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JP2020088239A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチング動作による過渡電流分布を制御することにより、素子形成領域における温度分布を緩和し、高速スイッチングに対応可能な半導体装置を提供する。【解決手段】半導体装置1は、半導体基板2の主面21側に、複数のトランジスタセルTが並設されるセル領域3と、トランジスタセルTのゲート電極10に接続されるゲート配線部4と、ゲート配線部4を介してゲート電極10にゲート電位を付与するゲートパッド部GPとを備える。ゲート配線部4は、低抵抗配線部4Aと、低抵抗配線部4Aよりも高電気抵抗の高抵抗配線部4Bとを有しており、高抵抗配線部4Bは、セル領域3の外周縁部に沿う領域に配置され、低抵抗配線部4Aは、高抵抗配線部4Bが配置される領域よりも内側で、かつ、セル領域3の中央部を含む領域に配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、スイッチング素子等に用いられる半導体装置に関する。
例えば、電力用スイッチング素子に用いられる半導体装置は、大電流を制御するために比較的大きなチップ面積を有する。この場合、発熱部となるトランジスタセルが形成されたセル領域において、中心部と周辺部の温度差が大きくなりやすく、温度分布が生じやすい。一方、半導体装置のチップサイズは、発熱領域の最高温度が耐熱温度を超えないように制限されるため、コスト増を抑制しつつ大電流化を進めるには、温度分布を均一にすることが求められる。
特許文献1には、チップ面内の温度アンバランスを緩和するために、ストライプ状に配置されるユニットセルを、発熱量が大きく、放熱性の悪いチップ中央部では、疎に配置し、発熱量が小さく、放熱性のよいチップ周辺部では、密に配置することで、チップ中央部の放熱性を向上させた半導体装置が提案されている。特許文献1では、このようなセル配置により、チップ面内の温度アンバランスを緩和し、温度分布の均一性向上を図っている。
特開2004-363327号公報
特許文献1の構成では、ユニットセルが配置される間隔を可変させ、チップ面内を流れる電流分布を調整している。ところが、中心部を流れる電流が周辺部に対して抑制されることで、中央部の発熱量は抑制されるものの、周辺部により多くの電流が流れることで、導通損失に偏りが生じる。これは、損失が電流の二乗に比例(すなわち、I2×R)して発生するためであり、中央部に対して周辺部の導通損失がより大きくなることで、結果的に、チップ全体としての導通損失が増加してしまう。
一方、スイッチング時には、スイッチング動作に伴う過渡電流が流れ、スイッチング損失が発生する。その際に、セル領域に温度分布が存在すると、スイッチング動作を規定する閾値電圧にばらつきが生じ、温度が高い領域ほど閾値電圧が低下して、ターンオン電流又はターンオフ電流が集中しやすくなる。特に、ゲート配線構造の工夫等により、高速スイッチング化した場合には、ターンオフ損失の割合が相対的に増加することから、ターンオフ損失が集中する領域で、温度が高くなりやすく、さらに温度分布を加速させるおそれがある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、スイッチング動作による過渡電流分布を制御することにより、セル領域における温度分布を緩和し、高速スイッチングに対応可能な半導体装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
半導体基板(2)の主面(21)側に、複数のトランジスタセル(T)が並設されるセル領域(3)と、上記トランジスタセルのゲート電極(10)に接続されるゲート配線部(4)と、上記ゲート配線部を介して上記ゲート電極にゲート電位を付与するゲートパッド部(GP)と、を備える半導体装置(1)であって、
上記ゲート配線部は、低抵抗配線部(4A)と、上記低抵抗配線部よりも高電気抵抗の高抵抗配線部(4B)とを有しており、
上記高抵抗配線部は、上記セル領域の外周縁部に沿う領域に配置され、上記低抵抗配線部は、上記高抵抗配線部が配置される領域よりも内側で、かつ、上記セル領域の中央部を含む領域に配置される、半導体装置にある。
上記半導体装置のようにゲート配線部を構成することで、セル領域の中央部を含む領域に配置される低抵抗配線部に対して、その外側に配置される高抵抗配線部が、遅延を有してターンオン又はターンオフする。したがって、ターンオフ時には、セル領域の外周側の領域にターンオフ電流が集中して温度が上昇しやすくなり、一方、セル領域の中央部を含む領域では温度上昇が抑制されることになり、全体として、セル領域の温度分布を緩和することが可能になる。
以上のごとく、上記態様によれば、スイッチング動作による過渡電流分布を制御することにより、セル領域における温度分布を緩和し、高速スイッチングに対応可能な半導体装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、半導体装置の概略構成を示す平面図とそのI−I線断面図。 実施形態1における、半導体装置のセル領域に形成される半導体素子の構成例を示す図で、図1のII部拡大断面図及び半導体素子の回路図記号を示す図。 試験例1における、試験用の半導体装置における基本的なスイッチング特性を、低速スイッチング時と高速スイッチング時とで比較して示す動作波形図。 試験例1において、試験用の半導体装置における基本的なスイッチング特性を評価するためのダブルパルス試験回路図。 試験例1において、試験用の半導体装置における配線構造例を示す平面図。 試験例1において、試験用の半導体装置における、セル領域の面内の温度分布と、そのA−A断面における温度(熱抵抗)分布を示す図。 