JP2019207274A - 防音材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シンプルな構造で、高い吸音性と高い形状保持性とを得る。【解決手段】基材10の表面に取着されて使用される防音材1である。防音材1は積層された複数層を含む。複数層のうちの一層は、相対的に太い太繊維の不織布からなり一方向に進行する波形に曲げられている補強用不織布層2である。複数層のうちの別の一層は、相対的に細い細繊維の不織布からなり補強用不織布層2の波形の谷内に一部が入り込んでいる吸音用不織布層3である。基材10は、例えば、自動車ボディアンダーカバー、エンジンカバー、モーターカバー等である。【選択図】図1
Description
本発明は、音を発生させる装置の騒音を防ぐ防音材及びその製造方法に関し、例えば自動車ボディアンダーカバーやエンジンカバーやモーターカバーに取着して使用するのに適した防音材に係るものである。
自動車ボディアンダーカバーは、ボディ下方の気流を制御して空力特性を向上させたり、飛び石の飛散から機器を保護したりすることを主目的として設けられているが、エンジン音の放出を低減したり、ロードノイズの侵入を低減したりする防音効果も認められる。
近年、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)、電気自動車(EV)等のように、電気モーターのみによる走行を一時的に又は終始行う自動車が増えてきている。電気モーターのみによる走行中は、エンジンによる走行中と比べて静かであるが、その分ロードノイズが気になるとか、高周波数のモーター音も気になるという意見がある。
そこで、自動車ボディアンダーカバーによる防音効果がますます注目されており、自動車ボディアンダーカバーに取着する防音材として次の例がある。
・特許文献1には、 繊維補強樹脂製のアンダーカバーの路面側表面に、オレフィン系樹脂等の補強層と不織布層とを積層してなる路面側防音材を貼着することが開示されている。
・特許文献2には、繊維補強樹脂製の基材層の路面側表面に、成形時の加熱工程で溶融する繊維と溶融しない繊維とを混合した不織布層を圧縮成形により積層することが開示されている。溶融しない繊維の太さは2〜15dtexの範囲とされている。
・特許文献1には、 繊維補強樹脂製のアンダーカバーの路面側表面に、オレフィン系樹脂等の補強層と不織布層とを積層してなる路面側防音材を貼着することが開示されている。
・特許文献2には、繊維補強樹脂製の基材層の路面側表面に、成形時の加熱工程で溶融する繊維と溶融しない繊維とを混合した不織布層を圧縮成形により積層することが開示されている。溶融しない繊維の太さは2〜15dtexの範囲とされている。
しかしながら、特許文献1,2のような不織布による防音効果は、まだ十分とはいえなかった。
不織布による防音効果を高めるには、不織布に用いる繊維を細くして吸音性を高めることが有効であると考えられる。ところが、繊維が細いと、不織布の形状保持性が低下して、例えば、水を含んだときに水の重さで嵩高性を無くしたり、飛び石が当たったときに繊維が剥がれたりしやすくなる。
特許文献1の不織布層では、その路面側表面にオレフィン系樹脂等の補強層を積層し、特許文献2の不織布では、溶融する繊維で溶融しない繊維を固着しているが、それらの手段による形状保持性の向上は、繊維が細い場合には不十分である。
そこで、本発明の目的は、シンプルな構造で、高い吸音性と高い形状保持性とを得ることにある。
<1>防音材
基材の表面に取着されて使用される防音材において、
防音材は積層された複数層を含み、
複数層のうちの一層は、相対的に太い太繊維の不織布からなり一方向に進行する波形に曲げられている補強用不織布層であり、
複数層のうちの別の一層は、相対的に細い細繊維の不織布からなり補強用不織布層の波形の谷内に一部が入り込んでいる吸音用不織布層であることを特徴とする防音材。
ここで、「相対的」とは太繊維と細繊維との対比である。
基材の表面に取着されて使用される防音材において、
防音材は積層された複数層を含み、
