<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図1ないし図13を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1ないし図3を用いて説明する。
[画像形成装置]
本実施形態の画像形成装置100は、図1に示すように、それぞれ像担持体としての感光ドラム101(101Y、101M、101C、101K)を備えた4つの画像形成ステーションY、M、C、K、を有する。各画像形成ステーションの上方には、中間転写装置120が配置されている。中間転写装置120は、中間転写体としての中間転写ベルト121が、ローラ122、123、124に張設されて、矢印方向に走行するように構成されている。
感光ドラム101の周囲には、一次帯電装置102(102Y、102M、102C、102K)、現像装置104(104Y、104M、104C、104K)、クリーナ109(109Y、109M、109C、109K)などが配置されている。このような感光ドラム周りの構成及び画像形成動作について、図1及び図2を用いて説明する。なお、各色について感光ドラム回りの構成は同様である為、特に区別する必要がない場合には、各色の画像形成ステーションの構成であることを示す添え字を省略して説明する。
感光ドラム101は、矢印方向に回転駆動される。感光ドラム101の表面は、接触式帯電である帯電ローラ方式の一次帯電装置102によって一様に帯電される。帯電された感光ドラム101の表面には、露光装置であるレーザー発光素子103によって露光されることで静電潜像が形成される。このように形成された静電潜像は、現像装置104でトナーにより可視像化され、感光ドラム101上にトナー像が形成される。各画像形成ステーションでは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像が形成される。
各画像形成ステーションで形成されたトナー像は、一次転写ローラ105(105Y、105M、105C、105K)による一次転写バイアスによって、ポリイミド系樹脂からなる中間転写ベルト121上に転写され重ね合わせられる。中間転写ベルト121上に形成された4色のトナー像は、ローラ124と対向して配置された二次転写手段としての二次転写ローラ125によって記録材(例えば用紙、OHPシートなどのシート材)Pに転写される。記録材Pに転写されずに中間転写ベルト121に残ったトナーは、中間転写ベルトクリーナ114bによって除去される。トナー像が転写された記録材Pは、定着ローラ131、132を備えた定着装置130によって加圧/加熱され、トナー像が定着される。また、一次転写後に感光ドラム101上に残った一次転写残トナーは、クリーナ109により除去され、次の画像形成に備える。
次に、本実施形態の画像形成装置100における画像処理ユニットのシステム構成について図3を用いて説明する。図3において、200は外部入力インタフェース(外部入力I/F)である。外部入力インタフェース200を介して必要に応じて原稿スキャナ、コンピュータ(情報処理装置)等の不図示の外部装置からRGB画像データとしてカラー画像データが入力される。201はLOG変換部であり、ROM210に格納されているデータ等により構成されるルックアップテーブル(LUT)に基づいて入力されたRGB画像データの輝度データをCMYの濃度データ(CMY画像データ)に変換する。202はマスキング・UCR部であり、CMY画像データから黒(Bk)成分データを抽出し、記録色材の色濁りを補正すべく、CMKY画像データにマトリクス演算を施す。203はルックアップテーブル部(LUT部)であり、画像データをプリンタ部の理想的な階調特性に合わせるためにガンマルックアップテーブル(γルックアップテーブル)を用いて入力されたCMYK画像データの各色毎に濃度補正を施す。なお、γルックアップテーブルはRAM211上に展開されたデータに基づいて作成され、そのテーブル内容はCPU206によって設定される。204はパルス幅変調部であり、LUT部203から入力された画像データ(画像信号)のレベルに対応するパルス幅のパルス信号を出力する。このパルス信号に基づいてレーザードライバ205がレーザー発光素子103を駆動し、感光ドラム101上を照射することで静電潜像が形成される。
ビデオ信号カウント部207はLUT部203に入力された画像データの(本実施形態では600dpiにおける)1画素毎のレベル(0〜255レベル)を画像1面分積算する。この画像データ積算値を、ビデオカウント値と呼ぶ。このビデオカウント値は出力画像が全面すべて255レベルだった場合に最大値1023となる。なお、回路の構成上制限があるときは、ビデオ信号カウント部207のかわりにレーザー信号カウント部208を用いて、レーザードライバ205からの画像信号を同様に計算することで、ビデオカウント値を求めることが可能である。
[現像装置]
次に、本実施形態の現像装置104について、図4ないし図6を用いて詳しく説明する。現像装置104は、現像容器20を備え、現像容器20内に現像剤としてトナーとキャリアを含む2成分現像剤が収容されている。また、現像容器20内に、現像剤担持手段としての現像スリーブ24と、現像スリーブ24上に担持された現像剤の穂を規制する穂切り部材25とを有している。
現像容器20の内部は、その略中央部が図4の紙面に垂直方向に延在する隔壁23によって現像室21aと攪拌室21bに水平方向の左右に区画されており、現像剤は現像室21a及び攪拌室21bに収容されている。現像室21a及び攪拌室21bには、現像剤攪拌・搬送手段としての搬送部材である第1及び第2の搬送スクリュー22a、22bがそれぞれ配置されている。図5に示すように、第1の搬送スクリュー22aは、現像室21aの底部に現像スリーブ24の軸方向に沿ってほぼ平行に配置されており、回転することで現像室21a内の現像剤を軸線方向に沿って一方向に搬送する。また、第2の搬送スクリュー22bは、攪拌室21b内の底部に第1の搬送スクリュー22aとほぼ平行に配置され、攪拌室21b内の現像剤を第1の搬送スクリュー22aとは反対方向に搬送する。
このように、第1及び第2の搬送スクリュー22a、22bの回転による搬送によって、現像剤が隔壁23の両端部の開口部(即ち、連通部)26、27(図5参照)を通じて現像室21aと攪拌室21bとの間で循環される。本実施形態では、現像室21aと攪拌室21bは水平方向の左右に配置されるが、現像室21aと攪拌室21bが上下に配置された現像装置、或いは、その他の形態の現像装置においても、本発明は適用可能である。
現像容器20の感光ドラム101に対向した現像領域Aに相当する位置には開口部があり、この開口部に現像スリーブ24が感光ドラム方向に一部露出するように回転可能に配設されている。本実施形態では、現像スリーブ24の直径は20mm、感光ドラム101の直径は30mm、この現像スリーブ24と感光ドラム1との最近接領域を約300μmの距離とする。この構成によって、現像領域Aに搬送した現像剤を感光ドラム101と接触させた状態で、現像が行なえるように設定されている。なお、この現像スリーブ24は、アルミニウムやステンレスのような非磁性材料で構成され、その内部には磁界手段であるマグネットローラ24mが非回転状態で設置されている。
