JP2020050779A - 水性エマルション - Google Patents
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Abstract
【課題】分散安定性、機械的安定性及び塗膜の耐水性に優れる水性エマルションを提供する。【解決手段】エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体を分散質とし、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂を分散剤とした水性エマルションであって、前記重合体と前記変性ポリビニルアルコール樹脂とが、変性ポリビニルアルコール樹脂が有する側鎖のエチレン性不飽和基を介して結合しており、平均粒径が50nm〜2000nmである、水性エマルション。【選択図】なし
Description
本発明は、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂と、エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体を含有する水性エマルションに関する。
水性媒体中でラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体を乳化重合する場合は、通常、界面活性剤の存在下で行われるが、特に、得られた水性エマルションを乾燥皮膜とした際の耐水性、耐溶剤性が求められる場合には、ポリビニルアルコール樹脂(以下、ポリビニルアルコールをPVOHと略記することがある。)が好適に用いられる。
種々の官能基を有する変性PVOHを用いることで分散質に対する保護コロイド力を高め、乳化重合時の安定性、および得られた水性エマルションの各種安定性を向上させる検討が広く行われている。例えば、特許文献1には、エチレン性不飽和多価カルボン酸に由来する構造単位を有し、かつメルカプト基を末端に有するポリビニルアルコール系重合体からなる乳化重合用分散安定剤が記載されている。これによれば、安定したエマルジョンを形成することができ、各種用途に利用できるとされている。特許文献2には、1,2−ジオール構造単位を有するポリビニルアルコール系樹脂を含む分散剤と、エチレン性不飽和単量体に由来する構造単位を有する重合体を分散質として含有し、炭素数1〜4のアルコールを水性エマルション中の不揮発分に対して10〜40重量%含有する水性エマルションが記載されている。これによれば、金属表面に対する濡れ性に優れることから、金属類に対する塗料、コーティング剤、保護皮膜形成剤、接着剤などの材料として好適に用いることができるとされている。また、特許文献3には、不飽和二重結合を有するカルボン酸またはその塩によりポリビニルアルコール系重合体をエステル化して得られる、側鎖に二重結合を有するポリビニルアルコール系重合体からなる分散安定剤が記載されている。これによれば、塩化ビニルなどの懸濁重合に用いた場合には、塩化ビニルを安定して重合することができるため、重合が不安定なことに起因するブロック化やスケール付着が低減されるという優れた効果を達成することができるとされている。また、不飽和単量体の乳化重合に用いた場合にも、不飽和単量体を安定して重合することができ、得られる重合体はろ過残量が少ないという優れた効果を達成することができるとされている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2で用いられる分散剤は、一部の分散剤はエチレン性不飽和単量体の重合体と化学結合を形成(グラフト)するものの、多くの分散剤が未反応のまま重合体に物理的に吸着した状態となり、これに起因する種々の問題(エマルション粒子の分散安定性やエマルション塗工後の耐水性)を抱えており、改善が求められていた。また、特許文献3には、塩化ビニルの懸濁重合を行う際に、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂を用いたとの記載はあるが、エチレン性不飽和基の含有量が一定以上の変性ポリビニルアルコール樹脂を用いた場合には安定したエマルションを得ることができず、改善が求められていた。本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、分散安定性、機械的安定性及び塗膜の耐水性に優れる水性エマルションを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決すべく、鋭意検討した結果、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂と特定の重合体とが、変性ポリビニルアルコール樹脂が有する側鎖のエチレン性不飽和基を介して結合しており、平均粒径が一定範囲にある水性エマルションによって、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
[1]エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体を分散質とし、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂を分散剤とした水性エマルションであって、前記重合体と前記変性ポリビニルアルコール樹脂とが、変性ポリビニルアルコール樹脂が有する側鎖のエチレン性不飽和基を介して結合しており、平均粒径が50nm〜1000nmである、水性エマルション。
[2]前記変性ポリビニルアルコール樹脂が、側鎖のエチレン性不飽和基として、側鎖に下記式[I]で示される部分構造を有する変性ポリビニルアルコール樹脂である、前記[1]の水性エマルション。
(式[I]中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基を表し、Xは酸素原子またはNR4を表し、R4は水素原子または炭素数1〜3の炭化水素基を表し、*は変性ポリビニルアルコール樹脂のいずれかの構造単位のいずれかの部分と化学結合を有していることを表す。)
[3]前記変性ポリビニルアルコール樹脂が、側鎖のエチレン性不飽和基として、下記式[II]または[III]で示される構造単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂である、前記[1]または[2]の水性エマルション。
(式[II]中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基を表し、Xは酸素原子またはNR4を表し、R4は水素原子または炭素数1〜3の炭化水素基を表し、Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表し、*は変性ポリビニルアルコール樹脂のいずれかの構造単位と化学結合を有していることを表す。)
(式[III]中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基を表し、*は変性ポリビニルアルコール樹脂のいずれかの構造単位と化学結合を有していることを表す。)
[4]前記重合体が、エチレン性不飽和単量体の重合体であり、エチレン性不飽和単量体の重合体がアクリル系単量体からなる構造単位を有する、前記[1]〜[3]のいずれかの水性エマルション。
[5]側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂を分散剤として、エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体を水中に分散させ、乳化重合を行う水性エマルションの製造方法であって、前記変性ポリビニルアルコール樹脂の全構造単位におけるエチレン性不飽和基の含有量が0.05モル%を超え1.1モル%以下であることを特徴とする水性エマルションの製造方法。
[1]エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体を分散質とし、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂を分散剤とした水性エマルションであって、前記重合体と前記変性ポリビニルアルコール樹脂とが、変性ポリビニルアルコール樹脂が有する側鎖のエチレン性不飽和基を介して結合しており、平均粒径が50nm〜1000nmである、水性エマルション。
[2]前記変性ポリビニルアルコール樹脂が、側鎖のエチレン性不飽和基として、側鎖に下記式[I]で示される部分構造を有する変性ポリビニルアルコール樹脂である、前記[1]の水性エマルション。
[3]前記変性ポリビニルアルコール樹脂が、側鎖のエチレン性不飽和基として、下記式[II]または[III]で示される構造単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂である、前記[1]または[2]の水性エマルション。
[4]前記重合体が、エチレン性不飽和単量体の重合体であり、エチレン性不飽和単量体の重合体がアクリル系単量体からなる構造単位を有する、前記[1]〜[3]のいずれかの水性エマルション。
[5]側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂を分散剤として、エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体を水中に分散させ、乳化重合を行う水性エマルションの製造方法であって、前記変性ポリビニルアルコール樹脂の全構造単位におけるエチレン性不飽和基の含有量が0.05モル%を超え1.1モル%以下であることを特徴とする水性エマルションの製造方法。
本発明によれば、分散安定性、機械的安定性及び塗膜の耐水性に優れる水性エマルションを提供できる。