複数層のうちの一層は、相対的に太い太繊維の不織布からなり一方向に進行する波形に曲げられている補強用不織布層であり、
複数層のうちの別の一層は、相対的に細い細繊維の不織布からなり補強用不織布層の波形の谷内に一部が入り込んでいる吸音用不織布層であることを特徴とする防音材。
ここで、「相対的」とは太繊維と細繊維との対比である。
[作用]
補強用不織布層は、相対的に太い太繊維を用いているため、また、一方向に進行する波形に曲げられているため、形状保持性が高い。
吸音用不織布層は、相対的に細い細繊維を用いているため、吸音性に優れ、防音効果を高める。また、吸音用不織布層は、その一部が補強用不織布層の波形の谷内に入り込んでいるため、防音材の形状保持性がさらに高められる。
補強用不織布層は、相対的に太い太繊維を用いているため、また、一方向に進行する波形に曲げられているため、形状保持性が高い。
吸音用不織布層は、相対的に細い細繊維を用いているため、吸音性に優れ、防音効果を高める。また、吸音用不織布層は、その一部が補強用不織布層の波形の谷内に入り込んでいるため、防音材の形状保持性がさらに高められる。
補強用不織布層と吸音用不織布層は、いずれが、相対的に基材から遠く配されるものであってよいが、補強用不織布層が相対的に基材から遠く配され(吸音用不織布層が相対的に基材に近く配される)ものであると、太繊維のため損傷しにくい補強用不織布層が、細繊維のため損傷しやすい吸音用不織布層を、外部からの異物の衝突や擦れから保護する点で好ましい。
ここで、「相対的」とは補強用不織布層と吸音用不織布層との対比である。
ここで、「相対的」とは補強用不織布層と吸音用不織布層との対比である。
本発明は、音を発生させる装置の騒音を防ぐ汎用の防音材として、広く適用できる。基材は、音を発生させる装置自身のカバーや、音を発生させる装置に近くに設けたカバーを例示でき、より具体的には次の態様を例示できる。
基材は自動車ボディアンダーカバーであり、防音材は自動車ボディアンダーカバー用防音材である態様を例示できる。自動車ボディアンダーカバーには、エンジンルーム又はモータールームの下方を覆うカバー、キャビンフロアの下方を覆うカバー、トランクフロアの下方を覆うカバー等が含まれる。
基材はエンジンカバーであり、防音材はエンジンカバー用防音材である態様を例示できる。
基材はモーターカバーであり、防音材はモーターカバー用防音材である態様を例示できる。
<2>防音材の製造方法
基材の表面に取着されて使用される防音材の製造方法において、
防音材は積層された複数層を含み、
複数層のうちの一層は、相対的に太い太繊維の不織布からなり一方向に進行する波形に曲げられる補強用不織布層であり、
複数層のうちの別の一層は、相対的に細い細繊維の不織布からなり補強用不織布層の波形の谷内に一部が入り込む吸音用不織布層であり、
補強用不織布層と吸音用不織布層とを一緒に成形することにより、補強用不織布層を前記波形に曲げるとともに、吸音用不織布層の一部を前記谷内に入り込ませることを特徴とする防音材の製造方法。
基材の表面に取着されて使用される防音材の製造方法において、
防音材は積層された複数層を含み、
複数層のうちの一層は、相対的に太い太繊維の不織布からなり一方向に進行する波形に曲げられる補強用不織布層であり、
複数層のうちの別の一層は、相対的に細い細繊維の不織布からなり補強用不織布層の波形の谷内に一部が入り込む吸音用不織布層であり、
補強用不織布層と吸音用不織布層とを一緒に成形することにより、補強用不織布層を前記波形に曲げるとともに、吸音用不織布層の一部を前記谷内に入り込ませることを特徴とする防音材の製造方法。
ここで、「成形」としては、曲げ加工による成形又はプレス加工による成形を例示できる。
本発明によれば、シンプルな構造で、高い吸音性と高い形状保持性とを得ることができる。
[1]補強用不織布層
補強用不織布層を構成する太繊維の太さ(繊度)は、細繊維に対し相対的に太ければ特に限定されないが、1〜50デニールが好ましく、3〜20デニールがより好ましく、4〜20デニールがさらに好ましい。強度に優れるからである。
但し、補強用不織布層は、太繊維だけで構成されるものに限定されず、太繊維に小質量の細繊維を混合したものでもよい。
