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JP2019181055A - 靴の中敷 - Google Patents

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Abstract

【課題】消臭性の効果が十分ではなく、消臭効果を保持できる時間が未だ十分ではなく、香りの点を改善する。【解決手段】靴の中敷1は、ネロリ油を有効成分とする組成物2をシート状素材3で封入した消臭剤4と、消臭剤4を内部に封入し、消臭剤4の近傍に複数個の空気穴5を設けた中敷シート6と、を備え、組成物2はネロリ油で吸水性樹脂を被覆して精油被覆樹脂とし、前記精油被覆樹脂を炭素微粉末で被覆した炭素被覆粒子を含有する。【選択図】図2

Description

この発明は、消臭、脱臭などの防臭機能により靴の不快臭を防ぐことが可能な靴の中敷に関するものである。
一般に、つま先や甲が覆われた靴は、長時間履きつづけると内部で足が蒸れたり、靴の内側(裏打布)が湿ったり汚れたりし、雑菌が繁殖したりしやすくて、不快臭も生じやすいため、これを防止するための工夫が種々なされている。
防臭または消臭効果を効果的に発揮できるとともに、履き心地を向上でき、しかも安価に製造できる靴中敷を提供するため、平板状に形成された薄厚の本体部分10と、本体部分10の底面11から下方へ膨出した膨出部分20とから構成される。本体部分10と膨出部分20とは、セラミック粉体を混入されたシリコン樹脂により一体成形され、膨出部分20の頂部21は各足指の第1関節J1と第2関節J2の間近傍に位置するように形成されることが知られている(特許文献1)。
履物類、帽子類、手袋類、あるいは各種の防具やサポーター類などに用いられる、肌に直接、あるいは薄布を介して長時間触れる素材として好適に使用できる、従来の消臭性シートに比べて実用上優れた消臭性を有する消臭性多層シートおよびこの消臭性多層シートを用いた履物の中敷を提供することを課題として、0.1〜10μm径の極細繊維が5〜5000本収束した極細繊維束を10〜100質量%含む繊維質シート(A)、木炭を主成分とする消臭性微粉末をバインダー樹脂で担持した消臭層(B)および繊維集合体または多孔質樹脂からなるベースシート(C)が順次積層一体化されてなる消臭性多層シート、およびこの消臭性多層シートを用いた履物の中敷が知られている(特許文献2)。
靴内部の吸湿と消臭を目的として、吸着体と不織布とハーブを積層し、その積層体を不織布で被覆し、片面に粘着テープを張り付けた構造が知られている(特許文献3)。
靴内の換気効率がよく、耐久性に優れ、補修が容易で、香料や脱臭材などの消耗品の交換等のメンテナンスが簡易で消費者が使いやすい防臭靴が知られている(特許文献4)。
特開2006-254号公報 特開2006-15597号公報 特開平9-19307号公報
しかし、上記した従来の靴の消臭性シートでは、消臭性の効果が十分ではなく、消臭効果を保持できる時間が未だ十分ではなく、香りの点でも改善すべき点がある。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、消臭効果を高めるとともに長持ちさせ、芳香効果を得ることである。
本発明の発明者らは、以上のような状況の下で、ネロリ油を低い濃度であっても消臭効果が発揮されることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、ネロリ油を有効成分とする組成物をシート状素材で封入した消臭剤と、該消臭剤を内部に封入し、該消臭剤の近傍において、複数個の空気穴を設けた中敷シートと、を備える靴の中敷である。
前記ネロリ油で吸水性樹脂を被覆して精油被覆樹脂とし、前記精油被覆樹脂を炭素微粉末で被覆した炭素被覆粒子を含有することが好ましい。
