法 - Google Patents

無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法、及び無ろ過ビールテイスト飲料の濁りを増加させる方法 Download PDF

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JP2020092658A JP2018233348A JP2018233348A JP2020092658A JP 2020092658 A JP2020092658 A JP 2020092658A JP 2018233348 A JP2018233348 A JP 2018233348A JP 2018233348 A JP2018233348 A JP 2018233348A JP 2020092658 A JP2020092658 A JP 2020092658A
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雄太 松井
Yuta Matsui
雄太 松井
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Abstract

【課題】濁りが増加した無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法、及び無ろ過ビールテイスト飲料の濁りを増加させる方法の提供。
【解決手段】飲料ろ過を行わない、無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法であって、デンプン原料を含む原料液のろ過を行うことと、原料液のろ過後に、下記(1)〜(5):(1)アルコール付与処理;、(2)発酵香付与処理;、(3)苦味付与処理;、(4)ホップ香付与処理;及び(5)麦香付与処理;から選択される1以上の処理を行うことと、を含み、原料液のろ過前に、ろ過に供する原料液の全量を、80℃以上の温度に加熱することをさらに含む、無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法。80℃以上の温度に加熱することにより、加熱を行わない場合に比べて、無ろ過ビールテイスト飲料の濁りを増加させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法、及び無ろ過ビールテイスト飲料の濁りを増加させる方法に関する。
特許文献1には、ビール麦芽汁を主成分とする発酵飲料を製造するための方法であって、好ましくは麦芽汁の煮出し、煮沸、冷却、発酵のステップおよび得られた飲料の貯蔵のステップを含み、当該麦芽汁もしくは当該飲料の蛋白質画分と少なくとも一時的には安定な複合体を形成し、あるいは、当該麦芽汁もしくは当該飲料中で少なくとも一時的には安定なサスペンションを形成する能力を有する天然、もしくは、合成の添加物が当該飲料製造の間に添加されることを特徴とするビール麦芽汁を主成分とする発酵飲料の製造方法が記載されている。
特表2001−501448号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法においては、濁りを安定化するための特殊な添加物を使用する必要があった。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、濁りが効果的に増加した無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法、及び無ろ過ビールテイスト飲料の濁りを効果的に増加させる方法を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法は、飲料ろ過を行わない、無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法であって、デンプン原料を含む原料液のろ過を行うことと、前記原料液の前記ろ過後に、下記(1)〜(5):(1)アルコール付与処理;、(2)発酵香付与処理;、(3)苦味付与処理;、(4)ホップ香付与処理;及び(5)麦香付与処理;からなる群より選択される1以上の処理を行うことと、を含み、前記原料液の前記ろ過前に、前記ろ過に供する前記原料液の全量を、80℃以上の温度に加熱することをさらに含む。本発明によれば、濁りが効果的に増加した無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法が提供される。
前記方法は、前記加熱前に、前記原料液の糖化を行うことをさらに含むこととしてもよい。この場合、前記原料液の前記糖化後、前記原料液の前記ろ過前に、前記ろ過に供する前記原料液の全量を、前記糖化の温度より高い前記温度に加熱することとしてもよい。
前記方法において、前記原料液の前記ろ過は、ロイター濾過槽、及び/又は、マイシェフィルターを用いて行うこととしてもよい。前記方法において、前記デンプン原料は、植物原料由来であることとしてもよい。この場合、前記植物原料は、穀類原料であることとしてもよい。
