JP2020084012A - コーティング剤用表面改質剤、コーティング剤、及び硬化塗膜 - Google Patents
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尚、ここで言う(メタ)アクリルは、アクリル及びメタクリルを意味する。
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撹拌装置、還流冷却管、滴下ロート、温度計及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mLの反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテル500質量部を加えて、窒素ガス雰囲気下で110℃に昇温した。プロピレングリコールモノメチルエーテルの温度を110℃に維持し、下記表1に示す滴下溶液(a−1)を滴下ロートにより2時間で等速滴下して、モノマー溶液を調製した。滴下終了後、モノマー溶液を、115℃まで昇温させ、2時間反応させて共重合物を合成して表面調整剤を得た。異なる分子量の分子を分離できるゲル浸透クロマトグラフィー(カラムは東ソー株式会社製で製品名TSKGELSUPERMULTIPOREHZ−M、溶出溶媒はTHF(テトラヒドロフラン))を用いて、得られた表面調整剤を分子量ごとに溶出し、分子量分布を求めた。予め分子量既知のポリスチレン標準物質から校正曲線を得ておき、表面調整剤の分子量分布と比較して、表面調整剤の重量平均分子量を求めた。その結果、この表面調整剤の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で8000であった。尚、表1の単位は質量部である。
重合例1中の滴下溶液を下記表1の(а−2)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で9500であった。
重合例1中の滴下溶液を下記表1の(а−3)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で9700であった。
重合例1中の滴下溶液を下記表1の(а−4)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で8700であった。
重合例1中の滴下溶液を下記表1の(а−5)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で9500であった。
重合例1中の滴下溶液を下記表1の(а−6)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で8000であった。
重合例1中の滴下溶液を下記表1の(а−7)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で8500であった。
重合例1中の滴下溶液を下記表1の(а−8)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で8900であった。
重合例1中の滴下溶液を下記表1の(а−9)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で9500であった。
重合例1中の滴下溶液を下記表1の(а−10)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で12000であった。
重合例1中の滴下溶液を下記表2の(а−11)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で11000であった。尚、表2の単位は質量部である。
重合例1中の滴下溶液を下記表2の(а−12)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で10000であった。
重合例1中の滴下溶液を下記表22の(а−13)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で8500であった。
重合例1中の滴下溶液を下記表2の(а−14)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で9000であった。
重合例1中の滴下溶液を下記表2の(а−15)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で12000であった。
重合例1中の滴下溶液を下記表2の(а−16)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で13000であった。
重合例1中の滴下溶液を下記表2の(а−17)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で8800であった。
重合例1中の滴下溶液を下記表2の(а−18)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で9800であった。
<パーフルオロポリエーテル含有モノマーaの合成>
撹拌装置、還流冷却管、滴下ロート、温度計を備えた200mLの反応容器に、下記式で表されるパーフルオロポリエーテル含有アルコール50質量部、反応溶媒ジイソプロピルエーテル30質量部、重合禁止剤ヒドロキノン0.01質量部、中和剤トリエチルアミン10.3質量部を加え、10℃で撹拌した。10℃撹拌下にて、アクリル酸クロライド10質量部を2時間掛けて滴下を行った。滴下終了後、10℃1時間、30℃1時間、50℃1時間で加熱撹拌を行った。反応後、ガスクロマトグラフィーにてパーフルオロポリエーテル含有アルコールが消失していることを確認した。フラスコ内容物を分液ロートに移し、追加でジイソプロピルエーテル150質量部、イオン交換水150質量部を加えて、水洗を行った。水洗工程は計4回行った。水洗後、有機層に硫酸マグネシウム5質量部入れ、乾燥後、硫酸マグネシウムを濾過で除去し、溶媒を留去して、下記式のパーフルオロポリエーテル含有モノマーa40質量部を得た。
<パーフルオロポリエーテル含有アルコール>
CF3CF2CF2CF2(O−CF2−CF2)2OCF2CH2OH
<パーフルオロポリエーテル含有アクリレートa>
CF3CF2CF2CF2(O−CF2−CF2)2OCF2CH2OCOCHCH2
重合例1中の滴下溶液を下記表2の(а−19)に変更したこと以外は、重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で9800であった。
撹拌装置、還流冷却管、滴下ロート、温度計及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mLの反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルを300質量部加えて、窒素ガス雰囲気下で110℃に昇温した。プロピレングリコールモノメチルエーテルの温度を110℃に維持し、下記表3に示す滴下溶液(b−1)を滴下ロートにより2時間で等速滴下して、モノマー溶液を調製した。滴下終了後、モノマー溶液を、115℃まで昇温させ、2時間反応させて共重合物を合成して表面調整剤を得た。異なる分子量の分子を分離できるゲル浸透クロマトグラフィー(カラムは東ソー株式会社製で製品名TSKGELSUPERMULTIPOREHZ−M、溶出溶媒はTHF(テトラヒドロフラン)を用いて、得られた表面調整剤を分子量ごとに溶出し、分子量分布を求めた。予め分子量既知のポリスチレン標準物質から校正曲線を得ておき、表面調整剤の分子量分布と比較して、表面調整剤の重量平均分子量を求めた。その結果、この表面調整剤の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で8700であった。尚、表3の単位は質量部である。
比較重合例1中の滴下溶液を下記表3の(b−2)に変更したこと以外は、比較重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。滴下溶液にメトキシポリエチレングリコールメタクリレート NKエステルM−90G(新中村化学株式会社製)を使用した。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、比較重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で9500であった。