補強用不織布層(成形前)の目付は、特に限定されないが、30〜1000g/m2 が好ましく、50〜600g/m2 がより好ましい。
補強用不織布層を構成する太繊維の太さ(繊度)は、細繊維に対し相対的に太ければ特に限定されないが、1〜50デニールが好ましく、3〜20デニールがより好ましく、4〜20デニールがさらに好ましい。強度に優れるからである。
但し、補強用不織布層は、太繊維だけで構成されるものに限定されず、太繊維に小質量の細繊維を混合したものでもよい。
補強用不織布層(成形前)の目付は、特に限定されないが、30〜1000g/m2 が好ましく、50〜600g/m2 がより好ましい。
太繊維の材質としては、特に限定されないが、合成繊維、天然繊維、無機繊維等を例示できる。合成繊維としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、アクリル等を例示できる。天然繊維としては、ジュート、ケナフ、サイザル、ヤシ、亜麻等を例示できる。無機繊維としては、ガラス、セラミック、ロックウール、バサルト、カーボン、カーボン、金属繊維等を例示できる。また、繊維は、一種でもよいし、二種以上の混合でもよい。
[2]補強用不織布層の波形
補強用不織布層の波形の高さ(いわゆるピークピーク値。図1,図3のH)は、特に限定されないが、2〜100mmが好ましく、4〜40mmがより好ましく、5〜30mmがさらに好ましい。
補強用不織布層の波形の波長(山と山の間の長さ。図1,図3のP)は、特に限定されないが、2〜100mmが好ましく、3〜40mmがより好ましく、4〜30mmがさらに好ましい。
補強用不織布層の波形の高さ(いわゆるピークピーク値。図1,図3のH)は、特に限定されないが、2〜100mmが好ましく、4〜40mmがより好ましく、5〜30mmがさらに好ましい。
補強用不織布層の波形の波長(山と山の間の長さ。図1,図3のP)は、特に限定されないが、2〜100mmが好ましく、3〜40mmがより好ましく、4〜30mmがさらに好ましい。
[3]吸音用不織布層
吸音用不織布層を構成する細繊維の太さ(繊度)は、太繊維に対し相対的に細ければ特に限定されないが、0.001〜4デニールが好ましく、0.01〜0.8デニールがより好ましく、0.02〜0.3デニールがさらに好ましい。吸音性に優れるからである。また、細繊維のデニール値が、太繊維のデニール値に対して、1/1000〜1/10であることが好ましい。吸音性に優れるからである。
但し、吸音用不織布層は、細繊維だけで構成されるものに限定されず、細繊維に小質量の太繊維を混合したものでもよい。
吸音用不織布層(成形前)の目付は、特に限定されないが、30〜1000g/m2 が好ましく、50〜600g/m2 がより好ましい。
吸音用不織布層を構成する細繊維の太さ(繊度)は、太繊維に対し相対的に細ければ特に限定されないが、0.001〜4デニールが好ましく、0.01〜0.8デニールがより好ましく、0.02〜0.3デニールがさらに好ましい。吸音性に優れるからである。また、細繊維のデニール値が、太繊維のデニール値に対して、1/1000〜1/10であることが好ましい。吸音性に優れるからである。
但し、吸音用不織布層は、細繊維だけで構成されるものに限定されず、細繊維に小質量の太繊維を混合したものでもよい。
吸音用不織布層(成形前)の目付は、特に限定されないが、30〜1000g/m2 が好ましく、50〜600g/m2 がより好ましい。
細繊維の材質としては、特に限定されないが、細繊維の材質として例示したものを同様に例示できる。特に、細い繊維を得やすい合成繊維(ポリエステル、PP、PE、PA、PC、アクリル等)が好ましい。また、繊維は、一種でもよいし、二種以上の混合でもよい。
以下、本発明を具体化した実施例について、図面を参照して説明する。なお、実施例で記す材料、構造、数値は例示であって、適宜変更できる。
[実施例1]