上記構成にて、現像スリーブ24は、現像時に図示矢印方向(反時計方向)に回転し、穂切り部材25による磁気ブラシの穂切りによって層厚を規制された2成分現像剤を担持する。現像スリーブ24は、層厚が規制された現像剤を感光ドラム101と対向した現像領域Aに搬送し、感光ドラム101上に形成された静電潜像に現像剤を供給して潜像を現像する。この時、現像効率、つまり、潜像へのトナーの付与率を向上させるために、現像スリーブ24には電源から直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアス電圧が印加される。本実施形態では、−500Vの直流電圧と、ピーク・ツウ・ピーク電圧Vppが1800V、周波数fが12kHzの交流電圧とした。しかし、直流電圧値、交流電圧波形はこれに限られるものではない。
一般に、2成分磁気ブラシ現像法においては、交流電圧を印加すると現像効率が増して画像は高品位になるが、逆にカブリが発生し易くなる。このため、現像スリーブ24に印加する直流電圧と感光ドラム1の帯電電位(即ち白地部電位)との間に電位差を設けることにより、カブリを防止することが行なわれる。
穂切り部材(規制ブレード)25は、現像スリーブ24の長手方向軸線に沿って延在した板状のアルミニウムなどで形成された非磁性部材で構成される。また、穂切り部材25は、感光ドラム101よりも現像スリーブ回転方向上流側に配設されている。そして、この穂切り部材25の先端部と現像スリーブ24との間を現像剤のトナーとキャリアの両方が通過して現像領域Aへと送られる。
なお、穂切り部材25と現像スリーブ24の表面との間隙を調整することによって、現像スリーブ24上に担持した現像剤磁気ブラシの穂切り量が規制されて現像領域へ搬送される現像剤量が調整される。本実施形態においては、穂切り部材25によって、現像スリーブ24上の単位面積当りの現像剤コート量を30mg/cm2に規制している。また、穂切り部材25と現像スリーブ24は、間隙を200〜1000μm、好ましくは300〜700μmに設定される。本実施形態では500μmに設定した。
また、現像領域Aにおいては、現像装置104の現像スリーブ24は、共に感光ドラム101の移動方向と順方向で移動し、周速比は、対感光ドラム1.80倍で移動している。この周速比に関しては、0〜3.0倍の間で設定され、好ましくは、0.5〜2.0倍の間に設定されれば、何倍でも構わない。移動速度比は、大きくなればなるほど現像効率はアップするが、あまり大きすぎると、トナー飛散、現像剤劣化等の問題点が発生するので、上記の範囲内で設定することが好ましい。
更に、現像容器20内の開口部(即ち、連通部)26には現像剤の温度検知手段としての温度センサ104Tが配置されている。温度センサ104Tの現像容器20内における配置場所に関しては、検知精度向上のため現像剤にセンサ面が埋まる位置が望ましい。
ここで、温度センサ104Tについて、図6を用いて詳しく説明する。本実施形態では、温度センサ104Tとしてセンシリオン(SENSIRION)社製温湿度センサSHT1Xシリーズを用いた。その構成は、湿度検知デバイスとして静電容量ポリマーのセンシング素子1001、温度検知デバイスとしてバンドギャップ温度センサ1002を実装している。これらは、いずれも14ビットA/Dコンバータ1003にカップリングされ、デジタルインターフェース1004を通じてシリアル出力を行う仕様のCMOSデバイスである。
温度検知デバイスであるバンドギャップ温度センサは、温度に対して線形に抵抗値が変化するサーミスタを用いることで、その抵抗値から温度を算出している。また、湿度検知デバイスであるセンシング素子1001は、誘電体としてポリマーを挿入したコンデンサである。このようなセンシング素子1001は、湿度に応じてポリマーに吸着する水分量が変化する結果、コンデンサの静電容量が湿度に対して線形に変化することを利用して、静電容量を湿度に変換することで検知している。本実施形態において用いた温度センサ104Tは、温度と湿度の両方を検知できるものだが、実際には温度の検知結果のみしか利用しないので、その他の温度のみ検知できるセンサで十分である。
[現像剤の補給]
次に、本実施形態における現像剤の補給方法について図4及び図5を用いて説明する。現像装置104の上部には、現像剤の消費量に応じてトナーを現像装置104に補給する補給手段としてのトナー補給装置30が配置される。トナー補給装置30は、トナーとキャリアを混合した補給用2成分現像剤(通常はトナー/補給用現像剤=100%〜80%)を収容するホッパー31を備える。このホッパー31は、下部にスクリュー状の補給部材、即ち、補給スクリュー32を備え、補給スクリュー32の一端が現像装置104の後端部に設けられた現像剤補給口30Aの位置まで延びている。
画像形成によって消費された分のトナーは、補給スクリュー32の回転力と、現像剤の重力によって、ホッパー31から現像剤補給口30Aを通過して、現像容器20内に補給される。このようにしてホッパー31から現像装置104に補給される補給現像剤の量は、補給スクリュー32の回転数によっておおよそ定められる。この回転数は画像データのビデオカウント値や、現像容器20内に設置された不図示のトナー濃度検知手段の検知結果等に基づいて、制御手段としてのCPU206(図3)によって定められる。
ここで、現像容器20に収容されているトナーとキャリアからなる2成分現像剤について詳しく説明する。トナーは、結着樹脂、着色剤、そして、必要に応じてその他の添加剤を含む着色樹脂粒子と、コロイダルシリカ微粉末のような外添剤が外添されている着色粒子とを有している。トナーは、負帯電性のポリエステル系樹脂であり、体積平均粒径は4μm以上、10μm以下が好ましい。より好ましくは8μm以下であることが好ましい。また、近年のトナーにおいては、定着性を良くするために低融点のトナー或いは低ガラス転移点Tg(例えばTg≦70℃)のトナーが用いられることが多い。さらに定着後の分離性を良くするためにトナーにワックスを含有させている場合もある。本実施形態の現像剤は、ワックスを含有させた粉砕トナーである。
また、キャリアは、例えば表面酸化或は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属、及びそれらの合金、或は酸化物フェライトなどが好適に使用可能であり、これらの磁性粒子の製造法は特に制限されない。キャリアは、重量平均粒径が20〜60μm、好ましくは30〜50μmであり、抵抗率が107Ωcm以上、好ましくは108Ωcm以上である。本実施例では108Ωcmのものを用いた。
なお、本実施形態にて用いられるトナーについて、体積平均粒径は、以下に示す装置及び方法にて測定した。測定装置としては、SD−2000シースフロー電気抵抗式粒度分布測定装置(シスメックス社製)を使用した。測定方法は以下に示す通りである。即ち、一級塩化ナトリウムを用いて調製した1%NaCl水溶液の電解水溶液100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1ml加え、測定試料を0.5〜50mg加える。試料を懸濁した電解水溶液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行なう。そして、上記のSD−2000シースフロー電気抵抗式粒度分布測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布を求める。こうして求めた体積平均分布より、体積平均粒径を得る。
