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JP2019220248A - 多芯電線の防水構造 - Google Patents

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JP2019220248A JP2018114157A JP2018114157A JP2019220248A JP 2019220248 A JP2019220248 A JP 2019220248A JP 2018114157 A JP2018114157 A JP 2018114157A JP 2018114157 A JP2018114157 A JP 2018114157A JP 2019220248 A JP2019220248 A JP 2019220248A
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京佑 金
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盛行 清水
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Abstract

【課題】防水性を高め、かつ部品点数を少なくすることが可能な多芯電線の防水構造を提供する。【解決手段】複数本の芯線11がシース12に収容される多芯電線10と、前記芯線11の端末部に接続された端子金具13が内部に収容されるとともに、前記多芯電線10を外部に引き出す開口部22が形成されているハウジング20と、前記シース12を挿通するシース挿通孔32が形成された筒状をなして前記開口部22に配置され、前記開口部22の周面22A及び前記シース12の外周面12Aに密着する弾性部材30と、を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、多芯電線の防水構造に関する。
従来、複数本の芯線をシースで包囲した多芯電線の端末部を防水する構造が知られている。例えば下記特許文献1には、熱収縮チューブを用いて多芯電線のシース内を防水する構造が記載されている。多芯電線の端末部は、シースから芯線が露出している。熱収縮チューブは、シースの端部に被せ付けられ、収縮した熱収縮チューブがシースを縮径させ、シース内の隙間を閉塞する。また、熱収縮チューブの内面のホットメルトが溶融し、シース内の微小な隙間を埋める。これによりシース内が防水される。
シースから露出した各芯線には端子金具が接続されている。各芯線に接続された端子金具はコネクタに収容される。コネクタは、一般に、各芯線に嵌着された個別ゴム栓により防水される。すなわち、熱収縮チューブと個別ゴム栓とにより多芯電線の端末部は防水される。
特開2016−184542号公報
しかしながら、上記のような構成においてシース内の防水性をさらに高めるためには、シース内の微小な隙間を完全に埋める必要がある。シース内の隙間を完全に埋めることは容易ではないため、防水性を高めることは困難であった。また、上記のような構成では、シースを防水するための熱収縮チューブと、コネクタを防水するための個別ゴム栓とが必要であり、部品点数が多いという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、防水性を高め、かつ部品点数を少なくすることが可能な多芯電線の防水構造を提供することを目的とする。
本発明の多芯電線の防水構造は、複数本の芯線がシースに収容される多芯電線と、前記芯線の端末部に接続された端子金具が内部に収容されるとともに、前記多芯電線を外部に引き出す開口部が形成されているハウジングと、前記シースを挿通するシース挿通孔が形成された筒状をなして前記開口部に配置され、前記開口部の周面及び前記シースの外周面に密着する弾性部材と、を備えているものである。
本発明によれば、ハウジングとシースとの間で圧縮された弾性部材がシースの外周面に密着するからシース内を確実に防水することができる。また、弾性部材がハウジングの開口部を防水するから、従来のような個別ゴム栓を不要とすることができる。したがって、防水性を高め、かつ部品点数を少なくすることができる。
実施例1における多芯電線の防水構造を示す斜視図 多芯電線の防水構造を示す断面図 実施例2における多芯電線の防水構造を示す断面図
本発明の好ましい形態を以下に示す。
本発明の多芯電線の防水構造は、前記弾性部材に、前記芯線を個別に挿通する芯線挿通孔が形成され、前記芯線挿通孔の周面が前記芯線の外周面に個別に密着しているものとしてもよい。このような構成によれば、弾性部材による防水性をより高めることができる。