図1(b)及び(c)に示す実施例1の防音材1は、基材(図2の10)の表面に取着されて使用されるものであって、積層された二層からなる。二層のうちの一層は、相対的に太い太繊維の不織布からなり一方向に進行する波形に曲げられている、相対的に基材10から遠く配される補強用不織布層2である。二層のうちの別の一層は、相対的に細い細繊維の不織布からなり補強用不織布層2の波形の谷内に一部が入り込んでいる、相対的に基材10に近く配される吸音用不織布層3である。
図1(b)及び(c)に示す実施例1の防音材1は、基材(図2の10)の表面に取着されて使用されるものであって、積層された二層からなる。二層のうちの一層は、相対的に太い太繊維の不織布からなり一方向に進行する波形に曲げられている、相対的に基材10から遠く配される補強用不織布層2である。二層のうちの別の一層は、相対的に細い細繊維の不織布からなり補強用不織布層2の波形の谷内に一部が入り込んでいる、相対的に基材10に近く配される吸音用不織布層3である。
本実施例では、補強用不織布層2及び吸音用不織布層3が共に、一方向に進行する、山の頂点が丸まったほぼ矩形波形に曲げられている。補強用不織布層2の波形の高さHは10〜20mm、波長Pは8〜15mmであり、隣りあう山4がほぼ接している。
また、補強用不織布層2(成形前)には、繊度10デニール(繊維径約35μm)のポリエステル繊維からなる、目付100g/m2 の不織布が用いられている。吸音用不織布層3(成形前)には、繊度0.03〜0.04デニール(繊維径約2μm)のPP繊維からなる、目付100g/m2 の不織布が用いられている。
この防音材1は、次のようにして製造することができる。
(1)図1(a)に示すように、補強用不織布層2の内側に、吸音用不織布層3を重ねる。
また、重ねるだけでなく、ニードルパンチ(両層2,3の繊維を絡める)、接着剤、熱溶着等の手段により、両層2,3を結合することが好ましい。
(1)図1(a)に示すように、補強用不織布層2の内側に、吸音用不織布層3を重ねる。
また、重ねるだけでなく、ニードルパンチ(両層2,3の繊維を絡める)、接着剤、熱溶着等の手段により、両層2,3を結合することが好ましい。
(2)図1(b)及び(c)に示すように、補強用不織布層2及び吸音用不織布層3を一緒に曲げ加工(又はプレス加工)することにより前記波形に成形する。
波形を保持するために、予め補強用不織布層2及び吸音用不織布層3にバインダを添加し、成形後に波形を保持するようにバインダを機能させることが好ましい。バインダとしては、特に限定されないが、熱溶融性繊維、液状バインダ等を例示できる。
波形を保持するために、予め補強用不織布層2及び吸音用不織布層3にバインダを添加し、成形後に波形を保持するようにバインダを機能させることが好ましい。バインダとしては、特に限定されないが、熱溶融性繊維、液状バインダ等を例示できる。
この防音材1は、図2(a)に示すように、基材10の片方の表面に取着して使用したり、図2(b)に示すように、基材10の両方の表面に取着して使用したりして使用される。取着手段は任意であり、接着、ネジ、リベット等を例示できる。
基材10としては、図2(c)に示すような自動車ボディアンダーカバーを例示でき、自動車ボディアンダーカバーには、エンジンルーム又はモータールームの下方を覆うカバー10a、キャビンフロアの下方を覆うカバー10b、トランクフロアの下方を覆うカバー10c等が含まれる。基材10が自動車ボディアンダーカバーである場合、図2(a)(b)において下側が外側(地面側)である。
基材10として、他にも、前述したエンジンカバーやモーターカバーを例示できる。
基材10としては、図2(c)に示すような自動車ボディアンダーカバーを例示でき、自動車ボディアンダーカバーには、エンジンルーム又はモータールームの下方を覆うカバー10a、キャビンフロアの下方を覆うカバー10b、トランクフロアの下方を覆うカバー10c等が含まれる。基材10が自動車ボディアンダーカバーである場合、図2(a)(b)において下側が外側(地面側)である。
基材10として、他にも、前述したエンジンカバーやモーターカバーを例示できる。
本実施例の防音材1によれば、次の作用効果が得られる。
補強用不織布層2は、相対的に太い太繊維を用いているため、また、一方向に進行する波形に曲げられているため、形状保持性が高い。