また、本実施形態にて用いられるキャリアの抵抗率は、測定電極面積4cm、電極間間隔0.4cmのサンドイッチタイプのセルを用いた。片方の電極に1kgの重量の加圧下で、両電極間の印加電圧E(V/cm)を印加して、回路に流れた電流から、キャリアの抵抗率を得る方法によって測定した。
[強制消費モード]
次に、本実施形態の強制消費モードについて、図7ないし図13を用いて説明する。まず、画像形成装置100では、画像形成比率(印字率)の低い画像形成(低Dutyの画像)が連続した場合、画像形成を中断して、或いは、画像形成ジョブの終了に伴う後回転時に、トナーを強制的に消費する強制消費モードを実行可能である。即ち、低Dutyの画像が連続した場合、現像容器20内から感光ドラム101へ移行するトナーの割合が少なくなる。このため、現像容器20内のトナーは第1及び第2の搬送スクリュー22a、22bによる攪拌や、穂切り部材25を通過するときの摺擦を長時間受けることになる。その結果、前述したトナーの外添剤が剥れたり、トナー表面に埋め込まれたりしてトナーの流動性や帯電性能が低下し、画像品質が劣化してしまう。そこで、一般に画像形成を中断して(ダウンタイムを設けて)、或いは、後回転時に、現像装置104内の劣化したトナーを感光ドラム101の非画像域に現像し、強制的に吐き出す(消費する)強制消費モードを実行する。
[トナー劣化閾値の設定]
まず、強制消費モードを実行するために使用する、画像形成の所定の単位に対して設定される基準値であるトナー劣化閾値の設定について説明する。なお、画像形成の所定の単位とは、例えば、A4サイズの記録材1枚のような、画像形成を行う上で設定される単位である。この所定の単位は、サイズや枚数はこれに限らず、例えば、A3、B5などのサイズでも良く、1/2枚や複数枚など、その画像形成装置で主として使用される記録材のサイズや使用状況などに応じて適宜設定される。本実施形態では、A4サイズの記録材1枚を所定の単位とする。
前述したように、感光ドラムへのトナー移行の割合が少なく、現像容器20へのトナー補給が少ない場合(印字率が低い場合)トナー劣化が進行してしまう。どの程度に印字率が低い場合にトナー劣化による画像品質低下が発生するのかを表わす値(上記基準値)として、本実施形態では「トナー劣化閾値ビデオカウントVt」を設定する。
トナー劣化閾値ビデオカウントVtは以下で説明するような実験によって算出することができる。例えば本実施形態においては、各色の印字率を振って(0%〜5%まで)連続画像形成をA4サイズ用紙片面で1000枚行い、連続画像形成を実施する前後での画像品質の変化を調べた。この実験の結果を図7の表に示す。図7において、「○」は画像品質の劣化が発生しなかったことを示し、「×」はかぶり、トナー飛散、粒状感の低下のいずれか一つ以上の画像品質の劣化が発生したことを示す。
したがって、図7より本実施形態においては、各色についてそれぞれ印字率がY=1%、M=2%、C=1%、K=2%よりもそれぞれ低い時にトナー劣化による画像劣化が生じる。また、本実施形態においてはある1色についてA4サイズ用紙片面の全面ベタ画像(印字率100%の画像)のビデオカウントは512とする。なお、本実施形態では、このビデオカウントが、画像形成の所定の単位毎に消費されるトナー量に応じた消費値に相当する。以上より、本実施形態でのトナー劣化閾値ビデオカウントはVt(Y)=5、Vt(M)=10、Vt(C)=5、Vt(K)=10となる。なお、トナー劣化閾値ビデオカウントの算出においては、小数点以下は四捨五入した。また、トナー劣化閾値は現像剤(トナー及びキャリア)の材質等に応じて異なるので適宜算出設定すれば良い。
[強制消費モードの実行可否の判断]
次に、強制消費モードの実行可否の判断について、図8を用いて説明する。前提として、各色の強制消費モードの思想は同様である。したがって、以降のフローチャート等で色についての記述を省略している場合があるが、その場合は各色で共通の制御を行なっている。本実施形態においては分かりやすい例として1枚当たりの印字率がYMCKそれぞれの色に対してY=5%、M=5%、C=5%、K=1%の画像(以下、「ブラック低Duty画像チャート」)をA4サイズ用紙で連続画像形成した場合を考える。
まず画像形成がスタートすると、図3に示すビデオ信号カウント部207が各色のビデオカウントV(Y)、V(M)、V(C)、V(K)を算出する。即ち、上述の消費値を算出する(S1)。本実施形態においては、ある1色についてA4サイズ用紙片面の全面ベタ画像(印字率100%の画像)のビデオカウントは512である。すると「ブラック低Duty画像チャート」のビデオカウントは、V(Y)=26、V(M)=26、V(C)=26、V(K)=5である。ここでビデオカウントの算出において小数点以下は四捨五入する。
次に、図3のRAM211に記憶された、図7に示したトナー劣化閾値ビデオカウントVtの表(テーブル)より、トナー劣化閾値ビデオカウントVtを算出する(S2)。即ち、所定の単位に対して設定された基準値を算出する。ここで、図7より、YとCのトナー劣化閾値ビデオカウントVtは5、MとKのトナー劣化閾値ビデオカウントVtは10となる。このトナー劣化閾値ビデオカウントVtは画像品質を保つことが可能となる閾値を表し、Vtより少ない印字率・ビデオカウントの画像を出力すると、トナー劣化が進行することを表す。
続けて、前述した、ビデオカウントVとトナー劣化閾値ビデオカウントVtとの差、Vt−Vを算出する(S3)。即ち、差分算出手段でもあるCPU206が、トナー劣化閾値ビデオカウントVt(基準値)からビデオカウントV(消費値)を減じて差分(Vt−V)を算出する。この差分が、消費値と基準値とに基づいて決定される劣化情報となる。更に、積算手段でもあるCPU206が、Vt−Vの値の正負に関わらず、積算値であるトナー劣化積算値Xに、Vt−Vを加算(積算)する(S4)。ここで、トナー劣化積算値Xとは現在のトナー劣化状態を表す指標であり、Vt−Vによって算出されるビデオカウント値の積算値である。したがって、現像装置を未使用状態から使用を開始した場合(現像剤が新品の時(例えば現像装置の交換直後など)は、トナー劣化積算値Xが0である。また、差分(Vt−V)は、特許請求の範囲で言う、「画像形成の所定の単位毎に消費されるトナー量に関する値」に相当する。
上記S4を詳しく説明すると、例えば、印字率が低い場合にはVの値が小さくなり、Vt−Vの値は正の値となる。上記で算出したVt−Vの正の値をトナー劣化積算値Xに加算することで、トナー劣化が進行している状態を表す。一方、例えば印字率が高い場合にはVの値が大きくなり、Vt−Vの値は負の値となる。上記で算出したVt−Vの負の値をトナー劣化積算値Xに加算することで、トナー劣化が回復している状態を表す。即ち、高印字率でトナーが消費されて補給制御によって新たにトナーが補給されて、トナーの劣化状態が回復する状態を表している。
次に、制御手段でもあるCPU206は、S4で算出された最新のトナー劣化積算値Xの正負を判断する(S5)。そして、トナー劣化積算値Xが負の値の場合には、トナー劣化積算値Xを0にリセットする(S6)。即ち、この場合、高印字率のトナー消費と補給によってトナー劣化がリセットされた状態である。したがって、トナー劣化積算値Xを0にリセットし、続けて画像形成を実行する(S1に戻る)。
