JP2019033824A - 被検体情報処理装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検体情報処理装置において、構成モジュールのそれぞれがシステムノイズにどの程度寄与しているかを検知するための技術を提供する。【解決手段】光源からの光が被検体に照射されて発生する音響波に基づいて得られる被検体の情報を処理する被検体情報処理装置であって、音響波を受信する音響波受信素子と、音響波に基づく信号を出力するデータ取得部と、信号を用いて、被検体の特性情報を生成する演算部と、信号を用いて、被検体情報処理装置が備える複数の構成モジュールが発生させるシステムノイズを計測するノイズ計測部と、被検体情報処理装置が備える複数の構成モジュールのそれぞれの起動および停止のタイミングと、ノイズ計測部による計測のタイミングを制御するシステム制御部を有する被検体情報処理装置を用いる。【選択図】図1
Description
本発明は、被検体情報処理装置およびその制御方法に関する。
レーザなどの光源から生体などの被検体に光を照射し、入射した光に基づいて得られる被検体内の情報を画像化する光イメージング装置の研究が、医療分野で積極的に進められている。この光イメージング技術の一つとして、Photoacoustic Imaging(PAI:光音響イメージング)がある。
光音響イメージングは、光源から発生したパルス光を被検体に照射し、被検体内で伝搬・拡散したパルス光のエネルギーを吸収した被検体組織から発生した音響波を受信し、その受信信号に基づき被検体情報をイメージング(画像化)する技術である。光音響イメージングにおいては、腫瘍などの対象部位とそれ以外の組織との光エネルギーの吸収率の差を利用し、被検部位が照射された光エネルギーを吸収して瞬間的に膨張する際に発生する弾性波(光音響波)を探触子で受信する。この受信信号を数学的に解析処理することにより、被検体内の情報、特に、初期音圧分布、光エネルギー吸収密度分布あるいは吸収係数分布などを得ることができる。これらの情報は、被検体内の特定物質、例えば、血液中の酸素飽和度などの定量的計測にも利用できる。近年、この光音響イメージングを用いて、小動物の血管像をイメージングする前臨床研究や、この原理を乳がんなどの診断に応用する臨床研究が積極的に進められている(非特許文献1)。
また、特許文献1には、被検体情報処理装置において、信号処理回路に電源を供給するスイッチング電源で発生する電気的ノイズに起因するSN比の低下を抑制するための技術が開示されている。
また、特許文献2には、光音響波を用いる被検体情報処理装置において、様々な構成モジュールの起動タイミングを調整することで、電源容量を低減するための技術が開示されている。
"Photoacoustic Tomography: In Vivo Imaging From Organelles to Organs", Lihong V.Wang Song Hu,Science 335,1458(2012)
被検体情報処理装置の受信感度を向上させようとする場合、被検体情報処理装置の持つシステムノイズを可能な限り低減し、受信した光音響信号とシステムノイズの比(SN比)をなるべく向上させることが望ましい。そのためには、システムノイズの発生箇所を明らかにすることが求められる。しかし、複数のモジュールにより構成される被検体情報処理装置のシステムノイズが増大してSN比が低下した場合、どのモジュールが影響してい
るのかを知ることが難しい。被検体情報処理装置のSN比が悪化した場合に、被検体情報処理装置を構成している各モジュールが、システムノイズに対しどの程度寄与しているかを把握できれば、SN比を悪化させている原因モジュールを容易に特定でき、SN比改善を迅速に行える。
るのかを知ることが難しい。被検体情報処理装置のSN比が悪化した場合に、被検体情報処理装置を構成している各モジュールが、システムノイズに対しどの程度寄与しているかを把握できれば、SN比を悪化させている原因モジュールを容易に特定でき、SN比改善を迅速に行える。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものである。本発明は、被検体情報処理装置において、構成モジュールのそれぞれがシステムノイズにどの程度寄与しているかを検知するための技術を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
光源からの光が被検体に照射されて発生する音響波に基づいて得られる前記被検体の情報を処理する被検体情報処理装置であって、
前記音響波を受信する音響波受信素子と、
前記音響波に基づく信号を出力するデータ取得部と、
前記信号を用いて、前記被検体の特性情報を生成する演算部と、
前記信号を用いて、前記被検体情報処理装置が備える複数の構成モジュールが発生させるシステムノイズを計測するノイズ計測部と、
前記被検体情報処理装置が備える前記複数の構成モジュールのそれぞれの起動および停止のタイミングと、前記ノイズ計測部による計測のタイミングを制御するシステム制御部と、
を有することを特徴とする被検体情報処理装置である。
光源からの光が被検体に照射されて発生する音響波に基づいて得られる前記被検体の情報を処理する被検体情報処理装置であって、
前記音響波を受信する音響波受信素子と、
前記音響波に基づく信号を出力するデータ取得部と、
前記信号を用いて、前記被検体の特性情報を生成する演算部と、
前記信号を用いて、前記被検体情報処理装置が備える複数の構成モジュールが発生させるシステムノイズを計測するノイズ計測部と、
前記被検体情報処理装置が備える前記複数の構成モジュールのそれぞれの起動および停止のタイミングと、前記ノイズ計測部による計測のタイミングを制御するシステム制御部と、
を有することを特徴とする被検体情報処理装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
光源からの光が被検体に照射されて発生する音響波に基づいて得られる前記被検体の情報を処理する被検体情報処理装置の制御方法であって、前記被検体情報処理装置は、音響波受信素子と、データ取得部と、演算部と、ノイズ計測部と、システム制御部とを有し、
前記音響波受信素子が、前記音響波を受信するステップと、
前記データ取得部が、前記音響波に基づく信号を出力するステップと、
前記演算部が、前記信号を用いて、前記被検体の特性情報を生成するステップと、
前記ノイズ計測部が、前記信号を用いて、前記被検体情報処理装置が備える複数の構成モジュールが発生させるシステムノイズを計測するステップと、
前記システム制御部が、前記被検体情報処理装置が備える前記複数の構成モジュールのそれぞれの起動および停止のタイミングと、前記ノイズ計測部による計測のタイミングを制御するステップと、
を有することを特徴とする被検体情報処理装置の制御方法である。
光源からの光が被検体に照射されて発生する音響波に基づいて得られる前記被検体の情報を処理する被検体情報処理装置の制御方法であって、前記被検体情報処理装置は、音響波受信素子と、データ取得部と、演算部と、ノイズ計測部と、システム制御部とを有し、
前記音響波受信素子が、前記音響波を受信するステップと、
前記データ取得部が、前記音響波に基づく信号を出力するステップと、
前記演算部が、前記信号を用いて、前記被検体の特性情報を生成するステップと、
前記ノイズ計測部が、前記信号を用いて、前記被検体情報処理装置が備える複数の構成モジュールが発生させるシステムノイズを計測するステップと、
前記システム制御部が、前記被検体情報処理装置が備える前記複数の構成モジュールのそれぞれの起動および停止のタイミングと、前記ノイズ計測部による計測のタイミングを制御するステップと、
を有することを特徴とする被検体情報処理装置の制御方法である。
本発明によれば、被検体情報処理装置において、構成モジュールのそれぞれがシステムノイズにどの程度寄与しているかを検知するための技術を提供できる。
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。よって、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明は、被検体から伝搬する音響波を検出し、被検体内部の特性情報(被検体情報)を生成し、取得する技術に関する。よって本発明は、被検体情報処理装置またはその制御方法、被検体情報取得装置またはその制御方法として捉えられる。本発明はまた、被検体情報処理方法、被検体情報取得方法、または信号処理方法として捉えられる。本発明はまた、被検体内部の特性情報を示す画像を生成し表示する表示方法として捉えられる。本発明はまた、これらの方法をCPUやメモリ等のハードウェア資源を備える情報処理装置に実行させるプログラムや、そのプログラムを格納した、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記憶媒体としても捉えられる。
本発明の被検体情報処理装置には、被検体に光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生した音響波を受信して、被検体の特性情報を画像データとして取得する光音響効果を利用した光音響イメージング装置を含む。この場合、特性情報とは、受信された光音響波に由来する信号を用いて生成される、被検体内の複数位置のそれぞれに対応する特性値の情報である。
本発明に係る画像データは、光照射により発生した光音響波に由来するあらゆる画像データを含む概念である。画像データは例えば、光音響波の初期音圧、吸収エネルギー密度、吸収係数、被検体を構成する物質の濃度などの少なくとも1つの特性情報を表す画像データである。互いに異なる複数の波長の光照射により発生する光音響波に基づいて、被検体を構成する物質の濃度を示す画像データが得られる。濃度を示すデータには、酸素飽和度、酸素飽和度を吸収係数等の強度で重み付けした値、トータルヘモグロビン濃度、オキシヘモグロビン濃度、デオキシヘモグロビン濃度が含まれる。また画像データは、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、脂肪や水の体積分率を示すものでもよい。
被検体内の各位置の特性情報に基づいて、2次元または3次元の特性情報分布が得られる。分布データは画像データとして生成され得る。本発明では画像再構成による3次元ボリュームデータの生成を例として挙げるが、これに限られない。特性情報は、数値データとしてではなく、被検体内の各位置の分布情報として求めてもよい。すなわち、初期音圧分布、エネルギー吸収密度分布、吸収係数分布や酸素飽和度分布などである。
本発明でいう音響波とは、典型的には超音波であり、音波、音響波と呼ばれる弾性波を含む。トランスデューサ等により音響波から変換された信号(例えば電気信号)を音響信号または受信信号とも呼ぶ。ただし、本明細書における超音波または音響波という記載は、それらの弾性波の波長を限定する意図ではない。また、本明細書における超音波探触子という文言は、探触子の受信可能な波長を限定する意図ではない。光音響効果により発生した音響波は、光音響波または光超音波と呼ばれる。光音響波に由来する信号(例えば電気信号)を光音響信号とも呼ぶ。
<実施形態1>
図1を用いて、実施形態1に係る被検体情報処理装置の概略図を説明する。
図1を用いて、実施形態1に係る被検体情報処理装置の概略図を説明する。
<基本構成>
本実施形態の被検体情報処理装置は、概略、光源100、光照射検出器120、光学系200、複数の音響波受信素子300、支持体400、移動部としてのスキャナー500、走査位置センサ510を備える。本実施形態の被検体情報処理装置は、さらに、形状取得部600、コンピュータ700、給排液ユニット810、表示部としてのディスプレイ900、入力部1000、形状保持部1100、取り付け部1200を備える。
本実施形態の被検体情報処理装置は、概略、光源100、光照射検出器120、光学系200、複数の音響波受信素子300、支持体400、移動部としてのスキャナー500、走査位置センサ510を備える。本実施形態の被検体情報処理装置は、さらに、形状取得部600、コンピュータ700、給排液ユニット810、表示部としてのディスプレイ900、入力部1000、形状保持部1100、取り付け部1200を備える。
(被検体)
図1において破線で示された被検体Eは、光音響測定対象である。例えば、乳房等の生体や、装置の調整などにおいては生体の音響特性と光学特性を模擬したファントムが挙げられる。音響特性とは具体的には音響波の伝搬速度および減衰率であり、光学特性とは具体的には光の吸収係数および散乱係数である。被検体の内部には光吸収係数の大きい光吸収体が存在する。生体では、ヘモグロビン、水、メラニン、コラーゲン、脂質などが光吸収体となる。ファントムでは、光学特性を模擬した物質を光吸収体として内部に封入する。
図1において破線で示された被検体Eは、光音響測定対象である。例えば、乳房等の生体や、装置の調整などにおいては生体の音響特性と光学特性を模擬したファントムが挙げられる。音響特性とは具体的には音響波の伝搬速度および減衰率であり、光学特性とは具体的には光の吸収係数および散乱係数である。被検体の内部には光吸収係数の大きい光吸収体が存在する。生体では、ヘモグロビン、水、メラニン、コラーゲン、脂質などが光吸収体となる。ファントムでは、光学特性を模擬した物質を光吸収体として内部に封入する。
(光源)
