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JP2019156430A - 缶体 - Google Patents

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JP2019156430A
JP2019156430A JP2018043917A JP2018043917A JP2019156430A JP 2019156430 A JP2019156430 A JP 2019156430A JP 2018043917 A JP2018043917 A JP 2018043917A JP 2018043917 A JP2018043917 A JP 2018043917A JP 2019156430 A JP2019156430 A JP 2019156430A
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益広 吉野
Masuhiro Yoshino
益広 吉野
山下 淳
Atsushi Yamashita
淳 山下
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Altemira Can Co Ltd
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Universal Can Corp
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Abstract

【課題】カール部の口当たり性を向上した缶体を提供する。【解決手段】缶体は、開口部に切断先端部が径方向の外側に折り返されて形成されたカール部を有し、缶軸を通る缶軸方向に沿う断面において、カール部の上端位置から該カール部の下端位置までの缶軸方向のカール部の幅をW(mm)とし、カール部の上端位置から該カール部の最外径位置までの缶軸方向の距離をV(mm)とすると、幅Wと距離Vとの比率(V/W)が0.50以上0.75以下である。【選択図】 図3

Description

本発明は、キャップが装着される開口部にカール部を有するボトル形状の缶体に関する。
飲料等の内容物が充填される容器として、スチールやアルミニウム合金等からなるボトル形状の缶体(ボトル缶)の開口部に金属製キャップ(キャップ)を装着し、キャップ内面のライナーによって内部を密封する構造のものが知られている。このような缶体の開口部には、瓶口と同様な形状のカール部が形成され、そのカール部にキャップのスカート部を巻き込むようにして装着することにより、缶体の内部が密封される。このため、缶体の開口部に対してカール部が比較的大きく形成されている。
例えば、特許文献1には、口部の先端部を外方にカールさせて形成したボード部(カール部)に、タブを引っ張ることによりスコアを切り裂いて開栓するキャップを巻締め固定した金属製缶が開示されている。この金属製缶では、ビード部の上端部分を内方に向けて傾斜させており、ビード部は、下端に近い位置が最も外方に向けて凸となる形状に設けられている。なお、特許文献1には、ビード部の寸法について、具体的な開示がない。
特許文献2に開示の金属ボトル缶では、口部の上端から縮径する縮径部と、縮径部の上端から上方に延びる立上部と、その立上部の上端の上部屈曲部と、その上部屈曲部から滑らかに外方に広がりながら下方に延び、外方に突出した湾曲部と、その湾曲部の下端の下部屈曲部と、その下部屈曲部から直線状に縮径部まで延びる直線部と、を有するカール部が形成されている。この金属ボトル缶でも、カール部の下端に近い下部屈曲部が最も外方に向けて凸となる形状に設けられている。また、特許文献2には、カール部の高さIが6.0〜3.0mm、好ましくは4.0〜3.5mmであること、カール部の幅Jが5.0〜2.0mm、好ましくは4.0〜2.8mmであること、上部屈曲部の曲率半径R1が0.5〜1.0mm、好ましくは0.6〜0.9mmであること、湾曲部の曲率半径R2が2.0〜3.0mmであること、下部屈曲部の曲率半径R3が0.5〜1.0mmであること、が記載されている。
国際公開第2007/122971号 特開2011‐116456号公報
