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JP2019117844A - モールド、レプリカモールド、インプリント装置、および物品製造方法 - Google Patents

モールド、レプリカモールド、インプリント装置、および物品製造方法 Download PDF

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JP2019117844A JP2017250101A JP2017250101A JP2019117844A JP 2019117844 A JP2019117844 A JP 2019117844A JP 2017250101 A JP2017250101 A JP 2017250101A JP 2017250101 A JP2017250101 A JP 2017250101A JP 2019117844 A JP2019117844 A JP 2019117844A
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貴徳 遠藤
Takanori Endo
貴徳 遠藤
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】インプリント用のモールドの高精度な複製に有利な技術を提供すること。【解決手段】インプリントによってレプリカモールドを作製するためのモールドは、第1面と、レプリカモールドに転写されるパターンが形成されたパターン部を有し、第1面から突出するメサ部と、第1面において、メサ部を取り囲み、メサ部よりも更に突出する突出部とを有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、インプリント用のモールド、レプリカモールド、インプリント装置、および物品製造方法に関する。
インプリント装置は、被処理物体である基板上に供給されたインプリント材と型とを接触させた状態でインプリント材を硬化させ、硬化したインプリント材から型を分離させることで、基板上にインプリント材のパターンを形成する。
インプリント装置を用いて例えば半導体デバイスを製造する場合、被処理物体は半導体ウエハである。一方で、インプリント技術は、例えば特許文献1に示されているように、マスターモールドを用いてレプリカモールドを製造する技術にも利用されうる。
特開2013−175671号公報
ところで、被処理物体にパターンを良好に転写するためには、モールドのパターン部と被処理物体との間に残るインプリント材の厚み(残膜厚)を均一にする必要がある。残膜厚はCD精度の観点から十数nmといった厚さが求められる。そのため、被処理物体にインプリント材が供給されてから、硬化の処理が完了するまでの間にインプリント材の揮発による体積変化が起こることが原因で、残膜厚の均一性が悪くなる。
さらに、マスターモールドのパターン部およびレプリカモールドのパターン転写領域は、その外周よりも高い段差構造(メサ構造)となっている。それにより、インプリント材を介して両モールドが接触する場合、メサ部よりも外側は、その段差構造の分だけ間隙が大きくなり、インプリント材が揮発しやすい状況となる。そのため、レプリカモールドの製造において、被処理物体の外周部付近ではインプリント材の揮発はより顕著に進み、残膜厚が薄くなってしまう。
本発明は、例えば、インプリント用のモールドの高精度な複製に有利な技術を提供することを目的とする。
本発明の一側面によれば、インプリントによってレプリカモールドを作製するためのモールドであって、第1面と、前記レプリカモールドに転写されるパターンが形成されたパターン部を有し、前記第1面から突出するメサ部と、前記第1面において、前記メサ部を取り囲み、前記メサ部よりも更に突出する突出部とを有することを特徴とするモールドが提供される。
本発明によれば、インプリント用のモールドの高精度な複製に有利な技術を提供することができる。
実施形態におけるインプリント装置の概略構成を示す図。 第1実施形態におけるマスターモールドの構成例を説明する図。 第1実施形態におけるマスターモールドの構成例を説明する図。 インプリント材とマスターモールドとの間の大気をガスで置換する方法の一例を示す図。 第2実施形態におけるレプリカモールドの構成例を示す図。 実施形態における物品製造方法を説明する図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態は本発明の実施の具体例を示すにすぎないものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、以下の実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決のために必須のものであるとは限らない。