試験例1において、試験用の半導体装置の冷却構造例を示す概略断面図。 試験例1において、試験用の半導体装置における、セル領域の面内の温度分布と、閾値電圧の温度特性を示す図。 試験例1において、試験用の半導体装置における、セル領域のスイッチング特性を、閾値電圧の異なる領域で比較して示す動作波形図。 試験例1において、実施形態1の半導体装置による温度分布の緩和効果を示す図で、セル領域における位置とターンオフ損失及び温度との関係を示す図。 試験例1において、実施形態1の半導体装置における、セル領域の面内の位置によるスイッチング特性の違いを比較して示す動作波形図。 試験例1において、実施形態1の半導体装置における効果を示す図で、セル領域のB−B断面における位置とターンオフ損失及び温度との関係を示す図。 実施形態2における、半導体装置の概略構成を示す平面図。 実施形態3における、半導体装置の概略構成を示す平面図。 実施形態3における、半導体装置のセル領域の配線ピッチとドレイン電流及びターンオフ損失との関係を比較して示す図。 実施形態4における、半導体装置の概略構成を示す平面図。 実施形態5における、半導体装置の概略構成を示す平面図。 実施形態6における、半導体装置の概略構成を示す平面図。 実施形態7における、半導体装置の概略構成を示す平面図。 実施形態8における、半導体装置の概略構成を示す平面図。 実施形態9における、半導体装置の概略構成を示す平面図。
(実施形態1)
半導体装置に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
本形態の半導体装置は、例えば、大電流用のスイッチング素子として電力変換装置等に用いられるものであり、高速スイッチングに伴う温度分布を抑制可能に構成されている。
以下に、その概略を示す。
図1、図2に示すように、半導体装置1は、半導体基板2の主面21側に、複数のトランジスタセルTが並設されるセル領域3と、トランジスタセルTのゲート電極10に接続されるゲート配線部4と、ゲートパッド部GPと、を備えている。ゲート配線部4は、セル領域3の表面に形成されて、トランジスタセルTのゲート電極10に接続されており、ゲートパッド部GPは、ゲート配線部4を介してゲート電極10にゲート電位を付与するように構成されている。
詳細を後述するように、ゲート配線部4は、低抵抗配線部4Aと、低抵抗配線部4Aよりも高電気抵抗の高抵抗配線部4Bとを有している。高抵抗配線部4Bは、セル領域3の外周縁部に沿う領域に配置され、低抵抗配線部4Aは、高抵抗配線部4Bが配置される領域よりも内側で、かつ、セル領域3の中央部を含む領域に配置される。低抵抗配線部4Aは、例えば、金属を含む低抵抗配線材料にて構成され、高抵抗配線部4Bは、低抵抗配線材料よりも高電気抵抗の高抵抗配線材料にて構成することができる。
このような配置により、ゲートパッド部GPからゲート配線部4へ入力されるゲート制御信号は、低抵抗配線部4Aに対して遅延を有して高抵抗配線部4Bへ伝播する。これに伴い、高抵抗配線部4Bの近傍において、トランジスタセルTのスイッチングに遅延が生じ、セル領域3に流れるターンオフ電流が局所的に集中することで、セル領域3の温度分布を緩和することが可能になる。
ゲート配線部4は、例えば、セル領域3の周辺部に配置される外周側ゲート配線40と、外周側ゲート配線40の内側に接続される複数の内周側ゲート配線41、42と、を組み合わせた配線形状に形成することができる。内周側ゲート配線41、42は、少なくとも外周側ゲート配線40と接続される一部を除いて、低抵抗配線部4Aとして構成され、外周側ゲート配線40は、少なくともゲートパッド部GPに隣接する領域を除いて、高抵抗配線部4Bとして構成することができる。
具体的には、内周側ゲート配線41、42は、ゲートパッド部GPに接続され、セル領域3の中央部に配置される帯状の主ゲート配線41と、主ゲート配線41の長手方向の複数箇所から分岐して外周側ゲート配線40に接続される複数の分岐配線42と、を有する構成とすることができる。主ゲート配線41は、例えば、ゲート接続部4Cを介して、ゲートパッド部GPに接続される。
ゲートパッド部GPから入力されるゲート制御信号は、低抵抗配線部4Aである主ゲート配線41から分岐配線42へ速やかに伝播するのに対して、高抵抗配線部4Bである外周側ゲート配線40へは、遅れを有して伝播する。このとき、セル領域3において、トランジスタセルTは、主ゲート配線41が配置される中央部が先にターンオン・ターンオフし、外周側ゲート配線40が配置される周辺部は後からターンオン・ターンオフする。
これにより、例えば、ターンオフ時には、高抵抗配線部4Bが配置される領域にターンオフ電流が集中しやすくなることで、セル領域3の周辺部にターンオフ電流集中エリアA(すなわち、図1中に示す網掛領域)が形成され、セル領域3の温度分布の緩和に寄与する。
次に、半導体装置1の各部構成について具体的に説明する。
図1において、半導体装置1は、概略矩形の半導体基板2を有し、その主面21側に、セル領域3を有する半導体層20が積層されている。本形態において、半導体層20は、半導体基板2の外周形状に沿う概略矩形の領域を、図2に示すトレンチ構造のトランジスタセルTが形成されるセル領域3としており、セル領域3の外側を取り囲む矩形環状の領域を、ゲートパッド部GPやケルビン・ソースパッドKSPが配置される周辺領域30としている。
複数のトランジスタセルTは、電気的に並列に接続され、例えば、セル領域3の一辺に沿う方向とトレンチの延出方向(例えば、図1上図中に示すX方向)が平行となるようにストライプ状に配置されている。
半導体基板2の主面21は、半導体基板2の厚さ方向(例えば、図1下図中に示すY方向)における一方の面であり、以降、主面21と反対側の面を半導体基板2の裏面22とする。