光源100はパルス光を発生させる装置である。光源としては大出力を得るため、レーザが望ましいが、発光ダイオードなどでもよい。レーザとしては、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、半導体レーザなど様々なレーザを利用できる。また、酸素飽和度を取得する場合、波長可変レーザを用いるとよい。光音響波を効果的に発生させるためには、被検体の熱特性に応じて十分短い時間に光を照射させなければならない。被検体が生体の場合、光源100から発生するパルス光のパルス幅は数十ナノ秒以下にすることが望ましい。また、パルス光の波長は生体の窓と呼ばれる近赤外領域であり、700nm〜1200nm程度が望ましい。この領域の光は比較的、被検体の深部まで到達するので、深部の情報を得ることができる。生体表面部の測定に限定すれば、500〜700nm程度の可視光から近赤外領域も使用してもよい。さらに、測定対象に関して吸収係数が高い波長のパルス光を用いることが望ましい。光源100がパルス光を発生させるタイミングは、コンピュータ700が制御線110を介して制御する。光源100、コンピュータ700、制御線110の接続態様を図3に示す。
光源100はパルス光を発生させる装置である。光源としては大出力を得るため、レーザが望ましいが、発光ダイオードなどでもよい。レーザとしては、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、半導体レーザなど様々なレーザを利用できる。また、酸素飽和度を取得する場合、波長可変レーザを用いるとよい。光音響波を効果的に発生させるためには、被検体の熱特性に応じて十分短い時間に光を照射させなければならない。被検体が生体の場合、光源100から発生するパルス光のパルス幅は数十ナノ秒以下にすることが望ましい。また、パルス光の波長は生体の窓と呼ばれる近赤外領域であり、700nm〜1200nm程度が望ましい。この領域の光は比較的、被検体の深部まで到達するので、深部の情報を得ることができる。生体表面部の測定に限定すれば、500〜700nm程度の可視光から近赤外領域も使用してもよい。さらに、測定対象に関して吸収係数が高い波長のパルス光を用いることが望ましい。光源100がパルス光を発生させるタイミングは、コンピュータ700が制御線110を介して制御する。光源100、コンピュータ700、制御線110の接続態様を図3に示す。
(光学系)
光学系200は、光源100で発生させたパルス光を被検体Eへ導く装置である。具体的にはレンズ、ミラー、プリズム、光ファイバ、拡散板、シャッターなどの光学機器である。また光を導く際に、これらの光学機器を用いて、所望の光分布となるように形態や光密度を変更することもある。光学機器はこれらに限定されず、所望の機能を満たせば、どのような機器を用いてもよい。本実施形態において光学系200は、支持体400が形成する半球の、曲率中心の領域を照明するように構成されている。光学系200におけるシャッター等の開閉は、コンピュータ700が制御線210を介して制御する。
光学系200は、光源100で発生させたパルス光を被検体Eへ導く装置である。具体的にはレンズ、ミラー、プリズム、光ファイバ、拡散板、シャッターなどの光学機器である。また光を導く際に、これらの光学機器を用いて、所望の光分布となるように形態や光密度を変更することもある。光学機器はこれらに限定されず、所望の機能を満たせば、どのような機器を用いてもよい。本実施形態において光学系200は、支持体400が形成する半球の、曲率中心の領域を照明するように構成されている。光学系200におけるシャッター等の開閉は、コンピュータ700が制御線210を介して制御する。
生体組織に照射される光の強度について、安全規格によって、最大許容露光量(MPE:maximum permissible exposure)が定められている(例えば、IEC 60825-1:Safety of laser products、JIS C 6802:レーザ製品の安全基準、FDA:21CFR Part 1040.10、ANSI Z136.1:Laser Safety Standards、など)。最大許容露光量は、単位面積あたりに照射できる光の強度を規定している。したがって、最大許容露光量以下の範囲で光強度を高め、被検体Eの表面の広い面積に一括して光を照射することにより、安全性を維持しつつ、多く
の光を被検体Eに導くことができる。その結果、光音響波のSN比が向上する。この観点からは、図1の光学系200から発した破線のように、光をある程度の面積に広げることが好ましい。
の光を被検体Eに導くことができる。その結果、光音響波のSN比が向上する。この観点からは、図1の光学系200から発した破線のように、光をある程度の面積に広げることが好ましい。
(光照射検出器)
光照射検出器120は、光源100による光照射を検出する装置である。例えば、光学系200が光ファイバを備える場合、その一部を分岐して、光照射検出器120に実装されたフォトダイオードで検出する構成を採用できる。光照射検出器は、光照射の検出信号を発光タイミングとしてコンピュータ700に伝達する。なお、光源100が発光したタイミングをフォトダイオードで検出できるのであれば、検出手段はフォトダイオードに限定されないし、検出手段の実装方法も限定されない。
光照射検出器120は、光源100による光照射を検出する装置である。例えば、光学系200が光ファイバを備える場合、その一部を分岐して、光照射検出器120に実装されたフォトダイオードで検出する構成を採用できる。光照射検出器は、光照射の検出信号を発光タイミングとしてコンピュータ700に伝達する。なお、光源100が発光したタイミングをフォトダイオードで検出できるのであれば、検出手段はフォトダイオードに限定されないし、検出手段の実装方法も限定されない。
(音響波受信素子)
音響波受信素子300は、光音響波を受信して電気信号に変換する素子である。被検体Eからの光音響波に対して、受信感度が高く、周波数帯域が広いものが望ましい。音響波受信素子300を構成する部材としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック材料や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電膜材料などを用いることができる。また、圧電素子以外の素子を用いても良い。例えば、cMUT(Capacitive Micro-machined Ultrasonic Transducers)などの静電容量型の素子、ファブリペロー干渉計を用いた音響波受信素子、などを用いることができる。
音響波受信素子300は、光音響波を受信して電気信号に変換する素子である。被検体Eからの光音響波に対して、受信感度が高く、周波数帯域が広いものが望ましい。音響波受信素子300を構成する部材としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック材料や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電膜材料などを用いることができる。また、圧電素子以外の素子を用いても良い。例えば、cMUT(Capacitive Micro-machined Ultrasonic Transducers)などの静電容量型の素子、ファブリペロー干渉計を用いた音響波受信素子、などを用いることができる。
図2は、音響波受信素子300の受信感度特性の一例を示したグラフである。横軸は、音響波受信素子300の受信面の法線方向と光音響波の入射方向とのなす入射角度であり、縦軸は、角度ごとの受信感度を示す。図2の例で取り上げた音響波受信素子300は、受信面の法線方向から入射する音響波に対する受信感度が最も高く、入射角度が大きくなるほど受信感度が低くなる、という受信指向性を示す。なお、本実施形態に係る音響波受信素子300は、円形の平面形状の受信面を有しているものとする。ここで、受信感度の最大値をSとしたとき、受信感度が最大値の半分の値(S/2)になるときの入射角度をαとする。本実施形態においては、音響波受信素子300の受信面に入射角度α以下で光音響波が入射する領域を、音響波を高感度に受信可能な受信領域とする。図1において、各音響波受信素子300の最も受信感度の高い方向(受信方向)を一点鎖線で示した。
(支持体)
支持体400は、略半球形状の容器であり、半球の内側の面に複数の音響波受信素子300が設置され、半球の底部(極)に光学系200が設置されている。また、半球の内側には、後述する音響マッチング材800が充填される。したがって、支持体400には、液体を充填した状態でも変形せず、かつ、各音響波受信素子300の位置が変化しない程度の機械的強度が求められる。例えば、金属材料が好適である。
支持体400は、略半球形状の容器であり、半球の内側の面に複数の音響波受信素子300が設置され、半球の底部(極)に光学系200が設置されている。また、半球の内側には、後述する音響マッチング材800が充填される。したがって、支持体400には、液体を充填した状態でも変形せず、かつ、各音響波受信素子300の位置が変化しない程度の機械的強度が求められる。例えば、金属材料が好適である。
複数の音響波受信素子300は、各素子の受信方向が半球の曲率中心に向かうように、支持体400の半球面上にアレイ状に配置されている。図1は、半球状の支持体400の中心軸で切断した断面図である。図中の一点鎖線は、音響波受信素子300の受信方向を示している。一点鎖線が集束する被検体E内の特定の一部の領域は、複数の音響波受信素子300が光音響波を高感度に受信できる領域である。この領域を「高感度領域」と呼び、二点鎖線で囲まれた領域Gに相当する。このように音響波受信素子300を配置した場合、受信信号から生成される被検体情報の分解能は、半球の曲率中心において最も高く、曲率中心から離れるにつれて低くなる。本実施形態において高感度領域Gは、曲率中心における分解能(最大値に相当)をRとしたとき、分解能が(R/2)である点を外周とする領域である。なお、ユーザーが希望する精度で高感度領域を形成できるのであれば、必ずしも各音響波受信素子の受信方向が交わらなくてもよい。要するに、複数の音響波受信
素子300の少なくとも一部の素子の受信方向が特定の領域に向いていればよい。
素子300の少なくとも一部の素子の受信方向が特定の領域に向いていればよい。
(スキャナー)
スキャナー500は、支持体400の位置を図1のX,Y,Z方向に移動することにより、被検体Eに対する支持体400の相対位置を変更する装置である。このためスキャナー500は、X,Y,Z方向のガイド機構および駆動機構(不図示)と、支持体400のX,Y,Z方向の位置を受信する走査位置センサ510を備えている。図1に示すように、スキャナー500の上に支持体400が積載されるため、ガイド機構としては大きな荷重に耐え得るリニアガイドなどが好ましい。また、駆動機構としては、リードスクリュー機構、リンク機構、ギア機構、油圧機構、などを用いることができる。駆動力はモーターなどを用いることができる。
スキャナー500は、支持体400の位置を図1のX,Y,Z方向に移動することにより、被検体Eに対する支持体400の相対位置を変更する装置である。このためスキャナー500は、X,Y,Z方向のガイド機構および駆動機構(不図示)と、支持体400のX,Y,Z方向の位置を受信する走査位置センサ510を備えている。図1に示すように、スキャナー500の上に支持体400が積載されるため、ガイド機構としては大きな荷重に耐え得るリニアガイドなどが好ましい。また、駆動機構としては、リードスクリュー機構、リンク機構、ギア機構、油圧機構、などを用いることができる。駆動力はモーターなどを用いることができる。
なお、支持体400を固定し、被検体Eを移動させることにより、被検体Eと支持体400との相対的な位置を変えても良い。被検体Eを移動させる場合は、被検体Eを支持する支持部(不図示)、もしくは取り付け部1200を動かすことで被検体Eを移動させる構成が考えられる。さらに、被検体Eと支持体400の両方を移動させてもよい。また、移動は連続的に行うのが望ましいが、一定のステップで繰り返しても良い。スキャナー500は、電動ステージでも手動ステージでも良く、被検体Eと支持体400のうち少なくとも一方を移動可能であれば、方式は問わない。
(走査位置センサ)
走査位置センサ510は、スキャナー500による被検体Eと支持体400の相対位置の変更時の、支持体400の位置座標情報を取得する手段である。走査位置センサ510は、被検体情報処理装置の構成に応じて、支持体400の1次元、2次元、もしくは3次元の位置座標情報を取得する。走査位置センサ510としては、リニアスケール、磁気センサ、赤外線センサ、超音波センサ、エンコーダー、可変抵抗器、などを用いたポテンショメータなどを用いると良い。ただし、支持体400の位置座標情報を取得できれば、特定種類のセンサに限定されない。
走査位置センサ510は、スキャナー500による被検体Eと支持体400の相対位置の変更時の、支持体400の位置座標情報を取得する手段である。走査位置センサ510は、被検体情報処理装置の構成に応じて、支持体400の1次元、2次元、もしくは3次元の位置座標情報を取得する。走査位置センサ510としては、リニアスケール、磁気センサ、赤外線センサ、超音波センサ、エンコーダー、可変抵抗器、などを用いたポテンショメータなどを用いると良い。ただし、支持体400の位置座標情報を取得できれば、特定種類のセンサに限定されない。