特許文献1及び特許文献2に記載されるように、カール部にキャップのスカート部を巻き込むことでキャップが装着される缶体においては、カール部が比較的大きく形成される。このような缶体では、開口部に形成されるカール部に直に口(唇)をつけることで、缶体の内部の内容物を直接飲むことができる。しかし、このような缶体では、カール部が比較的大きく形成されることにより、カール部の形状によっては、カール部に唇が触れた際に購入者に違和感を感じさせることがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、カール部の口当たり性を向上した缶体を提供することを目的とする。
本発明の缶体は、開口部に切断先端部が径方向の外側に折り返されて形成されたカール部を有し、缶軸を通る缶軸方向に沿う断面において、前記カール部の上端位置から該カール部の下端位置までの前記缶軸方向の前記カール部の幅をW(mm)とし、前記カール部の上端位置から該カール部の最外径位置までの前記缶軸方向の距離をV(mm)とすると、前記幅Wと前記距離Vとの比率(V/W)が0.50以上0.75以下である。
この缶体では、比率(V/W)を0.50以上0.75以下として、カール部の最外径位置をカール部の幅Wの缶軸方向の中央付近に配置しているので、カール部の外面に露出する表面を上端位置から下端位置にかけて緩やかな湾曲形状に形成できる。このように、カール部に口をつけた際に最も唇が触れやすい最外径位置を緩やかな湾曲形状で形成できるので、カール部に口をつけた際に購入者に違和感を感じさせることがなく、カール部の口当たり性を向上できる。
本発明の缶体の好適な実施態様として、前記缶軸を通る前記缶軸方向に沿う断面において、前記カール部のうち、前記最外径位置から前記缶軸方向の下方及び径方向の内方に向けて屈曲する外周下側屈曲部の曲率半径が1.0mm以上であるとよい。
カール部の最外径位置に連続する外周下側屈曲部の曲率半径を1.0mm以上として、大きな湾曲面で形成することで、さらにカール部の口当たり性を向上できる。
本発明の缶体の好適な実施態様として、前記缶軸を通る前記缶軸方向に沿う断面において、前記カール部の基端位置の外面から前記カール部の前記最外径位置までの径方向の距離が2.0mm以上であるとよい。
カール部の最外径位置をカール部の基端位置の外面から2.0mm以上離して配置することで、缶体の開口部にキャップを装着する際に、工具の爪をカール部の下側に容易に押し込むことができる。すなわち、キャップのスカート部をカール部の下部に確実に巻き締めることができる。したがって、カール部の下部側に形成される外周下側屈曲部の曲率半径を大きくしても、開口部に確実にキャップを装着でき、内容物の密封性を良好に確保できる。
本発明によれば、カール部に口をつけた際に最も唇が触れやすい最外径位置を緩やかな湾曲形状で形成できるので、購入者に違和感を感じさせることがなく、カール部の口当たり性を向上できる。
本発明の第1実施形態の缶体を用いたボトル容器の右半分を缶軸を通る断面にした正面図である。 図1に示す缶体の胴部の上部付近を缶軸を通る断面にした要部断面図である。 図2に示す缶体の口部付近の要部断面図である。 本発明の第2実施形態の缶体の胴部の上部付近を缶軸を通る断面にした要部断面図である。 図4に示す缶体の口部付近の要部断面図である。 本発明の第3実施形態の缶体の胴部の上部付近を缶軸を通る断面にした要部断面図である。 図6に示す缶体の口部付近の要部断面図である。 本発明の第4実施形態の缶体の胴部の上部付近を缶軸を通る断面にした要部断面図である。 図8に示す缶体の口部付近の要部断面図である。 本発明の第5実施形態の缶体の胴部の上部付近を缶軸を通る断面にした要部断面図である。 図10に示す缶体の口部付近の要部断面図である。
以下、本発明に係る缶体の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の缶体(ボトル缶)101は、図1及び図2に示すように、全体がボトル形状に形成され、外部に開口する開口部15にカール部43を有する。缶体101は、カール部43を有する口部14を通じて内部に飲料等の内容物が充填された後、図1に示すように、口部14にキャップ201を装着する(巻き締める)ことにより開口部15が密封され、ボトル容器301とされる。図1には、缶体101と、缶体101の口部14に装着されたキャップ201と、を備えるボトル容器301を示している。また、図1では、ボトル容器301の右半分を、缶軸Cを通る断面にして示している。
缶体101は、アルミニウム又はアルミニウム合金等の薄板金属からなり、図1に示すように、円筒状をなす胴部(ウォール)10と、円板状をなす底部(ボトム)20と、を備える有底円筒状に形成されている。
