JP2020067625A - 光学装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、光学レンズ101を透過して、光学装置102内に入射する光量の強さは、光学レンズ101の有効口径をDとして、以下の式2で求められるF値の逆数の自乗に比例する。
携帯端末等に内蔵される小型のイメージセンサ(例えば、撮像領域が5.5mm×4.1mm)で用いられる光学レンズの一般的特性は、広角レンズ(画角が60〜100°)の焦点距離が3〜4mm程度で、2倍程度の望遠レンズ(画角が10〜15°)の焦点距離が6〜7mm程度である。
また、光学レンズの光軸と光学センサチップの垂線とのアライメント精度や、ピント合わせに必要な焦点距離の合わせ込み精度は、センサ性能に大きな影響を与える為、光学装置の設計や組み立てに高い精度が要求され、製造コストが高くなるという問題もあった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、コンパクト化が図れると共に、高い組み立て精度が求められるのを抑制可能な光学装置を提供することを目的とする。
図1、図2、図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る光学装置10は、貫通孔11が形成された半導体基板12と、貫通孔11を通過して照射される光を検出する光センサチップ13を有する。以下、詳細に説明する。
本実施の形態において、半導体基板12は、光センサチップ13と実質的に同じ大きさであり、光センサチップ13の受光面14に密接して配置されている。なお、半導体基板12は光センサチップ13の受光面14に接触している必要はない。
深掘反応性イオンエッチングのボッシュプロセス (Bosch process)では、エッチング処理による穴の形成又は穴の深堀と、穴の側壁面を保護する処理とを繰り返して、貫通孔11を形成するので、貫通孔11の側壁面15には微細な凸凹が生じる。
この微細な凹凸が存在する、側壁面15を形成する面を光反射低減面と言う(即ち、側壁面15は光の反射を抑制する光反射低減面によって形成されている)。
なお、半導体基板12は、多数の半導体基板12が配列されてなる円盤状のシリコンウェハーをダイシングすることによって製造される。シリコンウェハーの代わりに、例えば、シリコンカーバイト(SiC)ウェハー、サファイヤウェハー、化合物半導体ウェハー、リン化ガリウム(GaP)ウェハー、ヒ化ガリウム(GaAs)ウェハー、リン化インジウム(InP)ウェハー、窒化ガリウム(GaN)ウェハー等を採用してもよい。
また、入射角θに対する入射強度I(%)は、入射角θの各範囲で、以下の式5〜式8に示されるようになる。
そして、入射強度が50%以上の視野角θmは以下の式9によって算出することができる。
例えば、5mm角の半導体基板12は、最も離れた貫通孔11間の距離が約7mmであるから、対象物から光学装置10までの距離が10mの場合、最も離れた貫通孔11の視野のずれは、視野角(画角)が53°で約7/10000、視野角が14°で約7/5000となり、対象物から光学装置10までの距離が1mの場合、最も離れた貫通孔11の視野のずれは、視野角が53°で約7/1000、視野角が14°で約7/500となり、通常、その程度の視野角のずれは問題にはならない。
例えば、図6に示す半導体基板17のように、同一大きさ同一形状の開口を有する貫通孔16が左右方向に等間隔で形成された貫通孔群が、前後方向に等間隔で複数配されており、前後方向に隣り合う貫通孔群の貫通孔16の左右方向位置が半ピッチずれていてもよい。
また、半導体基板を複数枚重ねて、複数の貫通孔を連通させることによって、光学的な指向性が高くなる。
図8に示す例では、半導体基板21の下部側に密接しているイメージセンサチップ22の画素23の幅Sが、貫通孔20の断面(開口)の幅(面積)Wより小さく(S<W)、画素23の大きさは貫通孔20の断面の大きさより小さい。
この場合、一の画素23の強視野角θsは、以下の式10で求められる。
次に、画素の強視野角θsと画素の全視野角θaについて、その性質を検討する。画素の強視野角θsに関する加算は以下の式21で表わせる。
