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JP2019137955A - 汚れ除去性布帛 - Google Patents

汚れ除去性布帛 Download PDF

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JP2019137955A
JP2019137955A JP2018024933A JP2018024933A JP2019137955A JP 2019137955 A JP2019137955 A JP 2019137955A JP 2018024933 A JP2018024933 A JP 2018024933A JP 2018024933 A JP2018024933 A JP 2018024933A JP 2019137955 A JP2019137955 A JP 2019137955A
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Tetsufumi Nakakita
哲文 中北
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Abstract

【課題】汚れを布帛内部に浸透させず、かつ拭き取りによって汚れを除去できる汚れ除去性布帛を提供する。【解決手段】繊維からなる布帛の表面側に樹脂Aが付与されている汚れ除去性布帛であって、前記樹脂Aが前記布帛の少なくとも表面部における繊維間に浸透し充填され前記樹脂Aと前記繊維とにより布帛表面が形成され、かつ前記布帛表面に前記布帛を形成する繊維の凹凸および前記布帛の組織がわかる程度に樹脂Aの被膜が形成されている汚れ除去性布帛。【選択図】 なし

Description

本発明は汚れ除去性布帛に関する。詳しくは、拭き取りによる汚れ除去性に優れた布帛に関する。
従来、自動車や列車、船舶、航空機、ベビーカーなどの輸送機器の座席シートや天井材の内装材、カーテンやカーペット、壁材等の建造物の内装材、或いはベッド、ソファ等の表地であって取り外せないもの、鞄の生地など、様々な部位に布帛が用いられている。かかる布帛は、衣料用の布帛とは異なり、繰り返し使用して汚れても、取り外して洗濯することが不可能、あるいは非常に困難である。そのため、定期的に表面を拭くとともに、汚れが付着するたびに、その汚れを水やごく薄い洗浄液で拭き取ったり、掃除機で吸引したりすることが行われている。
このような拭き取りによって汚れが除去される布帛(以下、「汚れ除去性布帛」という)には、水拭きによって汚れを簡単に除去できる汚れ除去性と、飲み物等をこぼしてもシミになりにくい防汚性とを兼ね備えていることが求められる。そこで、布帛表面に対し、これらの性能を高める改質処理を施す技術がいくつか開示されている。
例えば、発明者による特許文献1には、吸水速度が0.5〜1.2mm/秒の親水性ウレタン樹脂(A)の付着量が0.3〜6.0g/m、撥水性化合物(B)の付着量が0.15〜3.0g/mであって、かつ、親水性ウレタン樹脂(A)と撥水性化合物(B)の付着量の質量比(A:B)が1:0.1〜1:1.0であり、汚れ付着前と汚れ除去後の布帛の色差ΔEが5.65以下である汚れ除去性布帛を開示している。しかしながら、親水性ウレタン樹脂と撥水性化合物をディッピングにより布帛に付与しているため、汚れ、特に砂や埃、口紅、ファンデーション、ケチャップ、マスタード等の粒子の細かい汚れ、および皮脂やコーヒー、コーラなどの飲料等の液体汚れが布帛内部に浸透しやすく、また、布帛内部に浸透した汚れは除去しにくいという課題がある。
一方、汚れを布帛内部に浸透させず、かつ拭き取りによって汚れを除去する技術として、例えば、特許文献2には、多官能性ポリイソシアネートを主成分とする架橋生成物である樹脂Bを、ガラス転移温度が0℃以下の合成重合体である樹脂Aの表面部分に偏在させた布帛を開示している。しかしながら、布帛表面に形成される樹脂皮膜が多官能性ポリイソシアネートを主成分とする架橋生成物であるため、汚れ除去性に改善の余地がある。
特開2016−874号公報 特開平5−222678号公報
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、汚れを布帛内部に浸透させず、拭き取りによって汚れを除去できる汚れ除去性布帛を提供することである。
本発明は、繊維からなる布帛の表面側に樹脂A塗布部を有する汚れ除去性布帛であって、前記樹脂A塗布部は、塗布された樹脂Aが存在する領域であって、前記樹脂Aが前記布帛の少なくとも表面部における繊維間に浸透し充填され前記樹脂Aと前記繊維とにより布帛表面が形成され、かつ前記布帛表面に前記布帛を形成する繊維の凹凸および前記布帛の組織がわかる程度に樹脂Aの被膜が形成されている汚れ除去性布帛である。