セル領域3の表面には、ゲートパッド部GPと電気的に接続されるゲート配線部4が配置されており、ゲート配線部4の配線形状は、外周側ゲート配線40と内周側ゲート配線41、42とを組み合わせた形状となっている。外周側ゲート配線40は、セル領域3の外周縁部を取り囲むように配置される、概略矩形状の配線部であり、内周側ゲート配線41、42は、その内側に配置される、複数の帯状の配線部からなる。
ゲートパッド部GPは、セル領域3の外側において、その一辺の中央部に隣接して配置され、ゲートパッド部GPから延びるゲート接続部4Cは、内周側ゲート配線41、42と接続される。ゲート接続部4Cは、例えば、ゲートパッド部GPに隣接する外周側ゲート配線40の一部であり、金属を含む低抵抗配線材料にて構成される矩形部401からなる。
具体的には、内周側ゲート配線は、帯状の主ゲート配線41と、主ゲート配線41の両側へ分岐する、複数対の帯状の分岐配線42を有する。主ゲート配線41は、セル領域3の中央部において、トレンチの延出方向(すなわち、X方向)を長手方向として配置されており、その一端側は、外周側ゲート配線40の位置にあるゲート接続部4Cを介して、ゲートパッド部GPに接続し、他端側は、ゲートパッド部GPが配置される一辺と対向する一辺の近傍まで延びている。
複数対の分岐配線42は、主ゲート配線41の延出端を含む複数箇所(例えば、図1では5箇所)から両側へ分岐して、それぞれX方向と直交する方向に延びており、その分岐端部421は、延出方向に位置する外周側ゲート配線40の内周に、電気的に接続される。
本形態において、ゲート配線部4は、主ゲート配線41と、主ゲート配線41から分岐する複数対の分岐配線42の主要部が、低抵抗配線部4Aとして構成される。低抵抗配線部4Aは、相対的に低電気抵抗の導電性材料を用いて形成される。ゲートパッド部GPと主ゲート配線41とを接続するゲート接続部4Cも、同様の低電気抵抗の導電性材料を用いて形成される。
また、外周側ゲート配線40は、ゲート接続部4Cとなる矩形部401が配置される一部を除いて、高抵抗配線部4Bとして構成される。外周側ゲート配線40に接続される複数対の分岐配線42の分岐端部421も、高抵抗配線部4Bとして構成される。高抵抗配線部4Bは、低抵抗配線部4Aの構成材料に比べて、相対的に高電気抵抗の導電性材料を用いて形成される。
すなわち、セル領域3の周辺部には、ゲート接続部4Cが配置される領域を除いて、低抵抗配線部4Aよりも電気抵抗率の高い、高抵抗配線部4Bが配置される。高抵抗配線部4Bが配置される周辺部よりも内側に位置する、セル領域3の中央部を含む領域には、低抵抗配線部4Aが配置される。配線幅は、例えば、ゲート配線部4の全体で同等であり、ゲート配線部4の各配線は、主ゲート配線41を対称軸とする線対称形状に配置されている。
ここで、低抵抗配線部4Aを構成する、相対的に低電気抵抗の導電性材料としては、例えば、アルミニウム、銅等の金属又は金属合金を含む金属系配線材料が挙げられる(例えば、アルミニウムの電気抵抗率:〜3×10-8Ωm)。
また、高抵抗配線部4Bを構成する、相対的に高電気抵抗の導電性材料は、金属又は金属合金を含む金属系配線材料よりも電気抵抗率の高い導電性材料であり、例えば、ポリシリコン等の多結晶半導体を含む高抵抗配線材料が挙げられる(例えば、ポリシリコンの電気抵抗率:〜1×10-5Ωm)。
なお、低抵抗配線部4Aは、低電気抵抗の導電性材料を用いて、所望の低電気抵抗となるように調整されていればよく、例えば、金属系配線材料を複層構造としてもよい。また、下地層として、例えば、ポリシリコン層等が積層された構造であってもよい。
図2に示すように、トランジスタセルTを構成する半導体素子としては、例えば、MOSFET(すなわち、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)、IGBT(すなわち、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等のトランジスタが挙げられる。半導体基板2には、SiC、GaN等の半導体を用いることができる。
一例として、図2に縦型のMOSFETの構成例と回路図記号を示すように、n型の半導体基板2の主面21には、n型ドリフト層200が設けられており、n型ドリフト層200の表層部にp型ベース領域11が設けられる。p型ベース領域11の表層部には、n型ソース領域12が設けられる。これらp型ベース領域11とn型ソース領域12を貫通して、n型ドリフト層200に達するトレンチ13が設けられ、その内表面とn型ソース領域12の表面の一部に、例えば、酸化シリコンからなるゲート酸化膜14が設けられる。
トレンチ13の内部には、例えば、ポリシリコンからなるゲート電極10が埋設されており、ゲート電極10を覆って、例えば、酸化シリコンからなる絶縁膜15が設けられる。この絶縁膜15と、p型ベース領域11及びn型ソース領域12の表面を覆って、ソース電極16が設けられ、半導体基板2の裏面22側には、ドレイン電極17が設けられる。ゲート電極10、ソース電極16及びドレイン電極17は、それぞれゲート端子G、ソース端子S及びドレイン端子Dに接続されている。
上記構成のMOSFETにおいて、ゲート端子Gは、例えば、図1におけるゲートパッド部GPに対応して設けられ、ゲートパッド部GP及びゲート配線部4を介して、ゲート電極10に接続される。ソース端子S及びドレイン端子Dは、図示しないソースパッド及びドレインパッドを介して、ソース電極16及びドレイン電極17に接続される。
そして、図示しない外部の駆動装置から出力されるゲート制御信号が、ゲートパッド部GP及びゲート配線部4を介して、ゲート電極10へ入力されることによって、ソース端子Sとドレイン端子Dとの間の導通が制御される。すなわち、ゲート電極10に所定のゲート電圧が供給されることで、MOSFETがターンオンして、ソース電極16とドレイン電極17との間に、半導体基板2に対して縦方向(すなわち、図1におけるY方向)に電流が流れる。
