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JP2020066692A - 蓄光性樹脂薄膜及びこれを用いた蓄光性テープ材 - Google Patents

蓄光性樹脂薄膜及びこれを用いた蓄光性テープ材 Download PDF

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JP2020066692A
JP2020066692A JP2018201069A JP2018201069A JP2020066692A JP 2020066692 A JP2020066692 A JP 2020066692A JP 2018201069 A JP2018201069 A JP 2018201069A JP 2018201069 A JP2018201069 A JP 2018201069A JP 2020066692 A JP2020066692 A JP 2020066692A
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博 由井
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Abstract

【課題】柔軟性及び強度に優れるとともに十分な残光輝度を有する蓄光性樹脂薄膜及びこれを用いた蓄光性テープ材を提供する。【解決手段】熱可塑性合成樹脂からなるマトリックスと、前記マトリックスに含有された蓄光材と、で構成され、前記熱可塑性合成樹脂のガラス転移温度が−50〜−30℃であること、を特徴とする蓄光性樹脂薄膜。【選択図】図1

Description

本発明は、夜間や消灯時等の暗中でも、蓄光の作用によって視認され得る蓄光性樹脂薄膜に関し、更には、当該蓄光性樹脂薄膜を用いて形成され、柔軟で曲面等に追従して敷設できる蓄光性テープ材に関する。
従来から、夜間や消灯時等の暗中でも安心して歩行等できるように、蓄光性樹脂薄膜及びこれを用いた蓄光性テープ材が手摺や地表面に貼着されて使用されている。
かかる蓄光性テープ材においては、歩行者に踏みつけられた際に、樹脂層や蓄光材が摩耗及び汚損してしまうという問題があった。
このような問題に対応するために、例えば特許文献1においては、形成に係わる工程が簡便で、歩行者に踏みつけられる等して摩耗や汚損しても発光性を保持できる蓄光性誘導用シートが提案されている。
特開2007−262696号公報
しかしながら、上記特許文献1の蓄光性誘導用シートにおいては、柔軟性及び強度が必ずしも十分ではなく、残光輝度にも劣るという問題があった。
そこで、本発明の目的は、柔軟性及び強度に優れるとともに十分な残光輝度を有する蓄光性樹脂薄膜及びこれを用いた蓄光性テープ材を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため、蓄光性樹脂薄膜の構成について鋭意実験を繰り返して検討した結果、柔軟性及び強度に優れるとともに十分な残光輝度を有する蓄光性樹脂薄膜及びこれを用いた蓄光性テープ材を実現するためには、樹脂のガラス転移温度に着目することが有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
熱可塑性合成樹脂からなるマトリックスと、
前記マトリックスに含有された蓄光材と、
で構成され、
前記熱可塑性合成樹脂のガラス転移温度が−50〜−30℃であること、
を特徴とする蓄光性樹脂薄膜を提供する。
上記本発明の蓄光性樹脂薄膜においては、
前記マトリックスに含有される前記蓄光材の含有量が、前記マトリックス100質量部に対して400〜1200質量部であること、
が好ましい。
また、本発明は、上記本発明の蓄光性樹脂薄膜と、
前記蓄光性樹脂薄膜に積層した光透過性を有する合成樹脂の基材と、
で構成されていること、
を特徴とする蓄光性テープ材を提供する。
本発明によれば、柔軟性及び強度に優れるとともに十分な残光輝度を有する蓄光性樹脂薄膜及びこれを用いた蓄光性テープ材を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る蓄光性樹脂薄膜を用いた蓄光性テープ材1の概略縦断面図である。 本発明の他の実施形態に係る蓄光性樹脂薄膜を用いた蓄光性テープ材1Aの概略縦断面図である。 純曲げ試験における表曲げと裏曲げの概念図である。 純曲げ試験における曲率と曲げ荷重の関係を示す概念図であり、B値(曲げ剛性)と2HB値(曲げヒステリシス)の概念を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る蓄光性樹脂薄膜を用いた蓄光性テープ材について詳細に説明する。但し、本発明は図示されるものに限られるものではなく、図面は本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために必要に応じて比や数を誇張又は簡略化して表している場合もある。更に、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