前記樹脂Aの付与量が布帛に対して10〜40g/mであり、前記樹脂Aの付与深さ領域が5〜20μmであることが好ましい。
前記樹脂Aの付与深さ領域の下部に、下塗り樹脂Bの付与深さ領域を有することが好ましい。
前記下塗り樹脂Bの付与量が布帛に対して5〜40g/mであり、前記下塗り樹脂Bの付与深さ領域が前記樹脂Aの付与深さ領域の下端から8〜55μmであることが好ましい。
前記樹脂Aの付与量に対する前記下塗り樹脂Bの付与量の質量比が0.25〜4倍であることが好ましい。
本発明によれば、汚れを布帛内部に浸透させず、拭き取りによって汚れを除去できる汚れ除去性布帛を提供することができる。
一実施例における布帛表面を示す写真である。 一実施例における布帛の断面写真である。 他の実施例における布帛の断面写真である。
本実施形態の汚れ除去性布帛は、繊維からなる布帛の表面側に樹脂A塗布部を有する汚れ除去性布帛であって、前記樹脂A塗布部は、塗布された樹脂Aが存在する領域であって、前記樹脂Aが前記布帛の少なくとも表面部における繊維間に浸透し充填され前記樹脂Aと前記繊維とにより布帛表面が形成され、かつ前記布帛表面に前記布帛を形成する繊維の凹凸および前記布帛の組織がわかる程度に樹脂Aの被膜が形成されていることを特徴とするものである。
樹脂Aを布帛表面周辺の繊維間に存在させることにより、汚れ、特に粒子の細かい汚れや液体汚れが布帛内部に侵入することを防ぐことができる。これにより、汚れを布帛表面に留めることができるため、汚れ除去性を高めることができる。
樹脂Aの被膜を、布帛表面に布帛を形成する繊維の凹凸および前記布帛の組織がわかる程度に樹脂Aを被覆させることにより形成することにより、布帛の外観や風合や触感を維持することができる。
図1は、一実施例における汚れ除去性布帛の表面の写真(50倍)であり、図2は、同布帛の断面写真(500倍)である。図3は、他の実施例における汚れ除去性布帛の断面写真(500倍)である。
図1の布帛の表面写真は、一実施例における汚れ除去性布帛の表面の写真である。樹脂Aは、布帛の組織の形成する微凹凸に沿ったごく薄い樹脂被膜を形成している。すなわち、布帛表面を形成する繊維の凹凸および前記布帛の組織がわかる程度に樹脂Aの被膜が形成されている。
図2の布帛の断面写真は、一実施例における汚れ除去性布帛の樹脂A塗布部の垂直方向における断面の写真であり、樹脂A塗布部の樹脂A付与状態の一例である。樹脂Aが布帛表面を被覆する膜状の被膜を形成している。これにより、布帛の外観や風合や触感を維持することができる。また、布帛の少なくとも表面部における繊維間に浸透して繊維とともに塊状をなすとともに、布帛表面周辺の繊維間に繊維間隙を埋めるように存在している。これにより、汚れ、特に粒子の細かい汚れや液体汚れが布帛内部に侵入することを防ぐことができる。汚れを布帛表面に留めることができるため、汚れ除去性を高めることができる。また、樹脂A塗布部の下部には、下塗り樹脂Bが付与されている。これにより、布帛の外観や風合や触感を維持することができる。なお、本実施形態において、樹脂A塗布部とは、樹脂Aが塗布された部分であって、塗布された樹脂Aが存在する領域をいう。
本実施形態が対象とする布帛は、洗濯等で丸洗いすることのできない、水拭き等の拭き取りによって汚れ除去が行われるような用途に用いられる布帛である。具体的には、前述したとおり、自動車や列車、船舶、航空機、ベビーカー等の輸送機器の座席シートや天井等の内装材、カーテンやカーペット、壁材等の建造物の内装材、あるいはベッド、ソファ等の表地であって取り外せないもの、鞄の生地などが挙げられる。
本実施形態に用いられる処理対象としての布帛(樹脂Aを付与する対象の布帛であり、基布ないし生地ともいう。)は特に限定されるものではなく、例えば、織物、編物、不織布など公知の布帛を挙げることができる。織物の組織としては特に限定されるものではなく、例えば、三原組織である平織、綾織(斜文織)、朱子織、これら三原組織の変化組織、なし地織などの特別組織、さらにこれらを2種以上組み合わせた混合組織などを挙げることができる。編物としては特に限定されるものではなく、例えば、トリコット、ダブルラッセル、丸編を挙げることができる。なかでも、その表面が毛羽立ちにくいものが好ましく、またその表面に凹凸が少ないものが好ましい。
本実施形態における布帛を構成する繊維素材は特に限定されるものではなく、従来公知の天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維などを用いることができる。なかでも、耐久性、特には機械的強度、耐熱性、耐光性の観点から、繊維素材は合成繊維が好ましく、ポリエステルがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。これらは1種単独で、または2種以上組合せて用いることができる。2種以上組合せて用いる場合も、その場合もポリエステル繊維と他の繊維を組み合わせたものが好ましい。
