JP2019503785A - 飲料カプセル - Google Patents

Abstract

飲料調製装置用の飲料カプセル（１００）は、注入膜（１１２）によって密閉されており、ある量の飲料原材料（１１０）が配置されるキャビティ（１０８）を形成しているカップ形状のカプセル本体（１０２）と、カプセル本体（１０２）に、キャビティ（１０８）と連通して配置された出口（１１６）とを備え、飲料カプセル（１００）は、カプセル本体（１０２）からキャビティ（１０８）内に延びる長尺状部材（１２０）を更に備え、カプセル本体（１０２）の長尺状部材（１２０）の遠位側の先端部（１２２）から出口（１１６）まで長尺状部材（１２０）を貫いて延びている流路（１３０）を有し、キャビティ（１０８）は、流路（１３０）のみを通じて出口（１１６）と流体連通する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、飲料調製装置用の飲料カプセルに関するものであるとともに、このようなカプセルを使用して飲料を調製する方法に関する。

１杯分を供給する飲料調製マシンは、食品業界及び消費財分野において既知である。このようなマシンは、消費者が命令によって、ドリップコーヒー、エスプレッソコーヒー、茶、ホットチョコレートドリンクなどの飲料を１杯分、又は更にはスープ若しくは乳児用調製粉乳製品などの液体食品を調製することを可能にする。

ほとんどの家庭用飲料調製マシンは、特に剛性又は半剛性カプセルの形態の個々の容器内に飲料原材料が１杯分のポーションで提供されるシステムによって動作する。このようなカプセルは、通常、気密封止されているため、使用までカプセル内の飲料原材料の鮮度及び品質が維持される。

１杯の飲料を調整するために、まず、カプセルを、これを受け入れるように適合された飲料調製装置（「飲料マシン」）に挿入する。飲料マシンは、ある量の水を加熱して飲料カプセル内に導入する手段を備え、加熱された水を飲料原材料と組み合わせて飲料を生成する。

水は圧を上昇させて注入してもよく（例えばエスプレッソコーヒーカプセル用）、又は単に大気圧でカプセル内に送ってもよい（例えばドリップコーヒー用）。カプセルが気密封止された形態で提供される場合、飲料マシンは、中空の注入針を有利に備えてもよい。中空の注入針は、カプセルの気密封止を破ること、及び加熱された水を注入して飲料を生成することの両方のために使用される。

調製されると、カプセルの出口から待機容器に飲料が注出され消費される。カプセルの気密封止を維持するために、カプセルの出口は、飲料調製プロセスが開始される（この時点で、シールが破られ、出口が開放されて、カプセルから飲料を流出させる）まで密封状態に維持される。

飲料が調製され注出された後、飲料カプセル内に少量の液体が残留していることがある。特に、カプセルが廃棄のために飲料マシンから取り外されると、この残留液体はカプセルから液だれする可能性がある。このような液だれは、ユーザの手や衣服等を汚す場合があり、一般的には、飲料調製システムの操作の清潔さ及び利便性を低下させる場合がある。

このような液だれ及び残留流体の問題は、残留流体が一般に残留飲料原材料中に保持される浸出原材料（例えば、使用済みコーヒーかす及び茶葉の場合）に対して、可溶性飲料原材料が使用される場合には特に深刻である。

これらの困難を解決しようとする試みが行われている。例えば、飲料カプセルは、出口に配置されたバルブを含んでもよく、このバルブは、カプセル内に水が注入されると、飲料調製が完了すると再び閉鎖する。このように構成されたカプセルは実際に液だれを低減又は防止するが、このようなバルブを備えていない容器に対して複雑さ及びコストは増加する。また、このようなバルブは、注入される水の圧力で開くように構成されていることが多いため、周囲圧力下で単に水をカプセル内に導く飲料マシンには不適合である。

