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JP2019128255A - レーダカバー及びレーダカバーの製造方法 - Google Patents

レーダカバー及びレーダカバーの製造方法 Download PDF

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JP2019128255A JP2018009996A JP2018009996A JP2019128255A JP 2019128255 A JP2019128255 A JP 2019128255A JP 2018009996 A JP2018009996 A JP 2018009996A JP 2018009996 A JP2018009996 A JP 2018009996A JP 2019128255 A JP2019128255 A JP 2019128255A
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龍之介 碇
Ryunosuke Ikari
龍之介 碇
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Abstract

【課題】有色のベース部材と透明部材との間に電波を透過可能な金属薄膜を有するインナコアが配置されたレーダカバーにおいて、インナコアを縁部近傍に配置した場合であってもインナコアに空気や水分が到達することを抑制し、レーダカバーの電波透過性を長期に亘って維持可能とする。【解決手段】背面を車両の周囲状況を検知するレーダユニットに向けて配置され、有色のベース部材13と透明部材11との間に電波を透過可能な金属薄膜を有するインナエンブレム12が配置されたレーダカバーであって、ベース部材13は、縁部から背面方向に突出する延出部13bを有し、透明部材11は、延出部13bの側面を覆う被覆部11bを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、レーダカバー及びレーダカバーの製造方法に関するものである。
近年、ミリ波等の電波を用いて車両の周囲の障害物等を検知するレーダユニットが車両に搭載されている。このようなレーダユニットは、車両の前面に設けられるラジエータグリルやエンブレムの内側に配置されており、エンブレム等を透過する電波の送受信を行う。このため、上述のようなレーダユニットを備える車両においては、エンブレム等は、電波の減衰を抑制しつつ当該電波を透過可能に形成する必要がある。
一方で、エンブレム等は、車両の前面に配置されることから、車両の意匠上、極めて重要な部分であり、高級感や質感を向上させるために金属光輝性を付与することが多い。従来は、このような金属光輝性を付与するため、めっき処理を施すことが一般的であったが、めっき層は電波を透過しない。このため、例えば、特許文献1では、電波が透過可能なインジウム(In)やアルミニウム(Al)の薄膜が形成されたインナコアを、樹脂製の透明部材と樹脂製のベース部材にて挟み込むことで、金属光輝性を有するレーダカバーを形成している。
特開2011−46183号公報
ところで、特許文献1のレーダカバーにおいては、透明部材越しにベース部材が外部から視認できることから、インナコアを除いた領域はベース部材の色として視認されることになる。このため、例えば、レーダカバーの縁部に金属光輝性を付与するためには、インナコアをベース部材の縁部に重ねるようにして配置する必要がある。しかしながら、このような配置を採用した場合には、インナコアがレーダカバーの縁部に配置されるため、レーダカバーの外周面から透明部材とベース部材との境界部分に入り込んだ外気や水分がインナコアに到達する経路が極めて短くなる。このため、インジウム(In)やアルミニウム(Al)の薄膜が空気や水分に接触することによる変質が生じやすく、レーダカバーの電波透過性に影響を与える恐れがある。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、有色のベース部材と透明部材との間に電波を透過可能な金属薄膜を有するインナコアが配置されたレーダカバーにおいて、インナコアを縁部近傍に配置した場合であってもインナコアに空気や水分が到達することを抑制し、レーダカバーの電波透過性を長期に亘って維持可能とすることを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
第1の発明は、背面を車両の周囲状況を検知するレーダユニットに向けて配置され、有色のベース部材と透明部材との間に電波を透過可能な金属薄膜を有するインナコアが配置されたレーダカバーであって、上記ベース部材が、縁部から背面方向に突出する延出部を有し、上記透明部材が、上記延出部の側面を覆う被覆部を有するという構成を採用する。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記延出部が、上記背面と直交する方向から見て、上記ベース部材の縁部の全域に沿って環状に設けられ、上記被覆部が、上記側面である上記延出部の外周面の全域を被覆しているという構成を採用する。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記被覆部が、上記延出部の側面に対して直接固着されているという構成を採用する。