本実施形態の汚れ除去性布帛は、繊維からなる布帛の表面側に樹脂A塗布部を有する汚れ除去性布帛であって、前記樹脂A塗布部は、塗布された樹脂Aが存在する領域であって、前記樹脂Aが布帛の少なくとも表面部における繊維間に浸透し充填され前記樹脂Aと前記繊維とにより布帛表面が形成され、かつ前記布帛表面を形成する繊維の凹凸および前記布帛の組織がわかる程度に樹脂Aの被膜が形成されているものである。
ここで、布帛表面とは、例えば、車両用表皮材として用いた場合に、車室内空間と接する側の一面を指し、布帛の裏面とは、例えば、車両表皮材として用いた場合に、車室内空間と接しない側の一面を指す。また、布帛の組織とは、例えば編物であれば編組織、織物であれば織組織を指す。
本実施形態に用いられる樹脂Aは特に限定されるものではなく、従来公知の樹脂を用いることができる。防汚性の観点から、フッ素系樹脂を用いることが好ましい。風合や触感の観点から、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂を用いることが好ましい。樹脂Aのタイプは、無溶剤系、溶剤系、水系など特に限定されないが、環境負荷の観点から、エマルジョンタイプが好ましく用いられる。樹脂Aには、その性能を損なわない範囲で添加剤を用いることができる。
樹脂Aのガラス転移温度(Tg)は、80℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が80℃以上であることにより、得られた被膜のタック性が高くなることを防ぐことができるため、防汚性を高めることができる。ガラス転移温度の上限値は特に限定されないが、100℃以下であることが好ましく、被膜性の観点から、より好ましくは90℃以下である。なお、ガラス転移温度は、DSC熱分析機を用いて示差走査熱分析法により測定される。
樹脂Aの塗布は、布帛表面全体に行うことが肝要である。樹脂A塗布部における樹脂Aの付与量は、処理対象となる布帛の構成、例えば、密度や繊度などによって異なるが、布帛に対して10〜40g/mであることが好ましく、より好ましくは10〜20g/mである。付与量が10g/m以上であることにより、所望の領域に樹脂を充填することができるとともに、布帛表面に布帛の組織の形成する微凹凸に沿ったごく薄い樹脂被膜を形成することができる。これにより、汚れ除去性を高めることができる。付与量が40g/m以下であることにより、布帛の風合や触感を維持することができる。ここで、樹脂Aは布帛の少なくとも表面部(表層部)における繊維間に浸透し充填されており、繊維とともに布帛の表面部を形成するものである。さらに、樹脂Aは、布帛表面に布帛の組織の形成する微凹凸に沿ったごく薄い樹脂被膜を形成するものである。なお、樹脂Aの付与量とは、樹脂Aが塗布される部分における付与量を平方メートルあたりの付与量に換算したものであり、乾燥後の固形分質量での値である。
本実施形態の樹脂A塗布部における樹脂Aの付与深さ領域d1は、5〜20μmの範囲であることが好ましい。付与深さ領域d1が5μm以上であることにより、布帛表面の繊維間隙を埋めることができ、汚れ除去性を高めることができる。付与深さ領域d1が20μm以下であることにより、布帛の風合や触感を維持することができる。なお、樹脂Aの付与深さ領域とは、樹脂Aが布帛の繊維の間に存在している領域の、布帛の表面からの深さをいう(以後、樹脂Aの付与深さともいう。)。図2および図3に白色矢印にて示す。図2および図3において、白色点線は領域d1を分かりやすくするために追記したものである。なお、樹脂Aの樹脂の付与深さd1は、次のように求められる。樹脂A塗布部の垂直断面を走査型電子顕微鏡(S−3000N、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて撮影し、任意の10か所において、布帛表面から樹脂Aの浸透下端までの垂直方向の長さを測定して、平均を求める。
上記のように樹脂Aは、布帛の少なくとも表面部における繊維間に浸透しており、布帛厚みの全体にわたって浸透してもよいが、布帛の風合や触感の観点から、布帛厚みの全体には浸透していないこと、すなわち表面部を含む厚み方向の一部に浸透していることが好ましい。
本発明の汚れ除去性布帛は、外観、風合、触感の観点から、上述の樹脂Aの付与深さ領域d1の下部に、さらに下塗り樹脂Bの付与深さ領域d2を偏在させることが好ましい。