(形状取得部)
形状取得部600は、被検体Eもしくは形状保持部1100の外形を表す形状情報を取得する装置である。形状取得部600は、形状保持部1100の形状を被検体Eの形状情報として取得してもよい。また、形状保持部1100の形状情報を予め記憶部720に格納しておき、形状取得部600がその情報を記憶部720から読み出すことにより形状保持部1100の形状情報を取得してもよい。なお、演算部710が、形状取得部600を兼ねてもよい。さらに、複数の形状保持部を用いる場合、それぞれの形状保持部の形状情報を記憶部720に格納しておくことが好ましい。その場合、使用する形状保持部を装置が識別したり、ユーザーが入力部1000により指定したりして、使用する形状保持部の形状情報を記憶部720から読み出してもよい。
形状取得部600は、被検体Eもしくは形状保持部1100の外形を表す形状情報を取得する装置である。形状取得部600は、形状保持部1100の形状を被検体Eの形状情報として取得してもよい。また、形状保持部1100の形状情報を予め記憶部720に格納しておき、形状取得部600がその情報を記憶部720から読み出すことにより形状保持部1100の形状情報を取得してもよい。なお、演算部710が、形状取得部600を兼ねてもよい。さらに、複数の形状保持部を用いる場合、それぞれの形状保持部の形状情報を記憶部720に格納しておくことが好ましい。その場合、使用する形状保持部を装置が識別したり、ユーザーが入力部1000により指定したりして、使用する形状保持部の形状情報を記憶部720から読み出してもよい。
また、形状取得部600は、カメラや音響波を送受信するトランスデューサアレイなどの、被検体Eを撮像する撮像装置を含むことができる。トランスデューサとしては、音響波受信素子300とは別のトランスデューサでも良いし、音響波受信素子300でも良い。形状取得部600は、トランスデューサが送信した音響波の反射波に由来する受信信号に基づく画像を画像処理することで、被検体Eの形状情報を取得してもよい。また、演算部710が、複数の方向から撮像した撮像画像を基にステレオ法などの三次元計測技術を用いて被検体Eの形状情報を取得してもよい。この場合、撮像装置および撮像画像処理部を総称して形状取得部600とすることができる。
なお、形状取得部600は被検体情報処理装置とは別に提供されてもよい。
なお、形状取得部600は被検体情報処理装置とは別に提供されてもよい。
(コンピュータ)
コンピュータ700は、演算部710および記憶部720を有している。
演算部710は、典型的にはCPU、GPU、A/D変換器などの素子や、FPGA、ASICなどの回路から構成される。なお、演算部は、1つの素子や回路から構成されるだけではなく、複数の素子や回路から構成されていてもよい。また、コンピュータ700が行う各処理をいずれの素子や回路が実行してもよい。
記憶部720は、典型的にはROM、RAM、およびハードディスクなどの記憶媒体から構成される。なお、記憶部は、1つの記憶媒体から構成されるだけでなく、複数の記憶媒体から構成されていてもよい。
コンピュータ700は、演算部710および記憶部720を有している。
演算部710は、典型的にはCPU、GPU、A/D変換器などの素子や、FPGA、ASICなどの回路から構成される。なお、演算部は、1つの素子や回路から構成されるだけではなく、複数の素子や回路から構成されていてもよい。また、コンピュータ700が行う各処理をいずれの素子や回路が実行してもよい。
記憶部720は、典型的にはROM、RAM、およびハードディスクなどの記憶媒体から構成される。なお、記憶部は、1つの記憶媒体から構成されるだけでなく、複数の記憶媒体から構成されていてもよい。
演算部710は、複数の音響波受信素子300から出力された電気信号に対して信号処理を施す。演算部710はさらに、光音響信号を用いて画像再構成を行い、被検体内部の特性情報を示す画像データを生成することが好ましい。画像再構成には、整相加算法、フーリエ変換法、バックプロジェクション方など、任意の手法を採用できる。いずれかの手法で被検体内部の初期音圧分布を算出した後、形状取得部が取得した被検体の形状と、光源から照射された光の光量から被検体内部での光分布を算出する。そして、初期音圧分布と光分布に基づいて、吸収係数分布を取得できる。また、複数の波長の光それぞれについて取得された吸収係数分布に基づいて、酸素飽和度分布などの濃度分布を取得できる。
システム制御部750は、図3に示すように、バス2000および制御線110〜2210を介して、被検体情報処理装置の各構成モジュールの作動を制御できる。また、演算部710は、バス2000と制御線110を介して光源100に制御信号を伝達することにより、光源100のパルス光発生タイミングを制御する。システム制御部750はまた、構成モジュールの起動、停止のタイミングや、どの構成モジュールが立ち上がっているタイミングでシステムノイズ計測を行うかを制御する。これらのタイミングや、システムノイズ計測を行うときの起動済み/停止中の構成モジュールの組み合わせは、予め記憶部720に保存されていてもよく、ユーザーの入力に従って定められても良い。
また、コンピュータ700は、同時に複数の信号をパイプライン処理できるように構成されていることが好ましい。これにより、被検体情報を取得するまでの時間を短縮できる。
なお、コンピュータ700が行うそれぞれの処理を、演算部710に実行させるプログラムとして記憶部720に保存しておくことができる。ただし、プログラムが保存される記憶部720は、非一時的な記録媒体である。
なお、コンピュータ700が行うそれぞれの処理を、演算部710に実行させるプログラムとして記憶部720に保存しておくことができる。ただし、プログラムが保存される記憶部720は、非一時的な記録媒体である。
(ノイズ計測部)
ノイズ計測部711はコンピュータ700の演算部710の中にあり、本発明の被検体情報処理装置においてシステムノイズの計測を行う部分である。ノイズ計測部711は、被検体情報処理装置の動作時のシステムノイズ計測に加え、被検体情報処理装置の各構成モジュールに対して個別に電源を投入し、各構成モジュールが被検体情報処理装置に対して及ぼすノイズレベルを個別に計測する。また、計測したノイズレベルをもとに、最適な光音響受信に関する設定条件(ゲイン設定値、フィルタ特性)を算出する。つまり、複数ある構成モジュールの一つが単独で起動された状態であるので、他の構成モジュールによる影響を低減した条件でノイズレベルを計測できる。
ノイズ計測部711はコンピュータ700の演算部710の中にあり、本発明の被検体情報処理装置においてシステムノイズの計測を行う部分である。ノイズ計測部711は、被検体情報処理装置の動作時のシステムノイズ計測に加え、被検体情報処理装置の各構成モジュールに対して個別に電源を投入し、各構成モジュールが被検体情報処理装置に対して及ぼすノイズレベルを個別に計測する。また、計測したノイズレベルをもとに、最適な光音響受信に関する設定条件(ゲイン設定値、フィルタ特性)を算出する。つまり、複数ある構成モジュールの一つが単独で起動された状態であるので、他の構成モジュールによる影響を低減した条件でノイズレベルを計測できる。
なお、ノイズ計測部711は、必ずしもコンピュータ700の演算部710の中にある必要はなく、本発明の被検体情報処理の別の箇所に設けられても良いし、被検体情報処理装置とは別に提供されてもよい。また、システムノイズの計測に関する処理と、光音響受信条件設定に関する処理を、別々の演算ユニットが実行しても良い。
(音響マッチング材)
音響マッチング材800は、被検体Eと音響波受信素子300との間の空間を満たし、被検体Eと音響波受信素子300を音響的に結合させるためのものである。形状保持部1100を設ける場合、音響波受信素子300と形状保持部1100との間、および、形状保持部1100と被検体Eとの間に、音響マッチング材800を配置してもよい。なお、音響波受信素子300と形状保持部1100との間に配置される音響マッチング材800と、形状保持部1100と被検体Eとの間に配置される音響マッチング材800とは、互いに異なる材料であっても良い。
音響マッチング材800は、被検体Eと音響波受信素子300との間の空間を満たし、被検体Eと音響波受信素子300を音響的に結合させるためのものである。形状保持部1100を設ける場合、音響波受信素子300と形状保持部1100との間、および、形状保持部1100と被検体Eとの間に、音響マッチング材800を配置してもよい。なお、音響波受信素子300と形状保持部1100との間に配置される音響マッチング材800と、形状保持部1100と被検体Eとの間に配置される音響マッチング材800とは、互いに異なる材料であっても良い。
音響マッチング材800は、被検体Eおよび音響波受信素子300に音響インピーダンスが近い材料であることが好ましい。さらに、音響マッチング材800は、被検体Eおよび音響波受信素子300の中間の音響インピーダンスを有する材料であることがより好ましい。また、音響マッチング材800は、光源100で発生するパルス光を透過する材料であることが好ましい。また、音響マッチング材800は液体であることが好ましい。音響マッチング材800として例えば、水、ひまし油、ジェルなどを用いることができる。
(給排液ユニット)
給排液ユニット810は、制御線830を介したコンピュータ700の制御に従い、支持体400に対して音響マッチング材800を供給、回収するユニットである。撮像を実施する前の適切なタイミングで支持体400に対して音響マッチング材800を供給する。そして、撮像が終了した後の適切なタイミングで、支持体400から音響マッチング材800を回収する。なお、被検体情報処理装置を長時間使用しない場合、検査室の湿度上昇による被検体情報処理装置の不具合を防止するために、支持体400から音響マッチング材800を回収することが望ましい。
給排液ユニット810は、制御線830を介したコンピュータ700の制御に従い、支持体400に対して音響マッチング材800を供給、回収するユニットである。撮像を実施する前の適切なタイミングで支持体400に対して音響マッチング材800を供給する。そして、撮像が終了した後の適切なタイミングで、支持体400から音響マッチング材800を回収する。なお、被検体情報処理装置を長時間使用しない場合、検査室の湿度上昇による被検体情報処理装置の不具合を防止するために、支持体400から音響マッチング材800を回収することが望ましい。
(ディスプレイ)
ディスプレイ900は、コンピュータ700から信号線910を介して出力される被検体情報を表すデータに基づいて、分布画像や特定の関心領域の数値データなどを表示する装置である。例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、FEDなどを離床できる。なお、ディスプレイ900は、本発明の被検体情報処理装置とは別に提供されていても良い。
ディスプレイ900は、コンピュータ700から信号線910を介して出力される被検体情報を表すデータに基づいて、分布画像や特定の関心領域の数値データなどを表示する装置である。例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、FEDなどを離床できる。なお、ディスプレイ900は、本発明の被検体情報処理装置とは別に提供されていても良い。
(入力部)
入力部1000は、ユーザーによる、コンピュータ700への所望の情報の入力や、所望の情報の指定を可能にする装置である。入力部1000としては、キーボード、マウス、タッチパネル、ダイヤル、ボタンなどを用いることができる。入力部1000としてタッチパネルを採用する場合、ディスプレイ900が入力部1000を兼ねていてもよい。
入力部1000は、ユーザーによる、コンピュータ700への所望の情報の入力や、所望の情報の指定を可能にする装置である。入力部1000としては、キーボード、マウス、タッチパネル、ダイヤル、ボタンなどを用いることができる。入力部1000としてタッチパネルを採用する場合、ディスプレイ900が入力部1000を兼ねていてもよい。
(形状保持部)
形状保持部1100は、被検体Eの形状を一定に保つための部材である。形状保持部1100は、取り付け部1200に取り付けられている。なお、互いに形状の異なる複数の形状保持部を用いる場合、取り付け部1200は、形状保持部を着脱可能な構成とする。
形状保持部1100を介して被検体Eに光を照射する場合、形状保持部1100は照射光を透過させることが好ましい。例えば、形状保持部1100の材料としては、ポリメチルペンテンやポリエチレンテレフタラートなどを用いることができる。
形状保持部1100は、被検体Eの形状を一定に保つための部材である。形状保持部1100は、取り付け部1200に取り付けられている。なお、互いに形状の異なる複数の形状保持部を用いる場合、取り付け部1200は、形状保持部を着脱可能な構成とする。
形状保持部1100を介して被検体Eに光を照射する場合、形状保持部1100は照射光を透過させることが好ましい。例えば、形状保持部1100の材料としては、ポリメチルペンテンやポリエチレンテレフタラートなどを用いることができる。
また、被検体Eが乳房である場合、乳房形状の変形を少なくして形状を一定に保持するために、形状保持部1100の形状は球をある断面で切った形状であることが好ましい。なお、被検体の体積や保持後の所望の形状に応じて、形状保持部1100の形状を適宜設計できる。例えば、形状保持部1100が被検体Eの外形にフィットし、形状保持部11