図1に示すように、胴部10及び底部20は互いに同軸に配置されており、本実施形態において、これらの共通軸を缶軸Cと称して説明を行う。また、缶軸Cに沿う方向(缶軸C方向)のうち、開口部15から底部20側へ向かう方向を下側(下方)、底部20から開口部15側へ向かう方向を上側(上方)とし、以下の説明においては、図1に示す向きと同様に上下方向を定めるものとする。また、缶軸Cに直交する方向を径方向といい、径方向のうち、缶軸Cに接近する向きを径方向の内側(内方)、缶軸Cから離間する向きを径方向の外側(外方)とする。また、缶軸C回りに周回する方向を周方向とする。
本実施形態では、缶体101の底部20は、缶軸C上に位置するとともに、上方(胴部10の内部)に向けて膨出するように形成されたドーム部21と、該ドーム部21の外周縁部と胴部10の下端部とを接続するヒール部22とを備えている。また、ドーム部21とヒール部22との接続部分は、缶体101が正立姿勢(図1に示される開口部15が上方を向く姿勢)となるように接地面(載置面)上に載置されたときに、接地面に接する接地部23となっている。接地部23は、底部20において最も下方に向けて突出しているとともに、周方向に沿って延びる環状をなしている。
缶体101の胴部10は、図1に示されるように、胴部10の下部側(底部20側)において円筒状に形成された円筒部11と、円筒部11の上端で径方向内方に屈曲するように缶軸C方向の上方に向けて縮径された肩部12と、肩部12の上端に接続されて缶軸C方向の上方に向けて延びる首部13と、首部13の上端に接続されて外部に開口する口部14と、を備える。なお、円筒部11、肩部12、首部13、口部14は、それぞれ胴部10の周方向全周にわたって延びる環状をなしている。
このうち首部13は、図1〜図3に示すように、缶軸C方向の上方に向けて漸次縮径された形状とされており、胴部10の下部に形成された円筒部11よりも小径に形成されている。また、首部13の上端が最も小径に形成されている。本実施形態の缶体101では、首部13は、肩部12の上端に連続して径方向内方に凸となる凹状の接続凹部31と、接続凹部31の上端に連続して缶軸C方向に向けて漸次縮径するテーパ状のテーパ筒部32と、を有している。そして、テーパ筒部32の上端が口部14の下端と接続されている。
口部14は、テーパ筒部32の上端に連続して形成されており、テーパ筒部32の上端で一旦拡径された大径部41と、大径部41の上端で再度縮径された小径部42と、小径部42の上端に形成されたカール部43と、を有している。
カール部43は、図3に示すように、缶軸Cを通る缶軸C方向に沿う断面(縦断面)において、缶体101の切断先端部141を缶軸Cと直交する径方向の外方に折り返した状態に形成されている。図3では、カール部43は、缶軸Cを通る缶軸C方向に沿う断面において、缶軸Cに対して所定角度で傾斜する小径部42の上端で缶軸C方向と平行となるように屈曲する内周下側屈曲部143と、内周下側屈曲部143の上端から缶軸Cと平行に缶軸C方向の上側に向けて垂直に延びる内周側円筒部144と、内周側円筒部144の上端から径方向の外方に向けて広がるように屈曲する内周上側屈曲部145と、内周上側屈曲部145の外周縁から径方向の外方に水平に延びる天頂部142と、天頂部142の外周縁から缶軸C方向の下側に向けて折り返すように屈曲する外周上側屈曲部146と、外周上側屈曲部146の外周縁から缶軸Cと平行に缶軸C方向の下方に向けて垂直に延びる外周側円筒部147と、外周側円筒部147の下端から缶軸C方向の下方及び径方向の内方に向けて屈曲する外周下側屈曲部148と、外周下側屈曲部148の下端から小径部42における缶軸C方向の途中位置に向けて縮径しながら延びる内向きテーパ状のカール端部149と、が連続して形成されている。
このように、本実施形態では、カール端部149が小径部42の途中位置に向けて延びており、図3に示すように、カール端部149が小径部42の上端部42aに向けて配置される場合は、カール端部149の先端に配置される切断先端部141の下端に対向する位置がカール部43の基端位置となる。図3には、カール部43の基端位置を破線Aで示す。そして、切断先端部141の下端よりも缶軸C方向の上側に形成された部分の形状が、カール部43とされる。つまり、基端側に配置される小径部42の上端部42aを含めてカール部43が形成され、小径部42の上端部42aからカール端部149の先端(切断先端部141)までの形状がカール部43とされる。