一方、トナー劣化積算値Xが正の値の場合には、CPU206は、上述のステップによって画像形成毎に算出・更新されるトナー劣化積算値Xに対して、所定の閾値である吐き出し実行閾値Aとの差分(A−X)を算出する(S7)。ここで、吐き出し実行閾値Aは、任意に設定できる所定の閾値であり、この吐き出し実行閾値Aが小さい程、同じ印字率の連続画像形成に対しても強制消費モード(トナー吐き出し動作)を実行する頻度が多くなる。この吐き出し実行閾値Aは、本実施形態においては512に設定している。この吐き出し実行閾値Aの設定値が大き過ぎると、強制消費モードを実行するまでにトナー劣化が進行する時間が多くなるので、望ましくはA4〜A3サイズ用紙片面の全面ベタ画像(印字率100%の画像)のビデオカウント値と同等程度が良い。また例えば現像容器20内に保持できる現像剤の容量が多いほど、前記トナー吐き出し実行閾値Aを大きめに設定できる傾向がある。
次いで、実行手段でもあるCPU206は、S7によって算出したトナー劣化積算値Xと吐き出し実行閾値Aとの差分(A−X)の正負を判断する(S8)。ここで差分(A−X)が正又は0の場合、即ち、トナー劣化積算値X(積算値)が吐き出し実行閾値A以下(所定の閾値以下)である場合には、強制消費モードを実行しない(S9)。即ち、この場合、強制消費モードを今すぐ実行しなければならない程にトナー劣化が進行している訳では無いため、強制消費モードを実行せずに、続けて画像形成を実行する。このとき、トナー劣化積算値Xは、そのまま継続される。即ち、その時のトナー劣化積算値Xにそれ以降の差分(Vt−V)を積算する。
一方、差分(A−X)が負の場合、即ち、トナー劣化積算値X(積算値)が吐き出し実行閾値A(所定の閾値)よりも大きい場合には、強制消費モードを実行する(S10)。即ち、この場合には、トナー劣化が十分に進行している為に、今すぐ強制消費モードを実行する必要がある。このため、画像形成を中断して強制消費モードを実行する。強制消費モードを実行した後は、画像形成を再スタートさせる。
[比較例]
ここで、本発明の比較例における強制消費モードの動作について、図9を用いて説明する。上述の図8のS10によって、差分(A−X)が負の値の場合には、画像形成を中断して強制消費モードを実行する。まず、一次転写ローラ105(図1、2)に通常画像形成時とは逆極性の一次転写バイアス(即ち感光ドラム101上のトナー像と同極性の転写バイアス)を印加する(S21)。次に、吐き出し実行閾値Aと同等のビデオカウントに相当するトナー量を感光ドラム101に吐き出す(S22)。本比較例では、吐き出し実行閾値A=512(A4片面の全面ベタ印字率100%画像のビデオカウントに相当)に設定しており、A4片面の全面ベタ画像を感光ドラムに吐き出す動作を実行する。また、トナー吐き出しの為の感光ドラム上の潜像は、吐き出しによるダウンタイムを最小限に抑える為に、感光ドラム101の長手方向(回転軸方向)に対して全面ベタ画像であることが望ましい。
次いで、感光ドラム101上に吐き出されたトナーは一次転写バイアスがトナーと同極性である為に、中間転写体ベルトには転写されずクリーナ109で回収される(S23)。ここでトナー劣化積算値Xを0にリセットする(S24)。そして最後に、一次転写バイアスを通常画像形成時の極性のバイアスに戻し(S25)、強制消費モードを終了して通常の画像形成動作に復帰する。
以上で説明した比較例の強制消費モードにおいて、「ブラック低Duty画像チャート」を104枚、1枚間欠で画像形成し、その後、新たに「ブラック高Duty画像チャート」を1枚画像形成した場合を具体的に考える。なお、1枚間欠とは、1つのジョブで1枚の画像形成を行う場合を言い、1枚間欠では、前回転、1枚の画像形成、後回転の動作を行う。また、前述したように、「ブラック低Duty画像チャート」とは印字率がY=5%、M=5%、C=5%、K=1%の画像をA4片面に形成したチャートである。また、「ブラック高Duty画像チャート」とは印字率がY=5%、M=5%、C=5%、K=100%の画像をA4片面に形成したチャートである。
まず、「ブラック低Duty画像チャート」及び「ブラック高Duty画像チャート」をそれぞれA4片面1枚ずつ画像形成した場合に、強制消費モードにおけるトナー劣化積算値Xが各色でどのように加算・積算されるかを図10に示す。図10に示すように、「ブラック低Duty画像チャート」の画像形成においては、Y(イエロー)とM(マゼンタ)とC(シアン)については印字率が十分に高い為にトナー劣化積算値Xへの加算は負の値となる。一方、K(ブラック)については印字率が低い為にトナー劣化積算値Xへの加算は正の値の+5となる。したがって、「ブラック低Duty画像チャート」を印字すると、少しずつK(ブラック)のトナー劣化が進行する。
また、「ブラック高Duty画像チャート」の画像形成においては、Y(イエロー)とM(マゼンタ)とC(シアン)については印字率が十分に高い為にトナー劣化積算値Xへの加算は負の値となる。一方、K(ブラック)については印字率が非常に高い為にトナー劣化積算値Xへの加算は大きな負の値の−502となる。したがって、「ブラック高Duty画像チャート」を印字すると、K(ブラック)のトナー劣化が急激に回復する。
ここで前述したように、「ブラック低Duty画像チャート」を104枚、1枚間欠で画像形成し、その後、新たに「ブラック高Duty画像チャート」を1枚画像形成した場合(合計でA4片面105枚の画像形成)の推移について説明する。なお、Y(イエロー)とM(マゼンタ)とC(シアン)については、図10に示したように、トナー劣化積算値Xへ加算が常に負の値となる。このため、図8のS5、6で示したように、トナー劣化積算値Xは常に0にリセットされた状態となる。このため、以下では、K(ブラック)の推移について、図11を用いて説明する。
上述したように、「ブラック低Duty画像チャート」を印字する間は、トナー劣化積算値Xが+5ずつ積算されて行く。したがって図11に示すように、1枚目〜103枚目にかけて、トナー劣化積算値Xは、5、10、15・・・515と積算単調増加する。またトナー吐き出し実行閾値A(=512)とトナー劣化積算値Xの差分(A−X)の値は、1枚目〜102枚目にかけて、507、502、497・・・2と単調減少し、遂に103枚目で(A−X)=−3と負の値になる。
このとき図8及び図9のフローチャートにしたがって、強制消費モードが実行され、A=512に相当するトナー強制消費を実行する(図9のS22)。なお、本比較例では、1枚間欠で画像形成を行っているため、103枚目の画像形成ジョブにおける後回転時に強制消費モードが実行される。1枚間欠ではなく連続して画像形成を行った場合には、103枚目の画像形成を終了した後に画像形成を中断して、強制消費モードを実行する。強制消費モードを実行したら、トナー劣化積算値Xを0にリセットする(図9のS24)。次に104枚目の「ブラック低Duty画像チャート」を印字すると、トナー劣化積算値X=5となり、(A−X)=507となる。最後に105枚目の「ブラック高Duty画像チャート」を印字すると、図10で説明したように、トナー劣化積算値Xに−502が加算され、新たなトナー劣化積算値Xは−497となるので、0にリセットされる(図8のS6)。
以上より、K(ブラック)について、比較例の強制消費モードを動作させた場合の105枚通紙での合計トナー消費量を見積もる。すると、それぞれのビデオカウントは、「ブラック低Duty画像チャート」が104枚=5×104=520、「ブラック高Duty画像チャート」が1枚=512×1=512、トナー強制消費が1回=512となる。この結果、比較例の動作では、合計でビデオカウント1544相当のトナーが消費される事になる。
