JP2019137671A - 皮膚外用組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
項1.
レチノール及びオリーブ抽出物を含む、皮膚外用組成物。
項2.
オリーブ抽出物が、オリーブ葉抽出物である、項1に記載の組成物。
項3.
オリーブ抽出物が、水、エタノール、又は水−エタノール混合液の抽出物である、項1又は2に記載の組成物。
項4.
抗シワ皮膚外用組成物である、項1〜3のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
項5.
表皮細胞ヒアルロン酸産生亢進用組成物である、項1〜4のいずれかに記載の組成物。
項6.
皮膚外用組成物に、レチノール及びオリーブ抽出物を含ませることにより、当該組成物に皮膚適用時抗シワ効果を付与若しくは増強する方法。
項7.
皮膚外用組成物に、レチノール及びオリーブ抽出物を含ませることにより、当該レチノールの有する皮膚適用時抗シワ効果を増強する方法。
NHEK細胞(正常ヒト表皮角化細胞;新生児由来)を用いて、レチノールとオリーブ抽出物併用時にヒアルロン酸合成酵素遺伝子(HAS2)並びに細胞増殖促進遺伝子(HB−EGF)の発現が変化するかを検討した。なお、細胞、培地及び培地関連試薬については、全て市販品を購入して用いた(倉敷紡績株式会社又はシグマアルドリッチ)。
37℃に恒温化したHuMedia−KB2培地 500mLに同じく恒温化したインスリン 0.5ml、hEGF 0.5ml、ハイドロコ−チゾル 0.5ml、BPE(ウシ脳下垂体抽出液)2ml、ゲンタマイシン/アンフォテリシンB 0.5ml(抗菌剤)を加えた。これを緩やかに混合した後、4℃に保存した。
凍結NHEK細胞の入ったアンプル2本を37℃の恒温槽で解凍した。解凍後、予め15mlチューブに分注した4℃のHumedia−KG2培地 6mlに細胞溶液を混合した。予め37℃に恒温化したHumedia−KG2培地 39mlを13mlずつ3つのフラスコに移した。混合した細胞溶液を接着細胞培養フラスコ(SUMILON 250mL)に2mlずつ移し、細胞が均一になるように混合させてから、しばらく静置した。37℃、5%CO2インキュベーターで培養した。翌日以降、細胞密度が80%コンフルエントになるまで1日1回培地交換を行なった。
増殖培地を吸引し、37℃に恒温化したHEPES緩衝液を5mL加え、軽く細胞層を洗浄した。HEPES緩衝液を吸引し、0.25%トリプシン溶液を2mL加え、37℃、5%CO2インキュベーターで3分静置した。その後、フラスコ底面に接着している細胞をはがした(フラスコの淵を軽く叩き、細胞をはがす)。そこに37℃に恒温化したトリプシン中和液を4mL加えてトリプシン酵素の反応を停止させた。細胞懸濁液を50mlファルコンに回収し、遠心した(RT、1,000rpm、5min)。上清を吸引し、Humedia−KG2培地10mlに混合した後、血球計算盤で細胞数を計測した。その後、接着細胞24wellプレートに培地量950μL、細胞数が1.2×105個になるよう蒔いた。翌日、培地交換を行なった。
増殖培地を吸引し、PBS 1mlで洗浄した後、Humedia−KB2培地 1mlに混合した検討試料(レチノール及び/又はオリーブ抽出物)を添加し、24時間培養した。なお、レチノールは10−5Mの終濃度となるよう培地に添加した。オリーブ抽出物は、HAS2遺伝子の発現解析時には終濃度0.001%、0.005%、0.01%、又は0.02%となるように培地に添加し、HB−EGF遺伝子の発現解析時には終濃度0.005%、0.01%、又は0.02%となるように培地に添加した。また、レチノールの代わりにDMSO(ジメチルスルホキシド)を培地中で1/1000に希釈される容量加えたものも同様に24時間培養した。
Humedia−KB2培地を吸引し、PBS 1mlで洗浄した。PBSを吸引し、RLT(細胞溶解液) 350μlを加え、プレートシェイカーで3min振盪した。24wellプレートの周りをビニールテープで覆い、−80℃へ保存した。