吸音用不織布層3は、細繊維を用いているため、吸音性に優れ、防音効果を高める。また、吸音用不織布層3は、その一部が補強用不織布層2の波形の谷内に入り込んでいるため、防音材1の形状保持性がさらに高められる。
また、相対的に基材10から遠く配される、太繊維のため損傷しにくい補強用不織布層2が、細繊維のため損傷しやすい吸音用不織布層3を、外部からの異物(飛び石等)の衝突や擦れから保護する。
よって、本実施例の防音材1は、シンプルな構造で、高い吸音性と高い形状保持性とを得ることができ、自動車ボディアンダーカバーに取着して使用したときには、エンジン音やモーター音の放出を低減したり、ロードノイズの侵入を低減したりする防音効果が高く、また、水を含んだときに水の重さで嵩高性を無くすことが防止され、飛び石が当たったときに繊維が剥がれることも防止される。
補強用不織布層2は、相対的に太い太繊維を用いているため、また、一方向に進行する波形に曲げられているため、形状保持性が高い。
吸音用不織布層3は、細繊維を用いているため、吸音性に優れ、防音効果を高める。また、吸音用不織布層3は、その一部が補強用不織布層2の波形の谷内に入り込んでいるため、防音材1の形状保持性がさらに高められる。
また、相対的に基材10から遠く配される、太繊維のため損傷しにくい補強用不織布層2が、細繊維のため損傷しやすい吸音用不織布層3を、外部からの異物(飛び石等)の衝突や擦れから保護する。
よって、本実施例の防音材1は、シンプルな構造で、高い吸音性と高い形状保持性とを得ることができ、自動車ボディアンダーカバーに取着して使用したときには、エンジン音やモーター音の放出を低減したり、ロードノイズの侵入を低減したりする防音効果が高く、また、水を含んだときに水の重さで嵩高性を無くすことが防止され、飛び石が当たったときに繊維が剥がれることも防止される。
[実施例2]
図3(a)に示す実施例2の防音材1は、補強用不織布層2及び吸音用不織布層3が共に、一方向に進行する、山の頂点が丸まった短い矩形と、長い矩形とが交互に繰り返す波形に曲げられており、補強用不織布層2の波形の波長Pは16〜30mmである点において実施例1と相違し、その他は実施例と共通であり、製造方法も共通である。
図3(a)に示す実施例2の防音材1は、補強用不織布層2及び吸音用不織布層3が共に、一方向に進行する、山の頂点が丸まった短い矩形と、長い矩形とが交互に繰り返す波形に曲げられており、補強用不織布層2の波形の波長Pは16〜30mmである点において実施例1と相違し、その他は実施例と共通であり、製造方法も共通である。
[実施例3]
図3(b)に示す実施例3の防音材1は、補強用不織布層2及び吸音用不織布層3が共に、一方向に進行するほぼ正弦波形に曲げられており、補強用不織布層2の波形の波長Pは16〜30mmである点において実施例1と相違し、その他は実施例1と共通であり、製造方法も共通である。
図3(b)に示す実施例3の防音材1は、補強用不織布層2及び吸音用不織布層3が共に、一方向に進行するほぼ正弦波形に曲げられており、補強用不織布層2の波形の波長Pは16〜30mmである点において実施例1と相違し、その他は実施例1と共通であり、製造方法も共通である。
[実施例4]
図3(c)に示す実施例4の防音材は、補強用不織布層2が一方向に進行する正弦波形に曲げられており、吸音用不織布層3は、補強用不織布層2に接する側はほぼ正弦波形であるが、基材に向けられる内側は平らである点において実施例3と相違し、その他は実施例3と共通であり、製造方法も共通である。
図3(c)に示す実施例4の防音材は、補強用不織布層2が一方向に進行する正弦波形に曲げられており、吸音用不織布層3は、補強用不織布層2に接する側はほぼ正弦波形であるが、基材に向けられる内側は平らである点において実施例3と相違し、その他は実施例3と共通であり、製造方法も共通である。
[実施例5]
図4(a)に示す実施例5の防音材は、前記補強用不織布層2と、前記吸音用不織布層3と、前記吸音用不織布層3の基材側に積層されたさらなる吸音機能を有する別層4の三層からなり、これらが共に、一方向に進行する波形に曲げられており、補強用不織布層2の波形の波長Pは15〜30mmである点において実施例1と相違し、その他は実施例1と共通であり、製造方法も共通である。