第4の発明は、上記第1〜第3いずれかの発明において、上記インナコアが、上記背面と直交する方向から見て、上記インナコアの外縁の少なくとも一部が上記ベース部材の外縁と重なるように配置されているという構成を採用する。
第5の発明は、上記第4の発明において、上記背面と直交する方向から見て、上記ベース部材の外縁の全域に上記インナコアの上記外縁が重ねて配置されているという構成を採用する。
第6の発明は、背面を車両の周囲状況を検知するレーダユニットに向けて配置され、有色のベース部材と透明部材との間に電波を透過可能な金属薄膜を有するインナコアが配置されたレーダカバーの製造方法であって、上記背面と直交する方向から見て上記ベース部材に設けられる延出部の側面を覆うことになる被覆部を有する透明部材を形成する透明部材形成工程と、上記透明部材に対して上記インナコアを配置するインナコア配置工程と、上記インナコアが配置された上記透明部材に、縁部から背面方向に突出する延出部を有しかつ上記延出部の側面が上記被覆部に覆われるように上記ベース部材を形成するベース部材形成工程とを有するという構成を採用する。
本発明によれば、ベース部材が縁部から背面方向に突出する延出部を有し、透明部材がベース部材の延出部の側面を覆う被覆部を有している。このため、本発明によれば、延出部及び被覆部を有していない場合と比較して、透明部材とベース部材との境界面の端部からインナコアまでの経路を長く確保することができる。したがって、本発明によれば、有色のベース部材と透明部材との間に電波を透過可能な金属薄膜を有するインナコアが配置されたレーダカバーにおいて、インナコアを縁部近傍に配置した場合であってもインナコアに空気や水分が到達することを抑制し、レーダカバーの電波透過性を長期に亘って維持することが可能となる。
(a)が本発明の一実施形態におけるレーダカバーを備えるラジエータグリルの正面図であり、(b)が本発明の一実施形態におけるレーダカバーの拡大正面図である。 (a)が本発明の一実施形態におけるレーダカバーの断面図であり、(b)が本発明の一実施形態におけるレーダカバーの拡大断面図である。 本発明の一実施形態におけるレーダカバーの製造方法を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態におけるレーダカバーの変形例の拡大断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るレーダカバー及びレーダカバーの製造方法の一実施形態について説明する。
図1(a)は、本実施形態のレーダカバー10を備えるラジエータグリル1の正面図である。また、図1(b)は、本実施形態のレーダカバー10の拡大正面図である。また、図2は、(a)が本実施形態のレーダカバー10の図1(b)のA−A断面図であり、(b)が本実施形態のレーダカバー10の部分拡大断面図である。
ラジエータグリル1は、車両のエンジンルームに通じる開口をふさぐように車両の前面に設けられており、エンジンルームへの通気を確保しかつエンジンルームへの異物の進入を防止している。ラジエータグリル1の中央には、エンジンルーム内に配置されるレーダユニットR(図2(a)参照)に対向するようにしてレーダカバー10が設けられている。レーダユニットRは、例えばミリ波を発信する発信部、反射波を受信する受信部、および、演算処理を行う演算部等を有している。このレーダユニットRは、レーダカバー10を透過する電波の送受信を行い、受信した電波に基づいて車両の周囲状況を検知する。例えば、レーダユニットRは、障害物までの距離や障害物の相対速度等を算出して出力する。
レーダカバー10は、レーダユニットRを車両の正面側(レーダカバー10の背面と直交する方向)から見て覆うように配置されている。つまり、レーダカバー10は、背面をレーダユニットRに向けて配置されている。このレーダカバー10は、図1(b)に示すように、車両の正面側から見て、車両メーカのエンブレムを示す図形や文字等を表す光輝領域10Aと当該光輝領域10Aの視認性を向上させる黒色領域10Bを有する部品である。このようなレーダカバー10は、図2(a)に示すように、透明部材11とインナエンブレム12(インナコア)と、ベース部材13とを備えている。
透明部材11は、最も車両の外側に配置される略矩形状の透明材料(着色透明を含む)により形成される部位である。この透明部材11は、車両の外部からのインナエンブレム12の視認性を高めるため、表側の面が円滑面とされている。また、透明部材11の裏側の面には、インナエンブレム12が配置される凹部11aが形成されている。
凹部11aは、インナエンブレム12が嵌合される部位であり、収容されたインナエンブレム12を車両の前方側から立体的に視認可能とする。この凹部11aは、車両メーカのエンブレム等の図形や文字等の形状に沿って設けられている。このような凹部11aにインナエンブレム12が収容されることによって、上述の光輝領域10Aが形成される。