また、本発明の多芯電線の防水構造は、前記ハウジングと前記多芯電線とを固定する固定部材を備えているものとしてもよい。このような構成によれば、固定部材によってハウジングとシースとが繋がった状態に保持されるから、多芯電線の端末部においてコネクタが離脱することを防ぐことができる。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1について、図1及び図2を参照しつつ詳細に説明する。
本実施例における多芯電線の防水構造は、複数本(本実施例では2本)の芯線11を一括してシース12で包囲して一体化した多芯電線10の端末部を、弾性部材30によって防水する構造である。
シース12は、熱可塑性樹脂(熱可塑性ウレタン等)からなり、2本の芯線11を絶縁、保護する。芯線11は被覆電線であり、図1に示すように、各芯線11の端末部には端子金具13が接続される。端子金具13は、雌型の端子金具であり、筒型の端子本体部14と芯線11の端末部に接続される接続部15とを備えている。端子金具13は、図示しない相手側の雄端子金具が端子本体部14に挿入されて電気的に接続される。接続部15は、芯線11の端末部に圧着接続される。端子金具13は、ハウジング20の内部に挿入されて図示しないランス等により抜け止めされる。以下、各構成部材において、ハウジング20に対する端子金具13の挿入方向前側(図1では左側)を前方、その反対側(図1の右側)を後方として説明する。
ハウジング20は合成樹脂製であって、図2に示すように、芯線11の端末部に接続された端子金具13が収容される端子収容部21と、多芯電線10を外部に引き出す開口部22とが形成されている。ハウジング20は、雌型の端子金具13が収容される雌型のコネクタを構成する。
端子収容部21は、端子金具13の数に対応した2つが並んで設けられている。各端子収容部21の略前半部分は、タワー部23に形成されている。タワー部23は端子収容部21毎に独立して設けられている。2つのタワー部23は、一括してフード部24によって包囲されている。端子収容部21の略後半部分は、ブロック状をなすハウジング本体部25に形成されている。フード部24及びハウジング本体部25の外形は、断面方形状をなしている。
開口部22は、図2に示すように、2つの端子収容部21の後側を一括して後方に開放している。開口部22の周面22Aは円弧面である。開口部22は、ハウジング20の後端部に設けられた円筒形状をなす筒状部26に形成されている(図1参照)。筒状部26は、ハウジング本体部25の後面から後方に突出している。筒状部26の内部(開口部22)には、露出した芯線11、シース12の端部、及び弾性部材30が収容される。
筒状部26の後端には、前後方向に対して略直交方向に突出する突出部27が設けられている。突出部27は、筒状部26の後端に沿って全周に連続している。突出部27は筒状部26の外周面20Aに対して段差状をなし、筒状部26の外周面20Aから一段外側に突出している。
ハウジング20の内部には、弾性部材30を位置決めする位置決め部28が設けられている。位置決め部28は、弾性部材30の前端面と対向する位置に形成された前後方向に対して略直交する面である。位置決め部28は、端子収容部21と開口部22との境に形成されている。位置決め部28は、開口部22の周面22Aから一段内側に突出した段差状をなしている。
ハウジング20の内部には、開口部22の周面22A及びシース12の外周面12Aに密着する弾性部材30が嵌着されている。弾性部材30は、筒状部26に内嵌する円柱形状をなし、例えばシリコンなどを用いて成形されている。弾性部材30の軸方向の寸法は、筒状部26の前後方向の寸法と同等とされている。弾性部材30の外径寸法は、軸方向の全長において等しくされている。
弾性部材30の外周面30Aには、複数(本実施例では4つ)のリップ部(以後、第1リップ部31と称する)が突出して設けられている。第1リップ部31は、弾性部材30の軸方向の全体に概ね均等に形成されている。第1リップ部31が弾性的に潰れて開口部22の周面22Aに密着し、開口部22の周面22Aと弾性部材30の外周面30Aとの隙間から水分が浸入することを防ぐことができる。
弾性部材30の内部には、シース12を挿通するシース挿通孔32と、芯線11を個別に挿通する芯線挿通孔33と、2本の芯線11を一括して挿通する挿通孔34とが形成されている。シース挿通孔32、芯線挿通孔33、及び挿通孔34は軸方向に連通している。