図4(a)に示す実施例5の防音材は、前記補強用不織布層2と、前記吸音用不織布層3と、前記吸音用不織布層3の基材側に積層されたさらなる吸音機能を有する別層4の三層からなり、これらが共に、一方向に進行する波形に曲げられており、補強用不織布層2の波形の波長Pは15〜30mmである点において実施例1と相違し、その他は実施例1と共通であり、製造方法も共通である。
[実施例6]
図4(b)に示す実施例6の防音材は、前記補強用不織布層2と、前記吸音用不織布層3と、これら両層2,3の間に積層されたさらなる吸音機能を有する別層4の三層からなり、これらが共に、一方向に進行する波形に曲げられており、補強用不織布層2の波形の波長Pは15〜30mmである点において実施例1と相違し、その他は実施例1と共通であり、製造方法も共通である。
図4(b)に示す実施例6の防音材は、前記補強用不織布層2と、前記吸音用不織布層3と、これら両層2,3の間に積層されたさらなる吸音機能を有する別層4の三層からなり、これらが共に、一方向に進行する波形に曲げられており、補強用不織布層2の波形の波長Pは15〜30mmである点において実施例1と相違し、その他は実施例1と共通であり、製造方法も共通である。
[実施例7]
図5(a)に示す実施例7の防音材は、前記補強用不織布層2と、前記吸音用不織布層3と、前記補強用不織布層2の外側に積層された別層4の三層からなり、別層4は平らなままで補強用不織布層2に接合されて補強用不織布層2及び吸音用不織布層3の波形を保持する機能を有する点において実施例1と相違し、その他は実施例1と共通であり、製造方法も共通である。
図5(a)に示す実施例7の防音材は、前記補強用不織布層2と、前記吸音用不織布層3と、前記補強用不織布層2の外側に積層された別層4の三層からなり、別層4は平らなままで補強用不織布層2に接合されて補強用不織布層2及び吸音用不織布層3の波形を保持する機能を有する点において実施例1と相違し、その他は実施例1と共通であり、製造方法も共通である。
[実施例8]
図5(b)に示す実施例8の防音材は、前記補強用不織布層2と、前記吸音用不織布層3と、前記吸音用不織布層3の基材側に積層された別層4の三層からなり、別層4は平らなままで吸音用不織布層3に接合されて補強用不織布層2及び吸音用不織布層3の波形を保持する機能を有する点において実施例1と相違し、その他は実施例1と共通であり、製造方法も共通である。
図5(b)に示す実施例8の防音材は、前記補強用不織布層2と、前記吸音用不織布層3と、前記吸音用不織布層3の基材側に積層された別層4の三層からなり、別層4は平らなままで吸音用不織布層3に接合されて補強用不織布層2及び吸音用不織布層3の波形を保持する機能を有する点において実施例1と相違し、その他は実施例1と共通であり、製造方法も共通である。
[実施例9]
図5(c)に示す実施例9の防音材は、前記補強用不織布層2と、前記吸音用不織布層3と、前記補強用不織布層2の外側と前記吸音用不織布層3の基材側とに積層された二つの別層4の四層からなり、別層4は平らなままで補強用不織布層2と吸音用不織布層3に接合されて補強用不織布層2及び吸音用不織布層3の波形を保持する機能を有する点において実施例1と相違し、その他は実施例1と共通であり、製造方法も共通である。
図5(c)に示す実施例9の防音材は、前記補強用不織布層2と、前記吸音用不織布層3と、前記補強用不織布層2の外側と前記吸音用不織布層3の基材側とに積層された二つの別層4の四層からなり、別層4は平らなままで補強用不織布層2と吸音用不織布層3に接合されて補強用不織布層2及び吸音用不織布層3の波形を保持する機能を有する点において実施例1と相違し、その他は実施例1と共通であり、製造方法も共通である。
これらの実施例2〜9によっても、実施例1と同様の作用効果が得られる。
実施例5〜9における別層4は、特に限定されず、不織布層、織布層、樹脂フィルム層等を例示できる。
実施例5〜9における別層4は、特に限定されず、不織布層、織布層、樹脂フィルム層等を例示できる。
[実施例10]