カール部43の缶軸C方向の幅W(mm)は、缶軸C方向におけるカール部43の上端位置からそのカール部43の下端位置までの缶軸Cと平行な垂直距離とされる。図3に示す缶軸Cを通る缶軸C方向に沿う断面において、天頂部142がカール部43の最も缶軸C方向の上端位置に配置され、切断先端部141の下端(基端位置A)がカール部43の最も缶軸C方向の下端位置に配置されており、幅Wは天頂部142の外面から切断先端部141の下端までの垂直距離とされる。また、カール部43の径方向の厚みT(mm)は、径方向におけるカール部43の最内径位置から最外径位置までの缶軸Cに直交する水平距離とされる。図3に示す缶軸Cを通る缶軸C方向に沿う断面において、内周側円筒部144がカール部43の最も径方向の内方位置に配置され、外周側円筒部147がカール部43の最も径方向の外方位置に配置されており、厚みTは内周側円筒部144の外面から外周側円筒部147の外面までの水平距離とされる。
本実施形態では、カール部43の外径をDとしたとき、外径Dと厚みTとの比率(T/D)が0.07以上0.12以下とされ、カール部43の厚みTは外径Dの7%以上12%以下の大きさに形成される。具体的には、例えば、カール部43の外径Dが25mm以上40mm以下とされる缶体101において、カール部43の厚みTは2.0mm以上4.5mm以下、好ましくは3.0mm以上4.0mm以下とされる。また、カール部43の幅Wは3.0mm以上5.0mm以下、好ましくは3.5mm以上4.7mm以下とされる。なお、カール部43の厚みTが4.5mmを超えると、カール部43の成形工程時に割れが発生しやすくなる。また、厚みTが2.0mmよりも小さくなると、外周上側屈曲部146は成形工程において所定の形状が得られ難くなる。
本実施形態では、カール部43の最外径位置に配置された外周側円筒部147が、缶軸C方向に所定の幅をもって形成されている。このため、カール部43の上端位置(天頂部142)から外周側円筒部147のいずれかの位置までの缶軸C方向の距離(垂直距離)をV(mm)とすると、幅Wと距離Vとの比率(V/W)が0.50以上0.75以下とされ、カール部43の最外径位置である外周側円筒部147は、カール部43の上端位置から50%以上75%以下の範囲内に配置されている。
図3に示すように、カール部43において、カール部43の上端位置から外周側円筒部147の上端位置までの缶軸C方向の垂直距離をV1(mm)とし、カール部43の上端位置から外周側円筒部147の下端位置までの缶軸C方向の垂直距離をV2(mm)とする。この場合において、距離V1がカール部43の幅Wの50%以上とされ、距離V2がカール部43の幅Wの75%以下とされる。なお、図3等では、前述したように、カール部43の最外径位置がストレート状に形成された外周側円筒部147により幅をもって形成されているが、外周側円筒部147を有さず、外周上側屈曲部146と外周下側屈曲部148とを連続する湾曲面(屈曲面)に形成したカール部43としてもよい。この場合、外周上側屈曲部146の下端と外周下側屈曲部148の上端との接続位置がカール部43の最外径位置となる。
このように、缶体101では、幅Wと距離Vとの比率(V/W)を0.50以上0.75以下として、カール部43の最外径位置(この場合は外周側円筒部147)をカール部43の幅Wの缶軸C方向の中央付近に配置している。このため、カール部43の外面に露出する表面が上端位置から下端位置にかけて緩やかな湾曲形状に形成される。
また、カール部43のうち、外周側に配置される外周上側屈曲部146の曲率半径R12は、内周上側屈曲部145の曲率半径R11よりも十分に大きく形成されている。また、最外径位置の外周側円筒部147の下端に連続する外周下側屈曲部148の曲率半径R13は、外周上側屈曲部146の曲率半径R12よりも小さく形成されるが、比較的緩やかな(大きな)曲率半径に形成される。
図3に示すように、カール部43の外面における曲率半径で、内周上側屈曲部145の曲率半径R11は例えば0.5mm以上2.0mm以下、好ましくは0.5mm以上1.0mm以下とされる。外周上側屈曲部146の曲率半径R12は、例えば1.5mm以上3.5mm以下、好ましくは2.0mm以上3.0mm以下に形成される。外周下側屈曲部148の曲率半径R13は1.0mm以上に形成され、好ましくは1.5mm以下に形成される。これらの内周上側屈曲部145の曲率半径R11、外周上側屈曲部146の曲率半径R12及び外周下側屈曲部148の曲率半径R13は、単一の曲率半径でもよいし、異なる複数の曲率半径の円弧を連続させてもよい。