1.蓄光性樹脂薄膜を用いた蓄光性テープ材
図1に示すとおり、本発明の一実施形態に係る蓄光性テープ材1は、蓄光性樹脂薄膜(本発明の蓄光性樹脂薄膜)2と、蓄光性樹脂薄膜2に積層されている光透過性を有する合成樹脂の基材4と、で構成されている。
この蓄光性樹脂薄膜2は、熱可塑性合成樹脂からなるマトリックスと、前記マトリックスに含有された蓄光材と、で構成され、前記熱可塑性合成樹脂のガラス転移温度が−50〜−30℃であること、を特徴としている。
マトリックスを構成する熱可塑性樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択することができるが、本実施形態においては、ガラス転移温度が−50〜−30℃である。ガラス転移温度が−30℃超の場合、蓄光材の含有量が増えると、十分な柔軟性が得られず、また、−50℃未満の場合、蓄光性樹脂薄膜2の強度が保持できないからである。
具体的な上記熱可塑性樹脂としては、例えばアクリルポリオール、アルキドポリオール、ポリカーボネートポリオール、ウレタン変性アクリレート、ウレタン変性ポリエステル樹脂、及びポリジメチルシロキサン等が挙げられ、これらを単独又は複数種混合して用いることができる。また、各種の添加剤、例えば加工助剤、安定剤、可塑剤、補強剤、着色剤等を添加することもできる。
ここで、上記熱可塑性樹脂は、透明性の高いものであるのが好ましい。例えば、成膜した際に、厚さ10mmで、300〜400nm波長域(蓄光材の励起波長域に相当する)の光線透過率が60%以上で、450〜650nm波長域(蓄光材の発光波長域に相当する。)の光線透過率が80%以上であるのが好ましい。
かかる熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂(マトリックス)が、蓄光材が励起するのに必要な波長域の光を吸収したり、あるいは反射したりして、蓄光材の励起を阻害することがない。また、蓄光材の発光する波長域の光を吸収等しないために、多くの光を薄膜内から出射できるので、非常に好ましい。
本発明において好適に用いることのできる熱可塑性樹脂の種類と光線透過率について、下記の表にまとめて記載する。なお、光線透過率は、JISK 7375に準拠して、(株)日立ハイテクサイエンス製の分光光度計UH4150を用い、断面1cm角のアクリルセルに熱可塑性樹脂を注入して測定することができる。
次に、蓄光性樹脂薄膜2において、熱可塑性合成樹脂からなるマトリックスに含有された蓄光材としては、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択することができるが、例えばラジウム系化合物、プロメチウム系化合物、ストロンチウム系化合物及び亜鉛系化合物(ZnS系)等が挙げられる。
なかでも、特に好ましい蓄光材は、ジスプロシウム、ユウロピウムで付活したアルミン酸ストロンチウム(イエローグリーン発色のSrAl:Eu,Dyと、ブルーグリーン発色のSrAl1425:Eu,Dy)である。これらの蓄光材は、単独で又は複数種組み合わせて、蓄光性樹脂薄膜2に含有される。
蓄光材の平均粒子径D50は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択することができるが、40〜500μmであるのが好ましく、更には100〜300μmであるのが特に好ましい。40μm未満の場合、十分な輝度が得られない傾向にあり、500μm超の場合、厚み制御や塗工が困難になる傾向にあるためである。なお、蓄光材の平均粒子径は、乾式粒度分布計で測定することができる。
マトリックスに含有される蓄光材の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択すればよいが、例えばマトリックス100質量部に対して400〜1500質量部であればよい。400質量部未満であると十分な輝度が得られず、1500質量部超であると塗料に流動性が無く塗工が困難となる。
なかでも、マトリックスに含有される蓄光材の含有量は、マトリックス100質量部に対して、400〜1200質量部であることが好ましく、更には600〜1200質量部であるのが特に好ましい。
本実施形態の蓄光性テープ材1では、上記蓄光性樹脂薄膜2に積層されている光透過性を有する合成樹脂の基材4を具備している。これによって、蓄光性樹脂薄膜2を外部環境から隔離して、蓄光性樹脂薄膜2を保護できる。この基材4としては、柔軟で透光性のある合成樹脂の基材を用いることができ、例えばポリエステル、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどの熱可塑性合成樹脂が好ましく、なかでも、柔軟性とコシを兼備するとともに、透光性の高いポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく用いられる。
