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JP2019034365A - 工具ボデー - Google Patents

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JP2019034365A JP2017156533A JP2017156533A JP2019034365A JP 2019034365 A JP2019034365 A JP 2019034365A JP 2017156533 A JP2017156533 A JP 2017156533A JP 2017156533 A JP2017156533 A JP 2017156533A JP 2019034365 A JP2019034365 A JP 2019034365A
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Abstract

【課題】作業工具のガタつきを抑制可能な工具ボデーを提供する。【解決手段】工具ボデー2の工具挿入凹部4は、第1軸線C41が第2軸線C42よりも所定方向に配置されている。工具挿入凹部4は、作業工具9が挿入されると、第1凹部41の内側面において作業工具9の軸体91を所定方向に押圧し、第2凹部42の内側面において円柱部96の円柱面96aを所定方向と反対方向に押圧し、作業工具9を所定方向において固定する。【選択図】図10

Description

本発明は、切削工具の工具ボデーに関する。
切削工具の工具ボデーとして、特許文献1記載のものが知られている。当該工具ボデーは複数のインサート取付部を有しており、各インサート取付部に切削インサートが取り付けられている。工具ボデーの回転に伴い、切削インサートの切れ刃が被削材を切削する。
切れ刃の位置の調整は、工具ボデーとは別に用意される作業工具を用いて行われる。作業工具の外側面には、工具軸線からの距離が漸次変化するカム面が形成されている。作業者は、工具ボデーに形成された凹部に作業工具を挿入し、工具軸線周りに回転させる。これにより、切削インサートがカム面に押圧されて移動し、切れ刃の位置が変化する。
国際公開第2017/010328号
特許文献1記載の構成によれば、切れ刃の位置の調整を行う際、作業工具はカム面において切削インサートから反力を受ける。このような反力により作業工具にガタつきが生じると、切削インサートを安定的に押圧することが困難になり、調整の精度が低下するという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業工具のガタつきを抑制可能な工具ボデーを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る工具ボデーは、切削インサートが取り付けられるインサート取付部と、インサート取付部よりも所定方向に配置された工具挿入凹部であって、工具軸線に沿って延びる略円柱形状の軸体と、工具軸線からの距離が漸次変化するカム面が形成されたカム部と、軸体の先端部とカム部との間に設けられ直径が軸体の直径よりも大きい円柱面が形成された円柱部と、を有する作業工具が挿入される工具挿入凹部と、が形成されている。工具挿入凹部は、第1軸線に沿って延び、軸体の先端部が配置される第1凹部と、第2軸線に沿って延び、円柱部が配置される第2凹部と、を有する。作業工具は、第1軸線が第2軸線よりも所定方向に配置されていることにより、作業工具が挿入されると、第1凹部の内側面において軸体を所定方向に押圧し、第2凹部の内側面において円柱部の円柱面を所定方向と反対方向に押圧し、作業工具を所定方向において固定する。
上記構成によれば、作業工具を工具挿入凹部に挿入し、工具軸線周りに回転させることにより、カム面により切削インサートの端面を押圧することができる。これにより、切削インサートを所定方向に沿うように移動させ、切れ刃の位置を調整することができる。
ここで、第1軸線が第2軸線よりも所定方向に配置されている。これにより、工具挿入凹部に挿入された作業工具は、第1凹部の内側面と第2凹部の内側面との間に挟まれ、所定方向に移動不能となるように固定される。作業工具の円柱部の円柱面は、切削インサートからの反力の有無にかかわらず、第2凹部の内側面と当接し、所定方向と反対方向に予め押圧されている。この結果、作業工具がカム面において切削インサートから所定方向への反力を受けた場合でも、作業工具のガタつきを抑制することが可能になる。
第2凹部の内側面は、インサート取付部に向かって突出し円柱部の円柱面と圧接する突起が形成されていてもよい。