なお、図2の回路図において、ソース電極16とソース端子Sとの間から引き出される配線の終端は、ケルビン・ソースパッドKSP(例えば、図1参照)を介して、ケルビン・ソース端子KSに接続される。
図1において、半導体層20のセル領域3には、図2の構成のMOSFETを基本単位とする多数のトランジスタセルTが並列に配設される。
セル領域3の表面に配置されるゲート配線部4は、低抵抗配線部4Aである主ゲート配線41が、セル領域3の中央部を通って、トランジスタセルTのトレンチと平行にX方向に配置され、さらに、その分岐配線42が、X方向と直交する方向に延びて、下層に位置する各トランジスタセルTのゲート電極10と電気的に接続される。低抵抗配線部4Aの外側には、高抵抗配線部4Bである分岐配線42の分岐端部421と、分岐端部421に接続される外周側ゲート配線40とが配置され、下層に位置する各トランジスタセルTのゲート電極10と電気的に接続される。
このとき、セル領域3に、ゲートパッド部GPからゲート制御信号が入力することにより、トランジスタセルTが順次ターンオン又はターンオフする。また、セル領域3は、スイッチングに伴い、トランジスタセルTに電流が流れることで、発熱が生じる発熱領域となり、流れる電流量が多いほど、発熱により温度が上昇しやすくなる。
そこで、本形態においては、発熱量を調整するためにゲート配線部4の配置を工夫し、熱抵抗が大きいセル領域3の中央部を含む領域には、低抵抗配線部4Aを配置し、熱抵抗が小さいセル領域3の周辺部には、低抵抗配線部4Aよりも電気抵抗率の高い、高抵抗配線部4Bを配置する。
このような配置により、ゲートパッド部GPから入力するゲート制御信号は、ゲート接続部4Cから低抵抗配線部4Aへ速やかに伝播するのに対して、高抵抗配線部4Bへの信号伝播に遅延が生じる。このとき、高抵抗配線部4Bが配置されるセル領域3の外側の領域では、低抵抗配線部4Aに遅れてターンオン・ターンオフし、特にターンオフ電流が集中することで、相対的に温度が上昇し、温度分布を緩和する作用を有する。
(試験例1)
次に、上記実施形態1の構成による効果について、図3〜図12を用いて説明する。
図3は、半導体装置1のゲート配線部4を均一に形成した場合の基本的なスイッチング特性を示すもので、図4に示すダブルパルス試験用回路100を用いて測定される。図5に示すように、試験用の半導体装置1において、ゲート配線部4は、セル領域3の全体で低抵抗配線部4Aとなっている。具体的には、ゲート配線部4は、矩形形状の外周側ゲート配線40と、その内側の帯状の複数のゲート配線410からなり、ゲート配線410は、外周側ゲート配線40の対向する二辺間を架け渡すように、トランジスタセルTのトレンチが延出するX方向と直交する方向に配置される。
その場合には、図中に矢印で示すように、ゲートパッド部GPから入力するゲート制御信号が、ゲート配線部4の全体から概略均一に伝播する。
図4において、ダブルパルス試験用回路100は、半導体装置1を構成するMOSFET101をハーフブリッジ回路の上下アームとする半導体モジュールを備え、半導体モジュールは、直流電源102の正負極間に、コンデンサ103と並列に接続されている。
下アームとなるMOSFET101のドレインソース間には、インダクタンス負荷104が並列に接続されており、上アームとなるMOSFET101のゲートには、ゲート抵抗Rgを介して、ゲート制御信号としてパルス状の電圧信号が入力される。このとき、ゲート抵抗Rgによってスイッチング速度を調整可能となっている。
ここで、図3の上段に、低速スイッチング時の動作波形を示すように、MOSFET101へのパルス信号の印加により、ゲートソース電圧Vgsが上昇を開始し(時点t1)、所定の閾値電圧Vthに達すると(時点t2)、各トランジスタセルTがターンオンする。これにより、MOSFET101のドレインソース間が導通して、ドレイン電流Idが徐々に増加し、ドレインソース電圧Vdsは、オン電圧Vonとなるまで徐々に低下する(時点t3)。その後、パルス信号の停止により、ゲートソース電圧Vgsが低下すると、ドレインソース電圧Vdsが上昇し始める(時点t4)。次いで、ドレイン電流Idが徐々に減少し、ゲートソース電圧Vgsが閾値電圧Vthに達すると(時点t5)、各トランジスタセルTがターンオフする。
スイッチング時のような過渡期間においては、コンデンサ103と半導体モジュール間のループの寄生インダクタンスLsにより、ドレイン電流Idの電流変化率di/dtとの積で表される誘導電圧Ls×di/dtが発生し、電流変化を妨げる方向に作用する。すなわち、ターンオン時には、ドレインソース電圧Vdsがその分だけ低下し、ターンオフ時には、ドレインソース電圧Vdsがその分だけ上昇することになる。
このとき、MOSFET101の損失Pは、ドレイン電流Idとドレインソース電圧Vdsとの積で表され、スイッチング時に発生するターンオン損失又はターンオフ損失は、導通期間中の導通損失(Id×Von)に比べて、大きくなる。
特に、図3の下段に示すように、高速スイッチング時には、ターンオフ損失の割合が大きくなりやすい。これは、低速スイッチング時に比べて、ゲートソース電圧Vgsの立ち上がり又は立ち下がりが早くなることで、電流変化率di/dtが大きくなるためである。これにより、誘導電圧Ls×di/dtも大きくなり、ターンオン時の電圧降下が大きくなることで、ターンオン損失は相対的に小さくなる。一方、ターンオフ時には、ドレインソース電圧Vdsに重畳される電圧が大きくなるために、ターンオン損失に対して、ターンオフ損失は相対的に大きくなる。
その場合には、損失Pによる発熱も大きくなることから、スイッチング損失の抑制が重要となる。
