JP2019167745A - 作業機械 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は本実施形態の油圧ショベルを示す側面図であり、まず、同図に基づき油圧ショベルの概略構成を説明する。
図1に示すように左右のクローラ3は、それぞれ多数のローラの支持により所定の環状をなして循環するように架設されている。各ローラは、走行用油圧モータの駆動力をクローラ3に伝達するための起動ローラ21、クローラ3に張力を付与する遊動ローラ20、起動ローラ21と遊動ローラ20との間に配設されてクローラ3の循環を案内する多数の案内ローラ22からなる。地面に対するクローラ3の接地面は、起動ローラ21及び遊動ローラ20と下側に列設された計9個の案内ローラ22(以下、下部案内ローラと称する)とにより、略平面状に保たれている。
下部走行体2の左側面2aには前後方向に所定間隔をおいてブラケット24が設けられ、これらのブラケット24により前後方向に延びる左右一対の支持フレーム25が支持されている。各下部案内ローラ22は左右の支持フレーム25の間に配設され、各支持フレーム25の下面に固定された軸受部材26により左右両側を回転可能に軸支され、これによりクローラ3の循環を案内するようになっている。また図示はしないが、起動ローラ21及び遊動ローラ20も支持フレーム25に軸支されており、これらの軸支箇所は図1に示すカバー27により側方から隠蔽されている。
図4は油圧ショベル1が転倒に至る際の接地圧の変化状況を示す説明図である。油圧ショベル1の転倒は左右或いは前後方向に限られ、例えば地面が右後方に下る傾斜をなしていても、傾斜に倣った斜め方向に転倒することはあり得ず、傾斜の影響をより強く受ける左右或いは前後方向に転倒する。このため図4では、右方への転倒に至る状況(図中に(b),(c)で示す)と、後方への転倒に至る状況(図中に(d),(e)で示す)とを例示している。
以下、図4(b),(d)に示すような、転倒に至る可能性がある偏りが生じたときの接地圧の分布を転倒パターンと称し、転倒パターンでは、油圧ショベル1を安定方向に操作する等の対処が必要となる。
合わせてディスプレイ16には作業フロントも表示し、仮想線で示すように上部旋回体4の旋回に応じて角度変化させている。このためオペレータは作業フロント5の旋回角度に関わらず、左右のクローラ3上での接地圧の分布を容易に把握できるようになっている。
なお、油圧ショベル1の姿勢を不安定にする要因は地面の傾斜に限らず、重心移動や軟弱な地面等も要因になり得るが、これらの場合でも同様に接地圧分布に応じたディスプレイ表示がなされる。
転倒パターンの兆候とは、実際に転倒パターンに移行して油圧ショベル1の安定方向への操作等の対処を要する場合のみならず、それ以前の正常パターンから多少逸脱しただけで対処不要な場合も含む。例えば、接地圧の分布にa〜d列方向或いは1〜5列方向の偏りが生じている場合には、隣り合う接地圧の格差が微小であったとしても転倒パターンの兆候があると見なす。
まずステップS11で、図7のステップS3で判定した転倒パターンの兆候が、a〜d列方向と1〜5列方向との何れの接地圧分布の偏りに基づくものであるかを判定する。a〜d列方向の接地圧分布の偏りに基づく場合にはステップS12に移行し、a列の接地圧とd列の接地圧(何れも1〜5列の平均値)との偏差ΔPadを算出する。a〜d列の各接地圧は一方向に増加しているため、a列の接地圧とd列の接地圧との何れか一方は最大値に相当し、他方は最小値に相当する。続くステップS13では、偏差ΔPadが予め設定された判定偏差ΔPad0以上であるか否かを判定し、Noのときにはルーチンを終了する。
まずステップS21で、第1群に含まれる接地圧の数Nが予め設定された判定値N0(第1の判定値)、例えば6以上であるか否かを判定する。第1群に含まれる接地圧の数Nは崩落領域の大きさ、ひいては以降の油圧ショベル1の転落の可能性を表す指標であり、判定値N0は転落パターンへの移行を判定する閾値として機能する。このためステップS21の判定がNoのときには、油圧ショベル1が転落パターンに移行しておらず、オペレータの外部への脱出は不要と見なせ、例えばディスプレイ表示としては図9(b)が継続される。