前記消臭剤が、ネロリ油と、精油吸着材と、遊離水分除去剤と、精油脱着調節剤と、発熱剤と、熱伝導防止剤と、吸収促進剤と、シート形成用基剤と、前記圧着用シートとを含むことが好ましい。このような構成の経皮吸収製剤とすることによって、消臭成分を含有するネロリ油を徐放させることが可能となる。また、このような構成とすることによって、脱臭効果のある靴の中敷を製造することが可能となる。
前記精油吸着材は、ケン化価が98.0〜98.5のポリビニルアルコール系吸水性樹脂であることを特徴とすることが好ましい。
前記遊離水分除去剤は、アクリル系吸水性樹脂であることを特徴とすることが好ましい。
前記アクリル系吸水樹脂は、吸水容量が乾燥樹脂体積の400〜800倍の範囲にあることが好ましい。
前記精油脱着調節剤は、表面積が200〜800m/gの多孔性炭素物質であることを特徴とすることが好ましい。
前記発熱剤は、孔径が0.1〜0.8nmのゼオライトであることが好ましい。
前記熱伝導防止剤は、多糖類化合物であることを特徴とすることが好ましい。
前記吸収促進剤は、モノテルペン化合物であることが好ましい。
前記モノテルペン化合物は、L−メントール又はリモネンであることが好ましい。
前記シート形成用基剤は、ケン化価が約88.0である熱可塑性樹脂であることが好ましい。
ネロリ油を有効成分とする靴の中敷であるので、植物由来の精油を有効成分として含有とし、靴の中敷に好適である。
後述するダイダイからは、ダイダイの花を水蒸気蒸留することによって芳香性の高い精油(ネロリ油)を得ることができる。ここで、前記消臭用組成物は、前記ネロリ油で親水性樹脂を被覆して精油被覆樹脂とし、前記精油被覆樹脂を炭素微粉末で被覆した炭素被覆粒子を含有することが好ましい。
本発明は、ネロリ油を所定量秤量し、精油吸着材と混合して前記精油吸着材の表面にネロリ油によって表面膜を形成させる精油被膜形成工程と、精油被膜が形成された後に、多孔性炭素物質を加えて精油膜の表面を覆い、炭素被覆粒子を形成する炭素被覆粒子形成工程と、所定量の炭素被覆粒子と、発熱剤と、熱伝導防止剤とを均一に混合し、シート形成用基剤上に均一な厚みの層を形成させ、加熱して消臭用組成物を形成する消臭用組成物形成工程と、消臭用組成物を所定の大きさに切断し、該消臭用組成物を2枚の圧着シートで挟み、前記圧着シートの四辺を熱圧着して消臭剤を形成する熱圧着工程と、中敷シートの先端領域の所定範囲に複数個の空気穴を空け、2枚の中敷シートで挟んで、消臭剤の近傍に前記空気穴を配置して封入し、2枚の中敷シートの周囲を接着する中敷シート形成工程と、を備えることを特徴とする、靴の中敷の製造方法である。
この方法を使用することによって、精油吸着材の表面に吸着されて表面膜を形成したネロリ油は炭素粒子によって被覆され、これらの炭素被覆粒子は、さらに、圧着シートで覆われる。このような構成とすることによって、消臭成分を含有するネロリ油が皮膚と直接接触することがなく、また、長時間にわたってネロリ油の放散が継続される、消臭剤を製造することができる。
以上説明したように、本発明の靴の中敷は、消臭効果を発揮させることができ、安全性が高く使用することが可能である。
また、本発明の靴の中敷の製造方法によれば、簡便に、靴の中敷を製造することができる。特に、炭素被覆粒子として、精油の脱着剤を用いることにより、徐放化効果が高い。
さらに、本発明の靴の中敷の製造方法によれば、炭素被覆粒子の含有量を変化させることによって、所望量の薬効成分を含有する靴の中敷を製造することができ、こうして製造した消臭組成物を用いて、所望量の消臭成分を含有する靴の中敷を製造することができる。
以上により、靴内の空気は防臭剤による消臭、脱臭などの防臭作用を受けるから、靴の不快臭を防ぐことができる。
この発明は、以上説明したように、消臭効果を高めるとともに長持ちさせ、芳香効果を得ることができる効果がある。
本発明の一実施形態の靴の中敷の平面図である。 本発明の一実施形態の靴の中敷の内部を示す斜視図である。 本発明の一実施形態の靴の中敷の消臭剤の平面図である。 本発明の一実施形態の靴の中敷の消臭剤の断面図である。 本発明の他の実施形態の靴の中敷の消臭剤の断面図である。