また、図6上図に示すように、損失Pが一定の条件において、半導体装置1のセル領域3の面内における温度(熱抵抗)分布は、セル領域3の面中心Cを含む中央部で温度が高く、中央部から離れるほど温度が低くなる分布を示す。すなわち、セル領域3の面中心Cを通るA−A断面においては、図6下図のように、面中心Cに近い領域ほど温度が高く、熱抵抗が大きくなり、外周縁部に近い領域ほど温度が低く、熱抵抗が小さくなる山状の分布を示す。
なお、図6の温度(熱抵抗)分布の測定に際しては、例えば、図7に示す半導体装置1の冷却構造を考慮し、所定の冷却温度とした冷却部との温度差に基づいて、熱抵抗を算出することができる。
具体的には、図7において、半導体装置1は、基板5を介して冷却部となるヒートシンク6に載置される。基板5は、例えば、絶縁用のセラミックス板51の両面に銅板52が接合された積層板であり、半田61を用いて、半導体装置1の裏面22及びヒートシンク6の載置面と、それぞれ接合される。基板5の外形は、半導体装置1の外形よりも大きく、ヒートシンク6の載置面の外形は、基板5の外形よりも大きくなっている。このとき、図7中に点線で示すように、半導体装置1の裏面22側から、基板5を介してヒートシンク6へ、放熱経路が外方へ拡がるように放熱されるので、半導体装置1の中央部よりも、放熱しやすい外周側で、熱抵抗が小さくなる。
また、図8に示すように、半導体装置1のセル領域3において、トランジスタセルTのオンオフタイミングを決定する閾値電圧Vthは、温度によって変動する。具体的には、図8下図のように、温度が高いほど閾値電圧Vthが低くなる傾向を示し、図8上図のような温度分布温度を示す場合には、温度が高い中央部では閾値電圧Vthが低く、温度が低い周辺部では閾値電圧Vthが高くなる。その場合には、閾値電圧Vthの大きさに応じて、ターンオン及びターンオフのタイミングにずれが生じることになる。
そのため図9に示すように、ターンオン時には、閾値電圧Vthの低い中央部が先にターンオンし(時点t11)、閾値電圧Vthの高い周辺部では後にターンオンする(時点t12)。また、ターンオフ時には、閾値電圧Vthの高い周辺部が先にターンオフし(時点t13)、閾値電圧Vthの低い中央部が後からターンオフする(時点t14)。
このとき、閾値電圧Vthが低い中央部では、ターンオンがより早くなることで、ターンオン時にドレイン電流Idがより多く流れ、また、ターンオフがより遅くなることで、ターンオフ時にもドレイン電流Idがより多く流れる。すなわち、温度が高くなる領域に、ターンオン電流及びターンオフ電流が集中する。
このように、セル領域3に流れる電流を均一にすることは容易でなく、例えば、ゲート配線部4からのゲート制御信号の伝播が均等になされるように構成しても、熱抵抗の差により閾値電圧Vthにバラツキが生じると、セル領域3の一部に電流が集中しやすくなる。特に、高速スイッチング時に割合が高くなるターンオフ電流が集中することで、さらに温度が上昇しやすくなり、その結果、温度分布を加速させるおそれがある。
これに対して、図10に示すように、上記実施形態1の構成では、セル領域3に配置されるゲート配線部4からの信号伝播を制御することで、セル領域3の周辺部におけるターンオフ損失を中央部に対して増加させ、温度分布を緩和させる。
具体的には、図11に示すように、ゲート配線部4に、低抵抗配線部4Aと高抵抗配線部4Bを設け、セル領域3のうち熱抵抗が小さくなりやすい周辺部に、高抵抗配線部4Bを配置してターンオフ電流集中エリアAを形成する。熱抵抗が大きくなりやすい中央部には、低抵抗配線部4Aを配置する。このとき、ゲートパッド部GPから入力するゲート制御信号は、主ゲート配線41が配置される中央部から分岐配線42を経て、分岐配線42の両側に位置するトランジスタセルTのゲート電極10へ順次印加される。また、低抵抗配線部4Aに遅れて、高抵抗配線部4Bの近傍に位置するトランジスタセルTへ、ゲート制御信号が伝播する。
したがって、ターンオフ時には、ゲートソース電圧Vgsの低下によりドレインソース電圧Vdsが上昇し(時点t21)、次いでドレイン電流Idが減少し始め(時点t22)、ゲートソース電圧Vgsが閾値電圧Vthへ低下すると(時点t23)、ドレイン電流Idはほぼ0となる。このとき、セル領域3の各トランジスタセルTへの信号伝播にずれが生じることで、各トランジスタセルのターンオフのタイミングのずれにより、セル領域3の各領域に流れるドレイン電流Idに差が生じる。例えば、セル領域3の面中心Cからの距離が異なる3つの点B1〜B3における電流を、ドレイン電流Id1〜Id3とすると、面中心Cに近い中央部の点B1におけるドレイン電流Id1が速やかに低下するのに比べて、面中心Cからより離れる中間部の点B2、周辺部の点B3の順に、ドレイン電流Id2、Id3のピーク電流が上昇している。
なお、中央部の点B1は、面中心Cに近い2つの分岐配線42間に位置し、中間部の点B2は、その外側の2つの分岐配線42間に位置する。また、周辺部の点B3は、その外側の分岐配線42と外周側ゲート配線40との間に位置する。
これにより、高抵抗配線部4Bが配置されるセル領域3の周辺部に、ターンオフ電流集中エリアAが形成される。そして、図12に示すように、電流集中が抑制される中央部に対して、外周側ほどターンオフ損失が増加し、発熱量が増大する。これに伴い、中央部の温度が低くなり、外周側の温度が高くなることで、セル領域3における温度分布を緩和する効果が得られる。なお、図中、点線は、均一発熱の場合である。
その際、図12中に示すように、ゲート配線部4の配線ピッチを調整することで、ターンオフ損失の分布を積極的に形成することができる。具体的には、中央部の2つの分岐配線42の配線ピッチP1を、より外側の中間部の2つの分岐配線42の配線ピッチP2よりも小さくし、P1<P2とする。さらに、外側の分岐配線42と外周側ゲート配線40の配線ピッチP3に対しては、P1/2<P2/2<P3となるように設定する。これは、中央部及び中間部においては、低抵抗配線部4Aである2つの分岐配線42の両側から信号伝播が可能であるためである。