また、本実施形態のレーダカバー10においては、透明部材11は、ベース部材13の外周縁(後述する本体部13aの縁部及び延出部13bからなる部位)を外側から覆う被覆部11bを有している。この被覆部11bは、透明部材11を表側から見た場合に、透明部材11の縁部に沿って透明部材11の全周に亘って連続的に設けられている。つまり、被覆部11bは、ベース部材13の外周面(後述する本体部13aの側面及び延出部13bの側面からなる領域)の全域を被覆している。この被覆部11bは、透明部材11の他の部位に対して背面側に突出しており、ベース部材13の外周面を外側から覆うように環状に設けられている。
図2(b)に示すように、この被覆部11bの他の部位からの突出寸法L1は、ベース部材13の本体部13aの厚さ寸法Laと延出部13bの突出寸法Lbと合わせた寸法と等しく設定され、透明部材11の外周面からインナエンブレム12までの距離寸法よりも大きく設定されている。このような被覆部11bは、内周面がベース部材13の外周面に対して溶着されることにより、ベース部材13の本体部13a及び延出部13bの側面に対して直接固着されている。
このような被覆部11bがベース部材13の外周面を外側から覆うように配置されていることによって、透明部材11の厚さ方向に沿った断面(例えば図2(b)で示す断面)において、被覆部11bとベース部材13との境界面Sは、レーダカバー10の厚さ方向に沿うように発生する。この結果、境界面Sの端部がレーダカバー10の背面において、露出されている。つまり、本実施形態においては、被覆部11bとベース部材13との境界面Sがレーダカバー10の外周面(側面)に露出していない。
このような透明部材11の被覆部11bは、透明部材11の一部であることから、光を透過する。このため、被覆部11bが形成された領域は、外部から視認する者にとって透明な領域(以下、透明領域10Cと称する)となる。また、図2に示すように、透明部材11の被覆部11bは、本実施形態のレーダカバー10の縁部を形成している。このため、本実施形態のレーダカバー10においては、図1(b)に示すように、縁部が透明領域10Cとなっている。
このような透明部材11は、例えば、無色のPC(ポリカーボネート)やPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)等の透明合成樹脂によって形成されており、1.5mm〜10mm程度の厚さとされている。また、透明部材11の表側の面には、必要に応じて、傷付き防止のためのハードコート処理、又はウレタン系塗料のクリヤコート処理が施される。なお、耐傷性を備える透明合成樹脂であれば、これらの傷付き防止処理は不要である。
インナエンブレム12は、図2(b)に示すように、基部12aと、光輝層12bとを備えている。基部12aは、インナエンブレム12の骨格となる強度部材であり、光輝層12bを支持している。この基部12aは、射出成形等によって成形されており、例えばABS、PC又はPET等の合成樹脂によって形成されている。この基部12aは、透明部材11の凹部11aを埋設する凸状の形状とされており、透明部材11の凹部11aに嵌合される。
光輝層12bは、基部12aの表側の面(透明部材11側の面)に形成されており、基部12aに被さるように配置された金属光輝性を備える層である。この光輝層12bは、インジウム(In)やアルミニウム(Al)からなる金属薄膜を有している。この金属薄膜は、インジウム(In)やアルミニウム(Al)が微小な隙間を有する海島状に形成された不連続膜であり、電波が透過可能とされている。このような金属薄膜は、例えばスパッタリング法によって形成されている。なお、光輝層12bは、金属薄膜の他、金属薄膜を覆うトップコート層や金属薄膜と基部12aとの間に配置されるボトムコート層を必要に応じて備えている。
このようなインナエンブレム12は、ベース部材13の表面に対しては溶着することによって固着されているが、透明部材11の凹部11aの内壁面には固着されておらずに当接されているのみである。つまり、インナエンブレム12は、ベース部材13により、透明部材11の凹部11aの内壁面に当接された状態で支持されている。
また、本実施形態のレーダカバー10においてインナエンブレム12の一部は、正面側から見て、ベース部材13の外縁と重なる位置に配置されている。このため、本実施形態のレーダカバー10においては、正面側から見て、透明領域10Cを除いた外縁部が光輝領域10Aとなっている。つまり、本実施形態のレーダカバー10は、黒縁ではない意匠とされている。
ベース部材13は、透明部材11の裏側に固着される部位であり、黒色の樹脂材料から形成されている。このベース部材13は、透明部材11と固定されると共にインナエンブレム12を透明部材11と反対側から支持する支持部材として機能する。また、ベース部材13は、エンジンルーム側に突出する不図示の係合部を有している場合もある。このように透明部材11の背面に対して固着されたベース部材13は、透明部材11の外側から視認可能とされており、上述の黒色領域10Bを形成している。このベース部材13は、光輝領域10A以外の領域を黒色に視認させ、相対的に光輝領域10Aの視認性を向上させる。