−80℃から24wellプレートを取り出し、恒温槽で解凍した。70% EtOH 350μlを加え、プレートシェイカーで3分振盪した。Total RNAサンプルはRNeasy Mini Kit(キアゲン社)を用いて抽出した。NANODROP 2000 Spectriphotometer(Thermo SCIENTIFIC)でRNA濃度を測定し、PrimeScript RT reagent Kit(タカラバイオ社)を用いて、約500ngのTotal RNAからcDNAを作製した。
Primix Ex Taq(タカラバイオ社)10μlにプライマー、ROX DyeIIとRNA Free水を加え、18μlの混液を調製し、2μl(約50ng)のcDNAサンプルを加えて、Real−Time PCR測定サンプルを各プライマーごとに調製した。内在性コントロールとしてβ−actin、ターゲット遺伝子としてHAS2及びHB−EGFを選択した。Real−Time PCR Standard7500(Applied Biosystems)により、ターゲット遺伝子の発現解析(相対定量)を検量線法により行なった。
皮膚三次元モデルを用いて、レチノール及びオリーブ抽出物 により、ヒアルロン酸合成酵素遺伝子(HAS3)及び細胞増殖促進遺伝子(HB−EGF)の発現が変化するかを検討した。さらに、最終産物であるヒアルロン酸産生量の発現が変化するかについても検討した。なお、細胞、培地及び培地関連試薬については、全て市販品を購入して用いた(MatTek又は倉敷紡績株式会社又はシグマアルドリッチ)。
MatTek社のキット(EPI−200)を用いて、三次元皮膚モデルを培養した。具体的には、37℃に恒温化したAssay培地を24wellプレートに500μlずつ加え、そこにMatTek社により調製されたNHEK細胞(正常ヒト表皮角化細胞;新生児由来)からなる三次元皮膚モデルをのせた。37℃、5%CO2インキュベーターで1日培養した。
皮膚三次元モデルに検討試料(レチノール及び/又はオリーブ抽出物)50μlを添加し、24時間(リアルタイムPCRによる遺伝子の発現解析実験)あるいは48時間(ヒアルロン酸産生の定量実験)培養した(皮膚全体に添加試料がまんべんなく浸るように添加した)。レチノールは0.05%の濃度となるよう調整してから、三次元皮膚モデルに添加した。オリーブ抽出物は、HAS3遺伝子及びHB−EGF遺伝子の発現解析時には濃度1%又は2%となるように調整してから三次元皮膚モデルに添加し、ヒアルロン酸産生の定量実験時には濃度0.1%、0.5%、又は1%となるように調整してから三次元皮膚モデルに添加した。また、無添加の条件においても24時間あるいは48時間培養した。
新たな24wellプレートにPBSを500μL加え、皮膚三次元モデルを移した。皮膚上に残っている液体をアスピレーターで軽く吸引し、PBSで洗浄した。ピンセットでカップから皮膚三次元モデルを切り離し、ピンセットを使ってメンブレンを剥がした。耐熱チューブに剥がした皮膚三次元モデルを入れ、液体窒素で凍結した後、−80℃へ保存した。
15mLファルコンプラスティックチューブにRLT(細胞溶解液)を600μL添加し、氷冷した。−80℃で保存していた凍結サンプルを液体窒素で冷やした後、RLTに入れ、ホモジナイザーPOLYTRON(KINEMATICA社)を用いて40秒間ホモジナイズした。皮膚三次元モデル破砕液を1.5mlチューブに回収し、遠心した(RT、14,000rpm、5min)。上清を回収し、等量の70% EtOH 350μlを加え、ボルテックスで攪拌した。Total RNAサンプルはRNeasy Mini Kit(キアゲン社)を用いて抽出した。NANODROP 2000 Spectriphotometer(Thermo SCIENTIFIC)でRNA濃度を測定し、PrimeScript RT reagent Kit(タカラバイオ社)を用いて、約500ngのTotal RNAからcDNAを作製した。
