本明細書中にあって持玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中(閉店より前の時間)のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技客が遊技において獲得した遊技媒体又は当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降(閉店より後の時間)も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技客および会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技に用いる遊技機の変更(いわゆる台移動)を行った場合などに使用する。貯玉は通常、会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料を課すこととしてもよい。
まず、本実施例に係る各台装置の概念について説明する。図1は、本実施例に係る各台装置の概念の説明図である。遊技店には複数の遊技機20が設置されており、各遊技機20には各台装置である台間カード処理機10が併設される。
台間カード処理機10は、遊技客の操作に基づいて、遊技玉の貸出処理、持玉や貯玉の再プレイ処理、獲得した遊技玉を計数して持玉に加算する計数処理などの遊技玉に係る各種処理を行う。また、遊技客が遊技を終了する際に、遊技機に設けられた返却ボタンを操作すると、台間カード処理機10は、自装置が管理する持玉数をカードに関連付けたうえで排出する。
さらに、台間カード処理機10は、台間カード処理機10は、遊技を一時的に休止状態とすることができる。休止状態では、遊技玉を使用可能とする際に用いる価値の増減を伴う処理が抑制される。具体的には、入金、玉貸処理、持玉や貯玉の再プレイ処理、獲得した遊技玉を計数して持玉に加算する計数処理、カード挿入、カード排出、などの一部又は全ての処理を禁止する。
台間カード処理機10は、休止状態を開始するに際には、休止状態の解除に用いる休止解除情報を設定する。ここで、台間カード処理機10は、休止解除情報として使用可能な既存の情報が存在する場合には、その情報を休止解除情報とする。休止解除情報として使用可能な既存の情報としては、会員カードの暗証番号や、後述するカードロック機能の暗証番号を用いることができる。
従って、台間カード処理機10は、遊技客から休止状態開始操作を受付けると、既存の暗証番号が存在するか否かを判定し、既存の暗証番号が存在する場合には、既存の暗証番号を休止解除用に設定して、休止状態を開始する。一方、既存の暗証番号が存在しない場合には、台間カード処理機10は、休止解除用の暗証番号の登録を受け付けて、休止状態を開始する。
このように、台間カード処理機10は、休止状態の解除に用いる休止解除情報を設定する場合に、休止解除情報として使用可能な既存情報が存在するか否かを判定し、既存情報が存在する場合には該既存情報を休止解除情報として設定する。このため、遊技の休止状態に係る遊技客の負担を軽減し、利便性を向上することができる。
次に、遊技店のシステム構成について説明する。図2は、遊技店のシステム構成を示す図である。図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10が設置される。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続する。通信回線には、島コントローラ30と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、賞品管理装置60と、精算機80とが接続される。
遊技機20は、遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。始動口への玉の通過による抽選の結果は、抽選の結果を表示する特別図柄表示装置にて表示される。この特別図柄表示装置の抽選結果の表示は、所定時間の変動表示後、確定表示を行う態様で行なわれる。また、遊技盤面には、抽選の結果に基づいて所定の数字等の装飾図柄を可変表示する装飾図柄表示装置が設けられており、抽選の結果が大当りとなった場合に、例えば(7,7,7)などの揃い図柄を表示して報知を行なう。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域を設けることもできる。
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するための入賞センサが設けられており、この入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知するようになっている。また、遊技機20の制御部は、入賞領域ごとに賞玉として付与する遊技玉の個数を記憶する賞玉メモリを有している。
したがって、打ち込んだ遊技玉の特定の入賞領域への通過が入賞センサにより検知されると、遊技機20は、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過した遊技玉数とから、付与すべき賞玉数を決定し、決定した賞玉数の払出処理を行うことができる。また、打ち込んだ遊技玉は、入賞領域を通過したか否かにかかわらず、最終的に遊技盤面裏側から遊技機外部に排出される。遊技機外部に排出された遊技玉は、遊技機ごとに付設されたアウト玉検出装置によって検出されるようになっている。
台間カード処理機10は、入金の受付、遊技玉の貸し出し、カード管理装置40との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客により投入された紙幣を受け付けたならば、この紙幣の金額を含む入金通知データをカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値に金額に応じた数を加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値を減算させて、減算されたプリペイド価値に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