以下に、本発明の実施形態をさらに詳細に説明する。靴の中敷1は、図1〜図4に示す通り、ネロリ油を有効成分とする組成物2をシート状素材3に封入した消臭剤4と、消臭剤4を内部に封入し、消臭剤4の近傍において、複数個の空気穴5を設けた中敷シート6と、を備えるである。
消臭剤4の厚みは0.1〜2.0mm、平面積は100〜2500mmが好ましい。
組成物2はネロリ油で吸水性樹脂を被覆して精油被覆樹脂とし、精油被覆樹脂を炭素微粉末で被覆した炭素被覆粒子を含有する。
組成物2が、ネロリ油と、精油吸着材と、遊離水分除去剤と、精油脱着調節剤と、発熱剤と、熱伝導防止剤と、吸収促進剤と、シート形成用基剤と、を含み、圧着用シートで被覆される。このような構成によって、消臭成分を含有するネロリ油を徐放させることが可能となる。また、このような構成とすることによって、脱臭効果のある靴の中敷1を製造することが可能となる。
組成物2において使用するネロリ油は、フランス、イタリア、スペイン、モロッコ及びアルジェリアなどを主産地とするダイダイ(CitrusaurantiamL.subsp.amaraEngel)の花を水蒸気蒸留して得ることができる。ダイダイの花からの収油率は、約0.1%である。また、溶剤抽出により、橙花コンクリートを得ることができ、これをアルコール処理すると約50%のアブソリュートが得られる。成分としては、1−リナロールと酢酸リナリルを合わせて約35〜40%、α−テルピネオール、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、ネロリドール(数%)、その他α−ピネン、ジペンテン、カンフェン、オシメンなどのテルペン類、及び含窒素化合物としてアンスラニル酸メチル、及びインドールなどを含む。また、コンクリートには、精油、ジャスモン、ベンツアルデヒドなどが存在する。
組成物2で使用するネロリ油は、l−リナロールと酢酸リナリル(合計約35〜40%)、α−テルピネオール、ゲラニオール、酢酸ゲラニル及びネロリドール(各々数%)、α−ピネン、ジペンテン、カンフェン、オシメン等その他のテルペン類、アンスラニル酸メチル、インドールその他の含窒素化合物等を含有する。
上記のネロリ油は、小川香料(株)等の香料メーカーから市販されているものを使用することもできる。
l−メントール(5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキサノール)は、通常、メントール(ハッカ脳)といわれるものである。化学的には12種類の異性体があるが、ハッカ特有の冷涼な香味を有しているものは、天然及び合成のl−メントールである。l−メントールは、無色柱状又は針状の結晶で、エタノールには可溶であるが、水には難溶である。室温で徐々に昇華する。
天然物を得るには、ハッカ油を冷却し、析出する結晶を遠心分離してハッカ脳を得る。合成品は、シトロネラ油を分留して得られるd−シトロネラールをl−イソプレゴールとし、水素添加して得ることができる。また、ピネンから得られるミルセンを原料とし、特殊は触媒によって光学活性はシトロネラールを製造し、光学分割を行うことなくメントールを不斉合成する方法や、チモールに水素添加して得られるメントール混合物から、光学分割によっても得ることができる。
リモネンは(p−メンタ−1,8−ジエン)は、メンタンから誘導されるモノテルペンで、レモン様の香気を有する。d−リモネンは、ダイダイ、レモン、オレンジ等の果皮を水蒸気蒸留して得ることができる。l−リモネンはハッカ油を、また、dl−リモネンは、ショウノウ油をそれぞれ分留して得ることができる。
組成物2において使用する精油吸着材とは、上述したネロリ油の吸着担体となるものをいい、ケン化価が98.0〜98.5のポリビニルアルコール(PVA)系親水性樹脂であることが好ましい。ケン化価が98.0未満では担体表面がゲル化し、吸着担体としての機能を失うが、ケン化価が98.0〜98.5であればゲル化せずに安定した吸着担体としての機能を維持できることによる。
具体的には、信越ポバールC−17GPやポバール(A)(信越化学工業(株)製)などを挙げることができ、信越ポバールC−17GP又はポバール(A)を使用することが好ましい。