前記方法は、前記原料液の前記ろ過後に、前記原料液に酵母を添加してアルコール発酵を行うことをさらに含むこととしてもよい。この場合、前記無ろ過ビールテイスト飲料は、前記酵母を含むこととしてもよい。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る無ろ過ビールテイスト飲料の濁りを増加させる方法は、デンプン原料を含む原料液のろ過を行うことと、前記原料液の前記ろ過後に、下記(1)〜(5):(1)アルコール付与処理;、(2)発酵香付与処理;、(3)苦味付与処理;、(4)ホップ香付与処理;及び(5)麦香付与処理;からなる群より選択される1以上の処理を行うことと、を含み、飲料ろ過を行わない、無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法において、前記原料液の前記ろ過前に、前記ろ過に供する前記原料液の全量を、80℃以上の温度に加熱することにより、前記加熱を行わない場合に比べて、前記無ろ過ビールテイスト飲料の濁りを増加させる。本発明によれば、無ろ過ビールテイスト飲料の濁りを効果的に増加させる方法が提供される。
本発明によれば、濁りが効果的に増加した無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法、及び無ろ過ビールテイスト飲料の濁りを効果的に増加させる方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る実施例1において、無ろ過ビールテイスト飲料の濁度を評価した結果を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例2において、無ろ過ビールテイスト飲料の濁度を評価した結果を示す説明図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る方法(以下、「本方法」という。)について説明する。なお、本発明は本実施形態に限られるものではない。
本方法の一側面は、飲料ろ過を行わない、無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法であって、デンプン原料を含む原料液のろ過(以下、「原料液ろ過」ということがある。)を行うことと、当該原料液ろ過後に、下記(1)〜(5):(1)アルコール付与処理;、(2)発酵香付与処理;、(3)苦味付与処理;、(4)ホップ香付与処理;及び(5)麦香付与処理;からなる群より選択される1以上の処理を行うことと、を含み、当該原料液ろ過前に、当該原料液ろ過に供する当該原料液の全量を、80℃以上の温度に加熱することをさらに含む、無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法を含む。
本発明の発明者は、無ろ過ビールテイスト飲料の濁り特性(例えば、濁りの程度、及び/又は濁りの安定性)を向上させる技術的手段について鋭意検討を重ねた結果、意外にも、原料液を従来より高い温度に加熱してから原料液ろ過を行うことにより、最終的に得られる無ろ過ビールテイスト飲料の濁り特性を効果的に向上させることができることを独自に見出し、本発明を完成するに至った。
したがって、本方法は、他の側面として、デンプン原料を含む原料液のろ過を行うことと、当該原料液ろ過後に、下記(1)〜(5):(1)アルコール付与処理;、(2)発酵香付与処理;、(3)苦味付与処理;、(4)ホップ香付与処理;及び(5)麦香付与処理;からなる群より選択される1以上の処理を行うことと、を含み、飲料ろ過を行わない、無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法において、当該原料液ろ過前に、当該原料液ろ過に供する当該原料液の全量を、80℃以上の温度に加熱することにより、当該加熱を行わない場合に比べて、当該無ろ過ビールテイスト飲料の濁りを増加させる、方法を含む。
本方法においては、無ろ過ビールテイスト飲料を製造するため、飲料ろ過を行わない。ここで、通常のビール製造においては、アルコール発酵及び熟成後の最終段階において、ビールから酵母や不溶性成分を除去するため(すなわち、最終的に得られるビールの濁りを低減するため)にビールろ過を行う。この点、本方法でいう飲料ろ過は、通常のビール製造におけるビールろ過に相当する。
なお、例えば、酵母(一般に、直径が5μm〜10μm程度)が通過する孔径(例えば、30μm以上、好ましくは50μm以上、特に好ましくは70μm程度)を有する網(例えば、ストレーナ等の金属メッシュ)に飲料を通すような処理は、ビールろ過に相当する処理ではない。すなわち、本方法でいう飲料ろ過は、上記のような網にビールテイスト飲料を通過させる処理を含まない。したがって、本方法において、上記のような網にビールテイスト飲料を通過させる処理は行ってもよい。
そこで、本方法においては、上記(1)〜(5)の処理の後に、ろ過(飲料ろ過)を行わないこととしてもよい。具体的に、本方法においてアルコール発酵を行う場合、当該アルコール発酵後にろ過(例えば、酵母を除去するためのろ過)(飲料ろ過)を行わないこととしてもよい。また、アルコール発酵後に熟成を行う場合、当該熟成後にろ過(例えば、酵母を除去するためのろ過)(飲料ろ過)を行わないこととしてもよい。なお、後述のとおり、アルコール発酵及び熟成は、上記(1)及び(2)からなる群より選択される1以上の処理に相当する。