基材4の厚みは、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択すればよいが、コシと可撓性のバランスを考慮し、例えば0.01〜0.3mmであればよく、0.03〜0.07mmであるのが好ましい。
ここで、本実施形態の蓄光性テープ材1は、蓄光性樹脂薄膜2の基材4とは反対の面側(裏面側)に、蓄光性樹脂薄膜2から出光した光を反射する反射層6を有していてもよい。これによって、蓄光性樹脂薄膜2の発光を効果的に反射して、蓄光輝度を向上できる。反射層6を有する蓄光性テープ材1Aの概略縦断面図を図2に示す。
かかる反射層6としては、公知の合成樹脂製白色層であって、例えば酸化チタン等の白色顔料や染料を含有するものであればよい。
また、上記の蓄光性テープ材1Aは、反射層6の蓄光性樹脂薄膜2と反対の面側(裏面側)に、図示しないが、貼着層を有していてもよい。蓄光テープ材1Aを被着体に貼着して使用したい場合は、こりように予め貼着層を設けておくことで、使用現場で貼着するのに好都合となる。
かかる貼着層としては、公知の粘着剤層を用いることができ、例えばアクリル系樹脂で構成された粘着剤層であればよい。なお、この貼着層に酸化チタン等の白色顔料や染料を含有させておけば、前記した反射層と兼用できることになる。更に、図示しないが、この貼着層の反射層とは反対の面側(裏面側)に剥離紙層を積層してもよく、紙や樹脂フィルムになる剥離紙層によって貼着層を保護することができ、蓄光性テープ材を使用する際は剥離紙層を剥離して貼着層によって被着体に貼着できる。
2.蓄光性樹脂薄膜を用いた蓄光性テープ材の製造方法
(1)塗料の調製
本実施形態の蓄光性テープ材1(1A,1B)を製造するためには、まず、マトリックスを構成する上記熱可塑性樹脂、溶剤及び蓄光材を混合して蓄光性樹脂薄膜形成用の塗料を得る。
ここで用いる溶剤としては、上記熱可塑性樹脂(例えばアクリル樹脂)を相溶し基材(例えばPET)を溶かさないものであれば、種々のものを用いることができる。例えば、トルエン(沸点:110.6℃)、メチルエチルケトン(沸点:79.64℃)、シクロヘキサノン(沸点:155.65℃)、及び酢酸エチル(沸点:77.1℃)等が挙げられる。
なかでも、塗料を膜状に塗布して得られる塗膜表面の気泡を抑えるため、揮発しにくい沸点100℃以上の溶剤を使用するのが好ましく、更には70〜100℃のものを適宜組み合わせて用いるのが好ましい。
なお、塗料を得る際の溶剤の混合量は適宜選択すればよいが、塗膜から溶剤を揮散させて成膜するという観点から、熱可塑性樹脂100質量部に対して、150〜450質量部であるのが好ましい。150質量部未満であると塗料に流動性が無く塗工が困難となり、450質量部を超えると塗工に必要な粘度が得られないことがあるためである。更には、熱可塑性樹脂100質量部に対して、溶剤は200〜400質量部であるのが特に好ましい。
(2)塗料の塗布(塗膜の形成)
ついで、上記のようにして得た塗料を、基材(各図における「4」)の一面にナイフコーター等の従来公知の方法を用いて塗布し、塗膜を形成する。このときの塗布量(目付け)としては、ウェット厚みとして1000〜2000μmであればよい。
(3)薄層の形成(蓄光性樹脂薄膜の形成)
ここで、塗布した塗料(塗膜)と基材との積層体を、例えばオーブンを用いて加熱乾燥(100℃、3分間)し、塗膜を成膜して蓄光性樹脂薄膜(図1及び2における「2」)を形成し、蓄光性樹脂薄膜2及び基材4の積層体を得る。このときの加熱乾燥条件は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択すればよい。
また、成膜後の厚みは800〜1300μmであればよい。800μm未満であると十分な輝度が得られず、1300μm超であると蓄光性テープ材への加工性が劣る傾向となる。
(4)反射層の形成
上記(3)の後、蓄光性樹脂薄膜2及び基材4の積層体の蓄光性樹脂薄膜2側に、反射層(図2における「6」)を形成する。例えばアクリル樹脂に酸化チタン(粒径200nm)10質量部を混合した塗料をドライ膜厚100μmになるように塗布すればよい。
(5)貼着層及び剥離紙層の形成
また、従来公知の方法により、図2の反射層6の蓄光性樹脂薄膜2と反対の面側に、従来公知の貼着層及び剥離紙層を積層してもよい。
以上、本発明の蓄光性樹脂薄膜を用いた蓄光性テープ材及びその製造方法の代表的な実施形態について図面を参照しつつ説明してきたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の精神及び教示を逸脱しない範囲でその他の変形例や改良例が存在し、これらは全て本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例において本発明の蓄光性樹脂薄膜を用いた蓄光性テープ材及びその製造方法について更に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