[本実施形態の強制消費モードの動作]
次に、本実施形態の強制消費モードの動作について、図12を用いて説明する。なお、本実施形態の場合も、図8のフローにしたがって強制消費モードの実行の可否を判断する。上述の図8のS10によって、差分(A−X)が負の値の場合には、画像形成を中断して強制消費モードを実行する。まず、一次転写ローラ105(図1、2)に通常画像形成時とは逆極性の一次転写バイアス(即ち感光ドラム101上のトナー像と同極性の転写バイアス)を印加する(S31)。次に、吐き出し実行閾値Aに対して1未満の係数(本実施形態では、0.5、即ち50%)を乗じた値(ビデオカウント)に相当するトナー量を感光ドラム101に吐き出す(S32)。言い換えれば、トナー劣化積算値Xに対応するトナー量の一部を消費する。本実施形態では、吐き出し実行閾値A=512(A4片面の全面ベタ印字率100%画像のビデオカウントに相当)に設定している。このため、A4片面の副走査方向(感光ドラム101の回転方向)に50%の長さのベタ画像を、感光ドラム101に吐き出す動作、即ち、A×0.5に相当するトナー量を消費するように強制消費モードを実行する。
次いで、感光ドラム101上に吐き出されたトナーは一次転写バイアスがトナーと同極性である為に、中間転写体ベルトには転写されずクリーナ109で回収される(S33)。ここでトナー劣化積算値Xを、X−(A×0.5)の値にリセットする(S34)。即ち、CPU206は、強制消費モードの実行に応じて、積算された値(トナー劣化積算値X)を所定の閾値(吐き出し実行閾値A)よりも小さい所定の正の値にリセットする。更に言えば、強制消費モードが実行された場合に、その時のトナー劣化積算値Xから吐き出し実行閾値Aに対して上述の係数(0.5)を乗じた値を減じた値をリセット値(X−(A×0.5))とする。そして最後に、一次転写バイアスを通常画像形成時の極性のバイアスに戻し(S35)、強制消費モードを終了して通常の画像形成動作に復帰する。復帰後(強制消費モードの実行後)は、図8のフローにしたがって、リセット値(X−(A×0.5))に差分(Vt−V)を積算していく(図8のS4)。
以上のように、本実施形態の強制消費モードの動作では、トナー劣化積算値Xを、1回の強制消費モードの実行で0にはリセットしない。即ち、前述の比較例では、強制消費モードの実行によってA4片面ベタ画像相当のトナーをリフレッシュし、トナー劣化積算値Xも0にリセットしている。しかしながら、本実施形態では、強制消費モードの実行によってA4片面ベタの50%に相当するトナーをリフレッシュして、トナー劣化積算値Xも略50%しかリセットしない。即ち、トナー劣化状態を完全にリセットせずに、画像品質を維持できる中で所定レベルのトナー劣化を残すように、強制消費モードを実行するようにしている。
[本実施形態の強制消費モードの動作の具体例]
以上の本実施形態の強制消費モードにおいても比較例と同様に、「ブラック低Duty画像チャート」を104枚、1枚間欠で画像形成し、その後、新たに「ブラック高Duty画像チャート」を1枚画像形成した場合の推移について説明する。なお、「ブラック低Duty画像チャート」及び「ブラック高Duty画像チャート」をそれぞれA4片面1枚ずつ画像形成した場合に、トナー劣化積算値Xが各色でどのように加算・積算されるかは、前述した図10の表と同じである。また、Y(イエロー)とM(マゼンタ)とC(シアン)については、図10に示したように、トナー劣化積算値Xへ加算が常に負の値となる。このため、図8のS5、6で示したように、トナー劣化積算値Xは常に0にリセットされた状態となる。このため、以下では、K(ブラック)の推移について、図13を用いて説明する。
図10で説明したように、「ブラック低Duty画像チャート」を印字する間は、トナー劣化積算値Xが+5ずつ積算されて行く。したがって図13に示すように、1枚目〜103枚目にかけて、トナー劣化積算値Xは、5、10、15・・・515と積算単調増加する。またトナー吐き出し実行閾値A(=512)とトナー劣化積算値Xの差分(A−X)の値は、1枚目〜102枚目にかけて、507、502、497・・・2と単調減少し、遂に103枚目で(A−X)=−3と負の値になる。
このとき図8及び図12のフローチャートにしたがって、強制消費モードが実行され、A×0.5=256に相当するトナー強制消費を実行する(図12のS32)。なお、本実施形態でも、1枚間欠で画像形成を行っているため、103枚目の画像形成ジョブにおける後回転時に強制消費モードが実行される。1枚間欠ではなく連続して画像形成を行った場合には、103枚目の画像形成を終了した後に画像形成を中断して、強制消費モードを実行する。強制消費モードを実行したら、トナー劣化積算値XをX−(A×0.5)=515−256=259にリセットする(図12のS34)。次に104枚目の「ブラック低Duty画像チャート」を印字すると、トナー劣化積算値X=264となり、(A−X)=248となる。最後に105枚目の「ブラック高Duty画像チャート」を印字すると、図10で説明したように、トナー劣化積算値Xに−502が加算され、新たなトナー劣化積算値Xは−238となるので、0にリセットされる(図8のS6)。
以上より、K(ブラック)について、本実施形態の強制消費モードを動作させた場合の105枚通紙での合計トナー消費量を見積もる。すると、それぞれのビデオカウントは、「ブラック低Duty画像チャート」が104枚=5×104=520、「ブラック高Duty画像チャート」が1枚=512×1=512、トナー強制消費が1回=256となる。この結果、本実施形態の動作では、合計でビデオカウント1288相当のトナーが消費される事になる。
[本実施形態と比較例との比較]
前述したように、比較例では「ブラック低Duty画像チャート」を104枚、1枚間欠で画像形成し、その後、新たに「ブラック高Duty画像チャート」を1枚画像形成した場合、合計1544ビデオカウント相当のトナーを消費する。これに対して、本実施形態の場合、上述のように合計1288ビデオカウント相当のトナーを消費する。したがって、本実施形態の場合、比較例に対して略16.6%のトナー消費量を抑制することが可能である。
また画像品質としても、本実施形態ではトナー劣化積算値Xの最大値が515となり、比較例と同等レベルを維持できる。さらに、ダウンタイムとしては、強制消費モードの制御回数は比較例及び本実施形態も共に1回だが、本実施形態の制御では、トナー吐き出し画像の副走査方向の長さが略50%の為、1回の制御時間が短縮できる。したがって、略1秒間のダウンタイム削減効果も発生する。
なお、トナー消費量の削減効果はプリントジョブの構成によって異なり(置数、間欠枚数、用紙サイズ、画像Duty、片面/両面、等)、ダウンタイムの削減効果は、プリントジョブの構成や画像形成装置のプロセススピードによっても異なる。なお、置数とは、1つの画像形成ジョブの画像形成枚数である。したがって、上記では、本発明の効果が分かり易い具体例を上げて説明している。また、本実施形態ではトナー吐き出し実行閾値Aの50%(係数)分をトナー強制消費する制御構成を説明したが、本発明の効果は係数が50%に限定される訳ではない。但し、本発明の効果をより好適に発揮させるには、係数として、0.3〜0.7、即ち30〜70%の範囲で設定されることが望ましい。