図6に示す実施例10の防音材は、構造は実施例1と同様であるが、補強用不織布層2が相対的に基材10に近く配されるものであり、吸音用不織布層3が相対的に基材10から遠く配されるものである点において、実施例1と相違するものである。実施例10の防音材も、同図(a)に示すように、基材10の片方の表面に取着して使用したり、図2(b)に示すように、基材10の両方の表面に取着して使用したりして使用される。実施例2〜9の防音材を、実施例10のように変更することもできる。
図6に示す実施例10の防音材は、構造は実施例1と同様であるが、補強用不織布層2が相対的に基材10に近く配されるものであり、吸音用不織布層3が相対的に基材10から遠く配されるものである点において、実施例1と相違するものである。実施例10の防音材も、同図(a)に示すように、基材10の片方の表面に取着して使用したり、図2(b)に示すように、基材10の両方の表面に取着して使用したりして使用される。実施例2〜9の防音材を、実施例10のように変更することもできる。
実施例10によれば、補強用不織布層2が吸音用不織布層3を外部からの異物の衝突や擦れから保護する効果を除き、実施例1と同様の作用効果が得られる。よって、実施例10は、外部からの異物の衝突や擦れが問題とならない基材(車体で守られたエンジンカバーやモーターカバー)の表面に取着して使用できる。
1 防音材
2 補強用不織布層
3 吸音用不織布層
4 別層
10 基材
10a エンジンルーム又はモータールームの下方を覆うカバー
10b キャビンフロアの下方を覆うカバー
10c トランクフロアの下方を覆うカバー
2 補強用不織布層
3 吸音用不織布層
4 別層
10 基材
10a エンジンルーム又はモータールームの下方を覆うカバー
10b キャビンフロアの下方を覆うカバー
10c トランクフロアの下方を覆うカバー
Claims (8)
- 基材(10)の表面に取着されて使用される防音材(1)において、
防音材(1)は積層された複数層を含み、
複数層のうちの一層は、相対的に太い太繊維の不織布からなり一方向に進行する波形に曲げられている補強用不織布層(2)であり、
複数層のうちの別の一層は、相対的に細い細繊維の不織布からなり補強用不織布層(2)の波形の谷内に一部が入り込んでいる吸音用不織布層(3)であることを特徴とする防音材。 - 補強用不織布層(2)は、相対的に基材から遠く配されるものであり、
吸音用不織布層(3)は、相対的に基材に近く配されるものである請求項1記載の防音材。 - 基材(10)は自動車ボディアンダーカバー(10a,10b,10c)であり、防音材(1)は自動車ボディアンダーカバー用防音材である請求項1又は2記載の防音材。
- 基材(10)はエンジンカバーであり、防音材(1)はエンジンカバー用防音材である請求項1又は2記載の防音材。
- 基材(10)はモーターカバーであり、防音材(1)はモーターカバー用防音材である請求項1又は2記載の防音材。
- 基材(10)の表面に取着されて使用される防音材(1)の製造方法において、
防音材(1)は積層された複数層を含み、
複数層のうちの一層は、相対的に太い太繊維の不織布からなり一方向に進行する波形に曲げられる補強用不織布層(2)であり、
複数層のうちの別の一層は、相対的に細い細繊維の不織布からなり補強用不織布層(2)の波形の谷内に一部が入り込む吸音用不織布層(3)であり、
補強用不織布層(2)と吸音用不織布層(3)とを一緒に成形することにより、補強用不織布層(2)を前記波形に曲げるとともに、吸音用不織布層(3)の一部を前記谷内に入り込ませることを特徴とする防音材の製造方法。 - 前記成形は、曲げ加工による成形である請求項6記載の防音材の製造方法。
- 前記成形は、プレス加工による成形である請求項6記載の防音材の製造方法。
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- 2018-05-28 JP JP2018101349A patent/JP2019207274A/ja active Pending
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