以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において同一部分には同一符号を付している。
(本実施形態の概要)
まず、本実施形態に係る表示装置が実行するHDR(High Dynamic Range)映像コンテンツの表示階調特性の制御の概要について説明する。ここで、HDRとは、映像コンテンツの輝度の高低の幅(ダイナミックレンジ)を拡大する高画質技術である。HDRは、SDR(Standard Dynamic Rage)よりも、ダイナミックレンジが広く、映像コンテンツの輝度の上限が10000cd/m2までサポートされる。
HDRの映像コンテンツには、そのコンテンツのピーク輝度を示すピーク輝度情報がメタデータとして付加されている。例えば、Dolby Vision、HDR10、HDR10+などのHDRの規格では、ピーク輝度情報は、MaxCLL(Maximum Content Light Level)として規定されている。例えば、HDR10の規格では、コンテンツ全体でのピーク輝度を示すピーク輝度情報がコンテンツごとに1つだけ設定されている。このピーク輝度情報は、コンテンツごとに固定された情報であり、静的メタデータとも称する。一方、Dolby VisionやHDR10+の規格では、コンテンツの中のシーンごとのピーク輝度を示すピーク輝度情報がシーンごとに設定されている。このピーク輝度情報は、コンテンツ内のシーンごとに変動する情報であり、動的メタデータとも称する。ここで、シーンとは、映像コンテンツが所定の時間ごとに区切られた単位であり、例えば、映像信号の1フレームごとに区切られた単位である。なお、シーンは、1フレームに限られるものでなく、例えば、複数のフレームごとに区切られた単位であってもよいし、チャプターごとに区切られた単位であってもよい。
図1は、静的メタデータ及び動的メタデータの違いを説明する模式図である。この図において、横軸は時間、縦軸はコンテンツ輝度を示している。また、図示する例では、1つのコンテンツの中に、シーンが1〜10まで含まれているとする。なお、シーンの数は、便宜的に示しているものであり、実際は映像コンテンツの長さ及びシーンの長さなどによって定まる。ピーク輝度MSは、映像コンテンツ全体のピーク輝度(例えば、10000cd/m2)を示すピーク輝度情報であり、映像コンテンツに静的メタデータとして付加される。一方、複数のピーク輝度MD(MD1〜MD10)は、映像コンテンツの中のシーンごとのピーク輝度を示すピーク輝度情報であり、映像コンテンツに動的メタデータとして付加される。例えば、シーン6のピーク輝度MD6は10000cd/m2、シーン8のピーク輝度MD8は3000cd/m2、シーン10のピーク輝度MD10は2000cd/m2である。
図2は、静的メタデータを用いた場合の表示階調特性の例を示す図である。この図において、横軸は映像コンテンツのコンテンツ輝度(即ち、表示装置への入力輝度)を示し、縦軸はTV(テレビジョン、テレビ)輝度(即ち、表示装置の表示輝度、出力輝度)を示している。例えば、静的メタデータを用いた場合、コンテンツ全体(全シーン)において、ピーク輝度MSが表示装置の最大輝度(MaxTV輝度)になるように表示階調特性が設定(トーンマッピング)される。
図3は、動的メタデータを用いた場合の表示階調特性の例を示す図である。図2と同様に、横軸は映像コンテンツのコンテンツ輝度(即ち、表示装置への入力輝度)を示し、縦軸はTV(テレビ)輝度(即ち、表示装置の表示輝度、出力輝度)を示している。例えば、動的メタデータを用いた場合、シーンごとにそのシーンのピーク輝度MDが表示装置の最大輝度(MaxTV輝度)になるように表示階調特性が設定(トーンマッピング)される。例えば、シーン6では、シーン6のピーク輝度MD6がMaxTV輝度になるように変換される。また、シーン8では、シーン6のピーク輝度MD6よりも低いピーク輝度MD8が、同様にMaxTV輝度になるように変換される。
このように、静的メタデータを用いた場合には、シーンによってピーク輝度が変動していても、常にコンテンツごとのピーク輝度MSがMaxTV輝度になるようにトーンマッピングされるため、ピーク輝度の低いシーンでは、そのシーンには無い高階調領域まで無駄に再現させるために本来表示したい低階調領域を正確に表現できないことがある。一方、動的メタデータを用いた場合には、シーンごとにピーク輝度MDがMaxTV輝度になるようにトーンマッピングされるため、ピーク輝度の低いシーンでも、そのシーンにある本来表示したい低階調領域を再現できる。
しかしながら、Ultra HD Blu−ray(登録商標)などで字幕(例えば、白文字)を表示させた場合には、動的メタデータを用いると、シーンごとのピーク輝度MSが字幕を含まない映像部分のみの輝度で生成されているため、シーンごとにピーク輝度が変動するとそれに合わせて字幕のTV輝度(例えば、白文字の輝度)も変動し、フラッシングのような現象が発生する可能性がある。そこで、本実施形態では、映像コンテンツに静的メタデータと動的メタデータとの両方が付加されている場合、静的メタデータと動的メタデータとを所定の条件で切り替えることにより、映像コンテンツの表示内容にかかわらず適した映像を表示できるように構成した。以下、本実施形態に係る表示装置の構成について、具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図4は、第1の実施形態に係る表示装置10の構成の一例を示すブロック図である。