まず、実施形態に係るインプリント装置の概要について説明する。インプリント装置は、基板上に供給されたインプリント材を型(モールド)と接触させ、インプリント材に硬化用のエネルギーを与えることにより、型の凹凸パターンが転写された硬化物のパターンを形成する装置である。
インプリント材としては、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギーとしては、電磁波、熱等が用いられうる。電磁波は、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される光、例えば、赤外線、可視光線、紫外線などでありうる。硬化性組成物は、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物でありうる。これらのうち、光の照射により硬化する光硬化性組成物は、少なくとも重合性化合物と光重合開始剤とを含有し、必要に応じて非重合性化合物または溶剤を更に含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分などの群から選択される少なくとも一種である。インプリント材は、インプリント材供給部により、液滴状、或いは複数の液滴が繋がってできた島状又は膜状となって基板上に配置されうる。インプリント材の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下でありうる。基板の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、金属、半導体、樹脂等が用いられうる。必要に応じて、基板の表面に、基板とは別の材料からなる部材が設けられてもよい。基板は、例えば、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、石英ガラスである。
図1は、本実施形態におけるインプリント装置の概略構成を示す。上述したように、インプリント技術においては、基板(例えば、デバイス製造用の半導体ウエハ)の上に供給されたインプリント材とモールド(テンプレート)とを直接接触させることが必要である。このような接触により、モールドの寿命には限界がある。そこで、典型的には、まず最初に例えば電子ビーム技術によりガラスや石英のようなテンプレート基板にパターンを形成して、マスターモールドが作製される。通常、このマスターモールドはデバイス製造用の半導体ウエハ上にパターンを形成するのには使用されず、その代わりに、モールド複製処理により1つ以上のレプリカモールドを作製し、そのレプリカモールドを用いて半導体ウエハ上にパターンを形成する。
このようなモールド複製処理は、上記のようなインプリント技術を取り込んで行うことができる。したがって、図1に示すインプリント装置1は、デバイス製造用の基板にインプリントを行う他、マスターモールドに形成されているパターンをレプリカ基板に転写することによりレプリカモールドを作製するものに転用が可能である。以下では、インプリント装置1によりレプリカモールドを作製することに関して説明する。本実施形態において、インプリント装置1は、光(紫外線)の照射によってインプリント材を硬化させる光硬化法を採用するものとする。なお、本実施形態では、図1に示すように、マスターモールド11に対して紫外線を照射する方向に平行な軸をZ軸とし、Z軸に対して直交する方向にX軸及びY軸を定める。
レプリカモールド8は、インプリント処理によってマスターモールド11の複製となるブランクのモールドであり、例えば、石英などの紫外線を透過する素材が用いられる。レプリカモールド8の被処理面にはインプリント材21が供給される。
マスターモールド11は、レプリカモールド8と対向する面に、レプリカモールド8上に供給されたインプリント材21に転写する凹凸のパターンが形成された型である。なお、マスターモールド11の材質には石英などの紫外線を透過させる素材が用いられる。
硬化部5は、マスターモールド11を介してインプリント材21に紫外線を照射することによりインプリント材21を硬化させる。この硬化部5は、紫外線を発生する光源16と、光源16からの紫外線をインプリントに適切な光に調整するための光学系17とを含みうる。
インプリントヘッド3は、マスターモールド11を保持して移動可能に構成されている。インプリントヘッド3は、マスターモールド保持部12と、マスターモールド駆動部19とを含みうる。マスターモールド保持部12は、マスターモールド11を真空吸着パッド等によって保持する。マスターモールド保持部12はマスターモールド駆動部19に保持されている。マスターモールド駆動部19は、マスターモールド11のパターンをレプリカモールド8に転写する際にレプリカモールド8とマスターモールド11との間隔を調整するための駆動系(移動機構)を含み、Z軸方向に駆動しうる。また、マスターモールド駆動部19は、パターン転写時には高精度な位置決めが要求されるため、粗動駆動系と微動駆動系など複数の駆動系を含んでいてもよい。さらに、マスターモールド駆動部19は、Z軸方向だけでなく、X軸方向、Y軸方向、またはθ(Z軸周りの回転)方向への位置調整機能、マスターモールド11の傾きを補正するためのチルト機能を有していてもよい。