比較重合例1中の滴下溶液を下記表3の(b−3)に変更したこと以外は、比較重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、比較重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で12000であった。
比較重合例1中の滴下溶液を下記表3の(b−4)に変更したこと以外は、比較重合例1 と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、比較重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で10500であった。
比較重合例1中の滴下溶液を下記表3の(b−5)に変更したこと以外は、比較重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、比較重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で9000であった。
比較重合例1中の滴下溶液を下記表3の(b−6)に変更したこと以外は、比較重合例1と同様の方法で共重合物を合成して表面改質剤を得た。得られた表面改質剤の重量平均分子量を、比較重合例1と同様にしてゲル浸透クロマトグラフィーで求めたところ、ポリスチレン換算で9500であった。
予め調製した樹脂溶液に、重合例1〜13及び比較重合例1〜6で得られた表面改質剤を配合して、試験コーティング剤を得た。この試験コーティング剤を基材に塗布して得られた硬化被膜の特性評価を行った。
フェノール樹脂(YP−50:新日化エポキシ製造株式会社製(商品名))100質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YD−8125:新日化エポキシ製造株式会社製(商品名))10質量部、イソホロンジイソシアネート(IPDI:日立化成株式会社製)2質量部、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.3質量部をメチルイソブチルケトン(MIBK)400質量部に30℃にて撹拌、溶解して樹脂溶液1を得た。
ポリエステルポリオール樹脂ポリライト(RX−4800:DIC株式会社(商品名))100質量部、イソホロンジイソシアネート(IPDI:日立化成株式会社製) 20質量部をメチルイソブチルケトン(MIBK)480質量部に30℃にて撹拌、溶解して樹脂溶液2を得た。
樹脂溶液1に対して、重合物а−1〜6、10〜13、16〜18及びb−1〜5の何れかを3%添加し、ラボディスパーにて2000rpmにて1分間撹拌を行い、評価溶液を調整した。ガラス基板に対して評価溶液を2g滴下し、10μmバーコーターで塗布した。塗布後、100℃×30分、250℃×1時間焼き付け、評価用硬化被膜を作製し,下記評価を行った。表2に記載のとおり、これらを実施例1〜6、10〜13、16〜19、比較例1〜5とする。
樹脂溶液2に対して、重合物а−7〜9、14,15及びb−6の何れかを3%添加し、ラボディスパーにて2000rpmにて1分間撹拌を行い、評価溶液を調整した。ガラス基板に対して評価溶液を2g滴下し、10μmバーコーターで塗布した。塗布後、100℃×30分、250℃×1時間焼き付け、評価用硬化被膜を作製し、下記評価を行った。表2に記載のとおり、これらを実施例7〜9、14、15、比較例6とする。
硬化被膜表面を目視にて確認し、下記3段階で評価し、下記の表4、表5に記載した。
塗膜ハジキ防止性、レベリング性
〇:凹みやハジキが無く、平滑。
△:やや凹みがあり、塗膜ムラが生じ、平滑性が乏しい。
×:ハジキがあり、著しく塗膜ムラが生じていた。
硬化被膜表面を目視にて確認し、下記3段階で評価し、下記の表4、表5に記載した。
塗膜ヘイズ 〇:塗膜に透明性がありクリア。
△:塗膜に僅かなヘイズがあった。
×:塗膜にヘイズがあった。
硬化した直後の硬化被膜面に2μLの水及びPGMACを滴下し、接触角測定計(協和界面科学株式会社製)を用いて初期の水接触角を測定した。その結果を下記4段階で評価し、下記の表4、表5に記載した。
(1)水接触角
◎:90度以上、○:80度以上〜90度未満、△:70度以上〜80度未満、×:70度未満
(2)PGMAC(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)接触角
◎:60度以上、○:50度以上〜60度未満、△:40度以上〜50度未満、×:40度未満
Claims (9)
- 塗膜形成成分を含有するコーティング剤に含有され、前記コーティング剤で形成される塗膜表面に撥水性・撥油性を付与する表面改質剤が、下記化学式(1)〜(3)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A)の少なくとも何れか20〜60質量部と、反応性官能基含有モノマー(B)1〜50質量部と、N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドから選ばれる少なくとも一種のN,N−ジ置換(メタ)アクリルアミドモノマー及び/又は不飽和基含有モルホリンアミドから選ばれる少なくとも一種の不飽和基含有モルホリンアミドモノマーから成るアミドモノマー(C)0.1〜40質量部未満とが共重合された、重量平均分子量が2,000〜100,000の共重合物であることを特徴とするコーティング剤用表面改質剤。
- 前記共重合物に、屈折率1.56以上の芳香族含有モノマー(D)が共重合されており、前記芳香族含有モノマー(D)の配合量が前記フッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A)、前記反応性官能基含有モノマー(B)及び前記アミドモノマー(C)100質量部に対して0.1〜20質量部であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング剤用表面改質剤。
- 前記芳香族含有モノマー(D)が、m−フェノキシベンジルアクリレート及び又はビフェニルメチル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項2に記載のコーティング剤用表面改質剤。
- 前記フッ素含有アクリレートモノマー(A)が、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート及びパーフルオロポリエーテル含有(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のコーティング剤用表面改質剤。
- 前記反応性官能基含有モノマー(B)が、水酸基含有(メタ)アクリレート、水酸基含有アクリルアミド、エポキシ基含有(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、及びブロックイソシアネート基含有(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のコーティング剤用表面改質剤。
- 前記アミドモノマー(C)が、ガラス転移温度が110℃以上のホモポリマーであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のコーティング剤用表面改質剤。
- 前記アミドモノマー(C)が、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド又はN,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のコーティング剤用表面改質剤。
- 請求項1〜7の何れかに記載のコーティング剤用表面改質剤と、塗膜形成成分とを含有することを特徴とするコーティング剤。
- 請求項8に記載のコーティング剤を用いて形成された硬化塗膜であって、前記硬化塗膜表面に撥水性・撥油性が付与されていることを特徴とする硬化塗膜。
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