JP2019147077A - 攪拌装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この攪拌装置は、粉体と溶媒が混合された液体を、攪拌装置が付設されたタンク内で処理を行いつつ、タンクの底から分散装置(粉砕装置)を経由して容器上部へと繋がるとタンク外循環経路通じて攪拌対象物を循環させることにより、タンクの攪拌対象物の上下が常時入れ替わるようにしながら粉体を溶解する方法を採用している。
この方法によると、ダマを形成し易い粉体の溶解(例えば水へのPVA粉体の溶解など)を行う場合においても、溶解所要時間短縮と溶解完了時の泡立ちを抑制し、かつ未溶解物の残留の無い溶解が可能になるとのことである。
一方、攪拌装置における混合をより高度化するには、攪拌羽根による力を容器内に収容された処理対象物全体に作用させ、流動させることが重要である。このように、1つの攪拌羽根によって、分散と混合とを高度化することは、相反する挙動を両立させることが求められる。
特に、処理対象物の粘度が高くなるほど、分散と混合とを高度化することが困難となるといった課題が生じる。
この攪拌装置に使用される攪拌羽根は、軸方向周りに回転させられる攪拌羽根であって、基部と、この基部に対して軸方向一方側に位置し且つ回転方向に配列された複数の羽根部からなる羽根群とを備えており、羽根部が径方向における内方端に繋がり且つ軸方向視において回転方向前方に凸である前方湾曲部を有している(図12)。
これにより、上記課題を解決することができ、例えば、溶媒の液面付近に浮遊して溶媒となじみ難い比重の小さい粉体を溶解する場合でも、粉末を容器の底付近まで吸い込みながら効率良く溶解処理を行う事ができる。
このうち、混合羽根201が容器内の攪拌対象物Tを均一に混合する機能を有する一方、高圧ポンプインペラー202が攪拌対象物にせん断力を与えることによって分散、乳化、溶解、微粒化など各種攪拌操作を行う機能を有する。
また、高圧ポンプインペラー202は、高圧ポンプの機能も有しており、容器底の排出口204から攪拌対象物Tを吸い込み、容器外の配管205を経由して容器上部に移送して容器内の攪拌対象物Tを循環させる機能を有している。
また、容器底付単軸複合ミキサーは攪拌羽根201と高圧ポンプインペラー202が一つの駆動部に固定されていることから、それぞれ別の駆動部で構成した装置と比較して低コストで装置を製造できるメリットがある。
さらに、攪拌羽根201の周速が増大して空気吸い込み渦206が発達し、渦の下端が容器底の排出口204まで達すると、高圧ポンプインペラー202の収容室内に空気が吸い込まれるようになる。
これにより、高圧ポンプインペラー202のせん断力が低下して、攪拌対象物Tに対する分散、乳化、溶解、微粒化の作用が低下するという問題が生じる。
このため、容器底付単軸複合ミキサー合において、バッフルを配設する方法を採用することは、これまで不適であると考えられてきた。
また、前記外部循環手段は、攪拌対象物を排出口から吐出口へ移送手段を有することが好ましい(請求項3)。
また、前記移送手段は、高圧ポンプインペラーであることが好ましい(請求項4)。
さらに、前記吐出口には、シャワーノズルが配置されていることが好ましい(請求項5)
より好ましくは、前記羽根部は、前記軸方向において前記基部から離間するほど前記回転方向前方に位置するように傾いている(請求項7)。
さらに好ましくは、 前記羽根部の前記軸方向に対する傾斜角度は、前記径方向内方に向かうほど大である(請求項8)。
この攪拌羽根A2の回転方向と反対方向の流動は、攪拌羽根A2の近傍において生じている攪拌羽根A2の回転方向と同方向の流動と攪拌羽根A2の直上付近において合成される。このため、攪拌羽根A2の回転方向と反対方向に旋回する空気吸い込み渦Vは、攪拌羽根の直上付近で消失し、容器の底にある第1排出口A6まで到達しない。
一方、攪拌羽根A2の作用によって処理対象物Tが容器A1の上方から攪拌羽根A2に向けて強力に吸引され、攪拌羽根A2の径方向外方へとスムーズに移動排出されることによって混合の高度化を達成できるという攪拌羽根A2の本来の効果は、攪拌羽根A2の回転方向と反対方向の旋回流動によって維持される。
以上のようにして、混合の高度化と分散、乳化、溶解、微粒化の作用の低下防止といった相反する課題を共に解決することができる。