また、本方法においてアルコール発酵を行わない場合、原料液ろ過後にろ過(飲料ろ過)を行わないこととしてもよい。また、アルコール発酵を行わず、原料液ろ過後の原料液と他の成分(例えば、糖類、食物繊維、色素、香料、苦味料、酸味料、及び甘味料からなる群より選択される1種以上)とを混合して無ろ過ビールテイスト飲料を得る場合、当該原料液と当該他の成分との混合後にろ過(飲料ろ過)を行わないこととしてもよい。なお、後述のとおり、原料液ろ過後の原料液と上記他の成分(例えば、少なくとも苦味料及び香料からなる群より選択される1以上を含む上記他の成分)との混合は、上記(2)、(3)、(4)及び(5)からなる群より選択される1以上の処理に相当する。
また、本方法において、原料液ろ過後の原料液にホップ原料を添加し、その後、ホップ粕を除去する処理(例えば、ワールプールを用いた処理)を行う場合(当該原料液にホップ原料を添加して煮沸し、当該煮沸後に当該ホップ粕を除去する処理を行う場合を含む)、当該ホップ粕を除去する処理後、ろ過(飲料ろ過)を行わないこととしてもよい。なお、後述のとおり、原料液へのホップ原料の添加は、上記(3)及び(4)からなる群より選択される1以上の処理に相当する。
また、通常のビール製造におけるビールろ過は、例えば、珪藻土、遠心分離、又は樹脂フィルター(例えば、PVDF、セルロースエステル、ナイロン66、ポリスルフォン、又はポリエーテルスルフォン等の樹脂製のフィルター)を用いて行う。そこで、本方法でいう飲料ろ過は、珪藻土、遠心分離、又は樹脂フィルターを用いたろ過であることとしてもよい。
本方法においては、上述のとおり、無ろ過ビールテイスト飲料を製造する。無ろ過ビールテイスト飲料は、濁りを有し、ビール様の香味を有する飲料である。無ろ過ビールテイスト飲料は、その製造時の条件(例えば、麦類(例えば、麦芽)の使用の有無、ホップの使用の有無、アルコール発酵の有無)に関わらず、濁りを有し、ビール様の香味を有する飲料であれば特に限られない。
無ろ過ビールテイスト飲料は、酵母を含むこととしてもよい。すなわち、後述するように、本方法が、原料液ろ過後に、原料液に酵母を添加してアルコール発酵を行うことを含む場合、本法においては、飲料ろ過を行わないため、最終的に得られる無ろ過ビールテイスト飲料は、当該アルコール発酵に由来する酵母を含む。
具体的に、無ろ過ビールテイスト飲料は、例えば、1万個(cells)/mL以上の酵母を含むこととしてもよく、10万個/mL以上の酵母を含むこととしてもよく、50万個/mL以上の酵母を含むこととしてもよく、100万個/mL以上の酵母を含むこととしてもよく、200万個/mL以上の酵母を含むこととしてもよい。
より具体的に、無ろ過ビールテイスト飲料は、例えば、1万個/mL以上、4000万個/mL以下の酵母を含むこととしてもよく、10万個/mL以上、3000万個/mL以下の酵母を含むこととしてもよく、50万個/mL以上、2000万個/mL以下の酵母を含むこととしてもよく、100万個/mL以上、1000万個/mL以下の酵母を含むこととしてもよく、200万個/mL以上、800万個/mL以下の酵母を含むこととしてもよい。
無ろ過ビールテイスト飲料は、アルコール飲料であることとしてもよい。アルコール飲料は、アルコール含有量が1体積%以上(アルコール分1度以上)の飲料である。アルコール飲料のアルコール含有量は、1体積%以上であれば特に限られないが、例えば、1体積%以上、20体積%以下であることとしてもよい。なお、本方法において、アルコール発酵を行わない場合、例えば、原料液にエタノール、スピリッツ、発酵液等のアルコール含有組成物を添加することにより、アルコール飲料を得ることができる。
無ろ過ビールテイスト飲料は、ノンアルコール飲料であることとしてもよい。ノンアルコール飲料は、アルコール含有量が1体積%未満の飲料である。ノンアルコール飲料のアルコール含有量は、1体積%未満であれば特に限られないが、例えば、0.5体積%未満であってもよく、0.05体積%未満であってもよく、0.005体積%未満であってもよい。なお、本方法において、アルコール発酵を行う場合、例えば、当該アルコール発酵後の原料液に、アルコール含有量を低減する処理を施すことにより、ノンアルコール飲料を得ることができる。
無ろ過ビールテイスト飲料は、発泡性飲料であることとしてもよい。発泡性飲料は、泡立ち特性及び泡持ち特性を有する飲料である。すなわち、発泡性飲料は、例えば、炭酸ガスを含有する飲料であって、グラス等の容器に注いだ際に液面上部に泡の層が形成される泡立ち特性と、その形成された泡が一定時間以上保たれる泡持ち特性とを有する飲料であることが好ましい。なお、本方法において、アルコール発酵を行うことなく発泡性飲料を製造する場合、例えば、炭酸ガスの吹き込み及び/又は炭酸水の使用により、発泡性を付与することができる。
発泡性飲料は、そのNIBEM値が50秒以上であってもよく、80秒以上であることが好ましく、150秒以上であることがより好ましく、200秒以上であることが特に好ましい。発泡性飲料のNIBEM値は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.29 泡−NIBEM−Tを用いた泡持ち測定法−」に記載の方法により測定される。
発泡性飲料は、その炭酸ガス圧が1.0kg/cm以上であってもよく、2.0kg/cm以上であることとしてもよい。発泡性飲料の炭酸ガス圧の上限値は、特に限られないが、当該炭酸ガス圧は、3.0kg/cm以下であってもよい。発泡性飲料の炭酸ガス圧は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.21 ガス圧」に記載の方法により測定される。