また、台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知データを送信する。また、台間カード処理機10は、カード管理装置40からプリペイド価値、持玉数、貯玉数を含むデータを受信したならば、受信したプリペイド価値、持玉数、貯玉数を記憶する。そして、持玉数を記憶したならば、台間カード処理機10は、カード管理装置40に対して持玉減算要求データを送信することで、カード管理装置40が管理する持玉数をゼロにクリアする。
また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、自装置に記憶した持玉数から所定数を減算し、減算した持玉数に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けると、カード管理装置40を介して会員管理装置50に対して貯玉再プレイ要求データを送信することで、会員管理装置50が管理する貯玉数から所定数を減算させ、減算させた貯玉数に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
また、台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、自装置が管理する持玉数を含む持玉加算要求データをカード管理装置40に送信し、カード管理装置40に持玉数を加算させた後、カード排出通知データをカード管理装置40に送信し、カードを排出制御する。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。
カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する装置である。カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、挿入されたカードのカードIDと台間カード処理機10の装置IDとを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉数を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知データに示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、カード管理装置40は、カード挿入通知データを会員管理装置50に送信し、会員管理装置50から受信した貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から持玉減算要求データを受信した場合には、持玉数をゼロクリアする。また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から持玉加算要求データを受信した場合には、持玉加算要求データに含まれる持玉数をカード管理装置40が管理する持玉数に加算する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から玉貸要求データを受信したならば、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可データを台間カード処理機10に送信する。そして、貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データを会員管理装置50に送信し、会員管理装置50が貯玉再プレイデータを出力したならば、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連付けて、貯玉数、ポイント数、暗証番号及び氏名等を管理する。
会員管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、カード挿入通知データに示されたカードIDに関連付けられた貯玉数及び暗証番号を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、会員管理装置50は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信したならば、貯玉再プレイ要求データに示されたカードIDに関連づけられた貯玉数から所定数を減算し、減算後の貯玉数を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。なお、台間カード処理機10と会員管理装置50との通信は、カード管理装置40を介して行なわれる。
また、会員管理装置50は、賞品管理装置60から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯玉数を賞品管理装置60に通知する。
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり獲得玉、貯玉数及び持玉数を賞品に交換する賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードからカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置60は、一般カード又会員カードからカードIDを読み出した場合(若しくは、携帯端末等からカードIDに対応する識別データを読み出した場合)には、カードIDをカード管理装置40に送信して、該カードIDの持玉数を要求する。また、貯玉数を賞品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉数を要求する。なお、賞品管理装置60が会員管理装置50に貯玉数の要求を行うのではなく、賞品管理装置60からカードIDの通知を受けた会員管理装置50が折り返しで貯玉数(及び暗証番号)を賞品管理装置60に通知する構成としてもよい。
精算機80は、プリペイド価値が関連付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、その応答データを受信することにより、カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に応じて貨幣を払い出す。そして、精算機80は、挿入されたカードのプリペイド価値を初期化する。
次に、図2に示した遊技システムの玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機10は、カード管理装置40に玉貸要求データを送信する。この玉貸要求データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データを含む。