また、ベース部材13は、図2に示すように、インナエンブレム12を背面側から支持する板状の本体部13aと、本体部13aの外縁部から背面方向(インナエンブレム12が配置される側と反対側の方向)に向けて突出する延出部13bとを有している。本体部13aは、図2(b)に示すように、一定の厚さ寸法Laを有しており、側面の全域が透明部材11の被覆部11bによって覆われている。延出部13bは、レーダカバー10の正面側から見て、本体部13aの外縁部の全域に設けられることで環状とされている。この延出部13bは、本体部13aから背面側に突出することによって、透明部材11の被覆部11bとベース部材13との境界面Sを、延出部13bがない場合と比較して背面側に延伸させる。このように境界面Sを後方に延伸させることによって、透明部材11とベース部材13との境界面Sの端部からインナエンブレム12に到達するまでの経路を長く確保することができる。
このようなベース部材13は、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂)、AES(アクリロニトリル・エチレン・スチレン共重合合成樹脂)、ASA(アクリロニトリル・スチレン・アクリレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、有色のPC、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の合成樹脂、又はこれらの複合樹脂からなり、0.5mm〜10mm程度の厚さとされている。
続いて、本実施形態のレーダカバー10の製造方法について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態のレーダカバー10の製造方法について説明するための概略図である。まず、図3(a)に示すように、透明部材11を形成する。例えば、透明部材11は、射出成形により形成される。この射出成形により、凹部11a及び被覆部11bを有する透明部材11を形成することができるため、後工程により凹部11a及び被覆部11bを形成する必要はない。なお、必要に応じて、透明部材11の表面側(車両外側に向く面)あるいは全面には、耐久性等を向上させるためのハードコート処理を施しても良い。このような図3(a)に示す工程は、透明部材形成工程に相当する。つまり、図3(a)に示す工程により、ベース部材13に設けられる延出部13bの側面を覆うことになる被覆部11bを有する透明部材11が形成される。
次に、図3(b)に示すように、インナエンブレム12の基部12aを形成する。例えば、基部12aは、射出成形により形成される。続いて、図3(c)に示すように、基部12aの表面に光輝層12bを形成する。なお、光輝層12bが有する金属薄膜は、真空チャンバの内部において真空雰囲気にて、例えばスパッタリングによって形成される。このように形成された金属薄膜は、基部12aの濡れ性の悪さ差等に起因して、複数の隙間を有する不連続膜として形成される。
次に、図3(d)に示すように、インナエンブレム12を透明部材11の凹部11aに嵌合する。この図3(d)に示す工程は、インナコア配置工程に相当する。つまり、図3(d)に示す工程により、透明部材11に対してインナエンブレム12が配置される。
次に、図3(e)に示すように、ベース部材13を形成する。ここでは、凹部11aにインナエンブレム12が設置された透明部材11を、射出成形用の金型の内部に配置し、透明部材11の背面側に溶融した樹脂を射出するインサート成形を行うことで、ベース部材13を形成する。このようなベース部材13は、インサート成形時の熱により透明部材11と溶着され、インナエンブレム12を覆うように配置される。これによって、インナエンブレム12は、凹部11aの内壁面に当接された状態で、透明部材11に対して固定される。このような図3(e)に示す工程は、ベース部材形成工程に相当する。つまり、図3(e)に示す工程により、インナエンブレム12が配置された透明部材11に、縁部から背面方向に突出する延出部13bを有しかつ延出部13bの側面が被覆部11bに覆われるようにベース部材13が形成される。
以上のような工程で本実施形態のレーダカバー10が製造される。このような本実施形態のレーダカバー10の製造方法及びレーダカバー10によれば、ベース部材13が縁部から背面方向に突出する延出部13bを有し、透明部材11がベース部材13の延出部13bの側面を覆う被覆部11bを有している。このため、本実施形態のレーダカバー10によれば、延出部13b及び被覆部11bを有していない場合と比較して、透明部材11とベース部材13との境界面Sの端部からインナエンブレム12までの経路を長く確保することができる。したがって、本実施形態のレーダカバー10及びレーダカバー10の製造方法によれば、インナエンブレム12を縁部近傍に配置した場合であってもインナエンブレム12に空気や水分が到達することを抑制し、レーダカバー10の電波透過性や意匠性を長期に亘って維持することが可能となる。