本方法においては、デンプン原料を含む原料液に原料液ろ過を施す。ここで、通常のビール製造においては、麦芽と水とを混合し、糖化を行った後、麦汁ろ過を行い、当該麦汁ろ過後の麦汁にホップ原料を添加して煮沸し、当該煮沸後にホップ粕を除去する処理を行い、その後、冷却した麦汁に酵母を添加してアルコール発酵を行う。この点、本方法における原料液ろ過は、通常のビール製造における麦汁ろ過に相当する。
すなわち、例えば、本方法において、原料液にホップ原料を添加し、その後、ホップ粕を除去する処理(例えば、ワールプールを用いた処理)を行う場合(当該原料液にホップを添加して煮沸し、当該煮沸後に当該ホップ粕を除去する処理を行う場合を含む)、原料液ろ過は、当該ホップ原料の添加前に行う。
原料液ろ過は、ろ過装置を用いて行う。具体的に、例えば、原料液ろ過は、通常のビール製造と同様、ロイター濾過槽、及び/又は、マイシェフィルターを用いて行うこととしてもよい。なお、マイシェフィルターは、例えば、樹脂製の濾布(例えば、ポリプロピレン繊維等の樹脂繊維を含む濾布)を含むフィルターである。マイシェフィルターを用いたろ過は、例えば、当該マイシェフィルターを備えた濾過機(例えば、ビール製造で使用される麦汁濾過機)を用いて行われる。
本方法において無ろ過ビールテイスト飲料の製造に使用される原料液は、デンプン原料を含む。デンプン原料を含む原料液は、当該デンプン原料と水とを混合して調製される。
デンプン原料は、デンプンを含む原料であれば特に限られないが、例えば、植物原料由来であることとしてもよい。すなわち、原料液は、植物原料由来のデンプン原料を含むこととしてもよい。植物原料は、植物に由来し、デンプンを含む原料であれば特に限られないが、例えば、穀類原料、豆類原料及びイモ類原料からなる群より選択される1以上であることとしてもよい。穀類原料、豆類原料及びイモ類原料は、発芽させた穀類、豆類及びイモ類に由来する原料であってもよいし、発芽させていない穀類、豆類及びイモ類に由来する原料であってもよいし、これらの両方であってもよい。
植物原料は、穀類原料であることが好ましい。穀類原料は、穀物に由来し、デンプンを含む原料であれば特に限られないが、例えば、麦類原料、米類原料、とうもろこし原料及びこうりゃん原料からなる群より選択される1以上であることが好ましい。
穀類原料は、麦類原料であることが好ましい。麦類原料は、麦類に由来し、デンプンを含む原料であれば特に限られないが、当該麦類原料は、例えば、大麦原料、小麦原料、燕麦原料及びライ麦原料からなる群より選択される1以上であることが好ましく、大麦原料及び小麦原料からなる群より選択される1以上であることが特に好ましい。
麦類原料は、製麦後の麦類(すなわち、発芽した麦類(麦芽))に由来する麦芽原料であってもよいし、未製麦の麦類(すなわち、発芽していない麦類)に由来する未発芽麦類原料であってもよいし、これらの両方であってもよい。
麦芽原料は、例えば、大麦麦芽、小麦麦芽、燕麦麦芽及びライ麦麦芽からなる群より選択される1以上に由来する原料であることが好ましく、大麦麦芽及び小麦麦芽からなる群より選択される1以上に由来する原料であることが特に好ましい。麦類原料は、麦芽及び/又は未発芽麦類に由来する成分を含む組成物(例えば、麦芽エキス等の麦類抽出物)であってもよい。
本方法において、麦芽原料を含む原料を使用して原料液を調製する場合、当該原料の総量に対する当該麦芽原料の使用量の割合は、特に限られないが、例えば、5重量%以上、100重量%以下であってもよく、10重量%以上、100重量%以下であることが好ましく、25重量%以上、100重量%以下であることがより好ましく、50重量%以上、100重量%以下であることが特に好ましい。
麦芽原料の総使用量に対する大麦麦芽の使用量の割合は、特に限られないが、例えば、0重量%以上、100重量%以下であってもよく、5重量%以上、100重量%以下であることが好ましく、10重量%以上、90重量%以下であることがより好ましく、20重量%以上、80重量%以下であることがより一層好ましく、30重量%以上、60重量%以下であることが特に好ましい。
麦芽原料の総使用量に対する小麦麦芽の使用量の割合は、特に限られないが、例えば、0重量%以上、100重量%以下であってもよく、5重量%以上、100重量%以下であることが好ましく、10重量%以上、90重量%以下であることがより好ましく、20重量%以上、80重量%以下であることがより一層好ましく、40重量%以上、70重量%以下であることが特に好ましい。
小麦麦芽及び大麦麦芽を含む麦芽原料を使用する場合、当該麦芽原料の総使用量(大麦麦芽の使用量と小麦麦芽の使用量との合計)に対する、当該大麦麦芽の使用量の割合、及び当該小麦麦芽の使用量の割合は、特に限られないが、例えば、大麦麦芽10重量%以上、70重量%以下、且つ小麦麦芽30重量%以上、90重量%以下であってもよく、大麦麦芽20重量%以上、60重量%以下、且つ小麦麦芽40重量%以上、80重量%以下であることが好ましく、大麦麦芽30重量%以上、60重量%以下、且つ小麦麦芽40重量%以上、70重量%以下であることがより好ましく、大麦麦芽40重量%以上、60重量%以下、且つ小麦麦芽40重量%以上、60重量%以下であることが特に好ましい。