カード管理装置40は、玉貸要求データを受信すると、玉貸要求データのカードIDに関連付けられたプリペイド価値から所定値を減算する。そして、カード管理装置40は玉貸許可データを送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可データを受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する遊技玉数の払出処理を行う。
次に、図2に示した遊技システムで持玉の再プレイを行う場合の持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知データを送信する。このカード挿入通知データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、台間カード処理機10のレートを特定するためのデータとを含む。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、該カード挿入通知データ内のカードIDに関連付けられた各レートの持玉数を台間カード処理機10に通知する。
台間カード処理機10は、カード管理装置40から受信した持玉数を記憶する。そして、カードID、レートを特定するデータ及び持玉数をゼロクリアする旨を示す持玉減算要求データをカード管理装置40に送信する。カード管理装置40は、持玉減算要求データを受信したならば、カードIDにより特定される各レートの持玉数をゼロクリアする。また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けて持玉再プレイを行う場合には、記憶した持玉数から所定数を減算し、対応する遊技玉数の払出処理を行う。払出処理を行う場合、遊技機が払出可能な単位(例えば25玉)の倍数については、遊技機に払出指示を送信することにより払出処理を行い、残り(例えば25玉未満)については自機のノズルユニット18aから払い出すことにより払出処理を行う。
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、カード管理装置40に対して持玉加算要求データを送信する。この持玉加算要求データは、カード返却の対象となるカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、各レートの持玉数とを含む。
カード管理装置40は、持玉加算要求データを受け付けたならば、カードIDに関連付けられた各レートの持玉数に持玉加算要求データに含まれる持玉数を加算する。その後、台間カード処理機10は、カード管理装置40にカード排出通知データを送信し、カードを排出制御する。
次に、図2に示した遊技システムでの貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カード又は会員カードとして使用可能な携帯端末からカードIDを読み取ったならば、カード管理装置40にカード挿入通知データを送信する。このカード挿入通知データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、台間カード処理機10のレートを特定するためのデータとを含む。
カード管理装置40は、台間カード処理機10から受信したカード挿入通知データを会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、カード挿入通知データを受信したならば、該カード挿入通知データ内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該カード挿入通知データにより特定されたレートの貯玉数と、貯玉再プレイの可能数を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。貯玉再プレイの可能数は、貯玉再プレイを行うことのできる玉数を示す。この貯玉再プレイの可能数は、貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数の倍数である。貯玉再プレイに上限が設定されていれば、貯玉数と上限の範囲内で最大の値が貯玉再プレイの可能数となる。なお、貯玉再プレイの可能数の代わりに貯玉再プレイが可能な回数を貯玉再プレイ度数として用いてもよい。貯玉再プレイ度数は、貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数で貯玉数を除算した商にあたる。ただし、貯玉再プレイに上限が設定されている場合には、この上限により貯玉再プレイ度数は制限される。
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉再プレイの可能数が1以上である場合には貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するか否かを判定する。
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、カード管理装置40に貯玉再プレイ要求データを送信する。この貯玉再プレイ要求データは、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別データと、台間カード処理機10のレートを特定するためのデータとを含む。
カード管理装置40は、貯玉再プレイ要求データを会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データ内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、貯玉再プレイの可能数を再計算する。そして、減算後の残高と貯玉再プレイの可能数とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
