JP2019207103A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
Description
[冷凍装置]
図1は、本発明の実施の形態に係る冷凍装置の冷媒回路の一例を模式的に記載した図である。図1に記載の冷凍装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、例えば、部屋、倉庫、ショーケース、または冷蔵庫等の室内の冷却を行うものである。冷凍装置1は、例えば、1台の熱源側ユニット2と熱源側ユニット2に並列に接続された2台の利用側ユニット4とを含んでいる。熱源側ユニット2と利用側ユニット4とが、液冷媒延長配管6およびガス冷媒延長配管7で接続されることによって、冷媒を循環させる冷媒回路10が形成される。この実施の形態の冷媒回路10に充填される冷媒は、例えば、HFC系の混合冷媒であるR410Aである。なお、図1の例では、1台の熱源側ユニット2と2台の利用側ユニット4とが記載されているが、熱源側ユニット2は、2台以上であってもよく、利用側ユニット4は、1台または3台以上であってもよい。熱源側ユニット2が複数台である場合には、複数台の熱源側ユニット2の容量は、同じであってもよく、異なっていてもよい。また、利用側ユニット4が複数台である場合には、複数台の利用側ユニット4の容量は、同じであってもよく、異なっていてもよい。以下の説明では、冷媒が空気と熱交換する冷凍装置1についての説明を行うが、冷媒が、水、冷媒またはブライン等の流体と熱交換する冷凍装置であってもよい。
利用側ユニット4は、例えば室内に設置される室内ユニットであり、冷媒回路10の一部分を構成する利用側冷媒回路10aと利用側制御部32とを備えている。利用側冷媒回路10aは、利用側膨張弁41と利用側熱交換器42とを含んでいる。利用側膨張弁41は、利用側冷媒回路10aを流れる冷媒の流量を調整するものであり、例えば電子膨張弁または温度式膨張弁等で構成されている。なお、利用側膨張弁41は、熱源側ユニット2に配設されていてもよく、その場合には、利用側膨張弁41は、例えば、熱源側ユニット2の第1過冷却器22と液側閉鎖弁28との間に配設される。利用側熱交換器42は、例えば、伝熱管と多数のフィンとを含んで構成されたフィン&チューブ型熱交換器であり、冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する。
熱源側ユニット2は、例えば、冷媒回路10の一部分を構成する熱源側冷媒回路10bと第1インジェクション回路71と熱源側制御部31とを含んでいる。
次に、この実施の形態の冷凍装置1が備える制御部およびセンサ類について説明する。熱源側ユニット2は、冷凍装置1の全体の制御を行う熱源側制御部31を備えている。熱源側制御部31は、マイクロコンピュータおよびメモリ等を含んで構成されている。また、利用側ユニット4は、利用側ユニット4の制御を行う利用側制御部32を備えている。利用側制御部32は、マイクロコンピュータおよびメモリ等を含んで構成されている。利用側制御部32と熱源側制御部31とは、通信を行って制御信号のやりとりを行うことができるようになっており、例えば、利用側制御部32は、熱源側制御部31から指示を受けて利用側ユニット4の制御を行う。
図3は、図1に記載の冷凍装置において、冷媒量が適正であるときのp−h線図の一例である。まず、冷媒量が適正である場合の、冷凍装置1の動作について説明する。図3の点Kから点Lにて、図1に記載の圧縮機21は、冷媒を圧縮する。図3の点Lから点Mにて、図1の圧縮機21で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器として機能する熱源側熱交換器23で熱交換されて凝縮液化する。なお、熱源側熱交換器23で熱交換されて凝縮液化した冷媒は、レシーバ25に流入して、一時的にレシーバ25内に貯留される。レシーバ25に貯留される冷媒の量は、利用側ユニット4の運転負荷、外気温度および凝縮温度等に応じて変化する。
図4は、図1に記載の冷凍装置において、冷媒量が不足となったときのp−h線図の一例である。例えば、図1に記載の冷凍装置1から冷媒が漏洩等して、冷媒の量が減少すると、レシーバ25に余剰液冷媒が貯留されている間は、レシーバ25に貯留された余剰液冷媒が減少する。レシーバ25に余剰液冷媒が存在している間は、冷凍装置1は、図3に示すように、冷媒量が適正な場合と同様に動作する。
ここで、本実施の形態と比較する比較例について説明する。比較例では、冷媒の過冷却度を利用して、冷媒量の判定を行う。例えば冷媒が漏洩する等して冷媒量が不足すると、図4に示すように、過冷却度が低下する。そこで、比較例では、過冷却度が、予め設定されたしきい値よりも小さくなったときに、冷媒量が不足していると判定する。
そこで、本実施の形態では、過冷却度と比較して、冷凍装置1の運転条件の変化に対する変動が小さい第1過冷却器22の温度効率εを用いて冷媒量の判定を行う。以下に温度効率を用いた冷媒量の判定について説明する。