表示装置10は、HDRの映像コンテンツのコンテンツ信号が入力されることにより、当該コンテンツ信号に含まれる映像信号に対して各種の画像処理を行い、画像処理後の映像コンテンツを表示する。例えば、表示装置10は、放送波を介して入力される映像コンテンツやHDMI(High Definition Multimedia Interface、登録商標)端子などの入力端子から入力される映像コンテンツを表示するテレビジョンである。なお、表示装置10は、テレビジョン放送の入力には対応していなくてもよく、HDMI端子などの入力端子を介して入力される映像コンテンツのみを表示する表示装置(例えば、PC(Personal Computer)用のモニターや映像評価用のマスターモニターなど)であってもよい。また、これらの表示装置は、多機能携帯電話機(いわゆる、スマートフォンを含む)、表示装置と一体として構成されたPC(デスクトップ型PC、ラップトップ型PC、タブレット型PCなどを含む)などであってもよい。なお、入力端子には、コンポジット映像端子、セパレート映像端子(S端子)、コンポーネント映像端子、D映像端子(D端子)などが含まれていてもよい。
例えば、表示装置10は、映像入力部11と、分離部12と、ガンマ変換処理部13と、表示部14と、制御部15とを備えている。なお、本図では、表示階調特性の制御に関係する構成のみを示しており、その他の処理についてはその説明を省略する。
映像入力部11は、映像コンテンツが入力される入力端子を含んで構成されている。入力端子は、上述したようなHDMI端子、コンポジット映像端子、セパレート映像端子(S端子)、コンポーネント映像端子、D映像端子(D端子)などである。また、映像入力部11は、テレビジョン放送をアンテナで受信した受信信号が入力される入力端子を含んで構成されてもよい。映像入力部11に入力された映像コンテンツのコンテンツ信号は、分離部12へと送られる。なお、アテレビジョン放送をアンテナで受信した受信信号が入力された場合、受信信号を復調した後のコンテンツ信号が、分離部12へと送られる。
分離部12は、コンテンツ信号に含まれる映像信号とデータ信号とを分離する。なお、映像信号には音声信号が含まれてもよいが、ここでは音声に関する記載は省略する。分離部12によって分離された映像信号は、ガンマ変換処理部13に送られる。また、分離部12によって分離されたデータ信号は、制御部15に送られる。
ガンマ変換処理部13は、制御部15の制御により、静的メタデータと動的メタデータとのいずれかに基づいて映像信号の表示階調特性(ガンマ特性)を設定する処理行う。例えば、ガンマ変換処理部13は、制御部15の制御により静的メタデータを用いた処理が指示された場合、コンテンツ全体(全シーン)において、コンテンツごとに設定されたピーク輝度MSに基づいて表示階調特性を設定(トーンマッピング)する。例えば、ガンマ変換処理部13は、コンテンツ全体(全シーン)において、コンテンツごとに設定されたピーク輝度MSが表示装置10の最大輝度(MaxTV輝度)になるように表示階調特性を設定(トーンマッピング)してもよい。
一方、ガンマ変換処理部13は、制御部15の制御により、動的メタデータを用いた処理が指示された場合、各シーンにおいて、シーンごとに設定されたピーク輝度MDに基づいて表示階調特性を設定(トーンマッピング)する。例えば、ガンマ変換処理部13は、各シーンにおいて、シーンごとに設定されたピーク輝度MDが表示装置10の最大輝度(MaxTV輝度)になるように表示階調特性を設定(トーンマッピング)してもよい。そして、ガンマ変換処理部13は、静的メタデータ又は動的メタデータに基づいて表示階調特性を設定した映像信号を表示部14へ出力する。
なお、ガンマ変換処理部13は、静的メタデータ又は動的メタデータに基づいて処理を行う際に、ピーク輝度MS又はピーク輝度MDが表示装置10の最大輝度(MaxTV輝度)とは異なる所定の輝度になるように表示階調特性を設定(トーンマッピング)してもよい。
表示部14は、ガンマ変換処理部13により表示階調特性が設定された映像信号に基づいて映像コンテンツを表示する。例えば、表示部14は、液晶ディスプレイパネル、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイパネルなどを含んで構成されている。
制御部15は、データ取得部151と、階調制御部152とを備えている。データ取得部151は、分離部12により分離されたデータ信号から静的メタデータ及び動的メタデータを取得する。上述したように、静的メタデータは、コンテンツごとに1つだけ設定されたコンテンツ全体でのピーク輝度MSを示すピーク輝度情報である。また、動的データは、コンテンツの中のシーンごとに設定されたシーンごとのピーク輝度MDを示すピーク輝度情報である。
階調制御部152は、静的メタデータに基づいて映像コンテンツの表示階調特性を設定する静的表示階調制御処理を行うか、或いは、動的メタデータに基づいて映像コンテンツの表示階調特性を設定する動的表示階調制御処理を行うかをガンマ変換処理部13へ指示する。つまり、階調制御部152は、ガンマ変換処理部13が静的メタデータに基づいて映像信号の表示階調特性を設定するか、或いは動的メタデータに基づいて映像信号の表示階調特性を設定するかを切り替える。例えば、階調制御部152は、静的表示階調制御処理と動的表示階調制御処理とのいずれか一方の処理を所定の条件に基づいて実行する。