まず、基材4として、非晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東洋紡(株)製A4100)を準備した(厚さ0.05mm、顔料・着色料の添加なし、薄膜側面にコロナ処理による易接着処理)。
次に、蓄光材として、スプロシウム、ユウロピウムで付活したアルミン酸ストロンチウム(平均粒子径D50:160μm)を用い、表2に示す組成の各塗料を調製した。ここで用いたマトリックスを構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、JIS K 7101のプラスチックのガラス転移温度測定方法に準じて、示差走査熱量計DSCを用いて測定し、表2に示した。
そして、上記の基材4の一面に、ナイフコーターを用いて各塗料を塗布し、ついで、オーブンで100℃及び3分間の条件で加熱乾燥して成膜して蓄光性樹脂薄膜2を形成し、図1に示す構造の蓄光性テープ材1を製造した。
[評価1:純曲げ試験]
図1に示す構造の蓄光性テープ材1について、純曲げ試験機KES−FB2−S(カトーテック(株)製)を用いて純曲げ試験を実施した。具体的には、上記蓄光性テープ材1を幅1cm、長さ8cmにカットし、チャック間距離:1cm、最大曲げモーメント:50gf・cmの条件で測定することとし、基材4側の曲率が大きくなる方向に曲げモーメントを負荷した(表曲げ、図3参照)。そして、曲率が0.4cm―1と0.6cm―1におけるB値(曲げ剛性)及び2HB値(曲げヒステリシス)を測定した(図4参照)。なお、曲率0.4cm−1は、直径50mmの曲面に相当し、曲率0.6cm−1は、直径33mmの曲面に相当し、直径の大小が異なる手摺を想定した。その試験結果は表2に示した。
なお、参考のため、基材のみ(PETフィルム、実験番号7)の純曲げ試験も同条件で実施したが、曲率0.4のときのB値及び2HB値がそれぞれ0.43gf・cm/cm及び0.07gf・cm/cmであり、曲率0.6のときのB値及び2HB値はそれぞれ0.45gf・cm/cm及び0.04gf・cm/cmであった。また、300〜400nm波長域(蓄光材の励起)の光線透過率は85.2%で、450〜650nm波長域(蓄光材の発光)の光線透過率は88.8%であった。即ち、表2に示す蓄光性テープ材の純曲げ試験の結果に比べ、基材のB値や2HB値は極めて小さく、蓄光性テープ材の試験結果にほとんど影響を与えない程度のものであった。
ここで、蓄光性テープのサンプルを実使用に即して曲面や湾曲面に貼着して評価すると、B値(曲げ剛性)が20gf・cm/cmを超える実験例に係るサンプル(貼着層としてアクリル系粘着剤層を形成)では、貼着後の環境試験で不具合を生じた。即ち、直径33mmのステンレス製パイプに貼着し、室温25℃、湿度50%の環境下で12時間経過後、端縁側に隙間が生じ、テープとしての耐久性に問題を生じた。一方、B値(曲げ剛性)が20gf・cm/cm以下では前記した不具合は生じなかった。
また、2HB値(曲げヒステリシス)が1gf・cm/cmより小さい実験番号2−1に係るサンプルは、直径33mmのステンレス製パイプに、パイプ一周分のテープ材を巻取って固定し、室温25℃、湿度50%の環境下で48時間経過したのち、巻き戻した場合、無荷重状態で静置すると、在留応力でテープ材が曲面状になった。一方、1gf・cm/cm以上のサンプルでは、自重でほぼ平坦な状態を維持した。
以上の結果からB値(曲げ剛性)は20gf・cm/cm以下であるのが好ましい。20gf・cm/cmを超えると、蓄光性テープ材にして曲面に貼り付けたときに、端縁がはねてはがれやすくなるためである。また、2HB値(曲げヒステリシス)は、1gf・cm/cm以上であるのが好ましい。1gf・cm/cm未満であると、蓄光性テープ材を巻いて保管したときに、巻きぐせがつきやすいためである。これら特性を具備し、巻きぐせがつきづらく、また曲面に追従して剥離などの不具合を生じないようにするには、B値(曲げ剛性)が20gf・cm/cm以下で、且つ2HB値(曲げヒステリシス)が1gf・cm/cmであることが望ましい。
続いて、図1に示す構造の蓄光性テープ材1において、蓄光性樹脂薄膜2の基材4と反対の面側に、アクリル樹脂100質量部に対して酸化チタン(粒径200nm)10質量部を添加して得た塗料を、厚さ0.15mmになるように塗布し、更にドライ膜厚100μmの反射層(全光線反射率95%)を形成し、図2に示す構造の蓄光材テープ材1Aを得た。
[評価2:2時間後の残光輝度試験]
図2に示す構造の蓄光性テープ材1Aについて、基材4側から照射・輝度測定を実施し、結果を表2に示した。具体的には、JIS Z 9097(津波避難誘導標識の燐光輝度)に準拠し、キセノンランプ400μW/mの照射強度で1時間照射し、消灯2時間後の残光輝度を輝度計LS100(コニカミノルタジャパン(株)製)を用いて測定した。