ここで、上述の図13では、105枚目に「ブラック高Duty画像チャート」を印字した例について説明したが、同じ画像比率の画像を連続して形成(印字)した場合について考える。より具体的には、画像比率が所定比率以下に相当する画像を連続して画像形成した場合について考える。ここで所定比率以下とは、例えば、印字率が10%以下、5%以下、2%以下、1%以下など、画像形成装置の機種によって設定される。この場合に、仮に平均画像比率が同一条件の場合、例えば、「ブラック低Duty画像チャート」を連続して印字した場合、図13と同様に、103枚目の後に強制消費モードを実行する。このとき、本実施形態ではトナー劣化積算値XがX−(A×0.5)にリセットされる。このため、その後に継続して「ブラック低Duty画像チャート」を連続して印字すると、トナー劣化積算値Xが0である場合よりも早いタイミングで強制消費モードが実行されることになる。
即ち、トナー劣化積算値Xが0であるタイミングから1回目に強制消費モードが実行される画像形成枚数よりも、強制消費モードが実行されて次に強制消費モードが実行されるまでの画像形成枚数が少なくなるように、強制消費モードが実行される。言い換えれば、強制消費モードが実行されるまでの間隔は、所定条件を満たしたタイミング(トナー劣化積算値Xが0であるタイミング)から1回目よりも、それ以降の方が短くなる。但し、強制消費モードで消費されるトナー量については、A×0.5に相当する量であり、1回の強制消費モードで消費されるトナー量は、比較例のようにAに相当する量を消費する場合に比べて少ない。このため、本実施形態と比較例とで同じ画像比率の画像が連続して形成された場合、消費されるトナー量はほぼ同じとなる。
また、以上から、本実施形態の場合、所定条件を満たしたタイミングから1回目とそれ以降とで、強制消費モードを実行する条件を異なっている。ここで、所定条件は、現像装置を未使用状態から使用を開始した場合や、図8のS6のように、画像比率の高い画像が形成されることでトナー劣化積算値Xが所定のリセット条件を満たした場合にトナー劣化積算値Xがリセットされた場合である。所定のリセット条件とは、本実施形態では、図8のS5でトナー劣化積算値Xが負の値となることであり、この場合、S6でトナー劣化積算値Xが0にリセットされる。また、現像装置を未使用状態から使用を開始した場合、前述したようにトナー劣化積算値Xが0である。このため、本実施形態では、所定条件を満たしたタイミングとは、トナー劣化積算値Xが0であるタイミングである。
また、本実施形態の場合、トナー劣化積算値Xが吐き出し実行閾値A(所定の閾値)よりも大きい場合に、強制消費モードを実行してトナー劣化積算値Xを、現像装置を未使用状態から使用を開始した場合の値と異なっている。即ち、現像装置を未使用状態から使用を開始した場合のトナー劣化積算値Xは0であるのに対し、強制消費モードを実行した場合のトナー劣化積算値Xは、X−(A×0.5)となる。
このように本実施形態の場合、強制消費モードでは、吐き出し実行閾値Aに対して1未満の係数(0.5)を乗じた値(A×0.5)に対応するトナー量を消費するようにしている。言い換えれば、強制消費モードを実行する際に、トナー劣化指標(吐き出し実行閾値A)の一部分に相当する量だけ、トナー吐き出しを実行する。このため、強制消費モードでのトナー消費量を抑制できる。また、このように強制消費モードでのトナー消費量が少なくても、その後に画像比率の高い画像が形成されれば、前述の図3で説明したようにトナー劣化が解消される。即ち、本実施形態の場合、強制消費モードが実行された後に画像比率の高い画像が形成される場合を考慮して、強制消費モードで消費するトナー量を抑えている。したがって、その後に画像比率の高い画像が形成され、トナー劣化が解消されれば、強制消費モードで消費されるトナー量が少なくても、トナー劣化による画像不良が生じることを抑制できる。これと共に、強制消費モードで消費されるトナー量が少ない分、全体としてのトナー消費量を抑制できる。
また、トナー劣化積算値Xのリセット値をトナー劣化積算値Xから吐き出し実行閾値Aに対して係数(0.5)を乗じた値(X−(A×0.5))を減じた値としている。言い換えれば、トナーの吐き出し動作に合わせて、トナー劣化指標を一部分だけ回復させる。このため、その後に画像比率の高い画像が形成されなくても、トナー劣化が画像に影響を及ぼさないような適切なタイミングで強制消費モードが実行される。例えば、トナー劣化積算値Xのリセット値を0とした場合よりも早い段階で強制消費モードが実行される。そして、このときの強制消費モードでも、同様にトナー消費量が抑制されるため、トナー劣化積算値Xのリセット値を0とした場合とトナー消費量を同等にできる。この結果、本実施形態の場合、トナー劣化を適切に解消しながらも、トナー消費量を抑制できる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について、図14及び図15を用いて説明する。なお、上述の第1の実施形態では、トナー吐き出し実行閾値Aに対して乗じる係数を0.5(50%)とし、強制消費モードでAの50%に相当するトナー量を吐き出す制御について説明した。これに対して本実施形態では、この係数Zを平均画像比率(平均印字率)に応じて変更している。その他の構成及び作用については、上述の第1の実施形態と同様であるため、重複する説明及び図示を省略または簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
まず、本発明の重要なポイントは、強制消費モードでのトナー量を抑制し、未来に来る可能性のある高Duty画像チャート(画像比率の高い画像)を有効利用して、トナー劣化を抑制することである。したがって、例えば高Duty画像が来る可能性が高ければ、トナー吐き出し実行閾値Aに対して、より少ない量のトナーを強制消費する方が、総トナー消費量を抑制できる可能性が高い。このため、本実施形態では、所定の画像形成枚数(本実施形態では過去1000枚)の平均ビデオカウント(平均画像比率に対応した値)に応じて、強制消費モードの動作フローを変更するようにしている。
この本実施形態の強制消費モードの動作フローについて、図14を用いて説明する。本実施形態の場合も、第1の実施形態と同様に、図8に記載のステップS10によって、差分(A−X)が負の値の場合には、画像形成を中断して図14のフローチャートにしたがって、強制消費モードを実行する。まず、一次転写ローラ105(図1、2)に通常画像形成時とは逆極性の一次転写バイアス(即ち感光ドラム101上のトナー像と同極性の転写バイアス)を印加する(S41)。
次に、新たなフローステップとして、1未満の係数である強制消費量係数Zを過去1000枚の平均ビデオカウントに応じて決定する(S42)。強制消費量係数Zは、図15の表から算出され、ビデオカウント記憶部であるRAM211(図3)に格納された過去1000枚の平均ビデオカウントに応じて決定される値である。即ち、画像比率算出手段でもあるCPU206(図3)が、RAM211に格納された所定の画像形成枚数(1000枚)のビデオカウントを読み取る。そして、所定の画像形成枚数(1000枚)に対する所定の単位当たり(A4用紙1枚当たり)の画像比率である平均画像比率に対応した平均ビデオカウントを算出する。そして、CPU206がRAM211に格納された図15のテーブルを参照して、算出した平均ビデオカウントに対応した強制消費量係数Zを決定する。例えば、過去1000枚の平均印字率(平均画像比率)が20%の場合には、平均ビデオカウントは102となり、強制消費量係数Z=30%となる。