また、本実施形態のレーダカバー10においては、被覆部11bが、レーダカバー10の正面側から見て延出部13bを含むベース部材13の外周面を全周に亘って覆っている。このため、レーダカバー10の全周方向において、インナエンブレム12に空気や水分が到達することを抑制し、レーダカバー10の意匠性を長期に亘って確実に維持することが可能となる。
また、本実施形態のレーダカバー10においては、被覆部11bが、延出部13bを含むベース部材13の外周面に対して直接固着されている。例えば、被覆部11bとベース部材13との間に金属層を配置して側方からベース部材13の外周面が視認されない意匠を採用することも可能である。一方で、本実施形態のように被覆部11bが、ベース部材13の外周面に対して直接固着されている構成を採用する場合には、透明部材11とベース部材13との境界面Sに空気や水分が入り込むことをより確実に防止することができ、インナエンブレム12に空気や水分が到達することを抑制し、レーダカバー10の電波透過性及び意匠性を長期に亘ってより確実に維持することが可能となる。
また、本実施形態のレーダカバー10においては、ベース部材13と透明部材11との境界面Sの端部がレーダカバー10の背面に露出している。一般的にレーダカバー10の背面は雨水等に暴露され難いため、本実施形態のレーダカバー10によれば、透明部材11とベース部材13との境界面Sに空気や水分が入り込むことをより確実に防止することができ、インナエンブレム12に空気や水分が到達することを抑制し、レーダカバー10の電波透過性及び意匠性を長期に亘ってより確実に維持することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
図4は、上記実施形態のレーダカバー10の変形例の拡大断面図である。この図に示すように、例えば、ベース部材13の外周面と透明部材11の被覆部11bとの間に、有色層14を設けるようにしても良い。このような構成を採用することによって、レーダカバー10の側方からベース部材13の外周面が外部の者に視認されることを防止することができる。例えば、有色層14として、金属製薄膜を形成することによって、レーダカバー10の側面にも金属光沢を付与することができる。このため、レーダカバー10の光輝領域10Aを奥行き方向に広げることができ、より立体的な意匠を形成することが可能となる。また、有色層14は、印刷や塗装により形成することも可能である。このような有色層14は、例えば、ベース部材13を射出成形により形成する前に透明部材11に形成しておくことにより、透明部材11とベース部材13との間に容易に配置することができる。
1……ラジエータグリル、10……レーダカバー、11……透明部材、11a……凹部、11b……被覆部、12……インナエンブレム(インナコア)、13……ベース部材、13a……本体部、13b……延出部、14……有色層、R……レーダユニット、S……境界面

Claims (6)

  1. 背面を車両の周囲状況を検知するレーダユニットに向けて配置され、有色のベース部材と透明部材との間に電波を透過可能な金属薄膜を有するインナコアが配置されたレーダカバーであって、
    前記ベース部材は、縁部から背面方向に突出する延出部を有し、
    前記透明部材は、前記延出部の側面を覆う被覆部を有する
    ことを特徴とするレーダカバー。
  2. 前記延出部は、前記背面と直交する方向から見て、前記ベース部材の縁部の全域に沿って環状に設けられ、
    前記被覆部は、前記側面である前記延出部の外周面の全域を被覆している
    ことを特徴とする請求項1記載のレーダカバー。
  3. 前記被覆部は、前記延出部の側面に対して直接固着されていることを特徴とする請求項1または2記載のレーダカバー。
  4. 前記インナコアは、前記背面と直交する方向から見て、前記インナコアの外縁の少なくとも一部が前記ベース部材の外縁と重なるように配置されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のレーダカバー。
  5. 前記背面と直交する方向から見て、前記ベース部材の外縁の全域に前記インナコアの前記外縁が重ねて配置されていることを特徴とする請求項4記載のレーダカバー。
  6. 背面を車両の周囲状況を検知するレーダユニットに向けて配置され、有色のベース部材と透明部材との間に電波を透過可能な金属薄膜を有するインナコアが配置されたレーダカバーの製造方法であって、
    前記背面と直交する方向から見て前記ベース部材に設けられる延出部の側面を覆うことになる被覆部を有する透明部材を形成する透明部材形成工程と、
    前記透明部材に対して前記インナコアを配置するインナコア配置工程と、
    前記インナコアが配置された前記透明部材に、縁部から背面方向に突出する延出部を有しかつ前記延出部の側面が前記被覆部に覆われるように前記ベース部材を形成するベース部材形成工程と
    を有することを特徴とするレーダカバーの製造方法。
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