この構成によれば、第2凹部の内側面に形成された突起が、円柱部の円柱面と圧接することにより、当該円柱面を所定方向と反対方向に押圧する。つまり、第2凹部の内側面のうち特定の部位で作業工具を押圧して固定することにより、作業工具のガタつきをさらに確実に抑制することができる。
突起は、第2凹部の内側面のうち第2軸線周りで互いに離間する2つの部位に形成されていてもよい。
この構成によれば、工具軸線に沿って作業工具を見たとき、作業工具は、第1凹部において1箇所で支持され、第2凹部において2箇所で支持される。このように、計3箇所で作業工具を支持することにより、作業工具のガタつきをさらに確実に抑制することができる。
工具軸線に沿う方向における円柱部の寸法は、第2軸線に沿う方向における第2凹部の寸法よりも小さく、第2凹部の端部に、カム部の端面と当接する開口端面が形成されていてもよい。
この構成によれば、作業者は、工具軸線に沿って作業工具を押し込み、カム部の端面を第2凹部の開口端面と当接させることにより、工具軸線に沿う方向における作業工具の位置を決定することができる。これにより、作業工具のガタつきをさらに確実に抑制することができる。
工具挿入凹部は、カム面が切削インサートの端面に対して傾斜するように作業工具を固定してもよい。
この構成によれば、作業工具のカム面は、切削インサートの端面の一部のみと接触する。したがって、切れ刃の位置の調整を終え、作業工具を工具挿入凹部から引き抜く際に、カム面と切削インサートの端面との間に生じる摩擦を小さくすることができる。この結果、工具挿入凹部から作業工具を容易に引き抜くことができるとともに、引き抜きの際に切削インサートが無為に移動することを抑制できる。
本発明によれば、作業工具のガタつきを抑制可能な工具ボデーを提供することができる。
実施形態に係る切削工具及び作業工具を示す斜視図である。 図1の切削インサートを示す斜視図である。 図1のインサート取付部の周辺を示す拡大図である。 図1のインサート取付部の周辺を示す拡大図である。 図1のインサート取付部の周辺を示す拡大図である。 図1の作業工具を示す正面図である。 図1の作業工具を示す拡大図である。 図1の工具挿入凹部の周辺を示す拡大図である。 図1の工具挿入凹部の周辺を示す拡大図である。 図1の工具挿入凹部の周辺を示す断面図である。 図10のXI−XI断面を示す断面図である。
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
まず、図1及び図2を参照しながら、実施形態に係る切削工具1の概要について説明する。図1は、切削工具1及び作業工具9を示す斜視図である。図2は、切削インサート5を示す斜視図である。
切削工具1は、フライスカッタ等と称される。切削工具1は、仮想直線である軸線C2を中心として回転することにより、被削材の直角肩削り等を行う。切削工具1は、工具ボデー2と、切削インサート5と、を備えている。作業工具9は、切削工具1とは別に用意される。
尚、本明細書では、軸線C2が鉛直方向に延びるように配置された切削工具1について説明する。また、鉛直方向における上方を「上」、下方を「下」という。また、軸線C2に沿う方向を「軸方向」、軸線C2周りの方向を「周方向」、軸線C2と直交する方向を「径方向」という。このような切削工具1の配置は、本発明の使用態様を限定するものではない。
図1に示されるように、工具ボデー2は、軸線C2を中心として概ね回転対象となるように形成されている。工具ボデー2には、複数のインサート取付部3及び工具挿入凹部4が形成されている。インサート取付部3は、工具ボデー2の周側面21と下面22とにわたって形成された切欠きである。工具挿入凹部4は、各インサート取付部3よりも上方に形成され、周側面21から軸線C2に向かって凹設されている。
各インサート取付部3には、1つの切削インサート5が取り付けられている。図2に示されるように、切削インサート5は、インサート本体50と、ダイヤモンド焼結体51と、を有している。インサート本体50は、超硬合金によって形成され、略平板形状を呈している。インサート本体50の背面50b(図4参照)は、平面である。インサート本体50の正面50aの端部には、上端面50c(図5参照)から下端面50dまで延びる切欠きが形成されている。ダイヤモンド焼結体51は、その稜線部に切れ刃51a〜51cを有している。ダイヤモンド焼結体51は、インサート本体50の切欠きのうち、下端面50d寄りの部位にろう付けされている。
工具ボデー2の上部は、アーバー(不図示)等と称される治具に対して固定される。当該治具が回転すると、工具ボデー2は図1に矢印Rで示される方向に回転する。工具ボデー2の回転に伴い、各切削インサート5の切れ刃51a〜51cが、軸線C2を中心として回転する。切削インサート5は、その切れ刃51a〜51cが被削材の表面に押し当てられることにより、被削材を切削する。