シース挿通孔32は、断面円形状をなし、弾性部材30の前後方向における後側の略半分の領域に形成されている。シース挿通孔32の直径寸法は、シース12の直径寸法と略同じかまたは小さくされている。シース挿通孔32の周面32Aには、シース12の外周面12Aに密着する複数(本実施例では4つ)のリップ部(以後、第2リップ部36と称する)が形成されている。第2リップ部36が弾性的に潰れてシース12の外周面12Aに密着し、シース挿通孔32の周面32Aとシース12の外周面12Aとの隙間から水分が浸入することを防ぐことができる。
芯線挿通孔33は、芯線11の数に対応して2つが形成されている。2つの芯線挿通孔33は、略平行に並んでいる。各芯線挿通孔33は、断面円形状をなし、シース挿通孔32の前方に形成されている。並列した2つの芯線挿通孔33をあわせた幅寸法は、シース挿通孔32の直径寸法より小さくされている。並列した芯線挿通孔33の間の部分は、シース12の前進を規制するストッパ部35となっている。
各芯線挿通孔33の周面33Aには、各芯線11の外周面11Aに密着する複数(本実施例では4つ)のリップ部(以後、第3リップ部37と称する)が形成されている。第3リップ部37が弾性的に潰れて芯線11の外周面11Aに個別に密着し、芯線挿通孔33の周面33Aと芯線11の外周面11Aとの隙間から水分が浸入することを防ぐことができる。
挿通孔34は、2つの芯線挿通孔33にわたる大きさを有して、2つの芯線挿通孔33の前方に形成されている。挿通孔34は、弾性部材30の前端部に形成されている。挿通孔34は、各端子収容部21の幅方向における中心に臨む大きさを有している。言い換えると、図2に示すように、各端子収容部21の幅方向における中心線Lは、挿通孔34の内側に位置する。挿通孔34は、芯線11のうち芯線挿通孔33から前方に延出した部分が、各端子収容部21に向かって分岐する分岐空間38を形成している。
多芯電線の防水構造は、ハウジング20と多芯電線10とを固定する固定部材40を備えている。固定部材40は、ハウジング20の外周面20Aからシース12の外周面12Aにわたって巻き付けられたテープ、又はハウジング20の外周面20Aからシース12の外周面12Aにわたって被せ付けられた収縮チューブ等である。固定部材40は、ハウジング20の筒状部26からシース12のうち弾性部材30の後方に延びた延出部12Bにわたって配されている。固定部材40は、ハウジング20の外周面20A及びシース12の外周面12Aに密着し、または接着されている。固定部材40は、突出部27に係止し、前方または後方への位置ずれが防がれている。
固定部材40により、ハウジング20と多芯電線10とは、強固に繋げられている。すなわち、固定部材40により、多芯電線10の端末部においてコネクタの離脱が防がれている。また、固定部材40により、多芯電線10に作用する引っ張り力がハウジング20に受けられるから、弾性部材30のハウジング20からの離脱を防ぐことができる。
次に、本実施例の多芯電線の防水構造を製造する方法の一例を説明する。
まず、多芯電線10に弾性部材30を挿通する(図1参照)。多芯電線10の端末部において露出した芯線11を弾性部材30のシース挿通孔32から挿通孔34まで通し、前方に引き出す(図2参照)。シース12の端部はシース挿通孔32内に通され、ストッパ部35によって前進することが規制される。各芯線11は芯線挿通孔33を貫通する。第2リップ部36はシース12の外周面12Aに密着し、第3リップ部37は各芯線11の外周面11Aに密着した状態になる。
次いで、弾性部材30から前方に延びている各芯線11の端末部に端子金具13を圧着する。
次に、端子金具13をハウジング20の端子収容部21に収容するとともに筒状部26の内部に弾性部材30を嵌入する。端子金具13は端子収容部21の正規の位置に至ると、ランスによって抜け止めされる。弾性部材30は、筒状部26に嵌入されると筒状部26とシース12との間で弾性的に径方向に潰れる(圧縮する)。第1リップ部31は弾性的に潰れて開口部22の周面22Aに密着する。第2リップ部36は、弾性的に潰れてシース12の外周面12Aに密着する。第3リップ部37は、弾性的に潰れて芯線11の外周面11Aに密着する。こうしてシース12の端面及びハウジング20の開口部22が封止されて確実にシールされる。
以上により、本実施例における多芯電線の防水構造の製造が完了する。
次に、上記のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