本実施形態の下塗り樹脂Bの付与深さ領域d2は、樹脂Aの付与深さ領域d1の下端から8〜55μmの範囲であることが好ましい。付与深さ領域d2が8μm以上であることにより、布帛内部の繊維間隙を埋めることができ、汚れ除去性を高めることができる。55μm以下の深さで充填されていることにより、布帛の風合や触感を維持することができる。なお、下塗り樹脂Bの付与深さ領域とは、下塗り樹脂Bが布帛の繊維の間に存在している領域の、樹脂Aの付与深さ領域の下端からの深さをいう(以後、下塗り樹脂Bの付与深さともいう。)。図2に白色矢印にて示す。図2において、実線は領域d2を分かりやすくするために追記したものである。なお、下塗り樹脂Bの樹脂の付与深さd2は、次のように求められる。下塗り樹脂B塗布部の垂直断面を走査型電子顕微鏡(S−3000N、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて撮影し、任意の10か所において、樹脂Aの付与深さ領域の下端から下塗り樹脂Bの浸透下端までの垂直方向の長さを測定して、平均を求める。
上記のように下塗り樹脂Bは、布帛内部における繊維間に浸透しており、布帛の風合や触感の観点から、布帛厚みの全体には浸透していないこと、すなわち表面部を除く厚み方向の一部に浸透していることが好ましい。
下塗り樹脂Bの塗布は、布帛表面全体に行うことが好ましい。下塗り樹脂Bの付与量は、処理対象となる布帛の構成、例えば、密度や繊度などによって異なるが、布帛に対して5〜40g/mであることが好ましい。付与量が5g/m以上であることにより、所望の領域に樹脂を充填し、布帛内部の繊維間隙を埋めることができ、汚れ除去性を高めることができる。付与量が40g/m以下であることにより、布帛の風合や触感を維持することができる。ここで、下塗り樹脂Bは布帛内部における繊維間に浸透し充填されており、繊維とともに布帛の内部を形成するものである。なお、下塗り樹脂Bの付与量とは、下塗り樹脂Bが塗布される部分における付与量を平方メートルあたりの付与量に換算したものであり、乾燥後の固形分質量での値である。
樹脂Aの付与量に対する下塗り樹脂Bの付与量の質量比は、0.25〜4倍であることが好ましく、より好ましくは2〜3倍である。樹脂Aの付与量に対する下塗り樹脂Bの付与量が0.25倍以上であることにより、防汚性および汚れ除去性を向上させることができる。布帛の風合や触感が粗硬になることを防ぐことができる。樹脂Aの付着量に対する下塗り樹脂Bの付着量が4倍以下であることにより、布帛の触感や風合がゴムライクなものになることを防ぐことができる。
樹脂Aによる下塗り樹脂Bの被覆率は、100%に近ければ近いほど好ましい。樹脂Aにより下塗り樹脂Bが被覆されることにより、樹脂Aにより被覆されていない部分に、拭き取り後に汚れ、特に粒子の細かい汚れや液体汚れが残存することを防ぐことができる。これにより、防汚性および汚れ除去性を向上させることができる。
下塗り樹脂Bは、特に限定されず、従来公知の樹脂を用いることができる。例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。これらを1種単独、あるいは2種以上を混合して用いることができる。風合や触感の観点から、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。下塗り樹脂Bのタイプは、無溶剤系、溶剤系、水系など特に限定されないが、環境負荷の観点から、エマルジョンタイプが好ましく用いられる。下塗り樹脂Bには、その性能を損なわない範囲で添加剤を用いることができる。
下塗り樹脂Bのガラス転移温度(Tg)は、−45〜−20℃あることが好ましい。−45℃以上であることにより、得られた被膜のタック性が高くなることを防ぐことができるため、防汚性を向上させることができる。−20℃以下であることにより、布帛の風合や触感を維持することができる。
本発明の汚れ除去性布帛は、上述した樹脂Aを用い、例えば次のようにして得ることができる。すなわち、樹脂Aを分散媒である水に混合し攪拌して、処理液Aを調製する。そして、この処理液Aを、布帛に付与して布帛を処理した後、加熱乾燥することにより製造することができる。
また、下塗り樹脂Bを充填させる場合は、上述した下塗り樹脂Bを分散媒である水に混合し撹拌して、処理液Bを調製する。そして、この処理液Bを、布帛に付与して布帛を処理した後、加熱乾燥することにより、下塗り樹脂Bを繊維内部に充填させる。その後、処理液Aを、布帛に付与して布帛を処理した後、加熱乾燥することにより製造することができる。
本発明の汚れ除去性布帛は、風合や触感の観点から、樹脂Aや下塗り樹脂Bを繊維間に充填する前に、あらかじめ撥水剤を付与してもよい。これにより、各樹脂の過度な浸透が抑制される。なお、撥水剤の種類としては、特に限定されないが、フッ素樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ワックスなどを用いることができる。また、撥水剤の布帛に対する付与量も特に限定されないが、0.1〜0.6g/mであることが好ましい。なお、撥水剤の付与量とは、撥水剤が塗布される部分における付与量を平方メートルあたりの付与量に換算したものであり、乾燥後の固形分質量での値である。なお、撥水剤の付与は、布帛全体に行ってもよいが、布帛裏面のみに行うことが好ましい。撥水剤の付与方法は、特に限定されず、後述する処理液A、Bの付与方法を用いることができる。なかでも、布帛の裏面のみに撥水剤を付与し、表面には付与しないようにする観点から、ナイフコーター、スプレーコーターを用いることが好ましい。