00の形状が被検体Eとほぼ同様になるようであっても良い。
00の形状が被検体Eとほぼ同様になるようであっても良い。
<動作のフロー>
図5は、本発明の被検体情報処理装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。装置が起動されたのち、ステップS01において、ノイズ計測部によってまず、各モジュールのシステムノイズが計測される。この処理は例えば、装置の出荷時や設置時、被検体の光音響測定前、定期メンテナンスの機会などに行われる。この処理の詳細は後述する。ステップS02において、被検体Eを形状保持部1100に設置する。ステップS03において、装置の測定条件、例えば光音響受信条件を設定する。このとき、S01において算出したノイズ情報に基づいて条件を補正してもよい。ステップS04〜S05において、光源100から被検体に光を照射し、音響波受信素子300によって光音響波を受信して光音響信号を生成して記憶部720に保存する。ステップS06にて測定対象の領域全ての測定が完了したかが判定される。測定が完了していなければ、必要に応じてスキャナー500によって被検体と素子の相対位置を変更した後、再度光音響波を受信する。ステップS07において、演算部710が光音響信号を用いて特性情報(被検体情報)を生成する。このとき、ノイズ情報に基づく補正を行うことも好ましい。また、ノイズ計測部または演算部が、システムノイズ情報に基づき、ノイズレベルの正常・異常を判定したり、判定結果をユーザーに通知したり、異常が発生した構成モジュールを特定してユーザーに通知したりすることも好ましい。
図5は、本発明の被検体情報処理装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。装置が起動されたのち、ステップS01において、ノイズ計測部によってまず、各モジュールのシステムノイズが計測される。この処理は例えば、装置の出荷時や設置時、被検体の光音響測定前、定期メンテナンスの機会などに行われる。この処理の詳細は後述する。ステップS02において、被検体Eを形状保持部1100に設置する。ステップS03において、装置の測定条件、例えば光音響受信条件を設定する。このとき、S01において算出したノイズ情報に基づいて条件を補正してもよい。ステップS04〜S05において、光源100から被検体に光を照射し、音響波受信素子300によって光音響波を受信して光音響信号を生成して記憶部720に保存する。ステップS06にて測定対象の領域全ての測定が完了したかが判定される。測定が完了していなければ、必要に応じてスキャナー500によって被検体と素子の相対位置を変更した後、再度光音響波を受信する。ステップS07において、演算部710が光音響信号を用いて特性情報(被検体情報)を生成する。このとき、ノイズ情報に基づく補正を行うことも好ましい。また、ノイズ計測部または演算部が、システムノイズ情報に基づき、ノイズレベルの正常・異常を判定したり、判定結果をユーザーに通知したり、異常が発生した構成モジュールを特定してユーザーに通知したりすることも好ましい。
<データ取得部の構成>
図4に、光音響波のデータ取得部718の構成を示す。図4では音響波受信素子が8つの場合の例を示すが、音響波受信素子の数はこれに限定されない。データ取得部718は、アナログ回路部735とデジタル回路部736から構成される。アナログ回路部735は、複数の音響波受信素子300から出力された電気信号にアナログ的な信号処理を施し、デジタル回路部736へアナログ信号を出力する。アナログ回路部735における信号処理には、入力インピーダンス回路によるインピーダンスマッチング処理、フィルタによるフィルタ処理、アンプによる増幅処理などが含まれる。
図4に、光音響波のデータ取得部718の構成を示す。図4では音響波受信素子が8つの場合の例を示すが、音響波受信素子の数はこれに限定されない。データ取得部718は、アナログ回路部735とデジタル回路部736から構成される。アナログ回路部735は、複数の音響波受信素子300から出力された電気信号にアナログ的な信号処理を施し、デジタル回路部736へアナログ信号を出力する。アナログ回路部735における信号処理には、入力インピーダンス回路によるインピーダンスマッチング処理、フィルタによるフィルタ処理、アンプによる増幅処理などが含まれる。
デジタル回路部736では、アナログ回路部735から入力されたアナログ信号をサンプリングし、デジタル信号を生成・保存する。加えて、デジタル信号に対する増幅処理(デジタルゲイン処理)やデジタルフィルタ処理などの、デジタル信号処理を行っても良い。デジタル信号処理の内容は、本発明の被検体情報処理装置に必要なものである限り、特定のものに限定されない。
アナログ回路部735は、入力インピーダンス回路733−1〜733−8、フィルタ730−1〜730−8(第1のフィルタ)、ローノイズアンプ(LNA:Low Noise Amplifier)731−1〜731−8、ゲインアンプ(VGA:Variable Gain Amplifier)719−1〜719−8、フィルタ732−1〜732−8(第2のフィルタ)を含む。
デジタル回路部736は、AD変換器717−1〜717−8(ADCと記載)、FIFO716−1〜716−8、システムCLK713、FIFO制御部712、回路制御部740、セレクトスイッチ714を含む。
以下に、データ取得部718の動作を説明する。複数の音響波受信素子300−1〜300−8は、光音響波を受信して電気信号(アナログの光音響信号)に変換し、データ取得部718にあるフィルタ730−1〜730−8へと電気信号を入力する。
入力インピーダンス回路733−1〜733−8は、複数の音響波受信素子300−1〜300−8の出力インピーダンス値との関係で、複数の音響波受信素子300−1〜3
00−8から出力された電気信号を分圧してフィルタ730−1〜730−8へ入力する。
フィルタ730−1〜730−8は、電気信号をフィルタ処理して、LNA731−1〜731−8に出力する。
入力インピーダンス回路733−1〜733−8は、複数の音響波受信素子300−1〜300−8の出力インピーダンス値との関係で、複数の音響波受信素子300−1〜3
00−8から出力された電気信号を分圧してフィルタ730−1〜730−8へ入力する。
フィルタ730−1〜730−8は、電気信号をフィルタ処理して、LNA731−1〜731−8に出力する。
LNA731−1〜731−8で増幅された電気信号は、VGA719−1〜719−8に出力される。
VGA719−1〜719−8で増幅された電気信号は、フィルタ732−1〜732−8に出力され、フィルタ処理された電気信号がADC717−1〜717−8へ出力され、デジタル信号へと変換される。
入力インピーダンス素子733-1〜733-8には、固定のインピーダンス値が設定されていても良いが、回路制御部740によって任意のインピーダンスを設定できるようにしても良い。もしくは、回路制御部740からの指示信号により、複数の選択可能な入力インピーダンス値の中から、ある値を選択して設定するようにしても良い。
VGA719−1〜719−8で増幅された電気信号は、フィルタ732−1〜732−8に出力され、フィルタ処理された電気信号がADC717−1〜717−8へ出力され、デジタル信号へと変換される。
入力インピーダンス素子733-1〜733-8には、固定のインピーダンス値が設定されていても良いが、回路制御部740によって任意のインピーダンスを設定できるようにしても良い。もしくは、回路制御部740からの指示信号により、複数の選択可能な入力インピーダンス値の中から、ある値を選択して設定するようにしても良い。
フィルタ730−1〜730−8とフィルタ732−1〜732−8は、複数の音響波受信素子300−1〜300−8から入力される信号のDC成分や、複数の音響波受信素子300−1〜300−8の帯域より低い周波数成分を除去するためのハイパスフィルタである。さらには、サンプリングの折り返し雑音(エイリアシング)や複数の音響波受信素子300−1〜300−8の帯域より高い周波数成分を除去するためのローパスフィルタである。例えば、フィルタ730をローパスフィルタ、フィルタ732をハイパスフィルタとしても良い。なお、フィルタの構成は図4に示したものに限定されない。例えば、ハイパスフィルタとローパスフィルタを個別に設けるのではなく、バンドパスフィルタを用いて所望の帯域の周波数成分を処理しても良い。
例えばサンプリング周波数が20MHzの場合、ローパスフィルタのカットオフ周波数は、サンプリング定理により10MHz以下である必要がある。ハイパスフィルタのカットオフ周波数は複数の音響波受信素子300−1〜300−8の帯域以内の信号を除去しないよう留意して設定する必要がある。フィルタ730、732のカットオフ周波数は、固定であっても良いが、回路制御部740によって、任意のカットオフ周波数に設定できるようにしても良い。もしくは、回路制御部740からの指示により、複数の選択可能なカットオフ周波数の中から、所望の値を選択して設定しても良い。
LNA731−1〜731−8、VGA719−1〜719−8は、複数の音響波受信素子300−1〜300−8が出力する電気信号を増幅する。増幅時の増幅率は、回路制御部740によって設定される。
このように、アナログ回路部735における信号処理には、入力インピーダンス回路によるインピーダンスマッチング処理、フィルタによるフィルタ処理、アンプによる増幅処理などのアナログ信号処理が含まれる。
ADC717−1〜717−8は、システムCLK713が出力するクロックに応じた周波数でのサンプリングによって、アナログ電気信号をデジタル信号に変換してFIFO(先入れ先出しメモリ、以下、FIFO)716−1〜716−8へ出力する。FIFO716−1〜716−8は、システムCLK713が出力するクロックと、FIFO制御部712が出力する書き込みイネーブルに従って、ADC717−1〜717−8が出力したデジタル信号を記憶する。
次に、FIFO716−1〜716−8は、システムCLK713が出力するクロックと、FIFO制御部712が出力する読み出しイネーブルに従って、記憶したデジタル信
号を上位演算器715内のメモリ(不図示)へ転送する。セレクトスイッチ714が、FIFO716−1〜716−8のうち、1つを選択して上位演算器715へ接続し、デジタル信号を上位演算器715内のメモリ(不図示)へ転送する。上位演算器715へ接続するFIFOの選択と、上位演算器715へのデジタル信号転送とを繰り返し、FIFO716−1〜716−8に記憶された全てのデジタル信号を上位演算器715内のメモリ(不図示)へ転送する。なお、デジタル信号の転送先は上位演算器715内のメモリ(不図示)に限らず、記憶部720でも良い。上位演算器715がデジタル信号に対して適切なタイミングでアクセス可能であれば、メモリの配置場所は問わない。
号を上位演算器715内のメモリ(不図示)へ転送する。セレクトスイッチ714が、FIFO716−1〜716−8のうち、1つを選択して上位演算器715へ接続し、デジタル信号を上位演算器715内のメモリ(不図示)へ転送する。上位演算器715へ接続するFIFOの選択と、上位演算器715へのデジタル信号転送とを繰り返し、FIFO716−1〜716−8に記憶された全てのデジタル信号を上位演算器715内のメモリ(不図示)へ転送する。なお、デジタル信号の転送先は上位演算器715内のメモリ(不図示)に限らず、記憶部720でも良い。上位演算器715がデジタル信号に対して適切なタイミングでアクセス可能であれば、メモリの配置場所は問わない。
また、図4では、セレクトスイッチ714が、FIFO716−1〜716−8のうち、1つを選択して上位演算器715へ接続し、デジタル信号を上位演算器715内のメモリ(不図示)へ転送する構成を示したが、必ずしもこれに限定されない。システムが許容できる限り、FIFO716−1〜716−8のうち複数、もしくは全てに記憶されているデジタル信号を並列に上位演算器715内のメモリ(不図示)へ転送しても良い。FIFO716−1〜716−8に記憶されたデジタル信号が適切に上位演算器715内のメモリ(不図示)へ転送可能な限り、特定の構成に限定されない。
このように、複数の音響波受信素子300から出力された電気信号はデータ取得部718に送られる。そして、支持体400の座標値、光の照射回数等、音響波が受信されたタイミング、などの情報の少なくともいずれかと関連付けされて、上位演算器715内のメモリ(不図示)、もしくは記憶部720等にデジタル信号として保存される。
<システムノイズ計測>
図6のタイミングチャートを用いて、ステップS01で述べた、ノイズ計測部によるシステムノイズ計測について詳細に説明する。本発明の被検体情報処理装置においては、装置のシステムノイズが適切に保たれているかどうかを監視する必要がある。システムノイズが何らかの不具合によって想定以上に大きくなってしまうと、取得した光音響信号のSN比が悪化し、形状情報を正確に取得できなくなる、酸素飽和度などの機能情報の定量性が劣化する、などの不具合が生じるからである。