例えば、所定の条件とは、Ultra HD Blu−ray(登録商標)などの映像コンテンツが字幕ありで表示されるか否かに基づく条件である。例えば、表示装置10で字幕の有り又は無しの選択をする操作が行われる場合には、制御部15は、その操作情報(選択情報)を取得することにより、映像コンテンツが字幕ありで表示されるか否かの情報を取得して表示階調特性の処理を行ってもよい。また、入力される映像信号に字幕の表示有無を示す情報が付加されてもよく、その場合には、制御部15は、その字幕の表示有無を示す情報を取得することにより、映像コンテンツが字幕ありで表示されるか否かの情報を取得して表示階調特性の処理を行ってもよい。
次に、図5を参照して、表示装置10の制御部15が実行する表示階調制御処理の動作について説明する。図5は、第1の実施形態に係る表示階調制御処理の一例を示すフローチャートである。
(ステップS101)表示装置10に映像コンテンツが入力されると、ステップS103の処理に進む。
(ステップS103)制御部15は、所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、制御部15は、映像コンテンツの表示モードが字幕表示ありか否かを判定する。具体的には、制御部15は、字幕の有り又は無しの選択をする操作に基づく操作情報(選択情報)を取得すること、或いは映像コンテンツから字幕ありで表示されるか否かの付加情報を取得することにより、字幕表示ありか否かを判定する。そして、制御部15は、字幕表示ありと判定した場合(YES)、ステップS105の処理に進む。また、制御部15は、字幕表示なしと判定した場合(NO)、ステップS107の処理に進む。
(ステップS105)制御部15は、ステップS103において字幕表示ありと判定したため、静的メタデータに基づいて表示階調特性を設定する。
(ステップS107)制御部15は、ステップS103において字幕表示なしと判定したため、動的メタデータに基づいて表示階調特性を設定する。
以上説明したように、本実施形態に係る表示装置10は、入力される映像コンテンツごとのピーク輝度MSとして設定された1つのピーク輝度情報に基づいて映像コンテンツの表示階調特性を設定する静的表示階調制御処理(第1階調制御処理)と、入力される映像コンテンツにおいてシーン(所定の期間の一例)ごとのピーク輝度MDとして設定された複数のピーク輝度情報のそれぞれに基づいてシーンごとの映像コンテンツの表示階調特性をそれぞれ設定する動的表示階調制御処理(第2階調制御処理)と、のいずれか一方の処理を所定の条件に基づいて実行する。
これにより、表示装置10は、所定の条件に応じて静的表示階調制御処理と動的表示階調制御処理を切り替えるため、映像コンテンツの表示内容にかかわらず適した映像を表示することができる。
例えば、所定の条件は、映像コンテンツが字幕ありで表示されるか否かに基づく条件である。
これにより、表示装置10は、映像コンテンツが字幕なしで表示される場合には動的表示階調制御処理することにより低階調領域についても正確に再現できるとともに、映像コンテンツが字幕ありで表示される場合には静的表示階調制御処理とすることにより、字幕の輝度が大きく切り替わってしまうフラッシングのような現象が発生してしまうことを防止できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、入力された映像コンテンツに字幕が表示されているか否かを表示装置側で映像コンテンツから検出して表示階調制御処理を行う例を説明する。
図6は、第2の実施形態に係る表示装置10Aの構成の一例を示すブロック図である。表示装置10Aは、制御部15Aが字幕検出部153Aを備える点と階調制御部152Aが行う処理が異なる点とが図4に示す表示装置10の構成と相違する。
字幕検出部153Aは、分離部12によって分離された映像信号に字幕が含まれているか否かを検出する。例えば、字幕検出部153Aは、映像信号内に文字に相当する特定の輝度値の輝度パターンが含まれるか否かを検出することにより、映像コンテンツが字幕ありで表示されるか否かの情報を取得する。
階調制御部152Aは、字幕検出部153Aの検出結果に基づいて、静的表示階調制御処理と動的表示階調制御処理とのいずれか一方の処理を実行する。例えば、階調制御部152Aは、字幕検出部153Aにより映像信号に字幕が含まれていると検出された場合、静的メタデータに基づいて映像コンテンツの表示階調特性を設定する静的表示階調制御処理を行う指示をガンマ変換処理部13へ行う。一方、階調制御部152Aは、字幕検出部153Aにより映像信号に字幕が含まれていないと検出された場合、動的メタデータに基づいて映像コンテンツの表示階調特性を設定する静的表示階調制御処理を行う指示をガンマ変換処理部13へ行う。
図7は、第2の実施形態に係る表示階調制御処理の一例を示すフローチャートである。
(ステップS101)表示装置10Aに映像コンテンツが入力されると、ステップS102Aの処理に進む。
(ステップS102A)制御部15Aは、分離部12によって分離された映像信号に字幕が含まれているか否かを検出する。そして、ステップS103Aの処理に進む。