組成物2において使用する遊離水分除去剤とは、適用した部位の皮膚表面に存在する水分を除去するものをいい、アクリル系親水性樹脂であることが好ましい。こうしたアクリル系親水性樹脂は吸水能の高いものが多く、また、後述する消臭用組成物製造の際に熱をかけたときに接着性がよいことによる。
こうしたアクリル系吸水樹脂は、適用部位に製剤を適用している間に、適用部位の皮膚表面で生じる水分を十分に吸収できるものであればよく、その吸水容量は、乾燥樹脂体積の400〜800倍にあるものが好ましい。400倍未満では、吸水しきれない場合があり、800倍を越える吸水能は必要でないことによる。具体的には、サンフレッシュ(三洋化成工業(株))やアクアキープ(登録商標、住友精化(株)製)などを挙げることができる。球状粒子であるアクアキープよりも、破砕状のサンフレッシュの方が接着性は良いことから、サンフレッシュを使用することが好ましい。
組成物2において使用する精油脱着調節剤とは、上述した各精油を吸着して表面に膜が形成された精油吸着材の表面を覆い、吸着された精油組成物の脱着を調節する多孔性炭素物質をいう。具体的には、種々の分子を吸着する各種の活性炭を挙げることができる。表面積が200〜1,000m/gの活性炭を使用すると、活性炭に吸着される精油量が少なくなり脱着がされやすいことから好ましく、400〜800m/gのものを使用することがさらに好ましい。
この範囲の表面積を有する活性炭であれば、各種の市販品を使用することができ、具体的には、白鷺P(武田薬品工業(株))などを挙げることができる。吸着面積が小さいこと、及びコストの面から、白鷺Pを使用することが好ましい。
組成物2において使用する発熱剤は、空気中の水分を吸着して吸着熱を出す物質をいう。このときに発生する熱エネルギーを利用して、吸着担体に吸着された精油組成物の脱着が行われる。具体的には、ゼオライトを挙げることができる。
こうしたゼオライトとしては、金属を含まない人工ゼオライトであって、孔径が0.1〜0.8nmのものを用いることが精油の脱着能のためのエネルギーを供給する上で好ましく、0.3〜0.4nmのものを用いることがさらに好ましい。このような孔径のゼオライトであれば市販品を使用することができ、具体的には、ゼオラム(東ソー(株))等を挙げることができる。
組成物2において使用する前記熱伝導防止剤とは、上記の遊離水分吸着剤に吸着された遊離水分によって急激に発生する熱の伝導を防止することができる化合物をいう。具体的には、多糖類化合物、例えば、キトサン、セルロースその他の多糖類化合物を挙げることができる。
キトサンを使用すると、製剤中に色素を含有する場合には、キトサンをこうした色素の担体とすることができるという利点がある。キトサンに代えて、上述のような熱の伝導を防止するために、セルロース等を使用することもできる。
組成物2において使用する吸収促進剤とは、この製剤中の精油の吸収を促進するように作用するモノテルペン化合物をいう。具体的には、L−メントール、リモネン等を挙げることができ、市販品を使用してもよい。これらのうち、L−メントールを使用すると、皮膚表面に存在する残存遊離水分を気化させて除き、皮膚を乾燥させて精油が吸収されやすい環境がつくられるという利点がある。
組成物2において使用するシート形成用基剤とは、上記の組成物2をシート状にする基剤となるものをいい、ケン化価が約88.0である熱可塑性樹脂であることが好ましい。本実施形態の靴の中敷は、熱をかけてシート状に形成する必要がある。このとき、上述した炭素被覆粒子からネロリ油を必要以上に放散させることなく、約180℃程度の低温で樹脂間の隙間を塞ぐことなく接着するシートを形成できるものを使用することが好ましい。
具体的には、ゴーセランL−0301(登録商標、日本合成化学(株))などを使用することが、約180℃前後という低温における接着性が良いことから好ましい。
組成物2は、上記の精油と、上記の精油吸着材と、遊離水分除去剤と、精油脱着調節剤と、発熱剤と、熱伝導防止剤と、吸収促進剤と、シート形成用基剤とを以下のように混合して製造することができる。以下に、製造方法について説明する。