カール部43の最外径位置に連続する外周下側屈曲部148の曲率半径R13を1.0mm以上として、大きな湾曲面で形成することで、唇が当たった際の違和感を感じさせることなく、さらにカール部43の口当たり性を向上できる。なお、曲率半径R13が1.5mmより大きいと、キャップ201との嵌合性が低下するおそれがある。
また、外周上側屈曲部146の曲率半径R12が3.5mmより大きいと、密封性が低下する。一方、曲率半径R12が1.5mmより小さいと、口当たりが悪くなるとともにカール部43の成形時に割れや皺が発生するおそれがある。
外周下側屈曲部148の下端から延びるカール端部149は、ほぼストレートのテーパ状に形成されている。カール端部149の外面が缶軸C方向と直交する水平線となす角度αは、例えば0°以上45°以下に設けられる。カール端部149の先端(切断先端部141)は、首部13の外面から離れて配置されており、首部13の外面と切断先端部141との間には若干の隙間が設けられている。なお、切断先端部141は、首部13の外面に当接させてもよい。
また、カール部43の基端A位置の外面(缶体101の表面に露出する面)からカール部43の最外径位置(外周側円筒部147の外面)までの径方向の距離Hdは、2.0mm以上に形成される。
ただし、缶体101の上記寸法は、上記数値範囲に限られるものではない。また、缶体101のその他の寸法についても限定されるものではない。缶体101のその他の諸寸法についても一例を挙げると、缶体101の板厚は、成形前のアルミニウム合金板の元板厚が0.250mm〜0.500mmであり、カール部43における板厚が0.200mm〜0.400mmである。
このように構成される缶体101には、図1に示すように、口部14の開口部15にキャップ201が装着され、ボトル容器301とされる。具体的には、缶体101の内部に内容物を充填後、口部14にキャップ201を被せる。そして、キャップ201を上方から缶軸C方向の下方に向けて押圧し、シール材112を圧縮した状態で、キャップ201のスカート部111を工具の爪で径方向内方に向けて押圧することにより、カール部43の外面に倣わせるようにスカート部111を変形させる。これにより、スカート部111の下端部をカール部43のカール端部149に引っ掛けるように巻き込み、キャップ201を缶体101に装着する。
このキャップ201の装着状態において、キャップ201の下端部は、カール部43の外周下側屈曲部148からカール端部149にかけて引っ掛けられた状態であるので、カール部43の天頂部142から外周下側屈曲部148にかけてシール材112が密着し、缶体101の内部を確実に密封できる。一方、口部14からキャップ201を離脱させることで、缶体101の開口部15が開封され、缶体101の内部に充填された内容物を外部に注ぎ出すことができる。
前述したように、本実施形態の缶体101では、カール部43の幅Wと、カール部43の上端位置から最外径位置までの距離Vとの比率(V/W)を0.50以上0.75以下として、カール部43の最外径位置をカール部43の缶軸C方向の中央付近に配置している。このため、カール部43の外面に露出する表面を上端位置から下端位置にかけて緩やかな湾曲形状に形成できる。このように、カール部43に口をつけた際に、最も唇が触れやすい最外径位置を緩やかな湾曲形状で形成できるので、カール部43に口をつけた際に購入者に違和感を感じさせることがなく、カール部43の口当たり性を向上できる。
また、缶体101では、カール部43の最外径位置に連続する外周下側屈曲部148の曲率半径R13を1.0mm以上として、大きな湾曲面で形成しているので、カール部43の口当たり性をさらに向上できる。
また、外周下側屈曲部148の曲率半径R13を1.0mm以上に大きくしているが、カール部43の最外径位置をカール部43の基端位置Aの外面から2.0mm以上離して配置しているので、缶体101の開口部15にキャップ201を装着する際に、工具の爪をカール部43の下側に容易に押し込むことができる。すなわち、キャップ201のスカート部111(図1参照)をカール部43の下部に確実に巻き締めることができる。したがって、カール部43の下部側に形成される外周下側屈曲部148の曲率半径R13を1.0mm以上に大きく形成しても、開口部15に確実にキャップ201を装着でき、内容物の密封性を良好に維持できる。
(第2実施形態)
図4及び図5は、本発明の第2実施形態の缶体102を示す。第2実施形態の説明、図4及び図5では、前述の第1実施形態と共通する部分について同一符号を用いて説明を簡略化する。