図6のタイミングチャートを用いて、ステップS01で述べた、ノイズ計測部によるシステムノイズ計測について詳細に説明する。本発明の被検体情報処理装置においては、装置のシステムノイズが適切に保たれているかどうかを監視する必要がある。システムノイズが何らかの不具合によって想定以上に大きくなってしまうと、取得した光音響信号のSN比が悪化し、形状情報を正確に取得できなくなる、酸素飽和度などの機能情報の定量性が劣化する、などの不具合が生じるからである。
図6(a)〜(d)はそれぞれ、ノイズ計測のタイミングや各構成モジュールの起動順序が異なる例を示す。各タイミングチャートにおいて、横軸は時間経過を示している。縦軸は、各構成モジュールの電源がONであるかOFFであるかと、電源ONになるタイミングを示す。レベルが「H」の時は、その構成モジュールの電源はONであり、可動状態である。一方レベルが「L」の時は、その構成モジュールの電源はOFFである。このタイミングチャートでは代表的な構成モジュールのみを示したが、他の構成モジュールについても同様にノイズを計測できる。
なお、システムノイズとは、被検体情報処理装置が光音響波を受信していない状態で、コンピュータ700内部に存在するデータ取得部718を用いて取得できる受信データを指す。データ取得部718では、複数の音響波受信素子300から出力されたアナログ電気信号をADコンバータによりデジタル化し、演算部710における信号処理、光音響画像生成に用いるデジタル信号を生成する。この経路のどこかでノイズが混入することにより、SN比が低下する。
(パターン1)
図6(a)の例では、まず、各構成モジュールの電源が全てONされる(T1〜T5)。その後、光音響波を受信していない状態のタイミングTnで、データ取得部718を用いてシステムノイズを計測する。
図6(a)の例では、まず、各構成モジュールの電源が全てONされる(T1〜T5)。その後、光音響波を受信していない状態のタイミングTnで、データ取得部718を用いてシステムノイズを計測する。
(パターン2)
図6(b)の例では、各構成モジュールの電源をONする度に、順次システムノイズを計測する。まずコンピュータ700、ディスプレイ900および入力部1000の電源をONする。その後、給排液ユニット810、形状取得部600、スキャナー500、光源100の順に電源をONする。この時、電源をONする順番は、システムの適切な使用条件に反しない限りで、どのように変更しても良い。ただし、少なくともコンピュータ700が電源ONになっていないとシステムノイズを計測できない点に留意する必要がある。そして、ある構成モジュールの電源をONした後、かつ、次の構成モジュールの電源をONする前にシステムノイズを計測する。図6(b)においては、タイミングTn0、Tn1、Tn2、Tn3、Tn4がこれに当たる。タイミングTn4以降は、通常の光音響撮像を実施可能である。図6(b)の方法によれば、どの構成モジュールが不具合を起こしているのかを特定しやすくなる。
図6(b)の例では、各構成モジュールの電源をONする度に、順次システムノイズを計測する。まずコンピュータ700、ディスプレイ900および入力部1000の電源をONする。その後、給排液ユニット810、形状取得部600、スキャナー500、光源100の順に電源をONする。この時、電源をONする順番は、システムの適切な使用条件に反しない限りで、どのように変更しても良い。ただし、少なくともコンピュータ700が電源ONになっていないとシステムノイズを計測できない点に留意する必要がある。そして、ある構成モジュールの電源をONした後、かつ、次の構成モジュールの電源をONする前にシステムノイズを計測する。図6(b)においては、タイミングTn0、Tn1、Tn2、Tn3、Tn4がこれに当たる。タイミングTn4以降は、通常の光音響撮像を実施可能である。図6(b)の方法によれば、どの構成モジュールが不具合を起こしているのかを特定しやすくなる。
(パターン3)
図6(c)の例では、給排液ユニットの電源OFF時のPhase−Aと、給排液ユニットの電源をONして給水完了した後のPhase−Bに分けてシステムノイズ計測を実施する。このようにすることで、支持体400に音響マッチング材800が供給されたことによるシステムノイズの変化を確認できる。図6(c)においては、Phase−AのタイミングTn0〜Tn3それぞれで、音響マッチング材800が給水されていない状態での各構成モジュールに対応するシステムノイズを計測する。一方、Phase−BのタイミングTn4〜Tn7それぞれで、支持体400が音響マッチング材800で満たされた状態でのシステムノイズを計測する。ここで、出願人の検討によれば、音響マッチング材800の有無は、受信信号に混入するノイズに影響を与えることが分かっている。すなわち、特に導電性のある音響マッチング材が支持体に満たされている場合、受信信号に混入するノイズが大きくなる。このような場合でも、パターン3の手法によれば、音響マッチング材の有無に応じたシステムノイズの状況を検知可能である。
図6(c)の例では、給排液ユニットの電源OFF時のPhase−Aと、給排液ユニットの電源をONして給水完了した後のPhase−Bに分けてシステムノイズ計測を実施する。このようにすることで、支持体400に音響マッチング材800が供給されたことによるシステムノイズの変化を確認できる。図6(c)においては、Phase−AのタイミングTn0〜Tn3それぞれで、音響マッチング材800が給水されていない状態での各構成モジュールに対応するシステムノイズを計測する。一方、Phase−BのタイミングTn4〜Tn7それぞれで、支持体400が音響マッチング材800で満たされた状態でのシステムノイズを計測する。ここで、出願人の検討によれば、音響マッチング材800の有無は、受信信号に混入するノイズに影響を与えることが分かっている。すなわち、特に導電性のある音響マッチング材が支持体に満たされている場合、受信信号に混入するノイズが大きくなる。このような場合でも、パターン3の手法によれば、音響マッチング材の有無に応じたシステムノイズの状況を検知可能である。
(パターン4)
図6(d)の例では、給排液ユニットの電源OFF時のPhase−C、給排液ユニットの電源をONして給水完了した後のPhase−D、それぞれにおいて、構成モジュールの電源を個別にONする。すなわち、ある構成モジュールを電源ONしてシステムノイズを計測した後で、その構成モジュールの電源をOFFして次のモジュールを立ち上げる(図中、各タイミングを「Tn」として示す)。こうすることで、各構成モジュール自体のシステムノイズに及ぼす影響と、支持体400に音響マッチング材800を入れたことによるシステムノイズへの影響を併せて確認できる。なお、Phase−C、Phase−Dの後に、全ての電源をONするPhase−Eを経て、本発明の被検体情報処理装置を撮像可能状態にする。
図6(d)の例では、給排液ユニットの電源OFF時のPhase−C、給排液ユニットの電源をONして給水完了した後のPhase−D、それぞれにおいて、構成モジュールの電源を個別にONする。すなわち、ある構成モジュールを電源ONしてシステムノイズを計測した後で、その構成モジュールの電源をOFFして次のモジュールを立ち上げる(図中、各タイミングを「Tn」として示す)。こうすることで、各構成モジュール自体のシステムノイズに及ぼす影響と、支持体400に音響マッチング材800を入れたことによるシステムノイズへの影響を併せて確認できる。なお、Phase−C、Phase−Dの後に、全ての電源をONするPhase−Eを経て、本発明の被検体情報処理装置を撮像可能状態にする。
また、図を用いた説明を省略するが、複数の音響波受信素子300としてcMUT(Capacitive Micro−machined Ultrasonic Transducers)などの静電容量型の素子を用いる場合、素子に対して複数の電圧を印加する必要がある。例えば、複数の電圧の供給源として、cMUT素子アレイを挟み込むように設けられた上部電極および下部電極や、cMUT素子アレイから出力された電流を電圧に変換するオペアンプの駆動電源などが考えられる。この場合、複数の電圧の供給電源を個別にONして、各電源についてのシステムノイズを計測することも好ましい。またそれに加えて、電圧の供給電源を全てONにした状態でシステムノイズ計測を行っても良い。こうすることで、複数の音響波受信素子300に関連する電源がシステムノイズに及ぼす影響を確認できる。
システムノイズの計測においては、ユーザーが本発明の被検体情報処理装置の状態を検
知するのに必要な限りにおいて、どのようなパターンで実施しても良く、図6(a)〜図6(d)に示したものに限定されない。また、構成モジュールの電源をONする順番は、本発明の被検体情報処理装置の適切な使用条件に反しない限りで、どのような順番にしても良い。ただし、少なくともコンピュータ700が電源ONになっていないとシステムノイズデータ計測ができない点に留意する必要がある。電源ON/OFFによる各構成モジュールの起動・停止の順序や、同時に起動させる構成モジュールの数および種類や、ノイズ計測のタイミングは、予め指定された値やユーザーからの入力に応じて、システム制御部750が制御すれば良い。
知するのに必要な限りにおいて、どのようなパターンで実施しても良く、図6(a)〜図6(d)に示したものに限定されない。また、構成モジュールの電源をONする順番は、本発明の被検体情報処理装置の適切な使用条件に反しない限りで、どのような順番にしても良い。ただし、少なくともコンピュータ700が電源ONになっていないとシステムノイズデータ計測ができない点に留意する必要がある。電源ON/OFFによる各構成モジュールの起動・停止の順序や、同時に起動させる構成モジュールの数および種類や、ノイズ計測のタイミングは、予め指定された値やユーザーからの入力に応じて、システム制御部750が制御すれば良い。
<システムノイズ計測により得られる情報>
つぎに、図7〜図9を用いて、システムノイズ計測結果からどのような情報を算出・表示するかを説明する。
つぎに、図7〜図9を用いて、システムノイズ計測結果からどのような情報を算出・表示するかを説明する。
図7(a)、図7(b)は、被検体情報処理装置が算出・表示する受信チャンネルごとのシステムノイズのRMS値、DCオフセット値のグラフ表示の例である。図7(a)において、横軸は受信チャンネルであり、縦軸はノイズレベルを表すRMS値である。RMS値については、受信チャンネルごとにサンプリングしたシステムノイズデータ(例えば1000サンプル)のRMS値を算出し、表示する。図7(b)の縦軸に示されるDCオフセット値については、受信チャンネルごとにサンプリングしたシステムノイズデータ(例えば1000サンプル)の平均値を算出し、DCオフセット値として表示する。ここでは、縦軸の単位は任意単位である。
なお、ノイズレベルとして、RMS値の代りに標準偏差値を算出・表示しても良い。また、出力するパラメータは、RMS値、標準偏差値、DCオフセット値(平均値)に限らず、受信チャンネルごとのシステムノイズの状態を確認可能なパラメータであれば、どのようなパラメータでも良い。
また、本発明の被検体情報処理装置は、コンピュータ700における受信条件(受信部の入力インピーダンス設定値やゲイン設定値など)を複数の異なる条件に設定しながらシステムノイズ計測を実施し、入力換算ノイズや、最大受信音圧を取得する。
また、本発明の被検体情報処理装置は、コンピュータ700における受信条件(受信部の入力インピーダンス設定値やゲイン設定値など)を複数の異なる条件に設定しながらシステムノイズ計測を実施し、入力換算ノイズや、最大受信音圧を取得する。
図8(a)、図8(b)は、被検体情報処理装置が算出・表示する、ある受信チャンネルでの入力換算ノイズのグラフと、最大受信音圧値のグラフである。入力換算ノイズは、アナログアンプやADコンバータなどで性能の指標として一般的に用いられるもので、受信チャンネルの持つノイズレベルを示す。入力換算ノイズは、プローブをコンピュータ700に接続した状態で計測しても良いし、プローブを外した状態で計測しても良い。プローブを外した状態の場合、プローブ接続部をオープンの状態で計測しても良いし、GNDにショートさせた状態にして計測しても良い。ユーザーの知りたい条件で計測すれば良い。
図8(a)を見ると、ゲインが一定値(ここでは25[dB])より小さい範囲では、ゲインの増大に応じて入力換算ノイズが下がっていくが、ゲインが一定値以上になると、入力換算ノイズは変わらなくなる。これは、ゲイン設定値が一定値以上になると、受信信号のノイズが最小限に抑えられることを示す。これは、光音響信号のSN比を最大限に向上させて受信できる状態と言える。
一方、図8(b)でゲイン値を大きくすると、ADコンバータの入力電圧範囲は一定のため、ADコンバータでサンプリング可能な光音響信号の最大音圧(以下、「最大受信音圧」と記載)は小さくなっていく。最大受信音圧が小さいということは、観察領域由来の音圧の高い光音響信号の受信信号が、ADコンバータの入力電圧範囲の制約によって飽和することを意味する。その結果、光音響信号波形を正確にサンプリングできなくなる。
そこで本発明では、ユーザーが、図8に示される情報を元に、入力換算ノイズが低く、かつ所望の最大受信音圧で光音響信号をサンプリングできる条件を見つける必要がある。例えば図8(a)の入力換算ノイズのグラフから、ゲインが25[dB]以上であれば入力換算ノイズが安定していることが推知される。さらに、ユーザー所望の最大受信音圧が100[Pa]である場合、図8(b)の最大受信音圧のグラフから、ゲインを30[dB]以下にすれば受信信号が飽和しないことが推知される。したがって、設定ゲイン25〜30[dB]とすることで、良好なSN比でPA信号をサンプリングできる。