次に、吐き出し実行閾値Aに対して、A×Zのビデオカウントに相当するトナー量を感光ドラム101に吐き出す(S43)。本実施形態では、吐き出し実行閾値A=512(A4片面の全面ベタ印字率100%画像のビデオカウントに相当)に設定している。このため、例えば過去1000枚の平均ビデオカウントが102の場合には、Z=0.3(30%)となる。したがって、A4片面の副走査方向が30%の長さのベタ画像を、感光ドラム101に吐き出す動作、即ち、A×0.3に相当するトナー量を消費するように強制消費モードを実行する。
このように平均印字率が高い場合には、未来にも印字率の高い画像がくる可能性が高い。このため、低Duty画像でトナー劣化が閾値にまで達しても、強制消費モードによるトナーのリフレッシュ量を抑制して、未来にくる印字率の高い画像が来て自然にリフレッシュされるのを期待できる。このため、本実施形態では、CPU206は、平均画像比率が第1の比率の場合よりも、この第1の比率よりも小さい第2の比率の場合の方が強制消費係数Zを大きくしている。即ち、平均画像比率に対応する平均ビデオカウントが大きい(第1の比率の)場合、未来にも印字率が高い画像が来る可能性が高いため、この印字率の高い画像によりトナー劣化が解消されることを期待して、強制消費量係数Zを小さくしている。これにより、強制消費モードで消費されるトナー量を少なくできる。一方、平均ビデオカウントが(第1の比率よりも)小さい(第2の比率)の場合、未来に印字率が高い画像が来る可能性が低いため、この印字率の高い画像によりトナー劣化が解消される可能性も低い。このため、強制消費量係数Zを大きくして、強制消費モードによりできるだけトナー劣化を解消するようにしている。
次いで、感光ドラム101上に吐き出されたトナーは一次転写バイアスがトナーと同極性である為に、中間転写体ベルトには転写されずクリーナ109で回収される(S44)。ここでトナー劣化積算値Xを、X−(A×Z)の値にリセットする(S45)。即ち、CPU206は、強制消費モードが実行された場合に、その時のトナー劣化積算値Xから吐き出し実行閾値Aに対して上述の係数Zを乗じた値を減じた値をリセット値(X−(A×Z))とする。そして最後に、一次転写バイアスを通常画像形成時の極性のバイアスに戻し(S46)、強制消費モードを終了して通常の画像形成動作に復帰する。復帰後(強制消費モードの実行後)は、図8のフローにしたがって、リセット値(X−(A×Z))に差分(Vt−V)を積算していく(図8のS4)。
以上のように、本実施形態では、第1の実施形態の制御に対して、過去1000枚の平均ビデオカウント値から、高印字率の確率が高い場合には、強制消費モードでのトナー消費量を削減する事で、総トナー消費量の抑制を図っている。
本実施形態の具体的な効果を、例えば第1の実施形態の図13を参照して考える。ここで、図13の103枚目の時点において、過去1000枚の平均ビデオカウントが102である場合を考える。例えば、図13の1枚目以前の画像が高印字率だった場合などがこれに相当する。また、103枚目で(A−X)=−3と負の値になるまでは第1の実施形態と同様である。
このとき図8及び図14のフローチャートにしたがって、強制消費モードが実行され、図15の強制消費量係数Zの算出表にしたがって、A×0.3=154に相当するトナー強制消費を実行する(図14のS43)。そして、トナー劣化積算値XをX−(A×0.3)=515−154=361にリセットする(図14のS45)。次に104枚目の「ブラック低Duty画像チャート」を印字すると、トナー劣化積算値X=366となり、(A−X)=146となる。最後に105枚目の「ブラック高Duty画像チャート」を印字すると、図10で説明したように、トナー劣化積算値Xに−502が加算され、新たなトナー劣化積算値Xは−136となるので、0にリセットされる(図8のS6)。
以上より、K(ブラック)について、本実施形態の強制消費モードを動作させた場合の105枚通紙での合計トナー消費量を見積もる。すると、それぞれのビデオカウントは、「ブラック低Duty画像チャート」が104枚=5×104=520、「ブラック高Duty画像チャート」が1枚=512×1=512、トナー強制消費が1回=154となる。この結果、本実施形態の動作では、合計でビデオカウント1186相当のトナーが消費される事になる。
ここで、第1の実施形態では、合計1288ビデオカウント相当のトナー消費であり、本実施形態では、合計1186ビデオカウント相当のトナー消費である。このため、本実施形態は、第1の実施形態に対して略7.9%のトナー消費量を更に抑制することが可能である。
また画像品質としても、本実施形態ではトナー劣化積算値Xの最大値も515となり、比較例及び第1の実施形態と同等レベルを維持できる。さらに、ダウンタイムとしては、強制消費モードの制御回数は比較例、第1の実施形態、本実施形態では共に1回である。但し、本実施形態では、トナー吐き出し画像の副走査方向の長さが略30%の為、1回の制御時間が更に短縮でき、比較例と比較して略1.4秒間のダウンタイム削減効果も発生する。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図16を用いて説明する。なお、上述の第1、第2の実施形態では、図8に示したように、基準値としてのトナー劣化閾値ビデオカウントVtを固定して、Vt−Vを算出し、これを積算して、強制消費モードの実行可否を判断するようにした。これに対して本実施形態では、画像形成の1枚毎の現像装置の駆動時間を算出して、基準値をこの駆動時間に応じて変更している。即ち、本実施形態では、基準値を、固定値としてのトナー劣化閾値ビデオカウントVtに駆動時間に応じた変数Stを乗じた値としている。その他の構成及び作用については、上述の第1の実施形態又は第2の実施形態と同様であるため、重複する説明及び図示を省略または簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
まず、本発明者らが、トナー劣化のメカニズムについてより詳細に検討すると、現像装置の駆動時間(現像スリーブ24の駆動時間や、第1及び第2の搬送スクリュー22a、22bの駆動時間)に依存していることが判明した。そこで、本実施形態においては、現像スリーブ24の駆動時間とビデオカウントに応じて、強制消費モードを実行するようにしている。
ここで、前述の図7に示したトナー劣化閾値ビデオカウントVtの値は、1000枚の連続画像形成において、画像不良が発生する閾値を実験的に調べたものであり、このときの合計の現像スリーブ駆動時間は、約2000秒であった。したがって、例えばY(イエロー)に関して言うと、2秒間の現像スリーブ駆動時間によるトナー劣化に対して、印字率1%=ビデオカウント5のトナー補給による入れ換えが発生すれば、画像不良の発生を抑制できる、という事を意味する。なお、連続画像形成の場合、そのジョブの最初と最後以外の1枚の画像形成では、前回転及び後回転の制御がないため、本実施形態の画像形成装置では、1枚の画像形成の現像スリーブ駆動時間(基準時間Su)が2秒となる。但し、この連続画像形成1枚当たりの現像スリーブ駆動時間である基準時間Suは、画像形成装置の性能に応じて定まる値であり、その機種に応じて異なる。