冷媒漏れが生じた場合にどの程度冷媒が漏れた時に冷媒不足を判定できるかはおおむね「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差により変化する。つまり「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差が大きい場合、多く量の冷媒が漏れないと冷媒不足を判定できない。逆に「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差が小さい場合、少ない冷媒の漏れ量で冷媒不足を判定可能である。
前述のとおり空気流量の変動により温度効率は変動する。よって、本実施の形態では「しきい値設定方法1」としてファン出力%によりしきい値を変化させる。図8は、本発明の実施の形態に係る冷凍装置の温度効率値とファン出力、運転周波数の関係の一例を説明する図である。具体的には図8のとおり、ファン出力が減少するにつれて温度効率のしきい値を小さくするように設定する。これによりファン風量40%の条件では「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差は0.05〜0.10程度となる。
前述のとおり冷媒循環量の変動により温度効率は変動する。よって、本実施の形態ではでは「しきい値設定方法2」として冷媒循環量によりしきい値を変化させる。図9は、本発明の実施の形態に係る冷凍装置の温度効率値と高温側冷媒循環量、ファン風量の関係の一例を説明する図である。具体的には図9のとおり、冷媒循環量が増加するにつれて温度効率のしきい値を小さくするように設定する。これによりファン風量が40%の条件では「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差は0.05〜0.10程度となり、図14のように「温度効率εの判定しきい値εline」が一定値の場合より、「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差は改善される。ただしファン風量100%の条件では「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差は0.20〜0.30程度となり、図14の「温度効率εの判定しきい値εline」が一定値の場合より差は改善されるがファン風量40%の条件より差は大きくなる。
前述のとおり高圧圧力の変動により温度効率は変動する。よって冷凍装置1では「しきい値設定方法3」として高圧圧力によりしきい値を変化させる。図10は、本発明の実施の形態に係る冷凍装置の温度効率値と高圧圧力、運転周波数の関係の一例を説明する図である。具体的には図10のとおり、高圧圧力が減少するにつれて温度効率のしきい値を小さくするように設定する。これにより圧縮機運転周波数100Hzの条件では「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差は0.05〜0.10程度となり、図14のように「温度効率εの判定しきい値εline」が一定値の場合より差は改善される。ただし圧縮機運転周波数30Hzでは「冷媒量が適正に封入されている場合の温度効率の値」と「温度効率εの判定しきい値εline」の差は0.20〜0.30程度となり、図14の「温度効率εの判定しきい値εline」が一定値の場合より差は改善されるが圧縮機運転周波数100Hzの条件より差は大きくなる。
前述のとおり温度効率は空気流量、冷媒循環量の両方に影響を受け変動する。また、以下の(数式7)によって定義されるΔTも空気流量、冷媒循環量の両方に影響を受け変動する。
図11は、本実施の形態における冷媒量判定動作の手順を示すフローチャートである。図11に示されている冷媒量判定動作は、冷凍装置1の熱源側制御部31により実行される。本実施の形態の冷凍装置1は、第1過冷却器22の温度効率εを用いて冷媒量の判定を行う。なお、以下で説明する冷媒量の判定は、冷凍装置1を設置するときの冷媒充填作業または冷凍装置1のメンテナンスを行うときの冷媒充填作業に適用することもできる。また、冷媒量判定動作は、遠隔装置(図示せず)からの指示を受けたときに、実行されてもよい。
・圧縮機21が停止状態の場合。
・起動後30分間(温度効率εが安定しないため。)。
・低外気温の場合(低外気温時は、高圧を保とうとするため、ファン風量を低下させる。そのため温度効率εも低下するため、誤検知をする恐れがある。)。
・運転範囲外である高外気温時。
・凝縮温度と外気温度の温度差が大きい場合。
・凝縮温度、凝縮温度と外気温度との温度差、外気温度の影響により、温度効率εが閾値以下になってしまう恐れのある値の場合。
・スーパーヒートが小さい場合(液だめの余剰冷媒がなくなったとしても、アキュムレータ24に余剰冷媒がある可能性があり、冷媒漏れではないため。)。
以上のような場合では、温度効率εの値が小さくなり誤検知を起こしてしまう。