混合羽根A1と高圧ポンプインペラーA2は、収容室A3を貫通して容器A1の底から容器内に向けて突き出す回転軸A5に固定されている。収容室A3と回転軸A5との間には、図示しない軸シールが設けられ、回転軸A5は、図示しないモーターに接続されている。攪拌羽根A2と高圧ポンプインペラーA4は、このモーターの駆動力によって図1中に図示する方向に一体となって回転する構造となっている。
なお、他の構成要素として、たとえば容器A1およびモーターを支持する筐体や、モーターの駆動を制御する制御部等を適宜採用してもよい。
また、容器A1の底部中央には第1排出口A6が形成されており、容器A1と収容室A3は、第1排出口A6を介して接続されている。これにより、高圧ポンプインペラーA4の吸引力によって、容器A1内の攪拌対象物Tを収容室A3に移送することができる。収容室A3に移送、収容された攪拌対象物Tは、高圧ポンプインペラーA2の回転によってせん断力が付加され、分散、乳化、溶解、微粒化など各種攪拌操作が行われる。
配管A8の他端部分は、容器A1の上部から容器3の内部に挿入されており、第1排出口A6から第2排出口A7を経由して移送された攪拌対象物Tが、配管A7の先端部分の吐出口A9から容器A1内に吐出されるようになっている。これにより、容器A1内の攪拌対象部Tを常時循環させながら上記一連の処理を行うことができる。
このバッフルA11は、攪拌羽根A2及び傾斜部A10と連動して攪拌対象物Tに対して独特の流動Cを生じさせるものであり、その形態、機能については後で詳述する。
バッフルA11と攪拌羽根A2は、回転軸A5を中心とする同心円状の位置関係となるように配置される。
また、バッフルA11は、傾斜部A10の表面と攪拌羽根A2の間に介挿される形で配置されており、回転軸A5の径方向に対して攪拌羽根A2と対向していない。
これは、後で詳述するように、攪拌羽根A2の攪拌対象物の排出方向の延長線上に、バッフルA11が配置されるようにするためである。
攪拌羽根A2は、図2〜図4に示す形態を有している。図2は、攪拌羽根A2を示す斜視図である。図3は、攪拌羽根A2を示す正面である。図3は、図1および図2におけるz方向上側から見た攪拌羽根A2を示す平面図である。回転方向θは、攪拌羽根A2が回転する方向であり、軸方向zおよび径方向rに対して、一般的に周方向と称される方向である。また、これらの図における矢印は、攪拌羽根A1が回転する向きを示している。
より具体的には、後方湾曲部28は、後方湾曲部28の径方向r両端を結ぶ仮想直線よりも回転方向θ後方に凸である形状である。図2および図4においては、前方湾曲部27および後方湾曲部28について、理解の便宜上一点鎖線の矢印によってそれぞれの範囲を示している。図示された例においては、先端24は、羽根部20のうち概ね前方湾曲部27を構成する部分に設けられており、図4に示すように、軸方向z視において回転方向θ前方に凸である形状となっている。また、根本端23は、前方湾曲部27および後方湾曲部28を構成する部分の双方に設けられており、図4に示すように、軸方向z視においてS字形状となっている。なお、前方湾曲部27および後方湾曲部28が設けられる範囲や、それぞれの湾曲度合い等は特に限定されない。
なお、上記他の形態の攪拌羽根を使用した攪拌装置の実施は、本願の発明者に係る先願の特願2017−225538の記載事項に基づいて行うことができる。
バッフルA11は、図5〜図6に示す形態を有している。
バッフルA11の材質は、特に限定されず、金属や樹脂など攪拌対象物Tの分散および混合に適した材質が適宜選択される。バッフルA11を構成する好ましい金属としては、たとえばステンレスが挙げられる。
図5に示すようにバッフルA11は、複数枚のフィン101で構成されている。フィン101は、平面方向視において中心部から中心軸の径方向に等間隔かつ放射状に形成されている。また各フィン101は、中心部から中心軸に対して径方向に反り返るように湾曲している。この湾曲の方向は、攪拌羽根A2の軸回転方向と反対方向に湾曲するように設定される。
また、図6に示すように、各フィン101は、側面方向視において中心部から中心軸方向に反り返るように湾曲している。この湾曲の形状は、バッフルA11の底面が容器A1の内壁側の底部の漏斗状に傾斜した傾斜部A10の形状に沿うように設定される。
また、図7に示した例では、屈曲箇所の数がそれぞれのフィンで1か所となる例を示したが、これに限られるものではなく、屈曲箇所数は必要に応じて増加させることもできる。
攪拌羽根A2とバッフルA11は、図8〜図9に示すように組み合される。