本発明の水性エマルションは、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂と、エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体を含有することを特徴とする。
〔変性ポリビニルアルコール樹脂〕
本発明で用いられる変性ポリビニルアルコール樹脂は、側鎖にエチレン性不飽和基を有する。本発明では、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体を分散質とし、前記重合体と前記変性ポリビニルアルコール樹脂とが、変性ポリビニルアルコール樹脂が有する側鎖のエチレン性不飽和基を介して結合しており、水性エマルションの平均粒径を50nm〜2000nmとすることにより、分散安定性、機械的安定性及び塗膜の耐水性に優れる水性エマルションを提供することができる。結合様式は特に限定されないが、変性ポリビニルアルコール樹脂の側鎖のエチレン性不飽和基にエチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体から連鎖移動することで生じる結合様式や、エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体と変性ポリビニルアルコール樹脂の側鎖のエチレン性不飽和基とが共重合する結合様式などがある。本発明の水性エマルションは、グラフトポリマー比率が60%以上であることが好ましい。グラフトポリマー比率は、後述する実施例に記載された式により算出される。グラフトポリマー比率は、65%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。グラフトポリマー比率は、通常、100%以下である。
本発明で用いられる変性ポリビニルアルコール樹脂は、側鎖にエチレン性不飽和基を有する。本発明では、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体を分散質とし、前記重合体と前記変性ポリビニルアルコール樹脂とが、変性ポリビニルアルコール樹脂が有する側鎖のエチレン性不飽和基を介して結合しており、水性エマルションの平均粒径を50nm〜2000nmとすることにより、分散安定性、機械的安定性及び塗膜の耐水性に優れる水性エマルションを提供することができる。結合様式は特に限定されないが、変性ポリビニルアルコール樹脂の側鎖のエチレン性不飽和基にエチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体から連鎖移動することで生じる結合様式や、エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体と変性ポリビニルアルコール樹脂の側鎖のエチレン性不飽和基とが共重合する結合様式などがある。本発明の水性エマルションは、グラフトポリマー比率が60%以上であることが好ましい。グラフトポリマー比率は、後述する実施例に記載された式により算出される。グラフトポリマー比率は、65%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。グラフトポリマー比率は、通常、100%以下である。
また、エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体を水系で乳化重合する場合には、変性ポリビニルアルコール樹脂の側鎖のエチレン性不飽和基が、当該単量体と共重合することで変性ポリビニルアルコール樹脂が当該単量体の重合体にグラフトされることになる。側鎖に導入するエチレン性不飽和基の構造は特に限定されず、ラジカル重合性を有する構造であればよい。分散対象となる単量体との共重合反応性を鑑みて適宜好適な構造を選択すればよいが、特に下記式[I]の部分構造を側鎖に有する変性ポリビニルアルコール樹脂であることが好ましい。
式[I]中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基を表す。重合安定性の観点から、R1及びR2は水素原子であることが好ましく、R3はメチル基であることが好ましい。また、Xは酸素原子またはNR4を表し、R4は水素原子または炭素数1〜3の炭化水素基を表す。R4に用いられる炭素数1〜3の炭化水素基としては、炭素数1〜3の飽和炭化水素基であることが好ましく、具体的には、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。中でも、反応性の観点から、Xは酸素原子であることが好ましい。
本発明で用いられる変性ポリビニルアルコール樹脂としては、下記式[II]または[III]で示される構造単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂であることが好ましい。
(式[II]中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基を表し、Xは酸素原子またはNR4を表し、R4は水素原子または炭素数1〜3の炭化水素基を表し、Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表し、*は変性ポリビニルアルコール樹脂のいずれかの構造単位と化学結合を有していることを表す。)
(式[III]中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基を表し、*は変性ポリビニルアルコール樹脂のいずれかの構造単位と化学結合を有していることを表す。)
式[II]及び[III]において、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、カルボキシル基、またはカルボキシメチル基を表す。重合安定性の観点から、R1及びR2は水素原子であることが好ましく、R3はメチル基であることが好ましい。
式[II]において、Xは酸素原子またはNR4を表し、R4は水素原子または炭素数1〜3の炭化水素基を表す。R4に用いられる炭素数1〜3の炭化水素基としては、上記式[I]の説明のところで例示されたものが好適に採用される。中でも、反応性の観点から、Xは酸素原子であることが好ましい。式[II]において、Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表す。2価の炭化水素基としては、アルキレン基及びシクロアルキレン基からなる群から選択される少なくとも1種が好適である。アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。シクロアルキレン基としては、例えば、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。これらアルキレン基とシクロアルキレン基は、メチル基、エチル基等のアルキル基を分岐構造として有していてもよい。また、Yに用いられる炭素数1〜10の2価の炭化水素基は、置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、水酸基;アミノ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;アセチル基、プロピオニル基等のアシル基等が挙げられ、また、構造中に、カルボニル結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合等を含んでいても構わない。Yは変性ポリビニルアルコール樹脂との間でアセタール構造を形成しても構わない。変性ポリビニルアルコール樹脂は、曇点以上では水への溶解度が低下し、ミセル形成ができなくなり分散能が低下する。よって、乳化重合温度で水溶性を維持する必要があるため、Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜3の2価の炭化水素基であることが好ましい。
これらの中でも特に式[III]で表される構造単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂であることが好ましい。
上記式[II]及び[III]で表される構造単位の具体例としては、以下に示される構造単位のものが挙げられる。
本発明では、変性ポリビニルアルコール樹脂の全構造単位に対するエチレン性不飽和基を有する構造単位の含有量は特に限定されないが、好ましくは0.05モル%を超え1.1モル%以下である。後述する実施例と比較例との対比から分かるように、前記含有量が1.2モル%の変性ポリビニルアルコール樹脂を用いた場合、安定したエマルションを得ることができない。前記含有量は、より好ましくは0.07モル%以上、さらに好ましくは0.1モル%以上であり、より好ましくは1モル%以下、さらに好ましくは0.8モル%以下、特に好ましくは0.6モル%以下である。前記含有量が上記下限値以上であると、変性ポリビニルアルコール樹脂が、エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体に適度にグラフトされる。前記含有量が上記上限値以下であると、変性ポリビニルアルコール樹脂の存在下で、エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体を乳化重合する際の重合安定性が良い。変性ポリビニルアルコール樹脂は、エチレン性不飽和基を有する構造単位を2種以上有していてもよい。2種以上の当該構造単位を有する場合、これら2種以上の当該構造単位の含有量の合計が上記範囲にあることが好ましい。なお、本発明において「構造単位」とは、重合体を構成する繰り返し単位のことをいう。例えば、下記のビニルアルコール単位や、後述のビニルエステル単位も構造単位である。