ステージ装置2は、レプリカモールド8を保持し、インプリント時にレプリカモールド8とマスターモールド11の並進シフトの補正(位置合わせ)を行いうる。ステージ装置2は、レプリカモールド保持部9と、レプリカモールドステージ10とを含みうる。レプリカモールド保持部9は、レプリカモールド8を真空吸着パッド等によって保持する。また、レプリカモールド保持部9はレプリカモールドステージ10によって支持されている。レプリカモールドステージ10は、レプリカモールド8とマスターモールド11の並進シフトの補正(位置合わせ)をするためのX軸方向及びY軸方向に駆動する駆動系である。また、X軸方向とY軸方向の駆動系は、粗動駆動系と微動駆動系など複数の駆動系から構成されていてもよい。さらに、Z軸方向の位置調整のための駆動系や、レプリカモールド8のθ(Z軸周りの回転)方向位置調整機能、レプリカモールド8の傾きを補正するためのチルト機能を有していてもよい。
インプリント材供給部7は、レプリカモールド8にインプリント材21を供給する。インプリント材供給部7は、例えばマスターモールド保持部12に保持された吐出ノズルからレプリカモールド8にインプリント材21を吐出する。なお、インプリント材21には紫外線を照射することによって硬化する性質を持つ紫外線硬化性樹脂を利用する。また、吐出するインプリント材21の量は、必要となるインプリント材21の厚さや転写するパターン密度などによって適宜決定される。
マスターモールド11とレプリカモールド8上に供給されたインプリント材21との接触に際して、マスターモールド11とインプリント材21との間に気泡(大気)が存在すると、インプリント材21の硬化後、形成されたパターンに未充填欠陥が生じうる。このような未充填欠陥の発生を防止するためには、マスターモールド11とインプリント材21との間の気体を、インプリント材21に対して高可溶性又は高拡散性の少なくともいずれか一方の性質を有する気体と置換させるとよい。このような性質を有する気体としては、ヘリウムなどがある。そこで本実施形態において、ガス供給部40は、例えばマスターモールド保持部12に保持されたガス供給ノズルから、レプリカモールド8上のインプリント材21とマスターモールド11との間にそのようなガスを供給する。
インプリント装置1は、雰囲気を清浄な環境に保つため、不図示のクリーンチャンバに収められていてもよい。その他に、インプリント装置1は、ステージ装置2を支持するための定盤20、マスターモールド保持ユニット3を支持するための支持体14、支持体14を支えるための支柱15を有する。
制御部6は、インプリント装置1の各構成要素の動作及び調整等を制御する。制御部6は、上記のようなクリーンチャンバ内に収められていてもよいし、クリーンチャンバ外に設けられていてもよい。制御部6は、マスターモールド11のパターンをレプリカモールド8に転写するインプリント処理を例えば以下のようにして行う。まず、インプリント材供給部7により、レプリカモールド8上にインプリント材21を供給する。その後、マスターモールド11をインプリントヘッド3により下降させてレプリカモールド8上のインプリント材21と接触させる。これによりインプリント材21はマスターモールド11に形成されているパターンの溝に流入する。この状態で、硬化部5によりインプリント材21に紫外線を照射させることでインプリント材21を硬化させる。インプリント材21が硬化することで、インプリント材21によるマスターモールド11のパターン(回路パターン)が形成される。インプリント材21が硬化した後、マスターモールド11をインプリントヘッド3により上昇させることで、硬化したインプリント材21からマスターモールド11が引き離される。なお、本実施形態のインプリント装置1では、固定されたレプリカモールド8上のインプリント材21に対してインプリントヘッド3を駆動して接触させる構成としているが、これとは反対の構成もありうる。すなわち、固定されたマスターモールド11に対してステージ装置2を駆動してレプリカモールド8上のインプリント材21を接触させる構成としてもよい。あるいは、インプリントヘッド3とステージ装置2をそれぞれ上下に駆動させる構成であってもよい。すなわち、マスターモールド11とレプリカモールド8との相対的な位置を変化させる駆動部を有していればよい。本実施形態におけるレプリカモールド8を作製するためのインプリント処理は概ね以上のようなものである。
<第1実施形態>