これにより、中央部においては、対応するトランジスタセルのゲート電極10へ、より速やかにゲート制御信号を伝播させて、ターンオフ損失を低下させ、より外側の周辺部へターンオフ損失を集中させることが可能になる。
また、上述したように、セル領域3の各部を流れるドレイン電流Id1〜Id3に差が生じることで、ドレイン電流Idが0となるタイミングにおける電流変化率di/dtが緩和される(例えば、図11参照)。したがって、電流変化率di/dtによるサージ電圧の印加やリンギングの発生が抑制される効果が得られる。
よって、本形態の構成によれば、高速スイッチング時の過渡電流分布を制御することで、温度分布を緩和し、半導体装置1の耐熱性を確保しながら、大電流化が可能になる。
(実施形態2)
図13により、半導体装置1の実施形態2について説明する。
本形態の半導体装置1の基本構成は、上記実施形態1と同様であり、ゲート配線部4の低抵抗配線部4Aとなる主ゲート配線41又は分岐配線42の構成が異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図13に示すように、本形態においても、半導体装置1のセル領域3の表面には、ゲート接続部4Cにてゲートパッド部GPに接続されるゲート配線部4が形成されている。ゲート配線部4は、低抵抗配線部4Aと高抵抗配線部4Bとを有し、セル領域3の周辺部に高抵抗配線部4Bが配置されることにより、ターンオフ電流集中エリアAを形成して温度分布を緩和する、実施形態1と同様の効果が得られる。
ここで、上記実施形態1では、ゲート配線部4の全体で同等の配線幅としたが、本形態では、低抵抗配線部4Aとなる主ゲート配線41の配線幅W1を、それ以外の配線である分岐配線42及び外周側ゲート配線40の配線幅W2よりも幅広に形成する(すなわち、W1>W2)。主ゲート配線41の一端側に接続される低抵抗配線であるゲート接続部4Cも、主ゲート配線41と同等の配線幅W1に形成される。
このようにすると、ゲートパッド部GPに接続される主ゲート配線41の配線抵抗を小さくし、通電に伴う発熱を抑制することができる。したがって、ゲート配線部4の配置による上記効果をより向上させることができる
(実施形態3)
図14〜図15により、半導体装置1の実施形態3について説明する。
本形態は、上記実施形態2の変形例であり、ゲート配線部4の配線ピッチPを一定としている。主ゲート配線41の配線幅W1は、分岐配線42及び外周側ゲート配線40の配線幅W2よりも幅広に形成されている。その他の半導体装置1の基本構成は、上記実施形態2と同様であり、説明を省略する。以下、相違点を中心に説明する。
上記実施形態1、2では、ゲート配線部4の分岐配線42を、中央部の配線ピッチP1と中間部の配線ピッチP2が異なるように配置したが、必ずしも可変とする必要はなく、図14に示すように、分岐配線42を一定の配線ピッチPで配置してもよい。ここでは、配線ピッチPは、例えば、P1<P<P2となるように設定されている。例えば、分岐配線42と外周側ゲート配線40との間の配線ピッチも同等となるように形成してもよい。
図15に示すように、配線ピッチが異なる場合に比べて、同じ配線ピッチとした場合には、セル領域の中央部におけるドレイン電流Id1と、中間部におけるドレイン電流Id2との差がほとんどなくなる。そのために、中央部におけるターンオフ損失の低減効果は、配線ピッチが異なる場合よりも小さくなるが、周辺部におけるターンオフ損失の低減効果は、配線ピッチが異なる場合と同等となっている。
よって、セル領域3の周辺部に高抵抗配線部4Bが配置されることにより、ターンオフ電流集中エリアAを形成して温度分布を緩和する同様の効果が得られる。
(実施形態4)
図16により、半導体装置1の実施形態4について説明する。
本形態は、上記実施形態1の変形例であり、ゲート配線部4の分岐配線42の全体を、低抵抗配線部4Aとして構成している。その他の半導体装置1の基本構成は、上記実施形態1と同様であり、説明を省略する。以下、相違点を中心に説明する。
上記実施形態1〜3では、外周側ゲート配線40に接続される分岐配線42の分岐端部421を、高抵抗配線部4Bとして構成したが、分岐端部421を含む分岐配線42の全体を、低抵抗配線部4Aとして構成してもよい。その場合には、低抵抗配線部4Aが、外周側ゲート配線40との接続位置まで配置されることになり、この領域でスイッチングのタイミングが早くなる。一方、低抵抗配線部4Aが、外周側ゲート配線40と接続されない二辺においては、セル領域3の周辺部に、高抵抗配線部4Bが配置されるので、ターンオフ電流集中エリアAを形成して温度分布を緩和する同様の効果が得られる。
(実施形態5)
図17により、半導体装置1の実施形態5について説明する。
本形態では、ゲート配線部4の主ゲート配線41と平行に、複数の副ゲート配線43を設けている。その他の半導体装置1の基本構成は、上記実施形態1と同様であり、説明を省略する。以下、相違点を中心に説明する。
上記実施形態1〜4では、ゲート配線部4の内周側ゲート配線として、主ゲート配線41と分岐配線42とを設けたが、分岐配線42を設けず、ゲートパッド部GPに接続される複数の配線を有する構成としてもよい。具体的には、内周側ゲート配線は、セル領域3の中央部に配置される主ゲート配線41と、その両側に間隔をおいて、対称配置される複数(例えば、2つ)の帯状の副ゲート配線43とを有する。
本形態では、主ゲート配線41及び副ゲート配線43は同形状であり、いずれも低抵抗配線部4Aとして構成されている。