図13は、本発明の変形例に係る冷凍装置の冷媒回路を模式的に記載した図である。図1に記載の冷凍装置1と比較して、変形例の冷凍装置1Aの熱源側ユニット2Aは、図13に示すように、第1過冷却器22のかわりに第2過冷却器26を有している。なお、第2過冷却器26は、本発明の「過冷却器」に相当するものである。第2過冷却器26は、例えば二重管の過冷却器またはプレート熱交換器を含んで構成されており、熱源側冷媒回路10bに流れる高圧の冷媒と、第1インジェクション回路71Aに流れる中間圧の冷媒とを熱交換させるものである。第2過冷却器26を通過した冷媒の一部は、インジェクション量調整弁72で膨張されて中間圧の冷媒となり、第2過冷却器26を通過する冷媒と熱交換する。また、インジェクション量調整弁72から流入して、第2過冷却器26で熱交換された中間圧の冷媒は、乾き度が高い冷媒となり、圧縮機21の吐出温度を下げるために圧縮機21の吸入側にインジェクションされる。変形例における冷媒判定動作は、第2過冷却器26の温度効率を用いて行われる。
前述のとおり低温側冷媒循環量の変動により温度効率は変動する。よって本実施の形態では、「運転条件によるしきい値設定方法5」として低温側冷媒循環量によりしきい値を変化させる。具体的には図9と同様に、低温側冷媒循環量が増加するにつれて温度効率のしきい値を小さくするように設定する。これにより図14のように「温度効率εの判定しきい値εline」が一定値の場合より差は改善される。
Claims (12)
- 圧縮機と、熱源側熱交換器と、前記熱源側熱交換器に空気を送風する熱源側ファンと、過冷却器とを有する熱源側ユニットと、利用側膨張弁と、利用側熱交換器とを有する少なくとも1つの利用側ユニットとが配管で接続され、冷媒を循環させる冷媒回路を有する冷凍装置であって、
前記過冷却器の温度効率を用いて、前記冷媒回路に充填された冷媒量の不足を判定する冷媒不足判定部と、
前記熱源側熱交換器の下流より分岐し、前記圧縮機の中間圧ポートまたは前記圧縮機の吸入側に接続されるインジェクション管と、
前記インジェクション管に設けられたインジェクション量調整弁とを備え、
前記冷媒不足判定部は、前記過冷却器の温度効率と前記冷凍装置の運転状態に応じて変更する温度効率しきい値とを比較して前記冷媒量の不足を判定し、前記冷凍装置の運転状態に基づいて前記温度効率しきい値を変更する冷凍装置。 - 前記冷媒不足判定部は、前記温度効率しきい値を前記過冷却器で熱交換される高温側流体と低温側流体との最大温度差に基づいて変更する請求項1に記載の冷凍装置。
- 前記過冷却器において前記過冷却器で熱交換される低温側流体は空気であり、
前記冷媒不足判定部は、前記過冷却器で熱交換される高温側流体である冷媒の圧力、前記高温側流体である冷媒の循環量、空気流量のいずれか1つ以上をパラメータとして前記温度効率しきい値を変更する請求項1に記載の冷凍装置。 - 前記冷媒不足判定部は、前記圧縮機の周波数、前記圧縮機の吸入圧力、前記熱源側ファンの出力割合の少なくともいずれかに基づいて、前記温度効率しきい値を変更する請求項1に記載の冷凍装置。
- 前記冷媒不足判定部が前記変更する前記温度効率しきい値は、リモコン、スイッチ、または遠隔装置からの指示により設定される請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷凍装置。
- 前記圧縮機の運転周波数と前記熱源側ファンの回転数が一定値になるように制御する制御部を備え、
前記冷媒不足判定部は、その制御中に前記冷媒量の不足を判定する請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷凍装置。 - 前記熱源側熱交換器の凝縮温度または蒸発温度のうちのいずれか一方を目標値となるように制御する制御部を備え、
前記冷媒不足判定部は、その制御中に前記冷媒量の不足を判定する請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷凍装置。 - 前記冷媒不足判定部は、前記インジェクション量調整弁の開度、前記インジェクション量調整弁の上流と下流との差圧、前記インジェクション量調整弁の上流の密度、前記インジェクション量調整弁の上流の圧力、および前記インジェクション量調整弁の上流の温度のいずれか1つ以上をパラメータとして前記温度効率しきい値を変更する請求項1〜7のいずれか一項に記載の冷凍装置。
- 前記冷媒不足判定部は、前記過冷却器で熱交換される高温側流体である冷媒の循環量が増加すると前記温度効率しきい値を小さく変更する請求項1〜8のいずれか一項に記載の冷凍装置。
- 前記冷媒不足判定部は、前記過冷却器で熱交換される高温側流体である冷媒の循環量の算出に用いられる前記圧縮機の周波数もしくは前記圧縮機の吸入密度に基づいて前記温度効率しきい値を変更する請求項1〜9のいずれか一項に記載の冷凍装置。
- 前記冷媒不足判定部は、前記圧縮機の吸入密度の算出に用いられる前記圧縮機の吸入圧力もしくは前記圧縮機の吸入温度に基づいて、前記温度効率しきい値を変更する請求項1〜10のいずれか一項に記載の冷凍装置。
- 前記冷媒不足判定部は、前記空気流量を変動させる前記熱源側ファンの出力割合が減少すると前記温度効率しきい値を小さく変更する請求項1〜11のいずれか一項に記載の冷凍装置。
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