まず、各精油をそれぞれ所定量ずつ秤量する。ついで秤量した各精油をそれぞれPVAと混合し、PVAの表面に各精油によって表面膜を形成させる。ここに、所定量の上述した活性炭を加えて精油膜の表面を覆う。したがって、3種類の精油を使用する場合には、3種類の炭素被覆粒子A〜Cが形成されることになる。ついで、メントールを秤量する。
これらの炭素被覆粒子とメントールとを混合し、さらに上記の熱伝導防止剤、シート形成用基剤等と混合、攪拌して、均一な混合物とする。ついで、この混合物を圧着用シートの上にのせ、さらに別の圧着用シートをその上に載せ、熱をかけてシート状の組成物2を製造する。
ついで、圧着用シートで上記の混合物を挟み、熱をかけて圧着する。圧着は、約160〜200℃で行うことが好ましく、約180℃で行うことがさらに好ましい。この範囲の温度で熱圧着を行うと、シート形成用基剤である樹脂間の隙間が残った状態となるので、炭素被覆粒子から放散される精油の分子はこうした隙間を通って適用部位から経皮吸収される。一方、約230℃以上という高温で接着すると、樹脂が溶融して樹脂間の隙間が塞がれてしまうため、上述の精油の分子は組成物2の外へ放散されなくなるためである。
圧着用シートとしては、化繊紙(坪量18〜20g)を使用することが好ましく、化繊紙を使用すると上述した炭素被覆粒子の圧着率がよいという利点がある。
この圧着用シートを、例えば、適当な大きさに裁断した不織布等の2枚のシート状素材3ではさみ、これらシート状素材の4辺をヒートシールし、消臭剤4を製造する。
シート状素材3は、紙、織布及び不織布からなる群から選ばれるものであることが好ましく、上記の靴の中敷に含まれる精油成分が気体分子として放散され、シート形成基剤粒子の隙間を通ってきたときに、これらが透過しやすいものである点で、不織布であることがさらに好ましい。以上のようにして、本実施形態の靴の中敷を製造することができる。
以下に、本発明を実施例に従って具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(1)組成物2は以下を使用した。
(1−1)精油
ネロリ油、L−メントール、レモン油、オレンジ油、シネオール系ユーカリ油、及びローズマリー油は小川香料(株)より購入した。
(1−2)その他
PVAとしては、信越ポバールC−17GPを信越化学(株)より、また、ゴーセランL−3031を日本合成化学(株)よりそれぞれ購入した。アクリル系吸水樹脂としてサンフレッシュ(登録商標)を三洋化成工業(株)より購入した。活性炭として白鷺Pを武田薬品工業(株)より、また、ゼオライトとしてゼオラム(登録商標)を東ソー(株)から購入した。キトサンとしてはコーヨーキトサンを甲陽ケミカル(株)よりそれぞれ購入した。
シート状素材3の化繊紙は、日本板紙大昭和(株)より購入し、不織布は日清紡(株)よりそれぞれ購入した。
(実施例2)組成物2の製造
(2−1)炭素被覆粒子の製造
炭素被覆粒子は、下記表1に示す処方に従って調製した。なお、本発明の靴の中敷の製造に当たっては、表1に示した使用量で調整した各炭素被覆粒子1.1gが1ピース当たりに含まれるように調製した。
Figure 2019181055
ネロリ油を上記表1に示す量で秤量し、500mLの透明のガラス密閉容器中において、PVA(信越ポバールC−17GP)と室温で混合して、PVAの表面をネロリ油で被覆し、精油被覆粒子を形成させた。次いで、この容器中に上記表1に示す量の活性炭を加えて混合し、炭素被覆粒子を形成させた。調製した炭素被覆粒子は、気密性の高い容器、例えば、蓋のついたすり付きガラス容器に入れて室温で保存した。
(2−2)組成物2の製造
上記(2−1)で調製した5種類の炭素被覆粒子を、表2に示す量の基剤と混合して組成物2を製造した。
Figure 2019181055
これらの基剤成分と、上記炭素被覆粒子とを以下のようにして混合した。まず、サンフレッシュ(三洋化成工業(株)製)、ゼオラム(ゼオライト、東ソー(株)製)、L-メントール(小川香料(株)製)、甲陽キトサン(甲陽ケミカル(株)製)をこの順番で1種類ずつ混合して攪拌し、基剤を調製した。