ゲートパッド部GPは、セル領域3の外側において、その一辺の中央部に隣接して配置され、ゲートパッド部GPに隣接してゲート接続部4Cが設けられる。ゲート接続部4Cは、例えば、ゲートパッド部GPに隣接する外周側ゲート配線40の一辺の一部となる帯状部402からなる。ゲート接続部4Cは、主ゲート配線41及び副ゲート配線43の一端側と、それぞれ接続されている。主ゲート配線41及び副ゲート配線43の他端側は、ゲートパッド部GPと対向する外周側ゲート配線40の一辺へ向けて延び、その内側にそれぞれ接続されている。
本形態では、ゲートパッド部GPが配置される一辺の方向を、X方向としており、この方向に、セル領域3に形成されるトランジスタセルTのトレンチが延出するように配置している。すなわち、主ゲート配線41及び副ゲート配線43の延出方向は、X方向と直交する方向となっている。
ゲート接続部4Cは、低電気抵抗の金属系配線材料で構成されており、外周側ゲート配線40は、ゲート接続部4Cが設けられる帯状部402を除いて、高抵抗配線部4Bとして構成されている。
この構成において、ゲートパッド部GPから入力されるゲート制御信号は、ゲート接続部4Cから、低抵抗配線部4Aである主ゲート配線41及び副ゲート配線43へ速やかに伝播し、下層に位置する各トランジスタセルTのゲート電極10に入力される。このとき、図中に示すように、主ゲート配線41及び副ゲート配線43から両側へ、順次、信号伝播が可能であるため、セル領域3の中央部においては、スイッチングのタイミングが早くなる。
一方、副ゲート配線43の外側に位置する二辺においては、低抵抗配線部4Aが外周側ゲート配線40と接続されないので、セル領域3の周辺部におけるスイッチングのタイミングに遅延が生じる。これにより、セル領域3の周辺部にターンオフ電流集中エリアAが形成されて、温度分布を緩和する同様の効果が得られる。
(実施形態6)
図18により、半導体装置1の実施形態6について説明する。
本形態は、上記実施形態5の変形例であり、主ゲート配線41と複数の副ゲート配線43の一端を、高抵抗配線部4Bとして構成している。その他の半導体装置1の基本構成は、上記実施形態5と同様であり、説明を省略する。以下、相違点を中心に説明する。
上記実施形態5では、主ゲート配線41の全体を、低抵抗配線部4Aとして構成したが、外周側ゲート配線40と接続される延出端部411を、高抵抗配線部4Bとして構成してもよい。同様に、副ゲート配線43についても、外周側ゲート配線40と接続される延出端部431を、高抵抗配線部4Bとして構成することができる。
このように構成すると、主ゲート配線41及び副ゲート配線43が外周側ゲート配線40と接続される一辺側においても、信号伝播の遅延が生じる。これにより、セル領域3の周辺部に、概略コ字状のターンオフ電流集中エリアAが形成されることで、温度分布を緩和する同様の効果が得られる。
(実施形態7)
図19により、半導体装置1の実施形態7について説明する。
本形態は、上記実施形態5の変形例であり、ゲートパッド部GPの配置を変更すると共に、主ゲート配線41と複数の副ゲート配線43の両端を、高抵抗配線部4Bとして構成している。その他の半導体装置1の基本構成は、上記実施形態5と同様であり、説明を省略する。以下、相違点を中心に説明する。
上記実施形態5では、ゲートパッド部GPを、セル領域3の外側において、一辺の中央部に隣接して配置したが、セル領域3の中央に配置することもできる。その場合には、主ゲート配線41は、ゲートパッド部GPの両側からX方向と直交する方向へ向けて延びる一対の延出端部411が、それぞれ対向する外周側ゲート配線40と接続される。一対の延出端部411は、高抵抗配線部4Bとして構成される。同様に、複数の副ゲート配線43についても、外周側ゲート配線40と接続される両端側の延出端部431を、高抵抗配線部4Bとして構成することができる。
また、複数の副ゲート配線43には、主ゲート配線41に対向する側の中間部から分岐する分岐配線44がそれぞれ設けられる。各分岐配線44は、ゲートパッド部GPへ向けてX方向に延び、ゲートパッド部GPの両側に直接接続される。各分岐配線44は、低抵抗配線部4Aとして構成することができる。
このように構成すると、主ゲート配線41及び副ゲート配線43が外周側ゲート配線40と接続される二辺において、信号伝播の遅延が生じる。これにより、セル領域3の周辺部の全体に、ターンオフ電流集中エリアAが形成されることで、温度分布を緩和する同様の効果が得られる。
(実施形態8)
図20により、半導体装置1の実施形態8について説明する。
本形態は、上記実施形態1の変形例であり、ゲートパッド部GPの配置とゲート配線部4の配置方向を変更している。その他の半導体装置1の基本構成は、上記実施形態1と同様であり、説明を省略する。以下、相違点を中心に説明する。
上記実施形態1では、ゲートパッド部GPを、セル領域3の外側において、その一辺の中央部に隣接して配置したが、セル領域3の角部の外側に配置してもよい。その場合には、主ゲート配線41は、セル領域3の対角線の方向に配置され、トランジスタセルTのトレンチの方向も対角線の方向となる。主ゲート配線41は、外周側ゲート配線40の一部となり、低電気抵抗の金属系配線材料で構成される角部403からなるゲート接続部4Cを介して、ゲートパッド部GPに接続される。
主ゲート配線41の両側には、分岐配線42が設けられ、外周側ゲート配線40の内側に接続される。外周側ゲート配線40と分岐配線42の分岐端部421は、高抵抗配線部4Bとして構成され、分岐端部421を除く分岐配線42と主ゲート配線41は、低抵抗配線部4Aとして構成される。
このような構成によっても、セル領域3の周辺部の全体にターンオフ電流集中エリアAが形成されることで、温度分布を緩和する同様の効果が得られる。
(実施形態9)
図21により、半導体装置1の実施形態9について説明する。
本形態は、上記実施形態2の変形例であり、半導体装置1の外形形状を変更している。その他の半導体装置1の基本構成は、上記実施形態2と同様であり、説明を省略する。以下、相違点を中心に説明する。