このため、上述の欠点を解決する飲料カプセルを提供することに対するニーズがある。

この目的のため、本発明は、第１端部と第２端部とを有し、キャビティを形成している実質的にカップ形状のカプセル本体と、第２端部に、キャビティと連通して配置された出口と、キャビティを閉じるように、第１端部に配置された注入膜と、キャビティ内に配置されたある量の飲料原材料とを備える飲料調製装置用の飲料カプセルに関する。

第１の態様によれば、飲料カプセルは、第２端部からキャビティ内に延びている長尺状部材と、長尺状部材のうち第２端部とは反対側の先端部から長尺状部材を貫いて延びている流路とを更に備え、キャビティは、流路のみを通じて出口と流体連通している。

このように構成された飲料カプセルは、水の注入が停止すると、このように構成された長尺状部材がカプセルからの飲料の液だれを防止するという点で有利である。

より具体的には、注入された水が飲料原材料と混合されるキャビティと長尺状部材のオリフィスとの間の唯一の流体連通は第２端部とは反対側の先端部において設けられており、飲料を生成するためにカプセル本体内に注入される液体は液体がオリフィスへと「溢れる」地点までキャビティに充填されなければならず、その後、流路及び出口を流れて待機容器に注出され、消費される。

これにより、飲料マシンがカプセル内に水を注入しなくなると、流路内に水が溢れることはなくなる。残液がカプセル内に保持されるため、これによりカプセルからの液だれは防止される。

長尺状部材を使用することで、特に可溶性原材料から飲料を調製するために使用される低圧において、飲料原材料の均一な混合及び溶解も促進する。これにより、どのカプセルでもより一貫したより高品質の飲料を得られる。

可能な実施形態では、長尺状部材のうち第２端部とは反対側の先端部には、先端部の周囲の少なくとも一部に間隙又は切り欠きが設けられている。

このような間隙／又は切り欠きは、飲料が長尺状部材の高さより低いカプセル内の高さに達したときに飲料を流路内に流入させ、出口から排出させ、飲料の高さが間隙及び／又は切り欠きの底部よりも下になるまで流し続ける。

これにより、カプセル内の液体の挙動、特に、注入された水が飲料原材料と混合する際の、液体のカプセル内での挙動をより柔軟かつ精度良く制御する。

好適な実施形態では、注入膜がキャビティ内に撓んだときに、注入膜が長尺状部材の先端部を圧迫するように、長尺状部材のうち第２端部とは反対側の先端部は、注入膜に近接して配置されている。

これは、長尺状部材が注入膜に近接することにより、押されたときに注入膜の撓みに対するある程度の抵抗を与えるという点で、有利である。これにより、注入膜が偶発的に破れることを回避する。

好適な実施形態では、長尺状部材は、第１の、引込位置と、出口に配置されて出口を密閉している出口膜が長尺状部材によって破られる、第２の、突出位置との間で移動する。

このことは、出口膜を破るための長尺状部材を用いることにより、ユーザが自身でこの膜を除去したり、別の方法でカプセルを操作したりする必要がなくなる点で、有利である。このような構成によれば、飲料カプセル内の圧力を上昇させて出口膜を破る必要もなくなる。この構成は、低圧飲料マシンでは不可能である又は望ましくない可能性のある構成である。

また、カプセル出口を開口させるために長尺状部材を使用することは、飲料カプセルを穿孔する又は別の方法で開くために飲料マシンのカプセル受け部内に任意の補助的な構造を必要としない点で有利である。

このように、（飲料を調製するため、さもなければ水を注入する必要がある以外に、長尺状部材を直接操作したり飲料カプセルを開けたりする必要なく、出口膜を破ることができる。

また、飲料カプセルの長尺状部材のうち第２端部とは反対側の先端部が注入膜に近接して配置されるように長尺状部材が構成されている場合、これは特に有利であることに留意すべきである。