前述した第1実施形態の缶体101では、口部14の下部に、首部13のテーパ筒部32の上端で一旦拡径された大径部41と大径部41の上端で再度縮径された小径部42とを有し、首部13のテーパ筒部32と口部14のカール部43とが、大径部41と小径部42とを介して接続されていた。一方、図4及び図5に示す第2実施形態の缶体102では、首部13のテーパ筒部32に連続してカール部44が形成される。
カール部44は、図5に示すように、缶軸Cを通る缶軸C方向に沿う断面(縦断面)において、缶体102の切断先端部141を缶軸Cと直交する径方向の外方に折り返した状態に形成されている。第1実施形態のカール部43と同様に、カール部44は、缶軸Cを通る缶軸C方向に沿う断面(図5)において、缶軸Cに対して所定角度で傾斜するテーパ筒部32の上端で缶軸C方向と平行となるように屈曲する内周下側屈曲部143と、内周下側屈曲部143の上端から缶軸Cと平行に缶軸C方向の上側に向けて垂直に延びる内周側円筒部144と、内周側円筒部144の上端から径方向の外方に向けて広がるように屈曲する内周上側屈曲部145と、内周上側屈曲部145の外周縁から径方向の外方に水平に延びる天頂部142と、天頂部142の外周縁から缶軸C方向の下側に向けて折り返すように屈曲する外周上側屈曲部146と、外周上側屈曲部146の外周縁から缶軸Cと平行に缶軸C方向の下方に向けて垂直に延びる外周側円筒部147と、外周側円筒部147の下端から缶軸C方向の下方及び径方向の内方に向けて屈曲する外周下側屈曲部148と、外周下側屈曲部148の下端から小径部42における缶軸C方向の途中位置に向けて縮径しながら延びる内向きテーパ状のカール端部149と、が連続して形成されている。
第2実施形態の缶体102においては、カール端部149がテーパ筒部32の途中位置に向けて延びており、カール端部149の先端に配置される切断先端部141の下端に対向する位置がカール部44の基端位置となる。図5には、カール部44の基端位置を破線Aで示す。そして、切断先端部141の下端よりも缶軸C方向の上側に形成された部分の形状が、カール部44とされる。つまり、基端側に配置されるテーパ筒部32の上端部32aを含めてカール部44が形成され、テーパ筒部32の上端部32aからカール端部149の先端(切断先端部141)までの形状がカール部44とされる。図5には、カール部44の基端位置を破線Aで示す。
第2実施形態の缶体102においても、カール部44の幅Wとカール部44の上端位置から最外径位置(外周側円筒部147の外面)までの距離Vとの比率(V/W)を0.50以上0.75以下として、カール部44の最外径位置がカール部44の缶軸C方向の中央付近に配置される。このため、カール部44の外面に露出する表面を上端位置から下端位置にかけて緩やかな湾曲形状に形成できる。また、カール部44の最外径位置の下端に連続する外周下側屈曲部148の曲率半径R13を1.0mm以上として、大きな湾曲面で形成しているので、第1実施形態と同様に、カール部44の口当たり性を向上できる。
さらに、第2実施形態の缶体102においても、カール部44の最外径位置をカール部44の基端位置Aの外面から2.0mm以上離して配置しているので、キャップのスカート部(図示略)をカール部44の下部に確実に巻き締めることができる。したがって、カール部44の下部側に形成される外周下側屈曲部148の曲率半径R13を1.0mm以上に大きく形成しても、開口部15に確実にキャップを装着でき、内容物の密封性を良好に維持できる。
(第3実施形態)
図6及び図7は、本発明の第3実施形態の缶体103を示す。第3実施形態の説明、図6及び図7では、前述の第1実施形態及び第2実施形態と共通する部分について同一符号を用いて説明を簡略化する。
前述した第2実施形態の缶体102では、テーパ筒部32の上端部32aを含めてカール部44を形成していたが、第3実施形態の缶体103のように、内周側円筒部144を長く形成して、内周下側屈曲部143の上端をカール部45の切断先端部141よりも缶軸C方向の下方に配置してもよい。図7に示すように、第3実施形態の缶体103においては、カール端部149が内周側円筒部144の途中位置に向けて延びており、カール端部149の先端に配置される切断先端部141の下端に対向する位置がカール部45の基端位置となる。図7には、カール部45の基端位置を破線Aで示す。そして、切断先端部141の下端よりも缶軸C方向の上側に形成された部分の形状が、カール部45とされる。つまり、内周側円筒部144の上端部144aからカール端部149の先端(切断先端部141)までの形状がカール部45とされる。