図2を参照して、第1実施形態におけるマスターモールド11の構成例を説明する。図2(a)は、レプリカモールド8にインプリント材21が供給され、マスターモールド11と接触した状態を示している。マスターモールド11は、モールド本体11aとパターン部11cとを有する。マスターモールド11は、レプリカモールド8と対向する面である第1面11dから突出する(本体部11aよりもレプリカモールド8に対して凸となる)メサ部を有し、パターン部11cは、このメサ部に形成されている。
レプリカモールド8のパターン部も、マスターモールド11に対して凸となるメサ構造を有している。このため、インプリント材21を介してマスターモールド11のパターン部とレプリカモールド8のパターン部とが接触するとき、その接触領域の外側に空間31ができる。インプリント材の揮発成分がこの空間31に流入しうる。空間31が大きいほど、インプリント材の揮発成分が多く流れ込みやすくなるため両モールドの外周部付近ではインプリント材の揮発が顕著に進み、残膜圧が薄くなってしまう。
この課題に対処するため、本実施形態におけるマスターモールド11は、第1面11dにおいて、メサ部を取り囲み、レプリカモールド8に対してメサ部よりも更に突出する突出部11bを有する。突出部11bは、例えば、パターン部11cとレプリカモールド8のパターン転写領域上のインプリント材21とを接触させたときに、パターン部11cとレプリカモールド8のパターン転写領域との周辺の空間を埋めるように形成されている。突出部11bの存在により、レプリカモールド8と突出部11bとの間隙が狭くなるため、インプリント材21の揮発成分が突出部11bよりも外側へ拡散することが抑制される。そうすると、空間31内の揮発したインプリント材21の揮発成分の圧力が高まり、インプリント材21のさらなる揮発が抑えられ、揮発によるインプリント材21の体積変化を抑制することができる。突出部11bの高さ(図2(a)におけるZ方向の厚み)は、狭間隙による拡散抑制の効果と、突出部11bのレプリカモールド8への干渉回避の観点から決定される。突出部11bのそのような高さは、例えば50〜55μmの範囲内の値でありうる。
図2(b)は、マスターモールド11をX−Y平面視の図である。突出部11bは、メサ部を取り囲むように、すなわち、パターン部11cの外周を囲うように配置されている。これによって、揮発抑制の効果をインプリント材21の外周の全方向で得ることができる。
図2(a),(b)の例では、突出部11bは、マスターモールド11のパターン部の外周の一部のみに形成されていたが、図3(a),(b)に示すように、突出部11bは、マスターモールド11の端部まで延びるように形成されていてもよい。
図4に、レプリカモールド8上に供給されたインプリント材21とマスターモールド11との間の大気をガスで置換する方法の一例を示す。制御部6は、インプリント材供給部7を制御して、レプリカモールド8にインプリント材21を供給する(図4(a))。その後、制御部6は、レプリカモールドステージ10を制御して、レプリカモールド8を、ガス供給部40の下を通過させ(図4(b))、マスターモールド11の下の位置まで移動させる(図4(c))。制御部6は、このレプリカモールド8の移動に合わせて、ガス供給部40からガスを供給する。これにより、レプリカモールド8上に供給されたインプリント材21とマスターモールド11との間にガスを効果的に引き込むことができる。図4においては、このガスの流れの妨げとならないように、突出部11bは、メサ部から遠ざかるに従って突出の度合いが小さくなる(すなわち、厚さ(Z方向の高さ)が薄くなる)ような形状を有する。
上記の例において、図4(b)および(c)に示したように、ガス供給部40によりガスが供給されている間にレプリカモールド8がガス供給部40の下を経由してパターンの形成が行われる位置まで移動する。この際に、制御部6は、その移動中に突出部11bがインプリント材21やレプリカモールド8と干渉しないように、マスターモールド駆動部19(移動機構)を制御してマスターモールド11とレプリカモールド8とを離間させておく。
上述の突出部11bは、マスターモールド11の本体部11aと一体成型されていてもよいし、本体部11aとは別体で構成されていてもよい。突出部11bが本体部11aと別体で構成される場合、突出部11bは、蒸着や塗布によって本体部11aに薄膜を形成することで付加されてもよい。
続いて、第1実施形態のマスターモールドを使用したレプリカモールドの製造方法を、図1を用いて説明する。マスターモールド11は、インプリント装置1に導入され、不図示のマスターモールド搬送部によってインプリントヘッド3まで搬送される。マスターモールド保持部12は、このマスターモールド11を保持する。一方、ブランクのレプリカモールド8が、不図示のレプリカモールド搬送部によってステージ装置2まで搬送され、レプリカモールド保持部9を介してレプリカモールドステージ10によって保持される。制御部6は、レプリカモールド8を保持したレプリカモールドステージ10を制御して、レプリカモールド8をインプリント材供給部7の下へ駆動する。その後、制御部6は、インプリント材供給部7を制御して、レプリカモールド8にインプリント材21を供給する。次に、制御部6は、レプリカモールドステージ10を制御して、ガス供給部40の下を通過してマスターモールド11の下まで移動する。この際にガス供給部40からガスを供給することによって、レプリカモールド8上に供給されたインプリント材21とマスターモールド11との間にガスを引き込み、大気とガスとを置換する。