このように、本発明の被検体情報処理装置によれば、システムノイズ計測結果から光音響信号受信に最適な受信条件設定値を導出できる。
このように、本発明の被検体情報処理装置によれば、システムノイズ計測結果から光音響信号受信に最適な受信条件設定値を導出できる。
最適な受信条件設定の対象は、主として、図4に示したアナログ回路部735の入力インピーダンス値、フィルタの帯域、アンプのゲイン値等である。ただし設定対象はこれら限定されず、必要なアナログ受信回路設定全般が対象となる。また、デジタル回路部736やコンピュータ700でデジタル信号に対してデジタル処理を行う場合に、システムノイズ計測結果から得られたノイズ周波数スペクトルからデジタルフィルタの係数を最適化して不要帯域のノイズをカットしても良い。また、デジタルゲインのゲインカーブの生成に活用しても良い。いずれにせよ、デジタル信号処理においても、システムノイズ計測結果を参照して行う処理内容は特定のものに限定されず、必要な処理全般が対象となる。
なお、最適な受信条件設定値は、ユーザーが図8(b)に示される情報から判断しても良いし、コンピュータが自動で判断しても良い。コンピュータによる自動判断においては、人工知能アルゴリズムを用いても良い。ただし、十分に正確な判断がなされうる限り、特定の方式に限定されない。
本発明の被検体情報処理装置においては、計測したシステムノイズ周波数スペクトルを算出し、表示するようにしても良い(不図示)。さらに、1つ以上の過去のシステムノイズ周波数スペクトルと現在のシステムノイズ周波数スペクトルを重畳表示させても良い。その際、同一画面上に並列表示しても良いし、2つ以上の異なる画面上に同時に複数の周波数スペクトルを同時表示させても良い(不図示)。例えば、工場出荷時の周波数スペクトル、検査室設置時の周波数スペクトル、そして現在の周波数スペクトルを重畳表示、並列表示、もしくは同時表示することで、周波数スペクトルの時系列の変化から、設置環境からのノイズの混入有無、装置の不具合によるノイズの増加を把握できる。
複数の時系列の周波数スペクトルは、特定の代表チャンネルのシステムノイズから算出しても良いし、複数の、もしくは全ての受信チャンネルのノイズデータの加算値、加算平均値から算出しても良い。あるいは、1chずつのノイズスペクトルを加算もしくは加算平均して表示しても良い。ノイズスペクトルを特定の1つのチャンネル、もしくは複数のチャンネルから算出する場合、ユーザーが任意に対象チャンネルを選択しても良いし、本発明の被検体情報処理装置がある基準に従って、もしくはランダムに対象チャンネルを選択しても良い。なお、適切にシステムノイズの周波数スペクトルが把握できる限り、対象チャンネルの選択手法、周波数スペクトル算出手法は特定のものに限定されない。
図9に示すように、計測したシステムノイズの周波数スペクトルをChごとに算出し、全chの周波数スペクトルを一括で俯瞰的に確認できるよう表示することも好ましい。図9で、線が現れている部分は、ノイズレベルが強くなっているChないしは周波数を示している。色は白黒でも良いし、カラーでも良い。ノイズレベルの強さは、白黒表示の場合の濃淡で、カラー表示の場合はノイズレベルの強弱に応じた色分けで表示しても良い。また、色とノイズレベルの対応が視認しやすいよう、カラーバーを併せて表示しても良い。
また、過去に計測したシステムノイズの周波数スペクトルを一括で俯瞰的に確認できる同様の図を併せて表示しても良い。その際、同一画面に並列表示しても良いし、交互表示しても良い。もしくは異なる画面に同時に表示するようにしても良い。現在と過去の全chの周波数スペクトルを一括で俯瞰的に比較できる限り、表示の態様に限定はない。
このようにすることで、多くの受信チャンネルの中で、どのチャンネルに特異にノイズが混入しているかを容易に把握できる。
表示するチャンネル数や周波数帯域の範囲は、ユーザーが任意に設定しても良いし、被検体情報処理装置が適切な範囲を自動で設定しても良い。
また、ノイズレベルが高いと判定されたチャンネルの受信データは、画像再構成により画像データを生成する時に使用しないようにしても良い。このようにすることで、光音響画像のSN比を向上できる。また、チャンネルごとのノイズレベルに応じて重み付けを行っても良い。SN比が高いデータの画像再構成における寄与度を大きくすることで、良好な光音響画像を生成できる。なお、再構成された画像を表示するときに、形状取得部が取得した被検体の表面または内部の画像と重畳表示、並列表示または交互表示しても良い。
表示するチャンネル数や周波数帯域の範囲は、ユーザーが任意に設定しても良いし、被検体情報処理装置が適切な範囲を自動で設定しても良い。
また、ノイズレベルが高いと判定されたチャンネルの受信データは、画像再構成により画像データを生成する時に使用しないようにしても良い。このようにすることで、光音響画像のSN比を向上できる。また、チャンネルごとのノイズレベルに応じて重み付けを行っても良い。SN比が高いデータの画像再構成における寄与度を大きくすることで、良好な光音響画像を生成できる。なお、再構成された画像を表示するときに、形状取得部が取得した被検体の表面または内部の画像と重畳表示、並列表示または交互表示しても良い。
以上説明したように、本実施形態に係る被検体情報処理装置は、システムノイズを計測することで、装置状態を容易に把握することができ、かつ最適な光音響信号受信条件を導出できる。そして、光音響画像のSN比を向上させることができる。ひいては、診断能の高い光音響画像取得が可能となる。
<実施形態2>
実施形態2に係る被検体情報処理装置を、図10を用いて説明する。本実施形態の被検体情報処理装置は、スキャナー500によって支持体400の位置を図1のX,Y,Z方向に移動し、被検体Eに対する支持体400の相対位置を変更して光音響波を受信する動作を繰り返す。すなわち、実施形態2は、被検体情報処理装置における異なる光音響信号取得位置に対応するシステムノイズを計測する点が、実施形態1と異なる。
実施形態2に係る被検体情報処理装置を、図10を用いて説明する。本実施形態の被検体情報処理装置は、スキャナー500によって支持体400の位置を図1のX,Y,Z方向に移動し、被検体Eに対する支持体400の相対位置を変更して光音響波を受信する動作を繰り返す。すなわち、実施形態2は、被検体情報処理装置における異なる光音響信号取得位置に対応するシステムノイズを計測する点が、実施形態1と異なる。
実施形態2に係る被検体情報処理装置は、光音響信号の取得動作と同じ動作条件でシステムノイズを計測するシステムノイズ計測モードを持つ。そして、計測したシステムノイズデータから、光音響信号取得位置に対応したシステムノイズに関連する情報を算出し、表示する。
図10(a)は、支持体400の光音響信号取得位置をプロットしたものである。便宜上、支持体400の中心位置をもって、光音響信号取得位置とする。図中、ノイズレベルが一定の基準値以上の位置は、ノイズレベル悪化位置としてマーキングしている。なお、複数の基準値を設ける場合、ノイズレベルの範囲に応じて異なるマーカーを割り当てることで、ノイズレベルの差異の視認性が良くなる。なお、光音響信号取得位置パターンは任意である。例えば、本図のようなラスタスキャン方式ではなく、スパイラル方式を採用しても良い。測定方式は、支持体の移動および停止を繰り返し、停止箇所において光音響測定を行う方式と、連続的に移動しながら光音響測定を繰り返す方式のいずれでも良い。
図10(b)は、全ての受信チャンネルのそれぞれについて、光音響信号取得位置ごとに、システムノイズのノイズレベルを示すRMS値を表示したものである。こうすることで、受信チャンネルおよび光音響信号取得位置に応じたノイズレベルを視認性良く把握できる。さらに、ある一定の基準値以上のノイズ部分をマーキング、もしくは色分けして表示することも、視認性を高めるために好ましい。また、ノイズレベルの高い受信チャンネルと光音響信号取得位置の組み合わせをテキストや表形式で示しても良い(不図示)。またその情報をデータファイルとして残すようにして、ユーザーが任意に読み取れるようにしても良い(不図示)。
さらに、支持体400の光音響信号取得位置ごとに、特定の(または全ての)受信チャンネルのシステムノイズの周波数スペクトルを参照できるようにしても良い。また、周波数スペクトルを重畳表示しても良い(不図示)。また、光音響信号取得位置および受信チャンネルを任意に選択して、周波数スペクトルを参照できるようにしても良い。また、異なるチャンネルまたは異なる光音響信号取得位置での周波数スペクトルを、並列表示、重畳表示、交互表示、同時表示などの方法で対比させても良い(不図示)。
また、光音響信号取得位置および受信チャンネルを任意に選択して、周波数スペクトルの差分を算出し、表示しても良い(不図示)。このような手法は、システムノイズが多い光音響信号取得位置および/または受信チャンネルと、正常なシステムノイズレベルを持つ光音響信号取得位置および/または受信チャンネルの差異の原因が、どの周波数帯域にあるかを確認できる。問題となる周波数帯域が特定できれば、ノイズレベルを増加させている原因を迅速に究明し、対策を施すことが可能となる。
また、ノイズレベルが高いと判定された光音響信号取得位置のデータおよび/またはノイズレベルが高いと判定された受信チャンネルの受信データは、光音響画像のデータ生成時に使用しないようにしても良い。このようにすることで、光音響画像のSN比が向上する。なお、ノイズレベルが高い位置および/または受信チャンネルのデータを全く使わないのではなく、ノイズレベルが低いほど特性情報への寄与度が大きくなるように、位置および/またはチャンネルに対応する光音響信号に重み付けを行ってもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る被検体情報処理装置は、システムノイズを計測することで、装置状態を容易に把握することができ、システムノイズを悪化させている要因の究明と対策実施を迅速に行える。そして、光音響画像のSN比を向上させることができる。ひいては、故障による装置停止期間を短縮し、スループットの高い、高診断能の被検体情報処理装置を実現できる。
<実施形態3>
実施形態3に係る被検体情報処理装置を説明する。本実施形態は、ハンドヘルド型のプローブを用いる点で実施形態1,2と異なる。
実施形態3に係る被検体情報処理装置を説明する。本実施形態は、ハンドヘルド型のプローブを用いる点で実施形態1,2と異なる。
<基本構成>
図11に、実施形態3に係る被検体情報処理装置の構成を示す。装置は、光源1540、光学系1560、光音響プローブ1500、バンドルファイバ1550、光照射検出器1590を備える。光音響プローブ1500は、バンドルファイバ1550を介して出射端1510と、光音響波を受信する受信部1520、走査位置センサ1530からなる。受信部1520には、複数のトランスデューサ(音響波受信素子に対応)を含むトランスデューサアレイ1650が配置される。さらに、本実施例における被検体情報処理装置は、形状取得部600、コンピュータ1700、表示部としてのディスプレイ900、入力部1000を備える。被検体Eの内部には、測定対象領域1720が存在する。
図11に、実施形態3に係る被検体情報処理装置の構成を示す。装置は、光源1540、光学系1560、光音響プローブ1500、バンドルファイバ1550、光照射検出器1590を備える。光音響プローブ1500は、バンドルファイバ1550を介して出射端1510と、光音響波を受信する受信部1520、走査位置センサ1530からなる。受信部1520には、複数のトランスデューサ(音響波受信素子に対応)を含むトランスデューサアレイ1650が配置される。さらに、本実施例における被検体情報処理装置は、形状取得部600、コンピュータ1700、表示部としてのディスプレイ900、入力部1000を備える。被検体Eの内部には、測定対象領域1720が存在する。
ノイズ計測部1711は、コンピュータ1700の演算部1710の中にある。ノイズ計測部1711は、システムノイズの計測を行うとともに、被検体情報処理装置の構成モジュールに対して個別に電源投入し、構成モジュールが被検体情報処理装置に対して及ぼすノイズレベルを個別に計測する。また、計測したノイズレベルをもとに、最適な光音響受信に関する設定条件(ゲイン設定値、フィルタ特性)を算出する。なお、ノイズ計測部1711は、必ずしもコンピュータ1700の中にある必要はなく、被検体情報処理の別の箇所に設けられても良いし、被検体情報処理装置とは別に提供されてもよい。データ取得部1718や、システム制御部1750の機能については上記実施形態を適用できる。
光音響プローブ1500は、医師や技師などのユーザーが手に持って被検体表面上で走査できるように、把持部を兼ねた筐体を備える。また、光源1540を筐体内に組み込んでも良い。その場合、小型化の観点から、光源として半導体レーザや発光ダイオードを用いると良い。一方、光源を光音響プローブとは別に設ける場合、実施形態1と同様にレーザを用いても良い。
図12に、実施形態3に係る被検体情報処理装置の接続態様を示す。実施形態3に係る被検体情報処理装置の各構成モジュールは、バス2100と、制御線1600〜2310を介して接続される。
<装置の動作>