台間カード処理機10は、記憶する貯玉数を更新し、貯玉再プレイの払出単位数分の遊技玉数の払出処理を行う。また、更新後の貯玉再プレイの可能数が1以上であるかを判定する。貯玉再プレイの可能数が0であれば、貯玉再プレイ操作を受付不可とする。更新後の貯玉再プレイの可能数が1以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受付可能とする。2回目以降の貯玉再プレイでは、暗証番号の確認は不要である。なお、暗証番号の確認を毎回行うようにしてもよい。また、ここでは会員管理装置50が貯玉の残高を減算した後、台間カード処理機10が遊技玉の払出処理を行う場合を例示したが、貯玉再プレイ要求に基づいて遊技玉の払出処理を行った後に、貯玉の残高を減算してもよい。貯玉再プレイ要求前の貯玉再プレイデータに、貯玉再プレイの可能数が示されており、貯玉再プレイ要求を受け付けた後に残高不足が判明する事態とはならないためである。
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。カード管理装置40は、閉店処理時にカード管理データの持玉数を確認し、ゼロより大きい持玉数が関連付けられたレコードが存在する場合には、該レコードの持玉数をカードID及びレートとともに会員管理装置50に通知する。会員管理装置50は、カードID及びレートにより特定される貯玉数にカード管理装置40から通知された持玉数を加算する。その後、カード管理装置40は、該持玉数をゼロクリアする。
次に、図2に示した台間カード処理機10の外観について説明する。図3は、台間カード処理機10の外観を示す図である。なお、図3には、遊技機20に接続された台間カード処理機10の外観を台間カード処理機10として示している。また、併設される遊技機20は、破線で図示している。また、図3では、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、携帯端末やカードに関連付けられた電子マネーや硬貨を受け付ける機能を有するユニットを設けることもできる。
図3に示すように台間カード処理機10は、状態表示部11、紙幣挿入口12a、表示操作部13、カード挿入口14a、かざし部14b、ノズルユニット18a及び計数ユニット18bを有する。
状態表示部11は、例えば多色LEDで構成され、台間カード処理機10の装置の状態を所定色の点灯あるいは点滅で表示する。紙幣挿入口12aは、遊技玉の貸出に必要な各種紙幣の挿入口である。表示操作部13は、例えばフルカラーのタッチパネル式の液晶ディスプレイ等で構成され、操作ボタンの表示や操作ボタンによる入力操作を受け付けるデバイスである。表示操作部13は、図3では詳細な図示を省略しているが、対応する遊技機20側の長辺が台間カード処理機10に軸支されて付設された平板形状をなしており、台間カード処理機10の前面パネルと表示操作部13の表示面のなす角度を変更可能な構成となっている。
カード挿入口14aは、遊技客の所持するカードの挿入口である。かざし部14bは、会員登録に用いられた携帯端末をかざす部位であり、かざし部14bに携帯端末がかざされると、携帯端末から携帯端末の固有ID(例えばIDm)等のデータが読み取られる。ノズルユニット18aは、遊技玉を遊技機20に投出する機構である。ノズルユニット18aは、台間カード処理機10の前面に水平方向に回動可能に設けられた筒状のノズルからなり、ノズルの先端が遊技機の貯留部に位置することができるようになっている。ノズルには、台間カード処理機10が設置される島内の補給機構から遊技媒体の供給を受けた台間カード処理機内の玉供給装置から遊技媒体が供給されるようになっている。計数ユニット18bは、遊技機20の下皿から落下させた遊技玉を計数する機構である。計数ユニット18bは、遊技玉を受け入れる受皿部と、台間カード処理機10内の下部に設けられ遊技玉を計数センサにて計数する計数部と、受皿部から遊技媒体を計数部に通過させる計数通路部とからなる。受皿部と計数通路部は、所定の操作(例えば従業員のリモコン操作)に基づいて台間カード処理機10から一体で取り外し可能となっている。また、計数部はユニット構造になっており、計数部と受皿部、計数通路部を取り外すことにより、台間カード処理機10は計数機能のない運用が可能である。
次に、図2に示した台間カード処理機10の構成について説明する。図4は、図2に示した台間カード処理機10の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12と、表示操作部13と、リーダライタ14と、かざし部14bと、通信部15と、記憶部16と、制御部17と、ノズルユニット18aと、計数ユニット18bとを有する。
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、玉貸に使用可能なプリペイド価値、持玉数、貯玉数等の各種情報を受け付けたカード等から特定して表示する機能や、その他のカード等に関連しない情報を表示する機能と、玉貸操作等の各種操作の受付を行なう機能を備えるタッチパネル式の液晶ディスプレイ等の入出力装置である。表示操作部13は、前述の表示以外に、カードの収容枚数に関する過不足の表示や、上位装置との通信状態(オンライン・オフラインなど)の表示を行う機能も有している。
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを読み取る装置である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。かざし部14bは、携帯端末等がかざされた場合に、近距離無線通信により携帯端末の固有ID(例えばIDm)等の各種情報を読み取るインタフェース部である。また、リーダライタ14は、遊技客の返却操作に応じて、カード収納部に収納されたカードにカードデータ16bに示される持玉やプリペイド価値等の価値データを関連付けて新たなカードとして発行する機能も有している。ただし、カードデータ16bに示されるプリペイド価値が0であって、持玉数が一定数(最低保持個数)に満たない場合には、返却操作があってもカードを返却しないように制御する。これは、少量の持玉を関連付けたカードが破棄されることにより、遊技店に損失が生じるのを抑止するための制御であって、内部に予め収納されているカードだけではなく、外部から受け付けたカード(ただし会員カードを除く)についても同様に適用される。一定数としては、例えば持玉数に玉1個あたりの貸出単価を乗算した値がカードの価額あるいは遊技店内の最低価格の賞品となるように設定することができるが、これに限らず、遊技店の方針によって自由に設定できる。また、返却操作があってもカードを返却しないように制御する場合に、記憶している持玉を払出処理することもできるが、カードが返却できない旨の表示及び/又は持玉の再プレイを促す表示を行ってもよい。