具体的には、このようなカプセルにおいて、可動長尺状部材を、その端部を注入膜を貫いて押すだけで変位させてもよい。これは、例えば、飲料マシンのカプセル受け部に設けられた構造によって、又は、ユーザが、指定された場所で注入膜を押し、長尺状部材を第２の、突出位置へと押し込むことによって実施してもよい。

より有利なのは、切り欠き／間隙（単数又は複数）がキャビティの全容積より少ない、及びおそらくは大幅に少ないカプセル内の飲料の量を維持するように構成されている一方で、長尺状部材を非常に長く作製して撓みを最小限にすることができるという点で、上述の少なくとも１つの間隙及び／又は切り欠きが長尺状部材に設けられる構成である。このように構成されたカプセルは、構成の柔軟性と使用時の信頼性とを両立させることができる。

最も好ましくは、長尺状部材は、第１の、引込位置へと偏倚されている。

長尺状部材は、液体の注入が完了すると、第１の、引込位置に自然に戻るように構成することができ、流路のオリフィス（単数又は複数）をカプセル内に保持された飲料液の高さより上に上昇させるという点で、このことは有利である。これにより、カプセルが装置から取り出される際の液だれ及び漏れに対する抵抗を更に提供する。

可能な実施形態では、長尺状部材は、実質的に円筒状である。

このような部材は、長尺状部材の体積に対する長尺状部材の強度を最大にし、それにより、その製造に必要な材料の量、ひいては、その実施の際に生じる付加的なコスト及び重量を最小限にする。

可能な実施形態では、長尺状部材は、飲料カプセルの長手方向軸線を中心とした回転体であり、長尺状部材は、長手方向軸線に平行な平面において略「Ｍ」字形の断面を有し、出口に近接する長尺状部材の頂点にオリフィスが配置されている。

このように構成された長尺状部材は、Ｗ字形の断面がその長手方向の圧縮に対する大きな抵抗を与えるのと同時に、高い最大流量がカプセルを通るための非常に大きな流路を提供することを可能にするという点で特に有利である。

可能な実施形態では、長尺状部材は、リビングヒンジによってカプセル本体に取り付けられている。

このように構成されたカプセルには、単純かつ経済的な方法で可動長尺状部材が設けられる。また、リビングヒンジは、水密及び気密であるという利点を有しているため、ユーザは、単一の単純な構造によって、長尺状部材を関節運動させ、かつ長尺状部材とカプセル本体との間を密封することができる。

別の可能な実施形態では、カプセル本体と長尺状部材は少なくとも３つの重ねられた層を備え、少なくとも３つの重ねられた層の中間層が酸素バリアを形成するように、カプセル本体と長尺状部材は、少なくとも２つの異なるプラスチック材料の共射出成形によって形成されている。

共射出成形による作製は、射出成形のコスト及び簡便さを損なうことなく、長尺状部材とカプセル本体とを異なる材料で作製することを可能にする。特に、酸素バリアとして機能する層を設けることは、キャビティ内への酸素の侵入を防止し、その後の飲料原材料の腐敗又は劣化を防止するという点で特に有利である。

また、層を重ねた構成で配置することにより、層の異なる特性の使用を最適化する。例えば、飲料原材料と接触する内層は、熱及び水に対して特に耐性のある材料で形成されていてもよい。同様に、外層は、構造的強度を提供し、操作に耐え、内層（単数又は複数）を保護する材料で設けられてもよい。これにより、飲料カプセルの品質を特定の用途ごとに最適化する。

更に別の可能な実施形態では、長尺状部材は、カプセル本体と一体形成されている。

得られる飲料カプセルは、最小限の製造工程で作製され、コストを低減する。

あるいは、カプセル本体と長尺状部材は、別々に形成された後に組み合わせられている。

このようにして、構成要素を１つのユニットとして一緒に作製するよりも、カプセル本体及び長尺状部材両方のより複雑な形態が実現され得る。

第２の態様によれば、本発明は、飲料を調製するための方法であって、上記のような飲料カプセルを用意するステップと、飲料カプセルのキャビティにある量の水を注入して飲料を生成するステップと、長尺状部材の流路及び出口を通じて飲料を注出するステップとを含む方法に関する。