本発明で用いられる変性ポリビニルアルコール樹脂における全構成単位に対するビニルアルコール単位の含有量は特に限定されないが、好ましくは60〜99モル%である。上記ビニルアルコール単位の含有量が60モル%未満であると変性ポリビニルアルコール樹脂の水溶性が悪化する。一方で、上記ビニルアルコール単位の含有量が99モル%超の場合には、重合対象である単量体の分散性が悪化する。上記ビニルアルコール単位の含有量はより好ましくは65モル%以上、さらに好ましくは68モル%以上、特に好ましくは70モル%以上であり、より好ましくは96モル%以下、さらに好ましくは94モル%以下、特に好ましくは90モル%以下である。上記ビニルアルコール単位の含有量がこれらの好ましい範囲にある場合、変性ポリビニルアルコール樹脂の水溶性が適度に優れ、かつ重合対象である単量体の分散性にも優れる。
ビニルアルコール単位は、加水分解や加アルコール分解などによってビニルエステル単位から誘導できる。そのため、ビニルエステル単位からビニルアルコール単位に変換する際の条件等によっては、変性ポリビニルアルコール樹脂中にビニルエステル単位が残存することがある。よって、変性ポリビニルアルコール樹脂は、エチレン性不飽和基を有する構造単位以外のビニルエステル単位を含んでいてもよい。
上記ビニルエステル単位のビニルエステルの例としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが挙げられ、中でも酢酸ビニルが工業的観点から好ましい。
変性ポリビニルアルコール樹脂は、本発明の効果が得られる限り、エチレン性不飽和基を有する構造単位、ビニルアルコール単位及びビニルエステル単位以外の他の構成単位をさらに含んでいてもよい。当該他の構成単位は、例えば、ビニルエステルと共重合可能な他の単量体に由来する構造単位である。他の単量体としては、エチレン性不飽和単量体が挙げられる。他の単量体に由来する構造単位は、エチレン性不飽和基を有する構造単位に変換可能な構造単位であってもよい。エチレン性不飽和単量体は、例えばエチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセンなどのα−オレフィン類;アクリル酸及びその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸及びその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸及びその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミン及びその塩(例えば4級塩);メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸及びその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミン及びその塩(例えば4級塩);メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−ビニルオキシプロパンなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸及びその塩又はそのエステル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニル等である。
変性ポリビニルアルコールにおけるエチレン性不飽和基を有する構造単位、ビニルアルコール単位、及びその他の任意の構成単位の配列順序に特に制限はなく、変性ポリビニルアルコールは、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体などのいずれであってもよい。
変性ポリビニルアルコール樹脂の分子量は特に限定されないが、数平均分子量(Mn)が5000〜200000であることが好ましい。Mnが5000未満であると、保護コロイド能が低下し、乳化重合を十分に安定化できない場合がある。Mnは、より好ましくは7000以上、さらに好ましくは8000以上、特に好ましくは9000以上である。一方、Mnが200000を超えると、変性ポリビニルアルコール樹脂を含む水溶液の濃度が著しく高くなり、攪拌不良になる場合がある。Mnは、より好ましくは150000以下、さらに好ましくは100000以下、特に好ましくは50000以下である。本発明における数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準物質にポリメチルメタクリレートを用い、HFIP系カラムで測定した値である。測定方法は実施例に記載した通りである。
〔乳化重合〕
上記変性ポリビニルアルコール樹脂は、エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体など各種モノマーの乳化重合の分散剤として利用できる。乳化重合用分散剤として用いる場合は、変性ポリビニルアルコール樹脂以外に、必要に応じて従来の分散剤に配合されている各種添加剤を加えることもできる。
上記変性ポリビニルアルコール樹脂は、エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体など各種モノマーの乳化重合の分散剤として利用できる。乳化重合用分散剤として用いる場合は、変性ポリビニルアルコール樹脂以外に、必要に応じて従来の分散剤に配合されている各種添加剤を加えることもできる。
本発明の水性エマルションの製造方法は特に限定されない。側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂を分散剤として、エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体を水中に分散させ、乳化重合を行う水性エマルションの製造方法であって、前記変性ポリビニルアルコール樹脂の全構造単位におけるエチレン性不飽和基の含有量が0.05モル%を超え1.1モル%以下であることが好適な実施態様である。前記含有量としては、上述の変性ポリビニルアルコール樹脂の説明において記載された含有量が好適に採用される。上記変性ポリビニルアルコール樹脂を用いてエチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体の乳化重合を行う場合、水、上記変性ポリビニルアルコール樹脂および適当な重合開始剤の存在下に、エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体を一時または連続的に添加して、加熱、攪拌するような通常の乳化重合法を行うことができる。また、該単量体、上記変性ポリビニルアルコール樹脂の水溶液、重合開始剤とを混合して乳化したものを一部分けとり、重合温度において連続的に残りのエマルションに添加する方法を行うことも可能である。また、非水溶媒中での分散重合も可能である。
乳化重合を行う際の、上記変性ポリビニルアルコール樹脂の使用量は、上記変性ポリビニルアルコール樹脂の分子量、あるいは要求されるエマルションの樹脂濃度等によって異なり、特に限定されないが、エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体100質量部に対して好ましくは1〜50質量部、より好ましくは2〜40質量部、さらに好ましくは3〜30質量部である。上記変性ポリビニルアルコール樹脂の使用量が1質量部未満の場合、重合安定性が悪化する。また、使用量が50質量部を超える場合、得られる水性エマルションの粘度が増加し取り扱い性が悪化する。
乳化重合を行う際の重合開始剤は特に限定されず、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、アセチルパーオキサイド、ブチルパーオキサイドなどの過酸化物、およびこれらの過酸化物と酒石酸、鉄塩、L−アスコルビン酸などの還元剤とを組み合わせたレドックス系重合開始剤などが用いられる重合開始剤の添加方法としては、特に制限はなく、初期に一括添加する方法や重合の経過に伴って連続的に添加する方法等を採用することができる。
〔水性エマルション〕
本発明の水性エマルションは、エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体を分散質とする。本明細書では分散系中に均一に分散している固体粒子を分散質とし、分散質の凝集と沈降を防ぎ、安定に存在させるための助剤を分散剤とする。エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体の種類は特に限定されないが、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン、塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸およびそのエステルであるアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルエチルおよびこれらの四級化物、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩のアクリルアミド系モノマー、スチレン、α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸およびそのナトリウム、カリウム塩等のスチレン系単量体、その他N−ビニルピロリドン等が挙げられる。またジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体としては、上記した単量体の単独重合体または共重合体が利用でき、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体の共重合体であってもよい。これらの中でも、本発明で用いられる変性ポリビニルアルコール樹脂はアクリル系単量体との反応性が良好であることから、エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体としては、アクリル酸、メタクリル酸およびそのエステルであるアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルエチル並びにこれらの四級化物などのエチレン性不飽和単量体を構造単位に含む重合体が好ましい。これらは単独の重合体でもよく、二種以上の共重合体でもよい。