表2の各実験例は2時間後の残光輝度60mcd/m以上という高い輝度を測定した。このような高い残光輝度を発揮させるには、マトリックスに対して200質量部以上の蓄光材を添加する必要があるのであるが、このような高添加量の蓄光性樹脂薄膜、あるいは蓄光性テープ材では曲げ特性(端縁の剥離や残留巻きぐせによる不具合がない)が劣ることが容易に予測される。
しかし、表2から看取されるように、マトリックスの熱可塑性合成樹脂のガラス転移温度が−50℃〜−30℃であると高い残光輝度を備えながら、良好な曲げ特性を奏することができる。
1,1A・・・蓄光性テープ材
2・・・蓄光性樹脂薄膜
4・・・基材
6・・・反射層

Claims (3)

  1. 熱可塑性合成樹脂からなるマトリックスと、
    前記マトリックスに含有された蓄光材と、
    で構成され、
    前記熱可塑性合成樹脂のガラス転移温度が−50〜−30℃であること、
    を特徴とする蓄光性樹脂薄膜。
  2. 前記マトリックスに含有される前記蓄光材の含有量が、前記マトリックス100質量部に対して400〜1200質量部であること、
    を特徴とする請求項1に記載の蓄光性樹脂薄膜。
  3. 請求項1又は2に記載の蓄光性樹脂薄膜と、
    前記蓄光性樹脂薄膜に積層されている光透過性を有する合成樹脂の基材と、
    で構成されていること、
    を特徴とする蓄光性テープ材。



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