また、処理液A、Bには、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、架橋剤、分散剤、増粘剤、乳化剤、pH調整剤、風合い処理剤、消泡剤などが挙げられる。
本発明において、処理液A、Bの付与は、上述の付与量を付与できる方法であれば特に限定されず、例えば、リバースロールコーター、スプレーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、ナイフコーター、コンマコーター等の装置を用いる方法が挙げられる。なかでも、布帛の表面のみに処理液を付与し、裏面には付与しないようにする観点から、ナイフコーター、スプレーコーターを用いることが好ましい。
次いで、処理液を付与した布帛を加熱乾燥する。加熱乾燥は、処理液中の媒体を蒸発させて樹脂を乾燥させるため、また樹脂と架橋剤との架橋反応を促進させるために行われる。加熱乾燥は媒体が残存しない程度になされていればよく、条件は特に限定されない。媒体の沸点や生産効率、用いる布帛の材質や形態を考慮し、適宜設定すればよいが、一般に、処理温度を130〜150℃、処理時間を1〜3分間に設定することが好ましい。処理温度や処理時間が下限値以上であることにより、乾燥や架橋反応が不十分となることを防ぐことができ、汚れ除去性を十分に発現させることができる。処理温度や処理時間が上限値以下であることにより、布帛の風合、触感が粗硬になることを防ぐことができる。
このようにして得られた汚れ除去性布帛は、布帛表面に布帛の組織の形成する微凹凸に沿ったごく薄い樹脂Aの被膜が形成され、かつ、樹脂Aは布帛の少なくとも表面部における繊維間に浸透し充填されているため、布帛表面に防汚性および汚れ除去性が付与されている。
本発明における樹脂Aが布帛表面に形成する被膜は、布帛表面を形成する繊維の凹凸および前記布帛の組織がわかる程度に樹脂Aの被膜が形成されているため、外観を損なうことを防ぐことができる。本発明において、樹脂Aを直接付与した場合または透明な下塗り樹脂Bを介して付与した場合、布帛の組織模様を活かすことができる。また、下塗り樹脂Bに着色剤を配合して下塗り樹脂を着色した場合または樹脂Aに着色剤を配合して着色した場合、着色剤の色合いを鮮やかに映し出すことができる。したがって、本発明の汚れ除去性布帛は、防汚性、汚れ除去性、風合、触感に加え、意匠性にも優れている。
本発明における汚れ除去性布帛の通気性は0.15mL/cm・sec以下であることが好ましく、より好ましくは0.08mL/cm・sec以下である。通気性が0.15mL/cm・sec以下であることにより、汚れ除去性を高めることができる。なお、通気性は、JIS L1096 8.26.1 通気性A法(フラジール形法)に準拠して測定することにより求めることができる。
また、本発明における汚れ除去性布帛は、平均摩擦係数(MIU)が0.123〜0.196であることが好ましい。平均摩擦係数が0.123以上であることにより、布帛の触感が粗硬になることを防ぐことができる。平均摩擦係数が0.196以下であることにより、布帛の触感が損なわれる(タック感が出る)ことを防ぐことができる。なお、平均摩擦係数は、表面試験機(例えば、商品名:KES−FB4−A、カトーテック株式会社製)を用いて、摩擦静荷重50g、粗さ静荷重10g、張力:400g、引張速度:0.1cm/secにて、接触子を2cm走査し測定することにより求めることができる。
さらに、本発明における汚れ除去性布帛は、表面粗さの平均偏差(SMD)が2.03〜4.21であることが好ましい。表面粗さの平均偏差が2.03以上であることにより、意匠性を維持することができる。表面粗さの平均偏差が4.21以下であることにより、布帛の触感が粗硬になることを防ぐことができる。なお、表面粗さの平均偏差は、表面試験機(例えば、商品名:KES−FB4−A、カトーテック株式会社製)を用いて、摩擦静荷重50g、粗さ静荷重10g、張力:400g、引張速度:0.1cm/secにて、接触子を2cm走査し測定するにより求めることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
各評価は、以下の方法に従った。
[汚れ除去性1(砂汚れ)]
(1)汚れの付与
JIS L1919 8.1 A法(ICI形ピリング試験機を用いる方法)を参考に試験を行った。試験には、JIS L1076 7.1に規定されるICI形試験機、JIS L1076 7.1に規定されるピリング試験用ゴム管を用いた。