以下、被検体情報処理装置の動作について説明する。光源1540は、コンピュータ1700による制御に従って照明光を発し、光学系1560は照明光を成形してバンドルファイバ1550へ入射させる。そしてバンドルファイバ1550で光音響プローブ1500まで照明光を伝送し、その出射端1510から照明光を出射させる。出射端1510から被検体Eへ照明された光は被検体E内部で拡散し、光音響効果によって光吸収体から光音響波が発せられる。
以下、被検体情報処理装置の動作について説明する。光源1540は、コンピュータ1700による制御に従って照明光を発し、光学系1560は照明光を成形してバンドルファイバ1550へ入射させる。そしてバンドルファイバ1550で光音響プローブ1500まで照明光を伝送し、その出射端1510から照明光を出射させる。出射端1510から被検体Eへ照明された光は被検体E内部で拡散し、光音響効果によって光吸収体から光音響波が発せられる。
受信部1520には、複数の音響波受信素子がアレイ状に配置されており、トランスデューサアレイ1650を構成している。発せられた光音響波は、トランスデューサアレイ1650により受信されて電気信号に変換され、その電気信号がコンピュータ1700へ送られる。
また、後述するように、本実施形態の光音響プローブは被検体に音響波を送信して、被検体で反射した超音波エコーを受信する機能を有する。音響波送信用の素子と超音波エコー受信用の素子は、別体であっても良いし、兼用であっても良い。なお、「超音波エコー」という文言は、波長範囲を限定する意図ではない。
図11では、バンドルファイバ1550を途中で分岐し、受信部1520を挟むように出射端1510を二箇所設けたが、分岐個数はこれに限定されない。例えば分岐をせずに受信部1520の片面にのみ隣接させても有効である。また、光源1540から光音響プローブ1500までの光伝送にバンドルファイバ1550を用いたが、ミラーやプリズムなど光学素子を介して光伝送してもよい。
また、照明光の照射と受信部1520による光音響波の受信は同期をとる必要がある。そのためには、バンドルファイバ1550を一部分岐して光照射検出器1590で検出し、その検出信号をトリガとして、図11に示すコンピュータ1700内部のデータ取得部1718に受信を開始させれば良い。そのほか、不図示の信号発生器を用いて、光源1540とデータ取得部1718に発光タイミングを知らせる信号を入力し、光源1540の発光タイミングとデータ取得部1718の受信タイミングを同期させてもよい。
実施形態3においても、形状取得部600は、被検体Eの内部または表面の形状情報を取得する。形状取得部600としては、実施形態1と同様に、被検体に音響波を送受信して形状情報を取得する構成や、画像撮影によって形状情報を取得する構成を利用できる。得られた被検体Eの表面または内部の形状情報は、画像再構成のときに利用できる。また、得られた形状情報を光音響画像と重畳表示、並列表示、もしくは交互表示しても良い。なお、形状取得部600は必須のモジュールではなく、必要に応じて設置すれば良い。また、形状取得部600は、被検体情報処理装置とは別に提供されてもよい(不図示)。
トランスデューサアレイ1650における素子配置は特定のものに限定されない。例えば、1Dのリニアアレイ、セクタアレイ、コンベックスアレイ、2Dアレイ、スパースアレイなどの配置を利用できる。トランスデューサアレイに用いるトランスデューサ(音響波受信素子)としては、被検体Eからの光音響波に対して受信感度が高く、周波数帯域が広いものが望ましい。例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック材料や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電膜材料などを用いることができる。また、cMUT(Capacitive Micro−machined Ultrasonic Transducers)などの静電容量型の素子、ファブリペロー干渉計を用いた音響波受信素子、なども利用できる。
また、図11では光音響プローブ1500を、直接、被検体Eに接触させているが、測定方法はこれに限定されない。被検体Eを、例えば音響波を透過可能な平板状の固定具ではさみこむなどして固定し、その固定具越しに光音響プローブ1500を被検体に対向させても良い。このようにすることで、被検体Eの形状が安定する。
<処理の手順>
次に、実施形態3に係る被検体情報処理装置の動作の手順について説明する。図13は、実施形態3に係る被検体情報処理装置の、超音波エコー信号取得、光照射、光音響信号取得の順番を示す。
次に、実施形態3に係る被検体情報処理装置の動作の手順について説明する。図13は、実施形態3に係る被検体情報処理装置の、超音波エコー信号取得、光照射、光音響信号取得の順番を示す。
まず、測定開始とともに超音波測定が行われる。超音波測定は、音響波の送信、当該音響波の被検体表面または内部での反射、超音波エコーの受信および超音波エコー信号への変換、の各処理を含む。これにより、超音波エコー信号が取得される。図中、各測定サイクルにおける「超音波エコー信号取得」処理では、このような超音波測定がN回(Nは0以上)実施される。超音波測定によって得られた超音波エコー信号を処理することで、被検体E内外の形状情報、血管形状情報、血管走行情報などを示す、超音波エコー画像データが取得される。超音波エコー画像データの撮像幅、撮像深さ、フレーム数は、ユーザーの指定に応じて設定できる。続いて、被検体に光が照射され、発生した光音響波を音響波受信素子が受信することで、光音響信号を取得できる。この一連の動作を、1つの測定サイクルと定義する。図13では、M回の測定サイクル1〜Mが実施される。
なお、1つの測定サイクル中における超音波送信と超音波受信の回数は、被検体E内外の形状情報を適切に取得できる限り、特定の回数に制限されない。光音響信号取得に悪影響のない範囲で、いかなる設定も可能であるものとする。また、各測定サイクルの間で超音波送信および超音波受信の回数Nが同一である必要はない。このように実施形態3においては、測定サイクルを複数回実施することにより、光音響画像と超音波画像をリアルタイムで生成できる。
光音響トモグラフィの場合、被検体組織の過度の温度上昇を避けるため、光の照射間隔はある一定時間(数十ms)以上に設定する必要がある。このように、光音響画像のフレームレートが光照射間隔で律速されるため、光照射間隔内に超音波エコー信号取得フェーズを完了可能である。また、光照射間隔内に光音響画像データの生成が終了する程度の描画性能があれば、リアルタイム処理であっても光音響画像のフレームレートが低下することはない。なお、フレームレートを高くする必要が無いのであれば、必ずしも数十ms間隔で光の照射を行う必要はない。
また、図13では、超音波エコー信号取得が光照射の前に来る動作シーケンスとなっているが、必ずしもこれに限定されない。また、各測定サイクルで超音波送信、超音波受信の回数Nを0にすることも可能である。よって、1回目の測定サイクルで、超音波送信、超音波受信の数を0に設定すれば、超音波信号取得より先に光照射、光音響信号取得を行
うことも可能である。いずれにせよ、実施形態3においては、ユーザーの要望に合わせて超音波エコー信号取得と光音響信号取得の態様を柔軟に変更できるものとする。仮に全ての測定サイクルで超音波送信、超音波受信の回数を0とした場合、本実施形態の処理はハンドヘルド型の光音響測定に相当する。
うことも可能である。いずれにせよ、実施形態3においては、ユーザーの要望に合わせて超音波エコー信号取得と光音響信号取得の態様を柔軟に変更できるものとする。仮に全ての測定サイクルで超音波送信、超音波受信の回数を0とした場合、本実施形態の処理はハンドヘルド型の光音響測定に相当する。
なお、形状取得部600を用いない構成の場合、図12に示す超音波エコー信号取得のフェーズは不要となり、光音響信号取得の動作のみが繰り返し実施されることとなる。この場合、光を生体に照射する場合の安全性の観点から最大の光照射周期が決定され、決定された最大の光照射周期以下の周期で光音響信号取得の動作が行われる。
<ノイズ計測>
つぎに、図14(a)、14(b)のタイミングチャートを用いて、ノイズ計測部1711によるシステムノイズのチェック方法を説明する。図14(a)、14(b)は、被検体情報処理装置の各構成モジュールが、電源ONになって可動状態になるタイミングを示す。レベルがHの状態の時は電源ONになって可動状態であり、レベルがLの状態の時は電源OFF状態となっていることを意味する。
なお、ここでシステムノイズとは、被検体情報処理装置が光音響波を受信していない状態で、コンピュータ1700内部に存在するデータ取得部1718を用いて取得できる受信データを指す。
つぎに、図14(a)、14(b)のタイミングチャートを用いて、ノイズ計測部1711によるシステムノイズのチェック方法を説明する。図14(a)、14(b)は、被検体情報処理装置の各構成モジュールが、電源ONになって可動状態になるタイミングを示す。レベルがHの状態の時は電源ONになって可動状態であり、レベルがLの状態の時は電源OFF状態となっていることを意味する。
なお、ここでシステムノイズとは、被検体情報処理装置が光音響波を受信していない状態で、コンピュータ1700内部に存在するデータ取得部1718を用いて取得できる受信データを指す。
図14(a)においては、被検体情報処理装置の構成モジュールの電源が全てオンされた後(タイミングT1,T2)、かつ、光音響波を受信していない状態で、システムノイズが計測される(タイミングTn)。
図14(b)においては、被検体情報処理装置の各構成モジュールの電源を順次ONする度に、システムノイズを計測する。この場合、まずコンピュータ1700、ディスプレイ900、入力部1000の電源をONする(タイミングT1)。その後、1回目のシステムノイズ計測を行う(タイミングTn0)。次いで、光源100の電源をONする(タイミングT2)。その後、2回目のシステムノイズ計測を行う(タイミングTn1)。Tn1以降は、通常の光音響測定を実施可能である。図14(b)の手法では、どの構成モジュールが不具合を起こして大きなノイズを発生させているのかを特定しやすくなる。
また、実施形態1で述べたように、トランスデューサアレイ1650として、cMUTのような複数の電源から電圧を印加する必要がある素子を用いる場合、電源ごとの個別のシステムノイズ計測や、すべての電源がON状態でのシステムノイズ計測を行うことも好ましい。こうすることで、トランスデューサアレイ1650に関連する電源がシステムノイズに及ぼす影響を確認できる。
なお、システムノイズの計測時のパターンは、図14に示したものに限定されない。また、構成モジュールの電源をONする順番は、被検体情報処理装置の適切な使用条件に反しない限りで、どのような順番にしても良い。ただし、少なくともコンピュータ1700が電源ONになっていないとシステムノイズデータ計測ができないため、システムノイズ計測に際しては、コンピュータ1700の電源ONとなっていることが必要である。
上記各実施形態と同様に、本実施形態においても、計測したシステムノイズ情報を用いてノイズ関連情報を算出・表示できる。その結果、最適な受信条件の決定や、装置状態の把握が可能になる。
また、走査位置センサ1530を用いて取得した光音響信号取得位置情報と、取得したシステムノイズ情報を参照することで、プローブ位置を変えた場合のシステムノイズレベ
ルの確認を行うシステムノイズ計測モードを設けても良い。ユーザーはこのモードを用いて、検査空間において外来ノイズの影響が強い場所を事前に確認し、そのような検査空間を避けて光音響測定を行うことで、ノイズを低減させることができる。このようなモードにおいては、プローブ位置とノイズレベルの関係を、例えば図10(a)に示したように表示しても良い。表示態様は1次元、2次元、3次元、もしくは時間経過も含めた4次元動画で表しても良く、表示態様は特定の形式に限定されない。
また、本実施形態は、図11のようなプローブを、図10(a)に示したように機械的に走査する場合にも適用可能である。
ルの確認を行うシステムノイズ計測モードを設けても良い。ユーザーはこのモードを用いて、検査空間において外来ノイズの影響が強い場所を事前に確認し、そのような検査空間を避けて光音響測定を行うことで、ノイズを低減させることができる。このようなモードにおいては、プローブ位置とノイズレベルの関係を、例えば図10(a)に示したように表示しても良い。表示態様は1次元、2次元、3次元、もしくは時間経過も含めた4次元動画で表しても良く、表示態様は特定の形式に限定されない。
また、本実施形態は、図11のようなプローブを、図10(a)に示したように機械的に走査する場合にも適用可能である。
以上説明したように、本実施形態に係る被検体情報処理装置によれば、システムノイズを計測することで、装置状態を容易に把握することができ、かつ最適な光音響信号受信条件を導出できる。ひいては、診断能の高い光音響画像取得が可能となる。
本発明の各実施形態に記載したシステムノイズ計測を行う時期は任意である。例えば、ユーザーが入力部1000でシステムノイズ計測モードを起動してもよい。また、被検体情報処理装置の電源ON時に、自動でシステムノイズ計測モードを実行しても良い。また、ユーザーが予め、自動的にシステムノイズ計測モードを実行するための実行タイミングを設定しておいても良い。