本発明の水性エマルションは、エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体を分散質とする。本明細書では分散系中に均一に分散している固体粒子を分散質とし、分散質の凝集と沈降を防ぎ、安定に存在させるための助剤を分散剤とする。エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体の種類は特に限定されないが、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン、塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸およびそのエステルであるアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルエチルおよびこれらの四級化物、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩のアクリルアミド系モノマー、スチレン、α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸およびそのナトリウム、カリウム塩等のスチレン系単量体、その他N−ビニルピロリドン等が挙げられる。またジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体としては、上記した単量体の単独重合体または共重合体が利用でき、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体の共重合体であってもよい。これらの中でも、本発明で用いられる変性ポリビニルアルコール樹脂はアクリル系単量体との反応性が良好であることから、エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体としては、アクリル酸、メタクリル酸およびそのエステルであるアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルエチル並びにこれらの四級化物などのエチレン性不飽和単量体を構造単位に含む重合体が好ましい。これらは単独の重合体でもよく、二種以上の共重合体でもよい。
本発明の水性エマルションの平均粒径は、用途により適宜選択されるが、50nm〜2000nmである。平均粒径は、60nm以上であることが好ましく、70nm以上であることがより好ましい。また、平均粒径は、1500nm以下であることが好ましく、1000nm以下であることがより好ましく、800nm以下であることがさらに好ましい。
本発明の水性エマルションは、上記変性ポリビニルアルコール樹脂を水性エマルション100質量部に対して、0.5〜30質量部含むことが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。また、エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体を水性エマルション100質量部に対して、1〜50質量部含むことが好ましく、5〜40質量部であることがより好ましい。
また、本発明の水性エマルションは、水を水性エマルション100質量部に対して、30〜90質量部含むことが好ましく、40〜80質量部含むことが好ましい。
本発明の水性エマルションは、本発明の効果を損なわない範囲において、他の水溶性高分子や界面活性剤が含まれていてもよい。水溶性高分子としては、無変性のポリビニルアルコール樹脂や、上記の変性ポリビニルアルコール樹脂以外の各種変性ポリビニルアルコール樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミノメチルヒドロキシプロピルセルロース、アミノエチルヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体類;デンプン、トラガント、ペクチン、グルー、アルギン酸又はその塩、ゼラチン等の天然物;ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸又はその塩、ポリメタクリル酸又はその塩、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミドなどが挙げられる。また、界面活性剤としては、ポリオキシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール型、ポリオキシエチレン−多価アルコールエステル型、多価アルコールと脂肪酸とのエステル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックポリマー等の非イオン性界面活性剤;高級アルコール硫酸塩、高級脂肪酸アルカリ塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、反応性界面活性剤が挙げられる。
本発明の水性エマルションは、上述の水溶性高分子や界面活性剤の他に、アルコール等の有機溶剤、顔料、上記変性ポリビニルアルコール樹脂以外の分散剤、消泡剤、油剤、粘性改質剤、粘着付与剤、増粘剤、保水剤、繊維柔軟剤、平滑剤、帯電防止剤など、用途に応じた添加剤を適宜含有することができる。
本発明の水性エマルションは、例えば塗料、接着剤、繊維加工剤、紙加工剤、無機物バインダー、セメント混和剤、モルタルプライマーなどに幅広く利用することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されない。なお、実施例、比較例中の「%」及び「部」は特に断りのない限り、それぞれ「質量%」及び「質量部」を表す。
[変性ポリビニルアルコール樹脂におけるビニルアルコール単位及び側鎖に導入されたエチレン性不飽和基を有する構造単位の含有量の算出]
日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「LAMBDA 500」を用い、合成例1〜6で得られた変性ポリビニルアルコール樹脂の1H−NMRを、重水素化ジメチルスルホキシド中、室温で測定した。ビニルアルコール構造の主鎖メチンプロトン由来のピーク(3.1〜4.0ppm)からビニルアルコール単位の含有量を算出した。合成例1〜3、及び6ではさらに、オレフィンプロトン由来のピーク(5.0〜7.5ppm)の積分値から側鎖に導入された変性部位の構造単位の含有量を算出した。合成例5ではさらに、1,2−ジオールの一級アルコールに隣接するメチレン由来のピーク(3.3ppm)の積分値から側鎖に導入された変性部位の構造単位の含有量を算出した。
日本電子株式会社製核磁気共鳴装置「LAMBDA 500」を用い、合成例1〜6で得られた変性ポリビニルアルコール樹脂の1H−NMRを、重水素化ジメチルスルホキシド中、室温で測定した。ビニルアルコール構造の主鎖メチンプロトン由来のピーク(3.1〜4.0ppm)からビニルアルコール単位の含有量を算出した。合成例1〜3、及び6ではさらに、オレフィンプロトン由来のピーク(5.0〜7.5ppm)の積分値から側鎖に導入された変性部位の構造単位の含有量を算出した。合成例5ではさらに、1,2−ジオールの一級アルコールに隣接するメチレン由来のピーク(3.3ppm)の積分値から側鎖に導入された変性部位の構造単位の含有量を算出した。
[数平均分子量(Mn)の測定]
東ソー株式会社製サイズ排除高速液体クロマトグラフィー装置「HLC−8320GPC」を用い、変性ポリビニルアルコール樹脂の数平均分子量(Mn)を測定した。測定条件は以下の通りである。
カラム:東ソー株式会社製HFIP系カラム「GMHHR−H(S)」2本直列接続
標準試料:ポリメチルメタクリレート
溶媒及び移動相:トリフルオロ酢酸ナトリウム−HFIP溶液(濃度20mM)
流量:0.2mL/min
温度:40℃
試料溶液濃度:0.1wt%(開口径0.45μmフィルターでろ過)
注入量:10μL
検出器:RI
東ソー株式会社製サイズ排除高速液体クロマトグラフィー装置「HLC−8320GPC」を用い、変性ポリビニルアルコール樹脂の数平均分子量(Mn)を測定した。測定条件は以下の通りである。
カラム:東ソー株式会社製HFIP系カラム「GMHHR−H(S)」2本直列接続
標準試料:ポリメチルメタクリレート
溶媒及び移動相:トリフルオロ酢酸ナトリウム−HFIP溶液(濃度20mM)
流量:0.2mL/min
温度:40℃
試料溶液濃度:0.1wt%(開口径0.45μmフィルターでろ過)
注入量:10μL
検出器:RI
[重合安定性]
調製した水性エマルションを200メッシュステンレス金網でろ過し、水性エマルション中の凝集物を回収した。フラスコ内、及び攪拌羽根に付着した凝集物も回収した。回収した凝集物を水洗後、105℃で2時間乾燥し、凝集物の質量[M1]を求めた。エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体として使用したモノマーの総質量を[M2]とし、以下の算出式で凝集物の生成割合を算出し、重合安定性の指標とした。当該生成割合が小さい場合、粒子径の小さい重合体が効率的に生成しており、重合安定性が高いと言える。
凝集物の生成割合[%]=[M1]/[M2]×100
調製した水性エマルションを200メッシュステンレス金網でろ過し、水性エマルション中の凝集物を回収した。フラスコ内、及び攪拌羽根に付着した凝集物も回収した。回収した凝集物を水洗後、105℃で2時間乾燥し、凝集物の質量[M1]を求めた。エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体として使用したモノマーの総質量を[M2]とし、以下の算出式で凝集物の生成割合を算出し、重合安定性の指標とした。当該生成割合が小さい場合、粒子径の小さい重合体が効率的に生成しており、重合安定性が高いと言える。