上記実施形態2では、半導体装置1の半導体層20及びその下層の半導体基板2を矩形形状としたが、基板形状は、矩形に限らず任意の形状とすることができ、例えば、四角形以上の多角形状とすることができる。ここでは、例えば、八角形の半導体基板2上に、半導体層20を形成した半導体装置1としており、セル領域3も八角形状となっている。
本形態においても、ゲートパッド部GPは、八角形の一辺の中央部に隣接して配置され、ゲート接続部4Cを介して、主ゲート配線41が接続される。主ゲート配線41の両側に分岐する分岐配線42は、主ゲート配線41と直交する方向に、互いに平行に延び、分岐配線42の分岐端部421は、対向する外周側ゲート配線40の二辺の内側に接続される。外周側ゲート配線40と分岐配線42の分岐端部421は、高抵抗配線部4Bとして構成され、分岐端部421を除く分岐配線42と主ゲート配線41は、低抵抗配線部4Aとして構成される。
このような構成によっても、セル領域3の周辺部の全体にターンオフ電流集中エリアAが形成されることで、温度分布を緩和する同様の効果が得られる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、半導体装置をスイッチング素子として電力変換装置に適用する例を示したが、これに限らない任意の用途に用いることができる。
また、上記各実施形態においては、半導体装置1のセル領域3にトランジスタセルTのトレンチをストライプ状に配置した例を示したが、これに限らず、トレンチが格子状に配置される構成としてもよい。トランジスタセルTは、トレンチを有する縦型のMOSFETとして構成したがIGBTであってもよく、プレーナ構造の横型のMOSFET又はIGBT等であってもよい。
さらに、ゲート配線部4の配線形状は図示の例に限らず、主ゲート配線41と分岐配線42又は副ゲート配線43とを組み合わせた形状、位置関係等は適宜変更することができる。また、副ゲート配線43を主ゲート配線41に接続する構成としてもよい。
1 半導体装置
2 半導体基板
21 主面
3 セル領域
4 ゲート配線部
40 外周側ゲート配線
41 主ゲート配線
42 分岐配線
4A 低抵抗配線部
4B 高抵抗配線部

Claims (9)

  1. 半導体基板(2)の主面(21)側に、複数のトランジスタセル(T)が並設されるセル領域(3)と、上記トランジスタセルのゲート電極(10)に接続されるゲート配線部(4)と、上記ゲート配線部を介して上記ゲート電極にゲート電位を付与するゲートパッド部(GP)と、を備える半導体装置(1)であって、
    上記ゲート配線部は、低抵抗配線部(4A)と、上記低抵抗配線部よりも高電気抵抗の高抵抗配線部(4B)とを有しており、
    上記高抵抗配線部は、上記セル領域の外周縁部に沿う領域に配置され、上記低抵抗配線部は、上記高抵抗配線部が配置される領域よりも内側で、かつ、上記セル領域の中央部を含む領域に配置される、半導体装置。
  2. 上記ゲート配線部は、上記セル領域の周辺部に配置される外周側ゲート配線(40)と、上記外周側ゲート配線の内側に接続される複数の内周側ゲート配線(41、42)とからなり、
    上記内周側ゲート配線は、少なくとも上記外周側ゲート配線と接続される一部を除いて、上記低抵抗配線部として構成され、
    上記外周側ゲート配線は、少なくとも上記ゲートパッド部に隣接する領域を除いて、上記高抵抗配線部として構成される、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 上記内周側ゲート配線は、上記ゲートパッド部に接続され、上記セル領域の中央部に配置される帯状の主ゲート配線(41)と、上記主ゲート配線の長手方向の複数箇所から分岐して上記外周側ゲート配線に接続される複数の分岐配線(42)とを有する、請求項2に記載の半導体装置。
  4. 複数の上記分岐配線は、上記外周側ゲート配線に接続される分岐端部(421)が、上記高抵抗配線部として構成される、請求項3に記載の半導体装置。
  5. 複数の上記分岐配線は、上記主ゲート配線の長手方向と直交する方向に平行配置され、上記セル領域の中央部において、隣り合う複数の上記分岐配線の配線ピッチ(P1)は、それより外側における配線ピッチ(P2)よりも小さく形成されており、
    上記主ゲート配線の配線幅(W1)は、上記分岐配線及び上記外周側ゲート配線の配線幅(W2)よりも幅広に形成される、請求項3又は4に記載の半導体装置。
  6. 上記内周側ゲート配線は、上記ゲートパッド部に接続され、上記セル領域の中央部に配置される帯状の主ゲート配線(42)と、上記ゲートパッド部又は上記主ゲート配線に接続され、上記主ゲート配線と平行に配置される1以上の副ゲート配線(43)とを有する、請求項2に記載の半導体装置。
  7. 上記半導体基板は、四角形以上の多角形状であり、上記外周側ゲート配線及び上記内周側ゲート配線は、上記主ゲート配線に対して、線対称に配置される、請求項3〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 上記ゲートパッド部は、上記セル領域において、上記外周側ゲート配線よりも内側に配置されており、上記内周側ゲート配線は、上記ゲートパッド部に直接接続される、請求項2〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
  9. 上記ゲートパッド部は、上記セル領域の外側に配置されており、上記ゲートパッド部に隣接し低抵抗配線材料にて構成されるゲート接続部(4C)を介して、上記内周側ゲート配線と接続される、請求項2〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
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