図8に示すように、バッフルA11は、容器A1の傾斜部A10の表面に回転軸A5と同心状の位置関係となるように固定される。 固定の手段は、螺子止め、嵌合、溶接等を採用できるが、これらに限定されない。
また、図9に示すように、容器A1の底から容器内に向けて突き出した回転軸A5が、バッフルA11の中心部を貫通し、さらに回転軸A5の先端には、攪拌羽根A1が配置されている。
攪拌羽根A2とバッフルA11は、回転軸A5の軸方向に対して所定の間隔を置いて配置されており、回転軸A5の径方向に対して相互に対向しない位置関係となっている。これは、攪拌羽根A2から攪拌対象物が排出される方向の延長線上に、バッフルA11が位置するように設定するためである。
まず、バッフルA11を使用しない場合、攪拌羽根A2の周速を大きくして処理を行うと、攪拌対象物Tが攪拌羽根201の回転方向と同方向に容器内を流動して竜巻状のいわゆる空気吸い込み渦が発生し、容器中心部分において攪拌対象物Tが存在しない空洞部が生じる。
この攪拌羽根A10の回転方向と反対方向の流動は、攪拌羽根A2の近傍において生じている攪拌羽根A2の回転方向と同方向の流動と、攪拌羽根A2の直上付近において合成される。このため、拌羽根A2の回転方向と反対方向に旋回する空気吸い込み渦は、攪拌羽根A2の直上付近で消失し、容器A1の底にある第1排出口A6まで到達しない。
これにより、空気吸い込み渦Vが容器A1の底にある第1排出口A6まで到達して、高圧ポンプインペラーA4のせん断力が低下し、分散、乳化、溶解、微粒化の作用が低下するといった問題を回避することができる。
以上のようにして、混合の高度化と分散、乳化、溶解、微粒化の作用の低下防止といった相反する課題を共に解決することができる。
A2 :攪拌羽根
A3 :収容室
A4 :高圧ポンプインペラー
A5 :回転軸
A6 :第1排出口
A7 :第2排出口
A8 :配管
A9 :吐出口
A10 :傾斜部
A11 :バッフル(邪魔板)
1 :基部
2 :羽根群
10 :外周端
11 :傾斜面
20 :羽根部
21 :内方端
22 :外方端
23 :根本端
24 :先端
25 :前方面
26 :後方面
27 :前方湾曲部
28 :後方湾曲部
r :径方向
z :軸方向
θ :回転方向
α1,α2 :角度
101 :フィン
201 :攪拌羽根
202 :高圧ポンプインペラー
203 :回転軸
204 :排出口
205 :配管
206 :空気吸い込み渦
Claims (8)
- 容器内に攪拌羽根とバッフルを備える攪拌装置であって、
前記攪拌羽根は、基部と、前記基部に対して前記軸方向一方側に位置し且つ回転方向に配列された複数の羽根部からなる羽根群と、を備えており、
前記羽根部は、径方向における内方端に繋がり且つ前記軸方向視において前記回転方向前方に凸である前方湾曲部を有し、
前記容器は、容器内壁の底部が漏斗状に傾斜した傾斜底部を有し、
前記バッフルは、前記容器の傾斜底部上において、前記複数枚のフィンがバッフルの中心部から外側に向けて放射状でかつ、前記攪拌羽根の回転方向と反対方向に湾曲又は屈曲するように配設され、
前記攪拌羽根と前記バッフルは、攪拌羽根の軸回転方向に対して対向しておらず、同心状の位置関係となるように配置され、
前記バッフルは、前記攪拌羽根の攪拌対象物の排出方向の延長線上に配置されている
ことを特徴とする攪拌装置。 - 前記容器の底に攪拌対象物の排出口、前記容器の上部に攪拌対象物の吐出口を有し、前記排出口からへ吐出口に繋がる配管を経由して、攪拌対象物を循環させる外部循環手段を有することを特徴とする請求項1に記載の攪拌装置。
- 前記外部循環手段は、攪拌対象物を排出口から吐出口へ移送手段を有することを特徴とする請求項2に記載の攪拌装置。
- 前記移送手段は、高圧ポンプインペラーであることを特徴とする請求項3に記載の攪拌装置。
- 前記吐出口には、シャワーノズルが配置されていることを特徴とする請求項2から4に記載の攪拌装置。
- 前記羽根部は、前記前方湾曲部に対して前記径方向外方に繋がり且つ前記軸方向視において前記回転方向後方に凸である後方湾曲部を有していることを特徴とする請求項1から5に記載の攪拌装置。
- 前記羽根部は、前記軸方向において前記基部から離間するほど前記回転方向前方に位置するように傾いていることを特徴とする請求項1から6に記載の攪拌装置。
- 前記羽根部の前記軸方向に対する傾斜角度は、前記径方向内方に向かうほど大であることを特徴とする請求項1から7に記載の攪拌装置。
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