凝集物の生成割合[%]=[M1]/[M2]×100
[粒子径の測定]
大塚電子株式会社製のダイナミック光散乱光度計「DLS−8000」を用いて、調製した水性エマルションの平均粒径を測定した。
大塚電子株式会社製のダイナミック光散乱光度計「DLS−8000」を用いて、調製した水性エマルションの平均粒径を測定した。
[グラフトポリマー比率の算出]
調製した水性エマルションをポリエチレンフィルムの上にバーコーターを用いて塗工し、熱風乾燥機を用いて40℃で16時間乾燥した後、さらに40℃、1.3Paの真空乾燥機内で終夜乾燥して、厚さ0.5mmの乾燥塗膜を作製し、その乾燥重量[W1]を計測した。得られた乾燥塗膜を100℃の水中に浸漬し、100℃のまま8時間水抽出処理を行った。その後、水抽出処理後の塗膜を25℃のアセトン中で8時間アセトン抽出処理を行った。アセトン抽出処理後の塗膜を40℃、1.3Paの真空乾燥機内で終夜乾燥して、残塗膜の乾燥重量[W2]を計測した。下記の式から、重合物中のグラフト体の割合をグラフトポリマー比率として算出した。
グラフトポリマー比率[%]=[W2]/[W1]×100
調製した水性エマルションをポリエチレンフィルムの上にバーコーターを用いて塗工し、熱風乾燥機を用いて40℃で16時間乾燥した後、さらに40℃、1.3Paの真空乾燥機内で終夜乾燥して、厚さ0.5mmの乾燥塗膜を作製し、その乾燥重量[W1]を計測した。得られた乾燥塗膜を100℃の水中に浸漬し、100℃のまま8時間水抽出処理を行った。その後、水抽出処理後の塗膜を25℃のアセトン中で8時間アセトン抽出処理を行った。アセトン抽出処理後の塗膜を40℃、1.3Paの真空乾燥機内で終夜乾燥して、残塗膜の乾燥重量[W2]を計測した。下記の式から、重合物中のグラフト体の割合をグラフトポリマー比率として算出した。
グラフトポリマー比率[%]=[W2]/[W1]×100
[機械的安定性の評価]
マロン式機械的安定性測定装置を用いて、調製した水性エマルション50g,荷重20kg,10分間の条件で試験したのち、被験液を80メッシュの金網で濾過し、金網上の凝固物を濾別した。凝固物の乾燥重量を測定し、次式により凝固率を求めた。本数値が小さいほど機械的安定性が高いことを意味する。
凝固率[%]=〔凝固物重量(乾燥分)(g)/(50(g)×水性エマルションの固形分濃度)〕×100
なお、上記した水性エマルションの固形分濃度は次の方法で求めた。調製した水性エマルション2gをアルミカップに測りとり、重合禁止剤として1%ヒドロキノン水溶液を0.5mL添加した後、170℃のホットプレート上に20分静置し乾固させた。加熱後にアルミカップに残った乾固物の質量を測定し、次式により算出した。
水性エマルションの固形分濃度[%]=乾固物の質量(g)/2(g)×100
マロン式機械的安定性測定装置を用いて、調製した水性エマルション50g,荷重20kg,10分間の条件で試験したのち、被験液を80メッシュの金網で濾過し、金網上の凝固物を濾別した。凝固物の乾燥重量を測定し、次式により凝固率を求めた。本数値が小さいほど機械的安定性が高いことを意味する。
凝固率[%]=〔凝固物重量(乾燥分)(g)/(50(g)×水性エマルションの固形分濃度)〕×100
なお、上記した水性エマルションの固形分濃度は次の方法で求めた。調製した水性エマルション2gをアルミカップに測りとり、重合禁止剤として1%ヒドロキノン水溶液を0.5mL添加した後、170℃のホットプレート上に20分静置し乾固させた。加熱後にアルミカップに残った乾固物の質量を測定し、次式により算出した。
水性エマルションの固形分濃度[%]=乾固物の質量(g)/2(g)×100
[耐水性の評価]
調製した水性エマルションを40℃で16時間乾燥して、厚さが約0.5mmの皮膜を作製した。得られた皮膜を沸騰水中に1時間浸漬し、沸騰水から取り出して、40℃で12時間真空乾燥した後に質量[W3]を測定した。得られた質量[W3]と浸漬前の質量[W4]とから、以下の式に従って煮沸条件下における溶出率を算出した。そして、この溶出率を耐水性の指標とした。本数値が低いほど耐水性が高いことを意味する。
溶出率(質量%)=100×([W4]−[W3])/[W4]
調製した水性エマルションを40℃で16時間乾燥して、厚さが約0.5mmの皮膜を作製した。得られた皮膜を沸騰水中に1時間浸漬し、沸騰水から取り出して、40℃で12時間真空乾燥した後に質量[W3]を測定した。得られた質量[W3]と浸漬前の質量[W4]とから、以下の式に従って煮沸条件下における溶出率を算出した。そして、この溶出率を耐水性の指標とした。本数値が低いほど耐水性が高いことを意味する。
溶出率(質量%)=100×([W4]−[W3])/[W4]
[合成例1]
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、ジメチルスルホキシド(DMSO)315質量部/メタクリル酸メチル(MMA)585質量部を仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA5−88)160質量部、酢酸ナトリウム2.3質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、1時間反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂10部とメタノール50部をスクリュー管に入れ、攪拌機で10分間攪拌し洗浄した。メタノールを入れ替えて同様の作業を繰り返した後、ろ過し、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、側鎖にメタクリロイル基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂[PVOH−A]を得た。結果を表1に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、ジメチルスルホキシド(DMSO)315質量部/メタクリル酸メチル(MMA)585質量部を仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA5−88)160質量部、酢酸ナトリウム2.3質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、1時間反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂10部とメタノール50部をスクリュー管に入れ、攪拌機で10分間攪拌し洗浄した。メタノールを入れ替えて同様の作業を繰り返した後、ろ過し、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、側鎖にメタクリロイル基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂[PVOH−A]を得た。結果を表1に示す。
[合成例2]
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO315質量部/3,3−ジメチル−4−ペンテン酸メチル585質量部を仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA5−88)160質量部、ナトリウムメトキシド1.5質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、45分反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂10部とメタノール50部をスクリュー管に入れ、攪拌機で10分間攪拌し洗浄した。メタノールを入れ替えて同様の作業を繰り返した後、ろ過し、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、側鎖に3,3−ジメチル−4−ペンテン酸由来のアシル基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂[PVOH−B]を得た。結果を表1に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO315質量部/3,3−ジメチル−4−ペンテン酸メチル585質量部を仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA5−88)160質量部、ナトリウムメトキシド1.5質量部、フェノチアジン2質量部を加え80℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に100℃に昇温して反応を開始し、45分反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂10部とメタノール50部をスクリュー管に入れ、攪拌機で10分間攪拌し洗浄した。メタノールを入れ替えて同様の作業を繰り返した後、ろ過し、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、側鎖に3,3−ジメチル−4−ペンテン酸由来のアシル基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂[PVOH−B]を得た。結果を表1に示す。
[合成例3]