通信部15は、遊技機20及び島コントローラ30との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。ノズルユニット18aは、玉貸又は再プレイにより遊技玉を払い出す際に、その一部又は全ての払い出しに使用される。計数ユニット18bは、遊技玉を計数するユニットである。
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、自装置状態データ16a、カードデータ16b、カードロックデータ16c及び休止管理データ16dを記憶する。
自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ16aには、台間カード処理機の装置IDと、遊技設定とを含む。台間カード処理機の装置IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別データである。遊技設定は、台間カード処理機10に設定された遊技種等を示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉1」、2円レートの遊技玉に「玉2」、1円レートの遊技玉に「玉3」というように、レート毎に遊技種名を設定して管理する。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技設定として記憶する。
カードデータ16bは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ16bは、カードID、プリペイド価値、持玉、貯玉、貯玉再プレイの可能数等を含む。持玉、貯玉については、遊技種(レート)ごとにデータが存在する。カードIDは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。
カードロックデータ16cは、カードロックに関するデータである。具体的には、カードロックデータ16cは、カードデータ16bに示されたカード、すなわち内部カードに対してカードロックを設定中であるか、また、カードロックを設定中である場合にはカードロック暗証番号を格納する。なお、ここでは、遊技客本人を認証するための認証情報の一例として暗証番号を用いる例を示しているが、認証情報はこれに限らず、遊技客が所持する、非接触通信機能を備えた携帯端末のICチップの固有識別番号(IDm)であってもよいし、金融機関や交通機関で交付される一般的なICカードに内蔵されたICチップの固有識別番号であってもよい。このようなICチップの固有識別番号は、台間カード処理機にRFID(Radio-Frequency-Identification)通信が可能な規格(例えば、Felica(登録商標)、MIFARE(登録商標)など)に対応した読取部を設けて、ICカードから固有識別情報を読み取ることで取得できる。
休止管理データ16dは、休止状態に関するデータである。休止管理データ16dは、休止状態であるか否を示し、休止状態である場合は、休止状態の残り時間をさらに示す。また、休止状態である場合には、休止状態の解除に用いる休止解除情報である休止解除データを示す。休止解除データとしては、暗証番号や、媒体IDなどを用いることができる。休止解除データの詳細については後述する。
制御部17は、台間カード処理機10の全体を制御する制御部であり、データ管理部17a、計数処理部17b、カードロック処理部17c、休止処理部17d、休止解除データ判定部17e及び休止解除データ設定部17fを有する。
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、自装置状態データ16aの装置IDと、カードデータ16bのカードIDとを含むカード挿入通知データをカード管理装置40に送信する。また、データ管理部17aは、カード管理装置40から価値データ(プリペイド価値、持玉数及び貯玉数の少なくともいずれか)を含むデータを受信した場合に、受信した価値データによりカードデータ16bを更新する。データ管理部17aは、カードデータ16bに示されたプリペイド価値、持玉数及び貯玉数を適宜表示操作部13に表示制御する。
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機IDを含む入金通知データをカード管理装置40に送信する。
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードID及び装置IDを含む玉貸要求データをカード管理装置40に送信する。この玉貸要求データへの応答として玉貸許可データを受信したならば、データ管理部17aは、所定数の遊技玉の払出処理を行う。
また、データ管理部17aは、遊技客により持玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードデータ16bに示された持玉数から所定数を減算し、対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
また、データ管理部17aは、カードデータ16bに示された貯玉再プレイの可能数が1以上である場合には、表示操作部13に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受付可能とする。データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む貯玉再プレイ要求データを会員管理装置50に送信する。この貯玉再プレイ要求データへの応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ16bの貯玉数を更新し、貯玉再プレイの払出単位数の遊技玉の払出処理を行う。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、カードデータ16bに示された暗証番号と一致することを条件に貯玉再プレイ要求データを送信する。