(ステップS103A)制御部15Aは、ステップS102Aにおける字幕検出部153Aの検出結果に基づいて、字幕表示ありか否かを判定する。例えば、制御部15Aは、映像信号に字幕が含まれていることを検出した場合、字幕表示ありと判定し(YES)、ステップS105の処理に進む。また、制御部15Aは、映像信号に字幕が含まれていないことを検出した場合、字幕表示なしと判定し(NO)、ステップS107の処理に進む。
(ステップS105)制御部15Aは、ステップS103Aにおいて字幕表示ありと判定したため、静的メタデータに基づいて表示階調特性を設定する。
(ステップS107)制御部15Aは、ステップS103Aにおいて字幕表示なしと判定したため、動的メタデータに基づいて表示階調特性を設定する。
このように、本実施形態に係る表示装置10Aは、入力された映像コンテンツに字幕が表示されているか否かを検出することにより、静的メタデータを用いた静的表示階調制御処理(第1階調制御処理)と動的メタデータを用いた動的表示階調制御処理(第2階調制御処理)とのいずれか一方の処理を字幕表示の有無に基づいて実行する。
これにより、表示装置10Aは、映像コンテンツが字幕なしで表示される場合には動的表示階調制御処理することにより低階調領域についても再現できるとともに、映像コンテンツが字幕ありで表示される場合には静的表示階調制御処理とすることにより、字幕の輝度が大きく切り替わってしまうフラッシングのような現象が発生してしまうことを防止できる。また、本実施形態によれば、表示装置10Aに入力された映像コンテンツの映像信号から字幕の有無を検出するため、一般的に放送される映像コンテンツについても字幕があるか否かに基づいて静的メタデータを用いた静的表示階調制御処理と動的メタデータを用いた動的表示階調制御処理とを切り替えることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態では、入力された映像コンテンツのジャンルに基づいて表示階調制御処理を行う例を説明する。
図8は、第3の実施形態に係る表示装置10Bの構成の一例を示すブロック図である。表示装置10Bは、制御部15Bを備え、映像コンテンツのジャンルに基づいて表示階調制御処理を行う。具体的には、制御部15Bは、データ取得部151Bと、階調制御部152Bとを備えている。
データ取得部151Bは、分離部12により分離されたデータ信号からピーク輝度情報についての静的メタデータ及び動的メタデータを取得するとともに、映像コンテンツのジャンルを示すジャンルデータも取得する。例えば、ジャンルデータは、HDMI規格ではEDID(Extended Display Identification Data)に含まれている。なお、データ取得部151Bは、地上デジタル放送などでは、地上デジタル放送の放送波に含まれているコンテンツ情報からジャンルデータを取得してもよいし、EPG(Electronic Program Guide)からジャンルデータを取得してもよい。
階調制御部152Bは、データ取得部151Bが取得したジャンルデータに基づいて、静的表示階調制御処理と動的表示階調制御処理とのいずれか一方の処理を実行する。例えば、階調制御部152Bは、入力された映像コンテンツのジャンルがスポーツ番組又はニュース番組である場合、静的メタデータに基づいて映像コンテンツの表示階調特性を設定する静的表示階調制御処理を行う指示をガンマ変換処理部13へ行う。一方、階調制御部152Bは、入力された映像コンテンツのジャンルが映画又は静止画である場合、動的メタデータに基づいて映像コンテンツの表示階調特性を設定する動的表示階調制御処理を行う指示をガンマ変換処理部13へ行う。なお、ジャンルといずれの処理を行うかとの対応関係は、表示装置10に予め設定されていてもよいし、ユーザの操作に応じて任意に設定(変更)できるようにしてもよい。
図9は、第3の実施形態に係る表示階調制御処理の一例を示すフローチャートである。
(ステップS101)表示装置10Bに映像コンテンツが入力されると、ステップS102Bの処理に進む。
(ステップS102B)制御部15Bは、分離部12によって分離されたデータ信号からジャンルデータを取得する。そして、ステップS103Bの処理に進む。
(ステップS103B)制御部15Bは、ステップS102Bにおいて取得したジャンルデータに基づいて、入力された映像コンテンツのジャンルを判別する。例えば、制御部15Bは、入力された映像コンテンツのジャンルがスポーツ番組又はニュース番組である場合、ステップS105の処理に進む。また、制御部15Bは、入力された映像コンテンツのジャンルが映画又は静止画である場合、ステップS107の処理に進む。
(ステップS105)制御部15Bは、スポーツ番組又はニュース番組の映像コンテンツには、静的メタデータに基づいて表示階調特性を設定する。
(ステップS107)制御部15Bは、映画又は静止画の映像コンテンツには、動的メタデータに基づいて表示階調特性を設定する。
このように、本実施形態に係る表示装置10Bは、入力された映像コンテンツのジャンルに基づいて、静的メタデータを用いた静的表示階調制御処理(第1階調制御処理)と動的メタデータを用いた動的表示階調制御処理(第2階調制御処理)とのいずれか一方の処理を実行する。
これにより、表示装置10Bは、映像コンテンツのジャンルによって適した表示階調制御制御を行うことができる。例えば、表示装置10Bは、スポーツ番組又はニュース番組などのように一定の環境で製作された映像では特に低階調領域に偏った映像が少ないため、静的メタデータに基づいて表示階調特性を設定することにより、表示階調特性を固定して視聴することができる。一方、表示装置10Bは、映画又は静止画のようにピーク輝度の低いシーンがある可能性の高い映像コンテンツの場合には、動的メタデータに基づいて表示階調特性を設定することにより、そのシーンにある本来表示したい低階調領域を再現することができる。