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO315質量部/アクリル酸メチル585質量部を仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA5−88)160質量部、酢酸ナトリウム1.1質量部、フェノチアジン2質量部を加え60℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に80℃に昇温して反応を開始し、1時間反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂10部とメタノール50部をスクリュー管に入れ、攪拌機で10分間攪拌し洗浄した。メタノールを入れ替えて同様の作業を繰り返した後、ろ過し、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、側鎖にアクリロイル基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂[PVOH−C]を得た。結果を表1に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO315質量部/アクリル酸メチル585質量部を仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA5−88)160質量部、酢酸ナトリウム1.1質量部、フェノチアジン2質量部を加え60℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に80℃に昇温して反応を開始し、1時間反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂10部とメタノール50部をスクリュー管に入れ、攪拌機で10分間攪拌し洗浄した。メタノールを入れ替えて同様の作業を繰り返した後、ろ過し、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、側鎖にアクリロイル基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂[PVOH−C]を得た。結果を表1に示す。
[合成例4]
攪拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル640質量部、メタノール160質量部、チオ酢酸(チオール酢酸)0.26質量部を仕込み、アルゴンバブリングをしながら30分間系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.26質量部を加え、直ちにチオ酢酸4.5質量部を含むメタノール溶液16質量部を300分にわたって均一に加え重合した後、冷却して重合を停止した。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、酢酸ビニル重合体のメタノール溶液(濃度53.4%)を得た。次に、このメタノール溶液74.9質量部に5.81質量部の水酸化ナトリウムメタノール溶液(濃度16%)を添加して、40℃でけん化を行った。反応中に生成したゲル状物を粉砕機にて粉砕し、粉砕物を反応器に戻して40℃のまま計60分間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル100質量部と水10質量部を加えて残存するアルカリを中和した。内容物を濾別して白色固体を得、これにメタノール1000gを加えて、窒素気流下で1時間加熱還流した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、得られた白色固体を40℃、1.3Paの真空乾燥機内で終夜乾燥して、ポリマー末端にメルカプト基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂[PVOH−E]を得た。PVОH−Eは、ヨウ素滴定から求めたメルカプト基の含有量が1gあたり5.2×10−5当量であり、反応機構も合わせて考えると、片末端にメルカプト基を有するPVOHである。結果を表1に示す。
攪拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル640質量部、メタノール160質量部、チオ酢酸(チオール酢酸)0.26質量部を仕込み、アルゴンバブリングをしながら30分間系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.26質量部を加え、直ちにチオ酢酸4.5質量部を含むメタノール溶液16質量部を300分にわたって均一に加え重合した後、冷却して重合を停止した。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、酢酸ビニル重合体のメタノール溶液(濃度53.4%)を得た。次に、このメタノール溶液74.9質量部に5.81質量部の水酸化ナトリウムメタノール溶液(濃度16%)を添加して、40℃でけん化を行った。反応中に生成したゲル状物を粉砕機にて粉砕し、粉砕物を反応器に戻して40℃のまま計60分間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル100質量部と水10質量部を加えて残存するアルカリを中和した。内容物を濾別して白色固体を得、これにメタノール1000gを加えて、窒素気流下で1時間加熱還流した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、得られた白色固体を40℃、1.3Paの真空乾燥機内で終夜乾燥して、ポリマー末端にメルカプト基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂[PVOH−E]を得た。PVОH−Eは、ヨウ素滴定から求めたメルカプト基の含有量が1gあたり5.2×10−5当量であり、反応機構も合わせて考えると、片末端にメルカプト基を有するPVOHである。結果を表1に示す。
[合成例5]
攪拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル640質量部、メタノール1213質量部、コモノマーとして3,4−ジアセトキシ−1−ブテン39.6質量部を仕込み、アルゴンバブリングをしながら30分間系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.25gを添加し重合を開始した。60℃で280分重合した後、冷却して重合を停止した。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの共重合体のメタノール溶液(濃度44.1%)を得た。次に、このメタノール溶液90.7質量部にメタノール7.8質量部を加え、さらに、1.49質量部の水酸化ナトリウムメタノール溶液(濃度10%)を添加して、40℃でけん化を行った。反応中に生成したゲル状物を粉砕機にて粉砕し、粉砕物を反応器に戻して40℃のまま計60分間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル100質量部と水10質量部を加えて残存するアルカリを中和した。内容物を濾別して白色固体を得、これにメタノール1000gを加えて1時間加熱還流した。メタノールを入れ替えて同様の操作を3回繰り返した後、得られた白色固体を40℃、1.3Paの真空乾燥機内で終夜乾燥して、側鎖に1,2−ジオール単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂[PVOH−F]を得た。結果を表1に示す。
攪拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル640質量部、メタノール1213質量部、コモノマーとして3,4−ジアセトキシ−1−ブテン39.6質量部を仕込み、アルゴンバブリングをしながら30分間系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.25gを添加し重合を開始した。60℃で280分重合した後、冷却して重合を停止した。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの共重合体のメタノール溶液(濃度44.1%)を得た。次に、このメタノール溶液90.7質量部にメタノール7.8質量部を加え、さらに、1.49質量部の水酸化ナトリウムメタノール溶液(濃度10%)を添加して、40℃でけん化を行った。反応中に生成したゲル状物を粉砕機にて粉砕し、粉砕物を反応器に戻して40℃のまま計60分間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル100質量部と水10質量部を加えて残存するアルカリを中和した。内容物を濾別して白色固体を得、これにメタノール1000gを加えて1時間加熱還流した。メタノールを入れ替えて同様の操作を3回繰り返した後、得られた白色固体を40℃、1.3Paの真空乾燥機内で終夜乾燥して、側鎖に1,2−ジオール単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂[PVOH−F]を得た。結果を表1に示す。
[合成例6]
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO315質量部/アクリル酸メチル585質量部を仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA5−88)160質量部、酢酸ナトリウム1.1質量部、フェノチアジン2質量部を加え60℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に80℃に昇温して反応を開始し、5時間反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂10部とメタノール50部をスクリュー管に入れ、攪拌機で10分間攪拌し洗浄した。メタノールを入れ替えて同様の作業を繰り返した後、ろ過し、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、側鎖にアクリロイル基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂[PVOH−G]を得た。結果を表1に示す。