粉体汚染物質として、JIS Z8901 5.1.3に規定されている試験用粉体1の5種(フライアッシュ)と、JIS Z8901 5.1.5に規定されている試験用粉体1の7種(関東ローム)とを、質量比4:1で混合したものを用いた。
タテ10cm、ヨコ12cmの大きさで、試験片をタテ糸方向に4枚採取した。ゴム管に試験片を、タテ糸方向に、両面テープ(VOC対策製品(無溶剤)両面テープ、7570 0.12、株式会社寺岡製作所製)を用いて巻き付けた。試験片を巻き付けたゴム管4本と、粉体汚染物質10gとをICI形試験機に入れた。60±2回転/分で30分間、試験機を稼働させた。その後、試験片を巻き付けたゴム管を取り出し、ゴム管から試験片を取り外した。試験片をエアーガン(ノズル径2mm、エアー圧0.4MPa)を左右に動かしながら試験片全体の粉体汚染物質を落とした。なお、試験片とエアーガンとの距離は30mmとした。
(2)汚れの除去
試験片の半分(タテ5cm×ヨコ12cm)を、雑巾(綿100%)を用いて往復30回拭き取りを行った。
(3)汚れの除去性の評価
上記試験片の、汚れを除去した部分について、分光測色計(CM−1000、ミノルタカメラ社製)を用いて、CIELAB表色系におけるL値、a値、b値を、各々3個所で測定し、各々の平均値を求めた。また,汚れ付着前の試験片のL値、a値、b値についても、同様に測定してその平均値を求めておき、これを基準とした場合の色差ΔEを求めた。値が小さいほど汚れが除去されている、と評価することができる。
上記で求めた色差ΔEに対し、下記の基準にしたがって、等級判定した。なお、4級以上であれば汚れ除去性に優れる。
(評価基準1)
5級 :0.00≦ΔE<1.15
4−5級:1.15<ΔE≦3.40
4級 :3.40<ΔE≦5.65
3−4級:5.65<ΔE≦7.90
3級 :7.90<ΔE≦10.90
2−3級:10.90<ΔE≦15.45
2級 :15.45<ΔE≦21.85
1−2級:21.85<ΔE≦30.10
1級 :30.10<ΔE

また、上記試験片(汚れ除去後)について、下記の基準にしたがって、官能評価した。なお、3級以上であれば汚れ除去性に優れる。
(評価基準2)
5級:汚れが全く認められない
4級:汚れがわずかに認められるが、気にならない
3級:汚れが認められるが、あまり気にならない
2級:汚れが認められ、気になる
1級:汚れが顕著に認められ、非常に気になる
[汚れ除去性2(口紅汚れ)]
(1)汚れの付与
タテ5cm、ヨコ25cmの大きさで、タテ方向に1枚採取した。ヨコ方向に軽く線を引くように口紅(マキアージュドラマティックルージュPK245、株式会社資生堂製)を付着させた。
(2)汚れ除去
上記試験片の汚れを付着させた部分を、雑巾(綿100%)を用いて往復30回拭き取りを行った。
(3)汚れ除去性の評価
上記試験片の、汚れを除去した部分について、分光測色計(CM−1000、ミノルタカメラ社製)を用いて、CIELAB表色系におけるL値、a値、b値を、各々3個所で測定し、各々の平均値を求めた。また,汚れ付着前の試験片のL値、a値、b値についても、同様に測定してその平均値を求めておき、これを基準とした場合の色差ΔEを求めた。値が小さいほど汚れが除去されている、と評価することができる。
上記で求めた色差ΔEに対し、下記の基準にしたがって、等級判定した。なお、4級以上であれば汚れ除去性に優れる。
(評価基準1)
5級 :0.00≦ΔE<1.15
4−5級:1.15<ΔE≦3.40
4級 :3.40<ΔE≦5.65
3−4級:5.65<ΔE≦7.90
3級 :7.90<ΔE≦10.90
2−3級:10.90<ΔE≦15.45
2級 :15.45<ΔE≦21.85
1−2級:21.85<ΔE≦30.10
1級 :30.10<ΔE

また、上記試験片(汚れ除去後)について、下記の基準にしたがって、官能評価した。なお、3級以上であれば汚れ除去性に優れる。
(評価基準2)
5級:汚れが全く認められない
4級:汚れがわずかに認められるが、気にならない
3級:汚れが認められるが、あまり気にならない
2級:汚れが認められ、気になる
1級:汚れが顕著に認められ、非常に気になる
[汚れ除去性3(手垢汚れ)]
(1)汚れの付与
汚染物質として、JIS Z 8901 5.1.6に規定されている試験用粉体1の12種(カーボンブラック)Xと、オレイン酸70%、パルチミン酸20%、ステアリン酸10%からなる組成物を充分に撹拌混合してなる人工皮脂Yとを、X:Y(質量比)が3:200となるよう混合したものを用いた。
特型3連防汚試験機(大栄科学精器製作所社製)のテーブルに、布帛P(起毛トリコット編地)を、両面テープ(VOC対策製品(無溶剤)両面テープ、7570 0.12、株式会社寺岡製作所製)を用いて固定した。上記汚染物質0.203gを塗布した摩擦布(JIS L 3202 綿帆布9号)を、摩擦子(摺動面寸法:25mm×25mm)の先端に両面テープ(VOC対策製品(無溶剤)両面テープ、7570 0.12、株式会社寺岡製作所製)で取り付けた。面圧が1000g/cmになるよう摩擦子に荷重61.3Nをかけた状態で、ストロークを100mmとし、摩擦速度60回(往復)/分サイクルで10回(往復)摩擦して、布帛Pに汚れを付着させた。