このようにして、飲料カプセルの利点は、飲料の１杯分のポーションを作製するという行為において実現される。

可能な実施形態では、当該方法は、用意するステップの後に、開くステップを更に含み、開くステップでは、出口膜を破るように、長尺状部材が第１の、引込位置から第２の、突出位置へと変位される。

これにより、ユーザによる最小限の操作で、かつ必要とせずに、出口膜が開かれ、カプセルが飲料を注出する準備が整えられる。

好ましくは、開くステップは、注入膜が変位して長尺状部材の先端部に接触するように、注入膜に力をかけるステップを含み、この力は結果的に長尺状部材にかかる。

これは、長尺状部材が第２の、突出位置へと変位され、それによって、カプセルを開く必要も長尺状部材を直接操作する必要もなく出口膜が破られるという点で、有利である。

これにより、カプセルの清浄度が高いレベルで維持され、その動作の簡便性が最大化される。

特に、これは、飲料カプセルが配置される飲料調製装置のカプセル受け部の相補的な構造によって実施されてもよい。

これにより、カプセルを飲料マシンに配置する際に、カプセルを開けること、即ち注入針により注入膜を穿孔し出口膜を破ることが、１つの制御されたステップで実施される。これにより、カプセルの使用が簡略化され、その利点がより一貫して実現される。

本発明の他の特徴及び利点については、以下に図面を参照して説明する本発明の好適な実施形態の説明に記載しており、そこから明らかとなろう。

初期密閉状態における、本発明の実施形態による飲料カプセルの断面図である。 飲料調製中の図１の飲料カプセルの断面図である。 飲料調製後の図１の飲料カプセルの断面図である。

図１に、本発明の実施形態は飲料カプセル１００の形態で図示されており、断面で示されている。

飲料カプセル１００はカプセル本体１０２を備え、カプセル本体１０２は、第１端部１０４と第２端部１０６とを有する。図１に示すように、カプセル本体１０２はその内部にキャビティ１０８を形成するように実質的にカップ形状であり、キャビティ１０８内に１杯分の飲料原材料１１０が提供されている。

飲料原材料１１０は、適切な量の水と混合されると飲料を生成する少なくとも１つの物質の単一ポーションである。これには、浸出により飲料を生成する物質、例えば、挽いたコーヒー又は茶葉を含んでもよい。しかしながら、本実施形態では、飲料原材料１１０は、可溶性、例えば、凍結乾燥コーヒー及び粉乳である。

飲料カプセル１００の第１端部１０４にはエンクロージャが設けられている。エンクロージャは注入膜１１２の形態であり、第１端部１０４にわたって延び、リム１１４に封止されている。注入膜１１２は、柔軟で弾力性のある材料の薄いシートであるか、又はおそらくはいくつかの材料の積層体であり、飲料カプセル１００への空気、光、及び水分の侵入に対するバリアを形成する。

第２端部１０６には出口１１６が設けられており、出口１１６自体は出口膜１１８で密封されている。注入膜１１２と同様に、出口膜１１８は可撓性材料の薄いシートであり、その周囲に沿って出口１１６に封止されている。

これにより、飲料カプセル１００は、飲料の調製中に注入膜１１２及び出口膜１１８が破られるまで気密封止される。

飲料カプセル１００には更に、長尺状部材１２０が設けられている。長尺状部材１２０は、飲料カプセル１００の第２端部１０６からキャビティ１０８内に、注入膜１１２に近接する高さまで延びている。

カプセル本体１０２を製造するために使用し得る多数の異なる方法がある。本実施形態では、長尺状部材１２０の複雑な形態を迅速かつ効率的に製造することから、射出成形、特に共射出成形が好適である。しかしながら、他の実施形態では、カプセル本体と長尺状部材を別々に製作した後に組み立て工程においてそれらを互いに結合することを想定してもよい。