本方法においては、ホップ原料を使用することとしてもよい。この場合、本方法は、例えば、原料液ろ過後の原料液にホップ原料を添加することを含む。この場合、本方法においては、原料液ろ過後の原料液にホップ原料を添加して煮沸することとしてもよい。
ホップ原料は、特に限られないが、例えば、ホップパウダー、ホップペレット、プレスホップ、生ホップ、ホップエキス、イソ化ホップ、ローホップ、テトラホップ及びヘキサホップからなる群より選択される1以上であることが好ましい。
本方法においては、原料液ろ過後に、上記(1)〜(5)からなる群より選択される1以上の処理を行う。上記(1)のアルコール付与処理は、原料液ろ過後、原料液にアルコールを付与する処理である。アルコール付与処理は、例えば、原料液に酵母を添加してアルコール発酵を行うこと、及び原料液にアルコールを添加すること、からなる群より選択される1以上である。アルコールの添加は、例えば、エタノール、スピリッツ、発酵液等のアルコール含有組成物の添加により行う。
アルコール発酵を行う場合、原料液に添加する酵母は、当該アルコール発酵を行う酵母であれば特に限られないが、例えば、ビール酵母、ワイン酵母、焼酎酵母及び清酒酵母からなる群より選択される1以上であることが好ましい。ビール酵母は、ビールテイスト飲料の製造におけるアルコール発酵に使用できる酵母であれば特に限られず、上面発酵酵母及び下面発酵酵母からなる群より選択される1以上を使用することもできる。アルコール発酵開始時の原料液における酵母数は、特に限られないが、例えば、1×10個/mL〜3×10個/mLであることが好ましい。
アルコール発酵の条件は、原料液中において酵母によるアルコール発酵が行われる条件であれば特に限られないが、例えば、当該原料液を0℃以上、40℃以下の範囲内の温度で、1日以上、14日以下の時間維持することにより行う。
本方法は、アルコール発酵後に、熟成を行うことを含んでもよい。なお、本方法において、アルコール発酵は、通常のビールの製造における主発酵又は前発酵に相当し、熟成は、通常のビールの製造における貯酒又は後発酵に相当する。
上記(2)の発酵香付与処理は、原料液ろ過後、原料液に発酵香を付与する処理である。発酵香付与処理は、例えば、原料液に酵母を添加してアルコール発酵を行うこと、及び原料液に発酵香成分を添加すること、からなる群より選択される1以上である。
発酵香は、発酵感をもたらす香気である。そして、発酵香成分は、発酵香をもたらす成分である。具体的に、発酵香成分は、例えば、アルコール発酵中に酵母が生成する好ましい香気をもたらす成分、及び/又は、オフフレーバーをもたらす香気成分である。
より具体的に、発酵香成分は、例えば、高級アルコール成分(例えば、プロパノール、イソプロパノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、フェネチルアルコール、グリセロール、ブタンジオール)、エステル成分(例えば、酢酸エステル成分(例えば、酢酸イソアミル)、エチルエステル成分(例えば、酢酸エチル、カプロン酸))、アルデヒド成分(例えば、アセトアルデヒド)、アセチル成分(例えば、ダイアセチル、2,3−ペンタジオン)、及び硫黄系成分(硫化水素、二酸化硫黄、硫化ジメチル、メチオール、メルカプタン)からなる群より選択される1以上が挙げられる。
上記(3)の苦味付与処理は、原料液ろ過後、原料液に苦味を付与する処理である。苦味付与処理は、例えば、原料液に苦味原料を添加することである。苦味原料は、原料液に苦味を付与する原料であれば特に限られないが、例えば、ホップ原料、及び/又は他の苦味料が好ましく用いられる。ホップ原料を使用する場合、原料液に当該ホップ原料を添加して煮沸することとしてもよい。
苦味付与処理に使用されるホップ原料は、ホップに由来する苦味成分(例えば、α酸及び/又はイソα酸)を含む原料であれば特に限られないが、例えば、ホップパウダー、ホップペレット、プレスホップ、生ホップ、ホップエキス、イソ化ホップ、ローホップ、テトラホップ及びヘキサホップからなる群より選択される1以上であることが好ましい。他の苦味料としては、例えば、ホップに由来しない苦味成分(例えば、人工的に合成された苦味成分)を含む組成物が使用される。
上記(4)のホップ香付与処理は、原料液ろ過後、原料液にホップ香を付与する処理である。ホップ香付与処理は、例えば、原料液にホップ原料、及び/又は、ホップ香料を添加することである。ホップ原料を使用する場合、原料液に当該ホップ原料を添加して煮沸することとしてもよい。
ホップ付与処理に使用されるホップ原料は、ホップに由来する香気成分(例えば、ホップ精油成分(例えば、ミルセン、フムレン、リナロール、ゲラニオール等のテルペン成分))を含む原料であれば特に限られないが、例えば、ホップパウダー、ホップペレット、プレスホップ、生ホップ、ホップエキス、イソ化ホップ、ローホップ、テトラホップ及びヘキサホップからなる群より選択される1以上であることが好ましい。
ホップ香料としては、例えば、ホップに由来しない香気成分(例えば、人工的に合成されたミルセン、フムレン、リナロール、ゲラニオール等のテルペン成分))を含む組成物が使用される。
上記(5)の麦香付与処理は、原料液ろ過後、原料液に麦香を付与する処理である。麦香付与処理は、例えば、原料液に麦香(例えば、麦芽香、大麦香)を付与する香料を添加することである。麦香を付与する香料としては、例えば、いわゆるビールフレーバーと呼ばれる香料が好ましく使用される。