作業工具9は、各インサート取付部3における切れ刃51a〜51cの位置の調整と、後述するねじ部材7(図3参照)の回転と、に用いられる。作業者は、作業工具9を工具挿入凹部4に挿入して回転させることにより、切れ刃51a〜51cの位置を調整することができる。また、作業者は、作業工具9の先端部91aをねじ部材7の係合溝74(図3参照)と係合させることにより、ねじ部材7を回転させることができる。すなわち、作業工具9は、工具ボデー2と一対で調整機構を構成する。
次に、図3から図5を参照しながら、切削インサート5の取り付けについて詳細に説明する。図3から図5は、インサート取付部3の周辺を示す拡大図である。図3は、インサート取付部3を斜視で示しており、インサート取付部3に配置される部材を分解した状態を示している。図4は、工具ボデー2の下面22側からインサート取付部3を示し、図5は、工具ボデー2の周側面21側からインサート取付部3を示している。
図3に示されるように、インサート取付部3は、その内側に、底面31と、対向壁面32と、を有している。底面31は平面である。対向壁面32は、周方向に間隔を隔てて底面31と対向している。対向壁面32は、第1壁面321、第2壁面322及び段差部323を有している。第2壁面322は、第1壁面321よりも径方向外側に形成されているとともに、第1壁面321よりも底面31から離間している。第1壁面321と第2壁面322とは、段差部323を介して互いに接続されている。
また、インサート取付部3は、その下端34及び上端36が開放されている。上端36は、後述する工具挿入凹部4の第3凹部43と連通している。インサート取付部3のうち、径方向において第1壁面321よりも内側の部位には、ねじ孔38が形成されている。ねじ孔38は、径方向に延び、その内側面には雌ねじが形成されている。
切削工具1は、このようなインサート取付部3に切削インサート5を固定するための部材として、楔部材6及びねじ部材7を備えている。
図3に示されるように、楔部材6は、外側面に第1当接面61、第2当接面62及び段差面63を有している。第2当接面62及び段差面63は、楔部材6の中央部を挟んで第1当接面61と対向している。段差面63は、第2当接面62から第1当接面61側にオフセットしている。第2当接面62は、第1当接面61に対して傾斜している。
楔部材6の中央部には、一側面から他側面まで貫通するねじ孔65が形成されている。ねじ孔65の内側面には、雌ねじが形成されている。
ねじ部材7は、「左右ねじ」とも称される。ねじ部材7は、所定の軸線に沿って延びる略円柱形状を呈しており、その外周面には第1ねじ部71と第2ねじ部72とが形成されている。第1ねじ部71は右ねじであり、第2ねじ部72は左ねじである。ねじ部材7の第2ねじ部72側の端部には、作業工具9の先端部91a(図6参照)と係合する係合溝74が凹設されている。楔部材6は、ねじ部材7の第1ねじ部71がインサート取付部3のねじ孔38と螺合し、第2ねじ部72が楔部材6のねじ孔65と螺合することにより、工具ボデー2に対して締結されている。第2ねじ部72と、楔部材6のねじ孔65との間には、微小な隙間が設けられている。
図4に示されるように、切削インサート5は、その背面50bが底面31に着座するように、インサート取付部3に配置される。前述したように、切削インサート5の背面50b、及び、インサート取付部3の底面31は、いずれも平面である。したがって、底面31に着座した切削インサート5は、楔部材6により完全に固定されていなければ、底面31に沿って移動することができる。
インサート取付部3に配置された切削インサート5の正面50aと、対向壁面32と、の間には、隙間が形成される。図5に示されるように、楔部材6は、当該隙間に配置される。ねじ部材7を時計回りに回転させると、楔部材6は径方向内側(すなわち、工具ボデー2の内部側)に向かって移動する。ねじ部材7の1回転あたりの楔部材6の移動距離は、ねじ部材7の第1ねじ部71や第2ねじ部72のピッチに依存する。この移動により、楔部材6は、第1当接面61において対向壁面32と当接し、第2当接面62において切削インサート5の正面50aと当接する。すなわち、楔部材6は、切削インサート5の正面50aと、対向壁面32と、の間に嵌入する。
切削インサート5は、楔部材6の第2当接面62から底面31向きの力を受け、背面50bが底面31に圧接する。換言すれば、切削インサート5は、楔部材6の第2当接面62と底面31とによって挟持され、インサート取付部3に固定される。