上記特型3連防汚試験機のテーブルに、タテ10cm、ヨコ15cmの大きさの試験片(実施例品、比較例品)を両面テープ(VOC対策製品(無溶剤)両面テープ、7570 0.12、株式会社寺岡製作所製)を用いて固定した。汚れを付着させた上記布帛Pを、摩擦子(摺動面寸法:25mm×25mm)の先端に両面テープ(VOC対策製品(無溶剤)両面テープ、7570 0.12、株式会社寺岡製作所製)で取り付けた。面圧が336g/cmになるよう摩擦子に荷重20.6Nをかけた状態で、ストロークを100mmとし、摩擦速度60回(往復)/分サイクルで40回(往復)摩擦して、試験片に汚れを付着させた。ただし、摩擦回数20回(往復)後、汚れ付着布帛Pを新たな汚れ付着布帛Pに交換して、再度摩擦回数20回(往復)を行うことにより、合計40回(往復)とした。
(2)汚れ除去
上記試験片を、学振型摩擦堅牢度試験機(RT−200、大栄科学精器製作所社製)のテーブルに両面テープ(VOC対策製品(無溶剤)両面テープ、7570 0.12、株式会社寺岡製作所製)を用いて固定した。150mm×150mmの不織布(BENCOT M−1、旭化成せんい社製)を4つ折りにして水1mLを滴下したものを、摩擦子(摺動面寸法:20mm×20mm)の先端に両面テープ(VOC対策製品(無溶剤)両面テープ、7570 0.12、株式会社寺岡製作所製)で取り付けた。面圧が78.4g/cmになるよう摩擦子に荷重4.9N、ストロークを100mmとし、摩擦速度30回(往復)/分サイクルで40回(往復)摩擦して、試験片の汚れを除去した。ただし、摩擦回数20回(往復)後、新たな不織布に交換して、再度摩擦回数20回(往復)を行うことにより、合計40回(往復)とした。その後、試験片(汚れ除去後)を常温で放置し、乾燥した。
(3)汚れ除去性の評価
上記試験片の、汚れを除去した部分について、分光測色計(CM−1000、ミノルタカメラ社製)を用いて、CIELAB表色系におけるL値、a値、b値を、各々3個所で測定し、各々の平均値を求めた。また,汚れ付着前の試験片のL値、a値、b値についても、同様に測定してその平均値を求めておき、これを基準とした場合の色差ΔEを求めた。値が小さいほど汚れが除去されている、と評価することができる。
上記で求めた色差ΔEに対し、下記の基準にしたがって、等級判定した。なお、4−5級以上であれば汚れ除去性に優れる。
(評価基準1)
5級 :0.00≦ΔE<1.15
4−5級:1.15<ΔE≦3.40
4級 :3.40<ΔE≦5.65
3−4級:5.65<ΔE≦7.90
3級 :7.90<ΔE≦10.90
2−3級:10.90<ΔE≦15.45
2級 :15.45<ΔE≦21.85
1−2級:21.85<ΔE≦30.10
1級 :30.10<ΔE

また、上記試験片(汚れ除去後)について、下記の基準にしたがって、官能評価した。なお、3級以上であれば汚れ除去性に優れる。
(評価基準2)
5級:汚れが全く認められない
4級:汚れがわずかに認められるが、気にならない
3級:汚れが認められるが、あまり気にならない
2級:汚れが認められ、気になる
1級:汚れが顕著に認められ、非常に気になる
[通気性]
通気性は、JIS L1096 8.26.1 A法(フラジール形法)に準拠して測定した。なお、通気性が0.15mL/cm・sec以下であれば、汚れ除去性に優れる。
[風合(剛軟度)]
布帛の風合は、JIS L1096 8.21.1 A法(45°カンチレバー法)に準拠して測定した。なお、60mm以下であれば、風合に優れる。
[触感]
表面試験機(商品名:KES−FB4−A、カトーテック株式会社製)を用いて評価した。20cm四方のサンプルを測定機にセットし、標準測定条件(摩擦静荷重50g、粗さ静荷重10g、張力400g、引張速度:0.1cm/sec)で接触子を2cm走査させたときの平均摩擦係数(MIU)、表面粗さの平均偏差(SMD)を測定した。なお、平均摩擦係数(MIU)が0.123〜0.196、かつ表面粗さの平均偏差(SMD)が2.03〜4.21であれば、触感に優れる。
[実施例1]
布帛(ポリエステル織物、目付200g/m)の裏面に、グラビアコーターを用いて撥水剤(製品名:AG−E500D、旭硝子株式会社製、フッ素系樹脂)の3%水溶液をフッ素樹脂の付与量(固形分)が0.23g/mとなるように塗布した後、ヒートセッターにて150℃で3分間熱処理した。
次いで、布帛の表面に、ナイフコーターを用いて下塗り樹脂B(製品名:ニカゾール FX−3750、日本カーバイド工業株式会社製、アクリル系樹脂、Tg:−45℃)の60%水溶液を塗布した後、ヒートセッターにて150℃で3分間熱処理した。