リアルタイムPCRは上記と同様にして行った。すなわち、Primix Ex Taq(タカラバイオ社)10μlにプライマー、ROX DyeIIとRNA Free水を加え、そこに約50ng のcDNAサンプルを加えて、Real−Time PCR測定サンプルをプライマーごとに20μlずつ調製した。内在性コントロールとしてβ−actin、ターゲット遺伝子としてHAS3及びHB−EGFを選択した。Real−Time PCR Standard7500(Applied Biosystems)により、ターゲット遺伝子の発現解析(相対定量)を検量線法により行なった。
HAS3遺伝子の発現解析結果(コントロール(無添加)を1としたときの遺伝子発現割合)を図3に示す。また、HB−EGF遺伝子解析の結果(コントロール(無添加)を1としたときの遺伝子発現割合)を図4に示す。図3及び図4において、***、*、及び+は、有意差が有ることを示す(***:P<0.001、*:P<0.05、+:P<0.1)。棒グラフの上部のこれらの記号は、コントロール(無添加))と比べて有意差があることを示す。また、横棒上部のこれらの記号は、当該横棒の端部に位置するサンプルどうしを比較して有意差があることを、それぞれ示す。
−80℃で保存していた凍結サンプル(皮膚三次元モデル)を凍結乾燥機FDU−2200(東京理化器械株式会社)で3時間凍結乾燥させ、乾燥重量を測定した。乾燥重量10mgに対し、2.5%アクチナーゼE(科研製薬株式会社)/10mM Tris−HCl(pH 8.0)溶液を1ml添加し、ヒートブロックにて55℃で24時間反応させ、タンパク質分解処理を行なった。ヒートブロックにて100℃で10分反応させ、アクチナーゼを煮沸失活させた。その後、遠心して(RT、12,000rpm、10min)、上清を回収した。
得られた上清中のヒアルロン酸量をHyaluronan Quantikine ELISA Kit(funakoshi)を用いて定量した。結果を図5に示す。図5において、**及び*は、有意差が有ることを示す(**:P<0.01、*:P<0.05)。横棒上部のこれらの記号は、当該横棒の端部に位置するサンプルどうしを比較して有意差があることを、それぞれ示す。
β−actin
F:TTGTTACAGGAAGTCCCTTGCC
R:ATGCTATCACCTCCCCTGTGTG
HAS2
F:AGTCATGTACACAGCCTTCAGAGCA
R:CACCTCCAACCATGGGATCTTC
HAS3
F:TCGGCGATTCGGTGGACTA
R:CCTCCAGGACTCGAAGCATCTC
HB−EGF
F:GGGACCCATGTCTTCGGAAATA
R:CCAGGATGGTTGTGTGTGGTCATAG
Claims (7)
- レチノール及びオリーブ抽出物を含む、皮膚外用組成物。
- オリーブ抽出物が、オリーブ葉抽出物である、請求項1に記載の組成物。
- オリーブ抽出物が、水、エタノール、又は水−エタノール混合液の抽出物である、請求項1又は2に記載の組成物。
- 抗シワ皮膚外用組成物である、請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
- 表皮細胞ヒアルロン酸産生亢進用組成物である、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
- 皮膚外用組成物に、レチノール及びオリーブ抽出物を含ませることにより、当該組成物に皮膚適用時抗シワ効果を付与若しくは増強する方法。
- 皮膚外用組成物に、レチノール及びオリーブ抽出物を含ませることにより、当該レチノールの有する皮膚適用時抗シワ効果を増強する方法。
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