共射出成形は、カプセル本体１０２と飲料カプセル１００の他の部分を、積層構造又は他の堆積構成で作製するために使用することができ、その層及び／又は構成構造のそれぞれに異なる材料が用いられるという点で特に有利である。これにより、各層に使用される材料を、それらの欠点を最小限にしながら、それぞれの属性が最大になるように選択することができる。

例えば、３層のカプセル本体１０２を想定してもよい。内層は、飲料の調製中に水の注入をよりよく管理するために、熱及び水の浸入に対して耐性のある材料から作製してもよい。カプセル本体１０２の外層は、強靭で弾力性のあるプラスチックから製作されてもよく、これにより飲料カプセル１００に構造的抵抗及び剛性をもたらす。また、中間層は、酸素不透過性材料で最適に作製してもよく、これにより飲料カプセルへの酸素の侵入を防止し、飲料カプセル内の飲料原材料の劣化及び／又は腐敗を防止する酸素バリアを形成する。

当然、他の実施形態は異なる構成を想定してもよく、共射出成形される層の数、組成、及び他の属性は、飲料カプセルを使用する用途の態様に応じて変化させてもよい。

このカプセル本体１０２は、本実施形態では、熱可塑性材料から作製されている。しかしながら、より一般的には、ほとんどの場合、ポリプロピレン（ＰＰ）、エチレンビニルアルコール（ＥＶＯＨ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、その他のこうしたポリマー又はポリマーの組み合わせなどの食品グレード熱可塑性プラスチックから飲料カプセルを作製することを想定してもよい。ある実施形態では、アルミニウムカプセル本体（又はその構成部分）もまた使用してよい。

また、飲料カプセル（例えば、ヒンジ）のある特徴が、全体的な飲料カプセルの機能よりもその特徴の機能により適合した材料で作製され得るという点で、材料を組み合わせることが特に有利であると考えてもよい。

この目的のため、飲料カプセルの構成要素を１つの材料から製作し、その後、この材料を、例えば、他の材料でコーティングして、ある性能特性を実現することも望ましい場合がある。

例えば、飲料カプセル１００では、カプセル本体１０２の内部に酸化ケイ素蒸気バリアを堆積させて、キャビティ１０８内への水蒸気及び酸素の浸入を防止し、飲料原材料１１０から風味を持つ化合物が散逸するのを防いでもよい。

そのため、飲料カプセルに含まれる飲料、その調製の条件（例えば、水温、注入圧）、及びこのカプセルの使用が意図される飲料マシンの構成に応じて、飲料カプセルの正確な構成、組成、及び作製モードは、本明細書に記載される例示的な実施形態と大きく異なってもよいと理解される。

図１の実施形態に戻ると、長尺状部材１２０は、飲料カプセル１００の軸線Ｘを中心とした略Ｗ字形の断面の回転により形成される略円筒構造である。長尺状部材１２０は、出口１１６からその周囲に沿って、注入膜１１２に近接する先端部１２２まで延びている。次いで、長尺状部材１２０は下方に延び、出口膜１１８に近接する下部頂部１２４を形成している。

下部頂部１２４にはオリフィス１２６が設けられており、オリフィス１２６は、出口１１６から先端部１２２まで延びる流路１３０の一部を構成している。これにより、流路１３０を通るのはキャビティ１０８と出口１１８との間の流体連通経路のみである。

また、先端部１２２の一部分にわたって、この実施形態では間隙１３２の形態で、長尺状部材の高さが局所的に低減されている。本実施形態では、間隙１３２は長尺状部材１２０の単なる四角形の切り欠きであるが、当然、Ｖ字形の切り欠き又はスカラップ状の縁部など他の形態も同等に想定される可能性がある。この間隙の効果は、図２及び図３に関して更に詳述する。