本実施例の多芯電線の防水構造は、多芯電線10と、ハウジング20と、弾性部材30と、を備えている。多芯電線10は、複数本の芯線11をシース12で包囲したものである。ハウジング20は、芯線11の端末部に接続された端子金具13が内部に収容されるとともに、多芯電線10を外部に引き出す開口部22が形成されている。弾性部材30は、シース12を挿通するシース挿通孔32が形成された筒状をなして開口部22に配置され、開口部22の周面22A及びシース12の外周面12Aに密着する。この構成によれば、ハウジング20とシース12との間で圧縮された弾性部材30がシース12の外周面12Aに密着するからシース12内を確実に防水することができる。また、弾性部材30がハウジング20の開口部22を防水するから、従来のような個別ゴム栓を不要とすることができる。したがって、防水性を高め、かつ部品点数を少なくすることができる。
また、弾性部材30に、芯線11を個別に挿通する芯線挿通孔33が形成され、芯線挿通孔33の周面33Aが芯線11の外周面11Aに個別に密着している。この構成によれば、弾性部材30による防水性をより高めることができる。
また、ハウジング20と多芯電線10とを固定する固定部材40を備えている。この構成によれば、固定部材40によってハウジング20とシース12とが繋がった状態に保持されるから、多芯電線10の端末部においてコネクタが離脱することを防ぐことができる。
<実施例2>
次に、本発明を具体化した実施例2に係る多芯電線の防水構造を図3によって説明する。
本実施例の多芯電線の防水構造は、分岐空間50が弾性部材51ではなくハウジング20の内部に形成されている点で、実施例1とは相違する。なお、実施例1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。
本実施例の多芯電線の防水構造は、実施例1と同様、多芯電線10と、ハウジング20と、弾性部材51と、固定部材40と、を備えている。弾性部材51は、実施例1と同様、シース挿通孔32及び芯線挿通孔33が形成された円柱形状をなして開口部22に配置され、開口部22の周面22A及びシース12の外周面12Aに密着する。シース挿通孔32は弾性部材51の前後方向における後側の略半分の領域に形成され、芯線挿通孔33は弾性部材51の前後方向における前側の略半分の領域に形成されている。
弾性部材51の外周面51Aには、複数(本実施例では3つ)の第1リップ部31が設けられ、シース挿通孔32の周面32Aには、複数(本実施例では2つ)の第2リップ部36が設けられ、芯線挿通孔33の周面33Aには、複数(本実施例では2つ)の第3リップ部37が設けられている。
弾性部材51の後端には、前後方向に対して略直交方向に突出する鍔部52が設けられている。鍔部52は、弾性部材51の後端に沿って全周に連続している。鍔部52は弾性部材51の外周面51Aに対して段差状をなし、弾性部材51の外周面51Aから一段外側に突出している。鍔部52は、第1リップ部31よりも外側に突出している。鍔部52の外周面53は、ハウジング20の外周面20Aと段差なく連なっている。鍔部52は、ハウジング20の後面20Bに筒状部26の全周にわたり密着する。
芯線挿通孔33は、弾性部材51の前面に開口し、ハウジング20の内部空間に臨んでいる。ハウジング20の内部空間は、芯線11のうち弾性部材51から前方に延出した部分が、各端子収容部21に向かって分岐する分岐空間50を形成している。分岐空間50は、2つの端子収容部21にわたる大きさを有して、2つの端子収容部21に連通している。
以上のように本実施例の多芯電線の防水構造は、実施例1と同様、多芯電線10と、ハウジング20と、弾性部材51と、を備え、ハウジング20とシース12との間で圧縮された弾性部材51がシース12の外周面12Aに密着するからシース12内を確実に防水することができ、また、弾性部材51がハウジング20の開口部22を防水するから、従来のような個別ゴム栓を不要とすることができる。したがって、防水性を高め、かつ部品点数を少なくすることができる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、弾性部材30(51)に芯線挿通孔33が形成されているが、シース12内及びハウジング20内を防水するためには少なくともシース挿通孔32が形成されていればよく、必ずしも芯線挿通孔33は形成されていなくてもよい。
(2)上記実施例では、ハウジング20と多芯電線10とを固定する固定部材40を備えているが、必ずしも固定部材40を備えなくてもよい。
(3)上記実施例では、固定部材40によって弾性部材30(51)の離脱が防がれているが、これに限らず、例えば弾性部材の後側を塞ぐようなホルダを備える等してもよい。
(4)上記実施例では、本発明を雌型のコネクタに適用した場合を例示したが、これに限らず、本発明は雄型のコネクタにも適用できる。
(5)上記実施例1では、ハウジング20の後端に突出部27が設けられているが、これに限らず、突出部27の前後方向の位置は変更してもよく、例えばハウジング20の後端より前方の位置であってもよい。