ねじ部材7を反時計回りに回転させると、楔部材6は径方向外側(すなわち、工具ボデー2の外側面側)に向かって移動する。ここでのねじ部材7の1回転あたりの楔部材6の移動距離も、ねじ部材7の第1ねじ部71や第2ねじ部72のピッチに依存する。この移動により、楔部材6の第2当接面62と切削インサート5の正面50aとの当接が解除される。図3に矢印Sで示されるように、第2当接面62と底面31との間から使用済み切削インサート5を取り出したり、新たな切削インサート5を挿入して取り付けたりすることができる。
次に、図6及び図7を参照しながら、作業工具9について詳細に説明する。図6は、作業工具9を示す正面図である。図7は、作業工具9を示す拡大図であり、作業工具9を先端部91a側から示している。
図6に示されるように、作業工具9は、軸体91と、アタッチメント92と、把持部98と、を有している。
軸体91は、仮想直線である工具軸線C9に沿って延びる略円柱形状の部材である。軸体91の先端部91aは、前述したねじ部材7の係合溝74(図3参照)と係合可能な凹凸が形成されている。先端部91aは、係合溝74と係合することにより、回転トルクをねじ部材7に伝達することができる。先端部91aと反対側の、軸体91の端部には、作業者が把持するための把持部98が固定されている。
アタッチメント92は、軸体91に対して着脱自在に取り付けられる部材である。アタッチメント92は貫通孔が形成されており、当該貫通孔に軸体91が挿通することにより、軸体91に対して取り付けられる。アタッチメント92は、カム部94と、円柱部96と、を有している。
カム部94は、カム面94a及びカム部端面94bを有している。図7に示されるように、カム面94aは、工具軸線C9の周囲に配置され、湾曲している。カム面94aは、工具軸線C9からの距離r94が、工具軸線C9周りに漸次変化するように形成されている。カム部端面94bは、工具軸線C9に対して略垂直な面であり、カム面94aの端部に接続されている。
円柱部96は、カム部94よりも先端部91a側に設けられ、カム部端面94bに接続されている。図6に示されるように、工具軸線C9に沿う方向における円柱部96の長さは、L96である。円柱部96は、円柱面96a及び円柱部端面96bを有している。図7に示されるように、円柱面96aは、工具軸線C9を中心とする円柱の周側面である。すなわち、工具軸線C9から円柱面96aまでの距離r96は、工具軸線C9周りの位置によらず略一定である。円柱部端面96bは、工具軸線C9に対して略垂直な面であり、円柱面96aの端部に接続されている。
次に、図8から図11を参照しながら、インサート取付部3における切れ刃51a〜51cの位置の調整について説明する。図8及び図9は、工具挿入凹部4の周辺を示す拡大図である。図8は、工具挿入凹部4を正面視で示している。図9は、作業工具9が挿入された工具挿入凹部4を斜視で示している。図10は、工具挿入凹部4の周辺を示す断面図であり、作業工具9が挿入された工具挿入凹部4を示している。図10は、後述する第1軸線C41及び第2軸線C42を含む平面における断面図である。図11は、図10のXI−XI断面を示す断面図である。
図8及び図10に示されるように、工具挿入凹部4は、第1凹部41と、第2凹部42と、第3凹部43と、が径方向に連結することによって構成されている。第1凹部41、第2凹部42及び第3凹部43の断面形状は、略円形である。第2凹部42の直径は第1凹部41の直径よりも大きく、第3凹部43の直径は第2凹部42の直径よりも大きい。
第1凹部41、第2凹部42は、それぞれ、仮想直線である第1軸線C41、第2軸線C42に沿って延びている。第1軸線C41は、第2軸線C42に対して略平行であり、第2軸線C42よりもインサート取付部3から離間する方向(図10の上方向。以下、この方向を「離間方向」という。)に配置されている。つまり、第1凹部41は、第2凹部42よりも離間方向に偏心している。第1軸線C41と第2軸線C42との距離は、例えば0.5mm程度である。図8は、説明の理解を促すため、当該距離を誇張して示している。
図8に示されるように、第2凹部42の内側面には、突起421,422が形成されている。突起421,422は、第2凹部42の内側面のうち、離間方向に偏倚し、且つ第2軸線C42周りで互いに離間する部位に形成されている。突起421,422は、第2軸線C42に沿って延びている。
切れ刃51a〜51cの位置を調整するにあたり、切削インサート5は、インサート取付部3において移動可能に取り付けられている。詳細には、後述するようにカム面94aに押圧されることで切削インサート5が移動するものの、移動後の切削インサート5がインサート取付部3から落下しない程度に、ねじ部材7の締結力が予め調整されている。