なお、ここでは、ジャンルの一例として、スポーツ番組、ニュース番組、映画、及び静止画を例に説明したが、ジャンルの種類は、これらに限られるものではなく、他のジャンルについても、静的表示階調制御処理と動的表示階調制御処理とのいずれか一方の処理を行う判断基準として用いてもよい。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
本実施形態では、ユーザの選択に基づいて表示階調制御処理を行う例を説明する。
図10は、第4の実施形態に係る表示装置10Cの構成の一例を示すブロック図である。表示装置10Cは、制御部15Cがメニュー生成部154Cと、操作入力部155Cと、メニュー項目設定部156Cとを備える点と、階調制御部152Cが行う処理が異なる点とが図4に示す表示装置10の構成と相違する。
メニュー生成部154Cは、表示装置10の各種設定を行うための設定項目と、その設定項目で選択可能な選択肢とが表示されるメニュー画面を生成する。生成されたメニュー画面は、ガンマ変換処理部13により表示階調特性が設定された後の映像信号に重畳され、表示部14に表示される。例えば、メニュー生成部154Cは、操作部20に対するユーザの操作に基づいてメニュー画面を生成する。
操作部20は、表示装置10に対する操作を受け付ける操作機器である。例えば、操作部20は、表面に設けられた操作ボタンに対するユーザの操作に基づく操作信号を赤外線信号で出力するリモートコントローラ(リモコン)である。なお、操作部20は、赤外線信号に限らず、各種の近距離通信を用いて表示装置10に操作信号を送信してもよい。また、操作部20は、表示装置10に備えられた操作ボタンであってもよい。
操作入力部155Cには、操作部20に対するユーザの操作に基づく操作信号が入力される。例えば、メニュー画面に表示された設定項目及び選択肢を選択するユーザの操作が操作部20に対して行われると、当該操作に基づく操作信号が操作部20から操作入力部155Cに入力される。操作入力部155Cは、入力された操作信号に基づく操作内容を示す情報を、メニュー項目設定部156Cに受け渡す。
メニュー項目設定部156Cは、操作入力部155Cから取得した操作内容を示す情報に基づいて、メニュー画面で設定可能な各種の設定項目についてユーザが選択した選択肢に設定する。
例えば、メニュー生成部154Cは、表示階調特性の設定項目として、静的メタデータを用いた表示階調特性と動的メタデータを用いた表示階調特性とのいずれか一方を選択可能な選択肢が表示されるメニュー画面を生成して、表示部14に表示させる。そして、ユーザが静的メタデータを用いた表示階調特性と動的メタデータを用いた表示階調特性とのいずれかを選択する操作を操作部20に対して行うと、当該操作に基づく操作信号が操作入力部155C入力される。操作入力部155Cは、入力された操作信号に基づく操作内容を示す情報を、メニュー項目設定部156Cに受け渡す。メニュー項目設定部156Cは、操作入力部155Cから取得した操作内容を示す情報に基づいて、静的メタデータを用いた表示階調特性と動的メタデータを用いた表示階調特性とのうち、ユーザにより選択された表示階調特性による制御処理に設定し、設定情報を階調制御部152Cに受け渡す。
階調制御部152Cは、メニュー項目設定部156Cより設定された設定情報を参照し、ユーザの選択に基づいて、静的表示階調制御処理と動的表示階調制御処理とのいずれか一方の処理を実行する。例えば、階調制御部152Bは、静的メタデータを用いた表示階調特性がユーザにより選択された場合、静的メタデータに基づいて映像コンテンツの表示階調特性を設定する静的表示階調制御処理を行う指示をガンマ変換処理部13へ行う。一方、階調制御部152Bは、動的メタデータを用いた表示階調特性がユーザにより選択された場合、動的メタデータに基づいて映像コンテンツの表示階調特性を設定する動的表示階調制御処理を行う指示をガンマ変換処理部13へ行う。
図11は、第4の実施形態に係る表示階調制御処理の一例を示すフローチャートである。
(ステップS101)表示装置10Cに映像コンテンツが入力されると、ステップS103Cの処理に進む。
(ステップS103C)制御部15Cは、メニュー画面に対するユーザの操作により設定された設定情報を参照し、ユーザによる設定が静的メタデータを用いた表示階調特性であるか、或いは動的メタデータを用いた表示階調特性であるかを判定する。ユーザによる設定が静的メタデータを用いた表示階調特性である場合、制御部15Cは、ステップS105の処理に進む。一方、ユーザによる設定が動的メタデータを用いた表示階調特性である場合、制御部15Cは、ステップS107の処理に進む。
(ステップS105)制御部15Cは,ユーザの選択に基づいて、静的メタデータに基づいて表示階調特性を設定する。
(ステップS107)
制御部15Cは、ユーザの選択に基づいて、動的メタデータに基づいて表示階調特性を設定する。
このように、本実施形態に係る表示装置10Cは、ユーザの選択に基づいて静的メタデータに基づいて表示階調特性と動的メタデータに基づいて表示階調特性とを切り替えることができるため、ユーザの好みで表示階調特性を選択することができる。例えば、ユーザは、製作者の意図通りに表示させたい場合(マスターモニター的な使用用途で用いる場合)、静的メタデータを用いた表示階調特性を選択することにより可能となる。