また、データ管理部17aは、遊技客によりカード返却操作が行なわれた場合に、カードID、装置ID並びに持玉数を含む持玉加算要求データをカード管理装置40に送信して、カードデータ16bの持玉数をゼロにクリアした後、カード排出通知データをカード管理装置40に送信し、カードを排出する。
また、データ管理部17aは、会員カードを挿入された状態で遊技客により貯玉移行操作が行なわれたならば、カードデータ16bに示された持玉数を減算し、カード管理装置40経由で会員管理装置50に貯玉加算要求データを送信することで、持玉を貯玉に移行させる。なお、会員カードではなく、携帯端末を用いて貯玉移行を行うこともできる。具体的には、持玉数が所定数以上で、所定の操作が行われた後に携帯端末がかざし部14bにかざされたならば、データ管理部17aは、カードデータ16bに示された持玉数を減算し、かざし部14bが読み取ったIDmを含む貯玉加算要求データを送信することで、持玉を貯玉に移行させる。
また、データ管理部17aは、ワゴンサービスにかかる処理を行うことができる。ワゴンサービスは、遊技店員が飲み物やタバコ等の商品をワゴンに入れて遊技店内を巡回し、遊技中の遊技客に販売するサービスである。かかるワゴンサービスでは、現金などによる支払いの他、持玉や貯玉による決済が可能である。持玉や貯玉でワゴンサービスの決済を行う場合、遊技店員が店員用端末(例えばリモコン端末)を通じて台間カード処理機10に対する指示を行って、台間カード処理機10をワゴンサービスの決済可能な状態にする。そして、対価として減算すべき持玉や貯玉の数量を特定可能な情報を台間カード処理機10に入力する。この入力処理は、台間カード処理機の表示操作部13あるいは店員用端末の操作部にて数値を入力することにより行われる。台間カード処理機10は、入力を受け付けると、ワゴンサービスに用いる従業員用記録媒体(例えばワゴンカード)の受け付け待ちとなる。そして、ワゴンカードを受け付けると、データ管理部17aは、入力された数量分の持玉や貯玉をカードデータ16bが示す数から減算し、従業員用記録媒体に関連付けて排出することになる。また、台間カード処理機10は、対価として減算すべき持玉や貯玉の数量を特定可能な情報の入力を受け付けることなく、従業員用記録媒体を受け付けた場合には、ワゴンサービスの決済を行うことなく従業員用記録媒体を返却する処理を行う。また、ワゴンサービスの決済中において、対価として減算すべき持玉や貯玉の数量を特定可能な情報の入力を受け付けている場合において、持玉や貯玉の再プレイ操作・記録媒体の返却操作を受け付けた場合には、再プレイ操作・返却操作を棄却するなどして制限するか、ワゴンサービスの決済をキャンセルするかの方法により、両処理が競合することを抑止する。
計数処理部17bは、計数ユニット18bに遊技玉が投入された場合に、計数ユニット18bに遊技玉の計数を行わせ、計数結果をカードデータ16bの持玉数に加算する処理を行う。
カードロック処理部17cは、カードの使用に対する制限を設定する処理部であり、特許請求の範囲における制限手段に対応する。カードロック処理部17cは、遊技客がカードロックの開始操作を行い、カードロックの暗証番号を入力した場合に、カードロックデータ16cに暗証番号を格納し、カードロック設定中の状態とする。
カードロックの開始操作は、カードに関連付けられたプリペイド価値あるいは持玉などの価値があらかじめ設定された所定値(例えばプリペイド価値100円、持玉25玉など)以上ある場合に行うことができる。具体的には、条件を満たしたときに、通常画面からカードロックのメニューが選択可能になり、選択すると暗証番号の設定画面が表示される。そして、遊技客により、決められた桁数(例えば4桁の数字)の任意の暗証番号が入力されると、入力された暗証番号がカードロックの暗証番号として設定される。この場合、暗証番号の設定に先立ち、同一の暗証番号の入力を確認入力として要求することが好ましい。
カードロック設定中の状態で、遊技客によりカード返却操作が行なわれたならば、カードロック処理部17cは、暗証番号の入力を求める表示を表示操作部13に行わせ、遊技客が入力した暗証番号がカードロックデータ16cに格納したカードロック暗証番号と一致することを条件に、データ管理部17aによるカード返却を行わせる。そして、カード返却が行われた場合、カードロックデータ16cをクリアする。このように、カードロック設定中であれば、カードの返却が制限される。また、カードロック設定中は、カードに関連付けられた価値を使用する処理(プリペイド価値の貸出、持玉の払出等)を制限してもよい。
遊技客により、カードロックの設定解除操作が行われた場合には、カードロック処理部17cは、暗証番号の入力を求める表示を表示操作部13に行わせ、遊技客が入力した暗証番号がカードロックデータ16cに格納したカードロック暗証番号と一致することを条件に、カードロックを解除する。
なお、受け付け中のカードが会員カードである場合には、価値の条件に関わらずカードロックの設定が可能であり、カードロックのメニューを選択すると、会員登録時に会員カードの暗証番号として設定した暗証番号が、カードロックの暗証番号として設定される。会員カードのカードロックの設定は、価値の条件に関わらず、カードロックの設定解除操作が行われるまで維持される。
休止処理部17dは、遊技を一時的に休止状態とする処理部である。具体的には、休止処理部17dは、遊技客から休止状態開始操作を受け付けると、休止解除データ判定部17eに休止状態の解除に用いる休止解除データとして使用可能な既存情報が存在するか否かを判定させ、休止解除データ設定部17fに休止解除データを設定させて、休止状態を開始する。
また、休止処理部17dは、休止状態の開始とともに残り時間の計時を開始する。そして、残り時間が0となるまでに休止解除データを受け付けたならば、休止状態を解除して、遊技を再開させる。一方、残り時間が0となった場合には、休止状態を解除するか、若しくはエラーダウンを行う。残り時間が0となった場合の処理については後述する。
また、休止処理部17dは、休止解除データが複数存在する場合には、いずれかの休止解除データを受け付けた場合に、休止状態を解除する。具体的には休止解除データには、暗証番号と媒体IDとがある。この双方が設定されていれば、休止処理部17dは、暗証番号か媒体IDのいずれかを受け付けることで、休止状態を解除する。