当然、長尺状部材、流路、飲料カプセル、及びその空洞の形態、並びに他の物理的属性は様々であってもよいことは容易に認識されよう。特に、長尺状部材は、図１に記載の薄く折り畳まれた壁である長尺状部材１２０よりもむしろ、例えば実質的に中実の角柱状、円筒形、又は円錐台形状の構造として提供されてもよい。

ここで図２を参照すると、飲料２００を調製する過程の、水の注入中の飲料カプセル１００を示している。

飲料２００を調製する過程では、飲料２００を飲料カプセル１００の出口１１６から流出させるために、出口膜１１８を開かなければならない。

これを実現するため、長尺状部材１２０は、カプセル本体１０２に対して変位する。注入膜１１２に力Ｆを加えてこれをキャビティ１０８内に撓ませる。注入膜１１２は、長尺状部材１２０の先端部１２２に接触するまでキャビティ１０８内に撓む。

このとき、力Ｆが先端部１２２に加えられることにより、長尺状部材１２０は、ここで示される第２の、突出位置へと変位する。これにより、長尺状部材１２０の下部頂部１２４が出口膜１１８を穿孔して出口１１６を開く。

長尺状部材をカプセル本体の他の部分に対して移動させるために、いくつかの異なる手法を採用してもよい。本実施形態では、リビングヒンジ２０２が出口１６の周囲に沿って設けられており、そこから長尺状部材１２０が、カプセル本体１０２の厚みが局所的に減少した形態で延びている。このようなヒンジは、長尺状部材１２０とカプセル本体１０２との間の密封関係を維持しながら、飲料カプセル１００を単一部品で成形することを可能にするという点で望ましい。

代替的な実施形態では、この動きは、滑り継手によって、又は更には、力Ｆを加えることで変形するカプセル本体の押しつぶし可能部分若しくは脆弱部分によって可能にしてもよい。

また、カプセルの構造及び意図される飲料マシンの構造に応じて、飲料カプセルにいくつかの異なる手法で力Ｆを加えてもよい。例えば、圧力プレートなどの、飲料マシンに配置され、カプセルが装填されたときに力Ｆを加える相補的な構造があってもよい。あるいは、カプセルを装填する前に、ユーザが手動で簡単に力Ｆを加えてもよい。

出口１１６が開かれると、加熱された水の注入によって飲料２００を調製する。これを実現するために、注入膜１１２は中空の注入針２０４によって穿刺され、これにより、ある量の加熱された水２０６をキャビティ１０８内に導入する。加熱された水２０６が飲料原材料と混合されて飲料２００が生成される。

加熱された水２０６が注入されるにつれて、飲料２００は間隙１３２を通って溢れ、流路１３０を流下し、オリフィス１２６を通って出口１１６から出る。キャビティ１０８内での水２０６の旋回、及び本実施形態では注入針２０４の偏心配置により飲料２００の混合が促進される。

注入が完了し、所望の量の飲料が注出されると、カプセルは使い切られ、廃棄され得る。図３に、使い切られた飲料カプセル１００が示されている。注入針が取り外され、破れた注入膜１１２及び出口膜１１８が残っている。

長尺状部材１２０は、本図及び図１に示される第１の、引込位置へと偏倚されている。図２において、長尺状部材は、力Ｆの下で、第２の、突出位置へと変位されていることに留意されたい。ここで、図３では、力Ｆが解放され、長尺状部材１２０が第１の、引込位置に復帰している。この実施形態では、復帰は、カプセル本体１０２の弾性、特にリビングヒンジ２０２の構成及びカプセル本体１０２が作製されている材料の弾性特性によって生じる。

図２の記載から、力Ｆによって長尺状部材１２０が第２の、突出位置に位置付けられたとき、飲料カプセル１００内の飲料２００の高さは、間隙１３２の高さと同じであることに留意されたい。しかしながら、長尺状部材１２０が第１の、引込位置に戻ると、間隙１３２は、キャビティ１０８内に残っている飲料２００の高さをよりも上昇する。その結果、使用済みの飲料カプセル１００は、廃棄のために飲料マシンから取り外される際などの取り扱い時に液だれしたりこぼれたりしにくくなる。