レプリカモールド8のパターン転写領域がマスターモールド11のパターン部と対向するように配置された後、制御部6は、マスターモールド駆動部19の降下駆動によって、インプリント材21とマスターモールド11のパターン部とを接触させる。これによりインプリント材21はマスターモールド11に形成されているパターンの溝に流入する。パターン部の凹凸の隅々までインプリント材21が充填されるまでの間に、インプリント材21の一部が揮発して近傍の空間へ拡散するが、本実施形態では、マスターモールド11の突出部11bの存在によってインプリント材21の揮発が抑制される。インプリント材21の微細パターン部への充填が完了すると、制御部6は、効果部5によりインプリント材21に紫外線を照射してインプリント材21を硬化させる。その後、マスターモールド駆動部19の上昇駆動によって、インプリント材21とマスターモールド11のパターン部とが引き離される。
以上のインプリント動作によって、レプリカモールド8に供給されたインプリント材21にマスターモールド11のパターンが転写される。このインプリント動作においては、インプリント材21の揮発が抑制され、インプリント材21の体積の減少を防止できるため、転写されたパターンは、均一な厚さの残膜を得ることができる。レプリカモールド8は不図示のエッチング処理ユニットまたはエッチング装置によってインプリント材21をマスクにしたエッチングが行われ、レプリカモールド8のパターン転写領域にパターンが生成される。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。図5(a)は、ブランクのレプリカモールド25にインプリント材21が供給され、レプリカモールド25とマスターモールド11とが対向するように位置合わせされた状態を示している。レプリカモールド25は、本体部25aとパターン転写領域であるパターン部25cとを有する。レプリカモールド25は、マスターモールド11と対向する面である第1面25dから突出する(本体部25aよりもマスターモールド11に対して凸となる)メサ部を有し、このメサ部にパターン部25cが形成されている。
第1実施形態では、マスターモールド11側に突出部11bが設けられていた。これに対し本実施形態では、その逆に、レプリカモールド25が、第1面25dにおいて、メサ部を取り囲み、マスターモールド11に対してメサ部よりも更に突出する突出部25bを有する。突出部25bは、例えば、パターン部25cの上のインプリント材21とマスターモールド11のパターン部とを接触させたときに、パターン部25cとマスターモールド11のパターン部との周辺の空間を埋めるように形成されている。
図5(b)は、レプリカモールド25にインプリント材21が供給された後、マスターモールド11がインプリント材21と接触した状態を示している。第1実施形態と同様に、突出部25bの存在により、インプリント材21の、揮発による体積変化を抑制することができる。
エッチング処理によってレプリカモールド25にパターンが形成された後は、この突出部25bを有するレプリカモールド25をマスターモールドとして使用し、第2世代以降の他のレプリカモールドを作製することができる。また、突出部25bは、蒸着や塗布によって本体部25aに薄膜を形成することで付加されてもよく、これにより突出部25bは、本体部25aから取り外しまたは除去可能に構成されていてもよい。この場合、レプリカモールド25から突出部25bを除去する処理を行い、この突出部25が除去されたレプリカモールド25を、半導体ウエハをワークとする半導体デバイス用のインプリント装置において、モールドとして使用することもできる。
<物品製造方法の実施形態>
インプリント装置を用いて形成した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
次に、図6を参照して、物品製造方法について説明する。工程SAでは、絶縁体等の被加工材2zが表面に形成されたシリコン基板等の基板1zを用意し、続いて、インクジェット法等により、被加工材2zの表面にインプリント材3zを付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材3zが基板上に付与された様子を示している。
工程SBでは、インプリント用の型4zを、その凹凸パターンが形成された側を基板上のインプリント材3zに向け、対向させる。ここで、型4zとして、上記したような、突出部25が除去されたレプリカモールド25が使用されうる。