そして、本方法においては、原料液ろ過前に、当該原料液ろ過に供する原料液の全量を、80℃以上の温度に加熱する。原料液を加熱する温度(加熱温度)は、80℃以上であれば特に限られないが、例えば、81℃以上であることとしてもよく、83℃以上であることが好ましく、85℃以上であることがより好ましく、87℃以上であることがより一層好ましく、90℃以上であることが特に好ましい。
原料液の加熱温度の上限値は、本発明による効果が得られる範囲であれば特に限られないが、当該加熱温度は、例えば、100℃以下であることとしてもよく、99℃以下であることとしてもよく、98℃以下であることとしてもよく、97℃以下であることとしてもよく、96℃以下であることとしてもよく、95℃以下であることとしてもよい。原料液の加熱温度は、上記いずれかの下限値と、上記いずれかの上限値とを任意に組み合わせて特定することができる。
本方法において、原料液ろ過前に、当該原料液ろ過に供する原料液の全量を、上記範囲の加熱温度に加熱することにより、当該原料液を使用して得られる無ろ過ビールテイスト飲料の濁り特性を効果的に向上させることができる。
すなわち、本方法によれば、最終的に得られる無ろ過ビールテイスト飲料の濁りを効果的に増加させることができる。無ろ過ビールテイスト飲料の濁りの増加は、例えば、当該無ろ過ビールテイスト飲料の濁度の増加として評価される。無ろ過ビールテイスト飲料の濁度は、文献(「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂、ビール酒造組合国際技術委員会(分析委員会)編、公益財団法人日本醸造協会発行」の「8.17 混濁度−濁度計の校正−」)に記載の方法に従い校正された濁度計により測定される。濁度は、測定時の散乱角度に応じて、例えば、濁度(90°)及び/又は濁度(25°)として測定される。
具体的に、本方法によれば、原料液ろ過前に、当該原料液ろ過に供する原料液の全量を、上記範囲の加熱温度に加熱することにより、当該加熱を行わない以外は同一の条件で製造された無ろ過ビールテイスト飲料に比べて、濁度(90°)が0.3以上(例えば、0.3以上、90.0以下)、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、特に好ましくは1.5以上大きい無ろ過ビールテイスト飲料を製造することができる。
また、本方法によれば、例えば、最終的に得られる無ろ過ビールテイスト飲料の濁りの安定性を効果的に向上させることもできる。すなわち、本方法において、原料液ろ過前に、当該原料液ろ過に供する原料液の全量を、上記範囲の加熱温度に加熱することにより製造された無ろ過ビールテイスト飲料は、所定の期間保管された後においても、当該加熱を行わない以外は同一の条件で製造され保管された無ろ過ビールテイスト飲料に比べて、高い濁度を維持することができる。
なお、上記範囲の加熱温度に原料液を加熱する処理は、原料液ろ過に供する原料液の全量を加熱する処理である。すなわち、本方法においては、原料液ろ過前に、当該原料液ろ過に供する原料液の全量を、上記範囲の加熱温度に加熱し、その後、他の成分を添加することなく、当該加熱された原料液の全量を当該原料液ろ過に供する。
これに対し、例えば、原料液の一部を、当該原料液の残りより高い温度に加熱し、次いで、当該原料液の当該一部と当該残りとを混合し、その後、当該原料液の全量に原料液ろ過を施す場合、当該原料液の一部の加熱は、当該原料液ろ過に供する原料液の全量を加熱する処理ではない。
本方法においては、上述のように加熱された原料液の原料液ろ過を行う。すなわち、例えば、原料液ろ過前に、第一の容器(例えば、仕込槽)において、当該原料液ろ過に供する原料液の全量を、上記範囲の加熱温度に加熱し、次いで、当該加熱された原料液を当該第一の容器から第二の容器(例えば、ロイター濾過槽)に移送して原料液ろ過を行う。
このため、原料液ろ過は、当該原料液ろ過前の原料液の加熱温度付近の温度で行うこととなる。具体的に、原料液ろ過前に、原料液を上記範囲の加熱温度に加熱し、次いで、当該加熱された原料液の当該原料液ろ過を行う本方法において、当該原料液ろ過の温度と当該加熱温度との差は、例えば、5℃以下であることとしてもよく、4℃以下であることとしてもよく、3℃以下であることとしてもよく、2℃以下であることとしてもよい。
より具体的に、原料液ろ過の温度が、当該原料液ろ過前の加熱温度より低い場合、当該原料液ろ過の温度と当該加熱温度との差は、5℃以下であることとしてもよく、4℃以下であることが好ましく、3℃以下であることがより好ましく、2℃以下であることが特に好ましい。
なお、原料液ろ過中の原料液を加熱することにより、当該原料液ろ過の温度を、当該原料液ろ過前の加熱温度より高くすることとしてもよいが、当該原料液ろ過中の加熱を行わない場合には、通常、当該原料液ろ過の温度は、当該原料液ろ過前の加熱温度より低くなる。
本方法においては、ろ過装置を用いた原料液ろ過後に、当該ろ過装置を洗浄することを含むこととしてもよい。洗浄に用いられる洗浄液の温度は、ろ過装置からエキス分を回収できる範囲内であれば特に限られないが、例えば、70℃以上であることとしてもよく、75℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましく、85℃以上であることがより一層好ましく、90℃以上であることが特に好ましい。
