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JP2020090178A - 車両下部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドア開口の下端高さを低く抑えつつも、側突時において車室を十分に保護できる車両下部構造を提供する。【解決手段】車両下部構造は、車室の左右両側下端において車両前後方向に延びる一対のロッカ24と、前記一対のロッカ24より車幅方向内側において、車両前後方向に延びる一対のフロアサイドメンバ34と、前記一対のフロアサイドメンバ34の間に掛け渡されるクロスメンバ38と、前記ロッカ24とフロアサイドメンバ34との間に掛け渡されるアウトリガ36と、スライドドアの移動方向をガイドするロアレール18であって、前記ロッカ24と同じ高さ位置に設けられ、一部が前記ロッカ24より車幅方向内側に突出するロアレール18と、を備え、前記アウトリガ36は、前記ロアレール18に対して上方にオフセットするとともに、前記クロスメンバ38と車幅方向に略一直線に並ぶ位置に設けられている。【選択図】図2

Description

本明細書では、車両前後方向にスライドして開閉されるスライドドアを有した車両下部構造を開示する。
従来から、車両前後方向にスライドして開閉されるスライドドアを有した車両が広く知られている。かかる車両においては、乗員の乗降や荷物の積み下ろしを容易にし、また、広いドア開口を確保するために、ドア開口の下端高さを下げたいという要望がある。
こうした要望を満たすため、従来からスライドドアの移動をガイドする下側のドアレール(以下「ロアレール」という)を、ロッカとほぼ同じ高さに設けることが提案されている。ロッカは、車室の床面(フロア)の両端に配され、車両前後方向に延びる骨格部材である。こうしたロッカは、通常、車幅方向外側に開口した略ハット状のロッカインナと、車幅方向内側に開口した略ハット状のロッカアウタと、を接合して構成される。
特許文献1は、サイドシル(ロッカに対応)内に、ロアレールを配置する技術が開示されている。具体的に、特許文献1では、サイドシルアウタ(ロッカアウタに対応)の側面に、ドアスライド機構用開口を形成している。そして、このドアスライド機構用開口を通じて、車幅方向外側に開口したボックス部材がサイドシル内に配されている。さらに、ボックス部材の天井壁には、断面コ字状のロアレールが溶接されている。こうした特許文献1の技術によれば、ロアレールを、ロッカとほぼ同じ高さに配することが出来、結果として、ドア開口の下端高さを低くできる。
また、さらに、特許文献1では、スライドドアの下端に、ドアスライド機構用開口内に入り込む係合部材(具体的には、スライドドアの内面から車幅方向内側に突出したピン部材)を設けている。車両の側部に障害物が衝突する側突が発生した際には、この係合部材がボックス部材に係合(当接)することで、スライドドアが車室内への侵入が抑制される。
特開2006−15928号公報
上述した特許文献1の技術では、側突時のエネルギを、係合部材、ボックス部材を介して、ロッカ(サイドシル)である程度、受け止めることができる。しかし、ロッカのみでは、受け止められる衝突エネルギに限界がある。その結果、特許文献1の技術では、側突時に、車室を十分に保護できないおそれがあった。
そこで、本明細書では、ドア開口の下端高さを低く抑えつつも、側突時において車室を十分に保護できる車両下部構造を開示する。
本明細書で開示する車両下部構造は、車室の左右両側下端において車両前後方向に延びる一対のロッカと、前記一対のロッカより車幅方向内側において、車両前後方向に延びる一対のフロアサイドメンバと、前記一対のフロアサイドメンバの間に掛け渡されるクロスメンバと、前記ロアレールとフロアサイドメンバとの間に掛け渡されるアウトリガと、スライドドアの移動方向をガイドするロアレールであって、前記ロッカと同じ高さ位置に設けられ、一部が前記ロッカより車幅方向内側に突出するロアレールと、を備え、前記アウトリガは、前記ロアレールに対して上方にオフセットするとともに、前記クロスメンバと車幅方向に略一直線に並ぶ位置に設けられている。
本明細書で開示する車両下部構造によれば、アウトリガは、ドアレールに対して上方にオフセットしている。そのため、アウトリガを、クロスメンバと車幅方向に略一直線に並ぶ位置に設けることができる。そして、アウトリガとクロスメンバが略一直線に並ぶことで、側突時にロッカが受けた衝突荷重が、アウトリガ、フロアサイドメンバを介してクロスメンバに伝達され、分散される。結果として、荷重の一極集中が防止されるため、ロッカなどの骨格部材の損傷が効果的に防止され、車室が適切に保護される。