なお、本実施形態では、静的メタデータを用いた表示階調特性と動的メタデータを用いた表示階調特性とをユーザが選択可能な例を説明したが、表示装置10Cは、PCからの映像コンテンツの入力時に、静的メタデータを用いた表示階調特性に制御してもよい。例えば、ユーザにより映像コンテンツの入力切替が「PC入力」に設定されている場合に、表示装置10Cは、静的メタデータを用いた表示階調特性に制御してもよい。映像コンテンツの入力切替とは、表示装置10の映像入力部11に設けられている複数の入力端子のうち、映像コンテンツを表示する入力端子を選択することをいう。例えば、映像コンテンツの入力切替は、上述したメニュー画面における設定項目の一つとしてユーザが選択可能である。
図12は、第4の実施形態に係る表示階調制御処理の別の例として、入力切替の選択に基づく表示階調制御処理の一例を示すフローチャートである。
(ステップS101)表示装置10Cに映像コンテンツが入力されると、ステップS103Cの処理に進む。
(ステップS103C)制御部15Cは、メニュー画面に対するユーザの操作により設定された設定情報を参照し、映像コンテンツの入力切替が「PC入力」に設定されているか否かを判定する。入力切替が「PC入力」に設定されている場合(YES)、制御部15Cは、ステップS105の処理に進む。一方、入力切替が「PC入力」以外に設定されている場合(NO)、制御部15Cは、ステップS107の処理に進む。
(ステップS105)制御部15Cは,PCから入力された映像コンテンツを表示するため、静的メタデータに基づいて表示階調特性を設定する。
(ステップS107)
制御部15Cは、PC以外から入力された映像コンテンツを表示するため、動的メタデータに基づいて表示階調特性を設定する。
これにより、表示装置10Cは、PCからの映像コンテンツの場合には、静的メタデータに基づいて表示階調特性を設定することにより、表示階調特性を固定して視聴することができる。
なお、制御部15Cは、PC以外から入力された映像コンテンツを表示する場合には、第1〜第3の実施形態で説明した構成のように、字幕の有無や映像コンテンツのジャンルに基づいて、さらに静的メタデータに基づいて表示階調特性を設定するか、或いは、動的メタデータに基づいて表示階調特性を設定するかを切替えてもよい。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
本実施形態では、入力される映像コンテンツのピーク輝度の値に基づいて表示階調制御処理を行う例を説明する。なお、本実施形態に係る表示装置の構成は、図4に示す表示装置10の構成、図6に示す表示装置10Aの構成、図8に示す表示装置10Cの構成、及び図10に示す表示装置10Cの構成のいずれも適用できる。
例えば、表示装置10は、入力される映像コンテンツのピーク輝度の最大値が所定の輝度(例えば、1000cd/m2)未満の場合、シーンごとの輝度の変動(輝度差)が少ないため、例え字幕が表示されてもフラッシングのような現象が発生しにくいため、動的メタデータを用いた表示階調特性に設定してもよい。ここで、映像コンテンツのピーク輝度の最大値とは、図1に示すコンテンツごとのピーク輝度MS、又はシーンごとのピーク輝度MSのうちの最大値である。
具体的には、表示装置10の階調制御部152は、静的表示階調制御処理と動的表示階調制御処理とのいずれか一方の処理を映像コンテンツのピーク輝度の値に基づいて実行する。例えば、階調制御部152は、データ取得部151が取得した静的メタデータ又は動的メタデータに基づいて、入力される映像コンテンツのピーク輝度の最大値が所定の輝度(例えば、1000cd/m2)未満の場合、動的メタデータに基づいて映像コンテンツの表示階調特性を設定する動的表示階調制御処理を実行する。なお、階調制御部152は、入力される映像コンテンツのピーク輝度の最大値が所定の輝度(例えば、1000cd/m2)以上の場合には、第1の実施形態で説明したように、字幕表示の有無に基づいて、静的表示階調制御処理と動的表示階調制御処理とのいずれか一方の処理を実行してもよい。
また、階調制御部152は、入力される映像コンテンツごとのピーク輝度MS(静的メタデータ)と、映像コンテンツにおいてシーンごとのピーク輝度MD(動的メタデータ)のそれぞれとに基づいて、シーンごとの映像コンテンツの表示階調特性をそれぞれ設定する表示階調制御処理(第3階調制御処理)を実行してもよい。例えば、階調制御部152は、入力される映像コンテンツのピーク輝度の値が第1の輝度(例えば、1000cd/m2)以上、且つ第2の輝度(例えば、4000cd/m2)以下の場合、各シーンのピーク輝度を、映像コンテンツごとのピーク輝度MS(静的メタデータ)とシーンごとのピーク輝度MD(動的メタデータ)との間の値(例えば、平均値)としてもよい。
図13は、第5の実施形態に係るピーク輝度の算出方法を説明する模式図であり、各シーンのピーク輝度を、静的メタデータと動的メタデータとの平均値とする例を説明する図である。この図において、横軸は時間、縦軸はコンテンツ輝度を示している。また、図示する例では、1つのコンテンツの中に、シーンが1〜10まで含まれているとする。なお、シーンの数は、便宜的に示しているものであり、実際は映像コンテンツの長さ及びシーンの長さなどによって定まる。