作業者は、作業工具9を先端部91a側から工具挿入凹部4に挿入する。ここで、円柱部96の円柱部端面96bから、軸体91の先端部91aまでの長さは、第1凹部41の奥行寸法よりも小さい。また、円柱部96の長さL96(図6参照)は、第2凹部42の奥行寸法よりも小さい。したがって、作業工具9は、図10に示されるように、カム部端面94bが第2凹部42の開口端面42aと当接するまで挿入される。
工具挿入凹部4への作業工具9の挿入が完了すると、軸体91の先端部91aは第1凹部41内に配置され、円柱部96は第2凹部42内に配置される。また、カム部94は、第3凹部43内に配置される。
図8に示すように、インサート取付部3は、その上端36において第3凹部43と連通している。このため、第3凹部43内にカム部94が配置されると、カム面94aが上端36を介してインサート取付部3に臨出するように配置される。このとき、図10に示されるように、カム面94aは、切削インサート5の上端面50cに対して傾斜するように配置される。
前述したように、第1凹部41は、第2凹部42よりも離間方向に偏心している。このため、作業工具9の軸体91や円柱部96は、第1凹部41や第2凹部42と局所的に当接する。
詳細には、図10に示されるように、軸体91は第1凹部41の当接部P1と当接する。当接部P1は、第1凹部41の内側面のうち、インサート取付部3寄りで、且つ、第1凹部41の開口端面41a寄りの部位である。したがって、軸体91は、当接部P1から、離間方向に力F1を受ける。
また、図10及び図11に示されるように、円柱部96は当接部P2,P3と当接する。当接部P2,P3は、突起421,422のうち、第2凹部42の開口端面42a寄りの部位である。前述したように、突起421,422は、第2凹部42の内側面のうち、離間方向に偏倚した部位に形成されている。したがって、円柱部96は、インサート取付部3に向かう方向(すなわち、離間方向と反対方向)に、力F2,F3を受ける。
このように、工具挿入凹部4に作業工具9が挿入されると、第1軸線C41が第2軸線C42よりも離間方向に配置されていることにより、第1凹部41の内側面が軸体91を離間方向に押圧する。そして、第2凹部42の内側面が、円柱部96の円柱面96aを離間方向と反対方向に押圧する。この結果、工具挿入凹部4に挿入された作業工具9は、離間方向に移動不能となるように固定される。作業者は、この作業工具9の把持部98(図6参照)を把持するとともに、工具軸線C9を中心として時計回りに回転させる。
作業工具9が回転すると、図10に示されるように、カム面94aが切削インサート5の上端面50cと当接する。カム面94aは上端面50cに対して傾斜するように配置されているため、カム面94aは、その一部のみにおいて上端面50cと当接する。
前述したように、工具軸線C9からカム面94aまでの距離r94(図7参照)は、工具軸線C9周りに漸次変化するように形成されている。したがって、工具軸線C9から、カム面94aと切削インサート5の上端面50cとが当接する部位までの距離が、作業工具9の回転に伴い漸次変化する。切削インサート5は、カム面94aにより離間方向と反対方向に押圧され、当該方向に移動する。切削インサート5が移動し、切れ刃51a〜51cが適切な位置に配置されると、作業者は、作業工具9を工具挿入凹部4から引き抜く。
次に、作業者は、作業工具9の先端部91a(図6参照)を係合溝74(図3参照)と係合させ、作業工具9を回転させることにより、ねじ部材7の締結力を高める。切削インサート5は、楔部材6の第2当接面62から底面31向きの力を受け、背面50bが底面31に圧接する。これにより、インサート取付部3において切削インサート5が固定され、切れ刃51a〜51cの位置の調整が完了する。
次に、工具ボデー2による作用とその効果について説明する。
回転中の作業工具9は、切削インサート5の上端面50cから離間方向に反力を受ける。この反力により作業工具9がガタつくと、切削インサート5を安定的に押圧することが困難になり、調整の精度が低下するおそれがある。
そこで、作業工具9は、第1軸線C41が第2軸線C42よりも離間方向に配置されている。これにより、工具挿入凹部4に挿入された作業工具9は、第1凹部41の内側面と第2凹部42の内側面との間に挟まれ、離間方向に移動不能となるように固定される。作業工具9の円柱部96の円柱面96aは、切削インサート5からの反力の有無にかかわらず、第2凹部42の内側面と当接し、離間方向と反対方向に予め押圧されている。この結果、作業工具9がカム面94aにおいて切削インサート5から離間方向への反力を受けた場合でも、作業工具9のガタつきを抑制することが可能になる。