車両のボディの概略的な斜視図である。 スライドドアを閉じた状態のX位置における断面図である。 X位置周辺を下方からみた斜視図である。 X位置周辺を下方からみた斜視図であって、戸袋カバーの図示を省略した図である。
以下、図面を参照して車両の下部構造について説明する。図1は、車両のボディの概略的な斜視図である。図1に示す通り、車両の側部には、フロントドア開口部10とリアドア開口部12とが前後方向に並んで設けられている。フロントドア開口部10とリアドア開口部12との間は、車両上下方向に延びるセンターピラー14によって仕切られている。
リアドア開口部12は、リアドアであるスライドドア16により、開閉される。このスライドドア16のスライド移動をガイドするために、リアドア開口部12の上下には、アッパレール20及びロアレール18が設けられている。このうち、ロアレール18は、車両前後方向に延びるロッカ24内に設けられている。ロッカ24は、車両前後方向に延びる骨格部材であり、車両の左右両側に設けられている。
ロアレール18の前端は、車幅方向を内側に弯曲し、ロッカ24よりも車幅方向内側に突出している。以下では、このロアレール18の前端付近、すなわち、図1におけるX位置付近における下部構造について説明していく。図2は、図1のX位置における断面図である。図3、図4は、X位置付近において、車両を下側から見た斜視図である。なお、図4では、後述するアウトリガ36の図示を省略している。
車両には、車幅方向に間隔をあけて配された一対のロッカ24(図2〜図4では、一つのロッカ24のみを図示。フロアサイドメンバ34も同じ)が設けられている。ロッカ24は、車両前後方向に延びる閉断面を有した骨格部材である。本例において、ロッカ24は、ロッカアウタ44とロッカインナ46とを接合して構成される。ロッカアウタ44は、車幅方向内側に開口した略ハット形状の断面を有している。同様に、ロッカインナ46は、車幅方向外側に開口した略ハット形状の断面を有している。
ロッカインナ46の上面には、フロアパネル32の端部が接合されている。フロアパネル32は、車室の床面を構成するパネル部材である。ロッカ24の車幅方向内側には、車幅方向に間隔をあけて配された一対のフロアサイドメンバ34が設けられている。フロアサイドメンバ34は、車両前後方向に延びる骨格部材であり、上方に開口した略ハット形状の断面を有している。フロアサイドメンバ34は、その開口を塞ぐようにフロアパネル32の下面に接合されている。そして、これにより、フロアパネル32とフロアサイドメンバ34との間に車両前後方向に延びる閉断面が形成される。
フロアサイドメンバ34の車幅方向内側の側面には、クロスメンバ38が接続されている。クロスメンバ38は、一対のフロアサイドメンバ34に掛け渡される骨格部材であり、車幅方向に延びている。クロスメンバ38は、上方に開口する略ハット形状の断面を有しており、当該開口をふさぐようにフロアパネル32の下面に接合されている。
このクロスメンバ38とほぼ同じ車両前後方向位置には、アウトリガ36が設けられている。アウトリガ36は、ロッカ24とフロアサイドメンバ34との間に掛け渡される補強部材である。このアウトリガ36は、上方に開口した略皿形状であり、左右両端は、ロッカ24及びフロアサイドメンバ34に接合され、前後両端は、上方にせり上がって、フロアパネル32に接合されている。かかる構成とすることで、アウトリガ36とフロアパネル32との間に、閉断面が形成される。このアウトリガ36は、車両の側方に障害物が衝突する側突が発生した際には、衝突エネルギをロッカ24からクロスメンバ38に伝達する伝達部材として機能するが、これについては、後述する。
ロッカ24の内部には、戸袋30が設けられている。戸袋30は、ガイドローラユニット22を収容する箱状部材である。より詳しく説明すると、戸袋30は、車幅方向外側に開口した略コの字形状の断面を有している。こうした戸袋30は、略L字状の断面を有する戸袋ロア56と、略逆L字状の断面を有する戸袋アッパ54と、で構成される。