図示する例では、映像コンテンツ全体(映像コンテンツごと)のピーク輝度MSは、4000cd/m2である。また、シーンごとのピーク輝度MD(MD1〜MD10)は、シーン6のピーク輝度MD6が4000cd/m2で最大であり、シーン10のピーク輝度MD10が1000cd/m2で最小である。この場合、映像コンテンツのシーンごとのピーク輝度MSが第1の輝度(例えば、1000cd/m2)以上、且つ第2の輝度(例えば、4000cd/m2)以下であるため、階調制御部152は、各シーンのピーク輝度MV(MV1〜MV10)を、静的メタデータと動的メタデータとの平均値「(ピーク輝度MS+ピーク輝度MD)÷2」として算出する。例えば、シーン4のピーク輝度MV4は、「(コンテンツ全体のピーク輝度MS(4000cd/m2)+シーン4のピーク輝度MD4(3000cd/m2))÷2」から35000cd/m2と算出される。
例えば、階調制御部152は、算出した各シーンのピーク輝度MVに基づいて、シーンごとに表示階調特性を設定(トーンマッピング)する。例えば、階調制御部152は、算出した各シーンのピーク輝度MVが、表示装置10の最大輝度(MaxTV輝度)になるように表示階調特性を設定(トーンマッピング)する。
このように、例えば、映像コンテンツのピーク輝度が第1の輝度(例えば、1000cd/m2)以上、且つ第2の輝度(例えば、4000cd/m2)以下の場合、階調制御部152は、シーンごとに静的メタデータ(ピーク輝度MS)と動的メタデータ(ピーク輝度MD)との平均値を算出し、その算出した平均値に基づいてシーンごとに表示階調特性を動的に設定(トーンマッピング)する。これにより、映像コンテンツに字幕表示がされた場合でも、フラッシングの発生を抑制しつつ、シーンごとの輝度に応じた表示階調特性に動的に設定することができる。なお、上述の第1の輝度と第2の輝度は、シーンごとに動的に表示階調特性を制御することにより多少字幕の輝度が変動したとしても、フラッシングを感じない程度の値として予め設定された値である。
図14は、第5の実施形態に係る表示階調制御処理の一例を示すフローチャートである。
(ステップS201)表示装置10に映像コンテンツが入力されると、ステップS103の処理に進む。
(ステップS203)制御部15は、映像コンテンツのデータ信号から取得した静的メタデータ又は動的メタデータに基づいて、ピーク輝度が1000cd/m2未満のコンテンツであるか否かを判定する。例えば、制御部15は、ピーク輝度が1000cd/m2未満のコンテンツであると判定した場合(YES)、ステップS215の処理に進み、動的メタデータに基づいて表示階調特性を設定する。一方、制御部15は、ピーク輝度が1000cd/m2以上のコンテンツであると判定した場合(NO)、ステップS205の処理に進む。
(ステップS205)制御部15は、映像コンテンツのデータ信号から取得した静的メタデータ又は動的メタデータに基づいて、ピーク輝度が1000cd/m2以上4000cd/m2以下のコンテンツであるか否かを判定する。例えば、制御部15は、ピーク輝度が1000cd/m2以上4000cd/m2以下のコンテンツであると判定した場合(YES)、ステップS207の処理に進む。一方、制御部15は、ピーク輝度が1000cd/m2以上4000cd/m2以下のコンテンツではないと判定した場合(NO)、ステップS211の処理に進む。
(ステップS207)制御部15は、静的メタデータと動的メタデータの平均値に基づいて表示階調特性を設定する。例えば、制御部15は、シーンごとに静的メタデータ(ピーク輝度MS)と動的メタデータ(ピーク輝度MD)との平均値を算出し、その算出した平均値に基づいてシーンごとに表示階調特性を動的に設定(トーンマッピング)する。
(ステップS211)制御部15は、入力された映像コンテンツの表示モードが字幕表示ありか否かを判定する。例えば、制御部15は、字幕表示ありと判定した場合(YES)、ステップS213の処理に進む。また、制御部15は、字幕表示なしと判定した場合(NO)、ステップS215の処理に進む。
(ステップS213)制御部15は、ステップS211において字幕表示ありと判定したため、静的メタデータに基づいて表示階調特性を設定する。
(ステップS215)
制御部15は、ステップS211において字幕表示なしと判定したため、動的メタデータに基づいて表示階調特性を設定する。
以上説明したように、本実施形態に係る表示装置10は、映像コンテンツのピーク輝度に基づいて、静的表示階調制御処理と動的表示階調制御処理を切り替えるため、ピーク輝度に応じて適した映像を表示することができる。例えば、映像コンテンツのピーク輝度が1000cd/m2未満のように低い場合、シーンごとの輝度差が少なく、例え字幕が表示されてもフラッシングのような現象が発生しにくいため、動的メタデータを用いた表示階調特性に設定することにより、低階調領域の映像を正確に再現して表示することができる。
また、本実施形態に係る表示装置10は、静的メタデータと動的メタデータのそれぞれとに基づいて、シーンごとの映像コンテンツの表示階調特性をそれぞれ設定する。例えば、表示装置10は、シーンごとに静的メタデータ(ピーク輝度MS)と動的メタデータ(ピーク輝度MD)との平均値を算出し、その算出した平均値に基づいてシーンごとに表示階調特性を動的に設定(トーンマッピング)する。これにより、表示装置10は、映像コンテンツに字幕表示がされた場合でも、フラッシングの発生を抑制しつつ、シーンごとの輝度に応じた表示階調特性に動的に設定することができる。