攪拌機、還流管、添加口を備えた反応器に、DMSO315質量部/アクリル酸メチル585質量部を仕込み、室温で撹拌しながら市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA5−88)160質量部、酢酸ナトリウム1.1質量部、フェノチアジン2質量部を加え60℃で攪拌しスラリー溶液を得た。1時間後に80℃に昇温して反応を開始し、5時間反応させた後室温まで冷却し、ポリエチレンテレフタレートメッシュ(目開き56μm)でろ別した。ろ別した未乾燥の樹脂10部とメタノール50部をスクリュー管に入れ、攪拌機で10分間攪拌し洗浄した。メタノールを入れ替えて同様の作業を繰り返した後、ろ過し、40℃、1.3Paの真空乾燥機で終夜乾燥させて、側鎖にアクリロイル基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂[PVOH−G]を得た。結果を表1に示す。
[実施例1]
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水190質量部、合成例1で得られたPVOH−Aを10質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10質量部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル(MMA)20質量部、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)20質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま2時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。得られた水性エマルションはモノマー転化率99%以上の乳白色のエマルションであった。
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水190質量部、合成例1で得られたPVOH−Aを10質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10質量部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル(MMA)20質量部、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)20質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま2時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。得られた水性エマルションはモノマー転化率99%以上の乳白色のエマルションであった。
[実施例2]
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水190質量部、合成例1で得られたPVOH−Aを15質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液質量10部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル50質量部、アクリル酸ブチル(n−BA)50質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま3時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。得られた水性エマルションはモノマー転化率99%以上の乳白色のエマルションであった。
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水190質量部、合成例1で得られたPVOH−Aを15質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液質量10部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル50質量部、アクリル酸ブチル(n−BA)50質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま3時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。得られた水性エマルションはモノマー転化率99%以上の乳白色のエマルションであった。
[実施例3]
合成例1で得られたPVOH−Aを20質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10質量部、スチレン(St)20質量部、アクリル酸ブチル40質量部、イオン交換水190部を混合してエマルションを調整した。攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器に上記混合エマルション56部を仕込み、70℃に昇温し重合させた。続いて、残りのエマルション224部を3時間かけて滴下し、70℃のまま3時間重合した。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。得られた水性エマルションはモノマー転化率80%以上の乳白色のエマルションであった。
合成例1で得られたPVOH−Aを20質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10質量部、スチレン(St)20質量部、アクリル酸ブチル40質量部、イオン交換水190部を混合してエマルションを調整した。攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器に上記混合エマルション56部を仕込み、70℃に昇温し重合させた。続いて、残りのエマルション224部を3時間かけて滴下し、70℃のまま3時間重合した。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。得られた水性エマルションはモノマー転化率80%以上の乳白色のエマルションであった。
[実施例4]
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水190質量部、合成例2で得られたPVOH−Bを20質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10質量部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル60質量部、2−エチルヘキシルアクリレート60質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま4時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。得られた水性エマルションはモノマー転化率99%以上の乳白色のエマルションであった。
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水190質量部、合成例2で得られたPVOH−Bを20質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10質量部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル60質量部、2−エチルヘキシルアクリレート60質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま4時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。得られた水性エマルションはモノマー転化率99%以上の乳白色のエマルションであった。
[実施例5]
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水1900質量部、合成例3で得られたPVOH−Cを10質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10質量部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル30質量部、アクリル酸ブチル30質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま3時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。得られた水性エマルションはモノマー転化率99%以上の乳白色のエマルションであった。
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水1900質量部、合成例3で得られたPVOH−Cを10質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10質量部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル30質量部、アクリル酸ブチル30質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま3時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。得られた水性エマルションはモノマー転化率99%以上の乳白色のエマルションであった。