工程SCでは、インプリント材3zが付与された基板1zと型4zとを接触させ、圧力を加える。インプリント材3zは型4zと被加工材2zとの隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギーとして光を型4zを介して照射すると、インプリント材3zは硬化する。
工程SDでは、インプリント材3zを硬化させた後、型4zと基板1zを引き離すと、基板1z上にインプリント材3zの硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、型の凹部が硬化物の凸部に、型の凸部が硬化物の凹部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材3zに型4zの凹凸パターンが転写されたことになる。
工程SEでは、硬化物のパターンを耐エッチング型としてエッチングを行うと、被加工材2zの表面のうち、硬化物が無いか或いは薄く残存した部分が除去され、溝5zとなる。
工程SFでは、硬化物のパターンを除去すると、被加工材2zの表面に溝5zが形成された物品を得ることができる。ここでは硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子等に含まれる層間絶縁用の膜、つまり、物品の構成部材として利用してもよい。
1:インプリント装置、2:ステージ装置、3:インプリントヘッド、6:制御部、7:インプリント材供給部、8:レプリカモールド、11:マスターモールド、21:インプリント材、40:ガス供給部

Claims (9)

  1. インプリントによってレプリカモールドを作製するためのモールドであって、
    第1面と、
    前記レプリカモールドに転写されるパターンが形成されたパターン部を有し、前記第1面から突出するメサ部と、
    前記第1面において、前記メサ部を取り囲み、前記メサ部よりも更に突出する突出部と、
    を有することを特徴とするモールド。
  2. 前記突出部は、前記パターン部と前記レプリカモールドのパターン転写領域上のインプリント材とを接触させたときに、前記パターン部と前記パターン転写領域との周辺の空間を埋めるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のモールド。
  3. 前記突出部は、前記モールドの端部まで延びるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載のモールド。
  4. 前記突出部は、前記メサ部から遠ざかるに従って突出の度合いが小さくなる形状を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のモールド。
  5. インプリントによってマスターモールドのパターンが転写されるレプリカモールドであって、
    第1面と、
    前記マスターモールドのパターンが転写されるパターン転写領域を有し、前記第1面から突出するメサ部と、
    前記第1面において、前記メサ部を取り囲み、前記メサ部よりも更に突出する突出部と、
    を有することを特徴とするレプリカモールド。
  6. 前記突出部は、前記パターン転写領域の上のインプリント材と前記マスターモールドのパターン部とを接触させたときに、前記パターン転写領域と前記マスターモールドの前記パターン部との周辺の空間を埋めるように形成されていることを特徴とする請求項5に記載のレプリカモールド。
  7. 前記突出部は、前記第1面から除去可能に構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のレプリカモールド。
  8. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のモールドをマスターモールドとして用いてレプリカモールドの上のインプリント材にパターンを形成するインプリント装置であって、
    前記マスターモールドを保持して移動する移動機構と、
    前記マスターモールドの外側に設けられ、前記マスターモールドと前記インプリント材との間にガスを供給するガス供給部と、
    前記ガス供給部により前記ガスが供給されている間に前記レプリカモールドが前記ガス供給部の下を経由して前記パターンの形成が行われる位置まで移動する際に前記突出部が前記インプリント材と干渉しないように前記移動機構を制御する制御部と、
    を有することを特徴とするインプリント装置。
  9. 請求項7に記載の前記突出部が前記第1面から除去されたレプリカモールドを用いて基板にパターンを形成する工程と、
    前記パターンが形成された前記基板を加工する工程と、
    を含み、前記加工された前記基板から物品を製造することを特徴とする物品製造方法。
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