休止処理部17dは、休止状態では、遊技玉を使用可能とする際に用いる価値の増減を伴う処理を禁止する。具体的には、入金、玉貸処理、持玉や貯玉の再プレイ処理、獲得した遊技玉を計数して持玉に加算する計数処理、カード挿入、カード排出、などの一部又は全ての処理を禁止する。
休止解除データ判定部17eは、休止解除データとして使用可能な既存情報が存在するか否かを判定する処理部である。具体的には、会員遊技客を認証するための会員認証情報、すなわち会員カードの暗証番号や、カードロックの暗証番号が休止解除データとして使用可能な既存情報である。会員カードの暗証番号の有無は、カードデータ16bを参照して判定する。また、カードロックの暗証番号の有無は、カードロックデータ16cを参照して判定する。
休止解除データ設定部17fは、休止状態の解除に用いる休止解除データを設定する処理部である。休止解除データ設定部17fは、休止解除データ判定部17eによる判定の結果、会員カードの暗証番号又はカードロックの暗証番号が存在する場合には、その暗証番号を休止解除データとして設定する。
また、休止解除データ設定部17fは、休止処理部17dが遊技客から休止状態開始操作を受け付けた後、媒体IDの読み取りが行われた場合には、読み取った媒体IDを休止解除データとして設定する。
媒体IDとしては、非接触通信機能を備えた携帯端末のICチップの固有識別番号(IDm)を用いることができる。また、金融機関や交通機関で交付される一般的なICカードに内蔵されたICチップの固有識別番号であってもよい。このようなICチップの固有識別番号は、台間カード処理機にRFID(Radio-Frequency-Identification)通信が可能な規格(例えば、Felica(登録商標)、MIFARE(登録商標)など)に対応した読取部を設けて、ICカードから固有識別情報を読み取ることで取得できる。図3では、かざし部14bが媒体IDの読取部として機能する。
休止解除データ設定部17fは、媒体IDの読み取りが行われず、かつ会員カードの暗証番号もカードロックの暗証番号も存在しない場合に、新規の休止解除データの登録を要求する。そして、遊技客により、決められた桁数(例えば4桁の数字)の任意の暗証番号が入力されると、入力された暗証番号が休止解除データとして設定される。この場合、暗証番号の設定に先立ち、同一の暗証番号の入力を確認入力として要求することが好ましい。
次に、台間カード処理機10の記憶部16に記憶されるデータの一例について説明する。図5及び図6は、台間カード処理機10の記憶部16に記憶されるデータの一例を説明するための説明図である。
図5(a)に示す自装置状態データ16aは、台間カード処理機10のIDが「3001」であり、台間カード処理機10の遊技種として「玉1」が設定された状態を示している。
図5(b)に示すカードデータ16bは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「1001」である状態を示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードである。また、カードデータ16bは、プリペイド価値が「2000度数」である状態を示している。なお、ここではプリペイド価値の度数とは1度数が1円相当である。また、カードデータ16bは、玉1の持玉数が「375玉」であり、玉2の持玉数が「500玉」であり、玉3の持玉数が「2000玉」である状態を示している。
また、カードデータ16bは、貯玉に関係するデータとして、暗証番号、貯玉再プレイ可能数、各遊技種の貯玉数を格納することができるが、図5(b)は一般カードを受け付けた状態であるため、これらのデータは該当なしを示す「−」となっている。なお、ここでは再プレイが可能な玉数を再プレイの可能数として格納する構成を示したが、再プレイの可能な回数を再プレイ度数として格納してもよい。また、図示していないが、カード管理装置40では、カードIDに対応付けて、持玉、貯玉、プリペイド価値以外にカードの有効/無効を示す「ロック」フラグのON/OFFも記憶しており、カードの盗難が発覚した場合に従業員操作によってONにされる。これらのデータもカードデータ16bに含まれて記憶されている。さらに、この「ロック」フラグは機能(「貯玉使用」、「乗入」等)別にも設定できるようになっており、例えば遊技客の要望により「乗入」の機能だけを「ロック」の対象として、誤操作を防ぐことに用いることもできる。なお、本明細書中で「乗入」とは、あるレートの遊技媒体数を他のレートの遊技媒体数に遊技媒体の単価の比率に基づいて換算して使用することを意味する。具体的な例では、4円レートに対応付けられた台間カード処理機10において、1円レートの玉数Xを使用して、X×(1円/4円)=X/4の玉数を払出処理することが例示できる。この「乗入」の機能は、店舗の運営方針により会員管理装置50で有効/無効を切り替えることができる。
図5(c)に示すカードロックデータ16cは、内部カードに対してカードロックを設定中であるか、また、カードロックを設定中である場合にはカードロック暗証番号を格納する。図5(c)では、カードロックが「設定中」であり、カードロック暗証番号が「1234」である状態を示している。
図6(d)に示す休止管理データ16dは、休止状態、残り時間、休止解除データを示す。図6(d)では、休止状態を「開始中」であり、残り時間が「4:12」である。また、休止解除データとして、カードロックと同一の暗証番号「1234」が設定されている。なお、媒体IDは読み取られておらず、該当なしを示す「−」となっている。
図7は、休止状態の開始と終了についての説明図である。図7に示すように、休止状態の開始時に既存の暗証番号があれば、非接触通信による媒体IDの読取の有無に関わらず、新規の暗証番号の登録は不要である。また、既存の暗証番号がなくとも、非接触通信による媒体IDの読取があれば、新規の暗証番号の登録は不要である。しかし、既存の暗証番号がなく、非接触通信による媒体IDの読取もなければ、新規の暗証番号の登録が必要となる。
そして、既存の暗証番号があり、媒体IDの読取も行っていれば、暗証番号の受付と媒体IDの受付のいずれかで休止状態を解除することができる。また、既存の暗証番号があり、媒体IDの読取を行っていなければ、暗証番号の受付で休止状態を解除することができる。また、既存の暗証番号がなく、媒体IDの読取を行っていれば、媒体IDの受付で休止状態を解除することができる。そして、既存の暗証番号も媒体IDの読取も無く、新規の暗証番号を登録したならば、登録した暗証番号の受付で休止状態を解除することになる。