さらに、図3、図12に示されるリモートアクセスモジュール2200、2300を介し、無線やインターネット経由でリモートにてシステムノイズ計測モードを実行することも可能である。このようにすることで、被検体情報処理装置から離れた場所からでもシステムノイズを計測できるので、メンテナンス性が向上する。図3、図12に示される通信線2210、2310は、リモートアクセスモジュール2200、2300をバス2000、2100に接続するものである。計測されたシステムノイズ情報を、記憶部等に保存し、随時参照可能にしても良い。
本発明の実施形態2,3においては、システムノイズ計測モードと通常の光音響信号取得モードが時間的に分離されていた。しかし、通常の光音響信号データを取得しながらシステムノイズ計測も行うようなモードを設けても良い。この並行モードでは、光音響信号データ取得とシステムノイズ計測が並行して行われる。
また、光照射を行って被検体Eの光音響信号を取得する通常の光音響測定の前または後に、システムノイズを計測しても良い。こうすることで、被検体Eの光音響信号を取得するタイミングに非常に近い時間でのシステムノイズデータを計測することが可能である。この場合の、通常の光音響測定とシステムノイズ計測のタイミングの時間差については、光音響信号取得時の信号とシステムノイズとを時間的に分離できるように、両者の間に可能な限り時間差を設けることが好ましい。また、入力部1000等を用いてユーザーが時間差を設定できるようにしても良い
なお、通常の光音響測定とシステムノイズ計測を分離するために、光学系200、1560の光路にシャッター等を設けておき、システムノイズ計測時には光を遮断しても良い。これにより、正確なシステムノイズ計測が可能になる。この手法によれば、実際の光音響測定時とほぼ同じ装置動作条件でのシステムノイズ計測が可能になる。計測したシステムノイズデータは、被検体Eの光音響測定により得られたデータとは別に、光音響信号取得位置情報と対応づけて保存すると良い。
さらに、光音響信号取得とシステムノイズ計測を並行して行う場合、取得されたシステムノイズ計測データの解析結果を参照して、次の光音響信号取得タイミングにおけるアナログ回路部735、デジタル回路部736の設定を最適化するようにしても良い。こうす
ることで、直近のシステムノイズ状態に対応して補正された受信条件で、光音響信号を取得可能となる。
ることで、直近のシステムノイズ状態に対応して補正された受信条件で、光音響信号を取得可能となる。
本発明の被検体情報処理装置と無線やインターネット経由で取得可能な情報はシステムノイズ計測結果に限定されない。本発明の被検体情報処理装置で取得した光音響信号や超音波信号から派生するいかなる情報(演算されたパラメータ値、光音響画像、超音波画像、など)も本発明の被検体情報処理装置に保存されて良い。加えて、本発明の被検体情報処理装置のシステムの状況(動作状態、故障の有無などの情報)も本発明の被検体情報処理装置に保存されて良い。そして、無線やインターネット経由で随時参照することを可能にして良い。さらには、無線やインターネット経由で本発明の被検体情報処理装置をオペレーションすることも可能としても良い。
本発明によれば、被検体情報処理装置において、構成モジュールのそれぞれがシステムノイズにどの程度寄与しているかを検知するための技術を提供できる。また、信号処理や画像再構成において、システムノイズが少ない受信チャンネルを選択したり、システムノイズが少ないチャンネルほど重みを大きくしたりすることで、光音響信号や光音響画像のSN比を向上させられる。
上記の各実施形態では、被検体情報処理装置が備える構成モジュールとして、給排液ユニット、形態取得部、スキャナー、光源を例にとって説明したが、プローブも構成モジュールとして同様の処理を行ってもよい。
上記の各実施形態では、被検体情報処理装置が備える構成モジュールとして、給排液ユニット、形態取得部、スキャナー、光源を例にとって説明したが、プローブも構成モジュールとして同様の処理を行ってもよい。
300:音響波受信素子、700:コンピュータ、710:演算部、718:データ取得部、750:システム制御部
Claims (24)
- 光源からの光が被検体に照射されて発生する音響波に基づいて得られる前記被検体の情報を処理する、複数の構成モジュールを備えた被検体情報処理装置であって、
前記音響波を受信する音響波受信素子と、
前記音響波に基づく信号を出力するデータ取得部と、
前記信号を用いて、前記被検体の特性情報を生成する演算部と、
前記信号を用いて、前記複数の構成モジュールが発生させるシステムノイズを計測するノイズ計測部と、
前記被検体情報処理装置が備える前記複数の構成モジュールのそれぞれの起動および停止のタイミングと、前記ノイズ計測部による計測のタイミングを制御するシステム制御部と、
を有することを特徴とする被検体情報処理装置。 - 前記システム制御部は、順次、前記複数の構成モジュールを起動し、
前記ノイズ計測部は、前記複数の構成モジュールのいずれかが起動したのち、次の構成モジュールが起動する前に、前記システムノイズを計測する
ことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報処理装置。 - 前記システム制御部は、前記複数の構成モジュールを個別に起動し、
前記ノイズ計測部は、個別に起動された前記複数の構成モジュールのそれぞれについて、前記システムノイズを計測する
ことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報処理装置。 - 前記データ取得部は、前記音響波受信素子から出力されたアナログ信号を処理するアナログ回路部と、前記アナログ信号をデジタル信号に変換するデジタル回路部を有する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の被検体情報処理装置。 - 前記ノイズ計測部は、計測された前記システムノイズに基づいて、前記音響波の受信に関する設定条件を算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の被検体情報処理装置。 - 前記被検体情報処理装置は、複数の前記音響波受信素子を有し、
前記データ取得部は、前記複数の音響波受信素子の少なくとも一部に対応する複数の受信チャンネルを有しており、
前記ノイズ計測部は、前記受信チャンネルごとに前記システムノイズを計測する
ことを特徴とする請求項4または5に記載の被検体情報処理装置。 - 前記演算部は、前記受信チャンネルごとの前記システムノイズに基づいて、前記特性情報を生成するときに、前記受信チャンネルごとに前記信号に重み付けを行う
ことを特徴とする請求項6に記載の被検体情報処理装置。 - 前記音響波受信素子と前記被検体の相対位置を変化させる移動部をさらに有し、
前記ノイズ計測部は、複数の前記相対位置のそれぞれにおいて前記システムノイズを計測する
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の被検体情報処理装置。 - 前記音響波受信素子と、前記光源からの光を出射する出射端を含むハンドヘルド型のプローブをさらに有する
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の被検体情報処理装置。 - 前記演算部は、前記音響波受信素子と前記被検体の相対位置ごとの前記システムノイズに基づいて、前記特性情報を生成するときに、前記相対位置ごとに前記信号に重み付けを行う
ことを特徴とする請求項8または9に記載の被検体情報処理装置。 - 前記システムノイズを表示する表示部をさらに有し、
前記表示部には、前記受信チャンネルごとのシステムノイズを示すグラフ、前記データ取得部におけるゲインの設定と入力換算ノイズに関するグラフ、前記データ取得部におけるゲインの設定と最大受信音圧に関するグラフ、前記システムノイズの周波数スペクトルを示すグラフ、の少なくともいずれかが表示される
ことを特徴とする請求項6または7に記載の被検体情報処理装置。 - 前記構成モジュールには、前記光源、前記演算部、ユーザーが入力を行うための入力部、表示部、前記音響波受信素子と前記被検体の間に音響マッチング材を供給する給排液ユニット、前記音響波受信素子と前記被検体の相対位置を変化させる移動部、前記被検体または前記被検体を保持する部材の形状情報を取得する形状取得部、のすくなくともいずれかが含まれる
ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の被検体情報処理装置。 - 光源からの光が被検体に照射されて発生する音響波に基づいて得られる前記被検体の情報を処理する被検体情報処理装置の制御方法であって、前記被検体情報処理装置は、音響波受信素子と、データ取得部と、演算部と、ノイズ計測部と、システム制御部とを含む複数の構成モジュールを有し、
前記音響波受信素子が、前記音響波を受信する受信ステップと、
前記データ取得部が、前記音響波に基づく信号を出力する取得ステップと、
前記演算部が、前記信号を用いて、前記被検体の特性情報を生成する演算ステップと、
前記ノイズ計測部が、前記信号を用いて、前記複数の構成モジュールが発生させるシステムノイズを計測する計測ステップと、
前記システム制御部が、前記被検体情報処理装置が備える前記複数の構成モジュールのそれぞれの起動および停止のタイミングと、前記ノイズ計測部による計測のタイミングを制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする被検体情報処理装置の制御方法。 - 前記制御ステップは、順次、前記複数の構成モジュールを起動し、
前記計測ステップは、前記複数の構成モジュールのいずれかが起動したのち、次の構成モジュールが起動する前に、前記システムノイズを計測する
ことを特徴とする請求項13に記載の被検体情報処理装置の制御方法。 - 前記制御ステップは、前記複数の構成モジュールを個別に起動し、
前記計測ステップは、個別に起動された前記複数の構成モジュールのそれぞれについて、前記システムノイズを計測する
ことを特徴とする請求項13に記載の被検体情報処理装置の制御方法。 - 前記取得ステップは、前記音響波受信素子から出力されたアナログ信号を処理するステップと、前記アナログ信号をデジタル信号に変換するステップを含む
ことを特徴とする請求項13ないし15のいずれか1項に記載の被検体情報処理装置の制御方法。 - 前記計測ステップは、計測された前記システムノイズに基づいて、前記音響波の受信に
関する設定条件を算出する
ことを特徴とする請求項16に記載の被検体情報処理装置の制御方法。 - 前記被検体情報処理装置は、複数の前記音響波受信素子を有しており、かつ、前記データ取得部は、前記複数の音響波受信素子の少なくとも一部に対応する複数の受信チャンネルを有しており、
前記計測ステップは、前記受信チャンネルごとに前記システムノイズを計測する
ことを特徴とする請求項16または17に記載の被検体情報処理装置の制御方法。 - 前記演算ステップは、前記受信チャンネルごとの前記システムノイズに基づいて、前記特性情報を生成するときに、前記受信チャンネルごとに前記信号に重み付けを行う
ことを特徴とする請求項18に記載の被検体情報処理装置の制御方法。 - 前記被検体情報処理装置は、移動部をさらに有しており、
前記被検体情報処理装置の制御方法は、前記音響波受信素子と前記被検体の相対位置を変化させる移動ステップをさらに有し、
前記計測ステップは、複数の前記相対位置のそれぞれにおいて前記システムノイズを計測する
ことを特徴とする請求項13ないし19のいずれか1項に記載の被検体情報処理装置の制御方法。 - 前記被検体情報処理装置は、前記音響波受信素子と、前記光源からの光を出射する出射端を含むハンドヘルド型のプローブをさらに有する
ことを特徴とする請求項13ないし19のいずれか1項に記載の被検体情報処理装置の制御方法。 - 前記演算ステップは、前記音響波受信素子と前記被検体の相対位置ごとの前記システムノイズに基づいて、前記特性情報を生成するときに、前記相対位置ごとに前記信号に重み付けを行う
ことを特徴とする請求項20または21に記載の被検体情報処理装置の制御方法。 - 前記被検体情報処理装置の制御方法は、前記システムノイズを表示部に表示する表示ステップをさらに有し、
前記表示ステップは、前記受信チャンネルごとのシステムノイズを示すグラフ、前記取得ステップにおけるゲインの設定と入力換算ノイズに関するグラフ、前記取得ステップにおけるゲインの設定と最大受信音圧に関するグラフ、前記システムノイズの周波数スペクトルを示すグラフ、の少なくともいずれかが表示される
ことを特徴とする請求項18または19に記載の被検体情報処理装置の制御方法。 - 前記構成モジュールには、前記光源、前記演算部、ユーザーが入力を行うための入力部、表示部、前記音響波受信素子と前記被検体の間に音響マッチング材を供給する給排液ユニット、前記音響波受信素子と前記被検体の相対位置を変化させる移動部、前記被検体または前記被検体を保持する部材の形状情報を取得する形状取得部、のすくなくともいずれかが含まれる
ことを特徴とする請求項13ないし23のいずれか1項に記載の被検体情報処理装置の制御方法。
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JP2017156006A JP2019033824A (ja) | 2017-08-10 | 2017-08-10 | 被検体情報処理装置およびその制御方法 |
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