(6)上記実施例1では、突出部27が筒状部26の全周にわたっているが、これに限らず、突出部27は筒状部26の周方向に部分的に設けてもよい。
10…多芯電線
11…芯線
11A…芯線の外周面
12…シース
12A…シースの外周面
13…端子金具
20…ハウジング
22…開口部
22A…開口部の周面
30,51…弾性部材
32…シース挿通孔
33…芯線挿通孔
33A…芯線挿通孔の周面
40…固定部材
弾性部材30の外周面30Aには、複数のリップ部(図示せず)が突出して設けられている。リップ部が弾性的に潰れて開口部22の周面22Aに密着し、開口部22の周面22Aと弾性部材30の外周面30Aとの隙間から水分が浸入することを防ぐことができる。
シース挿通孔32は、断面円形状をなし、弾性部材30の前後方向における後側の略半分の領域に形成されている。シース挿通孔32の直径寸法は、シース12の直径寸法と略同じかまたは小さくされている。シース挿通孔32の周面32Aには、シース12の外周面12Aに密着する複数のリップ部(図示せず)が形成されている。ップ部が弾性的に潰れてシース12の外周面12Aに密着し、シース挿通孔32の周面32Aとシース12の外周面12Aとの隙間から水分が浸入することを防ぐことができる。
各芯線挿通孔33の周面33Aには、各芯線11の外周面11Aに密着する複数のリップ部(図示せず)が形成されている。ップ部が弾性的に潰れて芯線11の外周面11Aに個別に密着し、芯線挿通孔33の周面33Aと芯線11の外周面11Aとの隙間から水分が浸入することを防ぐことができる。
次に、本実施例の多芯電線の防水構造を製造する方法の一例を説明する。
まず、多芯電線10に弾性部材30を挿通する(図1参照)。多芯電線10の端末部において露出した芯線11を弾性部材30のシース挿通孔32から挿通孔34まで通し、前方に引き出す(図2参照)。シース12の端部はシース挿通孔32内に通され、ストッパ部35によって前進することが規制される。各芯線11は芯線挿通孔33を貫通する。シース挿通孔32の周面32Aはシース12の外周面12Aに密着し、各芯線挿通孔33の周面33Aは各芯線11の外周面11Aに密着した状態になる。
次いで、弾性部材30から前方に延びている各芯線11の端末部に端子金具13を圧着する。
次に、端子金具13をハウジング20の端子収容部21に収容するとともに筒状部26の内部に弾性部材30を嵌入する。端子金具13は端子収容部21の正規の位置に至ると、ランスによって抜け止めされる。弾性部材30は、筒状部26に嵌入されると筒状部26とシース12との間で弾性的に径方向に潰れる(圧縮する)。弾性部材30の外周面30Aは開口部22の周面22Aに密着する。シース挿通孔32の周面32A、シース12の外周面12Aに密着する。各芯線挿通孔33の周面33A芯線11の外周面11Aに密着する。こうしてシース12の端面及びハウジング20の開口部22が封止されて確実にシールされる。
以上により、本実施例における多芯電線の防水構造の製造が完了する。
弾性部材51の外周面51Aには、複数のリップ部(図示せず)が設けられ、シース挿通孔32の周面32Aには、複数のリップ部(図示せず)が設けられ、芯線挿通孔33の周面33Aには、複数のリップ部(図示せず)が設けられている。
弾性部材51の後端には、前後方向に対して略直交方向に突出する鍔部52が設けられている。鍔部52は、弾性部材51の後端に沿って全周に連続している。鍔部52は弾性部材51の外周面51Aに対して段差状をなし、弾性部材51の外周面51Aから一段外側に突出している。鍔部52の外周面53は、ハウジング20の外周面20Aと段差なく連なっている。鍔部52は、ハウジング20の後面20Bに筒状部26の全周にわたり密着する。

Claims (3)

  1. 複数本の芯線がシースに収容される多芯電線と、
    前記芯線の端末部に接続された端子金具が内部に収容されるとともに、前記多芯電線を外部に引き出す開口部が形成されているハウジングと、
    前記シースを挿通するシース挿通孔が形成された筒状をなして前記開口部に配置され、前記開口部の周面及び前記シースの外周面に密着する弾性部材と、
    を備えている多芯電線の防水構造。
  2. 前記弾性部材に、前記芯線を個別に挿通する芯線挿通孔が形成され、前記芯線挿通孔の周面が前記芯線の外周面に個別に密着している請求項1に記載の多芯電線の防水構造。
  3. 前記ハウジングと前記多芯電線とを固定する固定部材を備えている請求項1又は請求項2に記載の多芯電線の防水構造。
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