一次元画素配列の再構成に用いることができる半導体基板24には、図11に示すように、4つの貫通孔25、26、27、28が形成されている。貫通孔25、26、27、28は左右方向の幅が異なり、貫通孔25の幅は2つの画素29を並べた長さであり、貫通孔26の幅は3つの画素29を並べた長さであり、貫通孔27の幅は5つの画素29を並べた長さであり、貫通孔28の幅は9つの画素29を並べた長さである。
再構成した画素(以下、「再構成画素」とも言う)の大きさは、n値の最小値Nmin(図11に示す例では1)を用いて、Nmin×Pの式によって算出でき、再構成画素の数は、n値の最大値Nmax(図11に示す例では4)を用いて、2Nmax−Nmin+1の式で求めることができる。
貫通孔25、26、27、28の配置には、それぞれの間に1つの画素分以上の間隔を設けるという制限があるが、その他の制限は特にない。
図11に示す例において各画素29が検出する信号値p(画素番号)を基に算出される画素配列の一例を図13に示す。この例では、再構成画素の数が16(=24−1+1)となる。
光センサチップと半導体基板は、回転方向の位置ずれが実質的にない状態で、固定することができるが、平行移動方向は、アセンブリ精度の限界から、数μm〜数十μm のオーダで位置ずれが生じる。これに対し、光センサチップ及び半導体基板は半導体製造技術を用いて形成されるため、光センサチップ及び半導体基板はそれぞれ、各構成要素(例えば、光センサチップの画素及び半導体基板の貫通孔)が極めて高精度に配置されている。
そして、半導体基板24が各画素29に対し左にずれている場合、式30において、1(b)、2(c)、3(e)、4(i)の信号値が正しい値でなく、p(1)〜p(16)の値を算出するに当たり、1(b)、2(c)、3(e)、4(i)の値を用いることはできない。
二次元画素配列の再構成に用いることができる半導体基板30には、図15に示すように、大きさの異なる4つの貫通孔31、32、33、34が形成されている。
貫通孔31は、前後方向及び左右方向にそれぞれ3つの画素35を並べた大きさであり、貫通孔32は、前後方向に3つの画素35を並べ、左右方向に2つの画素35を並べた大きさであり、貫通孔33は、前後方向に2つの画素35を並べ、左右方向に3つの画素35を並べた大きさであり、貫通孔34は、前後方向及び左右方向にそれぞれ2つの画素35を並べた大きさである。二次元画素配列の再構成には、前後方向長さと左右方向長さが異なる貫通孔32、33が必要となる。
各画素35の視野角は、対応する貫通孔31、32、33、34の前後方向長さ及び左右方向長さに比例し、隣り合う画素35の視野範囲は画素35の配置ピッチPに応じてずれることとなる。
二次元配列画素の場合、半導体基板30に対する各画素35の左右方向のずれ又は前後方向のずれが生じると、貫通孔31、32、33、34に対応する画素35の中で視野範囲が減少するものと、減少しないものが存在するようになる。例えば、半導体基板30に対し各画素35が左側前方にずれた場合、画素35において、2(ac)、2(ab)、2(aa)、2(ba)、2(ca)、2v(ac)、2v(ab)、2v(aa)、2v(ba)、2h(ab)、2h(aa)、2h(ba)、2h(ca)、1(ab)、1(aa)、1(ba)の視野範囲が減少する。
また、再構成画素の信号ノイズ比の向上を図る別の方法として、露光時間が短くなる画素39に対して複数回露光して(即ち、各貫通孔38に対する露光回数を、貫通孔38の大きさに応じて異なるようにして)、各画素39の検出値の平均化を図ることも有効である。
図19に示すように、半導体基板40には、幅(画素41の幅)が等しく、長さ(開口の長さ)が異なる複数の貫通孔42が形成されている。この例では、図11に示した4つの貫通孔25、26、27、28にそれぞれ対応する4つの貫通孔42を1つのグループとして、各グループが異なる角度(この例では、それぞれが45°の角度差)で設けられるようにしている。