間隙１３２は、本発明の諸特性、特に飲料カプセル１００内に提供される飲料原材料の種類に応じて、いくつかの異なる形態で設けられてもよいことに留意されたい。当業者であれば、飲料カプセル１００の間隙（又は場合により、複数の間隙）をこのような要因に従い容易に適合することができよう。

例えば、粉末状の飲料原材料を使用する場合には、飲料原材料の一部が加熱された水２０６の表面に少しの間浮遊することがある。このため、間隙１３２の形状を、これを通る飲料２００の流れを制限し、溶解されていない飲料原材料が長尺状部材１２０の流路１３０を通過しないように成形することが望ましい。

当然、飲料カプセルの構成は図１〜図３の実施形態で示されているものと異なっていてもよく、本発明の範囲を逸脱することなく多くのバリエーションが可能となることは理解されよう。

まず、長尺状部材は必ずしも可動である必要はなく、例えば、出口膜を開くために長尺状部材が必ずしも使用される必要がないことは理解されよう。例えば、飲料原材料の鮮度を維持する保護オーバーラッパーに飲料カプセルが封入された状態で、出口が開いたままで非密封状態にある飲料カプセルを提供してもよい。

あるいは実際、飲料カプセル出口にカバー又はシールを設けてもよく、このカバー又はシールは手動プルタブなどの他の手段によって飲料を調製する前に破られる。

いずれの場合においても、上記の原理に従い、本明細書による長尺状部材を設けることで、所望の耐液だれ効果を付与する。

第２に、長尺状部材が移動する場合には、第１の、引込位置に戻るように必ずしも偏倚する必要はない。実際、ある実施形態では、長尺状部材は、力Ｆが加えられたときに塑性変形するように構成された領域を備えてもよい。この場合、長尺状部材は、力が取り除かれ、廃棄のためにカプセルが取り出された後であっても、第２の、突出位置に残る。

あるいは、長尺状部材は全く移動しないと想定してもよい。いずれの場合も、飲料カプセルに保持された飲料の高さは、間隙（単数又は複数）又は切り欠き（単数又は複数）の高さとなり、あるいは、間隙又は切り欠きが設けられていない場合には、飲料カプセルのキャビティ内への流路の開口部の高さとなる。

更に他の可能な実施形態では、長尺状部材は、飲料調製の終了時に、第１の、引込位置と、第２の、突出位置との間の中間位置に戻ることができる。

本明細書に記載された、本発明の好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかであることを理解されたい。このような変更及び修正は本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、かつその付随する利点を減じることなく施すことができる。したがって、このような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (15)