第3実施形態の缶体103においても、カール部45の幅Wとカール部45の上端位置から最外径位置(外周側円筒部147の外面)までの距離Vとの比率(V/W)を0.50以上0.75以下として、カール部45の最外径位置がカール部45の缶軸C方向の中央付近に配置されており、カール部45の外面に露出する表面を上端位置から下端位置にかけて緩やかな湾曲形状に形成されている。また、カール部45の最外径位置の下端に連続する外周下側屈曲部148の曲率半径R13を1.0mm以上として、大きな湾曲面で形成しているので、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、カール部45の口当たり性を向上できる。
また、第3実施形態の缶体103においても、カール部45の最外径位置をカール部45の基端位置Aの外面から2.0mm以上離して配置しているので、キャップのスカート部(図示略)をカール部45の下部に確実に巻き締めることができる。また、第3実施形態の缶体103においては、内周下側屈曲部143の上端をカール部45の切断先端部141よりも缶軸C方向の下方に配置し、カール部45の下端位置から内周下側屈曲部143を離して配置しているので、カール部45と内周下側屈曲部143との間に一定の隙間を形成できる。このため、口部14の開口部15にキャップを装着する際に、工具の爪をカール部45の下側に容易に押し込むことができ、キャップのスカート部をカール部45に容易に巻き締めることができる。したがって、カール部45の下部側に形成される外周下側屈曲部148の曲率半径R13を1.0mmよりも大きく形成しても、開口部15に確実にキャップを装着でき、内容物の密封性を良好に維持できる。
(第4実施形態)
図8及び図9は、本発明の第4実施形態の缶体104を示す。第4実施形態の説明、図8及び図9では、前述の第1〜第3実施形態と共通する部分について同一符号を用いて説明を簡略化する。
第1〜第3実施形態の缶体101〜103では、カール部43〜45の外周下側屈曲部148の下端から切断先端部141にかけて、縮径しながら延びる内向きテーパ状のカール端部149を有する構成としていたが、カール部の形状はこれに限定されるものではない。図8及び図9に示す第4実施形態の缶体104のように、外周下側屈曲部148の下端から切断先端部141までの間を屈曲させて、缶軸C方向の上方及び径方向の内方に向けて屈曲する先端屈曲部151を有するカール部46を形成することもできる。
カール部46においては、外周下側屈曲部148と先端屈曲部151との接続部がカール部46の缶軸C方向の下端位置となり、この下端位置が対向する内周側円筒部144にカール部46の基端位置が設けられる。図9には、カール部46の基端位置を破線Aで示す。そして、カール部46の下端位置よりも缶軸C方向の上側に形成された部分の形状が、カール部46とされる。つまり、内周側円筒部144の上端部144aから先端屈曲部151の先端(切断先端部141)までの形状がカール部46とされる。
なお、図9では、先端屈曲部151の外面の曲率半径R14が、外周下側屈曲部148の曲率半径R13よりも大きく形成されるが、曲率半径R14を曲率半径R13と同じ大きさの曲率半径で形成してもよいし、曲率半径R14を曲率半径R13よりも小さな曲率半径で形成してもよい。
第4実施形態の缶体104においても、カール部46の幅Wとカール部46の上端位置から最外径位置(外周側円筒部147の外面)までの距離Vとの比率(V/W)を0.50以上0.75以下として、カール部46の最外径位置がカール部46の缶軸C方向の中央付近に配置される。このため、カール部46の外面に露出する表面を上端位置から下端位置にかけて緩やかな湾曲形状に形成できる。また、カール部46の最外径位置の下端に連続する外周下側屈曲部148の曲率半径R13を1.0mm以上として、大きな湾曲面で形成しているので、第1〜第3実施形態と同様に、カール部46の口当たり性を向上できる。
また、第4実施形態の缶体104においても、カール部46の最外径位置をカール部46の基端位置Aの外面から2.0mm以上離して配置しているので、キャップのスカート部(図示略)をカール部46の下部に確実に巻き締めることができる。また、第4実施形態の缶体104においては、内周下側屈曲部143の上端をカール部45の切断先端部141よりも缶軸C方向の下方に配置しているので、カール部46と内周下側屈曲部143との間に一定の隙間を形成できる。このため、口部14の開口部15にキャップを装着する際に、工具の爪をカール部46の下側に容易に押し込むことができ、キャップのスカート部をカール部46に容易に巻き締めることができる。したがって、カール部46の下部側に形成される外周下側屈曲部148の曲率半径R13を1.0mm以上に大きく形成しても、開口部15に確実にキャップを装着でき、内容物の密封性を良好に維持できる。