ロッカアウタ44の側面には、戸袋30の開口と、外部空間とを連通するための、側面開口45が形成されている。また、図4に示す通り、戸袋30のうち、前端部分は、ロッカ24よりも車幅方向内側に突出している。この戸袋30の内側への突出を許容するために、ロッカインナ46の側面にも側面開口47が形成されている。換言すれば、戸袋30の前端付近においては、ロッカ24には、車幅方向に貫通する貫通穴が存在している。なお、以下では、戸袋30のうち、ロッカ24よりも車幅方向内側に突出する部分を、戸袋突出部31と呼ぶ。
戸袋アッパ54の下面には、ロアレール18が取り付けられている。ロアレール18は、車両前後方向に延びるレール部材で、下方に開口した略コの字形状の断面を有している。このロアレール18の内部には、鉛直軸周りに回転して転がる横ローラ58が組み付けられている。横ローラ58は、ロアレール18に沿って転動する。また、戸袋30内には、水平な軸回りに回転して転がる縦ローラ60が設けられている。こうした横ローラ58及び縦ローラ60は、図示しない接続部材を介して、ロアアーム62に連結されている。
ロアアーム62は、戸袋30内において水平方向に延びた後、側面開口45を通過して外部に飛び出て、上方に延びる、断面略L字状部材である。このロアアーム62の先端、すなわち、上方に延びる部分には、スライドドア16が接合されている。これにより、スライドドア16は、ロアアーム62を介して、横ローラ58および縦ローラ60に連結されることとなり、スライドドア16の移動方向がロアレール18によって規制される。
フロアパネル32の下側には、燃料タンク64が配置される。この燃料タンク64は、図2から明らかな通り、ロッカ24やロアレール18よりも車幅方向内側に位置している。また、燃料タンク64は、タンクバンド70によって支持される。タンクバンド70の両端は、締結ブラケット66を介して車両ボディに固定される。より具体的に説明すると、締結ブラケット66は、略水平な締結面を有しており、当該締結面には、後述する締結ボルト72が挿通される締結孔が形成されている。また、締結ブラケット66の端部は、アウトリガ36やフロアサイドメンバ34に接合されている。さらに、締結面の裏側であって締結孔に対応する位置には、ウェルドナット68が固着されている。締結ボルト72は、その頭部と締結ブラケット66との間にタンクバンド70の端部を挟み込んだ状態でウェルドナット68に螺合される。
ここで、図2から明らかな通り、タンクバンド70および燃料タンク64は、ロアレール18の車幅方向内側であって、やや下方となる位置にある。本例では、この戸袋30とタンクバンド70との間に、戸袋カバー74を介在させている。戸袋カバー74は、戸袋突出部31及び締結ブラケット66を下側から完全に覆う板金部材である。より具体的に説明すると、戸袋カバー74の車幅方向一端は、戸袋突出部31より下側位置において、ロッカインナ46の側面に接合されている。また、戸袋カバー74の車幅方向他端は、フロアサイドメンバ34の下端近傍まで延びている。戸袋カバー74の前後方向両端は、上方にせり上がって、フロアパネル32に接合されている。また、戸袋カバー74の途中には、締結ボルト72が挿通される挿通孔が形成されており、戸袋カバー74は、タンクバンド70とともに締結ブラケット66に締結されている。換言すれば、戸袋カバー74は、ロッカ24の車幅方向内側側面かつ戸袋30より下側位置から締結ブラケット66まで延びている。かかる戸袋カバー74を設けることで、燃料タンク64の締結状態を適切に維持できる。これについて具体的に説明する。
既述した通り、本例では、ロッカ24内に戸袋30を設けている。かかる構成とすることで、リアドア開口部12をロッカ24のすぐ上まで広げることができ、リアドア開口部12の開口を大きく取ることができる。その一方で、かかる配置とした場合、ロアレール18の側方(より正確には斜め下方向)にタンクバンド70および燃料タンク64が位置することになる。
この状態で、戸袋カバー74が無いと、ロアレール18がタンクバンド70に衝突し、タンクバンド70や燃料タンク64の損傷を招くおそれがあった。すなわち、戸袋カバー74がない場合、戸袋30とタンクバンド70との間には、何ら障壁がないことになる。この場合において、車両の側突が生じると、戸袋30ごとロアレール18が車幅方向内側や斜め下方向に大きく移動し、戸袋30あるいはロアレール18がタンクバンド70に強く当たるおそれがあった。一般に、ロアレール18は、横ローラ58からの力を受けても歪まないように比較的、硬くて丈夫な構成となっている。かかるロアレール18が、タンクバンド70などに衝突すると、このタンクバンド70や燃料タンク64の損傷を招くおそれがあった。