ついで、上記(2−1)で調製した炭素被覆粒子1〜5を、表2に示す量で秤量し、上記の基剤と混合し、さらに表2に示す甲陽キトサン、白鷺P及びゴーセランと混合した。なお、後述する熱圧着の際の精油のロス率は15%として計算している。
ここで、上記の基剤と主剤となる炭素被覆粒子との混合物を圧着用シートの上に均一の厚さになるように広げ、その上にさらに別の圧着用シートのせた。これを熱圧着し、シート状の組成物2を得た。このシート状の組成物2を、例えば、適当な大きさに裁断し、同様に適当な大きさに裁断した不織布等のシート状素材3によってはさみ、このシート状素材3の4辺をヒートシールし、本発明の消臭剤4とした
Figure 2019181055
表3は、本実施形態の靴の中敷1の設置場所に比較実験である。
靴の中敷1を靴に入れて、12時間使用し、その後8時間放置した。靴下を利用し、靴下に移った匂いを直接かいで、効果を判定した。
表3において、消臭官能試験により評価した。結果は、〇十分な消臭性を発揮する、△消臭性が不十分である、×消臭効果がほとんど発生しない、のいずれであるかにより、評価した。
上記試験結果により、消臭剤4を靴のつま先に用いると、消臭性が良好であることがわかる。
前述の実施形態は、全面の中敷きであるが、図5に示す通り、つま先だけの形状のものである。部品番号は200番台として図示し、前述の説明を援用する。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、改変等を加えることが出来るものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれる。
1・・・靴の中敷
2・・・組成物
3・・・シート状素材
4・・・消臭剤
5・・・空気穴
6・・・中敷シート

Claims (12)

  1. ネロリ油を有効成分とする組成物をシート状素材で封入した消臭剤と、該消臭剤を内部に封入し、該消臭剤の近傍に複数個の空気穴を設けた中敷シートと、を備える靴の中敷。
  2. 前記ネロリ油で吸水性樹脂を被覆して精油被覆樹脂とし、前記精油被覆樹脂を炭素微粉末で被覆した炭素被覆粒子を含有することを特徴とする、請求項1に記載の靴の中敷。
  3. 前記消臭剤が、ネロリ油と、精油吸着材と、遊離水分除去剤と、精油脱着調節剤と、発熱剤と、熱伝導防止剤と、吸収促進剤と、シート形成用基剤と、圧着用シートとを含む靴の中敷。
  4. 前記精油吸着材は、ケン化価が98.0〜98.5のポリビニルアルコール系吸水性樹脂であることを特徴とする、請求項3に記載の靴の中敷。
  5. 前記遊離水分除去剤は、アクリル系吸水性樹脂であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の靴の中敷。
  6. 前記アクリル系吸水樹脂は、吸水容量が乾燥樹脂体積の400〜800倍の範囲にあるものであることを特徴とする、請求項5に記載の靴の中敷。
  7. 前記精油脱着調節剤は、表面積が200〜800m/gの多孔性炭素物質であることを特徴とする、請求項3〜6のいずれかに記載の靴の中敷。
  8. 前記発熱剤は、孔径が0.1〜0.8nmのゼオライトであることを特徴とする、請求項3〜7のいずれかに記載の靴の中敷。
  9. 前記熱伝導防止剤は、多糖類化合物であることを特徴とする、請求項3〜8のいずれかに記載の靴の中敷。
  10. 前記吸収促進剤は、モノテルペン化合物であることを特徴とする、請求項3〜9のいずれかに記載の靴の中敷。
  11. 前記モノテルペン化合物は、L−メントール又はリモネンであることを特徴とする、請求項10に記載の靴の中敷。
  12. 前記シート形成用基剤は、ケン化価が約88.0である熱可塑性樹脂であることを特徴とする、請求項3〜11のいずれかに記載の靴の中敷。
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