1. 飲料調製装置用の飲料カプセル（１００）であって、
   第１端部（１０４）と第２端部（１０６）とを有し、キャビティ（１０８）を形成している実質的にカップ形状のカプセル本体（１０２）と、
   前記第２端部（１０６）に、前記キャビティ（１０８）と連通して配置された出口（１１６）と、
   前記キャビティ（１０８）を閉じるように、前記第１端部（１０４）に配置された注入膜（１１２）と、
   前記キャビティ（１０８）内に配置されたある量の飲料原材料（１１０）と
   を備える飲料カプセル（１００）において、
   前記第２端部（１０６）から前記キャビティ（１０８）内に延びている長尺状部材（１２０）と、前記長尺状部材（１２０）のうち前記第２端部（１０６）とは反対側の先端部（１２２）から前記長尺状部材（１２０）を貫いて延びている流路（１３０）とを更に備え、前記キャビティ（１０８）は、前記流路（１３０）のみを通じて前記出口（１１６）と流体連通している
   ことを特徴とする、飲料カプセル（１００）。
2. 前記長尺状部材（１２０）のうち前記第２端部（１０６）とは反対側の前記先端部（１２２）には、前記先端部（１２２）の周囲の少なくとも一部に間隙又は切り欠きが設けられている、請求項１に記載の飲料カプセル（１００）。
3. 前記注入膜（１１２）が前記キャビティ（１０８）内に撓んだときに、前記注入膜（１１２）が前記長尺状部材（１２０）の前記先端部（１２２）を圧迫するように、前記長尺状部材（１２０）のうち前記第２端部（１０６）とは反対側の前記先端部（１２２）は、前記注入膜（１１２）に近接して配置されている、請求項１又は２に記載の飲料カプセル（１００）。
4. 前記長尺状部材（１２０）は、第１の、引込位置と、前記出口（１１６）に配置されて前記出口（１１６）を密閉している出口膜（１１８）が前記長尺状部材（１２０）によって破られる、第２の、突出位置との間で移動する、請求項１〜３のいずれか一項に記載の飲料カプセル（１００）。
5. 前記長尺状部材（１２０）は、前記第１の、引込位置へと偏倚されている、請求項４に記載の飲料カプセル（１００）。
6. 前記長尺状部材（１２０）は、実質的に円筒状である、請求項１〜５のいずれか一項に記載の飲料カプセル（１００）。
7. 前記長尺状部材（１２０）は、前記飲料カプセル（１００）の長手方向軸線（Ｘ）を中心とした回転体であり、前記長尺状部材（１２０）は、前記長手方向軸線（Ｘ）に平行な平面において略Ｗ字形の断面を有し、前記出口（１１６）に近接する前記長尺状部材（１２０）の頂点（１２４）にオリフィス（１２６）が配置されている、請求項１〜６のいずれか一項に記載の飲料カプセル（１００）。
8. 前記長尺状部材（１２０）は、リビングヒンジ（２０２）によって前記カプセル本体（１０２）に取り付けられている、請求項１〜７のいずれか一項に記載の飲料カプセル（１００）。
9. 前記カプセル本体（１０２）と前記長尺状部材（１２０）が少なくとも３つの重ねられた層を備え、前記少なくとも３つの重ねられた層の中間層が酸素バリアを形成するように、前記カプセル本体（１０２）と前記長尺状部材（１２０）は、少なくとも２つの異なるプラスチック材料の共射出成形によって形成されている、請求項１〜８のいずれか一項に記載の飲料カプセル（１００）。
10. 前記長尺状部材（１２０）は、前記カプセル本体（１０２）と一体形成されている、請求項１〜９のいずれか一項に記載の飲料カプセル（１００）。
11. 前記カプセル本体と前記長尺状部材は、別々の構成要素として形成された後に組み合わせられている、請求項１〜９のいずれか一項に記載の飲料カプセル（１００）。
12. 飲料（２００）を調製するための方法であって、
    請求項１〜１１のいずれか一項に記載の飲料カプセル（１００）を用意するステップと、
    前記飲料カプセル（１００）の前記キャビティ（１０８）にある量の水（２０６）を注入して飲料（２００）を生成するステッップと、
    前記長尺状部材（１２０）の前記流路（１３０）及び前記出口（１１６）を通じて前記飲料（２００）を注出するステップと
    を含む、方法。
13. 前記用意するステップの後に、開くステップを更に含み、前記開くステップでは、前記出口膜（１１８）を破るように、前記長尺状部材（１２０）が前記第１の、引込位置から前記第２の、突出位置へと変位される、請求項１２に記載の方法。
14. 前記開くステップは、前記注入膜（１１２）が変位して前記長尺状部材（１２０）の前記先端部（１２２）に接触するように、前記注入膜（１１２）に力（Ｆ）をかけるステップを含み、前記力（Ｆ）は結果的に前記長尺状部材（１２０）にかかる、請求項１３に記載の方法。
15. 前記注入膜（１１２）は、前記飲料カプセル（１００）が配置される飲料調製装置のカプセル受け部の相補的な構造によって押される、請求項１４に記載の方法。
    

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