本例では、上述したように、ロアレール18(より正確には戸袋30)とタンクバンド70との間に、戸袋カバー74を設けている。そのため、車両の側突に伴い、戸袋30やロアレール18が、タンクバンド70に向かって移動しようとしても、戸袋30の側面は、戸袋カバー74に衝突する。そして、これにより、ロアレール18および戸袋30のタンクバンド70に向かう移動が阻害あるいは軽減され、ロアレール18がタンクバンド70等に強く衝突することが防止される。そして、結果として、タンクバンド70および燃料タンク64が適切に保護される。
また、上述した通り、ロッカインナ46には、戸袋30の車幅方向内側への突出を許容するための側面開口47が形成されている。この側面開口47と戸袋30との間には、若干の隙間が生じている。戸袋カバー74がない場合、この隙間は、外部空間に露出することとなり、当該隙間からロッカ24内に水分などが侵入する恐れがあった。
本例では、戸袋突出部31全体を戸袋カバー74で覆っているため、側面開口47も戸袋カバー74で隠れることになる。その結果、車両の外部空間(例えば路面上等)にある水分が、隙間からロッカ24に侵入することが防止される。つまり、本例によれば、戸袋カバー74は、ロアレール18とタンクバンド70との衝突を防止する障壁として機能するとともに、水分のロッカ24への侵入を防止する止水カバーとしても機能する。
ところで、図2から明らかな通り、本例では、戸袋30は、アウトリガ36の下側に配されている。これは、側突時に生じる衝突エネルギを効率的に分散するためである。すなわち、本例では、戸袋30とアウトリガ36を上下にオフセットしている。これにより、アウトリガ36を、クロスメンバ38と、ほぼ同じ高さ位置かつほぼ同じ前後方向位置に配置することできる。換言すれば、アウトリガ36とクロスメンバ38を、ほぼ1列に並ばせることができる。
ここで、車両が側突した場合、衝突荷重は、リアドアからロッカ24に伝わる。アウトリガ36が無いと、衝突荷重は、ロッカ24から他部材に分散されず、ロッカ24の損傷や折れを招くおそれがあった。一方、クロスメンバ38と一列に並ぶアウトリガ36を設けた場合、ロッカ24に伝達された衝突荷重が、さらに、アウトリガ36、フロアサイドメンバ34を介して、クロスメンバ38にも伝達、分散され、さらに、当該クロスメンバ38を介して、反対側のフロアサイドメンバ34、アウトリガ36、ロッカ24にも伝達、分散される。つまり、クロスメンバ38と一列に並ぶアウトリガ36を設けることで、衝突荷重を様々な骨格部材に効率的に分散して伝達できる。結果として、荷重の一部集中が防止されるため、ロッカ24等の骨格部材の損傷等が効果的に防止でき、車室が適切に保護される。
なお、これまで説明した構成は、一例であり、少なくとも、アウトリガ36が、ロアレール18に対して上方にオフセットするとともに、クロスメンバ38と車幅方向に略一直線に並ぶ位置に設けられているのであれば、その他の構成は、適宜、変更されてもよい。
10 フロントドア開口部、12 リアドア開口部、14 センターピラー、16 スライドドア、18 ロアレール、20 アッパレール、22 ガイドローラユニット、24 ロッカ、30 戸袋、31 戸袋突出部、32 フロアパネル、34 フロアサイドメンバ、36 アウトリガ、38 クロスメンバ、44 ロッカアウタ、45,側面開口 側面開口、46 ロッカインナ、54 戸袋アッパ、56 戸袋ロア、58 横ローラ、60 縦ローラ、62 ロアアーム、64 燃料タンク、66 締結ブラケット、68 ウェルドナット、70 タンクバンド、72 締結ボルト、74 戸袋カバー。

Claims (1)

  1. 車室の左右両側下端において車両前後方向に延びる一対のロッカと、
    前記一対のロッカより車幅方向内側において、車両前後方向に延びる一対のフロアサイドメンバと、
    前記一対のフロアサイドメンバの間に掛け渡されるクロスメンバと、
    前記ロッカとフロアサイドメンバとの間に掛け渡されるアウトリガと、
    スライドドアの移動方向をガイドするロアレールであって、前記ロッカと同じ高さ位置に設けられ、一部が前記ロッカより車幅方向内側に突出するロアレールと、
    を備え、
    前記アウトリガは、前記ロアレールに対して上方にオフセットするとともに、前記クロスメンバと車幅方向に略一直線に並ぶ位置に設けられている、
    ことを特徴とする車両下部構造。
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