次いで、布帛の表面に、ナイフコーターを用いて樹脂A(製品名:AG−E080、旭硝子株式会社製、フッ素系樹脂、Tg:80−90℃)の15%水溶液を塗布した後、ヒートセッターにて150℃で3分間熱処理して、汚れ除去性布帛を得た。
樹脂Aの布帛に対する付与量(固形分)は10g/mであり、下塗り樹脂Bの布帛に対する付与量(固形分)は20g/mであり、樹脂Aの付与量に対する下塗り樹脂Bの付与量は2倍であった。樹脂Aの付与深さ領域は8μm、下塗り樹脂Bの付与深さ領域は48μmであった。また布帛の組織は隠蔽されることなく樹脂Aの被膜が形成されていた。
汚れ除去性(砂汚れ)は、ΔE=0.88(5級)、官能評価5級であり、汚れ除去性(口紅汚れ)は、ΔE=0.21(5級)、官能評価5級であり、汚れ除去性(手垢汚れ)は、ΔE=0.65(5級)、官能評価5級であり、通気性0.08mL/cm・secであり、汚れ除去性に優れたものであった。また、剛軟度はタテ58mm、ヨコ53mmであり、平均摩擦係数(MIU)は0.152、表面粗さの平均偏差(SMD)は3.84であり、風合および触感に優れた布帛であった。
[実施例2]
樹脂Aの布帛に対する付与量(固形分)を8g/m、下塗り樹脂Bの布帛に対する付与量(固形分)を4g/mに調整した以外は実施例1と同様にして、汚れ除去性布帛を得た。
[実施例3]
樹脂Aの布帛に対する付与量(固形分)を38g/m、下塗り樹脂Bの布帛に対する付与量(固形分)を38g/mに調整した以外は実施例1と同様にして、汚れ除去性布帛を得た。
[実施例4]
樹脂Aの布帛に対する付与量(固形分)を20g/m、下塗り樹脂Bの布帛に対する付与量(固形分)を3g/mに調整した以外は実施例1と同様にして、汚れ除去性布帛を得た。
[実施例5]
樹脂Aをアクリル樹脂(製品名:ボンコートSK−105−E、DIC株式会社製、Tg:80−90℃)とし、樹脂Aの布帛に対する付与量(固形分)を11g/mに調整した以外は実施例1と同様にして、汚れ除去性布帛を得た。
[実施例6]
樹脂Aをフッ素系樹脂(製品名:AG−E500D、旭硝子株式会社製、Tg:50−60℃)とし、樹脂Aの布帛に対する付与量(固形分)を12g/mに調整した以外は実施例1と同様にして、汚れ除去性布帛を得た。
[実施例7]
下塗り樹脂Bを塗布せず、樹脂Aの布帛に対する付与量(固形分)を42g/mに調整した以外は実施例1と同様にして、汚れ除去性布帛を得た。
[実施例8]
撥水剤を塗布しない以外は実施例1と同様にして、汚れ除去性布帛を得た。
[比較例1]
樹脂Aの布帛に対する付与量(固形分)を5g/mに調整した以外は実施例1と同様にして、布帛を得た。
[比較例2]
樹脂Aの布帛に対する付与量(固形分)を42g/mに調整した以外は実施例1と同様にして、布帛を得た。
[比較例3]
樹脂Aを塗布しない以外は実施例1と同様にして、布帛を得た。
表1に示すように、実施例1〜8であると、布帛表面を形成する繊維の凹凸および布帛の組織がわかる程度に樹脂Aの被膜が形成されており、汚れ除去性に優れるとともに、風合および触感も優れるものであった。これに対し、比較例1では、樹脂Aの付与量が少ないため、布帛表面に樹脂Aの被膜が形成されず、汚れ除去性に劣るものであった。比較例2では、樹脂Aの付与量が多く、布帛の組織を形成する繊維の凹凸および布帛の組織がわからない、すなわち布帛の組織を遮蔽して樹脂Aの被膜が形成されており、風合および触感が劣るものであった。比較例3では、樹脂Aが付与されておらず、布帛表面に樹脂Aの被膜が形成されなかったため、汚れ除去性および触感が劣るものであった。

Claims (5)

  1. 繊維からなる布帛の表面側に樹脂Aが付与されている汚れ除去性布帛であって、前記樹脂Aが前記布帛の少なくとも表面部における繊維間に浸透し充填され前記樹脂Aと前記繊維とにより布帛表面が形成され、かつ前記布帛表面に前記布帛を形成する繊維の凹凸および前記布帛の組織がわかる程度に樹脂Aの被膜が形成されている汚れ除去性布帛。
  2. 前記樹脂Aの付与量が布帛に対して10〜40g/mであり、前記樹脂Aの付与深さ領域が5〜10μmである、請求項1に記載の汚れ除去性布帛。
  3. 前記樹脂Aの付与深さ領域の下部に、下塗り樹脂Bの付与深さ領域を有する、請求項1または2に記載の汚れ除去性布帛。
  4. 前記下塗り樹脂Bの付与量が布帛に対して5〜40g/mであり、前記下塗り樹脂Bの付与深さ領域が前記樹脂Aの付与深さ領域の下端から8〜55μmである、請求項3に記載の汚れ除去性布帛。
  5. 前記樹脂Aの付与量に対する前記下塗り樹脂Bの付与量の質量比が0.25〜4倍である、請求項3または4に記載の汚れ除去性布帛。
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