このような前提条件で、本実施形態の強制消費モードの実行の可否判断について説明する。なお、前述の図3と同様に、前提として、各色の強制消費モードの思想は同様である。したがって、以降のフローチャート等で色についての記述を省略している場合があるが、その場合は各色で共通の制御を行なっている。本実施形態においては分かりやすい例として1枚当たりの印字率がYMCKそれぞれの色に対してY=5%、M=5%、C=5%、K=1%の画像(ブラック低Duty画像チャート)をA4サイズ用紙で1枚間欠で画像形成した場合を考える。
まず画像形成がスタートすると、図3を用いて前述したようにビデオ信号カウント部207が各色のビデオカウントV(Y)、V(M)、V(C)、V(K)を算出する。また、駆動時間算出手段でもあるCPU206(図3)によって、現像スリーブ駆動時間St(秒)を算出する(S51)。本実施形態においては、ある1色についてA4サイズ用紙片面の全面ベタ画像(印字率100%の画像)のビデオカウントは512である。すると「ブラック低Duty画像チャート」のビデオカウントは、V(Y)=26、V(M)=26、V(C)=26、V(K)=5である。ここでビデオカウントの算出において小数点以下は四捨五入する。
また、現像スリーブ駆動時間Stは、連続画像形成の場合の最初と最後以外の1枚の場合、上述のように2秒となり、最初の1枚の場合にはこれに前回転の時間を、最後の1枚の場合にはこれに後回転の時間が加わる。なお、途中で強制消費モード以外の制御が入って画像形成が中断しているが現像スリーブが駆動している場合には、その時の1枚の画像形成にその時間を加えても良い。本実施形態では、1枚間欠で画像形成しているため、現像スリーブ駆動時間は、1枚当たり約2.5秒(St=2.5秒)となる。なお、このStが、現像装置(現像スリーブ24)の単位駆動時間に相当する。
次に、前述した実験等で得られるトナー劣化閾値ビデオカウントVtの表(図7を参照)より、トナー劣化閾値ビデオカウントVtを算出する(S52)。ここで、図7より、YとCのトナー劣化閾値ビデオカウントVtは5、MとKのトナー劣化閾値ビデオカウントVtは10となる。なお、このトナー劣化閾値ビデオカウントVtは、上述の基準時間Suに応じて適宜設定する。即ち、上述したように、基準時間Suは機種によって定まるものであり、基準時間が長ければ、画像形成1枚当たりのトナーの劣化具合も変わってくる。このため、VtをSuに応じて設定することが好ましい。本実施形態では、Suが2秒の場合の機種であるため、Vtが上述のように設定されている。
続けて、前述した、ビデオカウントV及びトナー劣化閾値ビデオカウントVtと、現像スリーブ駆動時間St及び基準時間Suより、Vt・St−V・Suを算出する(S53)。本実施形態では、Stが2.5秒、Suが2秒であるため、Vt・2.5−V・2となる。即ち、CPU206が、Vt・St(基準値)からV・2(消費値)を減じて差分(Vt・St−V・Su)を算出する。更に、Vt・St−V・Suの値の正負に関わらず、トナー劣化積算値Xに、Vt・St−V・Suを加算する(S54)。
上記S54を詳しく説明すると、例えば、印字率が低い場合にはVの値が小さくなり、Vt・St−V・Suの値は正の値となる。また、例えば、連続画像形成で前回転や後回転等の動作が入って現像スリーブ駆動時間Stが長くなる場合にも、Vt・St−V・Suの値は正の値となり得る。上記で算出したVt・St−V・Suの正の値をトナー劣化積算値Xに加算することで、トナー劣化が進行している状態を表す。一方、例えば印字率が高い場合にはVの値が大きくなり、Vt・St−V・Suの値は負の値となる。上記で算出したVt・St−V・Suの負の値をトナー劣化積算値Xに加算することで、トナー劣化が回復している状態を表す。ここで、(Vt・St−V・Su)を(Su・Su)で割ればVt/Su−V/Stとなる。このとき、Vt/Suは固定値となり、V/Stが現像装置の単位駆動時間あたりに消費されるトナー消費量に関する情報となる。そして、この情報V/Stが所定値未満、即ち、Vt/Su未満であれば、Vt/Su−V/Stが正の値となり、劣化が進行していることを示す。また、情報V/Stと所定値Vt/Suとに基づいて決定される劣化情報は、Vt・St−V・Suに相当する。
次に、CPU206が、S54で算出された最新のトナー劣化積算値Xの正負を判断する(S55)。そして、トナー劣化積算値Xが負の値の場合には、トナー劣化積算値Xを0にリセットする(S56)。即ち、この場合、高印字率のトナー消費と補給によってトナー劣化がリセットされた状態である。したがって、トナー劣化積算値Xを0にリセットし、続けて画像形成を実行する(S1に戻る)。
一方、トナー劣化積算値Xが正の値の場合には、CPU206は、上述のステップによって画像形成毎に算出・更新されるトナー劣化積算値Xに対して、吐き出し実行閾値Aとの差分(A−X)を算出する(S57)。S58〜S60は、図8のS8〜10と同様である。なお、S60の強制消費モードの動作フローとしては、第1の実施形態(図12)或いは第2の実施形態(図14)のような、強制消費モードを実行する。これにより、強制消費モードによるトナー消費量を最小限に抑えながら、トナーの劣化を防止し画像品質を良好に保つ画像形成装置を提供することができる。
また、本実施形態の場合、トナー劣化積算値Xの値を、現像スリーブ駆動時間Stを考慮して決定している。即ち、トナー劣化積算値Xを求めるための基準値をVt・Stとすることで、このトナー劣化積算値Xに現像スリーブ駆動時間Stを反映させるようにしている。なお、基準値にStを反映させるため、ビデオカウントVに基準時間Suを乗じるようにしている。これにより、トナー劣化により即したトナー劣化積算値Xを算出でき、より適切にトナー劣化を防止できる。
このような本実施形態において、現像装置の単位駆動時間あたりに消費されるトナー消費量に関する情報が所定値以下に相当する画像を連続して形成(印字)した場合について考える。より具体的には、情報V/StがVt/Su未満の場合について考える。この場合に、仮に平均画像比率が同一条件(情報が同一条件)の場合、例えば、「ブラック低Duty画像チャート」を連続して印字した場合、図13と同様に、103枚目の後に強制消費モードを実行する。このとき、本実施形態ではトナー劣化積算値XがX−(A×0.5又はZ)にリセットされる。このため、その後に継続して「ブラック低Duty画像チャート」を連続して印字すると、トナー劣化積算値Xが0である場合よりも早いタイミングで強制消費モードが実行されることになる。
即ち、トナー劣化積算値Xが0であるタイミングから1回目に強制消費モードが実行される画像形成枚数よりも、強制消費モードが実行されて次に強制消費モードが実行されるまでの画像形成枚数が少なくなるように、強制消費モードが実行される。言い換えれば、強制消費モードが実行されるまでの間隔は、所定条件を満たしたタイミング(トナー劣化積算値Xが0であるタイミング)から1回目よりも、それ以降の方が短くなる。但し、強制消費モードで消費されるトナー量については、A×0.5又はZに相当する量であり、1回の強制消費モードで消費されるトナー量は、前述の比較例のようにAに相当する量を消費する場合に比べて少ない。このため、本実施形態と比較例とで同じ画像比率の画像が連続して形成された場合、消費されるトナー量はほぼ同じとなる。
なお、上述の各実施形態の説明では、画像形成の所定の単位毎に消費されるトナー量に応じた消費値と前記所定の単位に対して設定される基準値として、ビデオカウントを使用したが、本発明はこれに限らない。即ち、画像形成に伴い消費されるトナー量が分かれば良い。