洗浄液の温度の上限値は、本発明による効果が得られる範囲であれば特に限られないが、当該温度は、例えば、100℃以下であることとしてもよく、99℃以下であることとしてもよく、98℃以下であることとしてもよく、97℃以下であることとしてもよく、96℃以下であることとしてもよく、95℃以下であることとしてもよい。洗浄液の温度は、上記いずれかの下限値と、上記いずれかの上限値とを任意に組み合わせて特定することができる。
また、洗浄液の温度は、例えば、原料液ろ過前における原料液の上記加熱温度との差が10℃以下(0℃以上、10℃以下)であることとしてもよく、8℃以下であることが好ましく、5℃以下であることがより好ましく、3℃以下であることが特に好ましい。また、洗浄液の温度は、原料液ろ過前における原料液の上記加熱温度より高くてもよいが、当該加熱温度以下であることとしてもよく、当該加熱温度より低いこととしてもよい。
なお、原料ろ過後の上記洗浄は、通常のビール製造において、いわゆる第二麦汁を得るための洗浄操作に相当する。また、洗浄液は、飲料の製造に使用でき、且つろ過装置からエキス分を回収できる液体であれば特に限られないが、水(湯)が好ましく用いられる。
本方法は、原料液ろ過前における原料液の加熱前に、当該原料液の糖化を行うことをさらに含むこととしてもよい。この場合、デンプン原料を含む原料液の糖化を行い、次いで、原料液ろ過に供する原料液の全量を上記範囲の加熱温度に加熱し、その後、当該原料液ろ過を行う。
糖化は、原料液を多糖類分解酵素で処理することにより行う。多糖類分解酵素は、原料液中の原料(例えば、麦芽等の植物原料)に含まれる酵素であってもよいし、及び/又は、当該原料由来の酵素とは別に外的に添加される酵素であってもよい。糖化は、多糖類分解酵素が働く温度で行う。
本方法において原料液の糖化を行う場合、当該糖化後、原料液ろ過前に、当該原料液ろ過に供する当該原料液の全量を、当該糖化の温度より高い加熱温度に加熱することとしてもよい。
この場合、デンプン原料を含む原料液の糖化を第一の温度で行い、次いで、原料液ろ過に供する当該原料液の全量を上記範囲であって当該第一の温度より高い第二の温度に加熱し、その後、当該原料液ろ過を行う。
第二の温度(糖化後、原料液ろ過前の原料液の加熱温度)と、第一の温度(当該糖化の温度)との差は、例えば、5℃以上であることとしてもよく、10℃以上であることとしてもよく、15℃以上であることとしてもよく、20℃以上であることとしてもよい。
また、原料液ろ過前に、当該原料液ろ過に供する原料液の全量を上記範囲の加熱温度に加熱する本方法において、当該加熱前に、当該加熱温度より低い温度で当該原料液の糖化を行うこととしてもよい。
この場合も、糖化後、原料液ろ過前の原料液の加熱温度と、当該糖化の温度との差は、例えば、5℃以上であることとしてもよく、10℃以上であることとしてもよく、15℃以上であることとしてもよく、20℃以上であることとしてもよい。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[例1−1]
麦芽(具体的には、大麦麦芽及び小麦麦芽)及びホップ原料を使用して無ろ過ビールテイスト飲料を製造した。具体的に、まず麦芽及びホップ原料を使用して原料液を調製した。すなわち、大麦麦芽及び小麦麦芽と水とを混合し、仕込槽において、当該大麦麦芽及び小麦麦芽の全量を含む66℃の原料液を調製した。
そして、仕込槽において原料液を66℃で30分維持することにより、糖化を行った。糖化の終了後、仕込槽において原料液の加熱を開始し、当該原料液の温度を90℃まで上昇させた。すなわち、後述する原料液ろ過の前に、当該原料液ろ過に供する原料液の全量を、90℃に加熱した。
加熱により原料液の温度が90℃に到達した後、速やかに当該原料液のろ過(原料液ろ過)を行った。次いで、原料液ろ過後の原料液にホップ原料を添加して煮沸を行った。煮沸後、原料液から不溶成分(ホップ粕や沈殿物)を除去する処理を行った。その後、冷却した原料液に上面発酵酵母を添加してアルコール発酵を行い、さらに熟成を行った。
そして、飲料ろ過を行うことなく、熟成後の原料液を無ろ過ビールテイスト飲料(無ろ過ビール)として得た。なお、無ろ過ビールテイスト飲料は、アルコール含有量が約5体積%の発泡性アルコール飲料であった。
[例1−2]
原料液ろ過前に、当該原料液ろ過に供する原料液の全量を、90℃に代えて、100℃に加熱したこと以外は上述の例1−1と同様にして、無ろ過ビールテイスト飲料を製造した。
[例1C]
また、原料液ろ過前に、当該原料液ろ過に供する原料液の全量を、90℃に代えて、77℃に加熱したこと以外は上述の例1−1と同様にして、無ろ過ビールテイスト飲料を製造した。
[濁度の評価]
各例で得られた無ろ過ビールテイスト飲料の濁度を測定した。無ろ過ビールテイスト飲料の濁度の測定は、市販の濁度計(VOS ROTA 90/25、Haffmans社製)を用い、当該濁度計の取扱説明書の記載に準じて行った。なお、測定に際しては、文献(「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂、ビール酒造組合国際技術委員会(分析委員会)編、公益財団法人日本醸造協会発行」の「8.17 混濁度−濁度計の校正−」)に記載の方法に従い、濁度計の校正を行った。
[結果]