[比較例1]
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水190質量部、市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA5−88)[PVOH−D]を15質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10質量部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル50質量部、アクリル酸ブチル50質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま3時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。得られた水性エマルションはモノマー転化率99%以上の乳白色のエマルションであった。
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水190質量部、市販のポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製 PVA5−88)[PVOH−D]を15質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10質量部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル50質量部、アクリル酸ブチル50質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま3時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。得られた水性エマルションはモノマー転化率99%以上の乳白色のエマルションであった。
[比較例2]
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水190質量部、合成例4で得られたPVOH−Eを15質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10質量部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル50質量部、アクリル酸ブチル50質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま3時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。得られた水性エマルションはモノマー転化率99%以上の乳白色のエマルションであった。
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水190質量部、合成例4で得られたPVOH−Eを15質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10質量部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル50質量部、アクリル酸ブチル50質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま3時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。得られた水性エマルションはモノマー転化率99%以上の乳白色のエマルションであった。
[比較例3]
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水190質量部、合成例5で得られたPVOH−Fを15質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10質量部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル50質量部、アクリル酸ブチル50質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま3時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。得られた水性エマルションはモノマー転化率99%以上の乳白色のエマルションであった。
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水190質量部、合成例5で得られたPVOH−Fを15質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10質量部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル50質量部、アクリル酸ブチル50質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下し、70℃のまま3時間重合し、さらに90℃で1時間重合を行った。室温まで冷却後、目的の水性エマルションを得た。得られた水性エマルションはモノマー転化率99%以上の乳白色のエマルションであった。
[比較例4]
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水190質量部、合成例6で得られたPVOH−Gを15質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10質量部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル50質量部、アクリル酸ブチル50質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下したところ、滴下終了後30分程度で系全体が膨潤してしまい、安定に重合をすることができなかった。したがって、目的とする水性エマルションは得られず、以後の解析は実施不可能であった。
攪拌機、窒素導入管、温度計、および還流冷却器を付けた反応器にイオン交換水190質量部、合成例6で得られたPVOH−Gを15質量部、0.1%過硫酸カリウム水溶液10質量部を仕込み、窒素置換後、撹拌下に70℃でメタクリル酸メチル50質量部、アクリル酸ブチル50質量部の混合モノマーをフィードポンプにより2mL/minで滴下したところ、滴下終了後30分程度で系全体が膨潤してしまい、安定に重合をすることができなかった。したがって、目的とする水性エマルションは得られず、以後の解析は実施不可能であった。
本発明の水性エマルションは、エマルション粒子を小径化するためにPVOHを多量に添加した場合でも、塗膜の耐水性が高く、エマルションの機械的安定性にも優れている。また、アクリルやスチレン等の単量体の乳化重合において安定したエマルションを形成することができ、それらのエマルションからは耐水性に優れた乾燥皮膜を得ることができる。
比較例1のように変性されていないPVOHを分散剤に用いた場合、PVOHはエマルション粒子表面に物理的に吸着する成分がほとんどであり、耐水性に劣る。比較例2、3のような変性PVOHではグラフト率は改善するが不十分であり、耐水性やエマルションの機械的安定性に劣る。比較例4のように変性量が多い場合は、変性PVOHの反応性が著しく高いため、安定に重合をすることができず、目的とする水性エマルションを得ることができない。
Claims (5)
- エチレン性不飽和単量体の重合体またはジエン系単量体の重合体を分散質とし、側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂を分散剤とした水性エマルションであって、前記重合体と前記変性ポリビニルアルコール樹脂とが、変性ポリビニルアルコール樹脂が有する側鎖のエチレン性不飽和基を介して結合しており、平均粒径が50nm〜2000nmである、水性エマルション。
- 前記変性ポリビニルアルコール樹脂が、側鎖のエチレン性不飽和基として、下記式[II]または[III]で示される構造単位を有する変性ポリビニルアルコール樹脂である、請求項1または2に記載の水性エマルション。
- 前記重合体が、エチレン性不飽和単量体の重合体であり、エチレン性不飽和単量体の重合体がアクリル系単量体からなる構造単位を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性エマルション。
- 側鎖にエチレン性不飽和基を有する変性ポリビニルアルコール樹脂を分散剤として、エチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体を水中に分散させ、乳化重合を行う水性エマルションの製造方法であって、
前記変性ポリビニルアルコール樹脂の全構造単位におけるエチレン性不飽和基の含有量が0.05モル%を超え1.1モル%以下であることを特徴とする水性エマルションの製造方法。
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Citations (2)
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WO2007119735A1 (ja) * | 2006-04-12 | 2007-10-25 | Kuraray Co., Ltd. | 分散安定剤 |
WO2014171502A1 (ja) * | 2013-04-19 | 2014-10-23 | 株式会社クラレ | ビニルアルコール系共重合体及びその製造方法 |
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2018
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