なおステップS21では、第1群に含まれる接地圧の数Nに代えて、例えば第2群に含まれる接地圧の数が予め設定された判定値(第2の判定値)未満のときに転落パターンに移行したと見なし、ステップS22で警告処理を実行してもよい。
また上記実施形態では、ディスプレイ16上に各検出ポイントの接地圧を濃淡で表したが、表示形態はこれに限るものではなく、例えば接地圧の大きさと対応する数字で表してもよい。
また上記実施形態では、支持フレーム25に生じる歪みを接地圧に換算して圧力センサ18から出力したが、必ずしも接地圧に換算する必要はない。本発明の接地圧相関値とは、接地圧の変化に対して所定の相関関係をもって変化する指標を意味し、この条件を満たす指標であれば接地圧以外であってもよく、また支持フレーム25に生じる歪み自体も接地圧相関値に含まれる。従って、これら接地圧以外の指標や支持フレーム25の歪みを圧力センサ18から出力し、その分布を算出・表示するようにしてもよく、このような態様も本発明に含まれるものとする。
2 下部走行体
3 クローラ
4 上部旋回体
5 作業フロント
15 コントローラ
16 ディスプレイ(接地圧相関値分布表示部)
18 圧力センサ(接地圧相関値検出部)
Claims (7)
- 一対のクローラを備えた下部走行体上に旋回可能な上部旋回体が設けられており、前記上部旋回体の前部に多関節型の作業フロントが設けられた作業機械において、
前記一対のクローラの地面に対する複数箇所の接地圧相関値をそれぞれ検出する複数の接地圧相関値検出部と、
前記複数の接地圧相関値検出部からの検出値に基づき前記一対のクローラの接地圧相関値の分布を算出するコントローラと、
前記コントローラにより算出された前記接地圧相関値の分布を表示する接地圧相関値分布表示部と
を備えたことを特徴とする作業機械。 - 前記複数の接地圧相関値検出部は、前記一対のクローラの進行方向または該進行方向と直交する方向のうち少なくとも一方の方向に並設され、
前記コントローラは、前記一対のクローラの進行方向または該進行方向と直交する方向のうち少なくとも一方の方向に沿った接地圧相関値の分布に基づいて転倒または転落の可能性を判定し、転落または転落の可能性があると判定されたときは、前記接地分布表示装置に警告を表示させることを特徴とする請求項1に記載の作業機械。 - 前記コントローラは、前記複数の接地圧相関値検出部により検出された前記接地圧相関値が前記複数の接地圧相関値検出部の並設方向のうち何れか一方に向けて段階的に増加し、且つ隣り合う全ての接地圧相関値に格差が生じているときに、前記作業機械の転倒の可能性があると判定することを特徴とする請求項2に記載の作業機械。
- 前記コントローラは、前記複数の接地圧相関値検出部により検出された前記接地圧相関値が、前記複数の接地圧相関値検出部の並設方向の何れかを境界として前記接地圧相関値の格差を有する第1群と第2群とに分別されるときに、前記作業機械の転落の可能性があると判定することを特徴とする請求項2に記載の作業機械。
- 前記コントローラは、前記複数の接地圧相関値検出部により検出された前記接地圧相関値の最大値と最小値との偏差が予め設定された閾値以上のときに、前記作業機械の転倒の可能性があると判定することを特徴とする請求項3に記載の作業機械。
- 前記コントローラは、前記第1群の前記接地圧相関値に対応する前記接地圧相関値検出部の数が予め設定された第1の判定値以上のとき、または前記第2群の前記接地圧相関値に対応する前記接地圧相関値検出部の数が予め設定された第2の判定値未満のときに、前記作業機械の転落の可能性があると判定することを特徴とする請求項4に記載の作業機械。
- 前記コントローラは、前記複数の接地圧相関値検出部により検出された前記接地圧相関値が、前記複数の接地圧相関値検出部の並設方向の何れかを境界として圧力の格差を有する第1群と第2群とに分別され、前記第1群の前記接地圧相関値に対応する前記接地圧相関値検出部の数が予め設定された第1の判定値以上のとき、または前記第2群の前記接地圧相関値に対応する前記接地圧相関値検出部の数が予め設定された第2の判定値未満のときに、前記作業機械の転落の可能性があると判定することを特徴とする請求項5に記載の作業機械。
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