次に、休止状態の開始に係る処理手順について説明する。図8は、休止状態の開始に係る処理手順を示すフローチャートである。休止処理部17dが休止状態開始操作を受け付けると(ステップS101)、休止解除データ設定部17fは、非接触通信で媒体IDの読み取りが行われたか否かを判定する(ステップS102)。
媒体IDの読み取りが行われたならば(ステップS102;Yes)、休止解除データ設定部17fは、読み取った媒体IDを休止解除データとして設定する(ステップS103)。そして、休止解除データ判定部17eが既存の暗証番号が存在するか否かを判定し(ステップS104)、既存の暗証番号が存在しなければ(ステップS104;No)、休止状態を開始して(ステップS105)、処理を終了する。
一方、媒体IDの読取りが行われていなければ(ステップS102;No)、休止解除データ判定部17eが既存の暗証番号が存在するか否かを判定する(ステップS107)。既存の暗証番号が存在しなければ(ステップS107;No)、休止解除データ設定部17fは、暗証番号の登録を要求する。暗証番号の登録を受け付けたならば(ステップS108)、休止解除データ設定部17fは、暗証番号の確認入力を受け付け(ステップS109)、新規の暗証番号を休止解除データに登録し(ステップS110)、休止状態を開始して(ステップS105)、処理を終了する。
既存の暗証番号が存在する場合(ステップS104;Yes、又はステップS107;Yes)、休止解除データ設定部17fは、既存の暗証番号を休止解除データに設定し(ステップS106)、休止状態を開始して(ステップS105)、処理を終了する。
次に、休止状態の制限時間と時間超過時の処理について説明する。図9は、休止状態の制限時間と時間超過時の処理についての説明図である。まず、遊技客の種別が会員であり、カードを返却して休止状態を開始した場合には、休止状態の制限時間を5分とする。そして、制限時間が超過した場合には、休止状態を解除し、他の遊技客による使用が可能となる。
遊技客の種別が会員であり、カードを返却せずに休止状態を開始した場合には、休止状態の制限時間を10分とする。そして、制限時間が超過した場合には、台間カード処理機10をエラーダウンさせ、遊技店員が復旧させるまで遊技ができない状態とする。
遊技客の種別が一般であり、プリペイド価値や持玉などの価値がない(例えばプリペイド価値がゼロで持玉が25玉未満など)場合には、休止状態の制限時間を5分とする。そして、制限時間が超過した場合には、休止状態を解除し、他の遊技客による使用が可能となる。
また、遊技客の種別が一般であり、プリペイド価値や持玉などの価値があり、カードを返却して休止状態を開始した場合には、休止状態の制限時間を5分とする。そして、制限時間が超過した場合には、休止状態を解除し、他の遊技客による使用が可能となる。
また、遊技客の種別が一般であり、プリペイド価値や持玉などの価値があり、カードを返却せずに休止状態を開始した場合には、休止状態の制限時間を10分とする。そして、制限時間が超過した場合には、台間カード処理機10をエラーダウンさせ、遊技店員が復旧させるまで遊技ができない状態とする。
ここで、遊技客の種別が会員であるか否かは、カードデータ16bを参照し、会員カードであるか否かで判定すればよい。ただし、一般カードであっても、休止解除データとして設定された媒体IDによって会員が特定できる場合には、遊技客の種別は会員とする。
上述してきたように、本実施例では、台間カード処理機10は、休止状態の解除に用いる休止解除情報を設定する場合に、休止解除情報として使用可能な既存情報が存在するか否かを判定し、既存情報が存在する場合には該既存情報を休止解除情報として設定する。このため、遊技の休止状態に係る遊技客の負担を軽減し、利便性を向上することができる。
具体的には、台間カード処理機10は、会員遊技客を認証するための会員認証情報が存在するか否かを判定し、会員認証情報が存在する場合に該会員認証情報を休止解除情報として設定することができる。
また、台間カード処理機10は、遊技玉を使用可能とする際に用いる価値(プリペイド価値、持玉、貯玉)を所定の記憶媒体であるカードに関連付けて返却する操作を制限するカードロック処理部17cをさらに備え、制限の解除に用いる制限解除情報が存在するか否かを判定し、制限解除情報が存在する場合に該制限解除情報を休止解除情報として設定することができる。
また、台間カード処理機10は、休止状態の開始時に媒体識別情報の読み取りが行われた場合には、読み取った媒体識別情報を休止解除情報として設定し、媒体識別情報の読取りが行われず、かつ既存情報が存在しない場合に、新規の休止解除情報の登録を要求することができる。
そして、台間カード処理機10は、媒体識別情報の読取りが行われ、かつ既存情報が存在する場合に、媒体識別情報と既存情報の双方を休止解除情報として設定し、媒体識別情報又は既存情報のいずれかを受け付けたときに休止状態を解除する。
また、台間カード処理機10は、休止状態において、遊技玉を使用可能とする際に用いる価値の増減を伴う処理を抑制する。
なお、上述の実施例では、遊技媒体数を関連づける媒体であるカードの形態についての詳細な説明を省略したが、かかるカードには、磁気カード、IC(Integrated Circuit)カード等が含まれる。また、ここでは説明の便宜上「カード」を例にとって説明したが、かかるカード以外に、ICを内蔵した非接触式チップやスティック、携帯端末等を用いる場合にも本発明を適用することができる。
また、上述の実施例では、認証情報として暗証番号を用いる場合を例に説明を行ったが、認証情報は暗証番号に限らず、予め指定された解除用の文字列など、任意のデータを用いることができる。
また、上述の実施例では、遊技玉を遊技媒体として使用する場合を例に説明を行なったが、スロットマシン用のメダルを用いる場合にも適用可能である。
また、本発明は、遊技機に封入された遊技玉を用いる封入式の遊技機に適用してもよい。封入式の遊技機では、遊技玉を遊技盤面に投出可能な数を遊技可能数として管理しており、玉貸や再プレイ時等の際には、遊技玉の現物を払出処理するのではなく、遊技可能数を加算することとなる。
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。