第2凹部42の内側面は、インサート取付部3に向かって突出し円柱部96の円柱面96aと圧接する突起421,422が形成されている。
この構成によれば、第2凹部42の内側面に形成された突起421,422が、円柱部96の円柱面96aと圧接することにより、当該円柱面96aを離間方向と反対方向に押圧する。つまり、第2凹部42の内側面のうち特定の部位で作業工具9を押圧して固定することにより、作業工具9のガタつきをさらに確実に抑制することができる。
突起421,422は、第2凹部42の内側面のうち第2軸線C42周りで互いに離間する2つの部位に形成されている。
この構成によれば、工具軸線C9に沿って作業工具9を見たとき、作業工具9は、第1凹部41において1箇所で支持され、第2凹部42において2箇所で支持される。このように、計3箇所で作業工具9を支持することにより、作業工具9のガタつきをさらに確実に抑制することができる。
工具軸線C9に沿う方向における円柱部96の寸法L96は、第2軸線C42に沿う方向における第2凹部42の寸法よりも小さい。また、第2凹部42の端部に、カム部94のカム部端面94bと当接する開口端面42aが形成されていてもよい。
この構成によれば、作業者は、工具軸線C9に沿って作業工具9を押し込み、カム部94のカム部端面94bを第2凹部42の開口端面42cと当接させることにより、工具軸線C9に沿う方向における作業工具9の位置を決定することができる。これにより、作業工具9のガタつきをさらに確実に抑制することができる。
工具挿入凹部4は、カム面94aが切削インサート5の上端面50cに対して傾斜するように作業工具9を固定する。
この構成によれば、作業工具9のカム面94aは、切削インサート5の上端面50cの一部のみと接触する。したがって、切れ刃51a〜51cの位置の調整を終え、作業工具9を工具挿入凹部4から引き抜く際に、カム面94aと切削インサート5の上端面50cとの間に生じる摩擦を小さくすることができる。この結果、工具挿入凹部4から作業工具9を容易に引き抜くことができるとともに、引き抜きの際に切削インサート5が無為に移動することを抑制できる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されず、適宜変更することができる。
1:切削工具
2:工具ボデー
3:インサート取付部
31:底面
4:工具挿入凹部
41:第1凹部
42:第2凹部
421:突起
422:突起
43:第3凹部
5:切削インサート
51a〜51c:切れ刃
9:作業工具
91:軸体
91a:先端部
94:カム部
94a:カム面
94b:カム部端面
96:円柱部
98:把持部

Claims (5)

  1. 切削工具の工具ボデーであって、
    切削インサートが取り付けられるインサート取付部と、
    前記インサート取付部よりも所定方向に配置された工具挿入凹部であって、工具軸線に沿って延びる略円柱形状の軸体と、前記工具軸線からの距離が漸次変化するカム面が形成されたカム部と、前記軸体の先端部と前記カム部との間に設けられ直径が前記軸体の直径よりも大きい円柱面が形成された円柱部と、を有する作業工具が挿入される工具挿入凹部と、が形成され、
    前記工具挿入凹部は、
    第1軸線に沿って延び、前記軸体の先端部が配置される第1凹部と、
    第2軸線に沿って延び、前記円柱部が配置される第2凹部と、を有し、
    前記第1軸線が前記第2軸線よりも前記所定方向に配置されていることにより、前記作業工具が挿入されると、前記第1凹部の内側面において前記軸体を前記所定方向に押圧し、前記第2凹部の内側面において前記円柱部の円柱面を前記所定方向と反対方向に押圧し、前記作業工具を前記所定方向において固定する、工具ボデー。
  2. 前記第2凹部の内側面は、前記インサート取付部に向かって突出し前記円柱部の円柱面と圧接する突起が形成されている、請求項1に記載の工具ボデー。
  3. 前記突起は、前記第2凹部の内側面のうち前記第2軸線周りで互いに離間する2つの部位に形成されている、請求項2に記載の工具ボデー。
  4. 前記工具軸線に沿う方向における前記円柱部の寸法は、前記第2軸線に沿う方向における前記第2凹部の寸法よりも小さく、
    前記第2凹部の端部に、前記カム部の端面と当接する開口端面が形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の工具ボデー。
  5. 前記工具挿入凹部は、前記カム面が前記切削インサートの端面に対して傾斜するように前記作業工具を固定する、請求項1から4のいずれか一項に記載の工具ボデー。
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