(第5実施形態)
図10及び図11は、本発明の第5実施形態の缶体105を示す。第5実施形態の説明、図10及び図11では、前述の第1〜第4実施形態と共通する部分について同一符号を用いて説明を簡略化する。
前述した第4実施形態の缶体104では、内周下側屈曲部143の上端をカール部46の切断先端部141よりも缶軸C方向の下方に配置したが、第5実施形態の缶体105のように、テーパ筒部32の上端部32aを含めてカール部47を形成してもよい。図11に示すように、第5実施形態の缶体105においては、外周下側屈曲部148と先端屈曲部151との接続部である下端位置よりも缶軸C方向の上側に形成された部分の形状が、カール部47とされる。つまり、テーパ筒部32の上端部32aから先端屈曲部151の先端(切断先端部141)までの形状がカール部47とされる。図11には、カール部47の基端位置を破線Aで示す。
第5実施形態の缶体105においても、カール部47の幅Wとカール部47の上端位置から最外径位置(外周側円筒部147の外面)までの距離Vとの比率(V/W)を0.50以上0.75以下として、カール部47の最外径位置がカール部47の缶軸C方向の中央付近に配置される。このため、カール部47の外面に露出する表面を上端位置から下端位置にかけて緩やかな湾曲形状に形成できる。また、カール部47の最外径位置の下端に連続する外周下側屈曲部148の曲率半径R13を1.0mm以上として、大きな湾曲面で形成しているので、第1〜第4実施形態と同様に、カール部47の口当たり性を向上できる。
また、第5実施形態の缶体105においても、カール部47の最外径位置をカール部47の基端位置Aの外面から2.0mm以上離して配置しているので、キャップのスカート部(図示略)をカール部47の下部に確実に巻き締めることができる。したがって、カール部47の下部側に形成される外周下側屈曲部148の曲率半径R13を1.0mm以上に大きく形成しても、開口部15に確実にキャップを装着でき、内容物の密封性を良好に維持できる。
なお、本発明は前記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、底部20と胴部10とが一体に形成された有底円筒状の缶体について説明したが、缶体は必ずしも底部を有していないものも含むものとし、カール部を成形した後に、その胴部に、別に形成した底部を巻き締めるものも含まれる。
10 胴部
11 円筒部
12 肩部
13 首部
14 口部
15 開口部
20 底部
21 ドーム部
22 ヒール部
23 接地部
31 接続凹部
32 テーパ筒部
41 大径部
42 小径部
43,44,45,46,47 カール部
101,102,103,104,105 缶体
111 スカート部
112 シール材
141 切断先端部
142 天頂部
143 内周下側屈曲部
144 内周側円筒部
145 内周上側屈曲部
146 外周上側屈曲部
147 外周側円筒部
148 外周下側屈曲部
149 カール端部
151 先端屈曲部
201 キャップ
301 ボトル容器
A カール部の基端位置
C 缶軸

Claims (3)

  1. 開口部に切断先端部が径方向の外側に折り返されて形成されたカール部を有し、
    缶軸を通る缶軸方向に沿う断面において、前記カール部の上端位置から該カール部の下端位置までの前記缶軸方向の前記カール部の幅をW(mm)とし、前記カール部の上端位置から該カール部の最外径位置までの前記缶軸方向の距離をV(mm)とすると、前記幅Wと前記距離Vとの比率(V/W)が0.50以上0.75以下であることを特徴とする缶体。
  2. 前記缶軸を通る前記缶軸方向に沿う断面において、前記カール部のうち、前記最外径位置から前記缶軸方向の下方及び径方向の内方に向けて屈曲する外周下側屈曲部の曲率半径が1.0mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の缶体。
  3. 前記缶軸を通る前記缶軸方向に沿う断面において、前記カール部の基端位置の外面から前記カール部の前記最外径位置までの径方向の距離が2.0mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の缶体。
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