また、本実施形態に係る表示階調制御処理を図8に示す表示装置10Bに適用することにより、映像コンテンツのジャンルを判定要素に加えてもよい。
図15は、第5の実施形態に係る表示階調制御処理の別の例を示すフローチャートである。この図において、図14の各処理に対応する処理には同一の符号を付しており、ステップS209の処理が追加されたことが異なる。同一の符号を付した処理において、表示装置10Bの制御部15Bは、図14を参照して説明した制御部15の処理と基本的には同様の処理を行う。ここでは、ステップS209の処理に関連する部分についてのみ説明する。
(ステップS205)制御部15Bは、ピーク輝度が1000cd/m2以上4000cd/m2以下のコンテンツではないと判定した場合(NO)、ステップS211の処理ではなく、ステップS209の処理に進む。
(ステップS209)制御部15Bは、映像コンテンツから分離されたデータ信号から取得したジャンルデータに基づいて、入力された映像コンテンツのジャンルを判別する。例えば、制御部15Bは、入力された映像コンテンツのジャンルがスポーツ番組又はニュース番組である場合、ステップS213の処理に進む。また、制御部15Bは、入力された映像コンテンツのジャンルが映画又は静止画である場合、ステップS211の処理に進む。
(ステップS211)制御部15は、入力された映像コンテンツの表示モードが字幕表示ありか否かを判定する。例えば、制御部15は、字幕表示ありと判定した場合(YES)、ステップS213の処理に進む。また、制御部15は、字幕表示なしと判定した場合(NO)、ステップS215の処理に進む。
(ステップS213)制御部15は、ステップS211において字幕表示ありと判定したため、静的メタデータに基づいて表示階調特性を設定する。
(ステップS215)制御部15は、ステップS211において字幕表示なしと判定したため、動的メタデータに基づいて表示階調特性を設定する。
このように、ピーク輝度が1000cd/m2未満のコンテンツではなく、且つピーク輝度が1000cd/m2以上4000cd/m2以下のコンテンツでもない場合、表示装置10Bは、まず、映像コンテンツのジャンルを判定し、スポーツ番組又はニュース番組の場合には静的メタデータに基づいて表示階調特性を設定してもよい。また、表示装置10Bは、ジャンルが映画又は静止画の映像コンテンツであった場合には、字幕表示の有無を判定し、字幕表示がある場合には静的メタデータに基づいて表示階調特性を設定し、字幕表示がない場合には動的メタデータに基づいて表示階調特性を設定してもよい。つまり、ジャンルよりも字幕のフラッシングを発生させないようにすることを優先してもよい。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、上記実施形態では、HDRの映像コンテンツの表示階調特性の制御を説明したが、HDRに限られるものではなく、静的メタデータと動的メタデータを有する映像コンテンツであれば、さまざまな映像コンテンツに適用することができる。
また、上記実施形態において、映像コンテンツが字幕ありで表示されるか否かに基づいて静的メタデータを用いて表示階調特性を設定するか、或いは動的メタデータを用いて表示階調特性を設定するかを判定する例を説明したが、字幕ありで表示される場合に、さらに字幕の輝度に基づいて上記判定を行ってもよい。例えば、字幕の輝度が低い場合にはフラッシングのような現象が発生しにくい場合があるため、字幕の輝度が所定の輝度より高い場合には静的メタデータを用いて表示階調特性を設定し、字幕ありで表示される場合でも字幕の輝度が所定の輝度以下の場合には動的メタデータを用いて表示階調特性を設定してもよい。なお、字幕の輝度を示す情報は、映像コンテンツにメタデータとして付加されてもよいし、映像信号から字幕の輝度を検出することにより取得される構成としてもよい。
なお、上述した実施形態における表示装置10(10A,10B,10C)の一部の機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、表示装置10(10A,10B,10C)に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、表示装置10(10A,10B,10C)の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。また、本実施形態の表示装置10内の各構成要素は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
また、上記実施形態では、表示部14を備えた表示装置10(10A,10B,10C)の構成例を説明したが、各構成において表示部14が備えられていない表示制御装置として構成としてもよい。例えば、表示制御装置は、入力された映像コンテンツに対して表示階調特性を制御した後、外部に接続される表示部に表示させる構成として、少なくとも映像入力部11と、分離部12と、ガンマ変換処理部13と、制御部15(15A,15B,15C)とを備えた構成としてもよい。具体的には、上記表示制御装置は、例えば、映像コンテンツの再生が可能なハードディスクレコーダ、Ultra HD Blu−ray(登録商標)プレイヤーやDVDプレイヤーなど、又はそれらを組み合わせた電子機器である。