本方法では、図21に示すように、半導体基板44の上側に半導体基板45が重ねられている。半導体基板44に形成された貫通孔46は上部側から下部側にかけて断面が小さくなり、半導体基板45に形成された貫通孔47は上部側から下部側にかけて断面が大きくなっている。貫通孔46の上部側の開口幅と貫通孔47の下部側の開口幅は等しく(Wpとする)、貫通孔46の下部側の開口幅と貫通孔47の上部側の開口幅は等しく(Wqとする)、貫通孔46の配置ピッチH1と貫通孔47の配置ピッチH2とは異なっている。
ここで、半導体基板44の中央に形成された貫通孔46の水平位置と半導体基板45の中央に形成された貫通孔47の水平位置とが一致するように、半導体基板44、45を重ね合わせると、半導体基板44、45の中央から離れるほど、貫通孔46の水平位置と貫通孔47の水平位置のずれが大きくなる。
そのため、半導体基板44の下側に配置した画素の左右方向成分の視野角をθx、前後方向成分の視野角をθyとして、θx及びθyは以下の式32、式33でそれぞれ表わされるようになる。
従って、このような光学装置を用いることで、複雑な演算をすることなく、二次元画像を得ることが可能となる。
例えば、複数の貫通孔が形成された半導体基板の代わりに、1つの貫通孔が形成された半導体基板を採用することができる。
また、半導体基板の貫通孔は、深掘り反応性イオンエッチング以外の半導体製造技術によって形成してもよい。
Claims (15)
- 貫通孔が形成された半導体基板と、前記貫通孔を通過して照射される光を検出する光センサチップとを有することを特徴とする光学装置。
- 請求項1記載の光学装置において、前記貫通孔の開口を正面視した形状は、矩形又は正方形であることを特徴とする光学装置。
- 請求項1記載の光学装置において、前記貫通孔は複数あることを特徴とする光学装置。
- 請求項3記載の光学装置において、前記各貫通孔は、開口を正面視した形状が同一大きさの六角形であり、最密配置されていることを特徴とする光学装置。
- 請求項3記載の光学装置において、前記各貫通孔の開口を正面視した形状は、同一大きさの矩形又は正方形であることを特徴とする光学装置。
- 請求項3〜5のいずれか1項に記載の光学装置において、前記複数の貫通孔は等ピッチで配置されていることを特徴とする光学装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学装置において、前記貫通孔の内側面は、光の反射を抑制する光反射低減面によって形成されていることを特徴とする光学装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学装置において、前記半導体基板は、複数あって、重ねられていることを特徴とする光学装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学装置において、前記半導体基板は、複数あって、前記貫通孔の配置ピッチは、前記各半導体基板によって異なることを特徴とする光学装置。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学装置において、前記貫通孔は、前記半導体基板の一面側の開口と他面側の開口の大きさが異なることを特徴とする光学装置。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学装置において、前記半導体基板は、前記光センサチップに密着していることを特徴とする光学装置。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学装置において、前記半導体基板と前記光センサチップは同じ大きさであることを特徴とする光学装置。
- 請求項1又は2記載の光学装置において、前記光センサチップは、それぞれ前記貫通孔の断面より小さい複数の画素が並べられたイメージセンサチップであることを特徴とする光学装置。
- 請求項13記載の光学装置において、前記貫通孔は、複数あって、該各貫通孔の開口は、異なる大きさであり、該各貫通孔に対する露光時間は、該貫通孔の大きさに応じて異なることを特徴とする光学装置。
- 請求項13記載の光学装置において、前記貫通孔は、複数あって、該各貫通孔の開口は、異なる大きさであり、該各貫通孔に対する露光回数は、該貫通孔の大きさに応じて異なることを特徴とする光学装置。
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