図1には、例1−1、例1−2及び例1Cのそれぞれにおける、原料液ろ過前の加熱温度(℃)と、最終的に得られた無ろ過ビールテイスト飲料の濁度(90°)を評価した結果とを示す。
図1に示すように、原料液ろ過前の原料液の加熱温度が90℃であった例1−1、及び100℃であった例1−2で得られた無ろ過ビールテイスト飲料の濁度は、当該加熱温度が77℃であった例1Cのそれに比べて顕著に大きかった。
すなわち、原料液ろ過前の原料液を77℃より高い温度に加熱することによって、77℃に加熱する場合に比べて、無ろ過ビールテイスト飲料の濁度を効果的に増加させることができた。
また、例1−2で得られた無ろ過ビールテイスト飲料の濁度は、例1−1のそれに比べて大きかった。すなわち、原料液ろ過前の原料液の加熱温度を上昇させることで、無ろ過ビールテイスト飲料の濁度を増加させることができた。
[例2−1]
上述の例1−2と同様にして、無ろ過ビールテイスト飲料を製造した。
[例2C]
上述の例1Cと同様にして、無ろ過ビールテイスト飲料を製造した。
[保管試験]
各例で得られた無ろ過ビールテイストを容器に充填し、20℃で約1ヶ月間、保管した。
[濁度の評価]
20℃で約1ヶ月間保管した後の無ろ過ビールテイスト飲料の濁度を、上述の実施例1と同様にして測定した。
[結果]
図2には、例2−1及び例2Cのそれぞれにおける、原料液ろ過前の加熱温度(℃)と、最終的に得られた無ろ過ビールテイスト飲料の濁度(90°)を評価した結果とを示す。図2に示すように、原料液ろ過前の原料液の加熱温度が100℃であった例2−1で得られた無ろ過ビールテイスト飲料の濁度は、当該加熱温度が77℃であった例2Cのそれに比べて顕著に大きかった。
すなわち、原料液ろ過前の原料液を77℃より高い温度に加熱することによって、77℃に加熱する場合に比べて、無ろ過ビールテイスト飲料の濁りの安定性を効果的に向上させることができた。

Claims (9)

  1. 飲料ろ過を行わない、無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法であって、
    デンプン原料を含む原料液のろ過を行うことと、
    前記原料液の前記ろ過後に、下記(1)〜(5):
    (1)アルコール付与処理;、
    (2)発酵香付与処理;、
    (3)苦味付与処理;、
    (4)ホップ香付与処理;及び
    (5)麦香付与処理;
    からなる群より選択される1以上の処理を行うことと、
    を含み、
    前記原料液の前記ろ過前に、前記ろ過に供する前記原料液の全量を、80℃以上の温度に加熱することをさらに含む、
    無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法。
  2. 前記加熱前に、前記原料液の糖化を行うことをさらに含む、
    請求項1に記載の無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法。
  3. 前記原料液の前記糖化後、前記原料液の前記ろ過前に、前記ろ過に供する前記原料液の全量を、前記糖化の温度より高い前記温度に加熱する、
    請求項2に記載の無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法。
  4. 前記原料液の前記ろ過は、ロイター濾過槽、及び/又は、マイシェフィルターを用いて行う、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法。
  5. 前記デンプン原料は、植物原料由来である、
    請求項1乃至4のいずれかに記載の無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法。
  6. 前記植物原料は、穀類原料である、
    請求項5に記載の無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法。
  7. 前記原料液の前記ろ過後に、前記原料液に酵母を添加してアルコール発酵を行うことをさらに含む、
    請求項1乃至6のいずれかに記載の無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法。
  8. 前記無ろ過ビールテイスト飲料は、前記酵母を含む、
    請求項7に記載の無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法。
  9. デンプン原料を含む原料液のろ過を行うことと、
    前記原料液の前記ろ過後に、下記(1)〜(5):
    (1)アルコール付与処理;、
    (2)発酵香付与処理;、
    (3)苦味付与処理;、
    (4)ホップ香付与処理;及び
    (5)麦香付与処理;
    からなる群より選択される1以上の処理を行うことと、
    を含み、飲料ろ過を行わない、無ろ過ビールテイスト飲料の製造方法において、
    前記原料液の前記ろ過前に、前記ろ過に供する前記原料液の全量を、80℃以上の温度に加熱することにより、前記加熱を行わない場合に比べて、前記無ろ過ビールテイスト飲料の濁りを増加させる、方法。

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